砂地における緑化促進工法

【課題】砂や播種した種子が風雨によって流出したり、移動することがなく、砂地における緑化がより確実に行えるようにするための緑化促進工法を提供する。
【解決手段】横桟１と縦桟２を格子状に組合せて矩形状の升目３を多数形成し、かつ対角線上のコーナに横桟１及び縦桟２の一部を切り取ってサイズの大きな升目３ａを形成したＦＲＰ製のパネル４を砂地５上に設置し、大きな升目３ａに樹木６を植えてパネル４を固定すると共に、各桝目３に播種して植物７を植生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、砂丘や砂漠等の砂地における緑化促進工法に関する。
【背景技術】
【０００２】
砂地の緑化工法としては、砂地の表面に厚い層の客土を施して客土に植生する方法、砂地に植生した植物に対し、地下水を汲み上げてスプリンクラーにより散布する方法、水と液体肥料を染み込ませたスポンジを砂地に埋設して該スポンジに植生する方法などがある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００３】
上述する従来の方法は、いずれも概して砂や播種した種子が風雨によって流出したり、移動しがちである。
【０００４】
本発明は、上記の問題を解消し、砂地における緑化がより確実に行えるようにするための緑化促進工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００５】
請求項１に係わる発明は、砂地に縦桟と横桟を格子状に組合せたパネルを設置し、縦桟と横桟で構成されるパネルの各桝目に播種することを特徴とする。
【０００６】
本発明のパネルの升目は、矩形状をなしていてもよいし、菱形状をなしていてもよい。本発明においては、スプリンクラー等による給水を行うのが望ましい。
【０００７】
請求項２に係わる発明は、請求項１に係わる発明において、各桝目のうち、少なくとも一つの升目は、サイズが大で、該升目に植木が植えられることを特徴とする。
【０００８】
請求項３に係わる発明は、請求項１又は２に係わる発明において、砂地が傾斜地で、縦桟及び若しくは横桟が傾斜して傾斜地の傾斜面に対し、鋭角をなすことを特徴とする。
【発明の効果】
【０００９】
請求項１に係わる発明によると、パネルによりパネル内外の風雨による土砂移動や播種された種子の流出が抑制され、これにより緑化が促進される。
【００１０】
請求項２に係わる発明によると、樹木により風雨による土砂移動や種子の流出がより確実に抑制されるばかりでなく、樹木が杭としての機能を果たし、パネルを砂地にしっかりと固定することができる。
【００１１】
請求項３に係わる発明によると、傾斜地において、横桟及び若しくは縦桟が鉛直方向ないし鉛直に近い方向を向くため、土砂や播種された種子の移動流出をより確実に抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１２】
図１は、横桟１と縦桟２を格子状に組合せて矩形状の升目３を多数形成し、かつ対角線上のコーナに横桟１及び縦桟２の一部を切り取ってサイズの大きな升目３ａを形成したＦＲＰ製のパネル４を示すものであり、図２は、このパネル４を用いて砂地５上に設置し、大きな升目３ａに樹木６を植えてパネル４を固定すると共に、各桝目３に播種して植物７を植生してなるものである。
【産業上の利用可能性】
【００１３】
図３は、横桟１を傾斜させたパネル９を用いて傾斜した砂地１１に植生した例を示すもので、パネル９の横桟１は傾斜面１２に対し、鋭角をなし、パネル９を傾斜面１２に設置したとき鉛直方向を向くようにしてある。
【図面の簡単な説明】
【００１４】
【図１】本発明で用いるパネルの平面図。
【図２】図１に示すパネルを用いて緑化させた態様を示す断面図。
【図３】別の態様のパネルの使用例を示す断面図。
【符号の説明】
【００１５】
１・・横桟
２・・縦桟
３、３ａ・・升目
４、９・・パネル
５、１１・・土砂
６・・樹木
７・・植物
１２・・傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項１】
砂地に縦桟と横桟を格子状に組合せたパネルを設置し、縦桟と横桟で構成されるパネルの各桝目に播種することを特徴とする砂地における緑化促進工法。
【請求項２】
各桝目のうち、少なくとも一つの升目は、サイズが大で、該升目に植木が植えられることを特徴とする請求項１記載の砂地における緑化促進工法。
【請求項３】
砂地が傾斜地で、縦桟及び若しくは横桟が傾斜して傾斜地の傾斜面に対し、鋭角をなすことを特徴とする請求項１又は２記載の砂地における緑化促進工法。

【図１】