説明

石膏ウォールボードにおける高ヒドロキシエチルデンプンレベルおよび高分散剤レベル

本発明は、一般に、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含む石膏含有スラリーを提供する。ナフタレンスルホン酸分散剤は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在する。ヒドロキシエチルデンプンは、配合物中の乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。トリメタリン酸ナトリウムは、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜0.4重量%の量で存在する。他のスラリー添加物は促進剤、バインダ、紙繊維、ガラス繊維、および他の公知の処方成分を含むことが可能である。本発明はまた、例えば軽量石膏ウォールボードといったこのようなスラリーで形成された石膏含有製品、および、軽量石膏ウォールボードの形成方法を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願は2006年11月2日出願の米国特許出願第11/592,481号明細書の一部継続出願であって、これは2006年6月7日出願の米国特許出願第11/449,177号明細書の一部継続出願であって、および、これはまた、2006年6月2日出願の米国特許出願第11/445,906号明細書の一部継続出願であって、これらの各々は、2005年6月9日に出願の米国仮特許出願第60/688,839号明細書の利益を主張する。前述の特許出願の各々の全開示は、参照により本明細書に援用されている。
【0002】
本発明は、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含有する石膏スラリーの形成方法、ならびに、これから形成された製品に関する。本発明はまた、製品の形成に用いられるスラリーにおいて、ナフタレンスルホン酸分散剤をヒドロキシエチルデンプンおよびトリメタリン酸ナトリウムと組み合わせて用いることにより、ウォールボードを含む石膏含有製品の乾燥強度を高める方法に関する。
【背景技術】
【0003】
石膏(硫酸カルシウム二水和物)は、一定の特性により、石膏ウォールボードなどの工業製品および建築製品の形成における使用にきわめて一般的とされている。石膏は豊富であると共に一般に安価な原料であり、これは、脱水プロセスおよび再水和プロセスを介して、有用な形状に、キャストされ、成形され、または、他の方法で形成されることが可能である。石膏ウォールボードおよび他の石膏製品が形成される基材は、硫酸カルシウム(CaSO・2HO)の二水和物形態の熱転換により1−1/2水分子が除去されて製造される、通例「スタッコ」と呼ばれる硫酸カルシウム(CaSO・1/2HO)の半水和物形態である。
【0004】
石膏ウォールボードなどの従来の石膏含有製品は低価格および易加工性などの多くの利点を有するが、製品が切断またはドリルされると相当量の石膏粉塵が生成される可能性がある。このような製品の形成に用いられるスラリーにおける処方成分としてデンプンを用いる石膏含有製品の形成において種々の改良が達成されてきている。のりのようなアルファ化デンプンは、石膏ウォールボードを含む石膏含有製品の曲げ強さおよび圧縮強度を高めることが可能である。公知の石膏ウォールボードがデンプンを約10lbs/MSF未満のレベルで含有する。
【0005】
スラリーの適切な流動性を確保するために、アルファ化デンプンを含有する石膏スラリー中において相当量の水を用いる必要もある。残念ながら、この水のほとんどは最終的には乾燥により除去されなければならず、これは、乾燥プロセスにおいて用いられる燃料のコストが高いために費用がかかる。この乾燥ステップはまた長い時間を要する。ナフタレンスルホン酸分散剤の使用はスラリーの流動度を高めることが可能であり、それ故、水要求量の問題が克服されることが見出された。加えて、使用レベルが十分に高い場合には、ナフタレンスルホン酸分散剤はアルファ化デンプンと架橋して、乾燥後に石膏結晶に一緒に結合することが可能であり、それ故、石膏複合体の乾燥強度を高めることが可能であることもまた見出された。それ故、アルファ化デンプンとナフタレンスルホン酸分散剤との組み合わせは、固化した石膏結晶を一緒に結合するのり様効果をもたらす。トリメタリン酸塩は、石膏スラリーの水要求量に影響を与えると過去においては認識されていない。しかしながら、本発明者らは、特定の分散剤の存在下にトリメタリン酸塩のレベルをこれまで知られていないレベルにまで高めることで、高デンプンレベルの存在下であっても予想外に少ない水の量で適切なスラリー流動性を達成することが可能となることを発見した。これは、次いで、乾燥のための燃料使用量が低減され、ならびに、その後の水除去プロセスステップに関連するプロセス時間が短縮されるために、当然のことながら非常に望ましい。それ故、本発明者らはまた、石膏ボードの乾燥強度は、ウォールボードの形成に用いられるスラリーにおいて、ナフタレンスルホン酸分散剤をアルファ化デンプンと組み合わせて用いることにより増大させることが可能であることも発見した。
【0006】
本発明の石膏ウォールボードは、表面板を有さない吸音板またはタイルとは区別されるべきである。また、本発明のウォールボードは、ポリスチレンを軽量凝集体として含む吸音板またはタイルとは区別されるべきである。重要なことに、前述の吸音板およびタイルは、石膏ウォールボードに適用されるASTM規格の多くに適合しない。例えば、公知の吸音板は、本発明のものを含む石膏ウォールボードに要求される曲げ強さは有さない。反対に、吸音板またはタイルをASTM規格に適合させるためには、吸音板またはタイルの露出した表面が、石膏ウォールボードには望ましくないであろう中空の気泡または凹部を有することが求められ、釘引抜き抵抗特性に悪影響を及ぼすであろう。
【0007】
粉塵の発生が、すべてのウォールボードを設置する際の潜在的な問題である。石膏ウォールボードが、例えば、切断、鋸引き、ルータ加工、スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリングにより加工される場合、相当の量の石膏粉塵が発生する可能性がある。本開示の目的に関して、「粉立(dusting)」および「粉塵発生」とは、例えば、ウォールボードの切断、鋸引き、ルータ加工、けがき/スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリングによる石膏含有製品の加工の最中の、風媒性の粉塵の周囲の作業空間への放出を意味する。加工はまた、一般に、通常のボードの取り扱いを含むことが可能であり、輸送、運搬および設置中のボードの偶発的なスナッピングおよびガウジングで生じる粉塵が含まれる。このような粉塵発生が顕著に低減された低密度ウォールボードを製造するための方法を見出すことができれば、これは、技術分野に対する特に有用な寄与を表すであろう。
【0008】
アルファ化デンプンは、有用な石膏含有スラリーを提供することが可能である。標準的な酸変性デンプンと比したアルファ化デンプンの欠点の1つは、より高い水要求量である。従って、ウォールボードの形成に好適な流動度を有するアルファ化デンプンを含むスラリーを形成するためには、より高い水−スタッコ比が要求される。しかも、最終的な石膏ウォールボードにおける適切な強度を維持するか、または強度を向上させながら、代替的なデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含有する特定の石膏含有スラリーにおける流動度を高める方法を見出すことができれば、これは、技術分野に対する有用な寄与を表すであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、一般に、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含むスラリーを含む。ナフタレンスルホン酸分散剤は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在する。ヒドロキシエチルデンプンは、配合物中の乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。トリメタリン酸ナトリウムは乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜0.4重量%の量で存在する。他のスラリー添加物は、促進剤、バインダ、紙またはガラス繊維および他の公知の構成成分を含むことが可能である。本発明はまた、このようなスラリーで形成された石膏含有製品を含む。
【0010】
好ましい石膏含有製品は石膏ウォールボードである。この実施形態において、本発明は、2枚の実質的に平行なカバーシートの間に形成された固化石膏組成物を含む石膏ウォールボードを構成し、この固化石膏組成物は、水、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムの石膏含有スラリーを用いて形成される。本発明に基づいて形成されたこの石膏ウォールボードは、従来のボードより軽い重量を有しながら予想外の高強度を有する。
【0011】
他の実施形態において、本発明は、水、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含む石膏含有スラリーを混合することにより石膏ウォールボードを形成する方法を構成する。ここで、ヒドロキシエチルデンプンはスタッコの重量に基づいて少なくとも約0.5重量%から約10重量%までの量で存在する。得られた石膏含有スラリーが第1の紙カバーシート上に堆積され、そして、第2の紙カバーシートがこの堆積されたスラリーの上に置かれて石膏ウォールボードが形成される。この石膏ウォールボードは、石膏含有スラリーが切断に対して十分に硬化した後に切断され、そして、得られた石膏ウォールボードが乾燥される。他の従来の処方成分もまたスラリーにおいて用いられることとなり、適宜、促進剤、バインダ、紙繊維、ガラス繊維、および他の公知の処方成分が含まれる。石鹸の泡が、通常、仕上石膏ウォールボード製品の密度を低減させるために添加される。
【0012】
本発明は、一般に、2枚の実質的に平行なカバーシートの間に形成された固化石膏コアを含む低粉塵石膏ウォールボードを含み、この固化石膏コアは、約75%〜約95%の総気泡容積を有し、この固化石膏コアは、水、スタッコ、アルファ化デンプンおよびナフタレンスルホン酸分散剤を含む石膏含有スラリーから形成され、ここで、アルファ化デンプンはスタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。好ましくは、ナフタレンスルホン酸分散剤は乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在する。任意により、トリメタリン酸ナトリウムはスタッコの重量に基づいて少なくとも約0.12重量%の量で存在する。好ましい実施形態において、トリメタリン酸塩は乾燥スタッコの重量に基づいて約0.12〜0.4重量%の量で存在する。
【0013】
好ましい実施形態において、本発明は、アルファ化デンプンおよびナフタレンスルホン酸分散剤を含むと共に2枚の実質的に平行なカバーシートの間に形成された固化石膏コアを含む低粉塵石膏ウォールボードを含み、この固化石膏コアは約80%〜約92%の総気泡容積を有し、ここで、総気泡容積の少なくとも60%は約100ミクロン未満の平均直径を有する気泡を含み、ならびに、この固化石膏コアは、約10pcf〜約30pcfの密度を有する。「pcf」という用語は、1立方フィート当たりのポンド(lb/ft)として定義される。固化石膏コアは、スタッコ、アルファ化デンプンおよびナフタレンスルホン酸分散剤を含む石膏含有スラリーから形成され、ここで、アルファ化デンプンはスタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。好ましくは、ナフタレンスルホン酸分散剤は乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在する。
【0014】
本発明に基づいて形成された石膏ウォールボードは、高い強度を有しながら、従来のウォールボードよりもかなり軽い重量を有する。加えて、固化石膏コアにおける総コア気泡容積を約75%〜約95%、好ましくは、約80%〜約92%で確保することにより、この実施形態に基づいて形成されたウォールボードを切断、鋸引き、ルータ加工、スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリングする際、発生する粉塵はかなり少ないことが見出された。
【0015】
さらに他の実施形態において、本発明は、水、スタッコ、アルファ化デンプンおよびナフタレンスルホン酸分散剤を含む石膏含有スラリーを混合すること(ここで、ナフタレンスルホン酸分散剤は乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在し、アルファ化デンプンはスタッコの重量に基づいて少なくとも約0.5重量%から約10重量%までの量で存在する)により、ならびに、仕上ウォールボード中に約75%〜約95%の気泡を含む総気泡容積を形成するために十分な石鹸の泡を石膏含有スラリーに添加することにより、高強度、低粉塵石膏ウォールボードを形成する方法を構成する。得られた石膏含有スラリーが第1の紙または他の適切なカバーシート上に堆積され、そして、第2の紙または他の適切なカバーシートがこの堆積されたスラリー上に置かれて石膏ウォールボードが形成される。この石膏ウォールボードは、石膏含有スラリーが切断に対して十分に硬化した後に切断され、そして、得られた石膏ウォールボードが乾燥されて、仕上ウォールボードにおける固化石膏コアが約75%〜約95%の気泡を含む総気泡容積で提供される。この石膏含有スラリーは、任意により、例えばトリメタリン酸ナトリウムといったトリメタリン酸塩を含有することが可能である。他の従来の処方成分もまたスラリー中に用いられることとなり、適宜、促進剤、バインダ、防水剤、紙繊維、ガラス繊維、クレイ、殺生剤および他の公知の処方成分が含まれる。
【0016】
さらに他の実施形態において、本発明は、約75%〜約95%の総気泡容積を有し、総気泡容積の少なくとも60%が約100ミクロン未満の平均直径を有する気泡を含み、および、約5ミクロン未満の平均直径を有する水泡を含む固化石膏コアを備える低粉塵石膏ウォールボードを提供するステップと、石膏粉塵を生じさせるやり方でウォールボードを加工するステップ(例えば、切断、鋸引き、ルータ加工、けがき/スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリング)と;石膏粉塵の相当の割合を気泡に捕捉するステップとによる低粉塵石膏ウォールボードの使用方法を構成する。
【発明を実施するための形態】
【0017】
ここでは、ヒドロキシエチルデンプンは、石膏含有スラリーにおける流動度を高めながらより低い水要求量を有することが予想外に見出された。しかも、水、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含む石膏含有スラリーから調製された仕上石膏ウォールボードは、特に釘引抜き性能といった向上した強度特徴を示す。
【0018】
時に「エチルデンプン」とも称されるヒドロキシエチルデンプンが、本発明に基づいて調製される石膏含有スラリー中に用いられなければならない。好ましいヒドロキシエチルデンプンは、以下の典型的な分析値を有するHammond、IndianaのPacMoore Products製の変性コーンデンプンであるS−Size 30Gである:水分10〜13%、pH5.0〜7.5、95%が100メッシュを通る粒径、比重1.50、分子量:約10,000超、嵩密度35pcf。実施例11も参照のこと。
【0019】
ヒドロキシエチルデンプンは、石膏含有スラリーにおいて用いられる乾燥スタッコの重量に基づいて少なくとも約0.5重量%から約10重量%までの量で用いられるべきである。好ましい実施形態において、ヒドロキシエチルデンプンは、乾燥スタッコの重量に基づいて約3重量%の量で用いられる。
【0020】
アルファ化デンプンが、本発明に基づいて調製される石膏含有スラリーにおいて用いられてもよい。好ましいアルファ化デンプンは、以下の典型的な分析値を有する例えばSt.Louis、MissouriのBunge Milling製のアルファ化コーンフラワーといったアルファ化コーンデンプンである:水分7.5%、タンパク質8.0%、油0.5%、粗繊維0.5%、灰分0.3%;0.48psiの生強度を有し;および、35.0lb/ftの粗嵩密度を有する。アルファ化コーンデンプンは、石膏含有スラリーにおいて用いられる乾燥スタッコの重量に基づいて少なくとも約0.5重量%から約10重量%までの量で用いられるべきである。
【0021】
石膏含有スラリーにおける高い流動度はより低い粘度に関連している。本発明に基づいて形成された石膏含有スラリーにおいて用いられる、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムの特定の組み合わせは、他のデンプンで形成されたスラリーより低い粘度およびより良好なフィルム形成性特徴を提供することが見出された。例えば、アルファ化デンプンを含む水性サンプルにおいては、粘度は比較的高く、一方で、煮沸で良好な強度のフィルムが形成される。ヒドロキシエチルデンプンおよび分散剤を含む水性サンプルにおいては、粘度は低くなり、一方で、過度に可撓性であるフィルムが形成される。ヒドロキシエチルデンプン、分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含む水性サンプルにおいては、粘度は低くなり、一方で、強固であるにもかかわらず弾性であるフィルムが形成される。実施例12を参照のこと。
【0022】
理論に束縛されることは意図しないが、石膏ウォールボードの製造用の石膏含有スラリーにおいて用いられるヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムの組み合わせは、予想外に高い架橋性をもたらして、より可撓性であるにも関わらず、強固で、かつ、弾性のフィルムをもたらし、これは、そうでなければ予想されたであろうものよりもかなり良好な釘引抜き特性および他の強度特徴を提供する。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含有する石膏含有スラリーから形成された仕上石膏含有製品が提供されている。ナフタレンスルホン酸分散剤は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在する。ヒドロキシエチルデンプンは、配合物中の乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在する。トリメタリン酸ナトリウムは、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜0.4重量%の量で存在する。スラリー中において用いられ得る他の処方成分としては、バインダ、紙繊維、ガラス繊維、および促進剤が挙げられる。石鹸の泡が、通常、新たに配合される石膏含有スラリーに添加されて、例えば石膏ウォールボードといった仕上石膏含有製品の密度が低減される。
【0024】
本発明者らは、乾燥強度(特にウォールボードにおいて)の予想外の増加が、少なくとも約0.5重量%から約10重量%までのアルファ化デンプン(好ましくはアルファ化コーンデンプン)を、約0.1重量%〜3.0重量%ナフタレンスルホン酸分散剤(配合物中に存在する乾燥スタッコの重量に基づくデンプンおよびナフタレンスルホン酸レベル)の存在下に用いることにより達成することが可能であることをさらに発見した。この予想外の結果は、水溶性トリメタリン酸塩またはポリリン酸塩の存在に関わらず達成することが可能である。
【0025】
加えて、アルファ化デンプンは、本発明に基づいて形成される乾燥石膏ウォールボードにおいて少なくとも約10lb/MSF以上のレベルで用いられることが可能であり、それでもなお、高い強度および低重量を達成することが可能であることが予想外に見出された。石膏ウォールボードにおける35〜45lb/MSFもの高さのレベルのアルファ化デンプンが効果的であることが証明されている。例として、以下の表1および2に示されている配合物Bは45lb/MSFを含むが、それでもなお、優れた強度を有する1042lb/MSFのボード重量をもたらした。この例(配合物B)においては、45重量%水溶液としてのナフタレンスルホン酸分散剤を1.28重量%のレベルで用いた。
【0026】
ナフタレンスルホン酸分散剤とトリメタリン酸塩との組み合わせが、アルファ化コーンデンプン、および、任意により、紙繊維またはガラス繊維と組み合わされる場合に、本発明ではさらなる予想外の結果が達成され得る。これらの3種の処方成分を含有する配合物から形成された石膏ウォールボードは、高強度、かつ、軽量であると共に、製造における低減された水要求のために経済的により望ましい。紙繊維の有用なレベルは、乾燥スタッコの重量に基づいて約2重量%以下の範囲であることが可能である。ガラス繊維の有用なレベルは、乾燥スタッコの重量に基づいて約2重量%以下の範囲であることが可能である。
【0027】
スタッコ、アルファ化デンプンおよびナフタレンスルホン酸分散剤、ならびに、適切な量の石鹸の泡を含む石膏含有スラリーを用いて形成された石膏ウォールボードは、固化石膏コアの総気泡容積が約80%〜約92%である場合に、約10〜30pcfのきわめて低いボードコア密度(それ故、低ボード重量)を提供するのみならず、通常のボード取り扱い、ならびに、例えば、切断、鋸引き、ルータ加工、けがき/スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリングなどの加工の際の低粉塵性をも提供することがまた予想外に見出された。このウォールボードは、結果的に、他の公知の製品よりも切断が容易である。石鹸の泡の導入は、平均で、直径約100ミクロン未満であるが、一般に、直径約10ミクロン超、および、好ましくは直径約20ミクロン超であることが可能である小さな気泡(バブル)をもたらす。本発明は、これらの小さいエアバブルが、蒸発性の水泡(一般に直径約5ミクロン以下、通常は直径約2ミクロン未満)と共に、一般に、仕上ウォールボード製品における固化石膏コア全体に均等に分布されていることを必要とする。例えば、固化石膏コアは、約80%〜約92%の総気泡容積を有することが可能であり、ここで、総気泡容積の少なくとも60%が約10ミクロン超の平均直径を有する気泡を含み、かつ、総気泡容積の少なくとも10%が約5ミクロン未満の平均直径を有する水泡を含む。気泡および水泡として約80%〜約92%の固化石膏コアの総気泡容積(総コア気泡容積)を有する、この様式で調製された低密度ボードコアは、粉塵発生が顕著に低減されると共に風媒性とならないように、ボードの切断、鋸引き、ルータ加工、スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリングに曝された気泡中に、相当の量の微細な粉塵および他のデブリを捕捉すると考えられている。
【0028】
硫酸カルシウム半水和物(スタッコ)の再水和および結果的な硬化は、特定の理論量の水(1−1/2モル水/1モルのスタッコ)を、硫酸カルシウム二水和物結晶を形成するために必要とする。しかしながら、商業的プロセスは、一般に、過剰量の水を要求する。この過剰量のプロセス水は、一般に実質的に不規則な形状であると共に、他の水泡と相互に連続もしている石膏結晶マトリックス中に蒸発性の水泡をもたらして、固化石膏結晶の間の一般に連続的なネットワーク中に不規則なチャネルを形成する。対照的に、気泡(バブル)は、石鹸の泡を用いて石膏スラリー中に導入される。これらの気泡は、一般に、球状/丸い形状であると共に、一般に他の気泡からは分離されていて、それ故、一般に非連続的でもある。これらの水泡は、気泡の壁中に分布されていることが可能である(例えば、図8〜10を参照のこと)。
【0029】
粉塵捕捉の効力は固化石膏コアの組成に応じる。ナフタレンスルホン酸分散剤は、使用レベルが十分に高ければ、アルファ化デンプンに架橋して乾燥後に石膏結晶を一緒に結合し、それ故、石膏複合体の乾燥強度を高めることが可能であることが見出された。
【0030】
さらに、ここにきて、アルファ化デンプンとナフタレンスルホン酸分散剤との組み合わせ(有機相)は、固化石膏結晶を一緒に結合する際にのり様効果をもたらし、ならびに、この配合物が特定の気泡容積および気泡分布と組み合わされる場合、仕上ウォールボードのけがき/スナッピングの際にはより大きなサイズの破片が発生することが、予想外に見出された。より大きな石膏破片は、一般に、風媒性の低い粉塵をもたらす。対照的に、従来のウォールボード配合物が用いられる場合、より小さな破片が発生し、それ故、より多くの粉塵が発生する。例えば、従来のウォールボードは、鋸での切断の際に、約20〜30ミクロンの平均直径、および、約1ミクロンの最小直径を有する粉塵破片を発生させる可能性がある。対照的に、本発明の石膏ウォールボードは、鋸での切断の際に、約30〜50ミクロンの平均直径、および、約2ミクロンの最小直径を有する粉塵破片を発生させ;けがき/スナッピングは、さらに大きな破片をもたらすことが可能である。
【0031】
より軟質のウォールボードにおいては、粉塵は、水泡および気泡の両方において捕捉されることが可能である(例えば、単一の結晶粉塵としての小さい石膏針の捕捉)。より硬質のウォールボードは、固化石膏コアのより大きな塊または破片がこれらのボードの加工で発生するために、気泡における粉塵の捕捉が好まれる。この場合、粉塵破片は水泡に対しては大きすぎるが、気泡中には閉じ込められる。本発明の一実施形態によれば、固化石膏コア中における好ましい気泡/孔径分布を導入することにより、粉塵の捕捉の増大を達成することが可能である。空気および水泡の分布として、小さいおよび大きい気泡サイズの分布を有することが好ましい。一実施形態においては、好ましい気泡分布は、石鹸の泡を用いて調製することが可能である。以下の実施例6および7を参照のこと。
【0032】
固化石膏コア中の気泡(約10ミクロン超)対水泡(約5ミクロン未満)の比は、約1.8:1〜約9:1の範囲であることが可能である。固化石膏コア中の気泡(約10ミクロン超)対水泡(約5ミクロン未満)の好ましい比は、約2:1〜約3:1の範囲であることが可能である。一実施形態においては、固化石膏コア中の気泡/孔径分布は、計測された全気泡のパーセンテージとして、約10〜30%の約5ミクロン未満の気泡〜約70〜90%の約10ミクロン超の気泡の範囲であるべきである。換言すると、固化石膏コア中の気泡(10ミクロン超)対水泡(5ミクロン未満)の比は、約2.3:1〜約9:1の範囲である。好ましい実施形態において、固化石膏コア中の気泡/孔径分布は、計測された全気泡のパーセンテージとしての、約30〜35%の約5ミクロン未満の気泡〜約65〜70%の約10ミクロン超の気泡の範囲であるべきである。換言すると、固化石膏コア中の気泡(10ミクロン超)対水泡(5ミクロン未満)の比は約1.8:1〜約2.3:1の範囲である。
【0033】
平均気泡(バブル)サイズは直径約100ミクロン未満であることが好ましい。好ましい実施形態において、固化石膏コア中の気泡/孔径分布は:約100ミクロン超(20%)、約50ミクロン〜約100ミクロン(30%)、および約50ミクロン未満(50%)である。すなわち、好ましい気泡/孔径中央値は約50ミクロンである。
【0034】
気泡は、発泡低密度固化石膏コアとカバーシートとの間の結合強度を低減させる可能性がある。容積基準で複合体石膏ボードの半分超が泡による気泡から構成され得るため、泡は、発泡低密度固化石膏コアと紙カバーシートとの間の接合に干渉する可能性がある。これは、上面カバーシートあるいは底面カバーシートの一方、または、上面カバーシートおよび底面カバーシートの両方の石膏コア接触面上に、これらのカバーシートのコアへの適用に先立って、非発泡(または低発泡)接合性高密度層を任意により設けることにより対処される。この非発泡、代替的には、低発泡接合性高密度層配合物は、典型的には、石鹸がまったく添加されないか、または、実質的に少ない量の石鹸(泡)が添加されることとなること以外は、石膏スラリーコア配合物と同一となる。任意により、この接合性層を形成するために、泡をコア配合物から機械的に除去することが可能であり、または、異なる無泡配合物を発泡低密度固化石膏コア/表紙界面に適用することが可能である。
【0035】
石鹸泡は、固化石膏コアにおける気泡(バブル)サイズおよび分布を導入することおよび制御すること、ならびに、固化石膏コアの密度を制御することが好ましい。石鹸の好ましい範囲は、約0.2lb/MSF〜約0.7lb/MSFであり;石鹸のより好ましいレベルは約0.4lb/MSF〜約0.5lb/MSFである。
【0036】
石鹸泡は、所望の密度をもたらすために効果的な量、および、制御された様式で添加されなければならない。プロセスを制御するために、オペレータは、ボード形成ラインのヘッドを監視して、エンベロープの充填状態を維持しなければならない。エンベロープの充填状態が維持されない場合には、スラリーは必要な容積を充填することができないために、中空のエッジを有するウォールボードがもたらされてしまう。エンベロープ容積の充填状態は、石鹸の使用量を増やして、ボードの製造中のエアバブルの破裂を防止(エアバブルのより良好な保持のために)することにより、または、空気発泡速度を高めることにより維持される。それ故、一般に、エンベロープ容積は、石鹸の使用量を増減することにより、または、空気発泡速度を増減することにより制御されると共に調節される。ヘッド制御の技術分野は、石鹸の泡を添加してスラリー容積を増加させることによる、または、石鹸の泡の使用量を増やしてスラリー容積を低減させることによる、テーブル上での「動的スラリー」への調節を含む。
【0037】
本発明の一実施形態によれば、スタッコ、アルファ化デンプン、およびナフタレンスルホン酸分散剤を含有する石膏含有スラリーから形成された仕上石膏含有製品が提供されている。ナフタレンスルホン酸分散剤は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜3.0重量%の量で存在する。アルファ化デンプンは、配合物中の乾燥スタッコの重量に基づいて少なくとも約0.5重量%以下〜約10重量%の量で存在する。スラリー中において用いられ得る他の処方成分としては、バインダ、防水剤、紙繊維、ガラス繊維、クレイ、殺生剤、および促進剤が挙げられる。本発明は、新たに配合された石膏含有スラリーに石鹸の泡を添加して、例えば石膏ウォールボードといった仕上石膏含有製品の密度を低減させること、ならびに、固化石膏コア中の小さい気泡(バブル)および水泡の形態での、約75%〜約95%、および、好ましくは約80%〜約92%の総気泡容積の導入により粉立を制御することが必要である。好ましくは、平均孔径分布は、約1ミクロン(水泡)〜約40〜50ミクロン(気泡)であろう。
【0038】
場合により、約0.5重量%以下〜約10重量%アルファ化デンプン、約0.1重量%以下〜約3.0重量%ナフタレンスルホン酸分散剤、および最低でも少なくとも約0.12重量%以下〜約0.4重量%トリメタリン酸塩(すべては石膏スラリー中に用いられる乾燥スタッコの重量に基づく)の組み合わせは、石膏スラリーの流動度を予想外に、かつ、顕著に増加させる。これは、石膏ウォールボードなどの石膏含有製品の形成に用いられるために十分な流動性を有する石膏スラリーを製造するために必要とされる水の量を実質的に低減させる。標準的な配合物(トリメタリン酸ナトリウムとして)の少なくとも約2倍であるトリメタリン酸塩のレベルが、ナフタレンスルホン酸分散剤の分散剤活性を増進させると考えられている。
【0039】
ナフタレンスルホン酸分散剤は、本発明に基づいて調製された石膏含有スラリー中に用いられなければならない。本発明において用いられるナフタレンスルホン酸分散剤としては、ナフタレンスルホン酸およびホルムアルデヒドの縮合物であるポリナフタレンスルホン酸およびその塩(ポリナフタレンスルホン酸塩)および誘導体が挙げられる。特に望ましいポリナフタレンスルホン酸塩としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウムおよびカルシウムが挙げられる。ナフタレンスルホン酸塩の平均分子量は、約3,000〜27,000の範囲であることが可能であるが、分子量は、約8,000〜22,000であり、より好ましくは分子量は約12,000〜17,000であることが好ましい。市販の製品としては、より高分子量の分散剤は、低分子量分散剤より高い粘度、および、より低固形分含有量を有する。有用なナフタレンスルホン酸としては、Lafayette、IndianaのGEO Specialty Chemicals製のDILOFLO、DAXADおよびLOMAR Dが挙げられる。ナフタレンスルホン酸塩は、例えば35〜55重量%固形分含有量の範囲で水溶液として用いられることが好ましい。例えば約40〜45重量%固形分含有量の範囲で、水溶液の形態のナフタレンスルホン酸塩を用いることが最も好ましい。代替的に、適切な場合には、ナフタレンスルホン酸塩は、例えばLOMAR Dなどの乾燥固体または粉末形態で用いられることが可能である。
【0040】
本発明において有用なポリナフタレンスルホン酸塩は、一般構造(I):
【化1】


を有し、式中、nは>2であると共に、式中、Mはナトリウム、カリウム、カルシウム等である。
【0041】
好ましくは約45重量%水溶液としてのナフタレンスルホン酸分散剤は、石膏複合体配合物中に用いられる乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約3.0重量%の範囲で用いられ得る。ナフタレンスルホン酸分散剤のより好ましい範囲は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約2.0重量%であり、および最も好ましい範囲は、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.7重量%〜約2.0重量%である。対照的に、公知の石膏ウォールボードは、この分散剤を、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.4重量%以下のレベルで含有する。
【0042】
換言すると、ナフタレンスルホン酸分散剤は、乾燥重量基準で、石膏複合体配合物中に用いられ得る乾燥スタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約1.5重量%の範囲で用いられ得る。ナフタレンスルホン酸分散剤のより好ましい範囲は、乾燥固形分基準で、乾燥スタッコの重量に基づいて約0.25重量%〜約0.7重量%であり、および、最も好ましい範囲(乾燥固形分基準で)は乾燥スタッコの重量に基づいて約0.3重量%〜約0.7重量%である。
【0043】
石膏含有スラリーは、任意により、例えばトリメタリン酸ナトリウムといったトリメタリン酸塩を含有することが可能である。いずれかの好適な水溶性メタリン酸塩またはポリリン酸塩を本発明に基づいて用いることが可能である。2個のカチオンを有するトリメタリン酸塩である複塩を含む、トリメタリン酸塩が用いられることが好ましい。特に有用なトリメタリン酸塩としては、トリメタリン酸ナトリウム、トリメタリン酸カリウム、トリメタリン酸カルシウム、トリメタリン酸ナトリウムカルシウム、トリメタリン酸リチウム、トリメタリン酸アンモニウム等、またはこれらの組み合わせが挙げられる。好ましいトリメタリン酸塩はトリメタリン酸ナトリウムである。水溶液としてのトリメタリン酸塩を、例えば、約10〜15重量%固形分含有量の範囲で用いることが好ましい。本明細書において参照により援用される、Yuらへの米国特許第6,409,825号明細書に記載されているとおり、他の環式または非環式ポリリン酸塩もまた用いられることが可能である。
【0044】
トリメタリン酸ナトリウムは、一般に、石膏スラリー中に用いられる乾燥スタッコの重量に基づいて約0.05重量%〜約0.08重量%の範囲で用いられるが、石膏含有組成物において公知の添加剤である。本発明の実施形態において、トリメタリン酸ナトリウム(または他の水溶性メタリン酸塩あるいはポリリン酸塩)は、石膏複合体配合物中に用いられる乾燥スタッコの重量に基づいて約0.10重量%〜約0.4重量%の範囲で存在することが可能である。トリメタリン酸ナトリウム(または他の水溶性メタリン酸塩またはポリリン酸塩)の好ましい範囲は、石膏複合体配合物中に用いられる乾燥スタッコの重量に基づいて約0.12重量%〜約0.3重量%である。
【0045】
スタッコにはαおよびβの2種の形態がある。これらの2種のタイプのスタッコは、異なるか焼手段により生成される。本発明においては、スタッコのβまたはα形態のいずれが用いられてもよい。
【0046】
本明細書において参照により援用されるYuらへの米国特許第6,409,825号明細書に記載のとおり、促進剤を、本発明の石膏含有組成物において用いることが可能である。1種の望ましい耐熱性促進剤(HRA)は、粉末石膏(硫酸カルシウム二水和物)の乾式粉砕から形成されることが可能である。糖質、ブドウ糖、硼酸、およびデンプンなどの少量の添加剤(通常は約5重量%)をこのHRAを形成するために用いることが可能である。現在では糖質、またはブドウ糖が好ましい。他の有用な促進剤は、本明細書において参照により援用される米国特許第3,573,947号明細書に記載されている「天候安定性促進剤」または「天候安定促進剤」(CSA)である。
【0047】
水/スタッコ(w/s)比または「WSR」は、過剰量の水は最終的には加熱により除去されなければならないために重要なパラメータである。本発明の実施形態において、好ましいw/s比は、約0.7〜約1.3である。好ましい実施形態において、このw/s比は約0.8である。
【0048】
他の石膏スラリー添加剤としては、促進剤、バインダ、防水剤、紙繊維またはガラス繊維、クレイ、殺生剤、および他の公知の構成成分を挙げることが可能である。
【0049】
カバーシートは従来の石膏ウォールボードにあるような紙で形成されていてもよいが、当該技術分野において公知である他の有用なカバーシート材料(例えば、繊維状ガラスマット)が用いられてもよい。紙カバーシートは石膏ウォールボードに強度特質をもたらす。有用カバーシート紙としては、Chicago,IllinoisのUnited States Gypsum Corporation製のManila 7−plyおよびNews−Line 5−ply;Newport,IndianaのCaraustar製のGrey−Back 3−plyおよびManila Ivory 3−ply;Chicago,IllinoisのUnited States Gypsum Corporation製のManila厚紙およびMH Manila HT(高張力)紙が挙げられる。紙カバーシートは、上面カバーシートまたは表紙、および、底面カバーシートまたは裏紙を含む。好ましい裏カバーシート紙は5−ply News−Lineである。好ましい表カバーシート紙としては、MH Manila HT(高張力)紙およびManila 7−plyが挙げられる。
【0050】
繊維状マットもまた、カバーシートの一方または両方として用いられ得る。1種の有用な繊維状マットは、ガラス繊維のフィラメントが接着剤により一緒に接合されているガラス繊維マットである。繊維状マットは、ガラス繊維のフィラメントが接着剤によって一緒に接合されている不織ガラス繊維マットであることが好ましいであろう。最も好ましくは、不織ガラス繊維マットは、厚い樹脂コーティングを有するであろう。例えば、約1.2〜2.0lb/100ftの重量を有すると共にマット重量の約40〜50%が樹脂コーティングに由来する、Johns−Manville製のDuraglass不織ガラス繊維マットを用いることが可能である。他の有用な繊維状マットとしては、これらに限定されないが、織ガラスマットおよび非セルロース系布が挙げられる。
【0051】
以下の実施例が本発明をさらに説明する。これらは、本発明の範囲を如何様にも限定するとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0052】
実施例1
サンプル石膏スラリー配合物
石膏スラリー配合物が以下の表1に示されている。表1中のすべての値は、乾燥スタッコの重量に基づく重量パーセントとして表記されている。括弧中の値は、ポンドでの乾燥重量(lb/MSF)である。
【0053】
【表1】

【0054】
実施例2
ウォールボードの調製
サンプル石膏ウォールボードを、本明細書において参照により援用される、Yuらへの米国特許第6,342,284号明細書およびYuらへの6,632,550号明細書に準拠して調製した。これらの特許の実施例5に記載されている、個別の泡の発生および他の処方成分のすべてスラリーへの泡の導入が含まれる。
【0055】
実施例1の配合物AおよびBを用いて形成した石膏ウォールボード、ならびに、通常の対照ボードに対するテスト結果が以下の表2に示されている。この実施例および以下の他の実施例のとおり、釘引抜き抵抗、コア硬度、および曲げ強さテストをASTM C−473に準拠して実施した。追加的に、典型的な石膏ウォールボードはおよそ1/2インチ厚であり、約1600〜1800ポンド/1,000平方フィートの材料またはlb/MSFの重量を有することに注目されたい。(「MSF」は、1000平方フィートについての技術分野における標準的な略記であり;箱、波型の媒体およびウォールボードについての面積計測値である。)
【0056】
【表2】

【0057】
表2に示されているとおり、配合物AおよびBスラリーを用いて調製した石膏ウォールボードは、対照ボードと比して重量の顕著な低減を有する。表1を再度参照すると、配合物Aボード対配合物Bボードの比較が最も顕著である。水/スタッコ(w/s)比は配合物Aおよび配合物Bにおいて類似している。顕著に高いレベルのナフタレンスルホン酸分散剤もまた配合物Bにおいて用いられている。また、配合物Bにおいては、配合物Aの100%超の増加である約6重量%もの実質的により多量のアルファ化デンプンを用いたところ、これは、著しい強度の増加を伴った。そうであっても、必要とされる流動性をもたらすための水要求量は、配合物Bスラリーにおいては少ないままであり、配合物Aと比してその差は約10%である。両方の配合物における低い水要求量は、実質的により高いレベルのアルファ化デンプンの存在下においても石膏スラリーの流動度を高める、石膏スラリー中のナフタレンスルホン酸分散剤とトリメタリン酸ナトリウムとの組み合わせの相乗的効果による。
【0058】
表2に示されているとおり、配合物Bスラリーを用いて調製したウォールボードは、配合物Aスラリーを用いて調製したウォールボードと比して実質的に高い強度を有する。多量のナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムと組み合わせた多量のアルファ化デンプンの組み込みにより、配合物Bボードにおける釘引抜き抵抗は、配合物Aボードより45%向上した。曲げ強さにおける相当の増加もまた配合物Aボードに比して配合物Bボードにおいて観察された。
【0059】
実施例3
1/2インチ石膏ウォールボード重量軽減試験
スラリー配合物およびテスト結果を含むさらなる石膏ウォールボード実施例(ボードC、DおよびE)が以下の表3に示されている。表3のスラリー配合物は、スラリーの主構成成分を含む。括弧中の値は、乾燥スタッコの重量に基づく重量パーセントとして表記されている。
【0060】
【表3】

【0061】
表3に示されているとおり、ボードC、D、およびEを、対照ボードと比して、実質的に多量のデンプン、DILOFLO分散剤、およびトリメタリン酸ナトリウム(パーセンテージ基準で、デンプンおよび分散剤については約2倍の増加、ならびに、トリメタリン酸塩については2〜3倍の増加)を有するスラリーから、w/s比を一定に維持しながら形成した。それにもかかわらず、ボード重量は、顕著に低減され、かつ、釘引抜き抵抗により計測される強度は劇的に影響されていなかった。従って、本発明の実施形態のこの実施例においては、新規の配合(例えば、ボードDなど)は、同一のw/s比および適切な強度を維持しながら、有用で流動性のスラリー中に多量のデンプンを配合させることが可能である。
【0062】
実施例4
湿潤石膏キューブ強度テスト
Chicago,IllinoisのUnited States Gypsum Corp.製のSouthard CKSボードスタッコおよび実験室における水道水を用いて湿潤キューブ強度テストを行って、これらの湿潤圧縮強度を測定した。以下の実験室テスト手法を用いた。
【0063】
スタッコ(1000g)、CSA(2g)、および約70°Fの水道水(1200cc)を、各湿潤石膏キューブキャストのために用いた。アルファ化コーンデンプン(20g、スタッコ重量基準で2.0%)およびCSA(2g、スタッコ重量基準で0.2%)を、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムの両方を含有する水道水溶液との混合に先立って、先ず、プラスチックバッグ中でスタッコと完全に乾燥混合した。用いた分散剤はDILOFLO分散剤であった(表4に示されているとおり1.0〜2.0%)。様々な量のトリメタリン酸ナトリウムもまた表4に示されているとおり用いた。
【0064】
乾燥処方成分および水溶液を、最初に、実験用Waringブレンダー中で組み合わせ、生成した混合物を10秒かけて飽和させ、次いで、この混合物を、スラリーを形成するために10秒間低速で混合した。このように形成したスラリーを、3つの2インチ×2インチ×2インチキューブ金型にキャストした。次いで、キャストキューブを金型から外し、計量し、およびプラスチックバッグ中にシールして、圧縮強度テストを実施する前の水分の損失を防止した。湿潤キューブの圧縮強度は、ATSマシーンを用いて計測すると共に、平方インチ当たりのポンド(psi)での平均として記録した。得られた結果は以下のとおりであった。
【0065】
【表4】

【0066】
表4に示されているとおり、本発明の約0.12〜0.4%範囲にトリメタリン酸ナトリウムレベルを有するサンプル4〜5、10〜11、および17は、一般に、この範囲外でトリメタリン酸ナトリウムを有するサンプルと比して優れた湿潤キューブ圧縮強度を提供する。
【0067】
実施例5
1/2インチ軽量石膏ウォールボードプラント製造試験
さらなる試験を実施し(試験ボード1および2)、スラリー配合を含むテスト結果が以下の表5に示されている。表5のスラリー配合は、スラリーの主構成成分を含む。括弧中の値は、乾燥スタッコの重量に基づく重量パーセントとして表記されている。
【0068】
【表5】

【0069】
表5に示されているとおり、試験ボード1および2を、対照ボードと比して、わずかにw/s比を低減させながら、実質的に多量のデンプン、DILOFLO分散剤、およびトリメタリン酸ナトリウムを有するスラリーから形成した。それにもかかわらず、釘引抜き抵抗および曲げ試験により計測した強度は維持されたかまたは向上されたと共に、ボード重量は顕著に低減した。従って、本発明の実施形態のこの実施例においては、新たな配合(例えば、試験ボード1および2など)は、実質的に同一のw/s比および適切な強度を維持しながら、有用で流動性のスラリー中に多量のトリメタリン酸塩およびデンプンを配合させることが可能である。
【0070】
実施例6
1/2インチ超軽量石膏ウォールボードプラント製造試験
さらなる試験(試験ボード3および4)を、配合物B(実施例1)を用いて、アルファ化コーンデンプンを10%濃度(湿潤デンプン調製)に水で調製すると共に、HYONIC 25 ASおよびPFM 33石鹸(Lafayette,IndianaのGEO Specialty Chemicals製)のブレンドを用いたこと以外は、実施例2のとおり実施した。例えば、試験ボード3を、65〜70重量%の範囲のHYONIC 25 ASでのHYONIC 25 ASおよびPFM 33のブレンドと、残量のPFM 33とで調製した。例えば、試験ボード4は、HYONIC 25AS/HYONIC PFM 33の70/30重量/重量ブレンドで調製した。試験結果が以下の表6に示されている。
【0071】
【表6】

【0072】
表6に示されているとおり、釘引抜きおよびコア硬度により計測した強度特質はASTM規格を超えていた。曲げ強さもまたASTM規格を超えて計測された。また、本発明の実施形態のこの実施例においては、新たな配合物(例えば、試験ボード3および4など)は、適切な強度を維持しながら、有用で流動性のスラリー中に多量のトリメタリン酸塩およびデンプンを配合させることが可能である。
【0073】
実施例7
ボード重量および鋸での切断結果の関数としての1/2インチ厚石膏ウォールボードコアにおける気泡容積割合計算
さらなる試験を、気泡容積および密度(試験ボードNo.5〜13)を測定するために、配合物B(実施例1)を用いて、アルファ化コーンデンプンを10%濃度(湿潤デンプン調製)に水で調製し、0.5%ガラス繊維を用い、およびナフタレンスルホン酸(DILOFLO)を45%水溶液として1.2重量%のレベルで用いたこと以外は実施例2のとおり実施した。石鹸の泡発生機を用いて石鹸泡を形成し、所望の密度をもたらすために効果的な量で石膏スラリー中に導入した。本実施例において、石鹸は、0.25lb/MSF〜0.45lb/MSFのレベルで用いた。すなわち、石鹸の泡の使用量は適切に増減した。各サンプルにおいて、ウォールボード厚は1/2インチであると共にコア容積は、39.1ft/MSFで均一であると仮定した。気泡容積を、表紙および裏紙を除去した4ft幅のウォールボードサンプルにわたって計測した。表紙および裏紙は、11〜18milの範囲の厚さを有することが可能である(各面)。気泡容積/孔径および孔径分布は、走査電子顕微鏡検査およびX線CTスキャンテクノロジー(XMT)により測定した。
【0074】
【表7】

【0075】
表7に示されているとおり、79.0%〜92.1%の範囲で総コア気泡容積を有する試験ボードサンプルを形成し、これらは、それぞれ、28pcfから10pcf以上の範囲のボードコア密度に対応する。実施例として、81.8%の総コア気泡容積および23pcfのボードコア密度を有する試験ボード10の鋸での切断では、対照ボードよりも約30%少ない粉塵が発生した。追加の実施例として、約75〜80%の総コア気泡容積よりも顕著に少ない、バインダ(分散剤を伴う、または伴わないデンプンとして)が少ない従来の配合でのウォールボードを形成した場合、切断、鋸引き、ルータ加工、スナッピング、釘打あるいはねじ込み、またはドリリングの際には、顕著に激しい粉塵発生が予期されることとなる。例えば、従来のウォールボードは、鋸での切断で、約20〜30ミクロンの平均直径、および約1ミクロンの最小直径を有する粉塵破片を発生させる可能性がある。対照的に、本発明の石膏ウォールボードは、鋸での切断で、約30〜50ミクロンの平均直径、および約2ミクロンの最小直径を有する粉塵破片を発生させ;けがき/スナッピングではさらに大きな破片を生じさせるであろう。
【0076】
石膏含有スラリーを形成するために用いられる数々の重要な構成成分、すなわち:スタッコ、ナフタレンスルホン酸分散剤、アルファ化コーンデンプン、トリメタリン酸ナトリウム、ならびに、ガラス繊維および/または紙繊維の組み合わせは、十分なおよび効果的な量の石鹸の泡と組み合わされて、ナイフでの切断、鋸での切断、けがき/スナッピング、ドリリング、および通常のボードの取り扱いの最中での石膏粉塵の形成をも劇的に低減する、有用な低密度石膏ウォールボードの製造において相乗的な効果を有することが可能であることが示された。
【0077】
実施例8
低粉塵石膏ウォールボードにおける粉塵捕捉
実施例7のとおり本発明の教示に基づいてウォールボードを調製した場合、ウォールボードの加工で生じる石膏粉塵は、少なくとも50重量%が直径約10ミクロンより大きい石膏破片を含むであろうことが予期される。切断、鋸引き、ルータ加工、けがき/スナッピング、釘打あるいはねじ込み、およびドリリングによるウォールボードの加工によって発生した粉塵の合計の少なくとも約30%以上が捕捉されるであろう。
【0078】
実施例9
追加の1/2インチ軽量石膏ウォールボードプラント製造試験配合物
さらなるスラリー配合物(試験14)を以下の表8に示すとおり調製した。表8のスラリー配合は、スラリーの主構成成分を含む。括弧中の値は、乾燥スタッコの重量に基づく重量パーセントとして表記されている。
【0079】
【表8】

【0080】
表8に示されているとおり、試験14スラリー配合物は、顕著に低い水要求量、および顕著に高い流動度を有しており、WSRは約0.8であった。対照配合物について、要求されたWSRは0.88〜0.90の範囲であった。従って、試験14スラリー組成物における水要求量は、アルファ化コーンデンプンを含有する対照スラリーよりも約10%低い。
【0081】
実施例10
追加の1/2インチ軽量石膏ウォールボードプラント製造試験
サンプルボードを実施例9の配合物を用いて形成すると共に、強度特徴についてテストした。
【0082】
【表9】

【0083】
表9に示されているとおり、ヒドロキシエチルデンプンを有する試験ウォールボードは顕著に高い釘引抜き性能を有する。
【0084】
実施例11
代表的なデンプンのアルコキシル分析
表10にあるデンプンサンプルを、Agilent GC−MS Model番号6890N/5973Iを用いてセルロース主鎖のアルコキシル置換についてテストした。アルコキシル分析を、アルコキシル基からのヨウ化物をガスクロマトグラフィー質量分析により測定する古典的なZeisel反応を用いて実施した。
【0085】
【表10】

【0086】
実施例12
粘性テスト結果およびフィルム形成性テスト
以下の表11に示すとおり、水性サンプルをテストのために調製した:構成成分を脱イオン水(250g)中に懸濁させた。従来のホットプレート上で磁気攪拌しながら、240〜247°Fの温度に達するまで加熱することにより煮沸を行った。煮沸の後、粘度を計測したところ、表11に報告されているとおりであった。次いで、ウェーパン中の煮沸した懸濁液の20gサンプルを、一晩、112〜116°Fで乾燥させて、表11のテストフィルムを形成した。
【0087】
【表11】

【0088】
表11に示されているとおり、未煮沸懸濁液としてのサンプル4は、サンプル5と比して際立った75%の粘度の低減を示す。加えて、サンプル4はまた、硬度および柔軟性の観点で優れたフィルム形成性特徴を有する。これらのフィルム形成性特徴は、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムの既述の組み合わせを用いて形成したウォールボードにおける釘引抜き結果の顕著な向上をもたらす。
【0089】
本発明を説明する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)「a」および「an」および「the」という用語、ならびに、同様の指示対象の使用は、本明細書において他に示されていない限りにおいて、または、文脈により明らかに矛盾しない限りにおいて、単数形および複数形の両方をカバーすると理解される。本明細書における値の範囲の言及は、本明細書において他に示されていない限りにおいて、単に、その範囲内に属する個別の値の各々への個別の参照の省略的な方法のためと意図されており、および、各個別の値は、本明細書において個別に言及されたかのように、本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書において他に示されていない限りにおいて、または文脈により明らかに矛盾しない限りにおいて、いかなる好適な順番で実施されることも可能である。本明細書におけるいかなるおよびすべての例、または例示的な言い回し(例えば、「などの(such as)」)の使用は、単に、本発明をよりよく明らかにすることだけを意図し、特許請求されていない限りにおいて、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言い回しも、特許請求されていないいずれかの構成要素を本発明の実施に必須として示すと解釈されるべきではない。
【0090】
本発明の好ましい実施形態は、本明細書において、本発明を実施するための本発明者らに公知である最良の形態を含んで記載されている。例示の実施形態は単に例示であり、本発明の範囲を限定するとすべきではないことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軽量高強度石膏ウォールボードであって、
2枚の実質的に平行なカバーシートの間に形成された固化石膏組成物を含み、前記固化石膏組成物は:
水、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含む石膏含有スラリーを用いて形成され、ここで、前記ヒドロキシエチルデンプンはスタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在し、前記ナフタレンスルホン酸分散剤はスタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約3.0重量%の量で存在し、前記トリメタリン酸ナトリウムはスタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約0.4重量%の量で存在する、軽量高強度石膏ウォールボード。
【請求項2】
前記ナフタレンスルホン酸分散剤が約40重量%〜約45重量%のナフタレンスルホン酸を含有する水溶液の形態であり、前記水溶液が、スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約2.5重量%の量で存在する、請求項1に記載の軽量高強度石膏ウォールボード。
【請求項3】
前記ヒドロキシエチルデンプンがスタッコの重量に基づいて約3重量%の量で存在する、請求項1に記載の軽量高強度石膏ウォールボード。
【請求項4】
前記ウォールボードが、約1000lb/MSF〜約1400lb/MSFの乾燥重量を有する、請求項1に記載の軽量高強度石膏ウォールボード。
【請求項5】
前記ウォールボードが、約1200lb/MSFの乾燥重量を有する、請求項3に記載の軽量高強度石膏ウォールボード。
【請求項6】
水/スタッコ比が約0.8である、請求項1に記載の軽量高強度石膏ウォールボード。
【請求項7】
水、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプン、ナフタレンスルホン酸分散剤およびトリメタリン酸ナトリウムを含む石膏含有スラリーであって、前記ヒドロキシエチルデンプンはスタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在し、前記ナフタレンスルホン酸分散剤はスタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約3.0重量%の量で存在し、前記トリメタリン酸ナトリウムはスタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約0.4重量%の量で存在する石膏含有スラリー。
【請求項8】
前記ナフタレンスルホン酸分散剤が、スタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約1.5重量%の量で存在する、請求項7に記載の石膏含有スラリー。
【請求項9】
水、スタッコ、ヒドロキシエチルデンプンおよびナフタレンスルホン酸分散剤を含む石膏含有スラリーであって、前記ヒドロキシエチルデンプンはスタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約10重量%の量で存在し、前記トリメタリン酸ナトリウムはスタッコの重量に基づいて約0.1重量%〜約0.4重量%の量で存在し、前記ナフタレンスルホン酸分散剤は約40重量%〜約45重量%のナフタレンスルホン酸を含有する水溶液の形態であり、前記水溶液はスタッコの重量に基づいて約0.5重量%〜約3.0重量%の量で存在する石膏含有スラリー。
【請求項10】
前記ヒドロキシエチルデンプンがスタッコの重量に基づいて約3重量%の量で存在し、前記トリメタリン酸ナトリウムはスタッコの重量に基づいて約0.3重量%の量で存在し、前記ナフタレンスルホン酸分散剤が、約40重量%〜約45重量%のナフタレンスルホン酸を含有する水溶液の形態であり、前記水溶液がスタッコの重量に基づいて約1.5重量%の量で存在する、請求項9に記載の石膏含有スラリー。

【公表番号】特表2011−502094(P2011−502094A)
【公表日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531132(P2010−531132)
【出願日】平成20年10月15日(2008.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2008/079903
【国際公開番号】WO2009/058558
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(596172325)ユナイテッド・ステイツ・ジプサム・カンパニー (100)
【Fターム(参考)】