説明

矩形容器

【課題】複数個を隣り合わせに並べることができ且つ並べられた容器群から容器の取り出しを容易にするためのフランジ切欠部を具備してなる矩形容器において、容器の把持性やハンドリング性を損なわず、容器の把持部が十分な強度を持つように改良する。
【解決手段】容器を構成する一側壁4の本体40には、側壁上端部において第1フランジ41が、又、その第1フランジ41の下方において第2フランジ42がそれぞれ水平方向外向きに突設されている。第2フランジ42は、その下面側に手指を掛けることが可能な突出長を有する。第1フランジ41は、フランジ切欠部41aが形成されることで第2フランジ42の外端位置よりも側壁本体側に後退した外端を持つ幅狭部41bを有する。側壁本体40、第1フランジの幅狭部41b及び第2フランジ42によって把持部Hが構成されると共に、両フランジ41,42間には手指挿入空間が構築される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平面矩形状の底壁及びその底壁の各辺に立設された四つの側壁を備え、複数個を隣り合わせに並べることが可能な矩形容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、同一平面(例えば陳列棚や作業台上面)に複数個の矩形容器を縦横に隙間無く並べて、整然と陳列したり各容器への収納物の分配作業を効率化することが行われている。特許文献1は、複数個を互いに隙間無く並べることが可能な運搬用容器を開示する。特許文献1の容器では、対向する二つの側壁の各々に手指を挿入するための貫通孔が設けられると共に、各側壁の開口端部(上端部)にフランジが設けられている。そのフランジは、貫通孔の上方位置において当該フランジの幅をやや狭くする外側のフランジ切欠部を有している。そして、フランジ切欠部があることにより、隙間無く並べられた一群の容器から一つの容器を取り出すときには、隣り合う二つの容器のフランジ接合境界において二つのフランジ切欠部により構成される孔に対し上から下に手指を入れると共に、その手指の先を貫通孔内に通すことで、貫通孔の上側端縁部分に手指を掛けて容器(の側壁上部)を把持可能となっている。また、フランジ切欠部があることで、貫通孔の上方に位置するフランジの幅狭部を表示用ラベルの巻き付け等に利用可能となっている。
【0003】
特許文献1の容器において、隣り合う二つの容器のフランジ接合境界に二つのフランジ切欠部により構成される孔を手指を入れやすい大きさの孔とするためには、各フランジにおけるフランジ切欠部の奥行きを拡大する必要がある。しかしその反面、フランジ切欠部の奥行き拡大は、当該フランジの幅狭部の幅を狭くすることにつながり、ひいては貫通孔上方の持ち部の厚みを非常に薄くして容器の把持性やハンドリング性を悪くするおそれがある(第1の欠点)。また、特許文献1の容器では、フランジ切欠部によって幅狭になったフランジの下方に貫通孔が設けられているため、当該フランジの強度はあまり強いとは言えず、重量物を収納した状態の容器を貫通孔上方のフランジ幅狭部を握って持ち上げると、当該フランジ幅狭部が変形等するおそれがある(第2の欠点)。
【0004】
もっとも、特許文献1の容器はその側壁に手指挿入用の貫通孔を設けることを必須としているので、例えば貫通孔の設置高をやや低めに設定して側壁上端のフランジと貫通孔の上側端縁との間隔(垂直離間長)をある程度長くする設計も採り得る。側壁上端のフランジと貫通孔の上側端縁との間隔をある程度長くすれば、手指の握り代を確保することになって容器の把持性やハンドリング性を改善して上記第1の欠点を克服することも可能であり、又、側壁上端のフランジと貫通孔の上側端縁との間に介在する側壁の肉部によってフランジ幅狭部を強度補強して上記第2の欠点を解消することも不可能とは言えない。しかしながら、容器の側壁に貫通孔を設けられない又は設けることが不適切なタイプの容器、例えば段積み時において容器内部の保湿性が求められる生鮮食品用容器等に対しては、特許文献1に開示の構成をそのまま採用することはできない。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第2592153号公報(請求の範囲、図1,2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、複数個を隣り合わせに並べることができ且つ並べられた容器群から容器の取り出しを容易にするためのフランジ切欠部を具備してなる矩形容器において、容器の把持性やハンドリング性を損なうことなく、容器の把持部が十分な強度を持つように改良することにある。特に、各側壁には容器内部と外部とを連通させる開口が実質的に存在しないために段積み時には容器内部を外部からほぼ遮断可能なタイプの矩形容器にも適用可能な把持部の構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、平面矩形状の底壁及びその底壁の各辺に立設された四つの側壁を備え、複数個を隣り合わせに並べることが可能な矩形容器、及び、平面矩形状の底壁及びその底壁の各辺に立設された四つの側壁を備えて上方に開口した容器であり、前記各側壁には容器内部と外部とを連通させる開口が実質的に存在しないために段積み時には容器内部を外部からほぼ遮断可能であり、且つ、複数個を隣り合わせに並べることが可能な矩形容器についての改良である。この矩形容器において、前記四つの側壁のうちの対向する二つの側壁の本体には、第1フランジが側壁上端部又はその近傍において略水平方向外向きに突設されると共に、第2フランジが前記第1フランジの下方において略水平方向外向きに突設され、前記第2フランジは、その下面側に手指を掛けることが可能な突出長で側壁本体から突出しており、前記第1フランジは、フランジ切欠部が形成されることで第2フランジの外端位置よりも側壁本体側に後退した外端を持つ幅狭部を有しており、前記側壁本体、第1フランジの幅狭部及び第2フランジによって把持部が構成されると共に、これらによって区画される領域には、側壁の外側方及び上方に開口した手指挿入空間が構築される。
【0008】
より好ましくは、前記第1フランジの幅狭部と第2フランジとの間には、側壁本体、第1フランジ及び第2フランジの三者を連結する補強用の縦リブが設けられている。
更に好ましくは、前記補強用の縦リブは、手指挿入空間内において当該縦リブの左側及び右側に指入れ可能なスペースが確保されるように配置されている。
【0009】
[作用]
二個の矩形容器を隣り合わせに隙間無く並べたとき、両容器の第2フランジ及び/又は第1フランジは相互に当接又は緊密に接近する。第1フランジには、フランジ切欠部が形成されることで第2フランジの外端位置よりも側壁本体側に後退した外端を持つ幅狭部が設けられているため、隣り合う二つの容器の第1フランジ幅狭部間には、二つのフランジ切欠部が組み合わされることによる開口孔が出現する。この開口孔から一方の容器の手指挿入空間に手指を挿入すれば、その手指挿入空間に一時的に手指をかけて当該容器を持ち上げたり横にずらしたりできる。当該容器を他の容器から引き離した後には、手指の掛け位置を前記手指挿入空間から第2フランジの下面に移すことができる。第2フランジは手指を掛けるに十分な突出長を有するため、第2フランジの下面に手指を掛け、更に手の甲を第1フランジの幅狭部に回すことで、側壁本体でつながれている第1及び第2フランジを把持部として容器を確実に把持することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の矩形容器によれば、フランジ切欠部により形成される開口孔に手指を挿入することで、隣り合わせに並べた一群の容器から一つの容器を容易に取り出すことができる。そして、そのような特性を保ちながらも、側壁本体、第1フランジの幅狭部及び第2フランジによって把持部を構成することで、把持部を握りやすい幅及び高さに設定でき、容器の把持性やハンドリング性を従来よりも高めることができる。また、第1及び第2フランジが側壁本体によって連結されることで把持部全体が断面コ字状の箱型をなすため、把持部の強度及び剛性を十分に確保することができる。
【0011】
特に本発明は、把持部を構成するために側壁に貫通孔が存在することを必要条件としないので、各側壁には容器内部と外部とを連通させる開口が実質的に存在しないために段積み時には容器内部を外部からほぼ遮断可能なタイプの矩形容器に適用可能であり、そのようなタイプの矩形容器においてこそ、その利点を最大限に発揮し得る。
【0012】
第1フランジの幅狭部と第2フランジとの間に補強用の縦リブを設けた場合には、把持部の更なる強度及び剛性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。本実施形態の矩形容器は、肉類、魚介類あるいは惣菜類などの生鮮食品を収容して、運搬、陳列又は保管に使用するための生鮮食品用多目的容器である。
【0014】
図1に示すように、矩形容器は、平面矩形状の底壁2と、その底壁2の各辺(周縁)に立設された二つの長辺側側壁3及び二つの短辺側側壁4とを備え、これら四つの側壁3,4によって上方に開口した容器として構成されている。後述するように各側壁3,4には多数のフランジやリブ等の突出部が設けられているが、各側壁3,4を貫通する孔の類は形成されていない。つまり、各側壁3,4には、容器内部と外部とを連通させる開口が実質的に存在せず、いずれもいわゆるベタ面となっている。また、この矩形容器は、その内部に物(生鮮食品)を収納したまま複数個を上下に多段積み(いわゆるスタッキング)可能に構成されている。前記四つの側壁3,4は、それぞれ上方に向けて外側にやや拡がるように形成されているため、段積み時には、上位容器の底壁2の一部が、下位容器の四側壁3,4によって区画形成される上部開口端に浅く嵌り込み、下位容器の上部開口が上位容器の底壁2によって塞がれる。故に、本実施形態の矩形容器の段積み時には、下位容器の内部は外気からほぼ遮断される。従って、この矩形容器を多段積みして生鮮食品を保管すれば、生鮮食品の乾燥を極力防止することができる。
【0015】
図1、図2及び図3(B)に示すように、対向する二つの短辺側側壁4の各々には、フランジ及びリブからなる把持部Hが設けられている。具体的に説明すると、各側壁4の本体40の開口縁(上端)には、第1フランジ41が水平方向外向きに突設されている。この第1フランジ41は、側壁4の長さ方向全体にわたって延びている。また、各側壁4の本体40には、前記第1フランジ41の下方において第2フランジ42が水平方向外向きに突設されている。この第2フランジ42は、側壁4の長さ方向中央付近にあって第1フランジ41と平行に延びている。第1フランジ41と第2フランジ42との間隔(垂直離間長)は、人の手指が楽に入る長さ(例えば20〜30mm)に設定されている。
【0016】
第2フランジ42の側壁本体20からの水平突出長L(図3(B)参照)は、そのフランジ42の下面側に手指を掛けることが可能な長さ(例えば20〜40mm)に設定されている。第2フランジ42の全長は、側壁4の全長の20〜25%程度の長さに設定されている。第2フランジ42の左端は、側壁4の左端寄り位置を占める箱型膨出部43の右側面43aによって区画され、又、第2フランジ42の右端は、側壁4の中央部からやや右寄りに位置すると共に垂直方向に延びる仕切板部44によって区画されている。換言すれば、箱型膨出部の右側面43aと仕切板部44との間にあって、第1フランジ41から所定距離だけ下方に位置する水平延設部が第2フランジ42である。
【0017】
図3(B)に示すように、側壁4は、その上端部ほど外側に位置するようにやや傾斜しているが、第1フランジ41の外端部と、第2フランジ42の外端部とが垂直方向にほぼ揃うように第1フランジ41の側壁本体40からの水平突出長が設定されている。但し図2及び図3に示すように、第1フランジ41の長さ方向中央部にはフランジ切欠部41aが切り欠き形成されており、その結果、当該第1フランジ41の中央部は幅狭部41bとなっている。この第1フランジ幅狭部41bの外端は、フランジ切欠部41aの水平切り込み量dに相当する分だけ第2フランジ42の外端位置よりも側壁本体40側に後退した位置にある。
【0018】
かくして図1〜図3に示すように、短辺側側壁4の各々の上端部付近には、側壁本体40、第1フランジの幅狭部41b及び第2フランジ42によって構成される把持部Hが設けられている。この把持部Hは概して横断面コ字状をなすと共に、その左端を箱型膨出部の右側面43aにより、右端を仕切板部44によりそれぞれ区画されている。そして、把持部Hにあっては、側壁本体40によって背面が、第1及び第2フランジ41,42によって上下面が、箱型膨出部の右側面43a及び仕切板部44によって左右面がそれぞれ区画されてなる凹形状の手指挿入空間S1が構築されている。この手指挿入空間S1が側壁4の外側方に向けて開口していることは言うまでもないが、第1フランジ41にフランジ切欠部41aがあることで当該手指挿入空間S1は側壁4の上方にも開口している。
【0019】
更に図2に示すように、側壁本体40には第1フランジの幅狭部41bと第2フランジ42との間において、二つの縦リブ45が突設されている。この二つの縦リブ45は、側壁本体40、第1フランジ41及び第2フランジ42の三者を連結して把持部Hの強度を補強している。なお、各縦リブ45の外端部は、第1フランジ幅狭部41bの外端と、第2フランジ42の外端とをつなぐように傾斜形成されている。二つの縦リブ45は、箱型膨出部の右側面43aと仕切板部44との間をほぼ三等分する位置に配置されており、その結果、手指挿入空間S1内には、各縦リブ45の左側及び右側のそれぞれに指入れ可能なスペースが確保されている。
【0020】
第2フランジ42の下方で短辺側側壁4の高さ方向中程位置には、水平仕切板部46が側壁本体40から水平方向外向きに突設されている。この水平仕切板部46は、箱型膨出部の右側面43aの下端付近と仕切板部44の下端縁とを水平に連結する。そして、第2フランジ42、箱型膨出部の右側面43a、垂直な仕切板部44及び水平仕切板部46によって囲まれた領域には、第2の手指挿入空間としての凹部47が形成されている。
【0021】
[実施形態の作用及び効果]
本実施形態の生鮮食品用矩形容器は、例えば多数の容器に生鮮食品を分配・収納する作業を効率的に行うために、作業台上に縦横規則的に並べられる。つまり、図3(A)及び(B)並びに図4に示すように、隣接する二つの容器にあっては、互いの短辺側側壁4同士が接するように配列されて、両容器の第1フランジ41の外端同士及び第2フランジ42の外端同士が当接し合う(あるいは当接寸前まで緊密に接近し合う)。その結果、両容器のそれぞれの第1フランジ41により形成される水平面の真中、即ち、両容器の第1フランジの幅狭部41b間には、二つのフランジ切欠部41aが組み合わされることによって長細い開口孔が構築される。
【0022】
各容器への生鮮食品の分配収納作業終了後に、縦横に隙間無く配列された一群の容器の中から一つの容器を取り出すときには、上記二つのフランジ切欠部41aにより構築される開口孔から取り出したい容器の手指挿入空間S1に手指を挿入すると共に、その手指挿入空間S1を区画形成している第1フランジ幅狭部41bの下面側に一時的に手指をかけることで、当該容器を持ち上げたり横にずらしたりすることができる。なお、手指挿入空間S1は短辺側側壁4の上端付近である第1フランジ幅狭部41bの直下にあるため、前記開口孔に手指を差し込む深さは浅くてすむ。それ故、本実施形態によれば、手指挿入空間S1内に手指を差し込み易く、作業性に優れている。
【0023】
手指挿入空間S1に挿入した手指で当該容器を他の容器から引き離した後には、手指の掛け位置を手指挿入空間S1から第2フランジ42の下面に移すことができる。第2フランジ42は手指を掛けるに十分な水平突出長Lを有するため、第2フランジ42の下面には手指(具体的には親指以外の4本の手指)が十分に引っ掛かる。更に、手の甲を把持部Hの外側方側(即ち縦リブ45の傾斜した外端部のある側)から第1フランジ幅狭部41bの上面に回すと共に、親指を側壁本体40の内面側(把持部Hの裏側辺り)に添えることで、把持部Hの全体を手で確実に握り締めることができる。
【0024】
本実施形態によれば、短辺側側壁4の上端部に設けられた把持部Hは、第1フランジの幅狭部41b、第2フランジ42及び両フランジをつなぐ側壁本体40によって構成されるため、把持部Hを適切な幅及び高さに設定して握り易いボリューム感のあるものとすることができ、容器の把持性やハンドリング性に優れている。また、把持部Hを構成する第1フランジ幅狭部41bと第2フランジ42との間の領域には、一時的に手指を挿入するための手指挿入空間S1が設けられ、この手指挿入空間S1に手指を挿入することで密集した一群の容器から特定の容器を取り出すことができるという意味でも、本実施形態の容器はハンドリング性に優れている。更に、把持部Hの補強要素である縦リブ45の外端部は、第1フランジ幅狭部41bの外端と第2フランジ42の外端とをつなぐように傾斜形成されているため、手の甲を把持部Hの外側方側に回して握った際に、縦リブ45の外端部が手の甲に食い込むことがなく把持部Hを握り易いという意味でも、本実施形態の容器は把持性に優れている。
【0025】
本実施形態によれば、第1及び第2フランジ41,42が側壁本体40によって垂直連結されると共に第2フランジ42の左右端において箱型膨出部の右側面43a及び仕切板部44によって垂直連結されて、把持部H全体が断面コ字状の箱型をなしている。それに加えて、第1フランジ幅狭部41bと第2フランジ42との間には二つの補強用縦リブ45が設けられている。このため、把持部Hの強度及び剛性は非常に高く、容器内に重量物を収納した状態で当該把持部Hを把持しても、把持部Hが変形等するおそれはない。特に本実施形態の矩形容器では、短辺側側壁4にはそれを貫通するような孔等は形成されておらず、ましてや把持部Hの下側に貫通孔の類は存在しないため、ベタ面たる側壁4の本体40に一体化された把持部Hに、強度及び剛性に関する不安は全くない。
【0026】
本実施形態の容器は、以上説明したような幾多の利点や長所を有する。このため、イ.上方に開口した容器であること、ロ.側壁3,4には容器内部と外部とを連通させる開口が実質的に存在しないこと、ハ.容器内に物を収納した状態で多段積み可能であること、ニ.段積み時には容器内部を外気からほぼ遮断することで容器内部の保湿性を維持して収納物の乾燥を極力防止できること、ホ.複数個を隣り合わせに隙間無く並べることができること、ヘ.重量物を収納したまま持ち運び・運搬ができること、といったことが要求される生鮮食品用の矩形容器として非常に適している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態に従う矩形容器の斜視図。
【図2】把持部を有する短辺側側壁の拡大斜視図。
【図3】(A)は二個の容器を隣り合わせに並べたときの短辺側側壁付近の部分平面図、(B)は(A)中のA−A線での拡大断面図。
【図4】図3(A)中のA−A線で分断した短辺側側壁付近の拡大斜視図。
【符号の説明】
【0028】
2…底壁、3…長辺側側壁、4…短辺側側壁、40…短辺側側壁の本体、41…第1フランジ、41a…第1フランジのフランジ切欠部、41b…第1フランジの幅狭部、42…第2フランジ、45…補強用の縦リブ、H…把持部、L…第2フランジの水平突出長、d…フランジ切欠部の水平切り込み量(第2フランジ外端位置からの後退量)、S1…手指挿入空間。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面矩形状の底壁及びその底壁の各辺に立設された四つの側壁を備え、複数個を隣り合わせに並べることが可能な矩形容器において、
前記四つの側壁のうちの対向する二つの側壁の本体には、第1フランジが側壁上端部又はその近傍において略水平方向外向きに突設されると共に、第2フランジが前記第1フランジの下方において略水平方向外向きに突設され、
前記第2フランジは、その下面側に手指を掛けることが可能な突出長で側壁本体から突出しており、
前記第1フランジは、フランジ切欠部が形成されることで第2フランジの外端位置よりも側壁本体側に後退した外端を持つ幅狭部を有しており、
前記側壁本体、第1フランジの幅狭部及び第2フランジによって把持部が構成されると共に、これらによって区画される領域には、側壁の外側方及び上方に開口した手指挿入空間が構築されることを特徴とする矩形容器。
【請求項2】
平面矩形状の底壁及びその底壁の各辺に立設された四つの側壁を備えて上方に開口した容器であり、前記各側壁には容器内部と外部とを連通させる開口が実質的に存在しないために段積み時には容器内部を外部からほぼ遮断可能であり、且つ、複数個を隣り合わせに並べることが可能な矩形容器において、
前記四つの側壁のうちの対向する二つの側壁の本体には、第1フランジが側壁上端部又はその近傍において略水平方向外向きに突設されると共に、第2フランジが前記第1フランジの下方において略水平方向外向きに突設され、
前記第2フランジは、その下面側に手指を掛けることが可能な突出長で側壁本体から突出しており、
前記第1フランジは、フランジ切欠部が形成されることで第2フランジの外端位置よりも側壁本体側に後退した外端を持つ幅狭部を有しており、
前記側壁本体、第1フランジの幅狭部及び第2フランジによって把持部が構成されると共に、これらによって区画される領域には、側壁の外側方及び上方に開口した手指挿入空間が構築されることを特徴とする矩形容器。
【請求項3】
前記第1フランジの幅狭部と第2フランジとの間には、側壁本体、第1フランジ及び第2フランジの三者を連結する補強用の縦リブが設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の矩形容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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