説明

硬化性組成物及びパターン形成方法

【課題】 基材への薄膜塗装性、かつ基材との密着性に優れた、微細パターン転写可能な硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有する質量平均分子量1000〜30000のオリゴマー(A)、ホモポリマーのTgが5℃以下である(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(A)及び(B)以外の化合物(C)、並びに大気圧における沸点が115℃〜175℃の範囲にある有機溶剤(D)を含む組成物であって、有機溶剤以外の有効成分濃度が0.1〜10質量%の範囲にある硬化性組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板にパターンを形成する際に使用される硬化性組成物及びこれを用いたパターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体集積回路、記録媒体等の微細化・高密度化が進んでおり、その微細加工を実現するためのパターン転写技術として、フォトリソグラフィー装置の高精度化、およびそれに用いるレジストの解像度向上が進められてきた。しかしながら、パターン精度が露光に用いる光の波長に近づき、光を用いるリソグラフィー技術が限界に近づいてきているのが現状である。そこで更なる微細化を進めるため、電子線描画技術が検討されているが、スループットに劣り、装置コストが高いことから、近年では、微細パターンを有するモールドを樹脂に押し当てて基板にパターンを転写するナノインプリント法の開発が進んでいる(特許文献1参照)。
【0003】
さらに、特許文献2および3においては低粘度かつ無溶剤型の特定な光硬化性組成物を用いることにより、薄膜塗装可能かつ、良好なパターン転写性を発現しているが、用いる基材種やモールド種によっては塗装性や密着性に劣り、塗装時にはじきが発生したり、モールドとの離型時に基材からパターン層が剥がれたりするという問題があった。
【特許文献1】特表2004−504718号
【特許文献2】特開2007−1250号公報
【特許文献3】特開2007−84625号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、基材への薄膜塗装性、かつ基材との密着性に優れた、微細パターン転写可能な硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
課題を解決するための第一の発明は、分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有する質量平均分子量1000〜30000のオリゴマー(A)、ホモポリマーのTgが5℃以下である(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(A)及び(B)以外の化合物(C)、並びに大気圧における沸点が115℃〜175℃の範囲にある有機溶剤(D)を含む組成物であって、有機溶剤以外の有効成分濃度が0.1〜10質量%の範囲にある硬化性組成物である。
【0006】
また、第二の発明は、前述の組成物の塗装膜を基板面に形成し、微細なパターンが形成されたモールドを前記塗装膜の表面に加圧接触し、光照射により前記塗装膜を硬化させ、微細なパターンを形成するパターン形成方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によって、基材への薄膜塗装性、かつ基材との密着性に優れた、微細パターン転写可能な硬化性組成物およびそれを用いたパターン形成方法を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明の硬化性組成物は、分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有する質量平均分子量1000〜30000のオリゴマー(A)(以下、「成分(A)」という)、ホモポリマーのTgが5℃以下である(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)(以下、「成分(B)」という)、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する成分(A)及び成分(B)以外の化合物(C)(以下、「成分(C)」という)並びに大気圧における沸点が115℃〜175℃の範囲にある有機溶剤(D)(以下、「成分(D)」という)を含有する。
【0010】
成分(A)
本発明で用いる成分(A)は本硬化性組成物の硬化収縮を抑制し、微細パターンの転写性を良好にするとともに、その硬化物に可とう性を付与してモールドとの離型性を良好にするための成分である。
【0011】
成分(A)の具体例としては、分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有し、質量平均分子量1000〜30000の範囲のオリゴマーであれば特に限定されるものではない。
【0012】
質量平均分子量が1000未満の場合、得られる硬化性組成物の粘度が低すぎて塗装性が低下し、30000を超えた場合、得られる硬化性組成物の粘度が高すぎてモールド転写時に微細パターンの隙間に樹脂が充填されず、転写性に劣る。好ましくは質量平均分子量1000〜20000、より好ましくは1000〜10000の範囲である。
【0013】
成分(A)の具体例としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート系オリゴマーが挙げられる。
【0014】
ウレタン(メタ)アクリレートの具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、ビス(4−イソシアナトシクロヘキシル)メタン、ビス(4−イソシアナトフェニル)メタン、ビス(3−クロロ−4−イソシアナトフェニル)メタン、2、4−トリレンジイソシアネート、2、6−トリレンジイソシアネート、トリス(4−イソシアナトフェニル)メタン、1,2−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,2−水添キシリレンジイソシアネート、1,4−水添キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水添テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、アダマンタンジイソシアネート等のジイソシアネート類の1種または2種以上の混合物に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルの1種単独または2種以上の混合物を反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類;
アルカンジオール、ポリエーテルジオール、ポリブタジエングリコール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、アミドジオール、スピログリコール化合物等の1種または2種以上の混合物からなるアルコール類と前記ジイソシアネート類を反応させて得られるウレタンプレポリマー類に、分子中に1個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基、および1個のヒドロキシ基を有するヒドロキシ基含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させたウレタンポリ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
【0015】
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0016】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノキシフルオレンジグリシジルエーテル、ビスフェノキシフルオレンエタノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテル等のエポキシ樹脂に、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、カプロラクトン変性(メタ)アクリル酸等の不飽和一塩基酸類を反応させたエポキシ(メタ)アクリレート類があげられる。
【0017】
これらは、1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0018】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、フタル酸、コハク酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テレフタル酸、アゼライン酸、アジピン酸等の多塩基酸類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン等の多価アルコール類及び(メタ)アクリル酸との反応で得られるポリエステルポリ(メタ)アクリレート類が挙げられる。
【0019】
なかでも耐ドライエッチング性の観点から芳香族環や脂環式骨格を有するオリゴマーが好ましく、モールドからの離型性の観点からウレタンポリ(メタ)アクリレート類や、エポキシ(メタ)アクリレート類から選択することが好ましい。
【0020】
成分(A)の含有量は、成分(A)ならびに後述する成分(B)、及び成分(C)の合計量(以下、「組成物単量体の合計量」という)中に10質量%以上が好ましい。また、成分(A)の含有量は組成物単量体の合計量中に50質量%以下が好ましい。
【0021】
成分(A)の含有量が10質量%以上の場合には本硬化性組成物の硬化収縮の低減効果が十分に発現され、得られる硬化物の可とう性が良好となる傾向にある。また、成分(A)の含有量が50質量%以下の場合には本硬化性組成物の液粘度が低くなり、基材上への塗装作業性が良好となる傾向にある。
【0022】
成分(B)
本発明で用いる成分(B)は、そのホモポリマーのTgが5℃以下である、成分(A)以外のエチレン性不飽和化合物であり、本硬化性組成物の粘度を調整したり、硬化物のじん性を向上し、モールドとの離型性を向上させると共に、機材との密着性を良好とするための成分である。ホモポリマーのTgは−100℃以上であることが好ましい。Tgが5℃以下であることによって硬化物のじん性が良好となり、−100℃以上であることによって硬化性が良好となる。
【0023】
成分(B)としては、そのホモポリマーのTgが5℃以下であれば特に限定されるものではないが、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルオキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、フェニルオキシエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾールアクリレート、ノニルフェニルオキシエチルアクリレート、シクロヘキシルオキシエチルアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシトリプロピレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソステアリルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート、2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート等が挙げられる。これらは1種または2種以上を併用して用いることができる。
【0024】
これらの中で、本硬化性組成物の硬化性が良好であることから、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、フェニルオキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリレート、メトキシジエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート、2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート、2−イソブチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレートが好ましい。
【0025】
成分(B)の含有量は組成物単量体の合計量中に10質量%以上が好ましい。また、成分(B)の含有量は組成物単量体の合計量中に40質量%以下が好ましい。
【0026】
成分(B)の含有量が10質量%以上の場合には本硬化性組成物の硬化物と機材との密着性が良好となる傾向にあり、また、40質量%以下の場合にはその硬化物のドライエッチング耐性が良好になる傾向にある。
【0027】
成分(C)
本発明で用いる分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する成分(C)は本硬化性組成物の硬化性を高めると共に、その硬化物の架橋密度や弾性率を上昇させ、ドライエッチング耐性を良好とするための成分である。
【0028】
成分(C)としては、例えば、多官能(メタ)アクリレート、ジ(メタ)アクリレート等であって、前述の成分(A)及び(B)以外のものが挙げられる。
【0029】
成分(C)のうち、多官能(メタ)アクリレートの具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリスエトキシレーテッドトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシレーテッドペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリス(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0030】
ジ(メタ)アクリレートの具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,7−ヘプタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,8−オクタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−アクリロイルオキシエチル)−2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ポリエトキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドシクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールのε−カプロラクトン付加ジ(メタ)アクリレート、ビス(メタ)アクリロイルオキシアントラセン等が挙げられる。
【0031】
これらは1種で、または2種以上を併用して用いることが出来る。これらのなかで、架橋密度や弾性率を向上しやすいことから、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリエトキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ポリプロポキシレーテッド水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシフルオレンエタノールジ(メタ)アクリレート、水添ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、アダマンタンジメタノールジ(メタ)アクリレートが好ましい。
【0032】
成分(C)の含有量は組成物単量体の合計量中に10質量%以上が好ましい。また、成分(C)の含有量は組成物単量体の合計量中に80質量%以下が好ましい。
【0033】
成分(C)の含有量が組成物単量体の合計量中に10質量%以上の場合には本硬化性組成物の硬化性が向上する傾向にある。成分(C)の含有量が組成物単量体の合計量中に80質量%以下の場合には本硬化性組成物の硬化収縮率が低下し、転写性が良好となる傾向にある。
【0034】
成分(D)
本発明で用いる成分(D)は成分(A)〜(C)からなる組成物を希釈し、基板上に容易に薄膜塗装できるように粘度を調整する有機溶剤であり、均一膜厚で薄膜形成可能とするためには、大気圧下における沸点が115℃〜175℃の範囲にあることが必須である。沸点115℃未満の有機溶剤のみを使用すると薄膜塗装時に乾燥が早過ぎてスジやムラなどの塗装欠陥が生じたり、膜厚均一性が損なわれたりする。また沸点175℃を超える有機溶剤のみを使用した場合、溶剤の乾燥に時間を要し、生産速度が低下するのみならず、硬化物層中に溶剤が残存し、ドライエッチング耐性が低下する。
【0035】
使用可能な有機溶剤の具体例としては前記沸点範囲にあれば特に限定されるものではないが、n−ブタノール、2−エチル−1−ブタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール等のアルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールt−ブチルエーテル、エチレングリコールプロピルエーテル、1−メトキシ−2−ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル等の多価アルコールのエーテル類;n−アミルアセテート、イソブチルアセテート、n−ブチルアセテート、エチルラクテート、2−メチル−1−ペンチルアセテート、メチルアミルアセテート、メチルカプロエート、エチルカプロエート等のエステル類;エチレングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等の多価アルコール誘導体;シクロヘキサノン、エチルn−アミルケトン、エチルn−ブチルケトン、ジイソブチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルn−アミルケトン、メチルn−ヘキシルケトン等のケトン類;ジエチルカーボネート、ジ−n−プロピルカーボネート等のカーボネート類;メトキシベンゼン、α−ピネン、キシレン等が挙げられる。
【0036】
さらにはn−ブチルアセテートの25℃における蒸発速度を1とした場合の相対蒸発速度が0.1〜0.5の範囲にある有機溶剤が好ましい。
【0037】
なお、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、成分(D)以外の有機溶剤を配合することもできる。
【0038】
本硬化性組成物
本発明においては、本硬化性組成物は前記の成分(A)、成分(B)、成分(C)および成分(D)を含有するが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、成分(A)〜(C)以外のエチレン性不飽和化合物(E)(以下、「成分(E)」という)を含有することができる。成分(A)〜(C)および必要に応じて成分(E)および後述する成分(F)の合計を有効成分とし、成分(D)等の有機溶剤で希釈したものが本発明の硬化性組成物である。
【0039】
有効成分濃度は例えば200nm以下の膜厚となるよう薄膜塗装を行うために、0.1〜10質量%であることが必須であり、100nm以下とするためには、好ましくは0.5〜7質量%である。
【0040】
成分(E)
成分(E)としては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、テトラシクロドデカニル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0041】
また、本硬化性組成物には、活性エネルギー線照射により効率よく硬化させるために、光重合開始剤(F)(以下、「成分(F)」という)を含有することが好ましい。
【0042】
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン、t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、2−ヒドロキシ−1−{4−〔4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル〕フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルホルメート、3,3−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)−4,4−ジ(メトキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3−ジ(メトキシカルボニル)−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンが挙げられる。
【0043】
これらは1種でまたは2種以上を併用して用いることができる。
【0044】
光重合開始剤の含有量は組成物単量体の合計量100質量部に対して0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましい。また、光重合開始剤の含有量は組成物単量体の合計量100質量部に対して5質量部以下が好ましく、4質量部以下がより好ましい。
【0045】
光重合開始剤の含有量が0.1質量部以上の場合には、本硬化性組成物の硬化性が良好となる傾向にあり、また、5質量部以下の場合には、モールドの汚染が少なくなる傾向である。
【0046】
本発明においては、本発明の目的を損なわない範囲であれば、本硬化性組成物中に熱重合開始剤、酸化防止剤、光安定剤、光増感剤、熱可塑性高分子、スリップ剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、シランカップリング剤、無機フィラー、有機フィラー、表面有機化処理した無機フィラー等の公知の添加剤を目的に応じて配合することができる。
【0047】
本発明における成分のうち、有機溶剤以外の成分の混合物の粘度、つまり本硬化性組成物を基材に塗装し、有機溶剤が揮発した場合に残る無溶剤組成物(有効成分)の粘度が50〜1100mPa・sであることが好ましい。50mPa・s以上の有効成分を用いる場合には100nmを下回る膜厚の塗装時においてハジキなどが発生せず表面平滑性良好な塗膜が得られる傾向にある。また、1100mPa・s以下の有効成分を用いる場合には、形状転写に用いるモールドの微細パターンへの追従が容易となる傾向にある。好ましくは150〜1000mPa・sの範囲である。
【0048】
本発明においては、本硬化性組成物は、ダストやゲル物等の異物の存在による転写異常を防止するために、1μm以上、好ましくは0.2μm以上、より好ましくは0.1μm以上の異物を排除するろ過フィルターを用いてろ過することが好ましい。
【0049】
ろ過フィルターの素材としては、例えば、セルロース、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリテトラフルオロエチレンが使用できる。
【0050】
本硬化性組成物はナノインプリント技術を用いた基板の微細加工に用いることが出来る。
【0051】
本発明の硬化性組成物を基板に塗布して塗装薄膜とし、微細なパターンが形成されたモールドを前記塗装薄膜の表面に加圧接触し、基板側およびまたはモールド側からの光照射により前記塗装膜を硬化させ、モールドを離型することにより微細パターンを得ることができる。該微細パターンを光学機能用途等に用いることも可能であるし、これ自体を更にモールドとして用いることもできる。更には該微細パターンを用いてドライもしくはウェットエッチングを行い、基板を微細加工することも可能である。
【0052】
なお、本発明の硬化性組成物によって、凹凸の間隔または凹凸の高低差が1μm以下である微細加工が容易となる。
【0053】
基板
本発明に使用される基板としては、硬化性組成物を塗装できれば特に限定されるものではなく、例えば、金属、磁性体、半導体、ガラス、セラミックス、紙、木材、プラスチック等の材料やこれらの複合材料等で成型された、ディスク、シート、フィルムなどが挙げられる。該基板材料に対して、硬化性組成物が密着し難い場合、基板表面を表面処理することも可能であり、金属、磁性体、半導体、ガラス、セラミックスなどの場合、シラザン化合物、シリル化合物等で表面処理すると良い。
【0054】
モールド
本発明に用いられるモールドは、被転写体側に転写されるべき微細な凹凸パターンが所定の基板の表面に形成されたものである。凹凸パターンを形成する方法は特に限定されない。凹凸パターンの形成方法としては、例えば、フォトリソグラフィ、集束イオンビームリソグラフィ或いは電子ビーム描画法、メッキ法等が挙げられる。モールドの材料には、例えば、シリコン、ガラス、石英、各種金属材料、セラミックス、プラスチックなどが使用可能であり、強度と要求される加工性を有するものであればよい。特にモールド側から光照射することにより硬化性組成物を硬化させる場合には、モールドは透光性材料からなることが好ましい。
【0055】
パターン形成方法
本発明のパターン形成方法は、下記工程1、工程2、工程3、工程4、必要に応じて工程5以降を順に行うことにより、モールドの微細パターンが転写された表面を有する基板を得ることができる。
【0056】
工程1:本発明の硬化性組成物を基板表面に所定の膜厚となるように配置し、溶剤(D)を揮発させて乾燥塗膜(無溶剤組成物)とする工程。
工程2:次いで該乾燥塗膜が、モールドの微細パターン面に接するように、該基板と前記モールドとを押し合わせる工程。
工程3:溶剤(D)が除去された乾燥塗膜を重合させて硬化物とする工程。
工程4:モールドを硬化物から剥離して、前記硬化物からなる微細パターンを表層に有する基板を得る工程。
工程5:エッチング、鍍金等の手法により、基板を加工する工程。
工程6:基板加工後、残った硬化物層を剥離あるいは灰化する工程。
【0057】
工程1において硬化性組成物の配置は、ポッティング法、スピンコート法、ロールコート法、キャスト法、ディップコート法、ダイコート法等の方法を用い、硬化性組成物を基板表面に被覆して行うのが好ましい。硬化性組成物は、基板全面に被覆させても基板一部のみに被覆させてもよい。膜厚は1〜1000nmが好ましく、より好ましくは、1〜500nmである。溶剤の揮発条件は、0〜150℃の温度範囲で、10〜300秒の時間乾燥させることが好ましい。
【0058】
工程2において、基板とモールドを押し合わせる際のプレス圧力(ゲージ圧)は、0超20MPa以下が好ましく、0.1〜10MPaがより好ましい。また基板とモールドを押し合わせる際の温度は、0〜100℃が好ましく、0〜80℃が特に好ましい。
【0059】
工程3における重合は、活性エネルギー線を利用することが好ましい。使用可能な活性エネルギー線としては、例えば、α、βおよびγ線、X線、紫外線、可視光線等の公知の活性エネルギー線が挙げられる。活性エネルギー線を照射する方法としては、透光材料製モールドを用い該モールド側から照射する方法、透光材料製基板を用い該基板側から照射する方法が挙げられる。また照射時に系全体を適宜、加熱して重合性モノマーの重合を加速させてもよい。
【0060】
工程4におけるモールドを硬化物から剥離する際の温度は、0〜100℃が好ましく、0〜60℃が特に好ましい。
【0061】
工程5以降は必要に応じて行えばよいが、イオンビームエッチング、反応性イオンエッチング等のドライエッチングなどが使用可能であり、電気鍍金、無電解鍍金等の加工も使用可能である。
【0062】
工程6は硬化物が不要の場合に行う工程であり、物理的に剥離する方法や、気相中でオゾンやプラズマにより灰化する手法などが使用可能である。
【0063】
本発明の製造方法により得た微細パターン形成体は、表面にモールドの微細パターンが高精度に転写されている。該微細パターン形成体は、マイクロレンズアレイ、光導波路素子、光スイッチング素子、フレネルゾーンプレート素子、バイナリー光学素子、ブレーズ光学素子、フォトニクス結晶、光記録媒体等の光学素子、ディスクリートトラックメディア、パターンドメディア等の磁気記録媒体、反射防止部材、バイオチップ部材、マイクロリアクターチップ部材、触媒担持部材、電池用電極材、電池用セパレータ材等として有用である。
【実施例】
【0064】
以下、本発明について実施例を用いて詳細に説明する。尚、以下、「部」は「質量部」を意味する。
【0065】
実施例および比較例において得られた組成物およびそれを用いて得た硬化物について、以下に示す評価を実施し、表1に示した。
【0066】
<無溶剤組成物粘度>
成分D以外の有効成分を配合した組成物について、E型粘度計(東機産業(株)製、TVE−20)を用いて、25℃における粘度を測定した。
【0067】
<塗装外観>
硬化性組成物をシリコンウェハ上に塗装硬化したあと、塗膜面を溝尻光学工業社製シャドーグラフLX−135Sで観察した。評価は下記の通りとした。
○:塗装ムラおよびスジなく平滑な外観
×:塗装ムラ、スジ、ハジキ等が発生し、塗装外観不良
【0068】
<転写性>
工程1:硬化膜厚が50nmとなるよう、本発明の硬化性組成物を4インチシリコンウェハ上にディスペンス後、スピンコートして、室温10分間の条件で溶剤を乾燥させた。
工程2:幅50nm、深さ50nm、長さ5μmの凹構造を表面に有する石英製モールドの微細パターン面をダイキン社製オプツールHD−1100(フッ素系金型離型剤)を用いて離型処理し、次いで該乾燥塗膜が、モールドの微細パターン面に接するように、該基板と前記モールドとを0.5MPaの圧力でプレスした。
工程3:石英製モールドを通して、高圧水銀灯を用いて積算光量3000mJ/cmの条件で紫外線照射し、塗膜を硬化させた。
工程4:前記モールドを硬化物から剥離して、前記硬化物からなる微細パターンを表層に有するシリコンウェハを得た。この基板表面をSEMにより観察した。評価は下記の通りとした。
○:欠けや折れ、剥がれ等発生なく良好
×:欠け、折れ、剥がれ等が発生し不良
【0069】
<エッチングレート>
シリコンウェハの一部をポリイミド粘着テープによりマスキングし、組成物を硬化膜厚200nmとなるよう塗装硬化したサンプルを作製した。次に、本サンプルをドライエッチャの処理室に導入した後、CFガスを流量10ml/min、圧力0.4Pa、出力250Wの条件で60秒処理後、マスキングテープを剥がし、処理面と非処理面の段差を測定することでエッチングレートの評価を行った。評価は下記の通りとした。
○:2.5nm/秒以下で良好
×:2.5nm/秒を越え不良
【0070】
《合成例1》ウレタンアクリレート(UA1:成分(A))の製造
5Lの4つ口フラスコに、キシリレンジイソシアネート940g及びジブチル錫ジオクテート0.5gを仕込んで水浴中でフラスコ内温が70℃になるように加熱した。
【0071】
ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)製、商品名プラクセル205U、数平均分子量530)1325gを側管付きの滴下ロートに仕込み、この滴下ロート内の液を、4つ口フラスコ中の内容物を攪拌しつつ、フラスコ内温を70℃に保ちながら4時間等速で滴下し、更に同温度で2時間攪拌して反応させた。
【0072】
次いで、フラスコ内容物の温度を75℃に上げ、別の滴下ロートに仕込んだ2−ヒドロキシエチルアクリレート580g及びハイドロキノンモノメチルエーテル1gの混合溶液を、フラスコ内温を75℃に保ちながら2時間等速で滴下した。更にフラスコ内容物の温度を75℃に保って4時間反応させて、ウレタンアクリレートUA1を製造した。得られたUA1をGPC測定したところ、質量平均分子量は4100であった。
【0073】
[実施例1]
(1)硬化性組成物の製造および無溶剤型組成の粘度測定
成分(A)として合成例1で得られたUA1:25部、成分(B)としてテトラヒドロフルフリルアクリレート25部、成分(C)として、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート40部、およびカプロラクトン変性リン酸ジメタクリレート10部、成分(F)として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1:3部を混合溶解し、硬化性組成物を得た。得られた無溶剤型硬化性組成物の粘度を測定し、表1に示した。
【0074】
その後、該硬化性組成物103部に対し、成分(D)としてプロピレングリコールメチルエーテルアセテート1957部を配合し、室温で30分以上攪拌溶解させ、有効成分濃度5.0質量%である、本発明の硬化性組成物を得た。
【0075】
(2)シリコンウェハへのコーティング及び評価
25℃にて、(1)で得た本発明の硬化性組成物を、4インチシリコンウェハー上に0.5gディスペンスし、コーティング膜厚が50nmとなるようスピンコートした。その後、酸素重合阻害による硬化不良を防ぐため、窒素雰囲気下中で高圧水銀ランプにて紫外線照射(3000mJ/cm)して硬化膜を形成した。硬化膜表面を溝尻光学工業社製シャドーグラフLX−135Sで観察したところ、塗装ムラやスジなど観察されず、良好な塗装外観であった。また、同様にウェハー上に塗装し、転写性およびエッチングレートの評価を行い、表1に示した。
【0076】
[実施例2および比較例1〜6]
表1に示す組成物について、各種溶剤にて表1の有効成分濃度となるように希釈し、実施例1と同様に評価した結果を示した。
【表1】

【0077】
表1中の略号、化合物は以下の通りである。
【0078】
UA1:合成例1で得られたウレタンアクリレート
CNUVE151:サートマー製 エポキシアクリレートオリゴマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートのラクトン付加物と二塩基酸無水物から得られるハーフエステル化合物と、エポキシ樹脂とを反応させて得られるエポキシアクリレート、質量平均分子量1500)
THFA:テトラヒドロフルフリルアクリレート
POA:フェノキシエチルアクリレート
4HBA:4−ヒドロキシブチルアクリレート
MEDOL:2−エチル−2−メチル−1,3−ジオキソラン−4−イル−メチルアクリレート
TCDA:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート
PM21:カプロラクトン変性リン酸ジ(メタ)アクリレート
BPE4:テトラエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
BPE10:デカエトキシレーテッドビスフェノールAジ(メタ)アクリレート
NVP:N−ビニルピロリドン
BDMB:2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1
PGMEA:プロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点:146℃,n−ブチルアセテートの25℃における蒸発速度を1とした場合の相対蒸発速度:0.34)
PGPE:プロピレングリコールプロピルエーテル(沸点:150℃,相対蒸発速度:0.2)
PGTE:プロピレングリコール−t−ブチルエーテル(沸点:151℃,相対蒸発速度:0.25)
シクロヘキサノン:(沸点:155℃,相対蒸発速度:0.3)
IPA:イソプロパノール(沸点:82℃,相対蒸発速度:1.7)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子内に1個以上のエチレン性不飽和基を有する質量平均分子量1000〜30000のオリゴマー(A)、ホモポリマーのTgが5℃以下である(A)以外のエチレン性不飽和化合物(B)、分子内に2個以上のエチレン性不飽和基を有する(A)及び(B)以外の化合物(C)、並びに大気圧における沸点が115℃〜175℃の範囲にある有機溶剤(D)を含む組成物であって、有機溶剤以外の有効成分濃度が0.1〜10質量%の範囲にある硬化性組成物。
【請求項2】
(D)成分を含まない無溶剤組成物の25℃における粘度が50〜1100mPa・sである請求項1記載の硬化性組成物。
【請求項3】
請求項1記載の組成物の塗装膜を基板面に形成し、微細なパターンが形成されたモールドを前記塗装膜の表面に加圧接触し、光照射により前記塗装膜を硬化させ、微細なパターンを形成するパターン形成方法。

【公開番号】特開2010−18644(P2010−18644A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177721(P2008−177721)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】