説明

硬質アルマイト処理金型

【課題】プラスチック、ゴム、紙などの材料で、金型成形で完成される機能部品などは、機能に適した表面を得るために、高価な特殊切削法、又、高価な特殊メッキ表面処理で金型を造ってきたが、なお、多孔性表面については不充分であり、より良質な多孔性表面の型を提供する。
【解決手段】型素材の鉄、超硬を硬質アルミニウム系に変更し、硬質アルマイト処理をし、商品機能に適した充分な多孔性を得ることができ、軽くて、耐磨耗性の高い、陽酸化被膜をもつ金型で高品質の成型品を造る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型の材質をアルミニウム系材料にし、型表面をアルマイト処理し、型の表面を活用した部品づくりに関するものである。
【技術背景】
【0002】
樹脂、ゴム、紙、そして木などの型成形品商品を造る金型は、従来、鉄にクロムメツキをしたものが多くあったが、型材料をアルミニウム系にし、表面をアルマイト処理し、成形品の特長を、その商品の機能向上に役立て、利用したもので、型の加工、取扱いも便利である。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来金型の問題点として、
1)商品の形状が復雑で、従来のメッキがつきにくいもの。
2)機能商品で、表面が、つるつる、ぴかぴか表面では不具合が生じる商品。
3)機能商品で1部分のみ多孔質、にしたい商品。
などの専用金型を造ることが課題である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
従来の金型材料の鉄をアルミニウム系素材に変更し、従来のメッキ加工を硬質アルマイト処理に変更し、型表面を陽極酸化被膜にする。
又、スムーズな動きを求める商品の金型には、テフロン複合メッキを追加する。
【発明の効果】
【0005】
図1は、漁船の船底部分にFRPのアルマイト処理金型で造ったプラスチック板を張りつけたもの。板表面の多孔性で、きっすい線より底に致る部分を空気だまりの小孔の多い表面のため、走行中は船主より供給する空気が可能な限り多くこの孔にしがみつき、走行時、水の抵抗を減らし、空気の抵抗に変えるため、気比800倍の抵抗を半分の400倍ぐらいにできことにより、走行エネルギを半分にできるので大きな省エネとなる。従って船首にばらまく空気集気装置を設けることが尚良い。船内にエヤーポンプを搭載したり、風力発電装置からでる風を船首に運ぶ方法など、すでに発明されている。
FRP板を造るアルマイト処理金型はアルミ素材に6〜30μの酸化被膜をつけ多孔性表面になる故、成型工程で100%反映され、最適な船底板を造ることができ、アルマイト処理によりできる孔は、直径0.1〜3.0μの孔径。孔の深さ3〜20μ、そして1mmの中にできる孔数は、約650個で、船以外にも用途が多い。
【0006】
図2は、1般の水ポンプシールに多く使われるメカシール部品の1部で、カーボンシールを示す。カーボンとプラスチックを混合し、成形型で造り、摺動平面使用の機能部品であるが、シール面の平面には、アルマイト処理金型の多孔性保持最適商品であり、この平面の孔内に、空気と少しの水のたまりが存在し、擢動抵抗を小さくし、シール効果を向上し耐久性を向上する。図3は本シール部品を成型するアルマイト処理金型を示し、1、2、3型全部をアルマイト処理6〜20μしたもの。
【0007】
図4は、油と砂などをシールするオイルシールで2種のリップをもつシールの金型形状を示すものである。型材にアルミ7000番を使用し、切削加工後、硬質アルマイト処理し、(10μ厚み)したもの。オイルをとめる第1リップと、砂をとめる第2リップの先端(隅部分)迄、多孔質の酸化被膜が形成されているため、成型後のゴム商品には、シールするオイルが、ゴム表面の凹みに介在し、軸との擢動抵抗を小さくし、耐久性を向上し、シール効果を向上する。金型の加工に於ては、従来の鉄型に比べ軽く、取扱いが楽で切削性も良くなり、磨き時間も短縮され、さらにメッキ対比アルマイト処理精度も高く、隅の隅迄多孔質で、電気絶縁性、耐磨耗性が向上し、プラスチック、ゴムなどの商品金型としてベストである。
【0008】
上述の通り、従来の硬鉄金型。超硬金型。ダイヤモンド付金型などの表面処理で不充分であった型部分、又、メッキ表面、アルマイト処理により、均一に、し、又、多孔性を活用できる、プラスチック、ゴム、木、紙などの商品に応用し、拡大する。
【産業上の利用可能性】
【0009】
従来、アルマイト処理商品は、建材用、鍋の食機用などが主で、工業用としては、非常に少ないものであった。本発明は、新しく、竹、木、紙、プラスチック、さらにゴムなどを材料とする産業に利用される。船舶に利用すると、空気比800倍の水抵杭を、1/2程度に減少する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の金型で造った板を船底にした船の側面図。
【図2】メカニカルシール擢動部品の正面断面図。
【図3】上記図2商品の成形型正面断面図。
【図4】オイルシールの成形型断面図
【符号の説明】
1、成形型1面 2、成形型2面
3、成形型3面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質アルミニウム素材加工表面に、硬質アルマイト処理をし、その型表面を多孔質にし、電気絶縁性にし、耐磨耗の高い酸化被膜を形成させ、金属に比べ軟質材料即ち、ゴム、紙、木、カーボン、銅粉末を入れたプラスチック、さらにプラスチック単体などの成型金型。
アルマイト処理は、ショウ酸溶液中でアルミを電極とする普通のやり方で処理し、硬さは、150HV以上とする。又、成型商品で必要に応じテフロン復合メッキを追加工できる。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−189724(P2011−189724A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−98286(P2010−98286)
【出願日】平成22年3月12日(2010.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(505253721)
【Fターム(参考)】