説明

硫化水銀を介する、硫黄ポリマセメントを用いた液体水銀を安定化するための方法

本発明は、硫化水銀を介し、硫黄ポリマセメントを用い、液体水銀を安定化する方法に関する。硫黄ポリマセメントの生成によって液体水銀を安定化するその方法は、(a)水銀と元素硫黄との間の化学量論的条件における化学反応によって、液体水銀を硫化水銀(黒辰砂)に変換する工程、および(b)前の工程で得られた硫化水銀を、骨材、元素硫黄および硫黄ポリマの安定な混合物に含ませて、硫黄ポリマセメントを得る工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫黄ポリマセメントを用い、先に液体水銀を硫化水銀(黒辰砂(metacinnabar))に変換し、液体水銀を安定化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
アマルガメーション(amalgamation)は、固体の不揮発性生成物となる、水銀の反応性金属、例えば銅、金、亜鉛、アルミニウム、ニッケル、スズ、銀、または硫黄との組み合わせとして規定される。実際、アマルガムは水銀および固体金属を溶解することにより得られる半固体溶液である。このプロセスは、それらの鉱石からの貴金属の抽出のために使用されている(アマルガメーション後、アマルガムは熱処理に供せられ、水銀が揮発し、貴金属が回収される)。アマルガメーションは、液体水銀を処理するための比較的安価で、迅速なプロセスであるが、プロセスの欠点は、より大きな規模で使用する困難性、および高効率を達成するために希硝酸を使用する必要性から生じる。さらに、アマルガム中に水が存在すると、アマルガメーション金属の水酸化物の形成に至る可能性があり、これにより、プロセスが例えば放射性元素により汚染された水銀の処理に不適切なものとなる。典型的には、この方法は、危険な廃棄材料中の水銀の不安定な形態を十分安定化することができない。
【0003】
硫黄との反応の場合、何人かの著者は、これをアマルガメーションプロセスとし考えるが、水銀および硫黄の組み合わせから、金属硫化物が形成され、これは新規化合物であり、アマルガムまたは合金である。よって、硫黄との反応を含むプロセスは、安定化プロセスとして考えられる。普通は、残留元素水銀廃棄物の混合物に対する「実証された利用可能な最高の技術」(Best Demonstrated Available Technology−BDAT)はアマルガメーションであり、これは他の金属、例えば亜鉛、銅または金との合金の形成である。しかしながら、BDATは、これをそういうものとして考えるが、実際にはアマルガメーションプロセスではなく、というのも硫黄との反応により硫化水銀を形成するからである。
【0004】
いくつかのプロセスでは、水銀は粉末および/または液体硫黄(多硫化物)と反応し、硫化水銀を形成する。硫化水銀は、水銀と硫黄の間で形成される最も安定な化合物であり、2つの安定な形態で存在する。第1のものは、黒色立方四面体形態(黒辰砂)であり、他の安定な形態は辰砂(cinnabar)として自然界で見られる赤色六面体形態である。両方の形態は、水および酸性溶液に不溶である。過剰の硫黄アニオンを有するアルカリ溶液中では、HgSは、反応:HgS+S2−→HgS2−により溶解する。
【0005】
HgSを形成する別の通常の方法は、HClに水銀を溶解し、これを中和してHgCI水溶液を形成させ、その後にNaSを添加することにより硫化水銀を沈殿させることにある。この方法は、大規模に適用することはできず、というのは、塩化水銀がわずかに水に溶解し、ある量の水銀を有する二次処理水が生成するからである。
【0006】
可溶性水銀は埋め立て地、堆積物など、中に堆積されたものなどの材料中に存在する可能性がある。しばしば、水銀をこれらの材料から除去しようする試みは物理的および経済的に不可能である。これらの堆積物からの水銀を含む廃水は、給水および土地を汚染する可能性がある。米国特許第US4,354,942号は、水銀含有材料の堆積物中の可溶性水銀をその場で安定化させるためのプロセスを記載する。このプロセスは、堆積物を無機硫黄化合物(硫化物、アルカリ金属チオ硫酸塩、アルカリ土類金属チオ硫酸塩、アルカリ金属亜ジチオン酸塩およびアルカリ土類金属亜ジチオン酸塩)から構成される、ある量の安定化剤で処理する工程を含む。無機硫黄化合物は、可溶性水銀と反応し、これを水に不溶の水銀化合物に変換する。
【0007】
HgSを形成するための元素水銀と元素硫黄の間の直接反応は広く知られている。その方法の欠点は、元素SとHgの間の反応が完全ではない、すなわち、反応後、元素Hgの一部が、HgSとならずに、そのようなものとして残ることである。HgSは元素Hgよりも浸出しにくく、化学的に安定な生成物である。水銀の残りのいくらかが硫黄中で閉塞されることを防止するために、元素水銀を分散させるために界面活性剤を使用することができる。
【0008】
他方、文書US5,562,589号は、硫黄を用いた高温度での、土壌、砂、水路浚渫および、廃棄物(重金属および毒性または危険な有機薬品、例えばポリ塩化ビフェニル類(PCB類)またはポリ塩化ジベンゾ−p−ダイオキシン類(PCDD)を含む)の焼却からのフライアッシュの処理のための安定化方法を記載する。無機性基質は、有機廃棄物および硫黄と、後者の融点を超える温度で混合される。得られた混合物は、350−600℃の間で、基質安定化が起こるのに十分な時間の間維持される。前の反応で生成される硫黄蒸気は、不活性キャリアガス(N、COまたは過熱蒸気流)によりドラッグ(drag)させることにより再利用することができる。よって、無機性基質は無害な、非浸出性材料に変換され、存在する有機薬品残留物はいずれも、同時に炭素および硫黄ポリマに変換され、不活性材料が生じる。
【0009】
文書US6,403,044号は、水銀を含む初期残留物を、多硫化物および多硫化物以外の、硫黄を含む反応性化合物と組み合わせ、複合材料を形成させる工程と、複合材料を水銀または水銀残留物と混合し、硫化水銀を形成させる工程を含む、プロセスを記載する。多くの水銀残留物が水を含むので、硫黄を含む反応性化合物は水銀と水溶液中で反応する。元素硫黄、無機硫黄(アルカリ金属二硫化物、メルカプタン、およびアルカリ金属の硫化物)および/またはそれらの混合物は、硫黄含有材料として使用され得る。多硫化物は、硫黄を含む反応性化合物と不安定な形態の水銀の間の反応の活性化剤として機能し、好ましくは、多硫化カルシウム、多硫化ナトリウムおよび他のアルカリ土類の多硫化物ならびにそれらの混合物の群から選択される。この多硫化物の形態は、水中で高溶解性である。混合工程は、貫入混合技術により、粘性材料を混合し全ての蒸発液体を排出または放出させる装置を使用して実施される。著者によれば、最終生成物は、毒性指標浸出法(Toxic Characterization Leach Procedure)またはTCLP試験に合格することができ、1000ppm以下の元素水銀および/または環境的に不安定な形態の水銀種を含む可能性がある。
【0010】
元素硫黄の水銀との反応は、室温で自発的で、高発熱であり、その速度は温度に依存する。反応の熱エネルギーの放出は、操作温度、ひいては、反応速度を上昇させることができ、よって追加のエネルギーが増加し、そのため、非制御反応に至る可能性がある。水および/または増量剤(bulking agent)が使用され、混合工程中の温度が制御され、温度が100―120℃を超えるのを防止する。増量剤(任意の細孔粒状材料、例えば粘土、セメント、土壌、など)は、温度制御だけでなく、効率的な混合が起こるのに十分な体積を提供する。
【0011】
文書US6,911,570号は、水銀を含む重金属を、とりわけ微粒子材料(固体廃棄物および土壌)内にこれらの金属が分散された場合に、安定化するための方法を記載する。プロセスは、硫黄含有化合物を刺激して不溶性金属硫化物を形成させるために、酸素を微粒子材料に吹き込むことにより、様々な添加物の微粒子材料との撹拌を介して不溶性金属硫化物を形成する工程を含む。反応性金属は、Zn、Sn、Cu、Ti、Pbの元素形態またはそれらの混合物であってもよい。硫黄を含む化合物は、硫化物または多硫化物、硫化水素、ジメチルチオカルバメート、ジエチルチオカルバメート、硫化ナトリウムまたはチオ硫酸ナトリウム、多硫化カルシウムであってもよい。しばしば、反応していない過剰の硫黄または多硫化物は、不溶性金属硫化物を形成した後、微粒子材料中に残る。硫黄量は多くの環境規則において制限されるので、上記反応で生成された過剰の硫黄は、微粒子材料が含む反応性金属との反応により除去される。そのために、鉄が、金属または任意のその塩(塩化物、硫酸塩など)のいずれかで使用され、これは過剰の硫黄と反応し、不溶性硫化物を形成する。
【0012】
文書WO2006016076号は、金属水銀を固体状態の硫黄との反応により安定化するための方法を記載する。反応は、回転を調整し、大気圧よりも高い制御された圧力で動作させることにより密閉された反応器内で起こる。
【0013】
様々な比率の元素水銀と硫黄の撹拌による研究室規模での硫化水銀の形成に関する研究があり、例えばLN Oji(硫黄反応を介する水銀処分、ジャーナル オブ エンバイロンメンタル エンジニアリング−ASCE(Mercury disposal via sulfur reactions. Journal of Environmental Engineering−ASCE)124(10)(1998)945−952)である。この場合、元素SとHgの間の反応は、密閉され、反応において生成された熱を放散させるために水により冷却された反応器内、アルゴンの存在下で起こる。反応器は、ブレードを有する鋼棒から構成される撹拌システムを有する。撹拌速度は1060rpmであり、撹拌時間は0.20と0.28の間のモル比S/Hgを使用して、30秒と60秒の間で変動し得る。M.ファーマン(Fuhrmann)、D.レラメド(Relamed)、PD カルブ(Kalb)、JW アダムス(Adams)およびLW ミリーナ(Milina)により実施された研究では(硫黄ポリマ固化/元素水銀廃棄物の安定化、ウェイスト マネジメント(Sulfur polymer solidification/stabilization of elemental mercury waste. Waste Management)22(2002)327−333)、液体HgおよびHg残留物の混合物(すなわち、放射性核種により汚染された液体Hg)は、過剰の硫黄ポリマセメントおよび硫黄添加物(硫化ナトリウムおよび/またはシアネックス(Cyanex)471x)と混合される。混合物は40℃まで、数時間、全てのHgがHgSに変換されるまで加熱される。その後、混合物は135℃まで加熱され、新しい量の硫黄およびポリマセメントが添加され、溶融塊が得られ、これは冷却されると固化する。
【0014】
近年、HgOおよび元素Hgからの、天然および合成硫化物(黄鉄鉱およびトロイライト)を使用した、異なるpH、好気的および嫌気的条件下でのHgSの形成が研究されている(M.スベッソン(Svensson)、B.アラード(Allard)、A.デュッカー(Duker)HgSの形成−HgOまたは元素HgのS、FeSまたはFeSとの混合(Formation of HgS−mixing HgO or elemental Hg with S,FeS or FeS)、サイエンス オブ ザ トータル エンバイロンメント(Science of the Total Environment)368(2006)418−423、M.スベッソン、B.アラード、A.デュッカー.辰砂の形成−提案されたスウェーデン処分場における有利な条件の推定(Formation of cinnabar−estimation of favourable conditions in a proposed Swedish repository)、ジャーナル オブ ハザード マテリアルズ(Journal of Hazardous Materials)B136(2006)830−836)。これらの型のプロセスは、「湿式法」で、pHを制御して、空気の存在下、または非存在下、Sキャリア材料として金属硫化物、例えば黄鉄鉱を使用して実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】米国特許第4,354,942号明細書
【特許文献2】米国特許第5,562,589号明細書
【特許文献3】米国特許第6,403,044号明細書
【特許文献4】米国特許第6,911,570号明細書
【特許文献5】国際公開第2006/016076号パンフレット
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】LN Oji,硫黄反応を介する水銀処分,ジャーナル オブ エンバイロンメンタル エンジニアリング−ASCE(Mercury disposal via sulfur reactions,Journal of Environmental Engineering−ASCE),124(10),1998,pp.945−952
【非特許文献2】M.ファーマン(Fuhrmann)、D.レラメド(Relamed)、PD カルブ(Kalb)、JW アダムス(Adams)およびLW ミリーナ(Milina),硫黄ポリマ固化/元素水銀廃棄物の安定化,ウェイスト マネジメント(Sulfur polymer solidification/stabilization of elemental mercury waste,Waste Management),22,2002,pp.327−333
【非特許文献3】M.スベッソン(Svensson)、B.アラード(Allard)、A.デュッカー(Duker),HgSの形成−HgOまたは元素HgのS、FeSまたはFeS2との混合(Formation of HgS−mixing HgO or elemental Hg with S, FeS or FeS2),サイエンス オブ ザ トータル エンバイロンメント(Science of the Total Environment),368,2006,pp.418−423
【非特許文献4】M.スベッソン、B.アラード、A.デュッカー,辰砂の形成−提案されたスウェーデン処分場における有利な条件の推定(Formation of cinnabar−estimation of favourable conditions in a proposed Swedish repository),ジャーナル オブ ハザード マテリアルズ(Journal of Hazardous Materials),B136,2006,pp.830−836
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明の著者らは、ボールミルでの元素硫黄との反応により、最初にHgを黒辰砂(HgS)に変換する工程と、後に、それを、骨材(aggregates)、元素硫黄(elemental sulfur)および硫黄ポリマ(sulfur polymer)の混合物を使用して製造された安定なマトリクス中に含ませる工程とを含むプロセスにより、液体水銀を安定化し、固定(immobilize)することが可能であることを見いだした。本発明では、硫黄ポリマセメントは、骨材、元素硫黄および硫黄ポリマの混合物として見なされる。この安定化および固定プロセスは、その耐久性を確保する物理化学特性を有する材料を得ることにより、液体水銀を安全に保存する新規方法である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
様々な量の金属Hgを、様々な組成のマトリクス調合物(骨材、硫黄および硫黄ポリマの混合物)と共に含む硫黄セメントが存在する。同時に、既存の手順は、CaCO(「フィラー」)を使用せず、使用される骨材はより粘度が高く、すなわち、この手順で開発されたものとは異なる粒度分布を有する。
【0019】
本発明では、金属Hgは硫化水銀(HgS)に変化させられた後、ポリママトリクス中に導入され、これにより最終生成物に最良の物理化学特性(主に、攻撃的な条件におけるより少ない浸出、屈曲および圧縮破裂に対するより良好な機械抵抗およびより低い気孔率)が与えられる。これにより、本発明の最終物質は、短、中、長期間、より安定であると考えられ、そのため、開発されたプロセスは、金属Hgの安全で永久的な保存に対し有利である。
【0020】
本発明は金属Hgをより危険の低い化学生成物(国際標準化試験条件においてより浸出性が低い)に変換し、骨材、元素硫黄および硫黄ポリマの混合物から製造されるマトリクス中にこの生成物を閉じ込めるための方法を提供する。
【0021】
そのため、本発明は、下記を含む液体水銀を安定化するための方法(以後、本発明の方法)に関する:液体水銀および元素硫黄を、化学量論的条件において、ミリングプロセスを用いて反応させ、硫化水銀(黒辰砂)を反応生成物として得る工程(a)を含む液体水銀の安定化のための方法である。
【0022】
本発明では、「安定化するための方法」は、安定な化合物または水に溶解しない化合物を形成するための化学的固定も含む物理化学的方法を意味する。安定化は、正常な条件での、危険物質、例えばHgの環境への蒸発または浸出の可能性を減少または排除する。
【0023】
工程(a)のミリングプロセスは、いずれの当業者にも知られている任意のミリングプロセスにより実施される。好ましくは、ミリングプロセスは任意のボールミルにおいて実施される。より好ましくは、粉砕プロセスは高エネルギー遊星ミル(high energy planetary mill)、例えばプルベリセッテ(Pulverisette)6において実施される。
【0024】
好ましい実施形態では、上記で記載される方法はさらに、工程(a)で得られた生成物を、骨材、元素硫黄および硫黄ポリマを含む混合物に添加し、最終生成物として硫黄ポリマセメントを得る工程(b)を含む。
【0025】
本発明の方法において使用するのに好適な液体水銀は、これを残留物またはサブ生成物として生成する任意の産業プロセスに由来する可能性がある。本発明の方法の好ましい実施形態では、液体水銀は、塩素および金属の製造由来の触媒であり、これは、再利用されたバッテリ、温度測定装置、または、産金からの残留物などから得られる。本発明の方法によるその処理は、その危険を排除し、安全な貯蔵を可能にする。
【0026】
そのため、本発明の方法の好ましい実施形態では、開始液体水銀は、腐食性塩素産業に由来し、よって、本発明の方法による硫黄ポリマセメントが得られる。本発明において記載されるように、液体水銀から始めて、硫黄ポリマセメントを得ることが可能であり、その特性は、混合物中に存在する硫化水銀の比、硫黄および硫黄ポリマの比、ならびに骨材の比に依存するであろう。
【0027】
本発明の方法は、元素硫黄を用いて実施される。下記式(式1)は工程(a)において起こる化学反応を反映する:
Hg+S→HgS
【0028】
上記式に従う黒辰砂(αHgS)の形成のためのギブス自由エネルギー(AG)(ヘプラー(Hepler)、LGおよびオロフソン(Olofsson)、G.ケミカルレビュー(Chemical Reviews)、75(5)、582−602.1975を参照されたい)は、25℃で−10.6kcal.mol−1である。
【0029】
本発明の方法の好ましい実施形態では、上記方法において硫化水銀の形成剤として作用する、工程(a)で使用される元素硫黄は、粒径<60μmを有する任意の型の粉末元素硫黄であり、前に述べたものより大きな粒径を有する任意の元素硫黄を使用してもよいが、上記で述べたものより小さな粒径を得るためには、これを粉砕する必要があるであろう。
【0030】
好ましくは、石油誘導体の脱硫から生じる市販の元素硫黄が使用される。
【0031】
好ましくは、前記ミリングはボールミル中、400rpmと450rpmの間の速度で、15分と60分の間の期間実施される。より好ましくは、粉砕速度は、60分の期間の間400rpmである。
【0032】
本方法の別の好ましい実施形態では、工程(a)(HgおよびS)のボール/反応混合物重量比は、5.3と10.7の間である。より好ましくは、工程(a)(HgおよびS)のボール/反応混合物重量比は5.4である。
【0033】
本発明の方法の工程(a)は、当業者に知られている様々な実験技術により制御することができる。適切な技術の選択、ならびにそれらの実行は、当業者にとって日常的業務である。例えば、液体水銀の硫黄との反応で得られる結果は、X線回折(XRD)、走査型電子顕微鏡観察(SEM)および原子蛍光分析による水銀の決定のための化学分析により研究してもよい。
【0034】
硫化水銀が得られた時点で、安定な硫黄ポリマセメントの生成が実施される。
【0035】
本発明の方法の好ましい実施形態では、工程(b)において、骨材、元素硫黄および工程(a)で得られた硫化水銀を含む混合物がオーブンで、155℃と165℃の間の温度で加熱される。硫黄が溶融されると、温度が約130−150℃まで低下される。最も好ましい温度は140℃である。その温度に到達した時点で、硫黄ポリマが熱混合物中に組み込まれる。温度は140℃で、混合物を撹拌しながら、完全にポリマが溶融するまで維持され、これは5分と10分の間の時間で達成される。好ましくは、完全ポリマ溶融は約6分で起こる。
【0036】
本発明では、「硫黄ポリマ」は化学修飾硫黄(chemically modified sulfur)として理解される。修飾は、114℃よりも高い温度まで加熱されたSを冷却する間に、約94℃で現れるS(α)種、斜方晶系の形成、および、Sのポリマ型への変換に好適であり、硫黄セメントを得るために使用され得るS(β)単斜晶(モノクリニカル:mono clinical)型の出現率を阻止するために必要である。
【0037】
硫黄を化学修飾するための多くの手順が存在する。修飾は、硫黄のジシクロペンタジエン(DCPD)、シクロペンタジエン(CPD)、ペンタジエン、ジペンテン、オルガノシラン類、グリコールおよび油、リン酸との組み合わせを介して、またオレフィン炭化水素ポリマ類を介して達成することができ、これは、ヴルーム(Vroom)、AH(1981)による米国特許第4,058,500号に従い、硫黄を修飾するための本発明における選択法である。
【0038】
本発明では、「骨材」は、化学安定性および機械的強度により他の材料とは異なる粒状材料として理解される。それらは天然骨材、例えば堆積石灰岩(石灰岩またはドロマイト)、砂、砂利、または花こう岩、玄武岩または珪岩のような他の岩、などとすることができる。それらはまた、人工または再利用起源、例えば建設および解体廃棄物由来としてもよい。
【0039】
前記方法の別の好ましい実施形態では、骨材の混合物は、混合物の総重量に基づき19重量%と23重量%の間の比の、6.3mm未満の粒径を有する砂利、混合物の総重量に基づき38重量%と47重量%の間の比の砂、混合物の総重量に基づき6重量%と8重量%の間の比の炭酸カルシウム、混合物の総重量に対し10重量%と15重量%の間の比の元素硫黄、混合物の総重量に基づき1重量%から1.5重量%の比の硫黄ポリマ、および混合物の総重量に基づき6重量%と30重量%の間の比の水銀硫黄を含む。
【0040】
方法の別の好ましい実施形態は、工程(b)で得られた熱混合物が、モールド内に堆積され、好適な仕上がりを有する材料が得られる最終段階をさらに含む。好ましくは、材料は、サンプルの粘度によって、30秒と60秒の間の範囲の時間の間、3000rpmの振動数を有する振動する台上に置かれる。表面は平滑化され、石材料は室温まで冷却される。その後、型から取り出され室温で保存される。
【0041】
全体として、本発明の方法の両方の工程−(a)水銀と元素硫黄との間の化学量論的条件における化学反応による液体水銀の硫化水銀(黒辰砂)への変換;および(b)前の工程で得られた硫化水銀を、骨材、元素硫黄および硫黄ポリマから構成される安定な混合物中に組み入れることによる、硫黄ポリマセメントの生成を用いて、液体水銀の完全な安定化が達成され得る。
【0042】
よって、圧縮および屈曲破裂に対し高い機械抵抗を有する硫黄ポリマセメントが得られ、これは現行の規則により許容される限界よりも十分低いHg量を有する浸出液を生成し、高い耐久性を有し、これらは全て工程(a)および(b)に関与する様々な材料の使用される比に依存する。
【0043】
本発明は、様々な産業部門(例えば、塩素の製造プロセス(腐食性塩素産業)、水銀廃棄物、および水銀汚染土壌)に由来する金属水銀の頑丈なマトリクス中での閉じ込めに適用される。
【0044】
説明および特許請求の範囲を通して、「含む、有する(comprise)」という用語およびその変形は、他の技術特徴、添加物、成分または工程を排除することを意図しない。当業者には、本発明の他の目的、利点および特徴は、1つには明細書から、1つには本発明の実施形態から明らかであろう。下記実施例および図面は、説明のために提供され、本発明を制限することを意図しない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態において使用される骨材混合物の粒度分析曲線を示す。
【図2】1時間のミリング後の液体水銀と元素硫黄との間の反応の生成物のX線回折スペクトルを示す。
【図3】1時間のミリング後に得られた反応生成物の走査型電子顕微鏡観察(SEM)のマイクロ写真を示す[(a)黒辰砂の表面コーティングを有する粒子の外観(b)黒辰砂結晶でコートされた、不規則粒状形態を有する1組の粒子の外観]。
【図4】本発明のプロセスの工程(a)および(b)後に得られた硫黄ポリマセメントのマクロ写真を示す。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明者らにより実施された、硫化水銀を介する、硫黄ポリマセメントを使用する液体水銀の安定化プロセスの有効性を証明する試験により本発明を説明する。
【実施例】
【0047】
A.使用される材料
石油精製所からの粒径が60μm未満の元素硫黄および硫黄ポリマ(STX(登録商標))を使用した。粒径が4mmと6.30mmの間である砂利および4mm未満の粒径まで破砕されたケイ砂の乾燥混合物を骨材として使用した。0.125mm未満の粒径を有する炭酸カルシウム(99.5%純度)を微粒子材料として使用した。それぞれの比は、重量%として表され、これらは30−60−10(砂利、砂および微粒子)であった。粒度分析曲線を図1で示す。これらの実施例で使用される水銀は、塩化ナトリウムの電気分解により塩素を得るための工場から来ている。
【0048】
B.硫化水銀の形成
100gの混合物あたり86.2gの水銀および13.8gの硫黄により構成される液体Hgおよび元素Sの混合物を調製した。これらの比を、HgS(式1)の形成のための化学量論的反応に合わせた。形成反応は遊星ミルプルベリセッテ6により提供される機械的エネルギーを介して、5.4のボール/ロード重量比、400rpmの速度、および1時間のミリングで実施される。
【0049】
硫化水銀の鉱物組成を、X線回折(XRD)により、Cuアノード(CuKα放射線)を有するブルカーD8ディスカバー(Bruker D8 Discover)回折計を用いて決定した。発電機電圧および電流はそれぞれ、40kVおよび40mAであった。
【0050】
X線回折スペクトルにおいて観察されるように(図2)、1時間後の反応生成物は、主に黒辰砂およびずっと少量の残留硫黄から構成される。
【0051】
液体水銀と硫黄の間の反応で得られる生成物の形態分析を、走査型電子顕微鏡観察(SEM)により日立(Hitachi)S−2100顕微鏡を用いて実施した。反応生成物を接着テープ上に堆積させ、その後それらを、グラファイトを用いて金属化することによりサンプルを調製した。
【0052】
反応生成物の形態を図3(セクションaおよびb)に示す。図からわかるように、好ましくは立方相黒辰砂の表面粒子堆積を有する粒状形態である。
【0053】
浸出性水銀量を決定するために、TCLP(EPA法1311)プロトコルに従った。このため、1時間の粉砕後に得られた反応生成物、それぞれ20gの3つのサンプルを、酢酸および水酸化ナトリウムの混合物400mlで抽出した。サンプルを18時間の間撹拌し続け、その後、47mmのフローサイズを有するプレフィルタおよび0.7μmのフローサイズを有するガラス繊維フィルタが備えられたミリポア(Millipore)真空フィルタ上で濾過した。濾過された溶液を、硝酸でpH<2まで酸性化し、水銀量をレコ(Leco)AMA254装置上で冷蒸気原子吸収技術を用いる分析により決定した。
【0054】
同じ分析手順に従い、本発明で使用される最初の液体水銀サンプル中の浸出性水銀量を決定した。
【0055】
1時間のミリング後、水銀と硫黄の間の反応から得られた浸出生成物中の水銀量の分析は、31μg/lの平均値を与える。液体水銀サンプルに対し実施された同じ分析は、8.96mg/lの平均値を与える。水中のHg量の許容限度は200μg/lである。
【0056】
C.硫化水銀を安定な骨材、元素硫黄および硫黄ポリマから構成される混合物に組み込むことによる硫黄ポリマセメントの生成
前の工程で得られた硫化水銀(HgS)を使用し、それらを骨材、元素硫黄および硫黄ポリマから構成される混合物中に組み込むことにより、石材の生成を実施した。
【0057】
セクションAで記載される骨材混合物および元素硫黄を155−160℃の間、グリセリン浴中で維持し、その後、石材の形成反応を実施した。混合物を撹拌し、この温度では、溶融段階にある硫黄の均質化を促進する。混合物が約150℃の温度にある時に、前の工程で得られた硫化水銀を添加し、その後、ポリマ硫黄を添加し、混合物を振盪、撹拌し、その融合および全ての成分の均質化を促進する。これは約6分で達成される。
【0058】
温度を140℃未満に降下させずに、熱混合物をモールドに注ぎ入れ、これを、サンプルの粘度によって、30秒と60秒の間の範囲の期間の間、3000rpmの振動数で、振動する台内で撹拌させる。その後、表面を平滑化し、モノリスを室温まで冷却させる。それらをその後、モールドから取り出し、室温で保存する。
【0059】
使用するモールドは、40x40x160mmの寸法であり、それらの物理化学特性の研究に標準規則を適用することを可能にする。
【0060】
様々な量の硫化水銀を、骨材と硫黄の混合物中に混入した。混合物は、それら全て(総重量に基づく重量%)に、15%の元素硫黄および1.5%のポリマ硫黄を添加することにより調製した。
【0061】
混合物の総重量に基づき、5.8重量%と23.2重量%の間のHgSの添加について試験した。これらの量は、混合物の総重量に基づく5重量%と20重量%の間の液体Hg量と同等である。表1は試験した混合物の組成を示す。
【0062】
図4は、前に記載された工程で得られた、様々な比率の硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントのマクロ写真を示す。
【0063】
【表1】

【0064】
D.水銀を含む硫黄ポリマセメントのキャラクタリゼーション
表1で記載されるポリマセメントの圧縮および曲げ引張に対する機械抵抗の研究(表2)をその後実施し、ユニバーサルイベールテストオートテスト(Universal Ibertest Autotest)200−10−W機械で決定した。ローディング速度は、UNE196−1標準に従い、曲げ引張において0.05kN/s、圧縮において2.4kN/sとした。表2は、得られたデータを含む。HgSを含まないサンプルは、他のものと同じ条件下であるが、硫化水銀の添加なしで得られた参照サンプルである。
【0065】
【表2】

【0066】
浸出性水銀量の決定は、TCLP(U.S.EPA法1311)プロトコルに従い実施した。そのために、1時間のミリング後に得られた反応生成物、それぞれ20gの3つのサンプルを、酢酸および水酸化ナトリウムの混合物400mlで抽出した。サンプルを18時間の間撹拌し続け、その後、47mmのフローサイズを有するプレフィルタおよび0.7μmのフローサイズを有するガラス繊維フィルタが備えられたミリポア真空フィルタ上で濾過した。濾過された溶液を、硝酸でpH<2まで酸性化し、水銀量をレコAMA254装置上で冷蒸気原子吸収技術を用いる分析により決定した。表3は、生成された硫黄ポリマセメント由来の浸出液中のHg量を示す。硫化水銀を含む全てのポリマセメントが、水中のHg量の限界値としてU.S.EPA により決定された値(200μg/l)よりも低いHg量を有する浸出液を生成する。
【0067】
【表3】

【0068】
骨格密度、pおよび真密度、pは、ヘリウムピクノメーターアキュピック(AccuPyc)1330を用いて決定した。骨格密度は、硫黄ポリマセメントの破片で決定し、真密度は、ポリマセメントを50μm未満の粒径まで粉砕して得た。バルク密度pはポリマセメント粒子ラップ(wrap)の体積(比気孔体積)をジオピック(GeoPyc)1360装置を用いて測定することにより決定した。密度データから、総気孔率(P)、閉鎖気孔率(P)およびヘリウムに対する開放気孔率(PHe)の値を得た。表4は、得られた硫黄ポリマセメントのいくつかに対する密度の測定結果を示し、これらの値を硫化水銀以外は同じ成分を含む参照サンプルのものと比較する。表5には、得られた気孔率を示す。
【0069】
毛管水吸収を標準UNE−EN480に従い決定した。異なるポリマセメントサンプルを55%相対湿度および5cmの厚さの水層を有する密閉チャンバに入れ、ここでは、セメント試験管を直立して配置させ、すなわち、片側上に存在させた。各サンプルをそれぞれ、チャンバに入れる前に計量した。試験管を28日間硬化させ、10分、30分、1時間、3時間、6時間、24時間、72時間および28日の間の浸漬後に吸収された水の量を決定した。
【0070】
28日後、サンプルをチャンバから取り出し、紙で拭き表面水を除去し、計量し、研究した試験管の各々の表面に対して、質量変化(△Μ)および毛管作用による吸着(W)を決定した。この表面は、全ての場合において16cmであった。表6は、毛管による水の吸収の測定において得られた結果を示し、硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントで得られた値を、硫化水銀以外は同じ成分を含む参照サンプルと比較する。
【0071】
全ての場合において毛管水吸収は非常に低く、硫化水銀がセメントの開放気孔率および気孔の比体積を減少させる結果として、それは硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントでは参照セメントにおいてよりも低い(表5を参照されたい)。毛管水吸収は従来のセメントモルタルで生成された硫黄ポリマセメントにおいてずっと低く、これに対しては毛管作用による水吸収の値は2−3g/cmである。
【0072】
【表4】

【0073】
【表5】

【0074】
【表6】

【0075】
低圧での水吸収は、10cmの水柱に等しい圧力下、特定の時間で単位面積あたりの吸収された水の量を決定することから構成されるRILEM(国際材料構造試験研究機関連合(International Union for Testing and Research Laboratories for Materials and Structures))の低圧下での水吸収(パイプ方法))の試験第II.4号方法に従い決定した。試験は、柱の圧力が、本研究の物質に対する、高速(約140km/h)での雨水滴の衝突により生成される圧力を表す実際の状況をシミュレートする。
【0076】
結果は、低圧または硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントの場合、もしくは参照硫黄ポリマセメントにおいて、水吸収がないことを示す。
【0077】
これらの結果を他の材料、例えばセメントのモルタル(52ml/180分)、またはセラミックモルタル(9.6ml/180分)または不浸透性モルタル(1.96ml/180分)と比較すると、硫黄ポリマセメント材料は、水に対し非常に不浸透性であるとみなされる。
【0078】
疎水性含浸のための水吸収およびアルカリに対する抵抗性を、UNE−EN 13580標準に従い決定した。このために、硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントサンプルを、立方体試験管を満たすのに十分な量の、5.6g/lに等しい濃度を有する水酸化カリウム溶液を含む、1550mlの容量の個々のグラスに入れ、スペーサ内に置き、過剰の(25±5)マザーグラスと共に、透明プラスチックフィルムで(21±0.1)日間、蓋をした。この時間の後、立方体試験管をそれらの個々の容器から取り出し、実験台上で、重量が試験管の最初の重量に関し±2gに等しくなるまで空気乾燥させた。その後、各サンプルを再びアルカリ溶液に浸漬させ、21日後、取り出し、空気乾燥させ、計量した。
【0079】
次に、第2の浸漬試験を実施し、アルカリ試験後に処理した各立方体試験管の重量の増加を計算した。グラムの%で表される吸収係数(ARalk)は、研究後の各サンプルの重量と最初の重量の間の比を計算することにより決定することができる。
【0080】
表7は得られた結果を示す。硫化水銀を含むポリマ硫黄要素は、アルカリに対し非常に高い抵抗性を示す。
【0081】
【表7】

【0082】
塩水噴霧チャンバでの抵抗性を、UNE−EN 14147:2003に従い実施した。この目的のために、塩水噴霧による促進老化チャンバ450Tアスコット(Ascott)を使用した。塩溶液は、1リットルの脱イオン水あたり100gのNaCl(>95%w/w)を溶解することにより調製し、20μS/cm未満のイオン伝導率を有した。チャンバの温度は、35±5℃で一定に維持した。
【0083】
試験は、硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントおよび参照ポリマセメントを、チャンバの塩水環境内での60サイクルの暴露に供することから構成した。各サイクルは、4時間の塩水噴霧への暴露、チャンバ内での8時間のサンプルの乾燥から構成される。60サイクルの終わりに、試験管をチャンバから取り出し、脱イオン水に浸漬させ、堆積した塩を全て除去した。塩が完全に除去するまで水を毎日交換したが、これは、試料と接触する溶液の伝導度が最初の洗浄水の特性値の2倍を超えなくなる時に達成される。その後、試験管を70±5℃の温度で一定質量になるまで乾燥させた。結果は、質量損失として表される(%質量)。表8は、塩水噴霧チャンバ内での促進老化試験後の硫化水銀を含む硫黄ポリマセメントのサンプルおよび参照のために使用されるものの質量損失を示す。質量損失は、試験した全ての場合において1%未満であり、これは硫黄ポリマセメントが塩水環境に対し非常に高い抵抗性を示すことを示す。
【0084】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体水銀および元素硫黄を、化学量論的条件においてミリングプロセスにより反応させる工程(a)を含む、液体水銀を安定化するための方法。
【請求項2】
工程(a)で得られた生成物を、骨材、元素硫黄および硫黄ポリマを含む混合物に添加する工程(b)をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程(a)で使用される前記元素硫黄は、60μm未満の粒径を有する硫黄粉末である、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ミリングプロセスは、400rpmと450rpmの間の速度で、15分と60分の間の期間実施される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記ミリング速度は、60分の期間の間、400rpmである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ミリングはボールミルにおいて実施される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
ボール/反応混合物重量比は5.3と10.7の間である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記ボール/反応混合物重量比は5.4である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(b)は、130℃と165℃の間の温度で実施される、請求項2〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記温度は140℃である、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記骨材は、6.3mm未満の粒径を有する砂利、砂および炭酸カルシウムを含む、請求項2〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
砂利の比率は、工程(b)の最終混合物の総重量に基づき19重量%と23重量%の間であり、砂の比率は工程(b)の最終混合物の総重量に基づき38重量%と47重量%の間であり、炭酸カルシウムの比率は工程(b)の最終混合物の総重量に基づき6重量%と8重量%の間である、請求項2〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
工程(b)の元素硫黄の比率は工程(b)の最終混合物の総重量に対し10−15重量%であり、ポリマ硫黄の比率は工程(b)の最終混合物の総重量に対し1−1.5重量%であり、工程(a)で得られた生成物の比率は工程(b)の最終混合物の総重量に対し6重量%と30重量%の間である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
工程(b)で得られた前記混合物をモールド内で堆積させる工程をさらに含む、請求項2〜13のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3(a)】
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【図3(b)】
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【図4】
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【公表番号】特表2013−503729(P2013−503729A)
【公表日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528395(P2012−528395)
【出願日】平成22年8月11日(2010.8.11)
【国際出願番号】PCT/ES2010/070547
【国際公開番号】WO2011/029970
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(593005895)コンセホ・スペリオール・デ・インベスティガシオネス・シエンティフィカス (67)
【氏名又は名称原語表記】CONSEJO SUPERIOR DE INVESTIGACIONES CIENTIFICAS
【Fターム(参考)】