説明

碍子汚染防止装置及び電気集塵装置

【課題】安価で簡素な構造で、碍子に対するダスト類の付着を抑制する。
【解決手段】本発明は、互いに対向する荷電側取付板部17と接地側取付板部16とからなる高電圧電極を絶縁状態で支持する碍子18と、碍子18の荷電側周囲と接地側周囲とを独立して取り巻くように配置された内外2層状の一対の導電性保護筒体21,52と、を備え、該一対の導電性保護筒体21,52の対向側先端部のうち、少なくとも碍子18の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体52の対向側先端部は鋸波形状に形成され、導電性保護筒体21,52の対向側先端部を所定の絶縁間隔以上離間した状態で互いに内外2層状にラップすると共に、高電圧電極への電圧印加によって気流中に含まれるダスト類を一対の導電性保護筒体21,22に付着させる電界を生成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高電圧が印加された集塵エレメントを用いて気流中に存在する微粉塵やミスト等(以下、「ダスト類」と称する。)を捕集(除去)する回転式電気集塵機等に搭載され、高電圧電極を保持するための碍子等の絶縁手段に対するダスト類の付着防止機能を備えた碍子汚染防止装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電気集塵機等の高電圧電極を支える碍子にダスト類を含んだ気流が流れ込むと、そのダスト類は、碍子表面に付着する結果、絶縁性が低下して沿面放電や高圧電流を短絡させたりするといった不具合が発生することが知られている。
【0003】
そこで、このような碍子に対するダスト類の付着を防止するため、ダスト類を含んだ気流が高電圧電極を支える碍子に至る前に、高電圧極板と席板との狭い間隔に生成された電界により席板側(アース極)にダスト類を捕集(除去)して碍子の汚染を防止したり、粉塵が直接碍子に付着するのを防止する保護傘体を設け、この保護傘体と集塵室との間に生成される電界によって碍子へのダスト類の付着を防止する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3634178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、気流に含まれる通常濃度のダスト類を捕集する場合には上述した防止対策を講じることによって碍子の汚れ発生は抑制することができるものの、比較的高濃度のダスト類を捕集する電気集塵機の場合や、例えば、稼働中に集塵部に捕集されたダスト類を捕集(除去)する機能を備えた電気集塵機等のように、長時間稼働が多い用途に使用する比較的集塵捕集負荷の高い電気集塵機の場合においては、時間の経過と共に微量なダスト類が碍子周辺に蓄積してしまうために、碍子の表面にダスト類の付着を抑制することが困難で、碍子の汚れを確実に防止することはできなかった。
【0006】
尚、このように碍子の表面にダスト類が付着してしまうと、碍子の絶縁性低下に伴う沿面放電の発生や高圧電流を短絡させるといった不具合が発生し、結果的に電気集塵機の稼働停止に陥ってしまうという不具合が発生してしまう。
【0007】
さらに、電気集塵機が稼働停止になってしまうと、その復旧のために、集塵機本体から高電圧電極を取り出し、碍子に付着したダスト類を除去しなければならず、メンテナンスに手間と時間を要してしまう。
【0008】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、安価で簡素な構造でありながら、高濃度のダスト類を捕集した場合や、ダスト類を長期間捕集した場合においても、碍子に対するダスト類の付着を抑制することができる碍子汚染防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の碍子汚染防止装置は、互いに対向する荷電側取付板部と接地側取付板部とからなる高電圧電極を絶縁状態で支持する碍子と、該碍子の荷電側周囲と接地側周囲とを独立して取り巻くように配置された内外2層状の一対の導電性保護筒体と、を備えた碍子汚染防止装置において、前記一対の導電性保護筒体の対向側先端部のうち、少なくとも前記碍子の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体の対向側先端部は鋸波形状に形成され、前記導電性保護筒体の対向側先端部を所定の絶縁間隔以上離間した状態で互いに内外2層状にラップすると共に、前記高電圧電極への電圧印加によって気流中に含まれるダスト類を前記一対の導電性保護筒体に付着させる電界を生成することを特徴とする。
【0010】
請求項1に記載の構成によれば、高電圧電極への電圧が直接印加されることにより、一対の導電性保護筒体の互いにラップしている対向側先端部間に均等な電界を生成することができるばかりでなく、この電界によって碍子の方に引き寄せられる帯電された一部のダスト類を導電性保護筒体の表面に付着させることができ、碍子へのダスト類の付着を抑制し得て、碍子を常に良好な絶縁状態に保つことができる。また、碍子の周囲を一対の導電性保護筒体で取り巻くことにより、碍子の表面を周辺の気流から遮ることが可能となり、気流に含まれているダスト類が直接碍子に触れることを抑制することができる。また、一対の導電性保護筒体の対向側先端部において、少なくとも碍子の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体の対向側先端部が鋸波形状であることにより、複数の尖った端部を形成し得て、その端部に電界を集中させることによって、電界効果をより向上することができ、碍子へのダスト類の付着防止効果を向上することができる。
【0011】
請求項2に記載の碍子汚染防止装置は、前記碍子の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体は、前記碍子の接地側周囲を取り巻く他方の導電性保護筒体よりも内側に配置されていることを特徴とする。
【0012】
請求項2に記載の構成によれば、碍子の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体を他方の導電性保護筒体よりも内側に配置することにより、気流に含まれるダストのうち割合の多い帯電電位ダストを捕集する他方の導電性保護筒体の面積を、電位を失ったダストを捕集する一方の導電性保護筒体の面積よりも広く確保することができる。
【0013】
また、本発明は、請求項1又は請求項2に記載の碍子汚染防止装置を備えている電気集塵装置とすることができ、互いに交互に配置された複数の回転電極板と固定電極板とを備えている電気集塵装置とすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の碍子汚染防止装置は、安価で簡素な構造でありながら、高濃度のダスト類を捕集した場合や、ダスト類を長期間捕集した場合においても、碍子に対するダスト類の付着を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置を搭載した電気集塵装置の斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置を搭載した電気集塵装置における高電圧電極ユニットの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置における要部の断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置の好適な例を示す要部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施形態は本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限りこれらの態様に限定されるものではない。
【0017】
以下、本発明に係る碍子汚染防止装置に係る一実施の形態を図面と共に説明する。
【0018】
(電気集塵装置の全体構成)
先ず、図1及び図2に基づいて、本発明に係る碍子汚染防止装置を搭載した電気集塵装置の構成を説明する。
【0019】
図1は本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置を搭載した電気集塵装置の斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置を搭載した電気集塵装置における高電圧電極ユニットの斜視図である。
【0020】
図1において、本発明に係る電気集塵装置1は、互いに離間状態で対向配置された一対の外枠2,2の上縁に天板3,3が設けられ、その外枠2,2の間に、図2に示すように、高電圧電極ユニット4が配置されている。
【0021】
(外枠2の内側構成)
高電圧電極ユニット4は、その略中央に貫装された水平回転軸5に、図示を略すモータ等の駆動源からの回転駆動力が伝達される。
【0022】
水平回転軸5には、複数枚の回転電極板6,6…が夫々間隔をあけて水平回転軸5と一体に固定されており、モータ等の駆動源からの回転駆動力によって各回転電極板6,6…が回転する。また、水平回転軸5の正面側(図示左側)の外枠2から突出した部分には刷子7が接触していて、この刷子7を介して各回転電極板6,6…がアース接続されている。
【0023】
回転電極板6,6…は、図2においては、正面側の1枚を便宜上二点鎖線で示しているが、全部で9枚が並設されている。また、各回転電極板6,6…の間には、外枠2,2の四隅に形成された逃げ孔2aで支持されたシャフト状の導電スペーサ8,8…を介して複数の固定電極板9,9…が配置されている。さらに、各回転電極板6,6…の各間隔内には環状帯体10がそれぞれ介在(図2では1箇所のみ図示)されている。
【0024】
固定電極板9,9…は、4本の導電スペーサ8,8…で一定の間隔をもって並設されており、本実施の形態においては、8枚の固定電極板9,9…が水平回転軸5に沿って並設されている。また、各固定電極板9,9…には、図示を略す電圧供給手段よりプラスの高電圧が印加される。さらに、各固定電極板9,9…には針状の荷電用電極11が溶接やカシメ等によって複数取り付けられている。また、固定電極板9,9…の上縁は、荷電用電極11の先端部分が突出して効率良く放電を行うことができるように開放している。
【0025】
環状帯体10は、各固定電極板9,9…の中心付近から直下に延びる切り欠き空間部9aに位置した状態で、各固定電極板9,9…と同じ数の8本が配置されている。また、環状帯体10の幅は、各回転電極板6,6…の隣接間隔に略等しく、その環状帯体10の幅の略半分の距離だけ隔てた位置(中間位置)に各固定電極板9,9…が位置している。さらに、各環状帯体10は、水平回転軸5に設けられた駆動プーリ12と、電気集塵装置1の下側に水平回転軸5と平行に配置されたベルト軸13に設けられた従動プーリ14との間に適度な緊張状態で回動移動可能に架設されている。また、環状帯体10には、その幅中央部分に丸孔10aが長手方向に一定間隔で設けられている。この丸孔10aには、駆動プーリ12に形成された半円球状の突起(図示省略)がスプロケット状に嵌合され、このスプロケット構造により各環状帯体10に伝達駆動力が作用する。さらに、環状帯体10の下方で従動プーリ14の直近くには、先端が剣状にとがった搬送塵埃除去用スキージ15が全ての環状帯体10の表面に接触(若しくは近接)して配置されている。
【0026】
(外枠2の外側構成)
外枠2,2を含めて電気集塵装置1はアース接続されている。また、外枠2,2の外壁面には水平回転軸5を挟む上下に接地側取付板部16,16が固定されている。さらに、外枠2,2から外側に突出する導電スペーサ8,8…の先端には、荷電側取付板部17,17が支持されている。
【0027】
接地側取付板部16,16と荷電側取付板部17,17とは、水平回転軸5を中心として上下対象関係となるように配置されており、外枠2,2の外壁面から水平方向に立ち上がるフランジ状の対向面部16a,16a及び対向面部17a,17aをそれぞれ備えている。
【0028】
各対向面部16aと対向面部17aとは、荷電側電極と接地側電極とからなる高電圧電極を構成している。また、各対向面部16aと対向面部17aとの間(4箇所)には、その高電圧電極を絶縁状態で支持するために、図3に示すように、円柱状の電気的絶縁性を有する碍子18(一つのみ図示)がネジ19,20を介して固定されている。
【0029】
各碍子18の周囲には、ダスト類の付着を防止する一対の導電性保護筒体21,22からなる碍子汚染防止装置23,23…が取り付けられている。
【0030】
導電性保護筒体21,22は、導電製の筒型であり、その対向側先端部が所定の絶縁間隔以上離間した状態で互いに内外でラップされている。
【0031】
尚、本実施の形態においては、刷子7を除いて、上述した接地側取付板部16,16、荷電側取付板部17,17、碍子18(,18…)、碍子汚染防止装置23,23…は、背面側の外枠2にも同様に配置されている。
【0032】
(実施例)
次に、電気集塵装置1における含塵空気(気流)の流れを説明する。
含塵空気は、図1,図2の矢印Aに示すように、電気集塵装置1の上方から下方に向けてブロアー(図示を略す)の吸引作用により流入してくる。
【0033】
この際、含塵空気中のダスト類は、電気集塵装置1において、特に先端部からは高電圧のコロナ放電によりプラス側に帯電させると、回転している回転電極板6,6…はアース接続されているため、プラスに荷電されたダスト類が回転電極板6,6…に捕集されることになる。
【0034】
尚、通常であれば、含塵空気は矢印Aのように上方から下方へと外枠2,2の内側だけを流通し、外枠2,2の外側への含塵空気の流出は、外枠2,2の周囲を隙間無く塞いでおけば流出することはない。
【0035】
しかしながら、固定電極板9,9…を外枠2,2に取り付けるための導電スペーサ8,8…は、絶縁空間を隔てて逃げ孔2aを貫通していることから、外枠2の内外を完全に遮蔽させることはできない。
【0036】
特に、高濃度のダストを捕集したり、長期間稼働の場合には、この逃げ孔2aから含塵空気が外枠2の外側へと流出し、含塵空気に含まれているダスト類が、碍子18の周りに浮遊することとなる。
【0037】
そこで、碍子18の周りに浮遊しているダスト類は、碍子18を覆っている導電性保護筒体21,22間に発生する電界によって引き寄せられ、導電性保護筒体21,22の表面に捕集(除去)されるため、碍子18へのダスト類の付着を抑制し得て、碍子18を常に良好な絶縁状態に保つことができる。
【0038】
具体的には、絶縁体である碍子18は、荷電側取付板部17と接地側取付板部16との間に挟まれた状態でこれらに接しており、ネジ19,20を介して各取付板部16,17に固定されている。
【0039】
導電性保護筒体21,22は、円筒型を呈しており、厚みは1mm以下、材質はステンレス製などの導電体であり、碍子18の周囲を同心円状に覆っている。尚、導電性保護筒体21,22の断面形状は、多角形や楕円形状でも良く、その選択は任意である。
【0040】
この際、各導電性保護筒体21,22のうち、荷電側導電性保護筒体22は荷電側取付板部17に接して取り付けられ、接地側導電性保護筒体21は接地側取付板部16に接して取り付けられている。
【0041】
尚、各導電性保護筒体21,22の取付板部16.17への取り付け(固定)方法に関しては、ネジ止め・かしめ・溶接等の公知の手段を用いて固定することができる。
【0042】
また、荷電側導電性保護筒体22の直径は、碍子18直径よりも所定の大きさ以上としており、少なくとも、碍子18の表面に発生する沿面放電の影響を受けない直径(内径)に設定される。
【0043】
これに対し、荷電側導電性保護筒体22よりも外側に位置する接地側導電性保護筒体21の直径は、荷電側導電性保護筒体22の直径と所定の絶縁間隔X以上離間するように設定されている。
【0044】
尚、この所定の絶縁間隔X以上とは、例えば、高電圧電極に1万Vの電圧印加を行うのであれば、絶縁間隔Xは10mm以上必要とするが、その絶縁間隔Xは、印加する電圧によって異なる。また、本実施の形態において、接地側導電性保護筒体21と荷電側導電性保護筒体22との対向側先端部におけるラップ代Yにおいては、電圧供給手段(図示省略)により、空間内に均等な電界が生成されている。この際、ラップ代Yが広いほど、ダスト類を捕集(除去)する性能は向上するので、できる限り多くとった方が良いが、荷電側導電性保護筒体22の先端と接地側取付板部16との距離Y1と、接地側導電性保護筒体21の先端と荷電側取付板部17との距離Y2とは、絶縁距離以上とする必要がある。
【0045】
従って、逃げ孔2aから枠体2の外部へと流出して碍子18の周辺に浮遊したダスト類は、電気集塵装置1によって帯電されたプラス電位を有するダスト類(図3の黒丸参照)と、電気集塵装置1に一旦捕集されたものの、電位を失ってしまうことで再飛散した電位を失ったダスト類(図3の白丸参照)と、が混在している。
【0046】
そして、これらの属性のダスト類のうち、プラス電位に帯電されたダスト類(図3の黒丸参照)は、導電性保護筒体21,22間の覆っている箇所に発生した均等な電界に引き寄せられて、接地側導電性保護筒体21のラップしている表面に捕集(除去)することができる。
【0047】
これに対して、電位を失ったダスト類(図3の白丸参照)は、均等な電界に引き寄せられて荷電側導電性保護筒体22の表面で捕集(除去)する。即ち、主としてラップしている荷電側導電性保護筒体22の表面に多く付着する。
【0048】
以上のことから、導電性保護筒体21,22の間に発生する均等な電界により、碍子18の周辺に浮遊しているダスト類が引き寄せられ、導電性保護筒体21,22のラップしている表面に捕集(除去)することができるため、碍子18表面にダスト類が付着することを防止し、碍子18が汚染されることはない。
【0049】
尚、導電性保護筒体21,22の表面で捕集(除去)したダスト類のうち、非常に細かな微粒子は、導電性保護筒体21,22表面に付着しており、また、比較的大きな粒子径のダスト類は、次第に下方に垂れ始め最終的には、接地側取り付板に堆積するが、極微量である為、1年に1回程度の簡単な清掃を行うだけで、メンテナンスに手間がかからない。
【0050】
図4は、本発明の一実施形態に係る碍子汚染防止装置の好適な例を示す要部の断面図である。
【0051】
この碍子汚染防止装置53は、荷電側導電性保護筒体52の対向側先端部を鋸歯状の凹凸形状としている。
【0052】
これは、荷電側導電性保護筒体52の対向側先端部が鋸歯形状によって、尖った端部を形成し、不平等電界を発生させ、その端部に電界を集中させることによって、電界効果をより一層高めてダスト類をより多く導電性保護筒体21,52に捕集(除去)させることができる。
【0053】
尚、導電性保護筒体21,52の対向している対向側先端部の鋸歯状は、荷電側導電性保護筒体52のみでも良いが、荷電側導電性保護筒体52と接地側導電性保護筒体21の両方に形成しても良い。
【0054】
以上により、電気集塵機の電気集塵装置1の碍子汚染防止装置23,53について説明したが、電圧供給手段(図示省略)の碍子18箇所に使用しても良く、また一般の電気集塵機の各部に使用しても良い。
【0055】
このように、本発明の碍子汚染防止装置23,53によれば、安価で簡単な構造の碍子汚染防止装置を用いて、高濃度のダスト類を捕集する場合や、比較的長時間稼働が多く集塵捕集負荷の高い場合においても、碍子18に到達する前に導電体の導電性保護筒体21,22間に生成した均等な電界によってダスト類を捕集することによって、碍子18へのダスト類の付着を抑制することができ、絶縁性の低下や沿面放電、並びに、高圧電流の短絡といった不具合の発生を防止し、メンテナンスも大幅に軽減することができる。
【0056】
また、碍子18の周囲を導電性保護筒体21,22で覆うことにより、碍子18の表面を周辺の気流から遮ることが可能となり、その気流に含まれているダスト類が直接碍子18に触れることを抑制することができ、碍子18へのダスト類の付着防止効果をより一層向上することができる。
【0057】
よって、碍子18の清掃等のメンテナンスも大幅に軽減し得て、しかも安定した稼働を確保することができる。
【符号の説明】
【0058】
1…電気集塵装置
16…接地側取付板部
17…荷電側取付板部
18…碍子
21…接地側導電性保護筒体
52…荷電側導電性保護筒体
53…碍子汚染防止装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する荷電側取付板部と接地側取付板部とからなる高電圧電極を絶縁状態で支持する碍子と、該碍子の荷電側周囲と接地側周囲とを独立して取り巻くように配置された内外2層状の一対の導電性保護筒体と、を備えた碍子汚染防止装置において、
前記一対の導電性保護筒体の対向側先端部のうち、少なくとも前記碍子の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体の対向側先端部は鋸波形状に形成され、前記導電性保護筒体の対向側先端部を所定の絶縁間隔以上離間した状態で互いに内外2層状にラップすると共に、前記高電圧電極への電圧印加によって気流中に含まれるダスト類を前記一対の導電性保護筒体に付着させる電界を生成することを特徴とする碍子汚染防止装置。
【請求項2】
前記碍子の荷電側周囲を取り巻く一方の導電性保護筒体は、前記碍子の接地側周囲を取り巻く他方の導電性保護筒体よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の碍子汚染防止装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の碍子汚染防止装置を備えていることを特徴とする電気集塵装置。
【請求項4】
互いに交互に配置された複数の回転電極板と固定電極板とを備えていることを特徴とする請求項3に記載の電気集塵装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−192410(P2012−192410A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−158342(P2012−158342)
【出願日】平成24年7月17日(2012.7.17)
【分割の表示】特願2008−251999(P2008−251999)の分割
【原出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(000101617)アマノ株式会社 (174)
【Fターム(参考)】