説明

研磨材の供給方法および装置

【課題】 ブリッジ現象を可及的に防止して研磨材を円滑に高圧流体内に供給することができる研磨材の供給方法および装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 貯留タンク1内に貯蔵した研磨材を供給管を介してウォータージェット加工装置の高圧流路側に供給する研磨材の供給方法において、貯留タンク1内に貯留された研磨材を、該貯留タンク1内の研磨材の上面の高さの変化に合わせて吸引管3を昇降させて、該吸引管3の下端部に形成された吸引口(開口)3cから前記研磨材を吸引して、該吸引管3の下流端に接続された前記供給管11へ研磨材を供給するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、ウォータージェット加工装置等に研磨材を供給する供給方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、建物の外壁の塗装の剥離や、石材をはじめ種々の材料の切断や表面処理(表面加工等を含む)等に、ウォータージェット加工装置が使用されている。
そして、例えば、石材やコンクリートの切断等の加工をおこなう場合には、切断や研磨能力を向上させるために、噴射する高圧流体中に研磨材が混入される。
【0003】
前記研磨材として、ガーネット粒等のような石やセラミック粒その他の粒状の材料等が使用される。このような研磨材をウォータージェット加工装置の高圧流体内に供給するよう構成した装置として、特許文献1〜特許文献3などがある。
これらの装置は、研磨材の自重を利用して貯留タンクの底部から排出させて、高圧流体内に該研磨材を供給しようとするものであった。
また、別の手法として、流体の貯蔵タンク内に予め研磨材を混入させておき、流体と一緒に研磨材を吸引して噴射させるような手法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−233957号公報。
【特許文献2】特開平7−1338号公報。
【特許文献3】特開平7−24737号公報。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述のように研磨材自体の自重を利用して貯留タンク底部の排出口から研磨材を排出させて高圧流体内に供給する手法の場合には、排出口等において研磨材同士が干渉し合う所謂「ブリッジ現象」を起こして前記排出口を塞ぎ、研磨材が円滑に高圧流体内へ供給できない状況が生じる。
【0006】
また、前記の流体の貯蔵タンク内に予め研磨材を混入させて流体と一緒に研磨材を吸引する手法の場合、該貯蔵タンク自体を高圧タンク仕様にしなければならず、また、流体の貯蔵タンクからノズルまでの供給管路を研磨材が比較的高い速度で通過するために該供給管路等の摩耗が激しい等の問題がある。
【0007】
本発明はこのような状況に鑑みておこなわれたもので、前記ブリッジ現象を可及的に防止して研磨材を円滑に高圧流体内に供給することができる研磨材の供給方法および装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかる研磨材の供給方法は、貯留タンク内に貯蔵した研磨材を供給管を介してウォータージェット加工装置の高圧流路側に供給する研磨材の供給方法において、前記貯留タンク内に貯留された研磨材を、該研磨材の消費による上面の高さの変化に合わせて吸引管を昇降させて、その下端部に形成された吸引口から前記研磨材を吸引して、該吸引管の下流端に接続された供給ホースを介して、その下流端方に接続されたウォータージェット加工装置の高圧流路側に供給することを特徴とする。
【0009】
本発明にかかる研磨材の供給装置は、貯留タンク内に貯蔵した研磨材を供給管を介してウォータージェット加工装置の高圧流路側に供給する研磨材の供給装置において、前記研磨材が内部に貯留された貯留タンクと、該貯留タンク内に貯蔵された研磨材の上面の高さの変化に合わせて昇降自在に配置され下端部に吸引口が形成された吸引管と、該吸引管の下流端に上流端が接続され下流端がウォータージェット加工装置の高圧流路側に接続された供給管とを有することを特徴とする。
【0010】
しかして、前述のように構成された研磨材の供給方法及び供給装置によると、貯蔵タンク内の研磨材の消費による上面の変化に合わせて前記吸引管が昇降して、該吸引管の下端部の開口が、使用により変化する研磨材の表面の位置に対して常に良好な位置に変化することから、吸引管の下端部から研磨材を安定して吸い上げることが可能となる。そして、かかる吸い上げる過程において、上方に吸引することから、研磨材同士が干渉して所謂「ブリッジ化」することはない。
【0011】
また、前記研磨材の供給方法において、前記貯留タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を覆うように蓋部材を配置して、かかる蓋部材に前記吸引管を昇降自在に配置するとともに、該蓋部材又は吸引管に加振装置を設けて、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与しつつおこなうように構成すると、該吸引管が前記貯蔵タンク内の研磨材の上面の変化に合わせてより安定して昇降するような構成となり、研磨材を吸い上げる過程において、吸引管に振動を付与しながら上方に吸引することから、研磨材同士が干渉して所謂「ブリッジ化」することが可及的に防止できる。
【0012】
また、前記研磨材の供給方法において、前記貯留タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を覆うように、該貯蔵タンク内の研磨材の上面の位置の変化に合わせて昇降する蓋部材を配置して、かかる蓋部材に前記吸引管を一体的に配置するとともに、該蓋部材又は吸引管に加振装置を設けて、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与しつつおこなうように構成してもよく、かかる構成によっても、該吸引管が前記貯蔵タンク内の研磨材の上面の変化に合わせてより安定して昇降するような構成となり、研磨材を吸い上げる過程において、吸引管に振動を付与しながら上方に吸引することから、研磨材同士が干渉して所謂「ブリッジ化」することが可及的に防止できる。
【0013】
また、前記研磨材の供給装置において、前記貯蔵タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を覆うように蓋部材を配置し、かかる蓋部材に前記吸引管を昇降自在に配置した構成とすると、該吸引管が前記貯蔵タンク内の研磨材の上面の変化に合わせてより安定して昇降するような構成となる。
【0014】
また、前記研磨材の供給装置において、前記貯留タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を覆うように蓋部材を配置して、かかる蓋部材に前記吸引管を昇降自在に配置するとともに、該蓋部材又は吸引管に加振装置を設けて、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与しつつおこなうように構成してもよい。
【0015】
また、前記研磨材の供給装置において、前記蓋部材又は吸引管に、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与する加振装置を設けると、研磨材同士が干渉する所謂「ブリッジ化」を可及的に防止することができる。
【0016】
また、前記研磨材の供給装置において、前記貯蔵タンク内の研磨材の上面の高さの変化に合わせて昇降自在に配置され該研磨材の上面を平坦化するよう回転する回転羽根を有していると、該研磨材の上面が平坦化されて、前記吸引管の下端部から、研磨材をより円滑に吸引することができる構成を実現できる。
【0017】
前記研磨材の供給装置において、前記貯蔵タンク内の研磨材の上面の高さの変化に合わせて昇降自在に配置され該研磨材の上面を平坦化するエアブローノズルを配置すると、該研磨材の上面が平坦化されて、前記吸引管の下端部から、研磨材をより円滑に吸引することができる構成を実現できる。
【0018】
また、前記研磨材の供給装置において、前記吸引管の上流端部の前記開口の下流側に外気取り入れ穴が配置されていると、前記開口が研磨材で閉塞されたときにも、該外気取り入り穴から外気が流れ込んで、前記開口から円滑に研磨材を吸引することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
前述のように構成された本発明にかかる研磨材の供給方法および供給装置によると、前記ブリッジ現象を可及的に防止して研磨材を円滑に高圧流体内に供給することができる研磨材の供給方法および装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の実施例にかかる研磨材の供給装置の全体の構成を概念的に示す図である。
【図2】本発明の別の実施例(実施例2)にかかる研磨材の供給装置の全体の構成を一部略図的に示した斜視図である。
【図3】図1,図2に示す実施例にかかる回転羽根と吸引管の下端部の構成を斜め下方から見て表した斜視図である。
【図4】図3とは別の形態にかかる回転羽根と吸引管の下端部の構成を斜め下方から見て表した斜視図である。
【図5】図3,図4とは別の形態にかかる回転羽根と吸引管の下端部を斜め下方から見て表した斜視図である。
【図6】図1,図2の実施例にかかる吸引管と別の構成を具備した該吸引管の下端部の構成を示す斜視図で、(a)は回転羽根と吸引管の下端部を示す斜視図、(b)は(a)の一点鎖線で示す楕円形状部分の吸引管の拡大図である。
【図7】図6と異なる構成にかかる吸引管の下端部近傍の部分拡大図である。
【図8】図1に示す供給装置とウォータージェット加工装置のノズル部分を示す概略構成図である。
【図9】本発明にかかるさらに別の実施例(実施例3)にかかる研磨材の供給装置の概略の構成を示す図である。
【図10】本発明にかかる研磨材の供給装置を備えた作業車両とその作業状況を概念的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施例にかかる研磨材の供給装置と該研磨材の供給方法について図面を参照しながら具体的に説明する。
(実施例1)
図1において、Aは研磨材の供給装置で、かかる供給装置Aは、平面視が矩形状をし上面が開口した箱状の貯留タンク1を有する。かかる貯留タンク1の形状は平面視が矩形状のものに限定されるものでなく平面視が円形状のものやその他の形状のものであってもよい。
前記貯留タンク1の上面の開口した部位には、該開口した部分(上面)を塞ぐ蓋部材2が配置されている。
そして、かかる蓋部材2の平面視における中央部位には、円筒状(パイプ状)の吸引管3が配置されている。本実施例では、前記吸引管3は蓋部材2に対して回転可能に取着されており、且つ吸引管3の下端部には、回転羽根4が一体に取着されている。
そして、前記吸引管3は、前記蓋部材2の上方に配置された回転用のモータM1により回転可能になっている。また、この吸引管3は軸長手方向(上下方向)に昇降自在に配置されている。本実施例の場合には、前記昇降は、該吸引管3の周面に上下方向に多段状に形成されたラック(図示せず)と、昇降用のモータM2の回転軸に形成された歯車(図示せず)とが係合することによって、つまり、所謂「ラックとピニオン機構」によって、昇降可能に構成されている。
【0022】
また、前記蓋部材2の上面には、振動数と振幅を変更することが可能な加振装置6が配置されている。
【0023】
さらに、前記蓋部材2には、該蓋部材2を貫通するように加圧用の管路7が配置されている。また、前記吸気管3には、該吸引の流速を増加させるための気体取入口3aを形成している。かかる気体取入口3aの位置は、吸引管3の下端から近い位置に形成することが管内の流速を増加させるという目的に照らして好ましい。
【0024】
そして、また前記蓋部材2の前記中央部位から回転羽根4の回転軌跡の外縁より外径方の位置に、つまり回転羽根4によって遮られない位置に、研磨材までの位置を検知する高さ検知装置8が配設されている。
【0025】
さらに、この実施例では、前記吸引管3の下端からやや上方の位置、この実施例では、前記気体取入口3aより上方の位置に、研磨材を検知する検知装置9が配設されている。かかる検知装置9として種々考えられるが、例えば、研磨材の通過によって明るさが変化するような光学式のものであってよい。
【0026】
そして、前記回転用のモータM1、昇降用のモータM2、加振装置6、検知装置8、検知装置9は、それぞれ、制御線L1,L2,L6,L8,L9によって、制御装置10と制御線によって接続されている。
【0027】
そして、前記吸引管3の下端は開口しており、また、吸引管3の上端は、下流端がウォータージェット加工装置(図示せず)の高圧流路側に接続されている供給管(供給チューブ)11の上流端と接続されている。
また、前記加圧用の管路7の下流端は、前記貯留タンク1の内部に開口しており、該管路7の上流端は、上流端がコンプレッサー(図示せず)の吐出口側に接続されている加圧チューブ12の下流端と接続されている。
【0028】
しかして、このように構成された研磨材の供給装置Aは以下のように研磨材を円滑に供給することができる。以下、前記制御装置10の制御内容とともに、研磨材の供給方法について説明する。
【0029】
まず、使用に際して、前記貯留タンク1内に、研磨材20を適量投入しておく。かかる状態で、図示しないウォータージェット加工装置、および前記コンプレッサーをONの状態にし、本研磨材の供給装置AのメインスイッチをONにする。
【0030】
この結果、前記加圧用の管路7の下端の開口から加圧空気が供給されて貯留タンク1内の気圧が大気圧より高い状態となり、また、前記回転用のモータM1が前記吸引管3と前記回転羽根4とを回転させる。さらに、前記加振装置6が動作して、蓋部材3及び吸引管3が振動を始める。
このような状態で、前記ウォータージェット加工装置の噴射ノズルから高圧流体が噴射されると、前記吸引管3内は所定の負圧状態となることから、該吸引管3の下端の開口3cから、その下方の研磨材が吸引される。
このように吸引管3の下端の開口3cの下方領域の研磨材が吸引されて研磨材の表面の中央部分が凹んだ状態になるが、その周囲より、研磨材が自然に崩落し、且つ、前記回転羽根4の回転によって、周辺の研磨材が強制的に中央部分へ崩落させられる。
【0031】
そして、前記状況により前記検知装置8下方領域の研磨材の表面が下がって来ると、検知装置8がそれを検知して、その旨の信号を前記制御装置10をに送信する。その結果、制御装置10は、前記モータM2を回転させて、前記吸引管3を所定の量(距離)だけ下降させる。この結果、研磨材の表面と前記吸引管3の下端の開口3cの上下方向の相対位置が常に所定の範囲内に維持されることになる。
【0032】
そして、前記検知装置9は、前記吸引管3内を通過する研磨材を検知し、例えば、研磨材のブリッジ現象、具体的には、研磨材が通過しない、あるいは研磨材が移動していない状態を検出すると、その旨、前記制御装置10に伝達する。その結果、制御装置10は、前記加振装置6は、前記検知装置9が、前記ブリッジ現象の解消を検知するまで、振動数と振幅の両方あるいはそのうちの一方(振幅又は振動数)を変化させる。このような加振装置6の振動と振幅に関する変化は、所定時間、振動のみを種々変化させ、あるいは振幅のみを種々変化させ、これらを変化させてもなおブリッジ現象が解消しない場合に、振動と振幅の両方を種々変化させるようにするのが、効率の点から好ましい構成となる。このため、吸引管3の内部のブリッジ現象は、迅速に解消することになる。
【0033】
本実施例にかかる研磨材の供給装置Aおよび該装置を使用して実現される供給方法によれば、研磨材はブリッジ現象を生ずることなく円滑に供給することが可能となる。
(実施例2)
次に、別の形態の実施例(実施例2)について、図2を参照しながら説明する。この実施例2にかかる研磨材の供給装置は、前述した実施例1のものに比べてよりシンプルに構成されている。つまり、
この実施例2にかかる研磨材の供給装置A2の場合、研磨材の貯留タンク101が平面視において円形をしている点で異なり、また、前記検知装置8,9(図1参照)が設けられておらず、従って、制御装置(図示せず)も検知装置8,9からの信号を受信して対応する制御をおこなうことが無い点でその分簡素に構成されている。また、加振装置106は、所定の単一の振動数と振幅でのみ加振する構成のものが使用されている。そして、かかる加振装置106は、この実施例2の場合、吸引管103への加振効果を高めるべく貯留タンク101の内部、つまり吸引管103の下端部に配設されている点で相違する。また、回転用のモータ100M1と昇降用モータ100M2とが、蓋部材102の別の位置に分離して配置されている。また、加圧用の管路をもうけていない点において、且つ、前記気体取入口を設けていない点において相違する。その他の点では、前記実施例1のものと同じ構成であり、且つ基本的に同じ作用効果を奏するものであることから、実施例1の構成に対応する構成については、100を加えた参照番号(参照符号)を付して、それらの説明を省略する。
【0034】
そして、実施例1および2に採用されている回転羽根4,104を詳細に図示すると、図3に図示するような形態を有する。この図3において、矢印Rは回転羽根4,104の回転方向を表す。
また、別の形態の回転羽根204,304としては、図4〜図5に図示するような形態のものであってもよい。
【0035】
さらに、前記気体取入口3aに代えて、あるいは追加して、図6に図示するように、吸引管3の下端近傍に配置してもよい。また、かかる気体取入口3aを、複数周囲に配置してもよい。
【0036】
また、図7に図示するように、前記気体取入口3aが研磨材によって外周方から閉塞されることを防止するため、チューブ40を介して上方の空気を吸引するよう構成してもよい。
【0037】
さらに、図8に図示するように、前記貯留タンク1からウォータージェット加工装置の噴射ノズル15までの距離が長いとき、あるいは研磨材の吸引力が弱いときには、前記供給管11の途中に、吸引力を増加させるブースター13を配設してもよい。なお、図8において、参照番号16は、高圧流路を形成する管路を表す。
(実施例3)
最もシンプルな実施例(実施例3)としては、図9に図示するように、平面視が非円形状(例えば矩形状)をし上面が開口した箱状の貯留タンク301に、前記貯留タンク301の形態に対応した平面視が非円形状(例えば矩形状)の形態をした蓋部材302を昇降自在に配置するとともに、かかる蓋部材302に吸引管303を一体に配置した構成とすることもできる。かかる場合、蓋部材302の下方に脚部材329を配置して、貯留タンク1内の研磨材の消費に合わせて蓋部材302が自重で下降するように構成してもよい。かかる場合にも、蓋部材302の下方に回転可能に前記回転羽根4(104,204,304)を配置するとともに、該蓋部材302あるいは前記吸引管303に加振装置306を配置することが望ましい構成となる。なお、図9において、310は制御装置で、実施例1と同じく、検知装置9からの検知信号に基づいて加振装置306を制御し、また回転用のモータM1を制御する。また、図9おいて、図1の実施例と同じ構成については同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0038】
ところで、前記研磨材の供給装置A,A2は、図10に図示するように、作業車両V1に搭載され、ウォータージェット加工装置を搭載した別の作業車両V2に搭載したウォータージェット加工装置から高圧流路(高圧ホース)19を延設して、該延設した先端に噴射ノズル15を設けるとともに、該噴射ノズル15に前記研磨材の供給装置A,A2から延設された供給管11を接続して、高圧流体に研磨材を混入する。そして、図8に図示する実施例の場合には、前記作業車両V1にリフト式の作業用プラットフォーム17が配置され、かかるプラットフォーム17に作業者Wが載って前記噴射ノズル15を被加工物(図8で柱21)に向けて、加工することになる。
【0039】
図8は単なる1つの実施例を示しただけで、1つの作業車両にウォータージェット加工装置と前記供給装置A,A2を搭載してもよい。
【0040】
また、前述した実施例は本発明の単なる1つの実施例であって、本発明は、前記実施例に限定されるものでなく、本発明の技術的思想に基づく範囲において種々の形態で実施することが可能となることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明にかかる研磨材の供給装置と該研磨材の供給方法は、ウォータージェット加工装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0042】
A…研磨材の供給装置
1…貯留タンク
2…蓋部材
3…吸引管
3c…開口(吸引口)
11…供給管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留タンク内に貯蔵した研磨材を供給管を介してウォータージェット加工装置の高圧流路側に供給する研磨材の供給方法において、
前記貯留タンク内に貯留された研磨材を、該貯留タンク内の研磨材の消費による上面の高さの変化に合わせて吸引管を昇降させて、該吸引管の下端部に形成された吸引口から前記研磨材を吸引して、該吸引管の下流端に接続された前記供給管へ研磨材を供給するよう構成されていることを特徴とする研磨材の供給方法。
【請求項2】
前記貯留タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を覆うように蓋部材を配置して、かかる蓋部材に前記吸引管を昇降自在に配置するとともに、該蓋部材又は吸引管に加振装置を設けて、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与しつつおこなうことを特徴とする請求項1記載の研磨材の供給方法。
【請求項3】
前記貯留タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を覆うように、該貯蔵タンク内の研磨材の上面の位置の変化に合わせて昇降する蓋部材を配置して、かかる蓋部材に前記吸引管を一体的に配置するとともに、該蓋部材又は吸引管に加振装置を設けて、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与しつつおこなうことを特徴とする請求項1記載の研磨材の供給方法。
【請求項4】
貯留タンク内に貯蔵した研磨材を供給管を介してウォータージェット加工装置の高圧流路側に供給する研磨材の供給装置において、
前記研磨材が内部に貯留された貯留タンクと、該貯留タンク内に貯蔵された研磨材の消費による上面の高さの変化に合わせて昇降自在に配置され下端部に吸引口が形成された吸引管と、該吸引管の下流端に上流端が接続され下流端がウォータージェット加工装置の高圧流路側に接続された供給管とを有することを特徴とする研磨材の供給装置。
【請求項5】
前記貯蔵タンク内に貯蔵されている研磨材の上方を塞ぐように蓋部材を配置し、かかる蓋部材に前記吸引管を昇降自在に配置したことを特徴とする請求項4記載の研磨材の供給装置。
【請求項6】
前記蓋部材又は吸引管に、研磨材の供給に際して吸引管に振動を付与する加振装置を設けたことを特徴とする請求項4又は5記載の研磨材の供給装置。
【請求項7】
前記研磨材の供給装置において、前記貯蔵タンク内の研磨材の上面の高さの変化に合わせて昇降自在に配置され該研磨材の上面を平坦化するよう回転する回転羽根を設けたことを特徴とする請求項4〜6のいずれか1の項に記載の研磨材の供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−200985(P2011−200985A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−71802(P2010−71802)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(505398941)東日本高速道路株式会社 (66)
【出願人】(505398952)中日本高速道路株式会社 (94)
【出願人】(505398963)西日本高速道路株式会社 (105)
【出願人】(507194017)株式会社高速道路総合技術研究所 (33)
【出願人】(391051326)ヤマモトロックマシン株式会社 (17)