説明

硬質ポリウレタンフォーム、その製造方法及びその使用

【課題】自動車用のソフトトリムを製造するために、常温成形法によって、ダブルコンベヤーベルトにて、主に圧縮可能連続気泡硬質PURフォームボードを連続的に製造する方法を提供する。
【解決手段】主に連続気泡常温成形圧縮硬質ポリウレタンフォームを、特定の基準を満足するイソシアネート成分と特定の基準を満足する少なくとも五種類のポリヒドロキシ化合物を含んで成るイソシアネート反応性成分から製造する。これらのフォームを、ダブルコンベヤーベルト法によって製造する。本発明のフォームは、自動車用のソフトトリム、特に内側のルーフライニング、天井の強化ボード及びカラム・トリムの製造に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に連続気泡(又は開放気泡)、常温成形(又は冷間加工:cold-formable)、圧縮硬質ポリウレタンフォーム、それらの製造、及び自動車用ソフトトリム(soft trim)、特に、内側のルーフライニング(天井張り:roof lining)、天井強化ボード(roof stiffening board)及びカラム・トリム(柱状トリム:column trim)の製造への使用に関する。
【背景技術】
【0002】
サンドイッチ構造の中間層としての硬質ポリウレタン(PUR)フォーム及び自動車用のソフトトリムを製造するためのそれらの使用は、既知である。
【0003】
内側のルーフライニング、ルーフ強化又はカラムトリムとして使用するためにサンドイッチボードを、常温成形法で通常製造する。常温成形法では、熱硬化性接着剤及び補強材料(例えば、ガラス繊維及び/又は天然繊維マット又は不織布及び/又はガラス繊維ロービング(又は粗紡)、紙でできたフェーシング、熱可塑性シート及び/又は不織布及び場合により装飾層)を、両方の面に有する硬質PURフォームボードが供給され、100〜150℃の温度でモールド内で圧縮されるサンドイッチを形成する。
【0004】
自動車のためのソフトトリムを製造するために熱成形可能硬質PURフォームの利用は、例えば、 Kunststoff-Handbuch, Polyurethane, Volume VII, Carl Hanser Verlarg, Munich, Vienna, 2nd edition, 1983, pp-318-319 に記載されている。
【0005】
EP-A 0 239 906 では、熱成形可能、熱架橋可能硬質PURフォームを、ダブルコンベヤーベルト上で、ポリイソシアネート成分とポリオール成分とを反応させることで製造する。ε−カプロラクタム及び/又はノニルフェノールは、NCO基をブロックするための化合物として使用される。その結果、熱成形の間、第二反応によって、フォームは熱可塑性物質から熱硬化性物質に変えられる。
【0006】
EP-A 0 437 787 は、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の混合物(70〜90重量%のMDI含有量を有する)と、50〜70重量%の2官能性及び/又は3官能性ポリオキシアルキレンポリオール(28〜600のヒドロキシル価を有する)、20〜35重量%の2価フタル酸ポリエステル(150〜440のヒドロキシル価を有する)、2〜10重量%のグリセロール、3.5〜7重量%の水、0.3〜1重量%の組み込み可能三級アミン触媒及び0.1〜2重量%のシリコーン気泡安定剤を含んで成る成分とを反応させることで、25〜30kg/mの密度を有し、連続気泡、常温成形可能硬質PURフォームの不連続製造方法を開示する。
【0007】
DE-A 4 333 795 に基づいて熱可塑的に成形可能な硬質PURフォームを、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の混合物と、ポリヒドロキシ化合物の混合物(350〜500のヒドロキシル価を有する3官能価ポリオキシアルキレンポリオールを40〜60重量%、200〜350のヒドロキシル価を有する2官能価ポリオキシアルキレンポリオールを15〜30重量%、25〜40のヒドロキシル価を有する2〜3官能価ポリオキシアルキレンポリオールを5〜20重量%及びジアルキレングリコールを15〜30重量%を含む)とを反応させることによって製造することができる。連続的に又はバッチ式で製造されるフォームのブロックは、18〜45kg/mの密度を有する。常温成形方法又は熱成形方法により、好ましい壁厚6〜20mmで、内側ルーフライニングを製造するために必要なフォームシートを、水平に切断することでブロックから得ることができる。
【0008】
硬質PURフォームブロックからのフォームシートの製造方法の短所に、カットする又はノコギリでひく費用がかかることと、ブロックの上部、底部及び端部から得られる廃棄物が含まれる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
発明の要約
本発明の目的は、自動車用のソフト・トリム(又は柔軟な内装)を製造するために、常温成形方法によって、ダブルコンベヤーベルト(二重コンベヤーベルト:double conveyer belt)にて、主に圧縮可能な連続気泡硬質PURフォームボードを、連続的に製造する方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
驚くべきことに、この目的は、以下極めて詳細に説明するポリイソシアネート成分とイソシアネート反応性成分から製造される本発明の硬質PURフォームを用いることで達成される。
【0011】
発明の詳細な説明
本発明は、
有機ポリイソシアネート成分a)を含むポリイソシアネート成分A)と
ポリヒドロキシ化合物の組み合わせb)を含むイソシアネート反応性成分B)とを、NCOインデックスが95〜125、好ましくは100〜120であるように反応させて得られる、主に連続気泡、常温成形可能、圧縮硬質ポリウレタン(PUR)フォームであって、

ポリイソシアネート成分A)は、
有機ポリイソシアネートa)の重量の合計を基準として、18〜32重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む70〜90重量%のジフェニルメタンジイソシアネートモノマーa1)、及び
10〜30重量%のポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートa2)
を含んで成る
有機ポリイソシアネートa)を含み、

イソシアネート反応性成分B)は、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜35重量%の、2〜3の官能価と25〜40のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb1)、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜30重量%の、3〜4の官能価と400〜650のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb2)、
成分B)の重量の合計を基準として、5〜15重量%の、2の官能価と150〜550のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb3)、
成分B)の重量の合計を基準として、15〜30重量%の、200〜350のヒドロキシル価を有する少なくとも一種の2官能性ポリエステルb4)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、4〜7重量%のグリセロールb5)
を含む
ポリヒドロキシ化合物の組み合わせb)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、3.5〜5.5重量%の水c)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜4重量%の、少なくとも一種の触媒d)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜2重量%の、少なくとも一種の気泡安定剤e)、
成分B)の重量の合計を基準として、1〜3.5重量%のセルオープナー(気泡連続剤又は気泡開放剤:opener)f)、及び
場合により、助剤物質及び/又は添加剤g)
を含む成分B)に含まれることが好ましい他の物質(又は材料)を含んで成る
硬質ポリウレタンフォームに向けられている。
【0012】
本発明の硬質PURフォームは、ダブルコンベヤーベルト法により製造することが好ましい。それらは、自動車用のソフトトリム、特に内側のルーフライニング、天井強化ボード及びカラムトリムを製造するために用いることが好ましい。
【0013】
本発明は、ダブルコンベヤーベルト法による、常温成形可能、圧縮、連続気泡硬質ポリウレタンフォームの連続製造方法であって、
(I)20〜35℃の温度で混合機中で、NCOインデックスが95〜125となるような比で、ポリイソシアネート成分A)とイソシアネート反応性成分B)とを混合し、
(II)40〜100℃の温度でダブルコンベヤーベルトの二つのフェーシング(表面、仕上げ面又は仕上げ材:facing)の間に、(I)からの混合物を入れ、
(III)コンベヤーベルトが移動するとともにフォーム形成混合物は発泡し、フォームは冷えて、冷えた後、場合により、片方又は両方のフェーシングを取り除き、場合により、冷えた生成物を切断(又はカット)する
連続製造方法にも向けられている。
【0014】
本発明の方法で用いられる成分A)は、
有機ポリイソシアネート成分a)の重量の合計を基準として、18〜32重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む70〜90重量%のモノマージフェニルメタンジイソシアネートa1)、及び
10〜30重量%のポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートa2)
から構成される有機ポリイソシアネート成分a)を含まなければならない。
【0015】
本発明の方法で用いられる成分B)は、

成分B)の重量の合計を基準として、20〜35重量%の、2〜3の官能価と25〜40のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb1)、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜30重量%の、3〜4の官能価と400〜650のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb2)、
成分B)の重量の合計を基準として、5〜15重量%の、2の官能価と150〜550のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb3)、
成分B)の重量の合計を基準として、15〜30重量%の、2の官能価と200〜350のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリエステルポリオールb4)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、4〜7重量%のグリセロールb5)

を含むポリヒドロキシ化合物b)を含まなければならないイソシアネート反応性成分である。
【0016】
成分B)に好ましく含まれる追加の物質は、下記のものを含む:

成分B)の重量の合計を基準として、発泡剤としての3.5〜5.5重量%の水c)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜4重量%の、少なくとも一種の触媒d)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜2重量%の、少なくとも一種の気泡安定剤e)、
成分B)の重量の合計を基準として、1〜3.5重量%のセルオープナーf)、及び
場合により、助剤物質及び/又は添加剤g)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
触媒d)は、反応性水素原子、特に水酸基を含む反応物及び水と、有機ポリイソシアネートとの反応を促進するいずれの化合物も含む。適する触媒は、金属−有機化合物、好ましくは、有機スズ化合物、例えば有機カルボン酸のスズ(II)塩、例えばスズ(II)アセテート、スズ(II)オクタノエート、スズ(II)エチルヘキサノエート及びスズ(II)ラウレート;有機カルボン酸のジアルキルスズ(IV)塩、例えばジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズマレエート及びジオクチルスズジアセテート;三級アミン、例えばトリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン、N−メチルイミダゾール、N−メチル−、N−エチル−及びN−シクロヘキシルモルホリン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルブチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキシレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、テトラメチルジアミノエチルエーテル、ビス(ジメチルアミノプロピル)ウレア(又は尿素)、ジメチルピペラジン、1,2−ジメチルイミダゾール、1−アザビシクロ[3,3,0]オクタン及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン;及びアルカノールアミン化合物、例えばトリエタノールアミン、トリイソプロパンールアミン、N−メチル−及びN−エチルジエタノールアミン及びジメチルエタノールアミンである。他の適する触媒は、トリス(ジアルキルアミノ)−s−ヘキサハイドロトリアジン、特に、トリス(N,N−ジメチルアミノ)−s−ヘキサハイドロトリアジン;テトラアルキルアンモニウム塩、例えばN,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)ホルメート(ギ酸エステル又はギ酸塩)、及びN,N,N−トリメチル−N−(2−ヒドロキシプロピル)2−エチルヘキサノエート;テトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド;アルカリ金属水酸化物、例えば水酸化ナトリウム;アルカリ金属アルコレート、例えば、ナトリウムメチレート及びカリウムイソプロピレート;及び1〜20の炭素原子と場合により側方OH基を有する脂肪酸のアルカリ金属又はアルカリ土類金属塩である。
【0018】
イソシアネート反応性三級アミン、例えばN,N−ジメチルアミノプロピルアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、N,N−ジメチルアミノプロピル−N’−メチルエタノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミノ−2−プロパノール、N,N−ジメチルアミノプロピルジプロパノールアミン、N,N,N’−トリメチル−N’−ヒドロキシエチルビスアミノエチルエーテル、N,N−ジメチルアミノプロピルウレア、N−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、N−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール及びN−(2−アミノプロピル)イミダゾール、及び/又は EP-A 0 629 607 に記載のエチルアセトアセテート、ポリエーテルポリオール及び1−(ジメチルアミノ)−3−アミノプロパンの反応生成物を、本発明を行う際の触媒として用いることが特に好ましい。
【0019】
本発明を行う際に用いられるポリイソシアネート成分には、ポリフェニルポリメチレンポリイソシアネート及び4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物(粗MDI)が含まれる。使用する粗MDI混合物の合計を基準として、70〜90重量%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量、特に18〜32重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート含有量を有するタイプの粗MDIが、特に適することが明らかになった。
【0020】
成分b1)は、25〜40の範囲のヒドロキシル価を有する既知の2官能性及び/又は3官能性ポリオキシアルキレンポリオールのいずれかであってよく、好ましくは、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドと、一種以上の3価ポリオール、例えばグリセロール又はトリメチロールプロパンとを反応させることによって得られるものであってよい。
【0021】
成分b2)は、400〜650の範囲のヒドロキシル価を有する既知の3官能性及び/又は4官能性ポリオキシアルキレンポリオールのいずれかであってよく、好ましくは、エチレンオキサイド及び/又はプロピンオキサイドと、一又種以上のポリオール又はアミン(例えばグリセロール、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、オルト−トルエンジアミン、糖及び/又はソルビトールとグリコールとの混合物等)とを反応させることによって得られるものであってよい。
【0022】
成分b3)は、150〜550の範囲のヒドロキシル価を有する既知の2官能性ポリオキシアルキレンポリオールのいずれかであってよく、好ましくは、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドと、一種以上のグリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール等とを反応させることによって得られるものであってよい。
【0023】
成分b4)は、200〜350の範囲のヒドロキシル価を有する既知の2官能性ポリエステルのいずれかであってよく、好ましくは、無水フタル酸及び/又はアジピン酸とエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール等とをエステル化することで得られるものであってよい。無水フタル酸、ジエチレングリコール及びエチレンオキサイドから得られるポリエステルを用いることが特に好ましい。
【0024】
成分e)は、0.5〜2重量%の既知のシリコーン気泡安定剤(又は整泡剤)のいずれかであることが好ましい。
適する気泡安定剤e)の例は、シロキサン/ポリオキシアルキレンコポリマー、有機ポリシロキサン、エトキシル化脂肪アルコール及びアルキルフェノール、及びリシノール酸エステルである。
【0025】
効果的なセルオープナーf)は、例えば、パラフィン、ポリブタジエン、脂肪アルコール及びジメチルポリシロキサンである。
【0026】
本発明を行う際に場合により使用され得る助剤物質及び添加剤g)の例は、乳化剤、反応抑制剤、老化及び耐候安定剤、可塑剤、無機難燃剤、燐含有及び/又はハロゲン含有有機防炎剤、静真菌性及び静菌性作用を有する物質、ピグメント及び染料(色素又は顔料)、及び常套の有機及び無機充填剤である。例示し得る乳化剤の例は、エトキシル化アルキルフェノール、脂肪酸のアルカリ金属塩、サルフェート化脂肪酸のアルカリ金属塩、スルホン酸のアルカリ金属塩及び脂肪酸とアミンの塩である。
【0027】
上述の助剤物質と添加剤の使用及び作用の様式の更なる詳細は、例えば、Kunststoff-Handbuch, Polyurethane, volume VII, Carl Hanser Verlag, Munich, Vienna, 2nd edition, 1983 に記載されている。
【0028】
本発明のフォームは、ダブルコンベヤーベルト技術を用いて製造することができる。二成分法を用いて操作すること及び処理成分B)の中に成分b)〜g)を組み合わせて、これを、処理成分A)としての有機ポリイソシアネートa)と反応させることが有利であることが明らかになった。
【0029】
処理成分(A)と(B)を、15〜40℃、好ましくは20〜35℃の温度で、95〜125、好ましくは100〜120のインデックスと対応する比で、混合機中で混合する。
【0030】
混合機として、例えば、低圧混合ヘッドを用いることができる。
【0031】
(A)と(B)の混合物を、例えば往復する混合ヘッドを用いて、連続的に二つのフェーシングの間に入れて、40〜90℃に加熱されたコンベヤーベルトの間で泡立たせる。コンベヤーベルトにフォームを形成し、フォームが冷えた後、場合により、片方又は両方のフェーシングを取り外し、製造したフォームを場合によりカットする。
【0032】
本発明に基づく方法によって製造される圧縮硬質PURフォームは、20〜50kg/m、好ましくは22〜45kg/m、最も好ましくは30〜40kg/mの密度を有する。
【0033】
DIN EN ISO4590に基づいて測定したセルオープンネス(気泡連続性又は気泡開放性:cell openness)(未補正)は、30〜90%である。
【0034】
本発明に基づく方法により製造される硬質PURフォームは、常温成形法によりサンドイッチ要素を製造するための中間層として、特に適し、自動車用のソフトトリムとして、特に内側のルーフライニング、天井強化ボード及びカラムトリムとしての使用に適する。
下記の例を用いて、本発明を極めて詳細に説明する。
【実施例】
【0035】
例1〜3及び比較例:
使用した市販品:
ダブコ(DABCO)(登録商標)NE−1060、エアープロダクツ社(Air Products GmbH)製−組み込み可能三級アミン触媒
ニアックス(Niax)(登録商標)シリコーンSR272、GEシリコーン社(GE Silicones)製−安定剤、シロキサン/ポリアルキレンオキサイドコポリマー
オルテゴル(Ortegol)(登録商標)501、デグッサゴールドシュミット社(Degussa Goldschmidt AG)製−セルオープナー、ポリブタジエン/ジイソノニルフタレート
【0036】
硬質PURフォームの製造
例1
25.10重量部の、3官能価、28mgKOH/gのOH価を有し、グリセロール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール(b1)、
14.65重量部の、3官能価、550mgKOH/gのOH価を有し、トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール(b2)、
10.00重量部の、3官能価、500mgKOH/gのOH価を有し、トリエタノールアミン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール(b2)、
23.65重量部の、2官能価、300mgKOH/gのOH価を有し、無水フタル酸/ジエチレングリコール/エチレンオキサイドに基づくポリエステルエーテルポリオール(b4)、
8.19重量部の、2官能価、190mgKOH/gのOH価を有し、プロピレングリコール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール(b3)、
5.92重量部のグリセロール(b5)、
1.97重量部の、エチルアセトアセテート、ポリエーテルポリオール(トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づく:OH価は550mgKOH/g)及び1−(ジメチルアミノ)−3−アミノプロパンの反応生成物(EP 0 629 607 と類似)、
2.00重量部の三級アミン(d)(ダブコ(登録商標)NE−1060、エアープロダクツ社製)、
1.48重量部のシリコーン気泡安定剤(e)(ニアックス(登録商標)シリコーンSR272、GEシリコーン社製)、
2.50重量部のセルオープナー(f)(オルテゴル(登録商標)501、デグッサゴールドシュミット社製)及び
4.54重量部の水(c)
の混合物(成分B)と

88重量%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量と32.5重量%のNCO含有量を有するポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートの158.0重量部の混合物(成分A)を混合した。
【0037】
例2
25.10重量部の、3官能価、28mgKOH/gのOH価を有し、グリセロール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
14.65重量部の、3官能価、550mgKOH/gのOH価を有し、トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
10.00重量部の、4官能価、630mgKOH/gのOH価を有し、エチレンジアミン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
23.65重量部の、2官能価、300mgKOH/gのOH価を有し、無水フタル酸/ジエチレングリコール/エチレンオキサイドに基づくポリエステルエーテルポリオール、
8.19重量部の、2官能価、190mgKOH/gのOH価を有し、プロピレングリコール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
5.92重量部のグリセロール、
1.97重量部の、エチルアセトアセテート、ポリエーテルポリオール(トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づく:OH価は550mgKOH/g)及び1−(ジメチルアミノ)−3−アミノプロパンの反応生成物(EP 0 629 607 と類似)、
2.00重量部の三級アミン(ダブコ(登録商標)NE−1060、エアープロダクツ社製)、
1.48重量部のシリコーン気泡安定剤(ニアックス(登録商標)シリコーンSR272、GEシリコーン社製)、
1.50重量部のセルオープナー(オルテゴル(登録商標)501、デグッサゴールドシュミット社)、及び
4.54重量部の水
の混合物(成分B)と

88重量%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量と32.5重量%のNCO含有量を有するポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートの161.0重量部の混合物(成分A)を混合した。
【0038】
例3
25.10重量部の、3官能価、28mgKOH/gのOH価を有し、グリセロール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
14.65重量部の、3官能価、550mgKOH/gのOH価を有し、トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
10.00重量部の、4官能価、630mgKOH/gのOH価を有し、エチレンジアミン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
23.65重量部の、2官能価、300mgKOH/gのOH価を有し、無水フタル酸/ジエチレングリコール/エチレンオキサイドに基づくポリエステルエーテルポリオール、
8.19重量部の、2官能価、190mgKOH/gのOH価を有し、プロピレングリコール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
5.92重量部のグリセロール、
1.97重量部の、エチルアセトアセテート、ポリエーテルポリオール(トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づく:OH価は550mgKOH/g)及び1−(ジメチルアミノ)−3−アミノプロパンの反応生成物(EP 0 629 607 と類似)、
2.00重量部の三級アミン(ダブコ(登録商標)NE−1060、エアープロダクツ社製)、
1.48重量部のシリコーン気泡安定剤(ニアックス(登録商標)シリコーンSR272、GEシリコーン社製)、
1.50重量部のセルオープナー(オルテゴル(登録商標)501、デグッサゴールドシュミット社)、及び
4.54重量部の水
の混合物(成分B)と

70重量%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量と32.0重量%のNCO含有量を有するポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートの163.0重量部の混合物(成分A)を混合した。
【0039】
比較例1
26.60重量部の、3官能価、28mgKOH/gのOH価を有し、グリセロール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
24.65重量部の、3官能価、550mgKOH/gのOH価を有し、トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
24.65重量部の、2官能価、300mgKOH/gのOH価を有し、無水フタル酸/ジエチレングリコール/エチレンオキサイドに基づくポリエステルエーテルポリオール、
8.19重量部の、2官能価、190mgKOH/gのOH価を有し、プロピレングリコール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
5.92重量部のグリセロール、
1.97重量部の、エチルアセトアセテート、ポリエーテルポリオール(トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づく:OH価は550mgKOH/g)及び1−(ジメチルアミノ)−3−アミノプロパンの反応生成物(EP 0 629 607 と類似)、
2.00重量部の三級アミン(ダブコ(登録商標)NE−1060)、
1.48重量部のシリコーン気泡安定剤(ニアックス(登録商標)シリコーンSR272)、及び
4.54重量部の水
の混合物(成分B)と

88重量%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量と32.5重量%のNCO含有量を有するポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートの160重量部の混合物(成分A)を混合した。
【0040】
比較例2
25.10重量部の、3官能価、28mgKOH/gのOH価を有し、グリセロール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
14.65重量部の、3官能価、550mgKOH/gのOH価を有し、トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
10.00重量部の、4官能価、630mgKOH/gのOH価を有し、エチレンジアミン/プロピレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
23.65重量部の、2官能価、300mgKOH/gのOH価を有し、無水フタル酸/ジエチレングリコール/エチレンオキサイドに基づくポリエステルエーテルポリオール、
8.19重量部の、2官能価、190mgKOH/gのOH価を有し、プロピレングリコール/プロピレンオキサイド/エチレンオキサイドに基づくポリエーテルポリオール、
5.92重量部のグリセロール、
1.97重量部の、エチルアセトアセテート、ポリエーテルポリオール(トリメチロールプロパン/プロピレンオキサイドに基づく:OH価は550mgKOH/g)及び1−(ジメチルアミノ)−3−アミノプロパンの反応生成物(EP 0 629 607 と類似)、
2.00重量部の三級アミン(ダブコ(登録商標)NE−1060、エアープロダクツ社製)、
1.48重量部のシリコーン気泡安定剤(ニアックス(登録商標)シリコーンSR272、GEシリコーン社製)、
1.50重量部のセルオープナー(オルテゴル(登録商標)501、デグッサゴールドシュミット社)、及び
4.54重量部の水
の混合物(成分B)と

45重量%のジフェニルメタンジイソシアネート異性体含有量と31.5重量%のNCO含有量を有するポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートの166重量部の混合物(成分A)を混合した。
【0041】
110のNCOインデックスに相当する、成分Aと成分Bを23℃で緊密に混合し、紙で内張した木製の箱(体積は61)に満たし、発泡させた。
【0042】
得られたフォームは、下記の特性を示した:
【表1】

【0043】
例1〜3に基づくフォームは、良好な成形性を有した。例2の配合物は、ダブルコンベヤーベルトに適用すると、壁厚13.5mmのボードを生じ、それは、フェーシングから取り外した後、フォームを破損することなく常温成形法により内側ルーフライニングに処理することができた。フォームは、38kg/mの密度、41%のセルオープンネス(気泡連続率又は気泡開放率:cell openness)、400kPaの引張強度及び22%の破断点伸びを示した。
【0044】
比較例1の配合物から得られるフォームは、常温成形法によって処理し得る硬質PUウレタンボードを製造するために十分なセルオープンネスを有さなかった。
【0045】
比較例2の配合物から得られるフォームは、常温成形法によって内側ルーフライニングを製造するために適する伸びと成形特性を有さなかった。
【0046】
本発明を説明することを目的として、詳細に説明したが、そのような詳細な説明は、単にそのような目的のためのものであり、特許請求の範囲によって制限され得ることを除いて、本発明の精神と範囲から離れることなく、当業者であれば種々の変更を行うことができることを、理解するべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)有機ポリイソシアネート成分a)を含んで成る成分A)と
ポリヒドロキシ化合物の組み合わせb)を含んで成る成分B)とを、20℃〜35℃の温度で混合機内で、95〜125のNCOインデックスで混合すること、
(II)40〜100℃の温度で、ダブルコンベヤーベルトの二つのフェーシングの間に(I)からの混合物を入れること、
(III)(II)で入れた混合物にフォームを形成させること、
(IV)(III)で形成したフォームを冷やすこと、及び
(V)場合によりフェーシングの片方又は両方から取り外し、場合により、冷えたフォームを切断すること
を含んで成るダブルコンベヤーベルト法による、常温成形可能、圧縮、連続気泡硬質ポリウレタンフォームの連続製造方法であって、

成分A)は、
成分A)の重量の合計を基準として、18〜32重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む70〜90重量%のジフェニルメタンジイソシアネートモノマーa1)、及び
成分A)の重量の合計を基準として、10〜30重量%のポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートa2)
を含んで成る
有機ポリイソシアネート成分a)を含んで成り、

成分B)は、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜35重量%の、2〜3の官能価と25〜40のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb1)、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜30重量%の、3〜4の官能価と400〜650のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb2)、
成分B)の重量の合計を基準として、5〜15重量%の、2の官能価と150〜550のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb3)、
成分B)の重量の合計を基準として、15〜30重量%の、2の官能価と200〜350のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリエステルポリオールb4)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、4〜7重量%のグリセロールb5)
を含んで成る
ポリヒドロキシ化合物の組み合わせb)、
成分B)の重量の合計を基準として、3.5〜5.5重量%の水c)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜4重量%の、少なくとも一種の触媒d)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜2重量%の、少なくとも一種の気泡安定剤e)、
成分B)の重量の合計を基準として、1〜3.5重量%のセルオープナーf)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、0〜7重量%の、一種以上の助剤物質及び/又は添加剤g)
を含んで成る連続製造方法。
【請求項2】
有機ポリイソシアネート成分a)を含んで成る成分A)と
ポリヒドロキシ化合物の組み合わせb)を含んで成る成分B)との、95〜125のNCOインデックスでの反応生成物を含んで成る、常温成形可能、圧縮、連続気泡硬質ポリウレタンフォームであって、

1)成分A)は、
成分A)の重量の合計を基準として、18〜32重量%の2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを含む70〜90重量%のモノマージフェニルメタンジイソシアネートa1)、及び
成分A)の重量の合計を基準として、10〜30重量%のポリフェニルポリメチレンポリイソシアネートa2)
を含んで成る
有機ポリイソシアネート成分a)を含んで成り、

2)成分B)は、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜35重量%の、2〜3の官能価と25〜40のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb1)、
成分B)の重量の合計を基準として、20〜30重量%の、3〜4の官能価と400〜650のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb2)、
成分B)の重量の合計を基準として、5〜15重量%の、2の官能価と150〜550のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリオキシアルキレンポリオールb3)、
成分B)の重量の合計を基準として、15〜30重量%の、2の官能価と200〜350のヒドロキシル価を有する少なくとも一種のポリエステルポリオールb4)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、4〜7重量%のグリセロールb5)
を含んで成る
ポリヒドロキシ化合物の組み合わせb)、
成分B)の重量の合計を基準として、3.5〜5.5重量%の水c)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜4重量%の、少なくとも一種の触媒d)、
成分B)の重量の合計を基準として、0.5〜2重量%の、少なくとも一種の気泡安定剤e)、
成分B)の重量の合計を基準として、1〜3.5重量%のセルオープナーf)、及び
成分B)の重量の合計を基準として、0〜7重量%の、一種以上の助剤物質及び/又は添加剤g)
を含んで成る硬質ポリウレタンフォーム。
【請求項3】
100〜120のNCOインデックスで製造する請求項2に記載のフォーム。
【請求項4】
気泡安定剤e)がシリコーンである請求項2に記載のフォーム。
【請求項5】
請求項2に記載のフォームを含んで成る自動車用ソフトトリム。


【公開番号】特開2006−183052(P2006−183052A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−369613(P2005−369613)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(504037346)バイエル・マテリアルサイエンス・アクチェンゲゼルシャフト (728)
【氏名又は名称原語表記】Bayer MaterialScience AG
【Fターム(参考)】