説明

硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物、積層材中間膜及び積層材

【課題】常温あるいは加熱下で硬化し、気泡がなく無色で透明性に優れ、適度な硬度を備えて柔軟性に優れ、伸度も良好な硬化物を得ることのできる硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物と、これを用いた積層材中間膜を提供する。
【解決手段】(A)(a−1)メチルメタクリレート30〜80質量%と、(a−2)メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体20〜70質量%を含有する単量体成分を重合してなる(メタ)アクリル系重合体10〜40質量部と、(B)メチルメタクリレート25〜65質量部と、(C)特定の一般式で示す(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体25〜65質量部とを含む硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物と、これを用いた積層材中間膜である。但し、(A)〜(C)成分の合計は100質量部である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明板状物が積層した積層材において、接着層として配置される積層材中間膜と、この積層材中間膜などに好適に用いられる硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
過酸化物などの硬化剤を利用したラジカル重合によって、常温あるいは加熱下で硬化する硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物は、透明性、耐候性に優れていることから、透明樹脂板や人工大理石等の成形品、接着剤、コーティング剤などに好適に使用されている。
【0003】
一方、複数のガラス板や透明樹脂板などの透明板状物を積層し、接着して得られる合わせガラス材料、複合樹脂材料などの積層材は、複合材料として優れた防音性、安全性、飛散防止性、断熱性等を有する他、所望に応じて紫外線カット性、赤外線カット性、意匠性等の優れた特性が付与され得ることから、建築材料、自動車、陰極線管等の分野に広く使用されている。
このような積層材の製造時に、透明板状物を積層し、接着する際には、これらの間に接着層として作用する積層材中間膜が配置される。この積層材中間膜には、透明性が求められることから、上述の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物が使用されることが多い。
【0004】
硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物を積層材中間膜に使用する場合、該樹脂組成物には、無色で透明性に優れることともに、適度な柔軟性、伸度などの他の特性を有することも必要とされる。
このような事情を背景として、例えば特許文献1には、透明性、低着色性、耐久性に優れる硬化性組成物として、水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルを主成分として含む重合性単量体と、重合体及び/またはオリゴマーと、フェノール系酸化防止剤と、リン酸系酸化防止剤と、紫外線吸収剤及び/またはヒンダードアミン系光安定剤を含む組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−338611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の組成物では、硬化物の透明性や伸度などが未だ十分ではなかった。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、常温あるいは加熱下で硬化し、気泡がなく無色で透明性に優れ、適度な硬度を備えて柔軟性に優れ、伸度も良好な硬化物を得ることのできる硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物と、これを用いた積層材中間膜を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物は、(A)(a−1)メチルメタクリレート30〜80質量%と、(a−2)メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体20〜70質量%を含有する単量体成分を重合して得られる(メタ)アクリル系重合体10〜40質量部、(B)メチルメタクリレート25〜65質量部、及び(C)下記一般式(1)で示す(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体25〜65質量部を含む。(但し、(A)〜(C)成分の合計は100質量部である。)
CH=CRCOO(RO)・・・(1)(式中、RはHまたはCHを、RはC、C、または、Cを、Rはアルキル基を、nは2以上の整数を示す。)
前記(a−2)成分はブチルメタクリレートであることが好ましい。
前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、(D)ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート0.5〜7質量部をさらに含んでもよい。
前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、下記一般式(2)で示されるアクリル系ラジカル重合性単量体3〜35質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体1〜10質量部とをさらに含んでもよい。
CH=CHCOOR・・・(2)(式中、Rは炭素数4以上のアルキル基を示す。)
前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体0.01質量部〜3質量部をさらに含んでもよい。
前記硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物は、熱重合型の開始剤を含有する熱硬化用として好適である。
本発明の積層材中間膜は、前記硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物から形成される。
本発明の積層材は、前記中間膜を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物によれば、常温あるいは加熱下で硬化し、気泡がなく無色で透明性に優れ、適度な硬度を備えて柔軟性に優れ、伸度も良好な硬化物を提供できるため、例えば積層材中間膜などの硬化物への使用に好適である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物(以下、(メタ)アクリル系樹脂組成物という。)は、常温あるいは加熱下で硬化するものであって、該(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度、硬化性や、その硬化物の透明性、引張強度、柔軟性などの物性を制御する成分として、(A)(メタ)アクリル系重合体((A)成分)を含有する。
(A)成分は、(a−1)メチルメタクリレート30〜80質量%と、(a−2)メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体20〜70質量%を含有する単量体成分を重合することにより得られる。
【0011】
(a−2)メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体の具体例としては、メチルアクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルフォリン等が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとの総称であり、(メタ)アクリルとはアクリルとメタクリルとの総称である。
単量体成分には、これらのうち一種を使用しても二種以上を使用してもよいが、特に(a−2)としてブチルメタクリレートを使用することが好ましく、n−ブチルメタクリレートを使用することがより好ましい。n−ブチルメタクリレートを使用すると、(A)成分として、メチルメタクリレートとn−ブチルメタクリレートとの共重合体を(メタ)アクリル系樹脂組成物に使用することとなり、その結果、該(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度、硬化性や、その硬化物の透明性、引張強度、柔軟性が良好となる。
【0012】
(A)成分を製造する単量体成分中における、(a−1)メチルメタクリレートの含有量は30〜80質量%であり、(a−2)メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリル系ラジカル単量体の含有量は20〜70質量%である。(a−1)および(a−2)の含有量がこの範囲であれば、(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度が適当となり、作業性が良い。また、(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物の透明性、柔軟性、伸度を損なわない。好ましくは、単量体成分中、(a−1)が30〜60質量%で、(a−2)が40〜70質量%である。
【0013】
また、(A)成分の(B)及び(C)成分に対する溶解性を損なわない範囲内で、(A)成分を製造する単量体成分には、上記(a−1)および(a−2)以外のその他のモノマーを使用しても何ら差し支えない。その他のモノマーとしては、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられ、1種以上を使用できる。
【0014】
(a−1)と(a−2)と必要に応じて使用されるその他のモノマーとからなる単量体成分を、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の従来公知の各種の方法で重合することによって、(A)成分としての(メタ)アクリル系重合体を得ることができる。これらの各種の方法のなかでは、内部に不純物が少なく、耐候安定性が高い重合体が得られることから、特に、懸濁重合法が好ましい。
【0015】
(A)成分の(メタ)アクリル系重合体は、(A)〜(C)成分の合計100質量部中、10〜40質量部の範囲で含まれ、好ましくは15〜30質量部の範囲で含まれる。
(A)成分の含有量がこの範囲であれば、(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度が適当となり、作業性が良い。また、硬化物内への気泡混入を抑制できる。さらに、硬化物の透明性、柔軟性、伸度を損なわない。
(A)成分の(メタ)アクリル系重合体の分子量については、特に制限はないが、作業性、硬化性の観点から、質量平均分子量が1,000〜200,000の範囲が好ましい。
【0016】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、該(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度や、その硬化物の透明性などの物性を調整する成分として、(B)メチルメタクリレート((B)成分)を含有する。
(B)成分のメチルメタクリレートは、(A)〜(C)成分の合計100質量部中、25〜65質量部の範囲で含まれる。(B)成分の含有量が25質量部以上であると、(メタ)アクリル系樹脂組成物の粘度が高すぎず、また、硬化物の透明性も優れる。(B)成分の含有量が65質量部以下であると、(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物の柔軟性が良好となる。(B)成分の好ましい含有量は、30〜50質量部である。
【0017】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、該(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物の柔軟性、透明性を調整する成分として、(C)一般式(1)で示される(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体((C)成分)を含有する。
CH=CRCOO(RO)・・・(1)(式中、RはHまたはCHを、RはC、C、または、Cを、Rはアルキル基を、nは2以上の整数を示す。)
【0018】
一般式(1)の(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体の具体例としては、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラブチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラブチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシテトラブチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ブトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシジブチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシトリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシトリブチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシテトラブチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、オクトキシポリブチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種以上を使用できる。硬化物の耐候性の観点からnは15以下であることが好ましく、Rの炭素数は1以上10以下であることが好ましい。なかでも、透明性に優れることから、特に2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシルアクリレートが好ましい。2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシルアクリレートは、一般式(1)において、RがH、RがC、Rが2−エチルヘキシル基、nが2の化合物である。
【0019】
(C)成分である上記(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体は、(A)〜(C)成分の合計100質量部中、25〜65質量部含まれ、好ましくは30〜50質量部含まれる。(C)成分の含有量がこの範囲であれば、(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物の透明性、柔軟性、伸度を損なわない。
【0020】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、硬化物の柔軟性向上や強度付与を目的として、(D)ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート((D)成分)をさらに含むことができる。
(D)成分のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの具体例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられ、1種以上を使用できる。特に(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物の柔軟性や強度の点から、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロプレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレートが好ましい。さらに、ポリアルキレングリコールジメタクリレートの分子量が500以上のものがより好ましい。
【0021】
(D)成分のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの量は、上記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、0.5〜7質量部の範囲で配合されることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量部である。(メタ)アクリル系樹脂組成物に(D)成分がこの範囲で含まれると、該(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物の透明性を損なうことなく、柔軟性や強度を向上させることができる。
【0022】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物には、該(メタ)アクリル系樹脂組成物の透明性、柔軟性を損なわない範囲で、上記(A)〜(D)成分以外の成分として、その他のラジカル重合性ビニル単量体が含まれても差し支えない。
その他のラジカル重合性ビニル単量体の具体例として、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、オクトキシエチル(メタ)アクリレート、オクトキシエチル(メタ)アクリレート、オクトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリロイルモルフォリン、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等が挙げられ、1種以上を使用できる。
また、必要に応じて、1分子中に2個以上の二重結合を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体を用いてもよい。その具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテル(メタ)アクリル酸付加物、1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられ、1種以上を使用できる。
これらのなかでも、硬化物の柔軟性と伸度が向上することからn−ブチルアクリレート、i−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、ヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、n−ノニルアクリレート、イソノニルアクリレート、デシルアクリレート、ラウリルアクリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアクリレート等の下記一般式(2)で示されるアクリル系ラジカル重合性単量体と、水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体とを併用することが好ましい。
CH=CHCOOR・・・(2)(式中、Rは炭素数4以上のアルキル基を示す。)
硬化物の耐候性の観点から、Rの炭素数は20以下であることが好ましい。
式(2)で示される単量体の配合量は上記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、3〜35質量部であることが好ましく、5〜35質量部であることがより好ましく、10〜30質量部であることがさらに好ましい。この範囲であれば、硬化物の透明性を損なうことなく、柔軟性を向上させることができる。硬化物の柔軟性や透明性の観点から、n−ブチルアクリレートが最も好ましい。
水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリレート類;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートへのγ−ブチロラクトン開環付加物またはε−カプロラクトン開環付加物、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートまたは2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートの2量体や3量体等の末端に水酸基を有する(メタ)アクリレート類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体の配合量は上記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。この範囲であれば、硬化物の透明性を損なうことなく、伸度を向上させることができる。硬化物の透明性の観点から、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが最も好ましい。
【0023】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、ガラスへの硬化物の密着性向上を目的として、リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体をさらに含むことができる。リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体の具体例としては、メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、アクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェート、メタクリロイルオキシエチルフェニルアシッドフォスフェート、メタクリロイルポリオキシエチルアシッドフォスフェート、メタクリロイルポリオキシプロピルアシッドフォスフェート等が挙げられ、1種以上を使用できる。硬化物の透明性の観点から、メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、ビス(メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェートが好ましい。リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体の量は、前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、0.01質量部〜3質量部が好ましい。さらに好ましくは、0.03質量部〜1質量部である。0.01質量部〜3質量部とすることで、ガラスへの硬化物の密着性が向上し、硬化物の透明性が良好となる。
【0024】
また、本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物には、種々の特性を改善するために、例えば、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、潤滑剤、離型剤、染料、顔料、消泡剤、重合抑制剤、充填剤、ワックス、シランカップリング剤等の各種添加剤等の各種添加剤を添加してもよい。
【0025】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、上記の各成分を混合することにより製造できる。混合時の温度条件には特に制限はなく、必要に応じて加熱してもよい。
こうして得られた(メタ)アクリル系樹脂組成物を従来公知の硬化方法により硬化させることにより、硬化物が得られる。その際、例えば硬化剤として、有機過酸化物やアゾ化合物のような重合開始剤を用いて熱重合してもよいし、硬化剤と硬化促進剤との組み合わせによるレドックス反応により硬化してもよい。
【0026】
重合開始剤として使用する有機過酸化物の具体的な例としては、メチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキシエステル等が挙げられる。
重合開始剤として使用するアゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等が挙げられる。
これらのなかでも、特に硬化性の観点から、ジラウロイルパーオキサイド、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を使用することが好ましい。また、重合開始剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。
【0027】
レドックス反応により硬化させる場合には、ジベゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物とN,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン等の芳香族3級アミン類;ハイドロパーオキサイドと金属石鹸類;クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3,−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド等のパーオキサイドとチオ尿素類等の組み合わせが採用される。
硬化物の耐候性が良好になることから、有機過酸化物やアゾ化合物などの熱重合型の開始剤を含有する熱硬化用(メタ)アクリル系樹脂組成物であることが好ましい。
【0028】
本発明の(メタ)アクリル系樹脂組成物は、常温でも硬化可能であるが、加熱下で硬化する際の加熱温度は、(メタ)アクリル系樹脂組成物の発泡を抑制する目的から、40〜75℃が好ましく、加熱時間は1〜8時間が好ましい。加熱温度の上限は、60℃であることが好ましい。また、硬化を完全に進行させるため、さらに70℃〜120℃で1〜3時間加熱することが好ましい。加熱温度の下限は、80℃であることが好ましい。
【0029】
こうして得られた硬化物の用途には制限はなく、幅広い用途に使用できるが、この硬化物は、気泡がなく無色で透明性に優れ、適度な硬度を備えて柔軟性に優れ、伸度も良好である。よって、複数のガラス板や透明樹脂板などの透明板状物を積層し、接着し、合わせガラス材料、複合樹脂材料などの積層材とする際に、これら透明板状物の間に接着層として配置される積層材中間膜としての使用に好適である。積層材中間膜を形成する方法としては、透明板状物の間に(メタ)アクリル系樹脂組成物を塗布、注入するなどして配置した後、硬化させればよい。積層材中間膜の厚みには特に制限はないが、硬化後の厚みとして、通常、0.01〜10mmとされる。厚みの下限は0.1mmであることが好ましい。
また、(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物は、その優れた特性から、光学部材、光半導体用封止材、透明板用接着剤、人工大理石、プライマー、トップコート、床材、樹脂モルタル等のコーティング剤にも好適に使用できる。
【実施例】
【0030】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。以下の記載中、「部」は特記の無い限り「質量部」を意味する。また、実施例および比較例における評価は、以下の方法に従って実施した。
[製造例1]
シラップ組成物((メタ)アクリル系樹脂組成物)S−1の製造:
冷却器を備えた反応容器にメチルメタクリレート40部、2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシルアクリレート40部、2,6−ジ−tert −ブチル−p−クレゾール(重合禁止剤)0.05部を入れ、撹拌しながらポリマー1(メチルメタクリレート/n−ブチルメタクリレートの質量比=40/60共重合体、Mw=60,000)20部を少量ずつ加えた。
全て加えた後、反応溶液を60℃に昇温し、温度を維持したまま2時間撹拌した。2時間後、ポリマー1が完全に溶解したことを確認した。反応溶液を冷却し、表1に示す組成のシラップ組成物S−1を得た。
【0031】
【表1】

【0032】
【表2】

表中の略語は下記の通りである。
MMA:メチルメタクリレート
EHOA:2−エトキシレーテッド2−エチルヘキシルアクリレート;式(1)におけるRがH、RがC、Rが2−エチルヘキシル基、n=2である化合物
2−EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
n−BA:n−ブチルアクリレート
PBOM:ポリブチレングリコールジメタクリレート(繰り返し単位数8から9)
SLMA:ドデシルメタクリレート/トリデシルメタクリレートの混合物
HPMA:2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
ポリマー1:MMA/n−BMA(n−ブチルメタクリレート)の質量比=40/60の共重合体(Mw=60,000)
ポリマー2:ポリメチルメタクリレート(Mw=40,000)
ポリマー3:MMA/n−BMAの質量比=20/80の共重合体(Mw=140,000)
BHT:2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール
ブレンマーPME−200:メトキシテトラエチレングリコールメタクリレート(日油株式会社製)
ライトエステルP−2M:メタクリロイルオキシエチルアシッドフォスフェートおよびビス(メタクリロイルオキシエチル)アシッドフォスフェートの混合物(共栄社化学株式会社製)
2−ETA:2−エトキシエチルアクリレート(大阪有機化学工業株式会社製)
ポリマー4:MMA/i−BMA(i−ブチルメタクリレート)の質量比=40/60の共重合体(Mw=60,000)
【0033】
[製造例2〜20]
シラップ組成物S−2〜20の製造:
表1および2に記載する組成比に変更した以外は、シラップ組成物S−1の製造と同様にしてシラップ組成物S−2〜20を得た。
ただし、表1および2に示すように、2−EHA、n−BA、PBOM、SLMA、HPMA、ライトエステルP−2M、2−ETAを加える場合には、ポリマー1〜4を加える前に、これらを反応容器に投入した。
【0034】
[実施例1]
シラップ組成物S−1:100部に、硬化剤としてジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(日油株式会社製、商品名:パーロイルTCP)を1部加え、完全に溶解した。これを脱泡したものをPETフィルムで被覆したガラス2枚と、塩化ビニル樹脂製の枠とで作製した3mmの隙間を設けたガラスセルに流し込み、セルを密閉した。その後、50℃で2時間、80℃で1時間加熱して、セル中の組成物を硬化し、両面のガラス、PETフィルムを剥がし取り、厚さ2.9mmの樹脂板を得た。
また、表面をアセトンでよく拭いたフロートガラス1枚と、PETフィルムで被覆したガラス1枚と、厚み0.1mmのPETフィルム枠とで作製した0.1mmの隙間を設けたガラスセル中にも同じシラップ組成物を流し込み、同様に硬化させて、ガラス、PETフィルムを剥がし取り、フロートガラス上に密着した厚さ約0.1mmの樹脂膜を得た。 シラップ組成物、樹脂板、樹脂膜について、以下の測定、評価を行った。結果を表3および4に示す。
【0035】
[作業性]
シラップ組成物の粘度から作業性を評価した。測定にはB型粘度計を用い、23℃で行った。下記基準で評価した。
○:粘度が100mPa・s以下
×:粘度が100mPa・sより大きい
[気泡の有無]
樹脂板内の気泡の有無を目視で評価した。下記基準で評価した。
○:樹脂板内に気泡無し
×:樹脂板内に気泡有り
[透明性]
樹脂板の透明性をヘイズにより評価した。ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、HM−65W型)を用い、JIS−K7136に準じて測定した。下記基準で評価を行った。
◎:ヘイズが2%未満
○:ヘイズが2%以上3%未満
×:ヘイズが3%以上
[全光線透過率]
樹脂板の全光線透過率をJIS−K7105に準じて測定した。ヘイズメーター(村上色彩技術研究所製、HM−65W型)を用いた。
[力学的特性:最大点強度、破断点伸度]
JIS−K6251に準じて測定した。樹脂板からダンベル状3号形の試験片を打ち抜き、厚みは樹脂板厚みのままで、最大点強度、破断点伸度を測定した。測定は、23℃で行った。
[硬度(柔軟性)]
樹脂板の硬度をJIS−K6253に準じて測定した。タイプAデュロメータおよび、タイプDデュロメータを用いて硬度を測定し、柔軟性の指標とした。測定は、23℃で行った。
なお、表中、Aと記載のあるものは、Dよりも硬度が低いことを意味する。また、A同士またはD同士で比較した場合は、A−またはD−の後ろに記載された数値が小さいほど、硬度が低く柔軟性が良好であることを示す。
[密着性]
フロートガラス上の樹脂膜に、カッターナイフで2mm間隔の碁盤目状の切れ込みを入れ、2mm×2mmのマスを25マス作製した。切れ込みを入れた樹脂膜上にセロハン粘着テープ(ニチバン株式会社製、商品名:セロテープ(登録商標))を貼り付け、1分間養生後、セロハン粘着テープを引き剥がした。フロートガラス上の樹脂膜の剥離状態によって、密着性を評価した。
◎:フロートガラス上の樹脂膜の剥離が、1マス以下
○:フロートガラス上の樹脂膜の剥離が、2マス以上、4マス以下
×:フロートガラス上の樹脂膜の剥離が、5マス以上
【0036】
[実施例2〜11、比較例1〜9]
シラップ組成物S−1をシラップ組成物S−2〜S−20に変更した以外は、実施例1と同様にして評価、測定を行った。結果を表3および4に示す。
なお、作業性が「×」であるか、気泡が有る樹脂板については、全光線透過率、力学的特性、硬度(柔軟性)、密着性について、評価を実施しなかった。
【0037】
【表3】

【0038】
【表4】

【0039】
表3および4から明らかなように、各実施例のシラップ組成物((メタ)アクリル系樹脂組成物)はいずれも作業性が良好であった。また、これらによれば、気泡がなく無色で透明性に優れ、適度な硬度を備え柔軟性に優れ、伸度、強度も良好な樹脂板(硬化物)、密着性の良好な樹脂膜を得ることができた。
また、(D)成分を配合したシラップ組成物を用いた実施例4および5では、(D)成分が配合されていない実施例1に比較して、樹脂板の強度及び柔軟性が向上していた。
さらに、式(2)で示されるアクリル系ラジカル重合性単量体と、水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体とを併用した実施例6では、実施例1に比較して、樹脂板の柔軟性及び伸度が向上していた。
さらにリン酸エステル構造を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体を配合した実施例9〜11は、配合していない実施例と比較して、樹脂膜のガラスへの密着性が向上していた。
これに対して比較例のシラップ組成物では、気泡の有無や透明性、硬度(柔軟性)、伸度、密着性の点が全て良好な樹脂板、樹脂膜は得られなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a−1)メチルメタクリレート30〜80質量%と、(a−2)メチルメタクリレート以外の(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体20〜70質量%を含有する単量体成分を重合して得られる(メタ)アクリル系重合体10〜40質量部、
(B)メチルメタクリレート25〜65質量部、
及び
(C)下記一般式(1)で示す(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体25〜65質量部を含む硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物。
(但し、(A)〜(C)成分の合計は100質量部である。)
CH=CRCOO(RO)・・・(1)
(式中、RはHまたはCHを、RはC、C、または、Cを、Rはアルキル基を、nは2以上の整数を示す。)
【請求項2】
前記(a−2)成分がブチルメタクリレートである請求項1に記載の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物。
【請求項3】
前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、(D)ポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート0.5〜7質量部をさらに含む請求項1または2に記載の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物。
【請求項4】
前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、下記一般式(2)で示されるアクリル系ラジカル重合性単量体3〜35質量部と、水酸基を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体1〜10質量部とをさらに含む請求項1〜3のいずれかに記載の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物。
CH=CHCOOR・・・(2)
(式中、Rは炭素数4以上のアルキル基を示す。)
【請求項5】
前記(A)〜(C)成分の合計100質量部に対して、リン酸エステル構造を有する(メタ)アクリル系ラジカル重合性単量体0.01質量部〜3質量部をさらに含む請求項1〜4のいずれかに記載の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物。
【請求項6】
熱重合型の開始剤を含有する熱硬化用である請求項1〜5のいずれかに記載の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の硬化性(メタ)アクリル系樹脂組成物の硬化物からなる積層材中間膜。
【請求項8】
請求項7に記載の中間膜を含む積層材。

【公開番号】特開2010−132876(P2010−132876A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−240267(P2009−240267)
【出願日】平成21年10月19日(2009.10.19)
【出願人】(000006035)三菱レイヨン株式会社 (2,875)
【Fターム(参考)】