説明

硬質ポリウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用触媒組成物及びそれを用いた原料配合組成物

【課題】発泡剤として水を含む場合に貯蔵安定性に優れた硬質ポリウレタンフォーム製造用触媒及びそれを用いた原料配合組成物を提供する。
【解決手段】(A)と(C)を含む触媒組成物、ポリオール成分と水を含んだ原料配合組成物を用いる。(A)一般式(1)


(R〜Rは、C1〜12の炭化水素基、RはC1〜18の炭化水素基を表し、Xは酸解離定数(pKa)が4.8以下の有機酸基)で表される4級アンモニウム塩。(C)複素環式第三級アミン化合物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを製造する際に用いる触媒組成物、該触媒組成物、ポリオール成分、及び水を含む原料配合組成物、並びに該原料配合組成物とポリイソシアネートを反応させる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの製造法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
硬質ポリウレタンフォーム、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームは、断熱性及び自己接着性に優れることから、電気冷蔵庫、建材等の断熱材として広く利用されている。これらの用途に用いられる硬質ポリウレタンフォーム、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームは、一般に、ポリオール成分、発泡剤、触媒、整泡剤及びその他の助剤を混合した原料配合組成物とポリイソシアネートを混合し発泡反応させる方法により得られる。硬質ポリウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ウレタンフォーム製造用の原料配合組成物は、配合されてから実際に使用されるまで数週間から3か月の期間貯蔵されることが多い。すなわち、この原料配合液は、配合されてから数週間から3か月程度も経過した後に使用されることもあることから、貯蔵安定性が問題となる。
【0003】
現在、硬質ポリウレタンフォーム、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの発泡剤として用いられているジクロロモノフルオロエタン(HCFC−141b)にはオゾン層破壊の問題がある。このため、これに代る次世代の発泡剤として、オゾン層を破壊することのないハイドロフルオロカーボン(以下、HFCと称する場合がある)が候補に挙げられている。HFCとしてはテトラフルオロエタン(HFC134a)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)等がある。
【0004】
また、オゾン層を破壊することのない低沸点の炭化水素(以下、HCと称する場合がある)も候補として有力視されており、このような炭化水素(HC)の例としては、沸点が通常−30〜70℃の炭化水素が使用され、その具体例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、及びこれらの混合物が知られている。
【0005】
しかしながら、従来の触媒を用いた場合、これらの発泡剤を含む原料配合組成物では保存安定性が悪いという問題があった。
【0006】
また、低密度のフォームを得るためには、HC及びHFC以外の発泡剤として水が用いられる。水を用いる場合には、水とポリイソシアネート成分との反応で生成する炭酸ガスが発泡成分として利用される。また、HCやHFCと水を組み合わせて使用することもできる。
【0007】
しかしながら、原料配合組成物の中に、発泡成分を発生させる水を含む場合、特に原料貯蔵安定性が悪いという問題があった。
【0008】
硬質ポリウレタンフォームの形成反応は、主にポリオールとポリイソシアネートの反応によるウレタン基形成反応(樹脂化反応)とポリイソシアネートと水の反応によるウレア基形成反応(泡化反応)からなる。また、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの形成反応は、上記2種の反応に加えて、ポリイソシアネートの三量化によるイソシアヌレート環形成反応(イソシアヌレート化反応)からなる。これらの反応に用いる触媒は反応速度だけでなく、フォームの熱伝導率、フォーム表面の硬化速度、接着強度、成型性、寸法安定性及び物性等に大きな影響を及ぼすだけでなく、工業的には貯蔵安定性という観点が特に重要である。
【0009】
なお、硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製品には、一般に難燃化及び物性の向上を図る理由からポリオール成分として芳香族ジカルボン酸をエステル化させて得られる芳香族ポリエステルポリオールが多用される。
【0010】
従来、硬質ポリウレタンフォーム製造用の触媒としては、樹脂化反応及び/又は泡化反応を特に促進する化合物が用いられ、このような触媒としてはこれまで有機金属化合物や3級アミン化合物が用いられていた。例えば、工業的に用いられるポリウレタンフォーム製造用の触媒用の3級アミン化合物としては、トリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン等の化合物が知られている。
【0011】
また、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の触媒としては、イソシアヌレート化反応を特に促進する触媒として、例えば、カルボン酸のアルカリ金属塩類、金属アルコラート、金属フェノラート、金属水酸化物等の有機金属系触媒、第3級アミン類、第3級フォスフィン類、燐のオニウム塩化合物、第4級アンモニウム塩類等が知られている。これらのうち、酢酸カリ、2−エチルヘキサン酸カリ等のアルカリ金属塩、ヒドロキシアルキルトリメチル第4級アンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等の第4級アンモニウム塩系触媒、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン等のs−トリアジン化合物、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等の特定の第3級アミン類が、イソシアヌレート化活性が高いことから、特に広く使用されている。更に、第4級アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウム有機酸塩等のテトラアルキルアンモニウム塩が知られている(テトラアルキルアンモニウム有機酸塩について、例えば、特許文献1参照)。
【0012】
しかしながら、これらの硬質ポリウレタンフォーム、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の触媒を用いた場合、原料配合組成物中のポリエステルポリオールが、水又は水を含む発泡剤とアミン系触媒との存在下で加水分解を起こし易く、原料配合組成物の貯蔵安定性が悪化して正常な発泡製品ができなくなるという問題があった。この問題に対して、ポリオール成分の改良や、難燃剤、触媒の影響に関する検討がなされているが、これまで十分な解決にはなっていなかった(原料配合組成物の貯蔵安定性について、例えば、非特許文献1参照)。
【0013】
【特許文献1】特許第3012897号明細書
【非特許文献1】MCADAMS et al.,“Stabilization of Rigid Systems Containing Aromatic Polyester Polyol and Water”,Polyurethanes Conference 2002,Conference Proceedings,Page.3−18
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ウレタンフォーム製造用の原料配合組成物は、上記したとおり、配合されてから実際に使用されるまで数週間から3ヶ月の期間貯蔵されることが多い。しかしながら、安価で、なお且つ環境上の問題の小さい発泡剤である水や、特定の炭化水素(HC)及び/又はハイドロフルオロカーボン(HFC)系の発泡剤を含む原料配合組成物では、貯蔵安定性が低下し、さらに製造した硬質ウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ウレタンフォーム製品の表面脆性(フライアビリティー性)悪化、面材との接着不良、フォームの寸法安定性低下、難燃性悪化等の問題が生じていた。
【0015】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、水又は水と特定のHC及び/又はHFCからなる発泡剤と、ポリエステルポリオールを含む原料配合組成物において、ポリエステルポリオールの加水分解を抑制して原料配合組成物の貯蔵安定性を高めることのできる触媒組成物、該触媒組成物を含んでなる原料配合組成物、並びに該原料配合組成物を用いた硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上述の問題点を解決するために鋭意検討した結果、水又は水と特定のHC及び/又はHFCからなる発泡剤を含む原料配合組成物においては、特定の構造と性質を有するアミン化合物を含んでなる触媒組成物を使用することにより、特にポリエステルポリオールの加水分解が著しく改善され、原料配合組成物の貯蔵安定性を高めるとともに、得られる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームのフォーム物性が優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
すなわち本発明は、以下に示すとおりの、硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用触媒組成物、それを用いた原料配合組成物、及びそれを用いた硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの製造法である。
【0018】
[1]少なくとも下記(A)及び(B)のアミン化合物を含んでなる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0019】
(A)下記一般式(1)
【0020】
【化1】

[式中、R〜Rは、炭素数1〜12の飽和又は不飽和炭化水素基(但し、R〜Rのうちのいずれか2個が炭素原子、酸素原子又は窒素原子を介してヘテロ環を形成していてもよい)を表し、Rは炭素数1〜18のアルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、Xは酸解離定数(pKa)が4.8以下の有機酸基を示す。]
で表される4級アンモニウム塩。
【0021】
(B)N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、N−メチルジオクチルアミン、N−メチルジノニルアミン、N−メチルジデシルアミン、N−メチルジウンデシルアミン、N−メチルジドデシルアミン、N−メチルジトリデシルアミン、N−メチルジテトラデシルアミン、N−メチルジペンタデシルアミン、N−メチルジヘキサデシルアミン、N−メチルジヘプタデシルアミン、及びN−メチルジオクタデシルアミンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の疎水性アミン化合物。。
【0022】
[2]一般式(1)で表される4級アンモニウム塩を構成する有機酸が、ギ酸及び/又は酢酸であることを特徴とする上記[1]に記載の触媒組成物。
【0023】
[3]一般式(1)で表される4級アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラプロピルアンモニウム酢酸塩、テトラプロピルアンモニウムギ酸塩、テトラブチルアンモニウム酢酸塩、テトラブチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリエチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリエチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリプロピルアンモニウム酢酸塩、メチルトリプロピルアンモニウムギ酸塩、メチルトリブチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリブチルアンモニウムギ酸塩、トリメチルドデシルアンモニウムギ酸塩、及びトリメチルドデシルアンモニウム酢酸4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする上記[1]に記載の触媒組成物。
【0024】
[4]下記(C)のアミン化合物をさらに含むことを特徴とする上記[1]及至[3]のいずれかに記載の触媒組成物。
【0025】
(C)1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、及びN−(2−ヒドロキシエチル)モルフォリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の複素環式第三級アミン化合物。
【0026】
[5]少なくとも下記(A)及び(C)のアミン化合物を含んでなる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
【0027】
(A)下記一般式(1)
【0028】
【化2】

[式中、R〜Rは、炭素数1〜12の飽和又は不飽和炭化水素基(但し、R〜Rのうちのいずれか2個が炭素原子、酸素原子又は窒素原子を介してヘテロ環を形成していてもよい)を表し、Rは炭素数1〜18のアルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、Xは酸解離定数(pKa)が4.8以下の有機酸基を示す。]
で表される4級アンモニウム塩。
【0029】
(C)1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、及びN−(2−ヒドロキシエチル)モルフォリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の複素環式第三級アミン化合物。
【0030】
[6]一般式(1)で表される4級アンモニウム塩を構成する有機酸が、ギ酸及び/又は酢酸であることを特徴とする上記[5]に記載の触媒組成物。
【0031】
[7]一般式(1)で表される4級アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラプロピルアンモニウム酢酸塩、テトラプロピルアンモニウムギ酸塩、テトラブチルアンモニウム酢酸塩、テトラブチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリエチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリエチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリプロピルアンモニウム酢酸塩、メチルトリプロピルアンモニウムギ酸塩、メチルトリブチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリブチルアンモニウムギ酸塩、トリメチルドデシルアンモニウムギ酸塩、及びトリメチルドデシルアンモニウム酢酸4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする上記[5]又は[6]に記載の触媒組成物。
【0032】
[8]ポリオール成分、水、及び上記[1]及至[7]のいずれかに記載の触媒組成物を含んでなる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の原料配合組成物。
【0033】
[9]発泡剤として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、及びヘキサンからなる群より選ばれる1種又は2種以上をさらに含んでなる上記[8]に記載の原料配合組成物。
【0034】
[10]ポリオール成分として、芳香族ポリエステルポリオールを含むことを特徴とする上記[8]又は[9]に記載の原料配合組成物。
【0035】
[11]上記[8]及至[10]のいずれかに記載の原料配合組成物にポリイソシアネートを混合して反応させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの製造法。
【発明の効果】
【0036】
本発明の触媒組成物は、ポリオール成分、水を含んでなる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の原料配合組成物において、ポリオールの加水分解を抑制して原料配合組成物の貯蔵安定性を高めることができる。
【0037】
また、本発明によれば、水以外の発泡剤としてのHC及び/又はHFCの使用量を低減できるため、環境安全性、経済性を高められ、なおかつ原料配合組成物の貯蔵安定性、難燃性、実用性に優れた硬質ポリウレタンフォーム、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの製造法を提供できる。
【0038】
さらに、本発明の触媒組成物、原料配合組成物を用いて製造した硬質ポリウレタンフォーム,イソシアヌレート変性硬質ポリイソシアヌレートフォームは、フォームの流動性、接着強度に優れる。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明の触媒組成物において、上記一般式(1)で表される4級アンモニウム塩化合物を構成する有機酸は、酸解離定数(pKa)が4.8以下の有機酸であることが必須である。酸解離定数(pKa)が4.8以下の有機酸としては、特に限定するものではないが、例えば、脂肪族飽和モノカルボン酸、脂肪族不飽和モノカルボン酸、脂肪族ポリカルボン酸、酸性OH基を持つ酸、芳香族カルボン酸等の有機酸が挙げられ、具体的には、イソ吉草酸、ギ酸、グリコール酸、酢酸、クロロ酢酸、シアノ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリメチル酢酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、メトキシ酢酸、メルカプト酢酸、ヨード酢酸、乳酸、ピルビン酸、2−クロロプロピオン酸、3−クロロプロピオン酸、レブリン酸、アクリル酸、クロトン酸、ビニル酢酸、メタクリル酸、アジピン酸、アゼライン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、グルタル酸、コハク酸、シュウ酸、d−酒石酸、酒石酸(メソ)、スベリン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、マロン酸、アスコルビン酸、レダクチン酸、レダクトン、o−アニス酸、m−アニス酸、p−アニス酸、安息香酸、ケイ皮酸、ナフトエ酸、フェニル酢酸、フェノキシ酢酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マンデル酸等が例示される。これらのうち、特に好ましくはギ酸及び/又は酢酸である。
【0040】
上記(A)に示される4級アンモニウム塩を構成する有機酸として、酸解離定数(pKa)が4.8を超える有機酸を用いた場合、原料配合組成物に含まれるポリオール成分(ポリエステルポリオール)が加水分解を起こし易くなり、貯蔵安定性が悪化して正常な発泡製品ができなくなるおそれがある。
【0041】
本発明において、上記一般式(1)で表される4級アンモニウム塩としては、具体的には、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラプロピルアンモニウム酢酸塩、テトラプロピルアンモニウムギ酸塩、テトラブチルアンモニウム酢酸塩、テトラブチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリエチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリエチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリプロピルアンモニウム酢酸塩、メチルトリプロピルアンモニウムギ酸塩、メチルトリブチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリブチルアンモニウムギ酸塩、トリメチルドデシルアンモニウムギ酸塩、トリメチルドデシルアンモニウム酢酸塩、等が例示され、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0042】
本発明において、上記(B)の疎水性アミン化合物は、水100gへの溶解量が0.1g以下のアミン化合物であり、具体的には、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、N,N−ジメチルトリデシルアミン、N,N−ジメチルテトラデシルアミン、N,N−ジメチルペンタデシルアミン、N,N−ジメチルヘキサデシルアミン、N,N−ジメチルヘプタデシルアミン、N,N−ジメチルオクタデシルアミン、N−メチルジオクチルアミン、N−メチルジノニルアミン、N−メチルジデシルアミン、N−メチルジウンデシルアミン、N−メチルジドデシルアミン、N−メチルジトリデシルアミン、N−メチルジテトラデシルアミン、N−メチルジペンタデシルアミン、N−メチルジヘキサデシルアミン、N−メチルジヘプタデシルアミン、N−メチルジオクタデシルアミンが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0043】
本発明においては、上記化合物のうち、好ましくは、N−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルノニルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミンであり、特に好ましくはN−メチルジシクロヘキシルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジメチルオクチルアミン、N,N−ジメチルデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミンである。
【0044】
本発明において、水100gへの溶解量が0.1gを超えるアミン化合物を用いた場合、原料配合組成物中に含まれるポリオール成分が加水分解を起こし易くなるため、貯蔵安定性が悪化して正常な発泡製品ができなくなるおそれがある。
【0045】
本発明の触媒組成物においては、上記の(A)及び/又は(B)のアミン化合物を含んだ上で、さらに上記(C)に示される複素環式第三級アミン化合物をさらに含んでもよい。
【0046】
酸解離定数(pKa)が8未満であるアミン化合物をさらに含んでなる触媒組成物では、上記の(A)及び(B)のアミン化合物と共存した系においてポリオール成分の加水分解が起こり難くなるため、貯蔵安定性に優れる原料配合組成物が得られる。
【0047】
上記(C)に示される複素環式第三級アミン化合物としては、具体的には、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシプロピル)ピペラジン、N−メチル−N’−(2−メトキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルフォリン、N−(2−ヒドロキシプロピル)モルフォリン、N−メチルモルフォリン、N−エチルモルフォリンが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0048】
本発明においては、上記化合物のうち、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)モルフォリンが好ましい。これら複素環式の第三級アミン化合物は、原料配合液中に含まれるポリエステルポリオールの加水分解を抑制するため、原料配合物の貯蔵安定性をさらに向上させることができる。
【0049】
本発明の触媒組成物では、上記(A)及び(B)のアミン化合物を併用した場合、原料配合組成物の貯蔵安定性改良に加えて、発泡反応させた硬質ポリウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの流動性改良効果が得られる。
【0050】
また、本発明の触媒組成物においては、上記(A)及び(C)のアミン化合物を併用することもできる。上記(A)及び(C)のアミン化合物を併用した場合には、原料配合組成物の貯蔵安定性改良に加えて、発泡反応させた硬質ポリウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームと面材間の接着性改良効果が得られる。
【0051】
更に(A)、(B)及び(C)のアミン化合物を併用した触媒組成物では、原料配合組成物の貯蔵安定性改良に加えて、発泡反応させた硬質ポリウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの接着性及び流動性改良の効果が得られる。
【0052】
本発明の触媒組成物における、上記各アミン化合物の混合比率は、特に限定するものではないが、通常、(A)/(B)/(C)=5〜90/5〜90/10〜90(重量比)の範囲である。
【0053】
本発明の触媒組成物には、本発明の効果を逸脱しない範囲で他の触媒を併用して用いても良い。他の触媒としては、例えば、従来公知の第3級アミン類等を挙げることができる。
【0054】
従来公知の第3級アミン類としては、特に限定するものではないが、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、N,N’−ジメチルピペラジン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等が挙げられる。また触媒活性、ヌレート活性が高く、トータルの触媒使用量を低減できる1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等も用いることができる。
【0055】
本発明の触媒組成物には、本発明の効果を逸脱しない範囲で、更に他の触媒として、例えば、従来公知のポリイソシアヌレート化触媒等を使用することができる。従来公知のポリイソシアヌレート化触媒としては、特に限定するものではないが、上述の第3級アミン類以外にも、第4級アンモニウム塩類等、有機金属系触媒、第3級フォスフィン類、燐のオニウム塩化合物等を用いることができる。
【0056】
このような第4級アンモニウム塩としては、特に限定するものではないが、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のトリアルキルヒドロキシプロピルアンモニウム有機酸塩類等が挙げられる。また、触媒活性、ヌレート活性が高く、トータルの触媒使用量を低減できるトリメチル−2−ヒドロキシプロピル系第4級アンモニウム・2−エチルヘキサン酸塩(例えば、特開昭52−17484号公報参照)や、トリメチル−2−ヒドロキシプロピル系第4級アンモニウム・ギ酸塩、トリメチル−2−ヒドロキシプロピル系第4級アンモニウム・酢酸塩、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン/プロピレンオキシド/2−エチルヘキサン酸=1/1/1モルの反応から得られる第4級アンモニウム塩等のヒドロキシアルキル系4級アンモニウム有機酸塩(例えば、特開平10−017638号公報参照)、テトラメチルアンモニウム・2−エチルヘキサン酸塩、メチルトリエチルアンモニウム・2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン/炭酸ジメチル=1/1.5モルの反応から得られる第4級アンモニウム炭酸塩等のテトラアルキルアンモニウム炭酸塩(例えば、特開平11−199644号公報参照)等も挙げられる。
【0057】
また、有機金属系触媒としては、特に限定するものではないが、例えば、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸のアルカリ金属塩類、スタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバルト、又カルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム塩等である酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸のアルカリ金属塩類が例示できる。
【0058】
本発明においては、これらの他にも、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のトリアルキルヒドロキシプロピルアンモニウム有機酸塩類等、メチルトリエチルアンモニウム・2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類等、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン/プロピレンオキシド/2−エチルヘキサン酸=1/1/1モルの反応から得られる第4級アンモニウム塩等のヒドロキシアルキル系4級アンモニウム有機酸塩(例えば、特開平10−017638号公報参照)、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン/炭酸ジメチル=1/1.5モルの反応から得られる第4級アンモニウム炭酸塩等のテトラアルキルアンモニウム炭酸塩等(例えば、特開平11−199644号公報参照)、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールも用いることができる。
【0059】
本発明の原料配合組成物は、上述の触媒組成物に加えて、ポリオール成分、及び水を含んでなるものである。
【0060】
本発明の原料配合組成物における触媒組成物の使用量は、特に限定するものではないが、ポリオール成分100重量部に対して、0.5〜15重量部の範囲とするのが好ましい。使用量が0.5重量部以下では反応速度が遅くなり生産性が悪く、15重両部以上ではポリエステルポリオールの加水分解が起こり易くなる。なお、上記(A)〜(C)のアミン化合物以外に他の触媒を併用する場合、他の触媒の使用量はポリオール成分100重量部に対して、0.5〜5重量部、上記(A)〜(C)のアミン化合物との合計で1〜20重量部の範囲とするのが好ましい。
【0061】
本発明の原料配合組成物に用いられるポリオール成分としては、芳香族ポリエステルポリオールであるか、又は芳香族ポリエステルポリオールを含むことが好ましい。ポリオール成分として、芳香族ポリエステルポリオール化合物を用いることにより、難燃性の高い硬質ポリウレタンフォーム及びイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを得ることができる。
【0062】
芳香族ポリエステルポリオールとしては、特に限定するものではないが、例えば、二塩基酸とヒドロキシ化合物(グリコール等)の反応から得られるものや、岩田敬治「ポリウレタン樹脂ハンドブック」(1987年初版)日刊工業新聞社 p.116〜117に記載されているDMT残査、無水フタル酸を出発原料とするポリエステルポリオール、ナイロン製造時の廃物、TMP、ペンタエリストールの廃物、フタル酸系ポリエステルの廃物、廃品を処理し誘導したポリエステルポリオール等が挙げられる。
【0063】
本発明においては、上記以外にも、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水フタル酸やこれらの廃物、廃品から芳香族ジカルボン酸やその誘導体をエステル化反応させて得られるものが例示できる。
【0064】
本発明において、芳香族ポリエステルポリオールの好ましい水酸基価は150〜450の範囲である。
【0065】
ポリエステルポリオールの原料として用いる二塩基酸としては、アジピン酸、フタル酸類、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、リシノール酸等が例示されるが、良好な難燃性を得ることができることから、芳香環を含むフタル酸類が好ましい。
【0066】
また、芳香族ポリエステルポリオールを形成するヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、フェノール及びその誘導体等が挙げられる。
【0067】
本発明における原料配合組成物中のポリオール成分中の芳香族ポリエステルポリオールの割合は、過度に少ないと十分な難燃性が得られないため、ポリオール成分中に30重量%以上含有されていることが好ましい。
【0068】
本発明において、ポリエステルポリオール以外に使用されるポリオールとしては、例えば、従来公知のマンニッヒベースポリオール等のフェノール系ポリオール等、ポリエーテルポリオール、含リンポリオールや含ハロゲンポリオール等の難燃ポリオール、ポリマーポリオールが挙げられる。
【0069】
マンニッヒベースポリオール等のフェノール系ポリオールとしては、例えば、フェノール及び/又はその誘導体をマンニッヒ変性して得られたポリエーテルポリオール(以下、「マンニッヒ変性ポリオール」と記載する)、即ち、フェノール、又はノニルフェノール、アルキルフェノール等のフェノール誘導体をホルムアルデヒドとジエタノールアミン等の2級アミンやアンモニア、1級アミン等を用いてマンニッヒ変性し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオールを用いても良い。このようなマンニッヒ変性ポリオールは、自己反応活性が高く、かつ難燃性も比較的高いため、スプレー発泡型硬質ポリウレタンフォームにおいて、吹き付け発泡時に難燃性能を著しく損なうことなく、速やかに反応を進めることができる。ただし、ポリオール成分中のマンニッヒ変性ポリオールが70重量%を超えると難燃性能が悪化してくるおそれがあるため、マンニッヒ変性ポリオールを使用する場合、そのポリオール成分中の割合は、通常70重量%以下、好ましくは20〜50重量%の範囲である。
【0070】
また、ポリエーテルポリオールとしては、例えば、エチレンジアミン、トリレンジアミン、シュークロース、アミノアルコール、ジエチレングリコール等のマンニッヒ変性ポリオールとは異なる開始剤に対してエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを開環付加重合して得られるポリエーテルポリオール化合物を用いても良い。ただし、ポリオール成分中のポリエーテルポリオールが70重量%を超えると難燃性能が悪化してくるおそれがあるため、そのポリオール成分中の割合は、通常70重量%以下、好ましくは20〜50重量%の範囲である。
【0071】
また、含リンポリオールや含ハロゲンポリオール等の難燃ポリオール等としては、例えば、リン酸化合物にアルキレンオキシドを付加して得られる含リンポリオール、エピクロルヒドリンやトリクロロブチレンオキシドを開環重合して得られる含ハロゲンポリオール、ブロモ化ペンタエリスリトール/蔗糖系ポリオール、テトラブロモフタル酸ポリエステル等の含ハロゲンポリオール、マンニッヒベースポリオール等のフェノールポリオール等が挙げられる。ただし、ポリオール成分中の難燃ポリオールが70重量%を超えると難燃性能は向上するものの発煙性が悪化してくるため、そのポリオール成分中の割合は、通常70重量%以下、好ましくは20〜50重量%の範囲である。
【0072】
本発明の原料配合組成物は、発泡用の成分として少なくとも水を含んでなるものである。
【0073】
本発明においては、原料配合組成物に水を添加し、水とポリイソシアネート化合物との反応で生成する炭酸ガスで発泡することが好ましい。
【0074】
本発明における発泡剤は、水添加による炭酸ガスのみでも良いが、これに特定のHC及び/又はHFCを併用することができる。
【0075】
HFCとしては、例えば、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン等が挙げられ、これらよりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。これらのうち、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンが特に好ましい。
【0076】
HCとしては、通常、沸点が−30〜70℃の炭化水素を使用することが好ましい。その具体例としては、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、ヘキサン及びこれらの混合物よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を用いることが好ましい。
【0077】
本発明において、特定のHC及び/又はHFCを併用する場合、発泡剤としての水の使用量は、ポリオール成分100重量部に対して通常0.5〜20重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲である。水の使用量がこの範囲よりも少ないと、発泡が不十分でフォームの低密度化を十分に図ることができず、また、HC及び/又はHFCの使用量の低減効果を得ることが難しくなるおそれがある。一方、水の使用量が上記範囲を超えると、著しい発泡が起きて取り扱い性が困難となる上に、ポリエステルポリオールの加水分解の問題が生じるおそれがある。したがって、本発明において、HC及び/又はHFCを併用する場合には、ポリオール成分100重量部に対して、通常、水を0.5〜20重量部、HC及び/又はHFCを2〜40重量部の範囲で用い、好ましくは、水を1〜20重量部、HC及び/又はHFCを2〜40重量部の範囲で用いる。
【0078】
本発明において、HC及び/又はHFCを併用しない場合には、水はポリオール成分100重量部に対して3〜20重量部の範囲とするのが好ましい。
【0079】
本発明の原料配合組成物には、本発明の効果が得られる範囲で、その他の助剤を含んでも良い。このような助剤としては、整泡剤、難燃剤、架橋剤又は鎖延長剤等が例示される。
【0080】
本発明において、必要であれば整泡剤として界面活性剤を用いることができる。使用される界面活性剤としては、例えば、有機シリコーン系界面活性剤が挙げられ、具体的には、有機シロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン系界面活性剤、又はこれらの混合物等が例示される。それらの使用量は、ポリオール100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲が好ましい。
【0081】
また本発明の原料配合組成物は、必要であれば難燃剤を含んでも良い。使用される難燃剤は特に限定されないが、例えば、リン酸とアルキレンオキシドとの付加反応によって得られるプロポキシル化リン酸、プロポキシル化ジブチルピロリン酸等の含リンポリオールの様な反応型難燃剤、トリクレジルホスフェート等の第3リン酸エステル類、トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェート等のハロゲン含有第3リン酸エステル類、ジブロモプロパノール、ジブロモネオペンチルグリコール、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン含有有機化合物類、酸化アンチモン、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、リン酸アルミニウム等の無機化合物等が挙げられる。その含有量は、要求される難燃性に応じて異なり、特に限定するものではないが、ポリオール100重量部に対して、4〜20重量部の範囲が好ましい。
【0082】
本発明において、必要であれば架橋剤又は鎖延長剤を用いることができる。架橋剤又は鎖延長剤としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン等の低分子量の多価アルコール類、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の低分子量のアミンポリオール類、又はエチレンジアミン、キシリレンジアミン、メチレンビスオルソクロルアニリン等ポリアミン類等を挙げることができる。
【0083】
本発明においては、必要に応じて、着色剤や、老化防止剤、その他従来公知の添加剤等も更に使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は、使用される添加剤の通常の使用範囲でよい。
【0084】
本発明の方法においては、上述の原料配合組成物にポリイソシアネートを混合して反応させ、硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアネート変成硬質ポリウレタンフォームを製造する。
【0085】
本発明の方法において、ポリイソシアネートとしては、特に限定するものではないが、例えば、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート等の脂環族系ポリイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート類等の1種又は2種以上を使用することができる。なお、本発明におけるポリイソシアネートのイソシアネート指数は通常70以上であり、硬質ポリウレタンフォーム製品を製造する場合は70〜120の範囲、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを製造する場合は120〜500の範囲であることが好ましい。
【0086】
本発明の原料配合組成物を用いて、硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを製造する場合、上記の原料配合組成物とポリイソシアネートとを急激に混合攪拌した後、適当な容器又はモールドに注入して発泡成型させることにより該フォームを製造することができる。混合、攪拌は一般的な攪拌機や専用のポリウレタン発泡機を使用して実施すれば良い。ポリウレタン発泡機としては高圧、低圧及びスプレー式の機器が使用できる。
【0087】
このようにして得られる本発明の硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームは、コア密度10〜100kg/mの範囲であることが好ましい。コア密度が100kg/mを超えると燃焼成分が増加して、難燃性が悪化する上に、コスト高となる。コア密度が10kg/m未満では、強度特性等が劣るものとなる。
【0088】
本発明の方法により、製造される製品は種々の用途に使用できる。例えば、建築、土木関係の断熱材や構造材、電気機器関係では、冷凍庫、冷蔵庫、冷凍ショーケース等の断熱材、プラントや船舶関係では、LPG、LNGタンカーやパイプラインの断熱材、車両関係では、保冷庫や冷凍車の断熱材等の用途が挙げられる。
【実施例】
【0089】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0090】
なお、以下の実施例、比較例において、各測定項目の測定方法は以下のとおりである。
【0091】
・反応性の測定項目
ゲルタイム:反応が進行し液状物質より、樹脂状物質に変わる時間を測定。
【0092】
・フォームのコア密度:
2Lポリエチレン製カップ内でフリー発泡させたフォームの中心部を70mm×70mm×200mmの寸法にカットし、寸法、重量を正確に測定してコア密度を算出した。
【0093】
・フォームの流動性:
110×30×5cmのアルミニウム製モールド内に混合した原料を一定量注入して発泡させたフォームの長さ(cm)を測定した。フォームの長さが長いほど流動性に優れる。
【0094】
・フォームの寸法安定性:
2Lポリエチレン製カップ内でフリー発泡させたフォームの中心部分を70mm×70mm×200mmの寸法にカットした後、20℃×1ヶ月の条件下、厚み方向の変化率を測定した。
【0095】
・フォームの接着強度:
2Lポリエチレン製カップ内でフリー発泡させたフォームの上面に5×5cmのSUS304製板をセットして発泡させた。発泡1時間後、セットしたSUS304製板の90度剥離強度を測定し、フォームの接着強度とした。
【0096】
製造例1 触媒A1(テトラエチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液)の製造
ナス形フラスコに水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(1モル)を仕込み、室温を保つように冷却しながら、酢酸(1モル)を加えて、テトラエチルアンモニウム酢酸塩を得た。その後、所定濃度となるように溶媒としてエチレングリコールを加え、エバポレーターを用いて水を留去してテトラエチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液を得た。
【0097】
製造例2 触媒A2(テトラメチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液)の製造
水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液に代えて水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液(1モル)を用いた以外は製造例1と同様にしてテトラメチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液を得た。
【0098】
製造例3 触媒A3(テトラメチルアンモニウムギ酸塩50%、エチレングリコール50%溶液)の製造
酢酸に代えてギ酸(1モル)を用いた以外は製造例2と同様にしてテトラメチルアンモニウムギ酸塩50%、エチレングリコール50%溶液を得た。
【0099】
製造例4 触媒H(メチルトリエチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩50%、エチレングリコール50%溶液)の製造
攪拌式オートクレーブにトリエチルアミン(1モル)、炭酸ジメチル(1.5モル)及び溶媒としてメタノール(2モル)を仕込み、反応温度110℃にて12時間反応させメチルトリエチルアンモニウムカーボネートのメタノール溶液を得た。このものに2−エチルヘキサン酸(1モル)を仕込み、溶媒として所定の濃度となるようにエチレングリコールを加えた後、エバポレーターで副生する炭酸ガスおよびメタノールを除くことによってメチルトリエチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩50%、エチレングリコール50%溶液を得た。
【0100】
製造例5 触媒C1[1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール]の製造
攪拌式オートクレーブに2−メチルイミダゾール(1モル)、溶媒としてメタノールを仕込み、反応温度80〜140℃にてプロピレンオキサイド(1モル)を反応させた後、蒸留精製することによって1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾールを得た。
【0101】
参考例1、実施例2〜実施例6、比較例1〜比較例9
表1、表2に示す配合により原料配合液を調製し、この原料配合液とポリイソシアネートを、所定のイソシアネート指数となるように重量比を決め、液温20℃にてラボミキサーを使用して6000〜9000rpmで3秒間攪拌して発泡反応させて、イソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームを製造した。
【0102】
このときのGT(ゲルタイム)を目視で測定し、初期反応性とした。また、得られたイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームについて、コア密度、寸法安定性、接着強度を測定した。次に原料スケールをアップさせ同様な操作にて40℃に温度調節したモールド内に混合した原料を入れて、発泡成型を行った。混合液を入れた時点から10分後にフォームを脱型した。成型フォームからフォームの流動性を評価した。
【0103】
次に、上記アミン化合物を含む原料配合組成物を密閉容器に入れて50℃で7日間放置した後、同様に液温20℃にてイソシアネートと混合して発泡させたときのGTを測定して貯蔵後反応性とした。これらの結果を表1、表2にあわせて示す。
【0104】
【表1】

1) Oxid L.P.製 廃PET系ポリエステルポリオール(OH価=241mgKOH/g)
2) アクゾノーベル(株)製 トリスクロロプロピルフォスフェート(商品名:ファイロールPCF)
3) 日本ユニカー製 シリコーン系界面活性剤(商品名:SZ−1627)
4) テトラエチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液(合成品)
5) テトラメチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液(合成品)
6) テトラメチルアンモニウムギ酸塩50%、エチレングリコール50%溶液(合成品)
7) N,N−ジメチルドデシルアミン(東京化成社製)
8) N−メチルジシクロヘキシルアミン(東京化成社製)
9) 1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール(合成品)
10)東ソー株式会社製 1,2−ジメチルイミダゾール70%、エチレングリコール30% (商品名:TOYOCAT−DM70)
11)日本乳化剤(株)製 1−イソブチル−2−メチルイミダゾール
12)エアープロダクツアンドケミカルズ(株)製 N,N,N−トリメチル−N−ヒドロキシプロピルアンモニウム 2−エチルヘキサン酸塩75%、ジエチレングリコール25% (商品名:DABCO−TMR)
13)エアープロダクツアンドケミカルズ(株)製 2−エチルヘキサン酸カリウム塩 75%、ジエチレングリコール 25% (商品名:DABCO−K15)
14)東ソ−株式会社製 N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン (商品名:TOYOCAT−MR)
15)メチルトリエチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩(合成品)
16)セントラル硝子(株)製 HFC−245fa (1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)
17)ソルベイ(株)製 HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)
18)日本ゼオン(株)製 ゼオンソルブHP(シクロペンタン)
19)日本ポリウレタン工業(株)製ポリメリックMDI (商品名:MR−200、NCO含量=31.0%)。
【0105】
【表2】

1) Oxid L.P.製 廃PET系ポリエステルポリオール(OH価=241mgKOH/g)
2) アクゾノーベル(株)製 トリスクロロプロピルフォスフェート(商品名:ファイロールPCF)
3) 日本ユニカー製 シリコーン系界面活性剤(商品名:SZ−1627)
4) テトラエチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液(合成品)
5) テトラメチルアンモニウム酢酸塩50%、エチレングリコール50%溶液(合成品)
6) テトラメチルアンモニウムギ酸塩50%、エチレングリコール50%溶液(合成品)
7) N,N−ジメチルドデシルアミン(東京化成社製)
8) N−メチルジシクロヘキシルアミン(東京化成社製)
9) 1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール(合成品)
10)東ソー株式会社製 1,2−ジメチルイミダゾール70%、エチレングリコール30% (商品名:TOYOCAT−DM70)
11)日本乳化剤(株)製 1−イソブチル−2−メチルイミダゾール
12)エアープロダクツアンドケミカルズ(株)製 N,N,N−トリメチル−N−ヒドロキシプロピルアンモニウム 2−エチルヘキサン酸塩75%、ジエチレングリコール25% (商品名:DABCO−TMR)
13)エアープロダクツアンドケミカルズ(株)製 2−エチルヘキサン酸カリウム塩 75%、ジエチレングリコール 25% (商品名:DABCO−K15)
14)東ソ−株式会社製 N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン (商品名:TOYOCAT−MR)
15)メチルトリエチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩(合成品)
16)セントラル硝子(株)製 HFC−245fa (1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)
17)ソルベイ(株)製 HFC−365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)
18)日本ゼオン(株)製 ゼオンソルブHP(シクロペンタン)
19)日本ポリウレタン工業(株)製ポリメリックMDI (商品名:MR−200、NCO含量=31.0%)。
【0106】
表1より明らかなように、触媒として、アミン化合物(A)と、(B)及び/又は(C)を併用して用いた参考例1、実施例2〜実施例6、参考例7〜参考例10は、いずれも貯蔵後の反応低下が少なく、GT変化率も10%以下であった。また、得られたフォームは、コア密度、流動性、寸法安定性、及び接着強度のいずれもが好適範囲内である。
【0107】
これに対し、表2より明らかなとおり、触媒として、アミン化合物(A)と、(B)及び/又は(C)を併用しない比較例1〜比較例10は、いずれも貯蔵後の反応性低下が大きい。
【0108】
例えば、触媒として、本発明のpKaを示す有機酸を用いた4級アンモニウム塩化合物を触媒組成物として使用していない比較例1〜比較例4では、貯蔵後のGTが共に遅くなり、貯蔵安定性に劣っていた。特に、比較例2では、貯蔵後GT変化率が100%を超えており、反応硬化に必要な時間が貯蔵前の2倍以上必要となるため、実用途に耐えないものであった。
【0109】
また、触媒として、本発明の上記(A)〜(C)のアミン化合物を何れも使用していない比較例6及び比較例7では、貯蔵後GT変化率が100%を超えており、反応硬化に必要な時間が貯蔵前の2倍以上必要となるため、実用途に耐えないものであった。
【0110】
また、本発明の上記(A)のアミン化合を単独で用いた比較例8では、貯蔵後の反応性低下と接着性の低下が見られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも下記(A)及び(C)のアミン化合物を含んでなる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の触媒組成物。
(A)下記一般式(1)
【化1】

[式中、R〜Rは、炭素数1〜12の飽和又は不飽和炭化水素基(但し、R〜Rのうちのいずれか2個が炭素原子、酸素原子又は窒素原子を介してヘテロ環を形成していてもよい)を表し、Rは炭素数1〜18のアルキル基又は芳香族炭化水素基を表し、Xは酸解離定数(pKa)が4.8以下の有機酸基を示す。]
で表される4級アンモニウム塩。
(C)1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、及びN−(2−ヒドロキシエチル)モルフォリンからなる群より選ばれる1種又は2種以上の複素環式第三級アミン化合物。
【請求項2】
一般式(1)で表される4級アンモニウム塩を構成する有機酸が、ギ酸及び/又は酢酸であることを特徴とする請求項5に記載の触媒組成物。
【請求項3】
一般式(1)で表される4級アンモニウム塩が、テトラメチルアンモニウム酢酸塩、テトラメチルアンモニウムギ酸塩、テトラエチルアンモニウム酢酸塩、テトラエチルアンモニウムギ酸塩、テトラプロピルアンモニウム酢酸塩、テトラプロピルアンモニウムギ酸塩、テトラブチルアンモニウム酢酸塩、テトラブチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリエチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリエチルアンモニウムギ酸塩、メチルトリプロピルアンモニウム酢酸塩、メチルトリプロピルアンモニウムギ酸塩、メチルトリブチルアンモニウム酢酸塩、メチルトリブチルアンモニウムギ酸塩、トリメチルドデシルアンモニウムギ酸塩、及びトリメチルドデシルアンモニウム酢酸4級アンモニウム塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の触媒組成物。
【請求項4】
ポリオール成分、水、及び請求項1及至請求項3のいずれかに記載の触媒組成物を含んでなる硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォーム製造用の原料配合組成物。
【請求項5】
発泡剤として、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1,1,4,4,4−ヘキサフルオロブタン、プロパン、ブタン、ペンタン、シクロペンタン、及びヘキサンからなる群より選ばれる1種又は2種以上をさらに含んでなる請求項4に記載の原料配合組成物。
【請求項6】
ポリオール成分として、芳香族ポリエステルポリオールを含むことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の原料配合組成物。
【請求項7】
請求項4及至請求項6のいずれかに記載の原料配合組成物にポリイソシアネートを混合して反応させることを特徴とする硬質ポリウレタンフォーム及び/又はイソシアヌレート変性硬質ポリウレタンフォームの製造法。

【公開番号】特開2010−7079(P2010−7079A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−193161(P2009−193161)
【出願日】平成21年8月24日(2009.8.24)
【分割の表示】特願2004−281052(P2004−281052)の分割
【原出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】