説明

石英ガラス部材の表面充填量の測定方法

不純物によるシリカガラス部材の表面の占有量を測定する従来技術において既知の方法は、試料採取を含み、このプロセスでは、シリカガラス部材の表面の少なくともいくらかを酸脱離溶液と接触させ、被分析表面の不純物が、酸脱離溶液に蓄積されて元素特定分析にかけられる。本発明の目的は、上記方法に基づく、シリカガラス部材の表面の占有量を正確に且つ再現可能に測定し、更に現場で直接1010原子/cm2の桁の少量の不純物を測定するのに好適な方法をもたらすことである。この目的は、試料採取が、部材表面を水、硝酸及びフッ化水素酸を含有する酸脱離溶液と接触させることを含み、フッ化水素酸の含有量、接触時間及び接触温度は、部材表面が0.5μmを超えない深さで除去されるように調節されるという条件で、酸脱離溶液中の硝酸濃度をフッ化水素酸濃度(体積%)の1.5倍〜5倍とすることによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、石英ガラス部材の表面の少なくとも一部を酸脱離溶液と接触させる試料採取を含み、被分析表面の不純物が、酸脱離溶液中に回収されて元素特定分析にかける石英ガラス部材の不純物による表面充填量(Oberflachenbelegung)の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
石英ガラスの高品質部材は、例えば、光通信技術及び化学工業において用いられる。さらに、石英ガラス部材は、半導体の製造において、例えばウエハを処理する反応器及び装置、拡散管、ウエハの運搬体、ベル、るつぼ等の形態で用いられる。
【0003】
半導体素子の歩留まり及び電気的動作挙動は、全製造プロセスの過程において、「半導体毒」と呼ばれることもある有害な不純物によるウエハの汚染を防ぐことに成功する度合いに応じて決まるため、如何なる汚染もないこと、及び上記部材からのパーティクルの形成に格別の注意が払われる。例えば、ウエハの表面上にある不純物が、高温処理工程において、ウエハ材料内に拡散することで、拡散電子遷移、又は損失を被りやすい電子遷移、又は早期破損をもたらすおそれがある。
【0004】
ここで何よりも注意を払うべきなのは、特に高速で拡散し且つウエハ内で電気絶縁層として機能するSiO2層の効果を損なうことがある重金属(即ち、鉄、銅)及びアルカリイオンによって生じる汚染である。石英ガラス部材は製造プロセスの過程において広範に用いられるため、工業的純度に対する要求が高まると同時に、このような特性を測定及び保護する分析方法に対する要求が高まっている。
【0005】
石英ガラス体積(バルク)に混入する半導体毒を測定するために、多くの様々な方法が用いられている。例えば、被分析石英ガラスを溶解してそれに含有される不純物を公知の分析法を用いて測定する分光分析法又は化学分析法である。
【0006】
石英ガラス中の銅の拡散係数を測定するこのような方法は、例えば米国公開特許第2003/000458号から既知である。この目的のために、測定用試料をCuで被覆し、1050℃の温度で24時間処理する。その後、10μmの表面層をHFエッチングによって最初に除去し、清浄な表面を露出させる。このように清浄となった測定用試料を、25%HF及び0.1N硝酸からなるエッチング液に浸漬させ、再び引き出す。表面張力により、エッチング液の層が表面に付着する。石英ガラス部材の表面に近い領域がこのエッチング液に溶解されるため、原子吸光分析を用いてCu含有量を分析することができる。この分析を繰り返すことによって、測定用試料の厚さが低減するとともに、Cuの拡散分布が石英ガラスの測定用試料において得られる。
【0007】
また、表面上の不純物を測定する多くの方法が知られている。より詳細には、シリコンウエハ上の金属不純物を分析する方法、並びに半導体の製造及び処理における汚染発生工程が、文献にしばしば記載されている。
【0008】
ドイツ特許第3606748号(C1)は、シリコンウエハ表面の領域内の極微量金属を非破壊的に測定する装置を開示しており、これでは、シリコンウエハ表面からのX線の反射を測定及び評価する(TXRF法)。
【0009】
石英ガラス部材の表面に関して生じる純度の要求は、通常、フッ化水素酸を用いて表面に近い領域をエッチングにより取り除くことによって、生産技術面では比較的容易に満たすことができる。しかしながら、使用前又は使用後における石英ガラス部材の表面充填量の定量的測定及び定性的測定のための、例えば、品質保証の目的のための又はより良好にプロセスを理解するための信頼性のある測定方法又は標準的な測定方法は存在しない。
【0010】
DIN 51 031(1986年2月)は、表面がシリケートの物品からの鉛及びカドミウムの放出を測定する一般的な方法を記載しているが、ここでは被分析領域を25℃で24時間、酢酸溶液の作用に曝している。試料を調製した後、検体の質量濃度を、フレーム原子吸光分析を用いて抽出液中で測定する。しかしながら、この方法の検出限界は、上述の高度技術分野における石英ガラス部材の使用において適切ではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従って、本発明の目的は、石英ガラス部材の表面充填量を、正確且つ再現可能に測定することができる方法を提供することであり、また、1010原子/cm2オーダーの少量の汚染を測定する方法が、現場における直接的な使用に適している。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述のような方法を根幹として、この目的は、試料採取が、部材の表面を水、硝酸及びフッ化水素酸を含有する酸脱離溶液と接触させることを含み、フッ化水素酸の含有量、接触時間及び接触温度は、部材の表面が0.5μmを超えない深さで除去されるように調節されるという条件で、酸脱離溶液中の硝酸濃度が、フッ化水素酸濃度(体積%)の1.5倍〜5倍とした本発明により達成される。
【0013】
本発明によれば、少なくとも2つの成分、即ち硝酸及びフッ化水素酸を含有する酸脱離溶液が使用される。硝酸は、表面に付着するか、又は表面上に直接残存する不純物を溶解するのに役立つ。一般に、これらは、硝酸と反応して容易に溶解可能な硝酸塩を形成する金属不純物又は酸化不純物である。しかしながら、この方法だけでは、経済的に妥当な処理時間内に全表面充填量を検出するのに不適切であることが見出されている。これは、硝酸による溶解作用に長時間耐性を示し得る表面上の不純物クラスタによる可能性がある。このため、硝酸のみを含有する酸脱離溶液では、誤った分析結果がもたらされる可能性がある。
【0014】
それでもなお、適切な処理時間内での全表面充填量の検出を保証するために、酸脱離溶液に、フッ化水素酸をさらに含有させる。このフッ化水素酸は、SiO2を除去して溶解可能なSiF4を高速に形成することができるため、石英ガラスに対する標準的なエッチング液である。エッチング除去により、表面コーティング及び特に予想される不純物クラスタは、浸潤され、このプロセスにおいて表面から除去されることにより、酸脱離溶液中に移される。ここで、それらは硝酸によって更なる溶解作用を受ける。
【0015】
そのため、不純物による表面充填量は、完全に且つ比較的容易に検出することができる。しかしながら、フッ化水素酸によるエッチング除去は、SiO2は別として、不純物をも表面に近い領域から酸脱離溶液中に移すという作用を有する。「バルク」から生じるこれらの不純物は測定結果の歪曲をもたらし、この測定結果は、表面に付着する不純物、及び表面上に直接残存するバルクからの不純物に起因する表面の汚染作用を専ら示すものである。従って、フッ化水素酸のエッチング作用は、可能な限り薄い上表面層のみに限定せざるを得ない。
【0016】
一方でのエッチング除去及び浸潤による表面コーティングの最大限の分離と、他方での「バルク」からの不純物の浸入による分析結果の最小限の歪曲との間の好適な妥協点は、エッチング除去が0.5μmを超えない深さに限定される測定における本発明により見出されなければならない。僅かなエッチング除去は、酸脱離溶液中のフッ化水素酸の低い濃度、短いエッチング時間、及び/又は低温での試料採取の結果として起こる。0.5μmの最大エッチング深さは、酸脱離溶液のエッチング速度から容易に求めることができる。
【0017】
除去方法を用いたバルク分析及び除去後の化学分析のための上述の方法において、フッ化水素酸を比較的多く含有するエッチング溶液が、石英ガラス表面層を除去するのに使用される。それに反して、本発明による酸脱離溶液は、フッ化水素酸濃度よりもかなり高い硝酸濃度、即ち、フッ化水素酸濃度(体積%)の1.5倍〜5倍を有する。
【0018】
部材表面との酸脱離溶液の接触時間中に、硝酸及びフッ化水素酸が各々の効果、即ち、一方で硝酸による検体の溶解と、他方でフッ化水素酸による予想されるクラスタ及びコーティングの浸潤及び分離とを適切に行うことができるように、硝酸及びフッ化水素酸の濃度を互いに対応させることよって、硝酸の作用が高まるのを促す。この目的を達成するために、上述の範囲の濃度比が、好適な妥協点であることが分かった。
【0019】
フッ化水素酸によるエッチング除去が弱いほど、分析結果は、石英ガラス部材のバルク材料由来の不純物の浸入によってあまり歪曲されなくなる。従って、部材の表面が100nmを超えない深さで除去される手法が好ましい。
【0020】
それでも、可能な限り完全に表面コーティングを検出するために、本発明は、部材表面が少なくとも5nm、好ましくは少なくとも10nmの深さで除去される場合に有用であることが分かった。
【0021】
本発明は、酸脱離溶液の平均エッチング速度が0.1μm/分を超えない場合に有利であることが分かった。
【0022】
0.1μm/分未満の遅いエッチング速度ほど、特に本発明のように、エッチング除去を可能な限り少なくすべきである場合に、所定のエッチング除去を観測するのを容易にする。好ましくは、平均エッチング速度は速くても0.05μm/分である。
【0023】
部材の表面との酸脱離溶液の接触時間が技術上容易に操作可能であると共に、可能な限り弱いエッチング除去を保証するために、酸脱離溶液中のフッ化水素酸濃度は5体積%を超えず、接触時間は30秒〜10分で継続する。
【0024】
有利には、接触温度は、20℃〜30℃の範囲である。本明細書において、接触温度は試料となる部材表面の温度のことである。
【0025】
本発明による方法の特に好ましい構成では、酸脱離溶液中の硝酸濃度は、フッ化水素酸濃度(体積%)の1.8倍〜4倍の範囲となるように意図される。
【0026】
これは、硝酸とフッ化水素酸との適切な濃度比に相当し、この範囲では、硝酸及びフッ化水素酸が各々の効果、即ち、一方で硝酸による検体の溶解と、他方でフッ化水素酸による予想されるクラスタ及びコーティングの分離とを最善の方法で高める。酸脱離溶液を部材表面から除去した後であっても、依然として溶解されなかった汚染パーティクルに硝酸が作用し得ることにここでは注意を払わなければならない。
【0027】
特に金属不純物及び酸化不純物に対する硝酸の十分に高い溶解力を視野に入れ、本発明は、2体積%〜10体積%の範囲の濃度で酸脱離溶液が硝酸を含有する場合に有利であることが分かった。
【0028】
好ましくは、部材表面の酸脱離溶液との接触は、部材表面に酸脱離溶液を一回分毎(chargenweises)塗布することによって実行される。
【0029】
一回分毎の酸脱離溶液の塗布は、例えば、ピペット等を用いた塗布によって実行される。表面の面積比当たりの検体の含有量を正確に測定することができるように、ここでは酸脱離溶液の正確な計測量を所定の表面領域に塗布する。この手法では、連続的な接触プロセス又は石英ガラス部材の酸脱離溶液への浸潤と比べて、高純度であるため高価な酸脱離溶液の消費が少なく、これによりさらに、検体の高濃度化が顕著になると共に、酸脱離溶液の好ましくない汚染による歪曲が少なくなる。
【0030】
このような状況では、有利には、試料採取後の酸脱離溶液に分析のための試料調製を施すことにも留意されたい。この試料調製は、存在する溶液マトリクス及び過剰なフッ化水素酸を試料溶液から除去することを含む。
【0031】
試料採取が完了した後、検体で充填された酸脱離溶液(試料溶液)に、分析を目的とする試料調製を施す。ここで、検体は溶液から可能な限り分離され、分析を妨げるか又は歪曲させる成分は、可能な限り除去される。これは特に、試料溶液中に含まれるSiに関し、このSiは、フッ化水素酸のエッチング作用によって酸脱離溶液中に移されたものである。有利には、酸脱離溶液中のSiは高揮発性化合物の形態で、即ちH2SiF6としてここまで存在し、蒸発又は発煙によって気体成分SiF4及びHFへと分解することにより、気相へと容易に転位することができる。
【0032】
有益には、存在する溶液マトリクス及び過剰なフッ化水素酸の試料溶液からの除去は、発煙及び/又は蒸発を繰り返すことを含む。
【0033】
発煙プロセス又は蒸発プロセス後に残る塊は、時間毎に新たに硝酸中に入れられるため、検体からのSiO2マトリクスの分離はさらに改善される。これは、測定結果の再現性及び測定方法の比較可能性を高めるであろう。
【0034】
試料調製後、調製された酸脱離溶液を、原子分光分析、例えば、原子吸光分析(AAS)又は発光分光分析(ICP−OES)を用いて元素分析する。しかしながら、好ましくは、分析は質量分析(ICP−MS)を用いて実行される。
【0035】
質量分析による分析は、本明細書中で関連のある不純物の検出に対して特に高い感度をもたらす。
【0036】
作業者によって持ち込まれる汚れの量が可能な限り少ないことを保証し、分析の測定精度及び再現性を高めるために、試料採取は自動化されていることが好ましい。
【0037】
ここで、実施形態を参照してより詳細に本発明を説明する。
【実施例】
【0038】
合成により製造された石英ガラスからなる拡散管の表面充填量は、シリコンウエハの処理に使用する直前に質量分析を用いて測定される。拡散管は、30.5cmの内径及び2.5mmの肉厚を有する。
【0039】
<試料採取>
以下の組成を有する250mlの酸脱離溶液を準備し、25℃の温度を有するように温度調節する(体積率)。
20ml 65% HNO3(5.2体積%に対応)
10ml 40% HF(1.6体積%に対応)
残り H2O(蒸留されている)
【0040】
拡散管は、ローラーブロックによって水平に支持され、酸脱離溶液と同様に、25℃の温度を有するように温度調節される。酸脱離溶液で予め洗浄したエッペンドルフ型ピペットを用いて、2.5mlの酸脱離溶液を取り、拡散管の内側に塗布する。このとき、拡散管を連続的に前後させて半回転だけ回転させる。このプロセスにおいて、酸脱離溶液が、約5cmの幅にわたって管の内壁を湿潤させるため、全体としては約240cm2の表面積の範囲に及ぶことになる。ここで、酸脱離溶液の制御不可能な流出は、溶液と石英ガラス表面との間の湿潤やフッ化水素酸のエッチング作用によって防止される。
【0041】
5分後に拡散管の回転運動を停止させると、酸脱離溶液が溜まるので、これをエッペンドルフ型ピペットで再度採取し、準備された試料瓶(FEP25ml)に移した。
【0042】
これにより、検体及び更なる反応生成物(中でも、特に石英ガラスのSiO2マトリクスからなるもの)を含有する試料溶液を得る。
【0043】
<試料調製>
測定精度を低下させる更なる反応生成物を除去するために、検体が充填された試料溶液に試料調製を施す。
【0044】
この目的を達成するために、マイクロ波を用いて試料溶液を加熱し、揮発性溶液部分を50mbarの負圧(絶対圧)で約60分間穏やかに蒸発させる。残った検体を5.2%HNO3溶液中に再度回収し、H2SiF4マトリクス(SiF4+HF)を可能な限り除去するために再度蒸発させる。このプロセスをもう一度繰り返す。
【0045】
体積測定装置の使用及びそれに伴う汚染のリスクを最小限とするために、検体を内標準としてのロジウム溶液と混合する。その後、H2SiF4マトリクスを殆ど含まない検体を約5mlの1%HNO3溶液中に回収し、続いて質量分析によって分析する。
【0046】
<分析>
アジレント(Agilent)社の市販の質量分析計HP4500を、質量分析計を用いる測定に使用する。
【0047】
表1は、石英ガラス管の表面の基本洗浄前後の典型的な不純物に関する分析値を示すものである。基本洗浄プロセスでは、石英ガラス管の内孔をフッ化水素酸含有溶液を用いて3μmの深さでエッチング除去した後、H2O、H22及びHClを含有する洗浄溶液を用いて清浄する。
【0048】
基本洗浄は、石英ガラスの製造の一部を構成し、納入時、又は使用後及び対応する洗浄手法後に見られるような管の工業的清浄度を反映するものである。
【0049】
管の内壁上の汚染物質の量に関するデータは、表1において、1010原子/cm2に基準化されている。試料1に関する分析値は、基本洗浄前の汚染物質の量を示し、試料2の値は、基本洗浄後の残存する汚染物質を示している。試料1の汚染物質の量と試料2の汚染物質の量との差は、基本洗浄プロセスの有効性を示すと共に、試料2の分析は、工業的清浄度又は石英ガラス管に残存する汚染物質の尺度となる。
【0050】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
石英ガラス部材の表面の少なくとも一部を酸脱離溶液と接触させる試料採取を含み、被分析表面の不純物が、前記酸脱離溶液中に回収されて元素特定分析にかける前記石英ガラス部材の不純物による表面充填量を測定する方法であって、前記試料採取が、前記部材の表面を水、硝酸及びフッ化水素酸を含有する酸脱離溶液と接触させることを含み、且つフッ化水素酸の含有量、接触時間及び接触温度は、前記部材の表面が0.5μmを超えない深さで除去されるように調節されるという条件で、前記酸脱離溶液中の硝酸濃度をフッ化水素酸濃度(体積%)の1.5倍〜5倍としたことを特徴とする石英ガラス部材の不純物による表面充填量の測定方法。
【請求項2】
前記部材の表面が、100nmを超えない深さで除去されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記部材の表面が、少なくとも5nm、好ましくは少なくとも10nmの深さで除去されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記酸脱離溶液の平均エッチング速度が、0.1μm/分を超えないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記平均エッチング速度が0.05μm/分を超えないことを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記酸脱離溶液中のフッ化水素酸濃度が5体積%を超えず、且つ前記接触時間が30秒〜10分の範囲であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記接触温度が20℃〜30℃の範囲内であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記酸脱離溶液中の硝酸濃度が、フッ化水素酸濃度(体積%)の1.8倍〜4倍であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記酸脱離溶液が、2体積%〜10体積%の範囲の濃度で硝酸を含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記部材の表面を前記酸脱離溶液と接触させることが、前記部材の表面に前記酸脱離溶液を一回分毎塗布することによって実行されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記試料(試料溶液)採取後に、前記酸脱離溶液が、存在する溶液マトリクス及び過剰なフッ化水素酸を前記試料溶液から除去することを含む、分析のための試料調製にかけられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記存在する溶液マトリクス及び前記過剰なフッ化水素酸が、発煙及び/又は蒸発を繰り返すことによって前記試料溶液から除去されることを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記分析が質量分析を用いて実行されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記試料採取が自動化されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。

【公表番号】特表2009−519449(P2009−519449A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−544987(P2008−544987)
【出願日】平成18年12月12日(2006.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2006/069593
【国際公開番号】WO2007/068692
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(599089712)ヘレウス・クアルツグラース・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディット・ゲゼルシャフト (21)
【氏名又は名称原語表記】Heraeus Quarzglas GmbH & Co. KG
【出願人】(000190138)信越石英株式会社 (183)
【Fターム(参考)】