眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法
【課題】眼球の動きの範囲が設定された誤差の範囲を越える場合には、陽子ビームの出力を遮断できる眼球腫瘍治療において眼球追跡方法を提供する。
【解決手段】本発明は、眼球腫瘍治療システムの制御装置の出力部を通じて出力される画像の画素当りの実際の長さを、制御装置の制御部が制御装置の記憶部に保存する較正段階;眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送された患者の眼球画像を、制御部が患者の眼球に対するテンプレート画像で記憶部に保存するテンプレート画像生成段階;眼球腫瘍治療システムの陽子ビームの出力装置を通じて患者の眼球治療中、制御部が感知装置から実時間に受け取った患者の眼球の実時間画像をテンプレート画像に比較し、実時間画像の動きの可否を判断する眼球位置追跡段階;及び判断結果により、制御部が陽子ビームの出力装置の動作を停止させ、又は陽子ビームの出力装置の動作を正常的に維持させる制御段階を含む。
【解決手段】本発明は、眼球腫瘍治療システムの制御装置の出力部を通じて出力される画像の画素当りの実際の長さを、制御装置の制御部が制御装置の記憶部に保存する較正段階;眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送された患者の眼球画像を、制御部が患者の眼球に対するテンプレート画像で記憶部に保存するテンプレート画像生成段階;眼球腫瘍治療システムの陽子ビームの出力装置を通じて患者の眼球治療中、制御部が感知装置から実時間に受け取った患者の眼球の実時間画像をテンプレート画像に比較し、実時間画像の動きの可否を判断する眼球位置追跡段階;及び判断結果により、制御部が陽子ビームの出力装置の動作を停止させ、又は陽子ビームの出力装置の動作を正常的に維持させる制御段階を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は眼球の動きを追跡する方法に関し、特に、眼球腫瘍を治療する過程において眼球の動きを追跡する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌のような腫瘍を治療するための方法として、最近には放射線を利用した方法が広く利用され、このような放射線を利用した腫瘍治療方法は眼球腫瘍を治療するための方法としても利用されている。一方、最近は陽子ビームを利用した眼球の腫瘍治療方法が開発され利用されている。
【0003】
図1は陽子ビームとX線の特性を説明するためのグラフとして、陽子ビームとX線の人体において透過特性を示した。
【0004】
陽子ビーム治療法は放射線治療の一種である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−339641号公報。
【特許文献2】特表2007−516049号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
即ち、放射線治療はX線や電磁ビーム(陽子ビーム)を人体に照射し癌細胞を破壊することとして、今まで患者治療に多く用いたX線は図1に図示されたように、通過経路にある全ての組織に損傷を与え、副作用を免れ難いという問題点がある。
【0007】
しかし、陽子ビームはX線とは別に体内で止まる直前に大抵のエネルギーを発散して消えるが、これは陽子ビームのみに現れる独特な現状として、エネルギーが集中的に発散される地点を「ブラッグピーク(Bragg peak)」という。即ち、ブラッグピーク後方の正常組織には放射線露出がなく副作用を減らすことができ、ピークの発生地点はビームの強さと通過する物質によって異なることもある。従って、人体を透過する陽子ビームの強さを調節すれば癌細胞のみを正確に照準し破壊できるため、陽子ビームを利用した治療方法はX線を利用した治療方法より特有な方法だと言える。
【0008】
しかし、上述したように、陽子ビームを利用した眼球腫瘍治療は一般光子線より多くの長所を有するが、これは同時に短所になることもあるという問題点がある。
【0009】
即ち、陽子ビームを利用した腫瘍治療方法は、望む深さと厚さの治療範囲を調節でき治療効果を極大化できるが、陽子ビーム治療中、患者の治療位置が動けば、正常的人体組織に過多な陽子ビームが照射されることにより副作用が発生し、特に眼球の場合には致命的副作用が発生することもあるという問題点がある。
【0010】
本発明は先行技術においての上記問題点を解決しようとするもので、本発明の目的は、陽子ビームを利用した眼球腫瘍の治療中、眼球の動き範囲が既に設定された誤差範囲を越える場合には、陽子ビームの出力を遮断できる眼球腫瘍治療において眼球追跡方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、眼球腫瘍治療システムに適用される眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法における、上記眼球腫瘍治療システムの制御装置の出力部を通じて出力される画像の画素当りの実際の長さを、上記制御装置の制御部が上記制御装置の記憶部に保存する較正段階;上記眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送された患者の眼球画像を、上記制御部が上記患者の眼球に対するテンプレート画像で上記記憶部に保存するテンプレート画像生成段階;上記眼球腫瘍治療システムの陽子ビームの出力装置を通じて上記患者の眼球を治療中、上記制御部が上記感知装置から実時間に受け取った上記患者の眼球の実時間画像を上記テンプレート画像に比較し、上記実時間画像の動きの可否を判断する眼球位置追跡段階;及び上記判断結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定された誤差範囲を越える場合、上記制御部が上記陽子ビームの出力装置の動作を停止させ、上記判断結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定された誤差範囲内にある場合、上記制御部が上記陽子ビームの出力装置の動作を正常的に維持させる制御段階を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明は陽子ビームを利用した眼球腫瘍の治療中、眼球の動き範囲が既に設定された誤差範囲を越える場合には、陽子ビームの出力を遮断させることにより、陽子ビームによる眼球の副作用を防ぐという特有な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】陽子ビームとX線の特性を説明するためのグラフである。
【図2】本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法が適用される眼球腫瘍治療システムの一実施例の構成図である。
【図3】本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法の一実施例構成図のフローチャートである。
【図4】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図5】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図6】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図7】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図8】本発明に適用されるテンプレート画像生成過程において利用される画面の例示図である。
【図9】本発明に適用される治療中、眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図10】本発明に適用される治療中、眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図11】本発明に適用される治療中、眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照して本発明が詳しく説明する。
【0015】
図2は本発明に係る眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法が適用される眼球腫瘍治療システムの一実施例の構成図である。
【0016】
本発明は陽子ビームを利用して眼球腫瘍を治療する過程において利用される眼球追跡方法に関することで、陽子ビームを利用した眼球腫瘍治療の最も重要な過程は、治療中、患者の瞳孔(眼球)が治療計画時設定された眼球位置を持続的に維持することである。このための本発明は、図2に図示されたようにシステムを再構成したところ、本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法が適用される眼球腫瘍治療システムは、陽子ビームを出力させ眼球腫瘍治療をするための陽子ビーム出力装置(10)、陽子ビーム出力装置により腫瘍治療を受けている眼球の動きを感知するための感知装置(20)及び感知装置から伝送された眼球の動きを分析し眼球の動きに従って陽子ビーム出力装置の動作を制御するための制御装置(30)を含む。
【0017】
陽子ビーム出力装置(10)は眼球腫瘍治療をするためのことで、現在、利用されている陽子ビーム出力装置が利用されているところ、それに対する詳細な説明は省略する。
【0018】
感知装置(20)は眼球腫瘍治療を受けている眼球の動きを感知する機能を遂行することで、感知装置で感知された患者の眼球画像は制御装置へ伝送される。従って、感知装置は陽子ビーム出力装置に隣接に設置されるべきであり、好ましくは図2で図示したように、陽子ビーム出力装置の中にも陽子ビームが出力される放射口(11)に隣接に設置されるべきである。一方、本発明に適用される感知装置はCCDカメラ等で構成されることもあり、特に、画像を受け取るレンズ(21)及び赤外線を発生させる赤外線LED(22)を含めて構成されている。感知装置に適用されるレンズは単純絞り調節機能のみ有しているため、実際焦点調節が難しくて不便な短所があり、眼球のパタンマッチング(pattern matching)ソフトウエアを利用する場合、正確性を高めるためには蛍光灯の明かりと他の周辺環境による瞳孔に形状ができることを防ぐ必要があった。従って、本発明に適用される感知装置は赤外線を利用し、環境に依存した周辺の雑光と形象(周辺光、間接照明、それらの画像)を除去し、このため治療室内の照明を暗くするのが好ましい。また、感知装置(20)に適用されるカメラレンズ(21)は調整室内で制御装置(30)により遠隔から拡大調節、焦点調節、絞りの調節できるように構成され、レンズ(21)周辺には赤外線LED(22)が装着されている。
【0019】
即ち、本発明に適用される感知装置(20)の一番目の特徴は、患者の眼球に突き当たる周辺環境からの雑光による分析力の低下を減らすため、人の目には見えないが、カメラでは撮影可能な赤外線LED(22)を感知装置のレンズ隣接に配列させることで制御装置において画像分析を容易にするということである。言い換えれば、患者眼球画像を正確に分析するためには精密で高品位パタンを得ることが重要な課題だが、一般的環境において眼球画像は周辺の様々な照明施設(蛍光灯、室内照明灯、コンピューター及びカメラ反射画像等)等のため、明確した眼球画像を得難く、このような条件を除去するため、本発明は感知装置に赤外線LEDを装着し眼球内に必要な照明と一定のパタンを提供し、パタンマッチング(pattern matching)に助力している。
【0020】
感知装置(20)の二番目の特徴は、感知装置(20)に適用されるカメラレンズが制御装置により遠隔から拡大調節、焦点調節、絞り調節できるように構成されているということである。即ち、従来のカメラレンズは単純絞り調節機能のみ有し実際焦点調節が難しくて不便な短所があったが、本発明は制御装置(30)によりレンズが多様な形態に調整できるという特徴を有する。
【0021】
上記のような構成を含む感知装置(20)は、レンズを通じて受け取った画像を制御装置(30)の画像捕捉ボード(image acquisition board(NI Vision acquisition board))(インターフェース(31))へ伝送し、制御装置(30)はインターフェース(31)により受け取った画像を後述する本発明に係る方法を使用して保存及び分析する。
【0022】
制御装置(30)は感知装置(20)から患者の眼球に対するテンプレート画像(template image、又は標準画像ともいう。)を提供されて保存する一方、眼球腫瘍治療時、上記眼球に対する実時間画像(real time image)を提供され、上記テンプレート画像と比較して、眼球の動きが感知された場合には、陽子ビーム出力装置の動作を中止させる機能を遂行する。図2で図示されたように制御装置(30)は、陽子ビーム出力装置(10)及び感知装置(20)との通信を遂行することで、ハードウエアとソフトウエアを連結する画像捕捉ボード(image acquisition board)機能を遂行するインターフェース(31)、使用者から、各種の制御信号を入力されるための入力部(33)、感知装置(20)から伝送された各種画像情報と本発明に係る眼球腫瘍治療で眼球追跡方法を具現するための各種プログラム情報を保存するための記憶部(35)、テンプレート画像と実時間画像を比較してその結果により上記陽子ビーム出力装置の機能を制御するための制御部(32)、及び制御部(32)の制御により各種の情報を出力するための出力部(34)を含み構成されている。一方、感知装置(20)から伝送された画像は、現在、国外はもちろん国内の大企業の研究所で自動制御計測と関連された分野で広く用いられており、先端技術開発に用いられているグラフィックベースプログラム言語であるラボビュー(Lab View)の画像分析プログラムを利用して制御装置で分析されることができる。即ち、本発明は画像分析プログラムの形態に具現され、制御装置(30)で実行されることができる。
【0023】
図3は本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法の一実施例のフローチャート(flow chart)である。
【0024】
本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法は図3に図示されたように、感知装置(20)に対する各種セッティング作業を遂行する較正(calibration)過程(100)、感知装置(20)から提供された患者の眼球画像をテンプレート画像に生成して制御装置に保存するテンプレート画像(template image)生成過程(200)、陽子ビームを利用して眼球腫瘍の治療中の実時間画像(treatment image)をテンプレート画像と比較して眼球の動きを分析する眼球位置追跡過程(300)及び眼球位置追跡過程を通じて分析された情報を利用して陽子ビーム出力装置の駆動を制御する制御過程(400)を含み構成されている。
【0025】
較正過程(100)は患者眼球の画像を正確に分析するため、感知装置(20)の画像焦点と各画素当りの実際距離を測定して記憶部(35)に保存する過程として、眼球腫瘍治療を実質的に始めるための前段階で遂行され過程だ。本発明において、実際に患者治療中、予想できない場合に備えて、較正過程でポイント検出(point detection)、エッジ検出(edge detection)、ライン測定(line measurement)、マニュアル入力(manual input)などの多様な方法を利用して画像の各画素当りの距離(mm値)を決定できるようにしている。即ち、較正過程は出力部のディスプレーを通じて見える画像の長さが実際、どのような長さに該当するかをチェックし、記憶部(35)に保存するための過程である。
【0026】
テンプレート画像(template image)生成過程(200)は、患者の眼球に対するテンプレート画像(template image)を生成して記憶部(35)に保存する段階で、較正過程の以後に遂行される。即ち、本発明に係る眼球腫瘍治療において、眼球追跡方法に適用される画像分析プログラムが実行された状態で、感知装置(20)から患者の眼球画像が伝送され、入力部(33)を通じて患者の名前と番号(RT Number)が入力されれば、制御部(32)は上記眼球画像を上記患者の名前及び番号とマッチングさせ、テンプレート画像で記憶部(35)に保存する。
【0027】
治療中の眼球位置追跡過程又はモード(treatment mode)(300)は陽子ビームの出力装置(10)を利用して患者の眼球腫瘍の治療中、制御装置(32)が感知装(20)から実時間に受け取った患者の眼球の実時間画像をテンプレート画像と比較して、眼球の動きの可否を判断する段階である。即ち、眼球位置追跡過程(300)で制御部(32)は、較正過程とテンプレート画像生成過程を通じて保存されたmm/画素値とテンプレート画像を利用して、テンプレート画像と実時間画像を比較分析することにより、患者の眼球の治療開始時の位置と誤差を、出力部(34)を通じて出力することになる。
【0028】
陽子ビーム出力装置の駆動制御過程(400)は、治療中の眼球位置追跡過程(300)で分析された結果により、制御部(32)が陽子ビーム出力装置(10)の駆動を制御する過程である。
【0029】
図4乃至図7は本発明に適用した較正過程で利用される画面の多様な例示図として、以下では上記図面を参照して較正過程が詳しく説明する。
【0030】
較正過程(100)は患者の眼球画像を正確に分析するために感知装置(20)の画像焦点と各画素当りの実際距離を測定し、記憶部(35)に保存する過程として、制御部(30)はこれを基づいて、眼球位置追跡過程で実際に眼球の移動距離を実測できることになる。
【0031】
本発明に係る眼球腫瘍治療において、眼球追跡方法を具現するためのプログラム(以下、簡単に「画像分析プログラム」という)が制御部(32)により実行されれば、制御装置(20)の出力部(34)には、図4に図示されたように、開始ウィンドウが活性化される。開始ウィンドウは患者の名前、番号、治療の実行日付けを入力する欄と、各々の機能を遂行するボタンで構成されている。開始ウィンドウを通じて入力、保存された患者の名前、番号及び日付けは後で、治療患者のテンプレート画像を保存する時、ファイル名で使われる。
【0032】
使用者が図4で図示したような開始ウィンドウの「較正(calibration)」ボタンを選択すれば、図5で図示したように、ポイント検出(point detection)、エッジ検出(edge detection)、ライン測定(line measurement)、マニュアル入力(manual input)等、四種類のメニューに構成された新しいウィンドウが開ける。四種類のメニューの各々の機能は全て、画像の画素当りの距離(mm値)を決めるようにすることにより、使用者は実際に患者の治療中に発生することが予想できない状況に置かれた時、四種類のメニュー中、上記状況に最も適切ないずれかのメニューを用いて較正過程を遂行することができる。即ち、本発明は使用者が患者の治療中に発生することを予想できない、どのような状況においても、較正過程が円滑に遂行されるように、四種類の較正方法を提案している。
【0033】
先に、ポイント検出測定(point detection measurement)メニューを利用した第1の較正方法は次の通りである。即ち、第1の較正方法は、‘+’マークのテンプレート画像を自動的に感知して、一定距離の間の画素数を測定する方式として、図6に図示したように、‘+’マークが1cm、2cm、3cmの間隔に離れている時、制御部(30)がこれを自動的に感知する一方、該当間隔の画素数を測定して保存する方法である。ここで、いかなる角度に置かれていても関係なく、既に認識している二つの‘+’マークの間の実測距離をmm単位で入力する。二つのクロスマークの間に青色線が描かれながら緑色のOKボタンが生成されれば較正過程が完了される。即ち、使用者が較正のため図6に図示したように、白色の薄いプラスチック版に二つのプラスマークを1mm間隔で示した後、二つのクロスマークの間の実測距離を自動的で検出して、入力部(33)を通じて入力すれば、制御部は画像分析プログラムで、下記の「数1」を利用して、一つの画素当りのmm単位の距離を計算することになる。
【0034】
【数1】
【0035】
次は、ラインエッジ検出測定(line edge detection measurement)メニューを利用した第2の較正方法は、患者の眼球の大きさを認識する場合、有用に利用されることができる方法である。一般的に陽子ビームを利用した眼球腫瘍の治療計画時、患者の眼球構造に対する幾何学的情報を測定して、TPS(treatment planning system)に入力することが一般的方法である。従って、第2の較正方法は上記過程を通じて瞳孔の大きさが正確に実測された場合、単に、使用者が縦方向の線一つのみを引くことで、自動的に瞳孔の周辺の境界線を感知して正確な画素当りの単位の長さを計算する方式である。即ち、第2の較正方法は既に認識している瞳孔の直径が入力され、画像捕捉(image capture)が選択されれば、停止された新しい画像ウィンドウが現れて、ここで縦方向のROI(Region of Interest:関心領域))線を引けば、制御部がその線に従って一番最初と一番最後のedgeを自動抽出して、その間の長さを計算する方法である。この時、ROI線の開始点と終了点の位置はエッジ(edge)以外の任意の位置になるべきである。
【0036】
次に、ラインプロファイル測定(line profile measurement)メニューを利用した第3の較正方法は、基本的に第2の較正方法と類似するが瞳孔のエッジ(edge)を検出し難く、正確な大きさを認識しない場合、任意のいかなる定量化された物を利用して測定できるようにした方法である。即ち、第3の較正方法は瞳孔の大きさはもちろん、定規、大きさが良く知られた任意の特定物などを用いてライン(line)を描くことにより、測定ができるようにしたのである。ただ、第3の較正方法を用いる場合は、第2の較正方法とは異なり、正確な開始点と終了点の位置を確認させるべきである。
【0037】
最後に、マニュアル入力(manual input)メニューを利用した第4の較正方法は、図7に図示されたように、既に一度以上の画素較正過程が実施されてその値が知られている場合、再び較正することなく、既存の較正値を入力して用いる方式である。
【0038】
上述したように、四種類の方法による画素較正(pixel calibration)値は0.02mm以下の相互間の誤差を有しており、いずれの方法の較正を用いても、治療中眼球位置追跡(eye tracking)過程の位置分析には、大きい問題にならないので、使用者が患者の状況や環境要件により、いずれの方式を用いても問題にならない。
【0039】
図8は本発明に適用されるテンプレート画像生成過程で利用される画面の例示図として、以下では、上記の図面を参照してテンプレート画像生成過程を詳しく説明する。
【0040】
テンプレート画像生成過程(200)は患者の眼球に対するテンプレート画像(template image)を生成し、記憶部(35)に保存する段階として、較正過程が終わると遂行される。即ち、画像分析プログラムが実行された状態で、感知装置(20)から患者の眼球画像が伝送され、入力部(33)を通じて患者の名前と番号(RT Number)が入力されると、制御部(30)は上記の画像を上記患者の名前及び番号とマッチングさせ、記憶部(35)に保存する。この時、患者の眼球が容易に区別できるように感知装置(20)の周辺の照明及び感知装置(20)のカメラの絞りを調節する過程が遂行されることが好ましい。即ち、図8に図示されたように、測定者が患者の眼球を可能な限り、出力部(34)の画面の中央に位置するようにした後、画像分析プログラムの「一時的な画像格納(Temp Image Save)」ボタンを押せば、制御部(32)は患者のRT数(Number)に記録された患者番号と同一なビットマップ(bmp)形式のファイルでテンプレート画像を記憶部に保存するようになる。保存されたビットマップ(bmp)イメージが新たにビジョン・アシスタント・プログラム(Vision Assistant Program)を利用して読み込まれた後、測定者が上記画像中のテンプレート画像(template image)として活用しようとする領域を選択すると、制御部(32)は選択された領域を上記患者の眼球に対するテンプレート画像として記憶部(35)に保存するようになる。
【0041】
より詳細に説明すると、較正過程が終わると、治療計画に従う治療中、患者の眼球に対するテンプレート画像とこれに対する基準原点座標が設定されるべきあるが、本発明はこの過程を一つの画像を保存し、ROIを設定することにより、簡単に終わらせるようにしている。図8は図4の開始ウィンドウで、「テンプレート画像(template image)」ボタンが選択された場合、テンプレート画像を作るための新しいウィンドウが開いている状態を示している。一方、使用者は生成されたテンプレート画像を保存するフォルダーを選択し、画像捕捉(image capture)を実行する。新しい停止画像ウィンドウが生成されると、使用者は望むテンプレート画像を指定できるが、いかなる位置のいかなる部分も設定できる。しかし、できる限り瞳孔を追跡するのに有利に、特徴的部分を選択して保存することが好ましい。この時、全体画像の画素640×480領域で生成されたテンプレート画像のROI中心の座標が同時に記録され、この値は実際の治療中、あるべき瞳孔の基本位置になる。
【0042】
テンプレート画像が保存される時のテンプレート画像のファイル名は既に図4で入力された患者の名前、番号、日付に基づいて設定され、基本的に「患者番号_名前_日付.png」の形式で保存されるが、使用者によりファイルの名前は修正できる。
【0043】
図9乃至図11は、本発明に適用される治療中眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図で、以下では上記の図面を参照して治療中の眼球位置追跡過程が詳しく説明する。
【0044】
治療中の眼球の位置追跡過程(treatment mode)(300)は、陽子ビーム出力装置(10)を利用して患者の眼球腫瘍の治療中、制御装置(30)が感知装置(20)から実時間に患者の眼球画像を受け取り、テンプレート画像と比較し眼球の動きの可否を分析する過程である。即ち、眼球追跡過程において制御部(32)は、較正過程とテンプレート画像生成過程を通じて保存されたmm/画素の値とテンプレート画像を利用して、テンプレート画像と周期的に得られる実時間画像を比較分析することにより、テンプレート画像に設定された特別なパタン(Pattern)を確認し、治療開始時の位置と誤差を見せる。
【0045】
より詳細に説明すれば、治療中の眼球位置追跡過程は、陽子ビームを利用して実際に患者の眼球腫瘍の治療中、上記過程を通じて決まった様々な情報を利用し、眼球の動きに対する総合的分析が行われる過程である。
【0046】
上述したようにテンプレート画像を設定する場合、画面全体中にテンプレート画像の原点座標が共に確認されて保存されるが、制御部(32)は設定されたテンプレート画像と原点座標を実時間に入る眼球画像の画像情報を分析することにより、眼球の位置を確認し、実時間の座標を決め、原点座標と比較し、テンプレート画像との位置変化を確認し、誤差(Tolerance)範囲より小さければ通過(Pass)、誤差値より大きければ失敗(Fail)を区分して出力する。
【0047】
まず、図4の「治療(Treatment)」ボタンが選択されれば、図9に図示したように眼球位置追跡装置(Eye Treatment)作業ウィンドウが開きながら、テンプレート画像を選択できるウィンドウが開く。使用者はテンプレート画像を選択し、較正メニューを通じて較正過程において行われた較正方法を選択する。この時、較正過程において実行されなかった較正方法が選択されれば、画像分析プログラムが正常的に作動されないこともある。即ち、使用者は上記で説明された四種類の較正方法中、実質的に上記較正過程(100)を通じて選択された較正方法と同一な較正方法を眼球位置追跡過程(300)で選択すべきである。
【0048】
一方、眼球位置追跡作業ウィンドウにおいて誤差範囲(Tolerance Value)が設定されれば、制御部は設定された値範囲内においての眼球位置変化に対しては通過(Pass)信号を生成し、図10に図示したように、画面下の状況表示ウィンドウ(A)を緑色に表示する一方、感知装置から伝送される実時間画像の線も緑色で示される。
【0049】
しかし、図11に図示したように、患者の眼球が誤差範囲以上に動く場合、制御部は画面全体と状況表示ウィンドウ(A)及び実時間画像の線を赤色に表示される。
【0050】
より詳細に説明すれば、図10及び図11は画像分析プログラムの眼球位置追跡過程においてのグラフィク使用者インターフェース(GUI)として、患者の画像を確認するウィンドウ(B)、眼球の動きを許容する誤差範囲(tolerance value)を入力するレベルウィンドウ(D)、X軸とY軸に対する治療位置から実際外れる距離をmmで見せるグラフウィンドウ(C)と状況表示ウィンドウ(A)を示す。即ち、図10は腫瘍治療を受けている患者の眼球が誤差範囲内にある場合で、このような場合、状況表示ウィンドウ(A)は緑色に表示される。また、本発明は画像分析プログラムのレベル(制限値)ウィンドウ(Limit value ウィンドウ)(D)を通じて、治療中眼球の動きが許容される誤差(tolerance)を0mmから5mmまで変化が可能に設定できるようにする。一方、本発明において制御部は実時間画像の眼球位置が治療誤差範囲内にある場合には、図10に図示したように、画像確認ウィンドウ下の状況表示ウィンドウ(A)を緑色に示しているが、実時間眼球画像の眼球位置が治療誤差範囲を越えたり、実時間画像とマッチングされるテンプレート画像のパタンを探せない場合には、図11に図示したように状況表示ウィンドウ(A)を赤色に変え、警告を表示するようになる。本発明に係わる模擬実験の結果、患者の眼球追跡は平均1mm以内で動きを固定させることができ、0.03mmの分解能として検出が可能であった。しかし、本発明がこれに限定されることはない。即ち、制御部(32)は上記状況表示ウィンドウ(A)に色相を異なり、眼球の動きに対する警告メッセージを出力できるのみならず、上記出力部(34)のスピーカを通じて警告メッセージも出力できる。
【0051】
一方、上記のような治療中、眼球位置追跡過程(300)において、制御部(32)は状況表示ウィンドウ(A)を赤色に表示すべき場合、上記陽子ビーム出力装置(10)の駆動を停止させることにより、陽子ビームが患者の眼球へ照射されないようにする(400)。即ち、実時間画像の位置が、テンプレート画像の位置と比較する時、誤差範囲を越えたことを意味し、このような場合、陽子ビームにより患者の眼球が致命的な損傷を受けることもあるため、制御部(32)は状況表示ウィンドウ(A)を赤色に変化させることにより、使用者の注意を喚起させるのみならず、陽子ビームの出力装置(10)の動作を瞬間的に中止させることにより、陽性子ビームの出力を遮断する。
【0052】
しかし、実時間画像の位置が、テンプレート画像の位置と比較する時誤差範囲内にあると判断される場合には、制御部(32)は状況表示ウィンドウ(A)を緑色に表示するのみならず、陽子ビームが正常的に駆動されるように制御する。
【0053】
以上、説明した内容を通じて当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることを分かるはずである。従って、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることなく、特許請求の範囲により決まるべきである。
【符号の説明】
【0054】
10…陽子ビームの出力装置、
11…放射口、
20…感知装置、
21…レンズ、
22…赤外線LED、
30…制御装置、
31…インターフェース、
32…制御部、
33…入力部、
34…出力部、
35…記憶部、
100…較正、
200…テンプレート画像の生成、
300…治療中の眼球位置追跡、
400…陽子ビーム出力装置の駆動制御。
【技術分野】
【0001】
本発明は眼球の動きを追跡する方法に関し、特に、眼球腫瘍を治療する過程において眼球の動きを追跡する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
癌のような腫瘍を治療するための方法として、最近には放射線を利用した方法が広く利用され、このような放射線を利用した腫瘍治療方法は眼球腫瘍を治療するための方法としても利用されている。一方、最近は陽子ビームを利用した眼球の腫瘍治療方法が開発され利用されている。
【0003】
図1は陽子ビームとX線の特性を説明するためのグラフとして、陽子ビームとX線の人体において透過特性を示した。
【0004】
陽子ビーム治療法は放射線治療の一種である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−339641号公報。
【特許文献2】特表2007−516049号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
即ち、放射線治療はX線や電磁ビーム(陽子ビーム)を人体に照射し癌細胞を破壊することとして、今まで患者治療に多く用いたX線は図1に図示されたように、通過経路にある全ての組織に損傷を与え、副作用を免れ難いという問題点がある。
【0007】
しかし、陽子ビームはX線とは別に体内で止まる直前に大抵のエネルギーを発散して消えるが、これは陽子ビームのみに現れる独特な現状として、エネルギーが集中的に発散される地点を「ブラッグピーク(Bragg peak)」という。即ち、ブラッグピーク後方の正常組織には放射線露出がなく副作用を減らすことができ、ピークの発生地点はビームの強さと通過する物質によって異なることもある。従って、人体を透過する陽子ビームの強さを調節すれば癌細胞のみを正確に照準し破壊できるため、陽子ビームを利用した治療方法はX線を利用した治療方法より特有な方法だと言える。
【0008】
しかし、上述したように、陽子ビームを利用した眼球腫瘍治療は一般光子線より多くの長所を有するが、これは同時に短所になることもあるという問題点がある。
【0009】
即ち、陽子ビームを利用した腫瘍治療方法は、望む深さと厚さの治療範囲を調節でき治療効果を極大化できるが、陽子ビーム治療中、患者の治療位置が動けば、正常的人体組織に過多な陽子ビームが照射されることにより副作用が発生し、特に眼球の場合には致命的副作用が発生することもあるという問題点がある。
【0010】
本発明は先行技術においての上記問題点を解決しようとするもので、本発明の目的は、陽子ビームを利用した眼球腫瘍の治療中、眼球の動き範囲が既に設定された誤差範囲を越える場合には、陽子ビームの出力を遮断できる眼球腫瘍治療において眼球追跡方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための本発明は、眼球腫瘍治療システムに適用される眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法における、上記眼球腫瘍治療システムの制御装置の出力部を通じて出力される画像の画素当りの実際の長さを、上記制御装置の制御部が上記制御装置の記憶部に保存する較正段階;上記眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送された患者の眼球画像を、上記制御部が上記患者の眼球に対するテンプレート画像で上記記憶部に保存するテンプレート画像生成段階;上記眼球腫瘍治療システムの陽子ビームの出力装置を通じて上記患者の眼球を治療中、上記制御部が上記感知装置から実時間に受け取った上記患者の眼球の実時間画像を上記テンプレート画像に比較し、上記実時間画像の動きの可否を判断する眼球位置追跡段階;及び上記判断結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定された誤差範囲を越える場合、上記制御部が上記陽子ビームの出力装置の動作を停止させ、上記判断結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定された誤差範囲内にある場合、上記制御部が上記陽子ビームの出力装置の動作を正常的に維持させる制御段階を含む。
【発明の効果】
【0012】
本発明は陽子ビームを利用した眼球腫瘍の治療中、眼球の動き範囲が既に設定された誤差範囲を越える場合には、陽子ビームの出力を遮断させることにより、陽子ビームによる眼球の副作用を防ぐという特有な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】陽子ビームとX線の特性を説明するためのグラフである。
【図2】本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法が適用される眼球腫瘍治療システムの一実施例の構成図である。
【図3】本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法の一実施例構成図のフローチャートである。
【図4】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図5】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図6】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図7】本発明に適用される較正過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図8】本発明に適用されるテンプレート画像生成過程において利用される画面の例示図である。
【図9】本発明に適用される治療中、眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図10】本発明に適用される治療中、眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図である。
【図11】本発明に適用される治療中、眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付された図面を参照して本発明が詳しく説明する。
【0015】
図2は本発明に係る眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法が適用される眼球腫瘍治療システムの一実施例の構成図である。
【0016】
本発明は陽子ビームを利用して眼球腫瘍を治療する過程において利用される眼球追跡方法に関することで、陽子ビームを利用した眼球腫瘍治療の最も重要な過程は、治療中、患者の瞳孔(眼球)が治療計画時設定された眼球位置を持続的に維持することである。このための本発明は、図2に図示されたようにシステムを再構成したところ、本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法が適用される眼球腫瘍治療システムは、陽子ビームを出力させ眼球腫瘍治療をするための陽子ビーム出力装置(10)、陽子ビーム出力装置により腫瘍治療を受けている眼球の動きを感知するための感知装置(20)及び感知装置から伝送された眼球の動きを分析し眼球の動きに従って陽子ビーム出力装置の動作を制御するための制御装置(30)を含む。
【0017】
陽子ビーム出力装置(10)は眼球腫瘍治療をするためのことで、現在、利用されている陽子ビーム出力装置が利用されているところ、それに対する詳細な説明は省略する。
【0018】
感知装置(20)は眼球腫瘍治療を受けている眼球の動きを感知する機能を遂行することで、感知装置で感知された患者の眼球画像は制御装置へ伝送される。従って、感知装置は陽子ビーム出力装置に隣接に設置されるべきであり、好ましくは図2で図示したように、陽子ビーム出力装置の中にも陽子ビームが出力される放射口(11)に隣接に設置されるべきである。一方、本発明に適用される感知装置はCCDカメラ等で構成されることもあり、特に、画像を受け取るレンズ(21)及び赤外線を発生させる赤外線LED(22)を含めて構成されている。感知装置に適用されるレンズは単純絞り調節機能のみ有しているため、実際焦点調節が難しくて不便な短所があり、眼球のパタンマッチング(pattern matching)ソフトウエアを利用する場合、正確性を高めるためには蛍光灯の明かりと他の周辺環境による瞳孔に形状ができることを防ぐ必要があった。従って、本発明に適用される感知装置は赤外線を利用し、環境に依存した周辺の雑光と形象(周辺光、間接照明、それらの画像)を除去し、このため治療室内の照明を暗くするのが好ましい。また、感知装置(20)に適用されるカメラレンズ(21)は調整室内で制御装置(30)により遠隔から拡大調節、焦点調節、絞りの調節できるように構成され、レンズ(21)周辺には赤外線LED(22)が装着されている。
【0019】
即ち、本発明に適用される感知装置(20)の一番目の特徴は、患者の眼球に突き当たる周辺環境からの雑光による分析力の低下を減らすため、人の目には見えないが、カメラでは撮影可能な赤外線LED(22)を感知装置のレンズ隣接に配列させることで制御装置において画像分析を容易にするということである。言い換えれば、患者眼球画像を正確に分析するためには精密で高品位パタンを得ることが重要な課題だが、一般的環境において眼球画像は周辺の様々な照明施設(蛍光灯、室内照明灯、コンピューター及びカメラ反射画像等)等のため、明確した眼球画像を得難く、このような条件を除去するため、本発明は感知装置に赤外線LEDを装着し眼球内に必要な照明と一定のパタンを提供し、パタンマッチング(pattern matching)に助力している。
【0020】
感知装置(20)の二番目の特徴は、感知装置(20)に適用されるカメラレンズが制御装置により遠隔から拡大調節、焦点調節、絞り調節できるように構成されているということである。即ち、従来のカメラレンズは単純絞り調節機能のみ有し実際焦点調節が難しくて不便な短所があったが、本発明は制御装置(30)によりレンズが多様な形態に調整できるという特徴を有する。
【0021】
上記のような構成を含む感知装置(20)は、レンズを通じて受け取った画像を制御装置(30)の画像捕捉ボード(image acquisition board(NI Vision acquisition board))(インターフェース(31))へ伝送し、制御装置(30)はインターフェース(31)により受け取った画像を後述する本発明に係る方法を使用して保存及び分析する。
【0022】
制御装置(30)は感知装置(20)から患者の眼球に対するテンプレート画像(template image、又は標準画像ともいう。)を提供されて保存する一方、眼球腫瘍治療時、上記眼球に対する実時間画像(real time image)を提供され、上記テンプレート画像と比較して、眼球の動きが感知された場合には、陽子ビーム出力装置の動作を中止させる機能を遂行する。図2で図示されたように制御装置(30)は、陽子ビーム出力装置(10)及び感知装置(20)との通信を遂行することで、ハードウエアとソフトウエアを連結する画像捕捉ボード(image acquisition board)機能を遂行するインターフェース(31)、使用者から、各種の制御信号を入力されるための入力部(33)、感知装置(20)から伝送された各種画像情報と本発明に係る眼球腫瘍治療で眼球追跡方法を具現するための各種プログラム情報を保存するための記憶部(35)、テンプレート画像と実時間画像を比較してその結果により上記陽子ビーム出力装置の機能を制御するための制御部(32)、及び制御部(32)の制御により各種の情報を出力するための出力部(34)を含み構成されている。一方、感知装置(20)から伝送された画像は、現在、国外はもちろん国内の大企業の研究所で自動制御計測と関連された分野で広く用いられており、先端技術開発に用いられているグラフィックベースプログラム言語であるラボビュー(Lab View)の画像分析プログラムを利用して制御装置で分析されることができる。即ち、本発明は画像分析プログラムの形態に具現され、制御装置(30)で実行されることができる。
【0023】
図3は本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法の一実施例のフローチャート(flow chart)である。
【0024】
本発明に係る眼球腫瘍治療において眼球追跡方法は図3に図示されたように、感知装置(20)に対する各種セッティング作業を遂行する較正(calibration)過程(100)、感知装置(20)から提供された患者の眼球画像をテンプレート画像に生成して制御装置に保存するテンプレート画像(template image)生成過程(200)、陽子ビームを利用して眼球腫瘍の治療中の実時間画像(treatment image)をテンプレート画像と比較して眼球の動きを分析する眼球位置追跡過程(300)及び眼球位置追跡過程を通じて分析された情報を利用して陽子ビーム出力装置の駆動を制御する制御過程(400)を含み構成されている。
【0025】
較正過程(100)は患者眼球の画像を正確に分析するため、感知装置(20)の画像焦点と各画素当りの実際距離を測定して記憶部(35)に保存する過程として、眼球腫瘍治療を実質的に始めるための前段階で遂行され過程だ。本発明において、実際に患者治療中、予想できない場合に備えて、較正過程でポイント検出(point detection)、エッジ検出(edge detection)、ライン測定(line measurement)、マニュアル入力(manual input)などの多様な方法を利用して画像の各画素当りの距離(mm値)を決定できるようにしている。即ち、較正過程は出力部のディスプレーを通じて見える画像の長さが実際、どのような長さに該当するかをチェックし、記憶部(35)に保存するための過程である。
【0026】
テンプレート画像(template image)生成過程(200)は、患者の眼球に対するテンプレート画像(template image)を生成して記憶部(35)に保存する段階で、較正過程の以後に遂行される。即ち、本発明に係る眼球腫瘍治療において、眼球追跡方法に適用される画像分析プログラムが実行された状態で、感知装置(20)から患者の眼球画像が伝送され、入力部(33)を通じて患者の名前と番号(RT Number)が入力されれば、制御部(32)は上記眼球画像を上記患者の名前及び番号とマッチングさせ、テンプレート画像で記憶部(35)に保存する。
【0027】
治療中の眼球位置追跡過程又はモード(treatment mode)(300)は陽子ビームの出力装置(10)を利用して患者の眼球腫瘍の治療中、制御装置(32)が感知装(20)から実時間に受け取った患者の眼球の実時間画像をテンプレート画像と比較して、眼球の動きの可否を判断する段階である。即ち、眼球位置追跡過程(300)で制御部(32)は、較正過程とテンプレート画像生成過程を通じて保存されたmm/画素値とテンプレート画像を利用して、テンプレート画像と実時間画像を比較分析することにより、患者の眼球の治療開始時の位置と誤差を、出力部(34)を通じて出力することになる。
【0028】
陽子ビーム出力装置の駆動制御過程(400)は、治療中の眼球位置追跡過程(300)で分析された結果により、制御部(32)が陽子ビーム出力装置(10)の駆動を制御する過程である。
【0029】
図4乃至図7は本発明に適用した較正過程で利用される画面の多様な例示図として、以下では上記図面を参照して較正過程が詳しく説明する。
【0030】
較正過程(100)は患者の眼球画像を正確に分析するために感知装置(20)の画像焦点と各画素当りの実際距離を測定し、記憶部(35)に保存する過程として、制御部(30)はこれを基づいて、眼球位置追跡過程で実際に眼球の移動距離を実測できることになる。
【0031】
本発明に係る眼球腫瘍治療において、眼球追跡方法を具現するためのプログラム(以下、簡単に「画像分析プログラム」という)が制御部(32)により実行されれば、制御装置(20)の出力部(34)には、図4に図示されたように、開始ウィンドウが活性化される。開始ウィンドウは患者の名前、番号、治療の実行日付けを入力する欄と、各々の機能を遂行するボタンで構成されている。開始ウィンドウを通じて入力、保存された患者の名前、番号及び日付けは後で、治療患者のテンプレート画像を保存する時、ファイル名で使われる。
【0032】
使用者が図4で図示したような開始ウィンドウの「較正(calibration)」ボタンを選択すれば、図5で図示したように、ポイント検出(point detection)、エッジ検出(edge detection)、ライン測定(line measurement)、マニュアル入力(manual input)等、四種類のメニューに構成された新しいウィンドウが開ける。四種類のメニューの各々の機能は全て、画像の画素当りの距離(mm値)を決めるようにすることにより、使用者は実際に患者の治療中に発生することが予想できない状況に置かれた時、四種類のメニュー中、上記状況に最も適切ないずれかのメニューを用いて較正過程を遂行することができる。即ち、本発明は使用者が患者の治療中に発生することを予想できない、どのような状況においても、較正過程が円滑に遂行されるように、四種類の較正方法を提案している。
【0033】
先に、ポイント検出測定(point detection measurement)メニューを利用した第1の較正方法は次の通りである。即ち、第1の較正方法は、‘+’マークのテンプレート画像を自動的に感知して、一定距離の間の画素数を測定する方式として、図6に図示したように、‘+’マークが1cm、2cm、3cmの間隔に離れている時、制御部(30)がこれを自動的に感知する一方、該当間隔の画素数を測定して保存する方法である。ここで、いかなる角度に置かれていても関係なく、既に認識している二つの‘+’マークの間の実測距離をmm単位で入力する。二つのクロスマークの間に青色線が描かれながら緑色のOKボタンが生成されれば較正過程が完了される。即ち、使用者が較正のため図6に図示したように、白色の薄いプラスチック版に二つのプラスマークを1mm間隔で示した後、二つのクロスマークの間の実測距離を自動的で検出して、入力部(33)を通じて入力すれば、制御部は画像分析プログラムで、下記の「数1」を利用して、一つの画素当りのmm単位の距離を計算することになる。
【0034】
【数1】
【0035】
次は、ラインエッジ検出測定(line edge detection measurement)メニューを利用した第2の較正方法は、患者の眼球の大きさを認識する場合、有用に利用されることができる方法である。一般的に陽子ビームを利用した眼球腫瘍の治療計画時、患者の眼球構造に対する幾何学的情報を測定して、TPS(treatment planning system)に入力することが一般的方法である。従って、第2の較正方法は上記過程を通じて瞳孔の大きさが正確に実測された場合、単に、使用者が縦方向の線一つのみを引くことで、自動的に瞳孔の周辺の境界線を感知して正確な画素当りの単位の長さを計算する方式である。即ち、第2の較正方法は既に認識している瞳孔の直径が入力され、画像捕捉(image capture)が選択されれば、停止された新しい画像ウィンドウが現れて、ここで縦方向のROI(Region of Interest:関心領域))線を引けば、制御部がその線に従って一番最初と一番最後のedgeを自動抽出して、その間の長さを計算する方法である。この時、ROI線の開始点と終了点の位置はエッジ(edge)以外の任意の位置になるべきである。
【0036】
次に、ラインプロファイル測定(line profile measurement)メニューを利用した第3の較正方法は、基本的に第2の較正方法と類似するが瞳孔のエッジ(edge)を検出し難く、正確な大きさを認識しない場合、任意のいかなる定量化された物を利用して測定できるようにした方法である。即ち、第3の較正方法は瞳孔の大きさはもちろん、定規、大きさが良く知られた任意の特定物などを用いてライン(line)を描くことにより、測定ができるようにしたのである。ただ、第3の較正方法を用いる場合は、第2の較正方法とは異なり、正確な開始点と終了点の位置を確認させるべきである。
【0037】
最後に、マニュアル入力(manual input)メニューを利用した第4の較正方法は、図7に図示されたように、既に一度以上の画素較正過程が実施されてその値が知られている場合、再び較正することなく、既存の較正値を入力して用いる方式である。
【0038】
上述したように、四種類の方法による画素較正(pixel calibration)値は0.02mm以下の相互間の誤差を有しており、いずれの方法の較正を用いても、治療中眼球位置追跡(eye tracking)過程の位置分析には、大きい問題にならないので、使用者が患者の状況や環境要件により、いずれの方式を用いても問題にならない。
【0039】
図8は本発明に適用されるテンプレート画像生成過程で利用される画面の例示図として、以下では、上記の図面を参照してテンプレート画像生成過程を詳しく説明する。
【0040】
テンプレート画像生成過程(200)は患者の眼球に対するテンプレート画像(template image)を生成し、記憶部(35)に保存する段階として、較正過程が終わると遂行される。即ち、画像分析プログラムが実行された状態で、感知装置(20)から患者の眼球画像が伝送され、入力部(33)を通じて患者の名前と番号(RT Number)が入力されると、制御部(30)は上記の画像を上記患者の名前及び番号とマッチングさせ、記憶部(35)に保存する。この時、患者の眼球が容易に区別できるように感知装置(20)の周辺の照明及び感知装置(20)のカメラの絞りを調節する過程が遂行されることが好ましい。即ち、図8に図示されたように、測定者が患者の眼球を可能な限り、出力部(34)の画面の中央に位置するようにした後、画像分析プログラムの「一時的な画像格納(Temp Image Save)」ボタンを押せば、制御部(32)は患者のRT数(Number)に記録された患者番号と同一なビットマップ(bmp)形式のファイルでテンプレート画像を記憶部に保存するようになる。保存されたビットマップ(bmp)イメージが新たにビジョン・アシスタント・プログラム(Vision Assistant Program)を利用して読み込まれた後、測定者が上記画像中のテンプレート画像(template image)として活用しようとする領域を選択すると、制御部(32)は選択された領域を上記患者の眼球に対するテンプレート画像として記憶部(35)に保存するようになる。
【0041】
より詳細に説明すると、較正過程が終わると、治療計画に従う治療中、患者の眼球に対するテンプレート画像とこれに対する基準原点座標が設定されるべきあるが、本発明はこの過程を一つの画像を保存し、ROIを設定することにより、簡単に終わらせるようにしている。図8は図4の開始ウィンドウで、「テンプレート画像(template image)」ボタンが選択された場合、テンプレート画像を作るための新しいウィンドウが開いている状態を示している。一方、使用者は生成されたテンプレート画像を保存するフォルダーを選択し、画像捕捉(image capture)を実行する。新しい停止画像ウィンドウが生成されると、使用者は望むテンプレート画像を指定できるが、いかなる位置のいかなる部分も設定できる。しかし、できる限り瞳孔を追跡するのに有利に、特徴的部分を選択して保存することが好ましい。この時、全体画像の画素640×480領域で生成されたテンプレート画像のROI中心の座標が同時に記録され、この値は実際の治療中、あるべき瞳孔の基本位置になる。
【0042】
テンプレート画像が保存される時のテンプレート画像のファイル名は既に図4で入力された患者の名前、番号、日付に基づいて設定され、基本的に「患者番号_名前_日付.png」の形式で保存されるが、使用者によりファイルの名前は修正できる。
【0043】
図9乃至図11は、本発明に適用される治療中眼球位置追跡過程において利用される画面の多様な例示図で、以下では上記の図面を参照して治療中の眼球位置追跡過程が詳しく説明する。
【0044】
治療中の眼球の位置追跡過程(treatment mode)(300)は、陽子ビーム出力装置(10)を利用して患者の眼球腫瘍の治療中、制御装置(30)が感知装置(20)から実時間に患者の眼球画像を受け取り、テンプレート画像と比較し眼球の動きの可否を分析する過程である。即ち、眼球追跡過程において制御部(32)は、較正過程とテンプレート画像生成過程を通じて保存されたmm/画素の値とテンプレート画像を利用して、テンプレート画像と周期的に得られる実時間画像を比較分析することにより、テンプレート画像に設定された特別なパタン(Pattern)を確認し、治療開始時の位置と誤差を見せる。
【0045】
より詳細に説明すれば、治療中の眼球位置追跡過程は、陽子ビームを利用して実際に患者の眼球腫瘍の治療中、上記過程を通じて決まった様々な情報を利用し、眼球の動きに対する総合的分析が行われる過程である。
【0046】
上述したようにテンプレート画像を設定する場合、画面全体中にテンプレート画像の原点座標が共に確認されて保存されるが、制御部(32)は設定されたテンプレート画像と原点座標を実時間に入る眼球画像の画像情報を分析することにより、眼球の位置を確認し、実時間の座標を決め、原点座標と比較し、テンプレート画像との位置変化を確認し、誤差(Tolerance)範囲より小さければ通過(Pass)、誤差値より大きければ失敗(Fail)を区分して出力する。
【0047】
まず、図4の「治療(Treatment)」ボタンが選択されれば、図9に図示したように眼球位置追跡装置(Eye Treatment)作業ウィンドウが開きながら、テンプレート画像を選択できるウィンドウが開く。使用者はテンプレート画像を選択し、較正メニューを通じて較正過程において行われた較正方法を選択する。この時、較正過程において実行されなかった較正方法が選択されれば、画像分析プログラムが正常的に作動されないこともある。即ち、使用者は上記で説明された四種類の較正方法中、実質的に上記較正過程(100)を通じて選択された較正方法と同一な較正方法を眼球位置追跡過程(300)で選択すべきである。
【0048】
一方、眼球位置追跡作業ウィンドウにおいて誤差範囲(Tolerance Value)が設定されれば、制御部は設定された値範囲内においての眼球位置変化に対しては通過(Pass)信号を生成し、図10に図示したように、画面下の状況表示ウィンドウ(A)を緑色に表示する一方、感知装置から伝送される実時間画像の線も緑色で示される。
【0049】
しかし、図11に図示したように、患者の眼球が誤差範囲以上に動く場合、制御部は画面全体と状況表示ウィンドウ(A)及び実時間画像の線を赤色に表示される。
【0050】
より詳細に説明すれば、図10及び図11は画像分析プログラムの眼球位置追跡過程においてのグラフィク使用者インターフェース(GUI)として、患者の画像を確認するウィンドウ(B)、眼球の動きを許容する誤差範囲(tolerance value)を入力するレベルウィンドウ(D)、X軸とY軸に対する治療位置から実際外れる距離をmmで見せるグラフウィンドウ(C)と状況表示ウィンドウ(A)を示す。即ち、図10は腫瘍治療を受けている患者の眼球が誤差範囲内にある場合で、このような場合、状況表示ウィンドウ(A)は緑色に表示される。また、本発明は画像分析プログラムのレベル(制限値)ウィンドウ(Limit value ウィンドウ)(D)を通じて、治療中眼球の動きが許容される誤差(tolerance)を0mmから5mmまで変化が可能に設定できるようにする。一方、本発明において制御部は実時間画像の眼球位置が治療誤差範囲内にある場合には、図10に図示したように、画像確認ウィンドウ下の状況表示ウィンドウ(A)を緑色に示しているが、実時間眼球画像の眼球位置が治療誤差範囲を越えたり、実時間画像とマッチングされるテンプレート画像のパタンを探せない場合には、図11に図示したように状況表示ウィンドウ(A)を赤色に変え、警告を表示するようになる。本発明に係わる模擬実験の結果、患者の眼球追跡は平均1mm以内で動きを固定させることができ、0.03mmの分解能として検出が可能であった。しかし、本発明がこれに限定されることはない。即ち、制御部(32)は上記状況表示ウィンドウ(A)に色相を異なり、眼球の動きに対する警告メッセージを出力できるのみならず、上記出力部(34)のスピーカを通じて警告メッセージも出力できる。
【0051】
一方、上記のような治療中、眼球位置追跡過程(300)において、制御部(32)は状況表示ウィンドウ(A)を赤色に表示すべき場合、上記陽子ビーム出力装置(10)の駆動を停止させることにより、陽子ビームが患者の眼球へ照射されないようにする(400)。即ち、実時間画像の位置が、テンプレート画像の位置と比較する時、誤差範囲を越えたことを意味し、このような場合、陽子ビームにより患者の眼球が致命的な損傷を受けることもあるため、制御部(32)は状況表示ウィンドウ(A)を赤色に変化させることにより、使用者の注意を喚起させるのみならず、陽子ビームの出力装置(10)の動作を瞬間的に中止させることにより、陽性子ビームの出力を遮断する。
【0052】
しかし、実時間画像の位置が、テンプレート画像の位置と比較する時誤差範囲内にあると判断される場合には、制御部(32)は状況表示ウィンドウ(A)を緑色に表示するのみならず、陽子ビームが正常的に駆動されるように制御する。
【0053】
以上、説明した内容を通じて当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることを分かるはずである。従って、本発明の技術的範囲は、明細書の詳細な説明に記載された内容に限定されることなく、特許請求の範囲により決まるべきである。
【符号の説明】
【0054】
10…陽子ビームの出力装置、
11…放射口、
20…感知装置、
21…レンズ、
22…赤外線LED、
30…制御装置、
31…インターフェース、
32…制御部、
33…入力部、
34…出力部、
35…記憶部、
100…較正、
200…テンプレート画像の生成、
300…治療中の眼球位置追跡、
400…陽子ビーム出力装置の駆動制御。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼球腫瘍治療システムに適用される眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法において、
上記眼球腫瘍治療のシステムの制御装置の出力部を通じて出力される画像の画素当りの実際の長さを、上記制御装置の制御部が上記制御装置の記憶部に保存する較正段階;
上記眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送された患者の眼球画像を、上記制御部が上記患者の眼球に対するテンプレート画像として上記記憶部に保存するテンプレート画像生成段階;
上記眼球腫瘍治療システムの陽子ビーム出力装置を通じて上記患者の眼球治療中、上記制御部が上記感知装置から実時間に受け取った上記患者の眼球の実時間画像を上記テンプレート画像と比較し、上記の実時間画像の動きの可否を判断する眼球の位置追跡段階;及び
上記判断の結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定されている誤差の範囲を越える場合、上記制御部が上記陽子ビーム出力装置の動作を停止させ、上記判断の結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定されている誤差の範囲内にある場合、上記制御部が上記陽子ビーム出力装置の動作を正常的に維持させる制御段階を含む眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項2】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記較正段階は、
上記眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送され、上記制御装置の出力部に出力される長さが知られている画像に対する上記出力部の画素数を測定してからなる第1の較正方法、又は上記感知装置から伝送され、上記出力部に出力される大きさが知られている眼球画像に対する上記出力部画素数を測定してからなる第2の較正方法によりからなることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項3】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記眼球位置の追跡段階は、
上記テンプレート画像の中心座標と上記較正段階で保存された各画素当りの距離を利用し、上記制御部が上記実時間画像の動きの範囲を把握することにより行われることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項4】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記眼球位置の追跡段階は、
上記感知装置で赤外線LEDにより撮影された実時間画像を上記制御部が上記テンプレート画像と比較することにより行われることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項5】
請求項4記載の眼球追跡方法において、
上記感知装置のレンズ又は上記赤外線LEDの駆動は上記制御装置により制御されることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項6】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記制御段階は、
上記実時間画像の動きが既に設定されている誤差範囲を越える場合は、上記制御部が上記出力部を通じて警告メッセージを出力することを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項1】
眼球腫瘍治療システムに適用される眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法において、
上記眼球腫瘍治療のシステムの制御装置の出力部を通じて出力される画像の画素当りの実際の長さを、上記制御装置の制御部が上記制御装置の記憶部に保存する較正段階;
上記眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送された患者の眼球画像を、上記制御部が上記患者の眼球に対するテンプレート画像として上記記憶部に保存するテンプレート画像生成段階;
上記眼球腫瘍治療システムの陽子ビーム出力装置を通じて上記患者の眼球治療中、上記制御部が上記感知装置から実時間に受け取った上記患者の眼球の実時間画像を上記テンプレート画像と比較し、上記の実時間画像の動きの可否を判断する眼球の位置追跡段階;及び
上記判断の結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定されている誤差の範囲を越える場合、上記制御部が上記陽子ビーム出力装置の動作を停止させ、上記判断の結果、上記実時間画像の動きの範囲が既に設定されている誤差の範囲内にある場合、上記制御部が上記陽子ビーム出力装置の動作を正常的に維持させる制御段階を含む眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項2】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記較正段階は、
上記眼球腫瘍治療システムの感知装置から伝送され、上記制御装置の出力部に出力される長さが知られている画像に対する上記出力部の画素数を測定してからなる第1の較正方法、又は上記感知装置から伝送され、上記出力部に出力される大きさが知られている眼球画像に対する上記出力部画素数を測定してからなる第2の較正方法によりからなることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項3】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記眼球位置の追跡段階は、
上記テンプレート画像の中心座標と上記較正段階で保存された各画素当りの距離を利用し、上記制御部が上記実時間画像の動きの範囲を把握することにより行われることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項4】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記眼球位置の追跡段階は、
上記感知装置で赤外線LEDにより撮影された実時間画像を上記制御部が上記テンプレート画像と比較することにより行われることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項5】
請求項4記載の眼球追跡方法において、
上記感知装置のレンズ又は上記赤外線LEDの駆動は上記制御装置により制御されることを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【請求項6】
請求項1記載の眼球追跡方法において、
上記制御段階は、
上記実時間画像の動きが既に設定されている誤差範囲を越える場合は、上記制御部が上記出力部を通じて警告メッセージを出力することを特徴とする眼球腫瘍治療においての眼球追跡方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−254828(P2009−254828A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−97945(P2009−97945)
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(506159219)ナショナル・キャンサー・センター (3)
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CANCER CENTER
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月14日(2009.4.14)
【出願人】(506159219)ナショナル・キャンサー・センター (3)
【氏名又は名称原語表記】NATIONAL CANCER CENTER
【Fターム(参考)】
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