説明

石鹸投与装置

台所用流体投与装置は、流体貯溜部および取っ手を含む本体を有し、流体貯溜部は端板によって閉鎖され、これは本体に溶接され、洗浄媒体ブロックに引っ掛けられる。或る例は、ブロック上にハウジング板の縁部と係合する弾発性タブを有する。板およびブロックを通り、流体貯溜部と板の間の連通を行う整列した穴は、弾発性ボタンを押し込むことによって提供される圧力の増加によって作動する弁で開閉可能である。或る例では、弾発性ボタンは、ボタンを休止位置へと戻す付勢部材を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体投与器具に係わり、特にブラシまたはスポンジ等の家庭用洗浄用具に関するものである。本発明は、液体石鹸または洗剤を投与できる台所装置に特別な用途を有する。
【背景技術】
【0002】
従来より、多くの流体投与装置が提供されている。このような装置は、通常、流体貯溜部、該貯溜部を充填する閉鎖可能な開口、および、流体を貯溜部から流体投与装置のブラシ毛またはスポンジ領域に供給するための手動式弁機構を含む。しかしながら、このような先行技術装置は、通常、比較的複雑であるか、または、製造費の高い構造を有するか、または、非効率的な弁作動機構を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
先行技術のこのような器具の欠点を回避しながら、追加の構造および操作上の利点を提供する改良型の流体投与具を提供することが、本発明の広い目的である。
【0004】
本発明の重要な特徴は、弁を作動する機能と、ボタンを休止位置に復帰させるボタン持ち上げ機能を組み合わせる前記種類の器具を提供することである。
【0005】
本発明の別の特徴は、作業実行媒体ホルダと器具ハウジングの間にユニークな引っ掛け手段を提供する前記種類の器具を提供することである。
【0006】
本発明の別の特徴は、ユニークな付勢機構を有する弾発性ボタンを提供する前記種類の器具を提供することである。
【0007】
本発明のさらに別の特徴は、比較的単純で経済的な構造である前記種類の器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記特徴およびその他の特徴のうちの或るものは、以下の流体投与器具を提供することによって得ることができる。
流体投与器具内の流体貯溜部を画成する本体と、本体によって担持された取っ手と、本体によって担持された作業実行媒体と、流体貯溜部と作業実行媒体との間の連通を行なうために本体によって担持された弁組立体とを含む流体投与器具であり、前記本体が、該本体によって担持されるとともに休止位置と押し込み位置との間で動作するために可撓性かつ弾発性の中空ボタンを有し、該ボタンは、流体貯溜部内の圧力を増加させ、弁を作動させるために手動で偏向可能である。
【0009】
本発明の前記特徴およびその他の特徴のうちの或るものは、以下の流体投与器具を提供することによって得ることができる。
流体投与器具内の流体貯溜部を画成するハウジングと、ハウジング上の楔形突起と、楔形の凹所を有するホルダと、凹所に隣接して配置された引っ掛けレバーとを有し、引っ掛けレバーは凹所の底部に沿って延在し、引っ掛けレバーは、凹所内に組合せ可能に突起を受け入れた時に、ホルダをハウジングにしっかり装着するために突起と引っ掛け係合し、さらにホルダによって担持された作業実行媒体と、ハウジングによって担持され、ホルダと協働して流体貯溜部と作業実行媒体との間の連通を行なう弁とを有する流体投与器具。
【0010】
本発明のその他の特徴は、器具ハウジングに引っ掛け可能なホルダ上に作業実行媒体を設けることによって得られる。
【0011】
本発明の別の特徴は、弁組立体が付勢部材を有するボタンを含む前記種類の流体投与器具を提供することによって得られる。
【0012】
本発明は、以下で詳細に説明して、添付図面に示し、特に特許請求の範囲で指摘する特定の新規の特徴および部品の組合せで構成され、本発明の精神から逸脱したり、その利点のいずれも犠牲にしたりすることなく、細部に様々な変更ができることが理解される。
【0013】
本発明の理解を容易にするために、その好ましい例が添付図面で図示され、それを調べ、以下の説明と関連して考察すると、本発明、その構造および動作、およびその利点の多くが容易に理解され、評価されるはずである。
【実施例】
【0014】
図1、図2を見ると、本発明により構成され、その特徴を具現化する台所用装置20の性質の流体投与器具が示されている。装置20は取っ手またはハウジング21を有し、これは端板40によって閉成され、それと協働して流体貯溜部10を画成する中空の管状前部23がある本体22を含む。中空の管状前部23は外側へとフレア状になり、前方は前端24で終了する。或る例では、スクレーパなどとして使用可能なフランジ25を提供することができる(図4、図5参照)。管状前部23の反対側には、端壁26があり、その上側には、ボタン90を受けるために端壁26に隣接して楕円形の開口27が設けられる(以下で詳細に説明)。楕円形の開口27および本体22は、米国特許第6250833号の開示(引用によって本明細書の記載として援用する)に従って構成される。
【0015】
端壁26と一体で、そこから後方に突出するのは細長い取っ手30であり、これは横断面が概ね楕円形で、その上側および下側に沿って長手方向のスロット31の対が設けられる。取っ手30の上側には、端壁26に隣接して長方形の凹所32も形成される。取っ手30は、サントプレーンなどの適切な摩擦および緩衝材料で形成した把持スリーブ35によって覆われる。スリーブ35は閉鎖端を有し、これは取っ手20の遠位端を越えて延在し、自身内に貫通穴36を有して、装置20の吊り下げを容易にする。取っ手30のスロット31は、その表面積を減少させて、通って30上のスリーブ35の滑動を容易にし、スリーブ35は任意の適切な手段によって所定の位置に固定される。スリーブ35の反対側には、概ね鞍形の凹所37によって画定された把持部位が形成され、各凹所37には、使用者の親指と人差し指での把持を容易にするために、横方向外側に突出する複数の可撓性および弾発性リブ38が設けられる。把持スリーブ35は概ね、米国特許第Re.34194号で開示(引用によって本明細書の記載として援用する)された種類でよい。
【0016】
端板40は、単一の一体構造であることが好ましく、本体22の広い端部24とほぼ同じサイズおよび形状の隆起した周縁42を有する楕円形の基底壁41を含む。基底壁41は、その一方端に概ね楔形の大きい突起を有し、これは結合構造43を提供する。結合構造43は、基底壁41と平行で、1対の収束側壁45a、45bによってそれに接合する平坦な底壁44、狭い端壁46、および弓形の形状で、概ね基底壁の楕円形縁部42の輪郭を辿る広い端壁47を有する。底壁44を通って概ね中心に開口48が形成され、底壁44の上面に配置された端部を有する。側壁および端壁45〜47はそれぞれ、底壁44にほぼ直角である内面を有する。しかし、収束側壁45は下方向および横方向外側に傾斜する外面49を有する。したがって、狭い端壁46の外面は、ほぼ台形の形状であることが理解される。代替例では、結合構造をハウジング上に直接形成することができる。
【0017】
或る例では、装置20は複数のブラシ毛59(図2)を有し、それぞれ群状に配置され、これは全て周知の方法でホルダまたはブラシ毛ブロック60の受け口にそれぞれ装着されることが好ましい。ブラシ毛ブロック60は、端板40と対合するようなサイズの楕円形を有する。ブラシ毛ブロック60は結合構造を有し、これはその上面に形成され、端板40の結合構造43と対合するようなサイズで、ブラシ毛ブロック60の後端からブラシ毛ブロック60の前端に隣接する狭い端部にへと長手方向前方へと延在する概ね楔形の凹所61を含む。凹所61は平坦な底面62を有し、これにはブラシ毛ブロック60の底部へと延在する開口63が形成される。
【0018】
代替例では、パッドまたはスポンジのような他の洗浄媒体を装着するために、ブラシ毛ブロック60を設けることができる。例えば、スポンジ・ブロックが図5に図示されている。ブロックはブラシ毛ブロック60と同様の構造を有してよい。或る例では、(図5で示すような)ブロック60aは凹所61を含み、これは下方向および横方向外側へと傾斜し、くり抜いた収束側面64a、64bを有する。側面64a、64bの開口63の後方には、概ねL字形の切り欠き65が形成され、これは凹所61と連絡する比較的短い脚部66、およびその間に指状部材68を画定する長い脚部67を有する。指状部材68は、薄い可撓性かつ弾発性の部材を画定するように、底面62から上方向にわずかな距離だけ隔置され、前記可撓性かつ弾発性部材は横方向に動いて、隣接する切り欠き65の長い脚部67に入ることができる。
【0019】
或る例では、ブロック60の結合構造はさらに、底面62と平行に形成された引っ掛けアーム51を有する凹所61を含む。引っ掛けアーム51は引っ掛けレバー52を含み、これは引っ掛けレバー52から概ね直角に延在する引っ掛け表面54を有するタブ53を有する。或る例では、タブ53は、レバー52を作動させるために使用者の指または親指を快適に置くことができるようにするために湾曲した表面を有する。代替例では、ブロックの結合構造は突起を含み、端板の結合構造は凹所でよい。さらなる代替例では、第1および第2結合構造は、相互に組合せ可能な種々の形状を有してよい。
【0020】
組立時に、端板40の楔形結合構造43は長手方向に滑動してブラシ毛ブロック60aの楔形凹所61に入り、したがって端板40の傾斜する側壁が、ブロック60、61aのくり抜いた側面64との蟻継ぎ嵌合を提供する。端板40が凹所61に十分に挿入された位置に近づくにつれ、端壁46が指状部材68と係合し、これは活発なばねとして作用する。指状部材68が横方向内側に偏向し、端板40の結合構造43が凹所61にぴったり組合って、図5で示した引っ掛け構造で示すように端壁47に対する引っ掛けタブのラッチ係合を介して、端板40をブラシ毛ブロック60にしっかり引っ掛け止めできるようにする。指状ばね部材58は、引っ掛けレバー52を押下した場合に突起43の凹所61からの排出を補助するために、突出した結合構造43に抗して付勢する。図5で最もよく見られるように、対合した構成で、口48、63は相互に軸方向に整列し、端板40およびブラシ毛ブロック60の外周面が相互にほぼ連続する。図4、図5で示した引っ掛けレバー52は、図1、図2のブラシ毛ブロックに設けてもよいことが明白である。
【0021】
次に特に図2、図4を見ると、装置20は、全体を数字70で示され、端板40に装着された弁組立体を含む。弁組立体70は、環状フランジ72およびボア73を有する円筒形の保持リング71を含む。ボア73は、自身内に弁75を受ける。例えば、米国特許第5439143号、第5409144号、第5377877号、第5339995号、第5213236号、第5033655号、第4991745号で開示(その内容を引用によって本明細書の記載として援用する)されたような弁75を、本発明に使用することができる。端板40には、知られている他の弁組立体も装着してよい。
【0022】
図1〜図4を見ると、装置20はボタン90も含み、これはその周縁に沿ってほぼ円筒形の側壁92と一体である可撓性かつ弾発性の部材またはドーム91を有し、側壁は、ドーム91に隣接して側壁92の上端から横方向外側に突出する環状縁部93が外面に形成される。ある実施形態では、ボタン90は、スカート部分91aからドーム91を分割する環状溝94を含む。溝94は、手動の力を加えた場合にボタン90の偏向を最大にするために、使用者がボタン90の中心に自分の指または親指を配置するのを補助するために、視覚的および感触的な表示を提供する。或る例では、ドーム91とスカート91aは、ボタン90全体を偏向できるように、弾発性であって可撓性の材料で一体に形成される。代替例では、スカート部分91aは、ドーム91より硬度が高く、弾発性が低く、可撓性が低い材料で形成することができ、したがって押し込みの第1段階では、可撓性ドーム91が偏向し、スカート部分91aは休止位置のままである。押し込みの第2段階(使用者の指または親指で追加の力を加える)は、スカート91aを偏向させ、押し込み位置にスナップ留めし、流体貯溜部10を通して高速の圧力波を分散させる。
【0023】
或る例では、ドーム91は後端が可撓性および弾発性蝶番95またはつなぎ綱と一体である。蝶番95は、後方に延在し、取っ手30の凹所32で受ける脚部96を有する。把持スリーブ35を取っ手30上の所定の位置に取り付けると、これは蝶番の脚部96を覆い、蝶番95を取っ手30にしっかり取り付けるために蝶番95と突き当たることが理解される。
【0024】
ボタン90は、ドーム91を形成する内面97を含む。内面97の中心点からニップル98が突出する。付勢部材100がボタン90内に配置される。或る例では、付勢部材100は、アームまたはリブ101、102を含んでよく、これはニップル98の側部から両側に延在し、内部97を区分する。リブ101、102は内面97を横断し、押し込まれた後、ボタン90のドーム91を付勢して、(図2Aで示すような)休止位置に戻すように働く。或る例では、リブ101、102は概ね三角形の形状であり、自由縁103a、103b、基底104a、104b、およびドーム縁部105a、105bを含み、概ね二等辺三角形を形成する辺を有する。自由縁103a、103bは、長さがドーム縁部105a、105bとほぼ等しい。或る例では、頂点106a、106bが概ね30°未満である。このような鋭い頂点および(基底104a、104bとの比較で)比較的長い脚部103a、103b、105a、105bを有するリブ101、102を形成することにより、付勢部材100は内側に偏向可能であり、ドーム91をその休止位置に戻すことができる。付勢部材100の幾何学的形状は、ニップル98の高さおよび幅、およびリブの幅(自由縁103a、103bによって画定される)に対しても重要である。或る例では、ニップル98は約8.7mmの高さおよび約5.0mmの幅を有する。或る例では、リブ101、102は約1.5mmの幅を有する。或る例では、付勢部材100は、Tresfinのようなポリマからボタン90の残りの部分と一体形成される。他の例では、ゴム材料のような代替材料を使用することができる。
【0025】
他の幾何学的形状を有し、他の材料で形成した付勢部材100を提供してよいことを理解されたい。例えば、金属またはポリマのコイルばねを、ボタン90の内部に配置することができる。渦巻き線、蛇腹、L字形またはU字形部材のような他の付勢部材を提供してもよい。さらに、例えば渦巻き形状、リング形状または他の形状を有するような突起または凹所が内壁に形成されるようにボタン90を成形することにより、ボタンに付勢形体を設ける。また、図3は中心ニップル125から延在する4本のアーム121、122、123、124を有する付勢部材120の代替例を示す。或る例のニップル125およびアーム121、122、123、124は、ボタン130のドーム127の内面126に一体成形される。
【0026】
代替例では、アーム121、122、123、124は、ニップル125に隣接して内面に取り付けられ、隔置され、各終端で自由であってよい。アーム121、122、123、124は偏向可能であり、ドームを押し込み可能にするが、ドームを休止位置に戻すために付勢する(図3に図示)。ボタン130は、楕円形の開口27に挿入可能でよい(図1、図4)。代替例では、ボタン130は、ボタン130を装置20のハウジング21に装着するために、上述したように一方端に環状縁および蝶番95、他方端にタブ94を有してよい。同様に、図1から図2Aのボタン90は、代替例では蝶番95またはタブ94なしで提供してよい。
【0027】
使用時には、図1〜図2Aで示すボタン90は、蝶番95の周囲で、流体貯溜部10を充填できるように開口27を開放する直立位置と、開口27を閉鎖するための図1で示す閉鎖位置との間で旋回自在に動作可能である。閉鎖位置へと動作する際に、円筒形の側壁92の下端は開口27の縁部を越えてスナップ留めされ、その縁部が溝93に入り、周囲フランジが開口27内に配置される。縁部93の前端は、ボタン90の解放位置への持ち上げを容易にするタブ94を提供する。代替例では、開口27は、自身に装着された剛性リングを有してよく、リングは、ボタン90をリングへとスナップ留めできるように形成される。或る例では、ボタン90は、リングと係合する剛性の外径部分を含む。
【0028】
動作時には、弁組立体70を開放したい場合は、取っ手の把持スリーブ35に巻き付けた使用者の手の親指で、ボタン90の可撓性および弾発性ドーム91を押し込む。部品は、ボタン90が完全に偏向する毎に、ボタン90のサイズ、弁70からの距離、流体貯溜部10の容量、および弁自体の構造が、弁を通して配量される流体の所定の量を提供するような寸法および方向にする。ボタン90が偏向すると、流体貯溜部10内の圧力が増加し、流体が弁90に押しつけられ、弁が押し開かれる。弁が開くと、流体貯溜部10内に保存された流体が、開口48、63によって規定された通路を通過し、ブラシ毛59へと至ることができる。
【0029】
或る例では、これらの構成要素の方向は、液体石鹸の塊のような流体の正確な量を配量させることができる。このような構成要素の方向を変化させることにより、装置20は、特定の量の流体を拝領する必要がある特定の用途または洗浄作業に合わせて改造するように構築することができる。例えば、平鍋表面に焼き付いた破片を有する平鍋をこすり洗いするために使用されるブラシ毛ブロック頭部を有する装置20は、特別に大量の石鹸を配量する必要があることがある。このような用途では、流体配量構成要素の大量方向を設けることができる。このような例では、大きい表面積を有するボタン90を形成し、流体貯溜部10は大きい容積を有し、弁組立体70は大きい直径のボアを有し、容易に偏向するように構築することができる。このような構成要素の1つまたは全部の方向およびサイズを調節して、大量配量機能を微調整することができる。さらなる代替例では、ブロック60に取り付けるスポンジ媒体を有し、軽い洗浄作業に使用される装置20に、少量流体配量方向を設けることができる。このような例では、小さい表面積を有するボタン、容積が小さい貯溜部、およびボアが小さく、偏向が抑制された弁70を、装置20の構造に設けることができる。
【0030】
組み立てる際に、ボタン蝶番95は、その脚部96が取っ手の凹所32に入る状態で所定の位置に配置され、次に把持スリーブ35を取っ手30上に設置して、蝶番95を所定の位置にロックする。次に、ボア73内の弁75を保持リング71に装着することによって、弁組立体70を端板40に組み付ける。次に保持リング71を板40の開口48内に装着する。次に、端板40を本体22に取り付け、或る例ではそれに超音波溶接する。次に、第1結合構造43〜47が第2結合構造51〜54と対合するように、ブロック60を板40上に滑動させる。この点で、装置20の部品は全て、液体石鹸と適合性の適切な成形可能ポリマ材料で形成することが好ましい。把持スリーブ35は、適切なエラストマ材料で形成してよいが、弁75はゴム様材料で形成することができ、ボタン90はゴム材料またはTresfinのようなポリマ材料で形成することができる。しかし、代替例では、上述した構成要素に金属またはセラミックのような他の材料を使用することができる。
【0031】
好ましい例では、装置20は、ホルダとして働くブラシ毛ブロック60に固定したブラシ毛59の形態の作業実行媒体を有する。しかし、本発明の原理は、作業実行媒体がスポンジ、パッド等のその他の形態をとる別の種類の家庭用品にも適用可能であり、この場合、ブラシ毛ブロック60はその媒体にとって適切なタイプのホルダに改造されることが理解される。さらに、本発明の原理は家庭用品に制限されず、本発明の流体投与の態様は、その他の種類の用具、装置および家庭用品にも適用可能である。
【0032】
例えば、図4、図5を見ると、ブロック60aの代替例構成が示されている。特に、上述したブラシ毛ブロック60とほぼ同じであるブロック60aが示され、ここでは、類似部品は前記装置20と同じ参照符号が付されている。ブロック60aは、スポンジ媒体59aを含む点でブラシ毛ブロック60とは異なる。スポンジ59aは、板40の開口48と整列した開口63aを含み、従って液体石鹸のような流体を自身内に配量し、スポンジ59aで吸収することができる。代替例では、スポンジ59aまたはブロック60に設けた他の洗浄媒体の区域全体にわたる流体の分散を補助するために、複数の開口を設けるか、管のような他の手段を設けることができる。
【0033】
以上から、単純で経済的な構造であり、組立および操作が簡単であることを特徴とする改良型の流体投与器具が提供されたことが分かる。
【0034】
本発明の特別な例について図示し、説明したが、広い観点での本発明から逸脱することなく、変形および修正をできることが当業者にとって自明である。したがって、特許請求の範囲の目的は、このような変形および修正の全てを本発明の精神および範囲に入るものとして含めることである。以上の説明および添付図面で示した事項は、単なる例示であり、限定的なものではない。本発明の実際の範囲は、先行技術に基づく適切な見方で見た特許請求の範囲によって定義されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明による台所用装置の側面図である。
【図2】図1の装置の組立分解斜視図である。
【図2A】図2のボタンの拡大部分斜視図である。
【図3】ボタンの代替例の拡大斜視図である。
【図4】本発明による台所用装置の代替例の側面部分断面図である。
【図5】図3の装置のスポンジ・ブロックの斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体投与装置において、
該流体投与装置の流体貯溜部を画成する本体と、
該本体に担持された取っ手と、
前記本体に担持された作業実行媒体と、
前記流体貯溜部と前記作業実行媒体との間に連通を行うために、前記本体に担持された弁組立体と、
休止位置と押し込み位置との間で動かすために前記本体に装着された可撓性で弾発性のボタンとを含み、該ボタンは、前記押し込み位置に手動で偏向可能であり、さらに、
前記休止位置への前記ボタンの戻りを補助するために、前記ボタン内に配設された付勢部材を含む流体投与装置。
【請求項2】
前記付勢部材が、前記ボタンの内部に沿って配設された1対のリブを含む請求項1に記載された流体投与装置。
【請求項3】
押し込み位置に動かすために使用者の親指または別の指で押し込み可能な可撓性で弾発性のドーム部分と、
それぞれが概ね三角形を有し、前記ドーム部分を付勢して、前記ドーム部分を休止位置に戻すために前記内部に付されたリブとを、前記ボタンが含む請求項2に記載された流体投与装置。
【請求項4】
前記ドーム部分が、前記内部へ突出するニップルと、該ニップルに付されたリブを含む請求項2に記載された流体投与装置。
【請求項5】
前記付勢部材が、前記ボタンの内部で横方向に延在する弾発性アームを含む請求項1に記載された流体投与装置。
【請求項6】
流体投与装置において、
該流体投与装置内に流体貯溜部を画成するハウジングと、
該ハウジング上の第1結合構造と、
第2結合構造、および、該第2結合構造に隣接して配設された引っ掛けレバーを有するホルダとを含み、
前記引っ掛けレバーが前記ホルダの底面に沿って延在し、前記引っ掛けレバーは、前記第1結合構造が前記第2結合構造に結合されると、前記ホルダを前記ハウジングにしっかり装着するために、前記ハウジングと引っ掛け係合し、さらに、
前記ホルダに担持された作業実行媒体と、
前記ハウジングに担持され、前記ホルダと協働して、前記流体貯溜部と前記作業実行媒体との間の連通を行う弁とを含む流体投与装置。
【請求項7】
前記第1結合構造に取り付けられた前記ハウジングの端壁を更に含み、
前記引っ掛けレバーが、前記端壁と係合する指状部材を含み、
前記第1結合構造が楔形突出部を含む請求項6に記載された流体投与装置。
【請求項8】
前記引っ掛けレバーが、前記ハウジングとの係合から前記引っ掛けレバーを解放するために使用者の親指または別の指によって押し込み可能であるタブを含む請求項6に記載された流体投与装置。
【請求項9】
前記引っ掛けレバーが、前記ホルダの凹所の底部分に付された基端部を含む請求項8に記載された流体投与装置。
【請求項10】
前記第2結合構造が楔形凹所を含み、前記突出部および前記凹所が、それぞれ、横断面における組合わせ蟻継ぎ形状を有する請求項7に記載された流体投与装置。
【請求項11】
前記ハウジングが、付勢部材を有する弾発性ボタンを含む請求項6に記載された流体投与装置。
【請求項12】
前記付勢部材が、前記ドーム形ボタンの内部に沿って存在するリブである請求項11に記載された流体投与装置。
【請求項13】
前記流体投与装置が台所用ブラシであり、前記作業実行媒体が複数のブラシ毛である請求項6に記載された流体投与装置。
【請求項14】
前記ホルダが、前記ハウジングの前記楔形突出部に対して付勢するための指状弾発性ばね部材を含む請求項6に記載された流体投与装置。
【請求項15】
前記楔形突出部が、前記ハウジングによって担持された板に形成されている請求項6に記載された流体投与装置。
【請求項16】
前記板が前記ハウジングの端部に溶接されている請求項15に記載された流体投与装置。
【請求項17】
流体投与装置において、
流体を受ける貯溜部を有する取っ手と、
前記取っ手に装着されたボタンと、
前記ボタンによって担持され、前記ボタンが押し込まれた時に前記貯溜部内の圧力を増大させる弾発性部材と、
前記ボタン内に配設され、押し込まれた後に前記弾発性部材を休止位置に戻すために前記弾発性部材に接するリブと、
前記取っ手に取り付けられ、洗浄媒体を有するブロックと、
前記ボタンが押し込まれた時に、流体を通過させて投与するために前記取っ手に配設された弁とを有する装置。
【請求項18】
前記ボタンが内部を含み、前記リブが前記内部の壁に取り付けられている請求項17に記載された流体投与装置。
【請求項19】
前記弾発性部材の前記内部が、自身から延在する1対のリブを有する中央ニップルを含む請求項18に記載された流体投与装置。
【請求項20】
前記ボタンが、前記取っ手に形成された開口に着脱可能に装着されている請求項17に記載された流体投与装置。
【請求項21】
装置が、所定量の流体を装置から配量させるために、流体配量構成要素の様々な容積方向を提供する請求項17に記載された流体投与装置。
【請求項22】
前記弁が装着される保持リングを有する板を、前記取っ手が含む請求項17に記載された流体投与装置。
【請求項23】
流体投与装置と協働するホルダにおいて、
楔形凹所、および、該凹所に隣接して配置された引っ掛けレバーを有するブロックを含み、
前記引っ掛けレバーが、前記凹所の底部に沿って延在し、
前記引っ掛けレバーは、前記凹所内に組合い状態で結合構造を受けた時に、前記ブロックを前記流体投与装置にしっかり装着させるために、前記流体投与装置の前記結合構造と引っ掛け係合するようになっているホルダ。
【請求項24】
前記楔形凹所が、前記流体投与装置の対応する楔形突起を受けるように構成されている請求項21に記載されたホルダ。
【請求項25】
前記引っ掛けレバーに取り付けられた引っ掛けアームを更に含む請求項21に記載されたホルダ。
【請求項26】
前記引っ掛けレバーから延在する引っ掛けタブを更に含み、前記引っ掛けタブが使用者の親指または別の指で押し込み可能である請求項21に記載されたホルダ。
【請求項27】
前記ブロック内に形成された開口と、該開口によって担持された弁とを更に含み、もって、前記ホルダを前記開口に結合すると、前記開口が装置の開口と整列し、前記開口および前記弁を通して前記流体投与装置に含まれる流体が投与される請求項21に記載されたホルダ。
【請求項28】
作業実行媒体として働くために前記ブロックに担持されたブラシ毛を更に含む請求項21に記載されたホルダ。
【請求項29】
作業実行媒体として働くために前記ブロックによって担持されたスポンジを更に含む請求項21に記載されたホルダ。
【請求項30】
作業実行媒体として働くために前記ブロックによって担持されたパッドを更に含む請求項21に記載されたホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図2A】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2007−506502(P2007−506502A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−527514(P2006−527514)
【出願日】平成16年9月21日(2004.9.21)
【国際出願番号】PCT/IB2004/003609
【国際公開番号】WO2005/030023
【国際公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【出願人】(504322183)ヘレン オブ トロイ リミテッド (6)
【Fターム(参考)】