説明

硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子

【課題】硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性に優れ、硬化性樹脂組成物に配合された場合に優れた硬化性を発揮することができ、貯蔵安定性にも優れた硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を提供する。
【解決手段】ポリマーにより形成されるシェルに硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子であって、前記シェルは、内側の一部分に凹部を有しており、前記凹部のシェル厚みは、前記凹部以外のシェル厚みの1/5〜4/5であり、前記凹部の長さは、内径から前記凹部を除いた長さの1/30〜1/8である硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性に優れ、硬化性樹脂組成物に配合された場合に優れた硬化性を発揮することができ、貯蔵安定性にも優れた硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂は、接着剤、シール剤、コーティング剤等の様々な用途に用いられている。一般に、エポキシ樹脂には、硬化反応を進行させるための成分として硬化剤が、また、硬化性を向上させるための成分として硬化促進剤が添加される。特に、硬化剤又は硬化促進剤とエポキシ樹脂とを安定な一液にするために、潜在性をもたせた硬化剤又は硬化促進剤が多用されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の異方導電性接着剤においては、平均粒径が0.1〜3μmであり、マイクロカプセル壁材膜の厚さが0.01〜0.3μmであるマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物が用いられている。
しかしながら、このようなマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物は、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物とを途中段階まで反応させ、反応生成物を微粉砕して得られた粉体であり、イミダゾール誘導体とエポキシ化合物との接触界面が硬化しているにすぎない。そのため、このようなマイクロカプセル化イミダゾール誘導体エポキシ化合物をエポキシ樹脂用硬化剤又は硬化促進剤として用いる場合には、時間の経過とともに硬化反応が進行しやすく、充分な貯蔵安定性が得られない。
【0004】
この問題を解決するために、硬化反応を進行させることなく硬化剤又は硬化促進剤をマイクロカプセル化する種々の方法が検討されている。例えば、特許文献2には、アミン化合物と、有機溶媒中に所定のポリマーからなる膜物質が溶解された疎水性溶液とを、混合して溶解し、これを乳化剤を溶解した水性媒体中に乳化分散させた後、加熱して上記有機溶媒を除去することにより、上記アミン化合物と膜物質とを相分離させて膜物質によってアミン化合物を被覆保護するマイクロカプセルの製法が記載されている。
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載の方法により得られるマイクロカプセルは、熱に対する応答性、即ち、加熱時の硬化剤又は硬化促進剤の放出性の点では充分ではない。従って、貯蔵時には充分に安定でありながら、硬化時には熱に対してより鋭敏に応答して硬化剤又は硬化促進剤を放出し、速やかに硬化反応を開始することのできるマイクロカプセルが求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3981341号公報
【特許文献2】特許第3411049号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性に優れ、硬化性樹脂組成物に配合された場合に優れた硬化性を発揮することができ、貯蔵安定性にも優れた硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、ポリマーにより形成されるシェルに硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子であって、前記シェルは、内側の一部分に凹部を有しており、前記凹部のシェル厚みは、前記凹部以外のシェル厚みの1/5〜4/5であり、前記凹部の長さは、内径から前記凹部を除いた長さの1/30〜1/8である硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子である。
以下、本発明を詳述する。
【0009】
本発明者は、ポリマーにより形成されるシェルに硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、シェルを、内側の一部分に特定の凹部を有するシェルとすることにより、貯蔵安定性を損なうことなく、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性を改善することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子は、ポリマーにより形成されるシェルに硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子である。
上記ポリマーは特に限定されないが、例えば、親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマー、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂、アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体等を含有することが好ましい。
【0011】
上記親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマーにおける親水性基として、例えば、グリシジル基、水酸基、カルボキシル基、スルホン基等が挙げられる。なかでも、グリシジル基が好ましい。また、上記親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマーにおける疎水性基として、例えば、フェニル基、メチル基、エチル基、プロピル基、メタクリル基等が挙げられる。なかでも、フェニル基が好ましい。
【0012】
上記親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマーとして、具体的には、例えば、ポリスチレン誘導体、ポリメタクリル酸誘導体等が挙げられる。なかでも、ポリスチレン誘導体が好ましい。
上記ポリスチレン誘導体は、上記親水性基と上記疎水性基とを有するポリスチレン誘導体であれば特に限定されないが、例えば、上記親水性基としてグリシジル基を有し、上記疎水性基としてポリスチレン骨格に由来するフェニル基を有するポリスチレン誘導体が好ましい。
【0013】
上記親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限が5000、好ましい上限が10万である。上記重量平均分子量が5000未満であると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の耐熱性又は耐溶剤性が低下することがある。上記重量平均分子量が10万を超えると、製造時に上記ポリマーの析出速度が速くなりすぎて、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子がモノコア構造とならなかったりアスペクト比が大きくなったりすることがある。
【0014】
上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂は特に限定されないが、通常、ポリ酢酸ビニルのけん化反応により得られたポリビニルアルコールを、アルデヒドでアセタール化することにより得られる。上記アセタール化に使用するアルデヒドとして、例えば、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、パラアセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等が挙げられる。なかでも、ブチルアルデヒドが好ましい。
上記ポリマーとして上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂を用いる場合には、上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂の水酸基の含有量、アセタール化度、原料であるポリ酢酸ビニルのアセチル基に由来するアセチル基の含有量、重量平均分子量等を調整することにより、目的に合わせてシェルの物性を調整することができる。
【0015】
上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は特に限定されないが、好ましい下限が5000、好ましい上限が50万である。上記重量平均分子量が5000未満であると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の耐熱性又は耐溶剤性が低下することがある。上記重量平均分子量が50万を超えると、製造時に上記ポリマーの析出速度が速くなりすぎて、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子がモノコア構造とならなかったりアスペクト比が大きくなったりすることがある。
上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂の重量平均分子量は、より好ましい下限が3万、より好ましい上限が30万である。
【0016】
上記水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂の市販品として、例えば、BL−10(積水化学工業社製)、BL−2H(積水化学工業社製)、BM−S(積水化学工業社製)、BH−3(積水化学工業社製)、♯−3000K(電気化学工業社製)、MOWITAL B60T(クラレ社製)等が挙げられる。
【0017】
上記ポリマーとして上記アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体を用いる場合には、シェルのガスバリア性及び耐薬品性を向上させることができる。
【0018】
上記アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体において、上記アクリロニトリルに由来するセグメント以外の他のモノマーに由来するセグメントは、特に限定されない。
上記他のモノマーとして、例えば、ビニル基を有する化合物等のラジカル重合性モノマーが挙げられる。上記ビニル基を有する化合物は特に限定されず、例えば、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルメタクリレート(MMA)等のメタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、スチレン、ジビニルベンゼン、塩化ビニリデン、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、エチレングリコールジメタクリレート、ブタジエン等が挙げられる。なかでも、スチレン、グリシジルメタクリレート(GMA)、メチルメタクリレート(MMA)が好ましい。
【0019】
上記アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体の重量平均分子量は、好ましい下限が5000、好ましい上限が10万である。上記重量平均分子量が5000未満であると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の耐熱性又は耐溶剤性が低下することがある。上記重量平均分子量が10万を超えると、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子は、硬化性樹脂組成物に配合された場合、加熱してもシェルが溶融又は分解せず硬化剤及び/又は硬化促進剤が放出されないために硬化が充分に進行しないことがある。
上記アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体の重量平均分子量は、より好ましい下限が8000、より好ましい上限が5万であり、更に好ましい下限が1万、更に好ましい上限が3万である。
【0020】
上記ポリマーは、更に、無機ポリマーを含有してもよい。
上記ポリマーが上記無機ポリマーを含有することで、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の耐溶剤性が向上し、溶剤と混合する場合であっても硬化剤及び/又は硬化促進剤として好適に用いられる。
【0021】
上記無機ポリマーは特に限定されないが、分子中に2個以上の炭素数1〜6のアルコキシ基を有し、かつ、Si、Al、Zr及びTiからなる群より選択される少なくとも1種の金属元素を含有する有機金属化合物の重合体が好ましい。このような有機金属化合物の重合体として、例えば、シリコーン樹脂、ポリボロシロキサン樹脂、ポリカルボシラン樹脂、ポリシラスチレン樹脂、ポリシラザン樹脂、ポリチタノカルボシラン樹脂等が挙げられる。なかでも、シリコーン樹脂が好ましく、グリシジル基を有するシリコーン樹脂がより好ましい。
【0022】
上記硬化剤は特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂の硬化剤として通常用いられる硬化剤が挙げられ、具体的には、例えば、アミン、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、及び、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有する化合物等が挙げられる。
【0023】
上記硬化促進剤は特に限定されず、例えば、三級アミン化合物、リン系触媒、イミダゾール化合物等が挙げられる。なかでも、他の硬化促進剤に比べて硬化性に優れることから、イミダゾール化合物が好ましい。
上記イミダゾール化合物は特に限定されず、例えば、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、及び、これらの付加体等が挙げられる。
【0024】
また、上記イミダゾール化合物として、疎水性イミダゾール化合物を用いることが好ましい。なお、本明細書中、疎水性イミダゾール化合物とは、水に最大限溶解させたときの濃度が5重量%未満であるイミダゾール化合物を意味する。
上記疎水性イミダゾール化合物は特に限定されないが、炭素数11以上の炭化水素基を有するイミダゾール化合物が好ましい。上記炭素数11以上の炭化水素基を有するイミダゾール化合物として、例えば、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−シアノエチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)−エチル−s−トリアジン]等が挙げられる。なかでも、2−ウンデシルイミダゾールが好ましい。
【0025】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、上記シェルは、内側の一部分に凹部を有している。このようなシェルを有する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子は、貯蔵安定性を損なうことなく、加熱時には上記凹部から速やかに崩壊して硬化剤及び/又は硬化促進剤を放出するため、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性に優れ、硬化性樹脂組成物に配合された場合に優れた硬化性を発揮することができる。
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、上記シェルは、貯蔵安定性と、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性とを両立できる範囲内であれば、上記凹部を1つだけ有していてもよいし、2つ以上有していてもよい。ただし、加熱時の硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性がより優れることから、上記シェルは上記凹部を1つだけ有することが好ましい。
【0026】
図1及び2に、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の断面図の一例を模式的に示す。図1及び2に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子1は、ポリマーにより形成されたシェル2に硬化剤及び/又は硬化促進剤3を内包しており、シェル2は、内側の一部分に凹部4を有している。凹部4においては、シェル厚みが、凹部以外のシェル厚みより薄くなっている。
なお、図1及び2に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子は、シェルが凹部を1つだけ有する場合の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子である。
【0027】
上記凹部のシェル厚みは、上記凹部以外のシェル厚みの1/5〜4/5である。上記凹部のシェル厚みが、上記凹部以外のシェル厚みの1/5未満であると、上記凹部のシェル厚みが薄すぎて、上記凹部から上記硬化剤及び/又は硬化促進剤が滲み出し、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の貯蔵安定性が低下する。上記凹部のシェル厚みが、上記凹部以外のシェル厚みの4/5を超えると、上記凹部のシェル厚みが厚すぎて、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性が低下する。
上記凹部のシェル厚みは、上記凹部以外のシェル厚みの2/5以上であることが好ましく、また、上記凹部以外のシェル厚みの3/5以下であることが好ましい。
【0028】
なお、本明細書中、凹部のシェル厚みとは、凹部の最長径を通るように硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を直径で切断した断面を観察した場合の、凹部の最も薄い部分のシェル厚みを意味する。また、本明細書中、シェルが凹部を2つ以上有する場合には、凹部のシェル厚みとは、該2つ以上の凹部のシェル厚みの数平均値を意味する。また、本明細書中、凹部以外のシェル厚みとは、凹部以外のシェルの平均厚みを意味する。
上記凹部のシェル厚み、及び、上記凹部以外のシェル厚みを、図2を参照して説明する。図2は、凹部の最長径を通るように本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を直径で切断した断面図である。図2に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子1において、dが凹部のシェル厚みであり、Dが凹部以外のシェル厚みである。
【0029】
上記凹部の長さは、内径から上記凹部を除いた長さの1/30〜1/8である。上記凹部の長さが、内径から上記凹部を除いた長さの1/30未満であると、上記凹部が小さすぎて、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性が低下する。上記凹部の長さが、内径から上記凹部を除いた長さの1/8を超えると、上記凹部が大きすぎて、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の貯蔵安定性が低下したり、機械的強度が低下したりする。
上記凹部の長さは、内径から上記凹部を除いた長さの1/20以上であることが好ましく、また、内径から上記凹部を除いた長さの1/10以下であることが好ましい。
【0030】
なお、本明細書中、凹部の長さとは、凹部の最長径を通るように硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を直径で切断した断面を観察した場合の、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の内径のうちの凹部に相当する部分の長さを意味する。また、本明細書中、シェルが凹部を2つ以上有する場合には、凹部の長さとは、該2つ以上の凹部の長さの合計を意味する。
上記凹部の長さ、及び、内径から上記凹部を除いた長さを、図2を参照して説明する。図2は、凹部の最長径を通るように本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を直径で切断した断面図である。図2に示す硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子1において、wが凹部の長さであり、Wが内径から凹部を除いた長さである。
【0031】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率は特に限定されないが、好ましい下限が20重量%、好ましい上限が50重量%である。上記内包率が20重量%未満であると、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の凹部及び凹部以外のシェル厚みが増大し、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性が低下することがある。上記内包率が50重量%を超えると、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の凹部及び凹部以外のシェル厚みが低下し、貯蔵安定性が低下することがある。
上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率のより好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は40重量%である。
なお、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、凹部以外のシェル厚みは特に限定されないが、好ましい下限が0.05μm、好ましい上限が1.0μmであり、より好ましい下限が0.1μm、より好ましい上限が0.5μmである。
【0032】
更に、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率が上記範囲を外れると、製造時の上記ポリマーと上記硬化剤及び/又は硬化促進剤との配合比が大きく変化することから、得られる硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子がモノコア構造とならなかったりアスペクト比が大きくなったりすることがある。
【0033】
なお、本明細書中、硬化剤及び/又は硬化促進剤の内包率とは、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子全体の重量に対する硬化剤及び/又は硬化促進剤の重量の占める割合を意味し、所定量の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の乾燥粉末を秤量し、アルミカップに乗せ、真空乾燥機を用いて110℃で5時間乾燥した後、乾燥後の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を計量したとき、下記式(1)により算出される値を意味する。
内包率(重量%)=[{(乾燥前の重量)−(乾燥後の重量)}/(乾燥前の重量)]×100 (1)
【0034】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限が0.5μm、好ましい上限が5.0μmである。上記平均粒子径が0.5μm未満であると、上記範囲の内包率を維持しようとすると、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の凹部及び凹部以外のシェル厚みが低下し、貯蔵安定性が低下することがある。上記平均粒子径が5.0μmを超えると、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を硬化性樹脂組成物に配合した場合に、加熱により上記硬化剤及び/又は硬化促進剤が放出された後、大きなボイドが生じて硬化物の信頼性が低下することがある。
上記平均粒子径のより好ましい上限は3.0μmである。
【0035】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、アスペクト比は特に限定されないが、好ましい上限が1.1である。上記アスペクト比が1.1を超えると、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の貯蔵安定性が低下したり、硬化性樹脂組成物に配合された場合に硬化が不均一となって硬化物の信頼性が低下したりすることがある。
上記アスペクト比のより好ましい上限は1.05である。
【0036】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子において、粒子径のCV値は特に限定されないが、好ましい上限が50%である。上記粒子径のCV値が50%を超えると、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の貯蔵安定性が低下したり、硬化性樹脂組成物に配合された場合に硬化が不均一となって硬化物の信頼性が低下したりすることがある。
上記粒子径のCV値のより好ましい上限は30%である。
【0037】
なお、本明細書中、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の平均粒子径、アスペクト比及び粒子径のCV値は、以下のようにして求めた値を意味する。
硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて1視野に約100個の粒子が観察できる倍率で観察し、任意に選択した50個の粒子の外径の最長径及び最短径を、ノギスを用いて測定する。最長径を粒子径とし、粒子径の数平均値を求め、これを平均粒子径とし、最短径に対する最長径の比(最長径/最短径)の数平均値を求め、これをアスペクト比とする。なお、アスペクト比は、1に近くなるほど真球状に近いことを意味する。また、粒子径のCV値は、下記式(2)で表される。
CV値(%)=(粒子径の標準偏差σ/平均粒子径Dn)×100 (2)
【0038】
本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の製造方法として、例えば、上記ポリマーと、上記ポリマーを溶解する溶媒1と、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤と、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を溶解する溶媒2とを混合して混合溶液を調製する工程と、上記混合溶液と水性媒体とを乳化させる工程と、加熱を行い上記水性媒体中で上記溶媒1及び上記溶媒2を除去する工程とを有し、上記溶媒1の沸点は上記溶媒2の沸点より低く、かつ、上記溶媒1及び上記溶媒2の沸点は水の沸点より低いという条件を満たす方法(本明細書中、方法1ともいう)が挙げられる。
【0039】
上記方法1によれば、上記ポリマーを含有する相と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を含有する相とを相分離させながら溶媒を除去し、上記ポリマーにより形成されたシェルに上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を製造することができる。
上記方法1においては、上記ポリマーとして特に上述したような親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマー、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂、アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体等を含有するポリマーを用いることにより、内側の一部分に凹部を有するシェルをより形成しやすくなる。これは、これらのポリマーは親水性基と疎水性基とを同一分子上に有するため、上記ポリマーを含有する相と上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を含有する相との相分離が生じた際に選択的に粒子の外側へ移行しやすく、また、内包される硬化剤及び/又は硬化促進剤とも水性媒体とも親和性が良好であるためである。
【0040】
上記方法1によって内側の一部分に凹部を有するシェルが形成される理由としては、加熱を行い水性媒体中で溶媒を除去するときに、まず、上記溶媒1の大半が除去されて、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を含有する相を内包するように上記ポリマーの大半が析出し、次いで、上記硬化剤及び/又は硬化促進剤を残してコアから上記溶媒2の大半が除去され、最終的にコアから全ての溶媒が除去されるときには、析出した上記ポリマーの一部分、即ち、凹部となる一部分から除去されていくためであると推測される。
【0041】
上記方法1においては、上記溶媒1と上記溶媒2との組み合わせとして、上記溶媒1と上記溶媒2と水とが共沸する組み合せが好ましい。
上記溶媒1と上記溶媒2と水とが共沸することにより、加熱を行い水性媒体中で溶媒を除去するときには、まず、上記溶媒1の大半が除去され、次いで、上記溶媒2の大半が除去された後、上記溶媒1と上記溶媒2と水性媒体を構成する水との共沸混合物が除去されることとなる。溶媒除去の最終段階で上記溶媒1と上記溶媒2と水性媒体を構成する水との共沸混合物がコアから除去されることにより、内側の一部分に凹部を有するシェルをより形成しやすくなる。
【0042】
上記加熱の条件は特に限定されないが、30〜70℃に加熱することが好ましい。
また、上記溶媒1及び上記溶媒2を除去する工程では、より低温かつ短時間で溶媒を除去でき、内側の一部分に凹部を有するシェルをより形成しやすくなることから、加熱に加えて減圧を行うことが好ましい。上記減圧の条件は特に限定されないが、0.095〜0.080MPaの圧力となるよう設定することが好ましい。
【0043】
上記加熱の条件及び上記減圧の条件を調整することにより、硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子における凹部のシェル厚み及び凹部の長さを、上述した範囲に調整することができる。
【発明の効果】
【0044】
本発明によれば、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性に優れ、硬化性樹脂組成物に配合された場合に優れた硬化性を発揮することができ、貯蔵安定性にも優れた硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】図1は、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の一例を模式的に示した断面図である。
【図2】図2は、本発明の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子の一例を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
【0047】
(実施例1)
(1.硬化促進剤複合粒子の製造)
溶媒1として酢酸エチル(沸点77.1℃)を、溶媒2として2−プロパノール(IPA、沸点82.5℃)を用いた。なお、水の沸点は100℃である。
シェルを形成するポリマーとしてエポキシ基含有スチレン系ポリマー(商品名マープルーフG−0130S−P、日油社製)6.0重量部と、疎水性イミダゾール化合物として2−ウンデシルイミダゾール3.2重量部とを、酢酸エチルと2−プロパノールとの混合溶媒(酢酸エチル:2−プロパノール=3:2)170重量部に溶解させて、混合溶液を得た。この混合溶液に、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル2重量%を含有する水1000重量部を滴下して、ホモジナイザーを用いて3000rpmで攪拌して乳化分散させた。その後、得られた分散液を減圧装置付反応器で50℃加熱しながら0.095〜0.090MPaとなるように減圧して、溶媒を除去することにより、硬化促進剤複合粒子分散液を得た。得られた硬化促進剤複合粒子分散液中の硬化促進剤複合粒子を、純水を用いて繰り返して洗浄した後、真空乾燥した。
【0048】
(2.凹部形状の測定)
硬化促進剤複合粒子を、走査型電子顕微鏡を用いて1視野に約20個の粒子が観察できる倍率で数視野観察し、任意に選択した50個の硬化促進剤複合粒子について、凹部の最長径を通るように硬化促進剤複合粒子を直径で切断した断面を観察した。
硬化促進剤複合粒子の凹部のシェル厚みd、凹部以外のシェル厚みD、凹部の長さw、及び、内径から凹部を除いた長さWを、撮影した電子顕微鏡写真から画像解析により測定した。凹部以外のシェル厚みDに対する凹部のシェル厚みd(d/D)、内径から凹部を除いた長さWに対する凹部の長さw(w/W)を表1に示した。なお、それぞれの値は、50個の硬化促進剤複合粒子の数平均値とした。
【0049】
(実施例2)
エポキシ基含有スチレン系ポリマー6.0重量部の代わりに、エポキシ基含有スチレン系ポリマー(商品名マープルーフG−0130S−P、日油社製)4.5重量部、及び、エポキシ基含有シリコーンアルコキシオリゴマー(X−41−1053、信越化学工業社製)1.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0050】
(実施例3)
エポキシ基含有スチレン系ポリマー6.0重量部の代わりに、エポキシ基含有スチレン系ポリマー(商品名マープルーフG−1005SA、日油社製)6.0重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0051】
(実施例4)
エポキシ基含有スチレン系ポリマー6.0重量部の代わりに、PVB(商品名BL−10、ポリビニルブチラール、積水化学工業社製)5.0重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0052】
(実施例5)
エポキシ基含有スチレン系ポリマー6.0重量部の代わりに、ポリスチレン(和光純薬工業社製)6.0重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0053】
(実施例6)
エポキシ基含有スチレン系ポリマー6.0重量部の代わりに、ポリスチレン(和光純薬工業社製)4.5重量部、及び、エポキシ基含有シリコーンアルコキシオリゴマー(X−41−1053、信越化学工業社製)1.5重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0054】
(実施例7)
溶媒1としてシクロヘキサン(沸点80.7℃)を、溶媒2として2−プロパノール(IPA、沸点82.5℃)を用いた。
酢酸エチルと2−プロパノールとの混合溶媒(酢酸エチル:2−プロパノール=3:2)170重量部の代わりにシクロヘキサンと2−プロパノールとの混合溶媒(シクロヘキサン:2−プロパノール=4:1)170重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0055】
(実施例8)
溶媒1として酢酸エチル(沸点77.1℃)を、溶媒2としてエタノール(沸点78.5℃)を用いた。
酢酸エチルと2−プロパノールとの混合溶媒(酢酸エチル:2−プロパノール=3:2)170重量部の代わりに酢酸エチルとエタノールとの混合溶媒(酢酸エチル:エタノール=3:2)170重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0056】
(実施例9)
減圧条件を0.090〜0.085MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0057】
(実施例10)
減圧条件を0.085〜0.080MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0058】
(実施例11)
加熱条件を60℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0059】
(実施例12)
加熱条件を40℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0060】
(比較例1)
溶媒1としてトルエン(沸点110.6℃)を、溶媒2として2−プロパノール(IPA、沸点82.5℃)を用いた。
酢酸エチルと2−プロパノールとの混合溶媒(酢酸エチル:2−プロパノール=3:2)170重量部の代わりにトルエンと2−プロパノールとの混合溶媒(トルエン:2−プロパノール=3:2)170重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0061】
(比較例2)
溶媒1として酢酸エチル(沸点77.1℃)を、溶媒2としてメタノール(沸点64.7℃)を用いた。
酢酸エチルと2−プロパノールとの混合溶媒(酢酸エチル:2−プロパノール=3:2)170重量部の代わりに酢酸エチルとメタノールとの混合溶媒(酢酸エチル:メタノール=3:2)170重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。なお、凹部の形成が不充分であったため、w/Wの値は測定できなかった。
【0062】
(比較例3)
加熱条件を70℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0063】
(比較例4)
加熱条件を35℃に変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0064】
(比較例5)
減圧を行わなかったこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。なお、凹部の形成が不充分であったため、w/Wの値は測定できなかった。
【0065】
(比較例6)
減圧条件を0.080〜0.075MPaに変更したこと以外は実施例1と同様にして、硬化促進剤複合粒子を作製し、d/D及びw/Wの値を求めた。
【0066】
<評価>
実施例及び比較例で得られた硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
【0067】
(1)貯蔵安定性(ゲル分率の測定)
エポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部及び酸無水物硬化剤(YH309、jER社製)0.29重量部中に、硬化促進剤複合粒子を0.13重量部添加して、公転自転撹拌機で撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を50μmの厚さに塗布して樹脂フィルムを得た。得られた樹脂フィルムを40℃で3日間放置した後、酢酸エチル中で24時間以上浸漬、振とうさせた。浸漬後の樹脂フィルムを取り出し、酢酸エチル浸漬前後の樹脂フィルムの重量を測定することで、ゲル分率測定を行った。
なお、本明細書中、ゲル分率とは、酢酸エチル浸漬後に乾燥させた樹脂フィルム重量を酢酸エチル浸漬前の樹脂フィルム重量で割ることにより得られる値を意味する。
【0068】
(2)速硬化性(硬化速度の測定)
エポキシ樹脂(YL980、jER社製)0.58重量部及び酸無水物硬化剤(YH309、jER社製)0.29重量部中に、硬化促進剤複合粒子を0.13重量部添加して、公転自転撹拌機で撹拌した後、得られたエポキシ樹脂組成物を180℃に熱したホットプレート上に置いたスライドガラスの上に滴下して、エポキシ樹脂組成物が硬化するまでの時間を測定した。
【0069】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0070】
本発明によれば、硬化剤及び/又は硬化促進剤の放出性に優れ、硬化性樹脂組成物に配合された場合に優れた硬化性を発揮することができ、貯蔵安定性にも優れた硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子を提供することができる。
【符号の説明】
【0071】
1 硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子
2 シェル
3 硬化剤及び/又は硬化促進剤
4 凹部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリマーにより形成されるシェルに硬化剤及び/又は硬化促進剤を内包する硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子であって、
前記シェルは、内側の一部分に凹部を有しており、
前記凹部のシェル厚みは、前記凹部以外のシェル厚みの1/5〜4/5であり、
前記凹部の長さは、内径から前記凹部を除いた長さの1/30〜1/8である
ことを特徴とする硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子。
【請求項2】
ポリマーは、親水性基と疎水性基とを有する熱可塑性ポリマー、水酸基を有するポリビニルアセタール樹脂、又は、アクリロニトリルに由来するセグメントを有する共重合体を含有し、かつ、硬化剤及び/又は硬化促進剤は、疎水性イミダゾール化合物であることを特徴とする請求項1記載の硬化剤及び/又は硬化促進剤複合粒子。

【図1】
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【図2】
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