説明

石油系未利用資源からの金属回収方法及び金属回収装置

【課題】従来有効に利用されていない炭素を多く含む石油系未利用資源中の金属を容易且つ迅速にそして高純度で回収することができ、残った金属回収済未利用資源を熱源として利用可能になる石油系未利用資源からの金属回収方法及び金属回収装置を提供する。
【解決手段】ペトロコークやオイルサンドなどの炭素を多く含む石油系未利用資源から、ニッケルなどの金属を回収する石油系未利用資源からの金属回収装置1であって、シート状を成す陰極2と、バインダを混ぜてシート状に形成した石油系未利用資源を陽極3として陰極2に対峙させる導電性を持たないセパレータ4と、電解液Lを収容する液槽5と、液槽5内の電解液Lに陰極2及びシート状の陽極3を浸けた状態で、両電極2,3間に所定の電圧を印加する電圧印加部6を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペトロコークやオイルサンドなどの炭素を多く含む石油系未利用資源から、ニッケルなどの有価金属を回収するのに用いられる石油系未利用資源からの金属回収方法及び金属回収装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来において、例えば、焼却灰に含まれる金属を回収する場合には、酸などによって含有金属を溶解させた後、アルカリなどを添加して化学的な沈殿反応を起こさせて分解することで、金属を塩にして回収する方法が採用されている。
この金属回収方法において、酸及びアルカリを用いる処理は高コスト化を招く要因になり得ることから、例えば、石油系未利用資源であるペトロコークからこれに含まれるニッケルなどの有価金属を回収する場合には、酸及びアルカリの使用量を少なく抑えるために、ペトロコークを一旦燃焼させて灰にするなどといった処理を行う必要がある。
【0003】
なお、石油系未利用資源ではないが、木質系材料から有害金属を除去する方法として、木質系材料を炭素化することで生じさせた炭素化物を陽極とし、この炭素化物に含まれる有害金属を電気化学的にイオン化して陰極側に析出させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006-290642号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記したペトロコークなどの炭素を多く含む石油系未利用資源は、燃焼時において燃焼炉に付着してその後の腐食の原因となり得るバナジウムや、燃焼時に悪影響を及ぼす硫黄も多く含んでいるので、酸及びアルカリの使用量の削減を図るべく単純に燃焼させるには無理がある、すなわち、ペトロコークなどの石油系未利用資源を燃焼させてその熱を有効利用するように成すには無理がある。
【0005】
その一例として、反応器を用いてオイルサンドを分解する場合には、その反応の副産物としてコーク(ペトロコークの一つ)が生じるが、このコークのうちの反応器作動用燃料として使用される一部のコークを除く大半の残渣コークは、ニッケルやバナジウムを含んでいるにもかかわらず、上記した理由により未燃焼のまま野積みされているのが現状である。
【0006】
本発明は、上記した課題を解決するためになされたもので、従来において有効に利用されていない炭素を多く含む石油系未利用資源中の金属を容易且つ迅速にそして高純度で回収することができ、加えて、金属が回収されて残った金属回収済未利用資源を熱源として利用することが可能になる石油系未利用資源からの金属回収方法及び金属回収装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、ペトロコークやオイルサンドなどの炭素を多く含む石油系未利用資源から、ニッケルなどの金属を回収する石油系未利用資源からの金属回収方法であって、前記石油系未利用資源にバインダを混ぜてシート状の陽極を形成し、陰極と、前記シート状の陽極との間に電解液を介在させた状態で、両電極間に所定の電圧を印加して、前記石油系未利用資源から成るシート状の陽極から溶出する金属イオンを前記陰極に析出させた後、析出した金属を前記陰極から、例えば、研削加工などの機械加工を用いて離間させて回収する構成としたことを特徴としており、この石油系未利用資源からの金属回収方法の構成を前述した従来の課題を解決するための手段としている。
【0008】
ここで、石油系未利用資源をシート状の陽極に形成するのに使用するバインダには、例えば、ポリテトラフルオロエチレン系の粉末を用いることができ、この粉末状のバインダと石油系未利用資源との混合物をメッシュ状の部材に圧着することで、シート状の陽極を得る。
また、陰極には、とくに限定しないが、例えば、アルミニウムやステンレスを用いることができ、電解液もとくに限定しないが、例えば、塩化カリウムの水溶液(濃度0.1〜1.0mol/l)を用いることができる。
本発明の請求項2に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、陰極がシート状を成し、このシート状の陰極と前記シート状の陽極とで前記電解液を含浸させたセパレータ(例えば、ガラス繊維から成るセパレータ)を挟み込んだ状態で、両電極間に所定の電圧を印加する構成としている。
【0009】
本発明の請求項3に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、前記電解液を含浸させたセパレータを挟み込んだシート状の陽極及び陰極を渦巻状に丸めた状態で、両電極間に所定の電圧を印加する構成としている。
本発明の請求項4に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、前記陽極及び陰極間に印加する電圧を段階的に変更させて、前記電圧の大きさに応じて陰極を交換する構成としている。
【0010】
ここでは、石油系未利用資源に含まれる複数の金属イオンの酸化還元電位差の違いを利用している。例えば、ニッケルの析出電位差は−0.23V,バナジウムの析出電位差は−1.2V,硫黄の析出電位差は−0.5Vであり、上記構成と成すことで、石油系未利用資源に含まれる上記金属を電解液中に選択的に分離させ得ることとなる。
本発明の請求項5に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、回収する金属の数に合わせて電解液を収容する液槽及び陰極を用意し、前記シート状の陽極を複数の液槽に順次挿入して、前記陽極及び陰極間に印加する電圧を複数の液槽毎に変更して液槽内の各陰極に互いに異なる金属を析出させる構成としている。
【0011】
本発明の請求項6に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、前記陽極及び陰極間に印加する電圧を段階的に変化させて、一つの陰極に複数の金属を析出させる構成としている。
本発明の請求項7に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、前記石油系未利用資源に導電性を持たない灰を混合し、この石油系未利用資源と灰との混合物にバインダを混ぜてシート状の陽極を形成する構成としている。
【0012】
一方、本発明の請求項8に係る発明は、ペトロコークやオイルサンドなどの炭素を多く含む石油系未利用資源から、ニッケルなどの金属を回収する石油系未利用資源からの金属回収装置であって、シート状を成す陰極と、バインダを混ぜてシート状に形成した前記石油系未利用資源を陽極として前記陰極に対峙させる導電性を持たないセパレータと、電解液を収容する液槽と、この液槽内の電解液にシート状を成す陰極及びシート状の前記石油系未利用資源から成る陽極を浸けた状態で、両電極間に所定の電圧を印加する電圧印加部を備えている構成としている。
【0013】
本発明の請求項9に係る石油系未利用資源からの金属回収装置は、前記セパレータを介して対峙するシート状を成す陰極及びシート状の前記石油系未利用資源から成る陽極を渦巻状に丸めた状態で保持可能とした構成としている。
本発明の請求項10に係る石油系未利用資源からの金属回収装置は、前記電圧印加部による前記陰極及び陽極間に対する印加電圧を段階的に変更可能とし、前記電圧印加部によって陰極及び陽極間に印加される電圧が段階的に変更されるのに対応するべく、交換用のシート状の陰極を備えている構成としている。
【0014】
本発明の請求項11に係る石油系未利用資源からの金属回収装置は、前記電圧印加部によって陰極及び陽極間に印加される電圧が段階的に変更されるのに対応するべく、交換用の液槽を備えている構成としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1に係る石油系未利用資源からの金属回収方法では、陰極と、シート状に形成した石油系未利用資源にバインダを混ぜて成る陽極との間に電解液を介在させ、この状態で両電極間に所定の電圧を印加すると、電解液中に金属イオンが溶出するのに続いて、溶出した金属イオンが陰極に析出することとなる。
つまり、この析出した金属を陰極から離間させれば、従来成す術なく野積みされていた
石油系未利用資源中の金属を容易且つ迅速にそして高純度で回収することができる。
加えて、金属が回収されて残った金属回収済未利用資源は、燃焼炉の腐食の原因となったり燃焼時に悪影響を及ぼしたりする物質がほとんどなくないクリーンな未利用資源なので、熱源として利用することができる。
【0016】
また、本発明の請求項2に係る石油系未利用資源からの金属回収方法及び請求項8に係る金属回収装置では、上記した構成としているので、電極面が薄くなって陽極の中心から電解液までの距離が棒状電極に比べて短くなり、その結果、陽極中の金属類が迅速に溶出し易くなって、溶解・析出時間の短縮化を実現することが可能である。
さらに、本発明の請求項3に係る石油系未利用資源からの金属回収方法及び請求項9に係る金属回収装置では、上記した構成としていることから、小容量でありながら薄くした電極の表面積が大きくなり、その分だけ、陽極中の金属類がより一層迅速に溶出し易くなり、装置の小型化を図りつつ、溶解・析出時間の短縮化を実現することができる。
【0017】
さらにまた、本発明の請求項4,5に係る石油系未利用資源からの金属回収方法及び請求項10,11に係る金属回収装置では、石油系未利用資源に含まれる複数の金属イオンの酸化還元電位差の違いを利用して、陽極及び陰極間に印加する電圧を段階的に変更させる(本発明の請求項5に係る石油系未利用資源からの金属回収方法及び請求項11に係る金属回収装置では、陽極及び陰極間に印加する電圧を複数の液槽毎に変更させる)ようにしているので、石油系未利用資源に含まれる上記金属を電解液中に選択的に分離させ得ることとなる。
【0018】
さらにまた、本発明の請求項6に係る石油系未利用資源からの金属回収方法では、上記した構成としたから、石油系未利用資源を簡単且つ迅速にクリーンな未利用資源に変換することができ、本発明の請求項7に係る石油系未利用資源からの金属回収方法では、上記した構成としているので、廃棄物である灰に含まれる金属をも回収することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による石油系未利用資源からの金属回収装置を示しており、この実施形態では、石油系未利用資源としてのペトロコークからニッケル,バナジウム及び硫黄の三種類の金属を回収する場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、この金属回収装置1は、アルミニウムから成るシート状を成す陰極2と、粉末状のバインダとペトロコーク(石油系未利用資源)との混合物をメッシュ状の部材に圧着させてシート状に形成した陽極3を陰極2に対峙させる導電性を持たないガラス繊維から成るセパレータ4と、電解液Lを収容する液槽5と、この液槽5内の電解液Lにシート状を成す陰極2及びシート状の陽極3を浸けた状態で、両電極2,3間に所定の電圧を印加する電圧印加部6を備えている。
【0020】
この実施形態における金属回収装置1では、ペトロコークに含まれるニッケル,バナジウム及び硫黄の三種類の金属イオンの酸化還元電位差の違いを利用して、両電極2,3間に印加する電圧を段階的に変更させるようにしており、ニッケル,バナジウム及び硫黄の三種類の金属に対応するべく、陰極2,液槽5及び電圧印加部6を三つずつ備えている。
この金属回収装置1によってペトロコークに含まれるニッケル,バナジウム及び硫黄の三種類の金属を回収するに際しては、まず、図1(a)に示すように、ニッケル析出用の
シート状の陰極2N及び電圧印加部6Nを具備した液槽5Nにシート状の陽極3を挿入して、セパレータ4を介して両電極2N,3を対峙させる。
【0021】
次いで、電圧印加部6Nにより両電極2N,3間にニッケル析出電圧(−0.23V)を印加して、シート状の陽極3から溶出するニッケルイオンNをシート状の陰極2Nに析出させた後、析出したニッケルをシート状の陰極2Nから、例えば、研削加工などの機械加工を用いて離間させて回収する。
次に、上記シート状の陽極3を移動させて、図1(b)に示すように、硫黄析出用のシート状の陰極2S及び電圧印加部6Sを具備した液槽5Sにシート状の陽極3を挿入して、セパレータ4を介して両電極2S,3を対峙させ、電圧印加部6Sにより両電極2S,3間に硫黄析出電圧(−0.5V)を印加して、シート状の陽極3から溶出する硫黄イオンSをシート状の陰極2Sに析出させた後、析出した硫黄をシート状の陰極2Sから、上記と同じく研削加工などの機械加工を用いて離間させて回収する。
【0022】
そして、再び上記シート状の陽極3を移動させて、図1(c)に示すように、バナジウム析出用のシート状の陰極2V及び電圧印加部6Vを具備した液槽5Vにシート状の陽極3を挿入して、セパレータ4を介して両電極2V,3を対峙させ、電圧印加部6Vにより両電極2V,3間にバナジウム析出電圧(−1.2V)を印加して、シート状の陽極3から溶出するバナジウムVをシート状の陰極2Vに析出させた後、析出したバナジウムをシート状の陰極2Vから、上記と同じく研削加工などの機械加工を用いて離間させて回収する。
【0023】
上記したように、この金属回収装置1では、析出した金属を各陰極2(2N,2S,2V)から離間させれば、従来成す術なく野積みされていたペトロコークに含まれるニッケル,バナジウム及び硫黄の三種類の金属を容易且つ迅速にそして高純度で回収することができる。
また、この金属回収装置1では、ペトロコークに含まれるニッケル,バナジウム及び硫黄の三種類の金属イオンの酸化還元電位差の違いを利用して、両電極2,3間に印加する電圧を段階的に変更させるようにしているので、ペトロコークに含まれる上記金属を選択的に回収することができる。
さらに、この金属回収装置1では、ペトロコークから成る陽極3をシート状に形成しているので、電極面が薄くなって陽極3の中心から電解液Lまでの距離が棒状電極に比べて短くなり、その結果、陽極3中の金属が迅速に溶出し易くなって、溶解・析出時間の短縮化を実現可能である。
【0024】
そして、この金属回収装置1で上記金属を回収して残った金属回収済未利用資源は、図1(d)に示すように、燃焼炉の腐食の原因となったり燃焼時に悪影響を及ぼしたりする物質がほとんどなくないクリーンな未利用資源Aになっているので、熱源として利用することができる。
上記した実施形態では、陰極2がシート状を成し、このシート状の陰極2とシート状の陽極3とでセパレータ4を挟み込んだ状態で、両電極2,3間に所定の電圧を印加する構成としているが、これとは別に、図2に示すように、セパレータ4を挟み込んだシート状の陽極3及び陰極2を渦巻状に丸めた状態で、両電極2,3間に所定の電圧を印加する構成としてもよく、この場合には、小容量でありながら薄くした電極2,3の各表面積が大きくなり、その分だけ、陽極3中の金属がより一層迅速に溶出し易くなり、装置の小型化を図りつつ、溶解・析出時間の短縮化を実現することができる。
【0025】
なお、本発明に係る石油系未利用資源からの金属回収方法は、上記した実施形態に限定されるものではなく、他の構成として、例えば、陽極3及び陰極2間に印加する電圧を段階的に変化させながら、陰極2を交換せずに一つの陰極2に複数の金属を析出させるようにしてもよく、この場合には、石油系未利用資源を簡単且つ迅速にクリーンな未利用資源に変換することができる。
【0026】
また、石油系未利用資源に導電性を持たない灰を混合し、この石油系未利用資源と灰との混合物にバインダを混ぜてシート状の陽極3を形成する構成としてもよく、この場合には、廃棄物である灰に含まれる金属をも回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態による石油系未利用資源からの金属回収装置を用いた金属回収方法の金属回収工程説明図(a)〜(d)である。
【図2】本発明の石油系未利用資源からの金属回収方法に用いる電極の他の形態を示す部分斜視断面説明図である。
【符号の説明】
【0028】
1 金属回収装置
2(2N,2S,2V) 陰極
3 陽極(ペトロコーク)
4 セパレータ
5(5N,5S,5V) 液槽
6(6N,6S,6V) 電圧印加部
L 電解液

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペトロコークやオイルサンドなどの炭素を多く含む石油系未利用資源から、ニッケルなどの金属を回収する石油系未利用資源からの金属回収方法であって、
前記石油系未利用資源にバインダを混ぜてシート状の陽極を形成し、
陰極と、前記シート状の陽極との間に電解液を介在させた状態で、両電極間に所定の電圧を印加して、前記石油系未利用資源から成るシート状の陽極から溶出する金属イオンを前記陰極に析出させた後、
析出した金属を前記陰極から離間させて回収することを特徴とする石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項2】
陰極がシート状を成し、このシート状の陰極と前記シート状の陽極とで前記電解液を含浸させたセパレータを挟み込んだ状態で、両電極間に所定の電圧を印加する請求項1に記載の石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項3】
前記電解液を含浸させたセパレータを挟み込んだシート状の陽極及び陰極を渦巻状に丸めた状態で、両電極間に所定の電圧を印加する請求項2に記載の石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項4】
前記陽極及び陰極間に印加する電圧を段階的に変更させて、前記電圧の大きさに応じて陰極を交換する請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項5】
回収する金属の数に合わせて電解液を収容する液槽及び陰極を用意し、前記シート状の陽極を複数の液槽に順次挿入して、前記陽極及び陰極間に印加する電圧を複数の液槽毎に変更して液槽内の各陰極に互いに異なる金属を析出させる請求項1又は2に記載の石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項6】
前記陽極及び陰極間に印加する電圧を段階的に変化させて、一つの陰極に複数の金属を析出させる請求項1〜3のいずれか一つの項に記載の石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項7】
前記石油系未利用資源に導電性を持たない灰を混合し、この石油系未利用資源と灰との混合物にバインダを混ぜてシート状の陽極を形成する請求項1〜6のいずれか一つの項に記載の石油系未利用資源からの金属回収方法。
【請求項8】
ペトロコークやオイルサンドなどの炭素を多く含む石油系未利用資源から、ニッケルなどの金属を回収する石油系未利用資源からの金属回収装置であって、
シート状を成す陰極と、
バインダを混ぜてシート状に形成した前記石油系未利用資源を陽極として前記陰極に対峙させる導電性を持たないセパレータと、
電解液を収容する液槽と、
この液槽内の電解液にシート状を成す陰極及びシート状の前記石油系未利用資源から成る陽極を浸けた状態で、両電極間に所定の電圧を印加する電圧印加部を
備えていることを特徴とする石油系未利用資源からの金属回収装置。
【請求項9】
前記セパレータを介して対峙するシート状を成す陰極及びシート状の前記石油系未利用資源から成る陽極を渦巻状に丸めた状態で保持可能とした請求項8に記載の石油系未利用資源からの金属回収装置。
【請求項10】
前記電圧印加部による前記陰極及び陽極間に対する印加電圧を段階的に変更可能とし、前記電圧印加部によって陰極及び陽極間に印加される電圧が段階的に変更されるのに対応するべく、交換用のシート状の陰極を備えている請求項8又は9に記載の石油系未利用資源からの金属回収装置。
【請求項11】
前記電圧印加部によって陰極及び陽極間に印加される電圧が段階的に変更されるのに対応するべく、交換用の液槽を備えている請求項10に記載の石油系未利用資源からの金属回収装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−46744(P2009−46744A)
【公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−216075(P2007−216075)
【出願日】平成19年8月22日(2007.8.22)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】