説明

瞳孔の大きさを調整するデバイスおよび方法

【課題】薬を使用せず、非侵襲的に患者の瞳孔の大きさを変更するデバイスおよび方法を提供する。
【解決手段】患者の目の領域の外部に配置される電界発生源と、目が配置される位置に電界領域を形成すべく互いに配置されるように構成された第1および第2の電極により形成される電極装置を具え、所望の電界形状を有する所望の強さおよび方向の外部の電界を患者の虹彩に適用することにより、シナプスを刺激または抑制し、これにより、散瞳または縮瞳の効果を一時的に引き起こす構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に医療デバイスの分野に属し、瞳孔の大きさを調整(拡張または収縮)するデバイスおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
健康であるか健康でないかに関わらず総ての人が、瞳孔の拡張を要する目の検査/治療を少なくとも1回は受けるべきである。様々な目の問題(例えば、黄斑変性、糖尿病等)を有する人は、瞳孔を拡張する目の検査が繰り返し必要となる。通常、瞳孔の拡張(散瞳)は拡張薬(通常はアトロピン)を患者の目に投与することにより引き起こされ、その後、瞳孔が目の検査ができるほど十分に拡張するまで数分間待つ。
【0003】
散瞳薬のような様々な種類の拡張薬が開発されている。例えば、WO98/51292は、治療効果のある立体的な純エナンチオマーを含む医薬成分を開示しており、(+)フェニレフリンは、(−)フェニレフリンがほとんど含まれていないことが好ましい。
【0004】
さらに、従来の瞳孔を拡張する処置は、数時間の回復時間を生じる一方、患者は、焦点の調整の問題と共に、網膜に達する過剰な光に苦しむ。さらに、この回復時間の間、患者は運転または危険な仕事を控えることを強く勧められる。
【0005】
瞳孔の大きさの収縮(縮瞳)は、例えば、薄暗い場所または薬による過剰な瞳孔の拡張に悩む人に必要とされている。この目的に適した様々な薬による処置が、例えば以下の特許、米国6,730,065、米国6,515,006、米国6,420,407、米国6,291,498により開示されている。
【0006】
電気泳動の原理を利用して薬を送達する方法(例えば、ビタミンCなどのビタミンの送達)が知られている。電気泳動は、正味の電子電荷(net electric charge)を有するコロイド粒子または分子が、電流の影響の下で溶液中を移動する電気化学的な方法である。この方法はまた、「イオン導入法」または「電気泳動法(cataphoresis)」と呼ばれている。
【0007】
米国特許第6,101,411は、拡張を促進する装置を開示しており、これは、コンタクトレンズタイプの送達システムを利用したハンドヘルド型の電気泳動装置であり、迅速で臨床的に有用な目の瞳孔の拡張を提供する。この装置は、伝導性のある外殻(2つの電極電気泳動デバイスの一つの電極)を有するコンタクトレンズと、拡張用滴剤または他の薬剤を患者の目に送達するのを補助し、患者の目に接触する好適にはソフトで使い捨て可能なコンタクトレンズとを具える。有利なことに、このレンズは、比較的小さくてハンドヘルド型の電源で利用される。電気泳動は、電気泳動に利用される送達装置に拘わらず、拡張用滴剤のより迅速な送達を促進するのに利用できる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
迅速に回復でき、点眼の必要なく一時的な瞳孔の拡張(散瞳)または収縮(縮瞳)を迅速かつ効果的に引き起こす新規性のあるデバイスおよび方法を提供することにより、瞳孔の拡張/収縮処理を容易にする技術的な必要性がある。
【0009】
本発明は、瞳孔を制御する筋肉に関するシナプスまたは神経系の他の部位における、ニューロンの電気信号の伝搬の影響の理解に基づく。電気信号は、神経伝達物質を用いてシナプス間隙を介して伝搬される。神経伝達物質は、ニューロン(神経細胞)内で合成される物質であり、活動電位に応じて、シナプス間隙(ニューロン間の隙間)を横断して放出される。したがって、神経伝達物質またはいわゆる「化学伝達物質」は、人体を通過する化学信号を運ぶ電気インパルスを供給する。
【0010】
本発明の技術は、この活動電位を抑制または高めることを目的とする外部の電界および/または磁界を利用して、(神経伝達物質が反応する)活動電位に制御可能に影響を及ぼすステップを提供する。代替的に、本発明の技術は、反対方向または神経伝達物質の経路以外の送達方向の外部の電界および/または磁界を利用して、送り先(レセプタ)からの神経伝達物質を制御可能に抑制するステップを提供する。
【0011】
虹彩の最も重要な機能は、瞳孔の大きさを制御することである。虹彩筋は瞳孔の大きさを調整し、これにより、瞳孔に入射して網膜に当たる光の量を制御する。瞳孔の大きさは、2つの内部の虹彩筋である、瞳孔を拡張可能な放射状の筋肉(拡張筋)と、瞳孔を収縮可能な円形の環状筋により制御される。
【0012】
本発明の技術は、関連するシナプス接合部を抑制または刺激することにより、虹彩の筋肉を制御可能に刺激または麻痺するステップを提供する。散瞳は、環状筋を麻痺させおよび/または放射上の筋肉を刺激することにより行われ、縮瞳も同様である。環状筋および放射状の筋肉の双方を麻痺する場合、または如何なる刺激も受けない場合、拡張筋(放射状の筋肉)の基本的な緊張は環状筋の緊張に勝り、瞳孔が拡張し、これにより散瞳も得られる。
【0013】
代替的に、本発明の技術は、電界を特異的に適用して拡張筋よりも収縮筋に影響を及ぼすことより、散瞳効果を取得するステップを提供する。異なる効果は、収縮筋に垂直および拡張筋に平行な方向のフィールド(界)を適用することにより実現でき、このフィールドにより、拡張筋よりも収縮筋の活動電位および/または荷電粒子の移動を抑制する。代替的に、電界は、拡張筋が収縮筋よりも内側にあるので、拡張筋に達する前に人間の組織を通過し、これにより十分に減衰する。これにより、拡張筋への影響を軽減し、収縮筋への影響よりも小さくする。
【0014】
したがって本発明は、所望の特性(方向および強さ)の外部の電界および/または磁界に虹彩をさらす手段により、薬を使わず非侵襲的に瞳孔の大きさを調整(瞳孔の拡張/収縮)する。フィールドは、虹彩筋のシナプスの刺激または抑制に影響を与える。
【0015】
本発明のある実施例では、負の極性の電界により複極(depolarization)を虹彩に適用する。これは、活動電位を高めることによりシナプスの刺激を発生させる。別の実施例では、正の極性の電界により再分極が適用され、したがって、活動電位を低下させることによりシナプスの抑制が実現される。本発明のさらに別の実施例では、外部のフィールドは、神経伝達物質を伝搬の元の方向から偏向または転向させ、これにより、神経伝達物質がシナプスを通過するのを抑制し、各レセプタに達するのを妨げる。したがって、シナプスの神経伝達物質は、体内の神経伝達物質の元の方向に対して反対方向または実質的に直交する方向の電界を適用することにより実現できる。
【0016】
結果的に生じる回復時間は秒単位で測定され、これにより、一般的に利用されている散瞳を引き起こす方法の後に残る関連する副作用を除去または少なくとも実質的に軽減する。
【0017】
本発明のさらに別の実施例では、虹彩は、周知のバンアレン放射帯の効果の原理を利用して、神経伝達物質の経路に対してほぼ垂直な方向の外部の磁界にさらされる。バンアレン放射帯では、荷電粒子が地球の磁界に捕まる。荷電粒子に働く力は、磁力線に垂直である。これらの高いエネルギーを持つ荷電粒子は、実際に磁力線の回りをらせん状に移動する。荷電粒子が地球の磁極に近づくにつれ、力は、粒子がさらに移動できなくなるまで増加し、跳ね返されて反対の極で処理を繰り返す。
【0018】
本発明は、瞳孔を制御する筋肉に関するシナプスまたは神経系における、薬を使わない非侵襲的で一時的なニューロンの電気信号の抑制または刺激を提供する。このような効果は、限定でないが局所麻酔、緊張緩和等を含む。
【0019】
したがって、本発明の一の主要な態様は、瞳孔の大きさを調整するデバイスと、所定の特性のフィールドを患者の目の領域で生成するために構成および操作可能な電界および/または磁界発生源とを具え、これにより、瞳孔を制御する筋肉に関連するシナプスまたは神経系の他の部位を刺激または抑制し、一時的に散瞳または縮瞳を引き起こし、したがって、デバイスは薬を使わずに瞳孔の大きさを調整する。
【0020】
このデバイスは、外部の電界および/または磁界発生源のみを具える単純な構成でもよい。このフィールド発生源は、患者の目が配置されるフィールド領域と、所望の強さ外部のフィールドおよびフィールド領域の方向を規定するように構成および動作可能である。
【0021】
このデバイスはまた、フィールドセンサと、制御ユニットとを具えてもよい。このセンサは、フィールド領域の近くに配置されており、実際のフィールドの強さを測定し、これらを示すフィードバックデータを生成するように構成されている。制御ユニットは、フィードバックデータを加工および分析するために、所望のフィールドの強さの設定と、測定されたフィールドの強さを示すフィードバックデータとに応答するように構成され、フィールドの強さの調整が要求されたという検知に基づいて、フィールド発生源ユニットへの各制御信号を生成する。代替的に、オペエータは、顕著な効果により電圧および/または電流レベルを調整でき、これにより、センサおよび関連する制御ループの使用を解放する。
【0022】
外部の電界発生源は、電圧供給ユニットを具え、電極の配置と、フィールド領域を規定する電極の電位差とを規定する。このような電極の配置は、以下の選択肢のうちの一つにより決めてもよく、すなわち、デバイスが、一方が「眼球用の」電極であり他方が「補足的な」電極である少なくとも一対の電極を具えてもよく、またはデバイスが、眼球用の電極のみを具え、回路の補足的な端部が患者の体に直接的に接触するように構成されていてもよい。これにより、電極間の電界は実質的に一定である。
【0023】
「眼球用電極」と呼ばれる第1の電極は、患者の目の近くに配置され、患者の目の近くに配置される電気的に絶縁された面を具えるように構成されていることが好ましい。「補足的な電極」と呼ばれる第2の電極は、患者の目が配置される電界領域にとって便利な位置に配置されるように構成されていることが好ましい。この電極は、患者の頭部もしくは座席のヘッドレストのいずれか、または所定の位置にある他の監視手段に取り付けてもよく、または患者の体に直接接触させてもよい。第2の補足的な電極は、ヘッドバンドに取り付けて患者の頭部に設置してもよい。フィールドセンサをこのヘッドバンドに取り付けてもよい。
【0024】
外部の磁界を利用することを考えた場合、磁界発生源は、眼球用部材として利用される電気−磁気ユニット(コイルユニットまたは特別なコンダクタ装置等)と、パワー(電流)供給ユニットとを具える。
【0025】
眼球用部材(電極または電気−磁気ユニット)は、眼球用部材の穴を介して目を検査できる環状形状であることが好ましい。この環状形状の眼球用部材は、レンズが電極の穴に取り付けられるように構成されていることが好ましい。
【0026】
デバイスは、ハンドヘルド型のプローブとして、またはスリップランプのテーブルに取り付けられるプローブとして設計してもよい。このようなプローブデバイスは、電圧/電流供給ユニット(および可能であれば制御ユニット)を具え、ここで、眼球用部材(電極または電気−磁気ユニット)は、プローブハウスの外側に配置され、電気的に絶縁されたコネクタにより電圧/電流源ユニットに接続される。ユーザが見えるように、ディスプレイをハウジングの外側面に配置することが好適である。また、補足的な電極は、ハンドヘルド型のデバイスに設けることができる。
【0027】
本発明の別の主要な態様では、患者の瞳孔を拡張/収縮するのに利用されるデバイスが提供され、前記デバイスは、患者の目が配置されるフィールド領域を規定し、所望の特性を有する外部のフィールドを前記フィールド領域内に生成するように構成および動作可能な外部の電界および/または磁界発生源であって、散瞳または縮瞳の効果を一時的に引き起こす発生源と、前記フィールド領域の近くに配置されたセンサであって、実際のフィールドの強さを測定し、また当該フィールドの強さを示すデータを生成するように構成されたセンサと、前記データを処理および分析するために、前記測定されたフィールドの強さを示すデータに応答し、前記フィールド値の調整が必要であるという検出に基づいて、前記フィールド発生源へのフィードバック信号を生成するように構成された制御ユニットとを具える。
【0028】
本発明のさらに別の態様では、患者の瞳孔を拡張/収縮するのに利用されるデバイスが提供され、前記デバイスは、電圧をハウジングの外側に配置された電極に供給するように動作可能な電圧供給ユニットを有するハウジングであって、前記ハウジングから前記電極に延在するコネクタを介して前記電圧供給ユニットに接続されるハウジングと、実質的に環状形状である前記電極とを具え、患者の目の近くに配置されたときに、前記環状形状の電極により規定された開口部を介して前記目を目視観察できる。
【0029】
本発明のさらに別の主要な態様では、患者の瞳孔を拡張/収縮するのに利用されるデバイスが提供され、前記デバイスが、ハウジングの外側に配置された電気−磁気ユニット(electro−magnet unit)に電流を供給するように動作可能な電流供給ユニットを有するハウジングであって、当該ハウジングから前記電気−磁気ユニットに延在するコネクタを介して前記電流供給ユニットに接続されたハウジングと、実質的に環状形状である前記電気−磁気ユニットとを具え、患者の目の近くに配置されたときに、前記環状形状の電気−磁気ユニットにより規定された開口部を介して前記目を目視観察できる。
【0030】
前記ハウジングは、ユーザが把持できるように構成され、または細隙灯のテーブルに取り付けられるように構成してもよい。
【0031】
本発明のさらに別の主要な態様では、所望の特性の外部の電界および/または磁界を患者の虹彩に適用することにより、患者の瞳孔の大きさを薬を使わずに調整する方法が提供され、これにより、シナプスの刺激または抑制に影響を与え、したがって、散瞳または縮瞳の効果を一時的に引き起こす。
【0032】
本発明のさらに別の態様では、人間の体の関心のある領域内で瞳孔を制御する筋肉に関連するシナプスまたは神経系の他の部位において、薬を使わずに非侵襲的および一時的にニューロン電気信号を抑制又は刺激する方法が提供され、前記方法は、外部の電界および/または磁界を前記関心のある領域に適用するステップを具える。
【0033】
本発明を理解し、実際にどのように実行されるのかを理解するために、好適な実施例を非限定的な例により添付図面を参照してここに説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
本発明は、患者の虹彩を所望の特性(方向および強さ)を有する外部の電界および/または磁界にさらしてシナプスを刺激または抑制することにより、薬を使わずに瞳孔の大きさを調整する。
【0035】
図1Aおよび1Bを参照すると、患者Pの瞳孔の大きさを調整(拡張/収縮)するのに利用される本発明のデバイス10の例が概略的に示されている。デバイス10は、外部の電界および/または磁界発生源12を具え、当該発生源は、ここでは特に図示しない電源(好適にはバッテリーパックまたはアダプタ入力プラグ)に接続される。
【0036】
フィールド発生源12は、フィールド領域FR内に所望の特性のDC電界を生成する。フィールドの特性により、フィールド領域内の患者の目(虹彩)の位置L内の所望のフィールド値が決まる。これにより、虹彩の散瞳または縮瞳の効果は(フィールド値に応じて)、一時的すなわち前記フィールドが適用されている間、引き起こされる。
【0037】
本発明の実施例では、電界が考慮されている。電界線Bが図1Bに示されている。電界発生源12は、電極装置12Aと、電圧供給ユニット12Bとを具える。
【0038】
デバイス10の電極装置12Aは、電極間に必要な電位差を保つ2つの電極EおよびEを具えている。これらの電極は、患者の頭部の反対側に位置するように離れた関係により構成され、ほとんどの電界線Bが虹彩の位置Lを通過する。一方の電極Eは、患者の目の近くに配置するのが好ましく、これは「眼球用部材」または「眼球用電極」と呼ばれ、また、「補足的な電極」と呼ばれるもう一方の電極Eは、患者の座席(座席のヘッドレスト)に取り付けて患者の頭部の近くに配置してもよく、またはバンドFに取り付けて(図1Aに示すように)患者の頭部に設置してもよい。
【0039】
本発明では、眼球用電極Eは完全に絶縁されており、感電する危険性を防止していることに注意すべきである。補足的な電極Eもまた完全に絶縁されており、接地されている。補足的な電極は、電界線の補足的な部分として機能し、いくつかの電界線が瞳孔領域を通過することを保証している。絶縁された部材を補足的な電極に使用する場合、このような部材は患者の体に取り付けられ、これにより、患者の体は補足的な電極になる。したがって、電位は体と同じである。眼球用電極は完全に絶縁されているため、電流は電極間を流れないと理解すべきである。同様に、補足的な電極および患者の体の双方は、地面への導電路を具えてもよい。
【0040】
眼球用電極Eは、拡張された瞳孔を介して目の目視観察ができるほど十分に大きな穴を規定する環状形状であることが好ましい。眼球用電極の穴は、78Dおよび90Dレンズを利用した細隙灯または20Dレンズを利用した倒像検眼鏡などの、眼科医が網膜の検査に通常使用するレンズを取り付けるのに利用してもよい。
【0041】
フィールド領域FR内の電界の特性と、これに応じたこの領域内の虹彩位置Lにおけるフィールドの強さは、主に電極EおよびE間の電位差と電極間の距離により決まる。2つの電極間の電界は、虹彩筋への神経刺激を抑制する。電圧極性はいずれの種類でも可能であることに注意すべきである。
【0042】
思い通りに瞳孔の大きさに影響を与える(例えば、散瞳効果を実現する)ために、最小限のフィールドの強さのレベルが、虹彩位置Lで作られるべきである。このフィールドの強さは主に、供給された電圧、虹彩に対する各電極の距離および位置、および特定の患者の誘電特性などの要因に依存する。
【0043】
デバイス10は閉回路の制御回路18を利用することが好適である。後者は、フィールド領域FRに配置されたフィールドセンサ14であって、実際のフィールドの強さを測定するように構成および動作可能な、これらを示すデータを生成するフィールドセンサ14と、フィールド発生源12およびフィールドセンサ14に接続可能な制御ユニット16と、電圧供給ユニット12Bとで構成されている。したがって、位置Lにおける所望のフィールドは、ユーザ(オペレータ)によって設定され、フィールドセンサ14により測定されたデータに基づいた制御ユニット16のフィードバック信号を利用して制御される。代替的に、オペレータは、顕著な効果により電圧レベルを調整でき、これにより、制御ループ(センサおよび制御ユニット)の必要性を取り除く。
【0044】
したがって、本発明のデバイスは、シナプス伝達に作用して瞳孔の大きさを思い通りに調整する。これは、平行なフィールドを利用することにより自然の活動電位と矛盾させ、または以下に詳細に説明するように、直交するフィールドを利用して神経伝達物質をコースから逸らして神経伝達物質がレセプタに到着するのを抑制することにより実現される、
【0045】
電界センサ14は、周知の好適な構成、例えば、磁束計や、光学ファブリペロー検出共振器に基づくタイプの電気光学検出器でもよい。電圧供給ユニット12Bは、電極間の所望の電位(例えば、約80−200V)を生成する高電圧DC回路である。
【0046】
通常、制御ユニット16はコンピュータシステムであり、特に、特定の参照データ(例えば、キャリブレーションデータ)を蓄積するメモリユーティリティ16Aと、プロセッサ16Bと、ユーザインタフェースユーティリティ16C(例えば、ディスプレイ)とを具える。制御ユニット16は、(フィールドセンサ14から来るデータに応じて)所望のフィールドの強さを維持し、デバイスを管理するために動作する。制御ユニット16は、測定されたフィールド値を示す測定されたデータMDを受信し、このデータを処理および分析し、フィールド発生源(電圧供給ユニット12B)を操作し、これにより、フィールド発生源を調整する操作が必要があるとき、関心のある領域に所望のフィールドの強さ値を提供する。このため、制御ユニット16は、フィールド値のレベルをデジタルフォーマット形式または明確な電圧レベルとして設定するように、またフィールドの強さの制御信号Sfbを生成して、電圧供給ユニット12Bを動作させるように適切にプログラムされる。制御ユニット16は、設定値およびデバイスの状態を表示してもよい。
【0047】
限定ではなく本発明の特定の実施例の例を示す図2A−2Cを参照する。図2Aに示すように、デバイス100は、外部のフィールド発生源12(この例では電界発生源)と、フィールドセンサ14と、制御ユニット16とを具える。電界発生源12は、電極装置12Aと、電圧供給ユニット12Bとを具える。電極装置12Aは、コンダクタグリップ15を介して電圧供給ユニット12Bに接続された環状の眼球用電極Eと、座席のヘッドレストまたはヘッドバンドに取り付けられる第2の補足的な電極Eとを具えている。レンズは、眼球用電極Eの穴に配置してもよい。電極EおよびEは、電極間に必要な電位差を決める異なる電圧が供給される電圧供給ユニット12B(DC−DC回路)に電気的に接続されている。制御ユニット16は、(ワイヤまたは無線により)電圧供給ユニット12Bとフィールドセンサ14との間で相互に接続されている。電圧供給ユニット12Bおよび制御ユニット16は、電力供給源(バッテリーパック)20に接続されている。
【0048】
図2Bに示すように、デバイスは、電圧供給ユニットと好適にはユーザに見せるディスプレイ16Cを有する制御ユニット(ここでは図示せず)とを有するハンドヘルド型のプローブ22を具え、環状形状の眼球用電極Eは、プローブ22の外側に配置され、絶縁されたワイヤコネクタ24(十分な可撓性を有するコネクタが好適である)を介して電圧供給ユニットに接続されている。レンズ26は、眼球用電極の穴に選択的に設けられ、電極Eは、レンズのキャリアとして機能する。電極Eは光学的に透明でもよい。デバイス100は、網膜を検査するときに医師が行うような手で持ったときの自由な操作を可能にする。第2の電極Eは前述したように配置され、当該電極への電圧の供給は制御され、または制御されなくてもよい(例えば、デバイスの操作は、眼球用電極Eへの電圧の供給を制御するだけで制御できる)。
【0049】
代替的に、第2の電極Eの利用は、患者の頭部または体への直接的な電気的接触とすることができ、この場合、患者の頭部または体は、電界の補足的な端部として利用される。このような場合、この電極は、感電する危険性を防止するために接地されていることに注意すべきである。
【0050】
図2Cに示すように、この例では、フィールドセンサ14は補足的な電極Eに設けられる。レンズ26(レンズの条件は任意である)は、電気的に絶縁された眼球用電極Eの穴に挿入されている。電極EおよびEは、ハウジング22に内蔵された電圧供給ユニット(DC−DC高電圧コンバータ)に(ワイヤにより)接続されている。フィールドセンサ14は、ハウジング22に内蔵された制御ユニットのフィールドの制御およびフィールドの強さを設定する回路に(ワイヤまたは無線により)接続される。デバイスの倒像検眼鏡の構成を考慮して、医師により把持されるプローブ22は、光源30(例えば、LED)を具える。
【0051】
磁界を患者の目に適用する本発明のデバイス200を例示する図3および4A−4Cを参照する。磁界の応用例の場合、磁界発生源は、永久磁石またはコイルまたは任意の形態の磁界生成器を具えてもよい。さらに、電界および磁界の双方を利用してもよい。
【0052】
デバイス200は、電気−磁気ユニット(例えば、コイルユニット)212Aおよび電力供給ユニット(電流供給ユニット)212Bにより構成された磁界発生源212を具える。制御ユニット16は、電流供給ユニット212Bに接続され、関心のある領域内の実際のフィールド値を測定するために適切に設定および構成された磁界センサ214に接続されている。フィールド発生源212は、フィールド領域FR内の所望の特性の外部のDC磁界を生成するように構成および動作可能である。フィールドの特性により、フィールド領域内の患者の目(虹彩)位置Lの範囲内で所望のフィールド値が決まる。これにより、虹彩の散瞳の効果が一時的に生じる。磁界線が図3に示されている。
【0053】
制御ユニット16は、フィールドセンサ214から取得されるフィードバックおよび利用される設定(電界の応用例における制御された電圧の代わり)に応じて、コイル212Aを介して使用される電流を変更するように構成および動作可能である。磁界の応用例の場合、例えば単一のコイルユニットを利用してもよい。
【0054】
コイルユニット212Aは、患者の目の近くに提供され、磁界線Bのほとんどが虹彩位置Lを通過する。コイルユニット212Aは、拡大された瞳孔を介して目の目視検査ができるほど十分に大きな穴を規定する環状形状でもよい。このような眼球用の穴を利用して、前述したように、網膜検査または倒像検眼鏡用に眼科医が一般に利用するレンズを取り付けてもよい。通常、眼球用部材は、1以上の磁気部材により構成され、これらのうちの一つは、目の検査ができるように環状形状を有する。
【0055】
フィールド領域FR内の磁界特性と、これに応じたこの領域内の虹彩位置Lにおけるフィールドの強さは、コイルユニット212Aにおけるフィールドの強さと虹彩からの距離により主に決まる。この磁界は、虹彩筋に対する神経刺激を抑制する。磁界の極性は、いずれの種類にもできることに注意すべきである。
【0056】
電界の場合と同様に、思い通りに瞳孔の大きさに影響を与える(例えば、散瞳効果を実現する)ために、最小限の磁界の強さのレベルが、虹彩位置Lで作られるべきである。このフィールドの強さは主に、コイルを介して供給される電流、虹彩に対するコイルの距離および位置、および特定の患者の磁気特性に依存する。このため、デバイス200は、閉回路の制御回路を利用する。後者は、フィールド領域FR内に配置されたフィールドセンサ214であって、実際のフィールドの強さの値を測定し、これらを示すデータを生成するために構成および動作可能なフィールドセンサ214と、制御ユニット16と、電流供給ユニット212Bとで構成されている。位置Lにおける所望のフィールドの強さは、ユーザにより設定され、フィールドセンサ214により測定されたデータに基づいた制御ユニット16のフィードバック信号を利用して制御される。フィールドセンサ214は、例えば薄いフィルム状のパーマロイの磁気抵抗の効果の利用に基づく周知の好適な構成を有する。電流供給ユニット212Bは、コイルユニットへの所望の電流を生成する高いDC電流源回路である。
【0057】
したがって磁界の場合、本発明の装置は、シナプス伝達に作用して、直交するフィールドを利用して神経伝達物質をコースから逸らして神経伝達物質がレセプタに到着するのを抑制することにより、瞳孔の大きさを思い通りに変更する。
【0058】
図4A乃至4Cは、限定しないが、図3のデバイスの実施例の特定の例を示している。図4Aに示すように、デバイス200は、外部の磁界発生源212と、磁界センサ214と、制御ユニット16とを具える。磁界センサ212は、コイルユニット212Aと、電流供給ユニット212Bとを具える。コイルユニット212Aは、コンダクタグリップ15を介して電流供給ユニット212B(制御可能なDC電流源)に接続された環状形状の眼球用コイルを具え、これにより、関心のある領域内の所望の磁界の強さを決める異なる電流が供給される。レンズを眼球用コイルの穴に配置してもよい。制御ユニット16は、電流供給ユニット212Bとフィールドセンサ214との間で(ワイヤまたは無線により)相互接続されている。電流供給ユニット212Bおよび制御ユニット16は、電源20に接続される。
【0059】
図4Bに示すように、デバイスは、電流供給ユニットとユーザが参照できるディスプレイを有する制御ユニット(ここでは図示せず)とを具えるハンドヘルド型のプローブ22を具え、環状形状の眼球用コイル212Aが、絶縁されたワイヤコネクタ24(十分な可撓性を有するコネクタが好適である)を介して電流供給ユニットに接続されたプローブ22の外側に配置されている。レンズ26が選択的に眼球用コイルの穴に設けられ、コイルがキャリアとして機能する。コイルは光学的に透明でもよい。デバイス200は、網膜を検査するときに医師が行うような手で持ったときの自由な操作を可能にする。
【0060】
図4Cに示すように、この例では、フィールドセンサ214はヘッドバンドに取り付けられている。レンズ26(レンズの条件は任意である)は、電気的に絶縁された眼球用コイル212Aの穴に挿入されている。後者は、ハウジング22に内蔵されている電流供給ユニットに(ワイヤにより)接続されている。フィールドセンサ214は、ハウジング22に内蔵されたフィールドを制御してフィールドの強さを設定する制御ユニットの回路に(ワイヤまたは無線により)接続されている。デバイスの倒像検眼鏡の構成を考慮して、医師により把持されるプローブ22は、光源30(例えば、LED)を具えている。
【0061】
図5は、本発明の方法のフロー図を示している。患者は、予測されるフィールド領域内の所望の位置に患者の目がくるように配置される。外部のフィールド(電界および/または磁界)は、(眼球用部材、電極、および/またはコイルを患者の目の近くに配置することにより、電界の場合には、後側の補足的な電極を適切に配置することにより)この領域内に生成される。制御ユニットは、フィールド発生源を操作して患者の目の近くの実際のフィールド値を測定し、必要であれば、電圧および/または電流供給ユニットを操作してフィールドの強さを再調整し、これにより、瞳孔の大きさを変化させ、拡大された瞳孔を介して目の検査をすることができる。
【0062】
以下は、発明者が行った実験結果である。これらの実験では、電界の応用例が利用された。
【0063】
テーブルIは、実験の第1セットの実験データを示している。これらの実験で使用された実験装置は、ディスク形状の眼球用電極と、フィールドを発生させる99.8VのDC電圧とを具える。動作中の眼球用の電極を近づける方法と、電力がOFFの状態で瞳孔がいつものように照明の変化に反応する場合は効果が顕著でないが、電力をON/OFFする方法の2つの方法が用いられる。検査される目の直接照明は2つの状態で利用され、すなわち、デバイス動作によって瞳孔の大きさが変化しない間、照明がONおよびOFFの状にされる。実験結果は、瞳孔の直径であり、拡大レンズを具える通常の眼科用測定設備を利用して取得される。2つのパラメータ、すなわち電圧極性(眼球用電極に接続された正の極性)および補足的な電極の位置(ヘッドレストまたはこめかみ近く)が制御され、測定における影響が予測された。
【0064】
これらの実験では、眼球用電極と目との間の実際の距離は、ある検査と他の検査では一定ではなく、またフィードバック機構は使用されず、したがって、得られた結果は、手に持って検査したときの距離が一定でないため変化する。所望されるフィールドの影響の均一性は、フィードバックおよび制御機構を利用することにより実現できると理解すべきである。これらの実験は、実際の瞳孔の大きさを変更する効果をまさに示している。対象とする瞳孔の精密な測定を含む各検査は、0.05mmの精度を有する通常の眼科用測定設備を利用する。瞳孔の直径の測定は、(電界の応用例として構成された)本発明のデバイスの操作の下で、各検査の初めに行われ、結果的に、瞳孔の直径が拡大するのが示された。これらの試験では、環状形状の眼球用電極が設けられたプローブが、患者の目の方に移動され、実際に目に接触することなく眼球用電極を目の最も近くに配置した。補足的な電極(電極の条件は任意である)は、(絶縁性のカバー内の)プレートとして構成され、患者の頭部近くに配置された。完全な網膜の検査を行うためには、最小でも直径4mmの瞳孔が必要であり、これは、実験で実現された。さらに、電圧のレベルは、瞳孔の大きさを変更するさらに強い効果や、眼球用電極のより広い配置空間を提供するために増加できる。検査された変化には、(初めの瞳孔の直径が反応した)光の強さ、補足的な電極の接続、アイドル動作(電圧が供給されていない)が含まれていた。検査結果は、ビデオおよび写真の双方に記録された。検査は、眼球用電極と補足的な電極との間に供給される99.8DCVを利用して行われ、ここでは、眼球用電極は、負の電極に接続された。伝導性のワッシャ状のリングで構成される眼科用電極は、絶縁素材で被覆され、絶縁されたハンドルに設けられた。各検査は、(電界を利用しない)初めの測定と、電界を利用した測定の2つの測定を含む。
テーブルI

【0065】
さらに、テーブルIIは、電界を患者の目に適応するデバイス構成により取得される実験データを表わしている。デバイスは、円形で、ワッシャ状かつプレート状の眼球用電極を含む。後者は、患者の目から5mmの位置に配置された。第2の補足的な電極は、こめかみ近くに配置された長方形のプレート形状である。実験は、異なる電圧の値(すなわち、2つの電極間の電位差)を有する部屋の薄暗い光で行われた。
テーブルII

【0066】
これらの実験では、測定方法は、検査される目の写真の分析と、Lmea(写真から測定される瞳孔の直径)とLref(測定写真で撮影された5mmの大きさのノッチ)との間の比率による瞳孔の大きさの計算とを含む。
【0067】
さらに、テーブルIIIは、部屋の光の下で、アイスクリームスクレイパー形状の眼球用の電極と、こめかみ近くの側板形状の補足的な電極とにより取得された実験データを示している。このテーブルでは、テスト1乃至3および4は、2人の異なる患者に実施された検査に対応しており、それぞれ、検査1のデータは、患者の目の最初の状態、すなわち外部のフィールドを適応しない状態に該当し、検査2および3のデータは、異なる電圧(電極間の電位差)を利用した電界を適用した前記目に該当し、検査4のデータは、第2の患者の実験結果に該当する。これらの実験では、(虹彩の大きさは変化せず、一定した参照として利用されないが)瞳孔と虹彩の比率が算出される。
テーブルIII

【0068】
したがって、本発明は、所望の特性(方向および強さ)を有する外部の電界および/または磁界に虹彩をさらして、シナプスを刺激または抑制することにより、単純で効果的に薬を使わずに瞳孔の大きさ(瞳孔の拡張/収縮)を一時的に変更する。
【0069】
本発明に関連する当業者であれば、本発明は好適な実施例により説明されているが、本開示の基礎となる概念は、本発明のいくつかの目的を実行する他の構造、システム、および処理を設計する基礎として容器に利用されることは理解できるであろう。
【0070】
また、ここで使用される語句および用語は、説明を目的としており、限定を意味するものではないと理解すべきである。
【0071】
したがって、本発明の目的は、前述した図示の実施例による限定であると解釈されない。他の様々な変更例が、添付した請求項およびこれらと同等なものにより決まる本発明の目的の範囲内で可能である。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1A】図1Aは、電界発生源を利用して適切に瞳孔の大きさを調整する本発明のデバイスの例である概略図である。
【図1B】図1Bは、電界発生源を利用して適切に瞳孔の大きさを調整する本発明のデバイスの例である概略図である。
【図2A】図2Aは、図1Aおよび1Bのデバイスの特定の実施例を例示している。
【図2B】図2Bは、図1Aおよび1Bのデバイスの特定の実施例を例示している。
【図2C】図2Cは、図1Aおよび1Bのデバイスの特定の実施例を例示している。
【図3】図3は、磁界発生源を利用する本発明のデバイスの別の例の概略図である。
【図4A】図4Aは、図3のデバイスの特定の実施例を例示している。
【図4B】図4Bは、図3のデバイスの特定の実施例を例示している。
【図4C】図4Cは、図3のデバイスの特定の実施例を例示している。
【図5】図5は、本発明の方法のフロー図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
瞳孔の大きさを変更するデバイスにおいて、
当該デバイスが、患者の目の領域と実際に接触することなく、薬を使わずに非侵襲的に瞳孔の大きさを調節するように構成され、
前記デバイスが、患者の目の領域と実際に接触することなく、患者の目の領域の外部に配置される1またはそれ以上のユニットからなり、
前記デバイスが、患者の目の領域の外部に配置される外部の電界発生源を具え、前記外部の電界発生源が、電界領域を規定すべく物理的に互いに離れて配置されるとともに、患者の目が配置される位置に電界領域を形成すべく互いに配置されるように構成された第1および第2の電極により形成される電極装置を具え、前記電界発生源が、当該電界発生源から所定の距離に、患者の目が配置される領域において所要の電界形状を有する所望の強さおよび方向の電界を生成するように構成および動作可能であり、患者の目の領域に対する電界の一時的な適用が、患者の目の領域に関連する筋肉に刺激および/または神経刺激の抑制をもたらし、これにより、散瞳または縮瞳の効果を一時的に引き起こし、したがって、前記デバイスが、実質的に副作用無しに、薬を使わずに非侵襲的に瞳孔の大きさを変更することを特徴とするデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のデバイスが、前記電界領域近くに位置する外部センサであって、当該センサの近くにおける実際の電界の強さを測定し、これらを示すデータを生成するように構成されたセンサと、前記測定された電界の強さを示すデータに応答し、前記データを処理および分析し、前記電界の強さの調整が必要であるという検出に基づいて、外部の電界発生源を操作する制御信号を生成するように構成された制御ユニットとを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のデバイスであって、患者の目の近くに配置されるように構成された眼球用部材であって、患者の目に向く電気的に絶縁された面をもつ眼球用部材を具えることを特徴とするデバイス。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記外部の電界発生源が、電圧供給ユニットとを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のデバイスにおいて、前記電極装置が、第1の眼球用電極と、第2の補足的な電極として機能する患者の体への直接的な電気接触部とを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項6】
請求項4または5に記載のデバイスにおいて、前記電圧供給ユニットが、前記電極間の特定の電位差を提供するように動作可能であることを特徴とするデバイス。
【請求項7】
請求項5または6に記載のデバイスにおいて、前記第1の眼球用電極は前記患者の目の近くに配置されるように構成されるとともに、電気的に絶縁された面を有し、当該面により、前記第1の眼球用電極が患者の目に接触することなく患者の目に向くことを特徴とするデバイス。
【請求項8】
請求項6または7に記載のデバイスにおいて、前記第2の補足的な電極は、前記患者の頭部または座席のヘッドレストのいずれかに取り付けられるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項9】
請求項6乃至8の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記第2の補足的な電極は、前記患者の体に直接に接続されるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項10】
請求項6乃至9の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記第2の補足的な電極は、絶縁されまたは絶縁されないように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記第1の電極は、当該第1の電極の穴を介して前記目の検査を可能にする環状形状であることを特徴とするデバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスにおいて、前記第1の環状形状の電極は、前記穴にレンズが取り付けられるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項13】
請求項5乃至12の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記第2の補足的な電極は、ヘッドバンドに取り付けられて、前記患者の頭部に設置されることを特徴とするデバイス。
【請求項14】
請求項1乃至13の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記第1および第2の電極の各々は、各極性の電極装置部材を1以上具えることを特徴とするデバイス。
【請求項15】
請求項13に記載のデバイスにおいて、前記センサが、前記ヘッドバンドに取り付けられていることを特徴とするデバイス。
【請求項16】
請求項4乃至15の何れか一項に記載のデバイスであって、前記電圧供給ユニットおよび前記制御ユニットを具えるハンドヘルドまたは固定式のハウジングと、前記ハウジングの外側に配置され、電気的に絶縁されたコネクタにより前記電圧供給ユニットに接続された前記電極装置の第1の眼球用電極とを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項17】
請求項16に記載のデバイスにおいて、前記制御ユニットが、ユーザに見せるための、前記ハウジングの外側面に配置されたディスプレイを具えることを特徴とするデバイス。
【請求項18】
請求項1乃至17の何れか一項に記載のデバイスにおいて、前記外部の発生源が磁界を生成するようにさらに構成され、前記外部の発生源が電気−磁気ユニットを具え、電流供給ユニットに接続されていることを特徴とするデバイス。
【請求項19】
請求項18に記載のデバイスにおいて、前記電気−磁気ユニットが、前記眼球用の電気−磁気ユニットの穴を介して前記目の検査を可能にする環状形状を有することを特徴とするデバイス。
【請求項20】
請求項19に記載のデバイスにおいて、前記環状形状の電気−磁気ユニットは、前記穴にレンズが取り付けられるように構成されていることを特徴とするデバイス。
【請求項21】
請求項19または20に記載のデバイスであって、前記電流供給ユニットおよび前記制御ユニットを具えるハンドヘルドまたは固定式のハウジングを具え、前記眼球用の電気−磁気ユニットが前記ハウジングの外側に配置され、電気的に絶縁されたコネクタにより前記電流供給ユニットに接続されていることを特徴とするデバイス。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−210442(P2012−210442A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−144939(P2012−144939)
【出願日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【分割の表示】特願2008−502558(P2008−502558)の分割
【原出願日】平成18年3月21日(2006.3.21)
【出願人】(507275545)エイ.ティー.アイ.−アドヴァンスド メディカル テクノロジーズ エルティーディー. (3)
【Fターム(参考)】