説明

磁性トナーの製造方法

【課題】磁性粉末やワックスの露出を抑えることができると共に、トナーロットの品質安定性に優れ、再生カートリッジにおいて多機種に使用可能であり、かつ画像濃度安定性、耐OPCフィルミング性、環境安定性などに優れる磁性トナーを、効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】熱可塑性樹脂、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末、ワックス及び電荷制御剤を含み、かつ上記疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末の含有量が30〜70質量%である混練材料を、バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、破砕処理して混練チップを得、次いでこの混練チップを、再度バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、粉砕、分級処理してトナー母粒子を作製し、該トナー母粒子を含有する磁性トナーを製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は磁性トナーの製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、磁性粉末及びワックスの分散性がよく、トナー母粒子表面への磁性粉末やワックスの露出を抑えることができると共に、トナーロットの品質安定性に優れ、再生カートリッジにおいて多機種に使用可能であり、かつ画像濃度安定性、耐OPCフィルミング性、環境安定性などに優れる磁性トナーを、効率よく製造する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式においては、感光体上において光学像を静電荷像のような電子性の潜像に変換したのち、この静電潜像上に着色した帯電性トナー粒子を付着させて可視画像とし(現像)、さらにこのトナー画像を紙などの記録媒体に転写させたのち、加熱、加圧などにより定着させて複写物を得ることが行われている。このような電子写真方式は、操作性、迅速性、最終画像の安定性などに優れるために、複写機のほか、レーザープリンター、ファクシミリなどに広く応用されている。
上記トナー粒子は、電子写真の現像方式によってその設計着想が変わってくる。電子写真の現像方式としてよく知られているものは、現像剤にトナーとフェライト、鉄粉のようなキャリアとを用いた二成分現像方式、磁性トナーのみを用いた磁性一成分現像方式、非磁性トナーのみを用いた非磁性一成分現像方式がある。中でも磁性一成分現像方式は、現像器がコンパクトであり、耐刷性に優れているといった特徴がある。
磁性一成分現像方式では、中心部にマグネットローラーを装着した円筒スリーブのようなトナー担持体が、感光体と一定の間隙を設けて配置されており、スリーブ上には絶縁性磁性トナーが薄層状に搬送される。感光体とスリーブとの間に交互電界が印加され、帯電された磁性トナー粒子を飛翔させながら静電潜像を現像させる。該磁性トナーのトリボ電荷の付与は、主にスリーブ表面との接触摩擦、トナー同士の摩擦によって行われる。スリーブ上のトナー層厚は現像領域における感光体とスリーブとの間隙よりも薄く形成される。
上記トナーとしては、トナーバインダーである熱可塑性樹脂に磁性粉末を分散し、さらに各種添加剤を配合した磁性一成分トナーが広く用いられている。この磁性一成分トナーは、例えばバインダー樹脂としての熱可塑性樹脂に磁性粉末、ワックスなどの離型剤、電荷制御剤などを配合し、加熱混練機を用いて溶融混練し、磁性粉末を均質に分散させたのち、室温まで冷却した材料を粉砕機で粉砕し、さらに分級により粗粉及び微粉を取り除き、所望の粒度に揃えることによって製造される。この際、トナーの流動性及び耐久性を高める目的で、シリカなどの無機微粉末を添加することがよく行われている。
トナーにおける混練方法としては、様々な方法が提案されている。
例えば、特許文献1、2及び3には、押出機による混練方法が提案されている。この押出機による混練方法においては、混練温度設定の管理が容易で、押出機より押し出される混合物を直ちに冷却することができ、その結果、ワックスの再凝集を防ぐことができる。しかしながら、混練押出機内が密閉されているので、混練する際に混練物を加熱する熱が逃げ難く、付与されるせん断力によって必要以上に混練材料に発生した熱も逃げ難いため混練物の粘度が低くなる。そのため、混練物にせん断力をかけることが難しく、混練物における各成分の分散が不充分となるという問題がある。特に低融点ワックスを用いる場合には、早く溶け出し、粘度が低くなるため、分散が困難となる。磁性粉末やワックスの分散が悪いと、それらがトナー母粒子表面に露出し、トナーとしての性能が低下する。
また、特許文献4には、オープンロール型混練機による混練方法が提案されている。このオープンロール型混練機を用いた方法においては、2本のロールが外部に開放されながら混練されるので、ロールに付着して搬送される混練物が空冷され、混練物が必要以上に高温になることはない。したがって、混練材料が比較的低温で混練されて大きなせん断力がかけられる。しかしながら、下記の問題点がある。
(1)混練材料中のワックスが先にロール表面に融着してしまうため、混練物とロールとの密着性が低下し、ワックスの分散が不充分となる。その結果、外添剤の付着が不充分となり、トナーの耐久性が低下し、画像濃度の低下、耐OPCフィルミング性、環境安定性、トナーロットの品質安定性などが悪くなる。
(2)外部に開放されているので、混練材料が飛散したり、また、混練物とロールとの密着性が低下すると、混練物がロールに巻きつかずロール隙間から落下したりする。その結果、生産効率の低下や、材料配合比率のズレが生じる。
さらに、特許文献5には、マスターバッチ法による混練に関する技術が開示されている。この技術によると、磁性粉末が均一に分散した磁性トナーの製造が可能である。しかしながら、磁性粉末を含むマスターバッチの粘度が高くなるため、希釈用樹脂、ワックスとの粘度差が大きくなり、ワックスの分散が難しくなる。その結果、外添剤の付着が不充分となり、トナーの耐久性が低下し、画像濃度低下、耐OPCフィルミング性、環境安定性、トナーロットの品質安定性が悪くなる。
ところで、近年、再生カートリッジは、その品質が向上し、地球環境への負荷を低減するという観点から広く普及している。この再生カートリッジにおいては、多機種に使用できることが、さらに広い普及の観点から、望まれている。
【特許文献1】特開平6−161153号公報
【特許文献2】特開平11−143123号公報
【特許文献3】特開2002−196531号公報
【特許文献4】特開2000−75548号公報
【特許文献5】特開2005−92108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような事情のもとで、磁性粉末及びワックスの分散性がよく、トナー表面への磁性粉末やワックスの露出を抑えることができると共に、トナーロットの品質安定性に優れ、再生カートリッジにおいて多機種に使用可能であり、かつ画像濃度安定性、耐OPCフィルミング性、環境安定性などに優れる磁性トナーを、効率よく製造する方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、磁性粉末として疎水性シリカ粉末で表面処理されたものを用い、これを所定の割合で含むトナー母粒子を、バッチ式密閉混練機を使用して特定の操作を行い作製することにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
[1]疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末を含むトナー母粒子を含有する磁性トナーの製造方法であって、
少なくとも熱可塑性樹脂、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末、ワックス及び電荷制御剤を含み、かつ上記疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末の含有量が30〜70質量%である混練材料を、バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、破砕処理して混練チップを得、次いでこの混練チップを、再度バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、粉砕、分級処理してトナー母粒子を作製すること、
を特徴とする磁性トナーの製造方法、
[2]トナー母粒子100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ粉末0.3〜2.0質量部を含有させる上記[1]項に記載の磁性トナーの製造方法、
[3]バッチ式密閉混練機が、バンバリーミキサーである上記[1]又は[2]項に記載の磁性トナーの製造方法、及び
[4]バッチ式密閉混練機による混練終了時の材料温度が、120〜140℃である上記[1]〜[3]項のいずれかに記載の磁性トナーの製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明の方法によれば、磁性粉末及びワックスの分散性がよく、トナー表面への磁性粉末やワックスの露出を抑えることができると共に、トナーロットの品質安定性に優れ、再生カートリッジにおいて多機種に使用可能であり、かつ画像濃度安定性、耐OPCフィルミング性、環境安定性などに優れる磁性トナーを、効率よく製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の磁性トナーの製造方法においては、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末を含むトナー母粒子を含有する磁性トナーが製造される。そして、上記トナー母粒子は、少なくとも熱可塑性樹脂、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末、ワックス及び電荷制御剤を含む混練材料を用い、バッチ式密閉混練機を使用して作製される。
[熱可塑性樹脂]
本発明において、トナー母粒子に用いる熱可塑性樹脂に特に制限はなく、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、エチレン−ノルボルネン共重合体などの環状オレフィン共重合体、ジエン系樹脂、シリコーン系樹脂、ケトン樹脂、マレイン酸樹脂、クマロン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、テルペン樹脂、石油樹脂、ポリスチレン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などのスチレン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリビニルブチラールなどを挙げることができる。これらの中で、ポリエステル系樹脂及びスチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体を好適に用いることができる。ポリエステル系樹脂としては、例えば、芳香族ジカルボン酸とアルキレンエーテル化ビスフェノールAとの重縮合ポリエステルなどを挙げることができる。スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体としては、例えば、スチレン−アクリル酸ブチル−メタクリル酸ブチル共重合体などを挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明に用いる熱可塑性樹脂は、ガラス転移温度が50〜75℃であることが好ましく、52〜70℃であることがより好ましい。ガラス転移温度が50℃未満であると、磁性トナーの保存性が低下するおそれがあり、ガラス転移温度が75℃を超えると、磁性トナーの低温定着性が不充分となるおそれがある。
【0007】
[疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末]
本発明においては、トナー母粒子における磁性粉末として、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末が用いられる。
(被表面処理磁性粉末)
被表面処理磁性粉末としては、例えば、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe34)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミウム(CdFe24)、酸化鉄ガドリウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFe23)などのマグネタイトやフェライト等、鉄粉(Fe)、コバルト粉(Co)、ニッケル粉(Ni)などが挙げられる。
これらの磁性粉末の平均粒径は、通常0.1〜0.3μm程度である。この平均粒径が0.1μm未満では凝集体が多くなりすぎ、0.3μmを超えるとトナーの小粒径化に対応できにくくなる。
なお、前記平均粒径は、磁性粉末粒子を透過型電子顕微鏡で観察し、Martin径[定方向面積等分径(投影面積を2等分する線分の長さ)]にて算出した。
【0008】
(疎水性シリカ粉末)
疎水性シリカ粉末の材料としては、四塩化ケイ素などのハロゲン化シランを、蒸気相酸化により生成され、ヒュームドシリカと称せられる乾式シリカ粉末、及び水ガラスなどから製造されるいわゆる湿式シリカ粉末のいずれも使用することができるが、表面及び内部にあるシラノール基が少なく、またNa2O、SO3-などの製造残渣の少ない乾式シリカ粉末が好ましい。
上記シリカ粉末の疎水化処理に用いられる処理剤としては、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シラザン化合物、環状ジメチルシロキサン、シランカップリング剤などを挙げることができる。これらの中で、シリコーンオイル、シラザン化合物、環状ジメチルシロキサン、シランカップリング剤が好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルなどが、シラザン化合物としては、例えばヘキサメチルジシラザンなどが、環状ジメチルシロキサンとしては、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサンなどが挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
【0009】
疎水性シリカ粉末の製造方法としては、例えばシリカ粉末と疎水化処理剤とを、ヘンシェルミキサーなどの混合機を用いて直接混合してもよいし、シリカ粉末に疎水化処理剤を噴霧する方法を用いてもよく、あるいは適当な溶媒に疎水化処理剤を溶解又は分散させた液にシリカ粉末を加え、溶媒を除去する方法などを用いてもよい。
疎水性シリカ粉末の一次平均粒径は、通常5〜50nm程度、好ましくは7〜40nmである。
(磁性粉末の表面処理)
処理方法については、下記に限定されるものではないが、例えば前述の被表面処理磁性粉末と、その100質量部に対し、好ましくは0.1〜10質量部、より好ましくは0.3〜5質量部の上記疎水性シリカ粉末とを、ヘンシェルミキサーなどの混合機に加え、混合することにより、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末が得られる。
この疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末は、該磁性粉末自体の流動性が向上すると共に、熱可塑性樹脂との濡れ性を高め、分散を向上させることができ、トナー母粒子表面への露出を抑えることができる。
また、磁性粉末の表面に存在する疎水性シリカは、混練工程において、本来分散が低下しやすいワックス、特に低融点ワックスを増粘させ、ワックスの分散をも向上させることができる。
本発明においては、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、トナー母粒子中のその含有量は、30〜70質量%、好ましくは35〜65質量%、より好ましくは40〜60質量%である。この含有量が30質量%未満では、高帯電となり、かつスリーブへの拘束力が弱まるため、高濃度及び解像度が低下し、トナーの消費量が増大するし、70質量%を超えると、低帯電となり、かつスリーブへの拘束力が強くなりすぎるため、充分な画像濃度が出にくくなる。
【0010】
[ワックス]
本発明において、トナー母粒子に用いるワックスは、熱ロール定着時の離型性を良くする目的で用いられるものであり、このようなものとしては、例えばカルナウバワックス、ライスワックスなどの植物ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックス、モンタンワックス、キャンデリアワックスなどの鉱物ワックス、カーボワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、エチレン−プロピレン共重合体ワックス、塩素化ナフタレンワックスなどの合成ワックス、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などの高級脂肪酸、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの高級アルコール、ステアリン酸アミド、ベヘン酸アミドなどのアミド系ワックス、脂肪酸エステル、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレートなどの多価アルコールエステル、シリコーンワニスなどを挙げることができる。これらのワックスは、1種を単独で用いることができ、あるいは、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
このワックスの融点は好ましくは50〜160℃であり、より好ましくは60〜150℃である。ワックスの融点が50℃未満であると、磁性トナーの保存性が低下するおそれがあり、ワックスの融点が150℃を超えると、磁性トナーの低温定着性が不充分となるおそれがある。ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いる分析において、10℃/分で昇温したときの吸熱ピーク温度として求めることができる。
本発明においては、トナー母粒子中のワックスの含有量は、1〜10質量%であることが好ましく、2〜8質量%であることがより好ましい。このワックスの含有量が1質量%未満であると、磁性トナーの低温定着性が不充分となるおそれがある。ワックスの含有量が10質量%を超えると、製造工程において粒子の付着や堆積が生じやすく、また、磁性トナーの流動性や保存性が低下するおそれがある。
【0011】
[電荷制御剤]
本発明において、トナー母粒子に用いられる電荷制御剤としては、負帯電性を制御する電荷制御剤として、例えば、モノアゾ金属化合物、アセチルアセトン金属化合物、芳香族ヒドロキシカルボン酸、含金属サリチル酸系化合物、ホウ素錯体化合物、カリックスアレーンなどを挙げることができる。トナーを正帯電性に制御する電荷制御剤として、例えば、トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、ニグロシン、グアニジン化合物、トリフェニルメタン染料、第四級アンモニウム塩などを挙げることができる。
トナー母粒子に、この電荷制御剤を含有させることにより、磁性トナーの帯電特性を安定させ、かぶりの発生を防止することができる。
本発明においては、これらの電荷制御剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。トナー母粒子中の該電荷制御剤の含有量は、上記効果の観点から、通常0.1〜5質量%程度、好ましくは0.2〜3質量%である。
また、本発明におけるトナー母粒子は、必須成分として、前述の熱可塑性樹脂、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末、ワックス及び電荷制御剤を含むが、さらに所望により着色剤などを含むことができる。
上記着色剤に特に制限はなく、無機又は有機の各種の顔料、染料などを用いることができる。黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、四三酸化鉄、二酸化マンガン、アニリンブラックなどを挙げることができる。
【0012】
[トナー母粒子の作製]
本発明の磁性トナーの製造方法においては、必須成分として前述の熱可塑性樹脂、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末、ワックス及び電荷制御剤を含み、かつ上記疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末の含有量が30〜70質量%である混練材料を、バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、破砕処理して混練チップを得、次いでこの混練チップを、再度バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、粉砕、分級処理してトナー母粒子を作製する。
本発明方法に用いるバッチ式密閉混練機に特に制限はなく、密閉混合室に混練材料を投入し、加圧ラムにより圧縮し、2本のローターを回転させて、密閉混合室の内壁とローターの間及びローター相互間の激しいせん断混合効果を利用して混練を行う装置を用いることができる。このような機構を有するバッチ式密閉混合機としては、本発明においては、インテンシブミキサー、インターナルミキサーなどの名称で知られているバンバリーミキサーの使用が好適である。
バンバリーミキサーを用いて混練を行う場合、まずローター回転数を所定の回転数に設定し、上部シリンダー内の加圧ラムを上げて、予備混合した混練材料を投入口から仕込む。次いで、加圧ラムを徐々に下げる。混練が進むにつれて、摩擦熱により該材料の温度が上昇するので、ジャケットに温水又は冷水を通じて、過熱を防ぐことが好ましい。混練の進行状態は、混合室内の温度計指示と、電動機の負荷電流により知ることができるので、混練完了とともに底蓋を開き、混練された材料を落下させることができる。
【0013】
本発明方法においては、上記のバッチ式密閉混練機を用い、2回の混練操作を行う。1回のみの混練では、比較的低温で混練できるが、混練材料へのシェアが不充分なので、磁性粉末などの比表面積の大きな材料の濡れ性が不充分となり、ワックスの含有量が多量となるケースでは、ワックスの分散が低下しやすい。その結果磁性粉末、ワックスの分散不良によるトナー表面への露出によって、外添剤の付着が不充分となりトナー耐久性、画像濃度、耐OPCフィルミング性、環境安定性、トナーロットの品質安定性が低下する。
第1回目の混練終了後、冷却したのち、フェザミルなどの破砕機で破砕処理して平均粒径1〜5mm程度の混練チップを得る。次に、この混練チップをバッチ式密閉混練機に投入し、2回目の混練を行う。この2回目の混練においては、低温でかつ混練材料へ充分なシェアがかけられるため、磁性粉末などの比表面積の大きな材料の濡れ性が充分となり、ワックスの含有量が多量となるケースもワックスの分散が良好な状態で得られる。
なお、3回以上の混練は、必要以上のせん断力による熱可塑性樹脂の分子鎖切断が起こるおそれがあり、また、生産効率の面からも適当ではない。
第2回目の混練が終了後、冷却したのち、機械式粉砕機で粉砕処理し、さらに分級装置で分級して、所定の粒度を有し、かつ粒度分布のシャープなトナー母粒子を得る。
本発明方法においては、上記バッチ式密閉混練機による混練終了時の温度は、120〜140℃の範囲にあることが好ましい。この温度が120℃未満では熱可塑性樹脂やワックスが溶融しにくく、混練が不充分となるおそれがあり、一方140℃を超えるとワックスの粘度が低くなりすぎて、充分な分散が得られにくい。
このようにして得られたトナー母粒子の体積平均粒径は5〜10μmであることが好ましい。この体積平均粒径が5μm未満では流動性が悪化し、スリーブ付着が生じたり、再生カートリッジでは、クリーニングブレードが再利用される場合があり、回収不良が生じやすくなり、また10μmを超えると解像度が低下する場合がある。
なお、トナー母粒子の体積平均粒径は、コールター社製「コールターマルチサイザーII」により測定した値である。
【0014】
[外添剤]
本発明の磁性トナーの製造方法においては、このようにして得られたトナー母粒子に対し、外添剤として流動化剤を添加することができる。この流動化剤としては、例えば粒径数十nmの無機微粒子、具体的にはシリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム、マグネタイト、二硫化モリブデン、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。この流動化剤は、シラン系、チタン系などのカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイル、界面活性剤などで疎水化処理が施されていてもよい。これらの流動化剤の中では、シリカが好ましく、特に疎水性シリカ粉末が好ましい。この疎水性シリカ粉末としては、前述した疎水性シリカ粉末を用いることができる。
外添剤として疎水性シリカ粉末を用いる場合、その添加量は、トナー母粒子100質量部に対し、好ましくは0.3〜2.0質量部、より好ましくは0.4〜1.2質量部である。外添剤としての疎水性シリカ粉末の添加量が0.3質量部未満では流動性に劣り、帯電不足から充分な濃度が得られにくい。また2.0質量部を超えると遊離シリカが多くなって、トナー付着が不均一になりやすく、その結果、スリーブ上での帯電ムラ、特に低温低湿環境下で、さざ波模様の画像不良が生じやすく、さらに、スリーブ汚染、フィルミングが生じやすくなる。
本発明方法で得られた磁性トナーは、磁性粉末及びワックスの分散性がよく、トナー表面への磁性粉末やワックスの露出を抑えることができると共に、トナーロットの品質安定性に優れ、再生カートリッジにおいて多機種に使用可能であり、かつ画像濃度安定性、耐OPCフィルミング性、環境安定性などに優れる。
【実施例】
【0015】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。なお、各例における諸特性は、以下に示す方法により求めた。
(1)マグネタイトの平均粒径
明細書本文に記載した方法に従って測定する。
(2)トナー母粒子の体積平均粒径
コールター社製「コールターマルチサイザーII」により測定する。
(3)トナー母粒子の流動性
ホソカワミクロン社製のパウダーテスター「PT−R型」にて、60メッシュの篩い上にトナー母粒子20gを静置したのち、30秒間振動させて、篩い上のトナー母粒子質量を測定する。
(4)トナー中のマグネタイト分散
トナー粉砕前の状態で透過型電子顕微鏡(TEM)により、マグネタイト分散状態を下記の基準で評価する。
○:凝集体がほとんど見られない。
△:凝集体がところどころに見られる。
×:凝集体が全面に見られる。
(5)トナー中のワックスの分散
トナー粉砕前の状態で透過型電子顕微鏡(TEM)により、ワックスの分散状態を下記の基準で評価した。
○:平均1μm未満
△:平均1μm〜3μm
×:平均3μm超
(6)印字試験
市販の磁性一成分トナーによる現像方式のレーザープリンタ(21枚/分)で、カートリッジは、純正トナーが消費された使用後のカートリッジを市場から入手し、分解、清掃、組み立てたものを再生カートリッジとして用い、印字率5%の画像パターンを連続印字モードで印字して、2000枚毎に6000枚目まで、画像濃度の評価を、下記の方法で行った。
また、温度/湿度が10℃/20%RHの低温低湿環境下において、2000枚印字した時点でのさざ波模様の濃度ムラを、下記の判定基準で評価すると共に、温度/湿度が30℃/80%RHの高温高湿環境下において、2000枚印字した時点での濃度均一性を、下記の判定基準で評価した。
(a)画像濃度
マクベス社製のマクベス濃度計「RD−19」を用いて、画像濃度を測定し、測定値の平均値を求め、下記の基準で画像濃度を評価した。
○:1.50以上
△:1.45以上1.50未満
×:1.45未満
(b)低温低湿環境下におけるさざ波模様の濃度ムラ
下記の判定基準で評価した。
○:目視にて、現像ローラ上及びハーフトーン画像にさざ波模様は確認されない。
△:目視にて、現像ローラ上に少し確認されるが、ハーフトーン画像には確認されず、実用上問題ない。
×:目視にて、現像ローラ上に激しく確認され、ハーフトーン画像全面に確認した。
(c)高温高湿環境下における濃度均一性
下記の判定基準で評価した。
○:濃度ムラは見られない。
△:部分的に濃度ムラが見られるが、実用上問題ない。
×:画像全面的に濃度ムラが見られる。
【0016】
また、磁性のトナーの製造に用いた各成分は次のとおりである。
(1)熱可塑性樹脂:スチレン−アクリル共重合体[三井化学社製、商品名「CPR100」]、ガラス転移温度60℃
(2)マグネタイト
A:ラレクセス社製、商品名「E8706」、平均粒径0.20μm
B:上記マグネタイトAと、疎水性シリカ粉末[キャボット社製、商品名「TS−530」、平均一次粒径:7nm、疎水化処理剤:ヘキサメチルジシラザン]とを、三井鉱山社製、機種名「150Lヘンシェルミキサー」で混合して、機械的にマグネタイトAの表面へ疎水性シリカ粉末を付着させたもの。
(3)電荷制御剤:オリエント化学社製、商品名「S−34」
(4)ワックス
エチレン−プロピレン共重合体ワックス[三井化学社製、商品名「NP−055」、融点140℃]
ライスワックス[エヌエスケミカル社製、商品名「LAX−N−300A」、融点80℃]
(5)外添剤
疎水性シリカ粉末[キャボット社製、商品名「TS−530」、平均一次粒径:7nm、疎水化処理剤:ヘキサメチルジシラザン]、100メッシュスクリーンを備えた振動篩い通過品
【0017】
実施例1
(1)バンバリーミキサーによる2回混練
熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル共重合体「CPR100」49.6質量部、磁性粉体としてマグネタイトB47.0質量部、電荷制御剤「S−34」0.4質量部及びワックス「NP−055」3.0質量部を、三井鉱山社製、機種名「300Lヘンシェルミキサー」を用いて予備混合した。
次いで、上記予備混合物を、バンバリーミキサー[日本ロール社製、機種名「75Lインテンシブミキサー」]に投入して3分間、1回目の混練を行った。混練終了時の材料温度は130℃であった。
その後、この混練物を30℃まで冷却したのち、ホソカワミクロン社製、機種名「フェザミル」により、3mmスクリーンを通過する程度の大きさに破砕し、混練チップを得た。
次に、この混練チップを、バンバリーミキサーに投入し、上記と同様な操作を行い、2回目の混練を行った。混練終了後の材料温度は130℃であった。
その後、この混練物を30℃まで冷却したのち、機械式粉砕機[川崎重工業(株)製、機種名「クリプトロン」]を用いて体積平均粒径8μmに粉砕し、さらに分級装置[日鉄鉱業(株)製、機種名「エルボージェットEJ−PURO」]を用いて粗粉と微粉を分級して、粒度分布が狭いトナー母粒子を得た。
(2)トナーの製造
上記(1)で得たトナー母粒子100質量部と、外添剤として疎水性シリカ粉末「TS−530」(前出)10質量部を、三井鉱山社製、機種名「150Lヘンシェルミキサー」にて混合し、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
【0018】
実施例2
実施例1において、エチレン−プロピレン共重合体ワックス「NP−055」の代わりに、ライスワックス「LAX−N−300A」を用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
比較例1
実施例2において、マグネタイトBの代わりに、マグネタイトAを用いた以外は、実施例1と同様な操作を行い、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
比較例2
(1)バンバリーミキサーによる1回混練
実施例1と同様にして、同じ組成の予備混合物を得たのち、バンバリーミキサー(前出)に投入して3分間混練を行った。混練終了時の材料温度は130℃であった。次いで、この混練物を30℃まで冷却したのち、機械式粉砕機「クリプトロン」(前出)を用いて体積平均粒径8μmに粉砕し、さらに分級装置「エルボージェットEJ−PURO」(前出)を用いて粗粉と微粉を分級して、粒度分布が狭いトナー母粒子を得た。
(2)トナーの製造
上記(1)で得たトナー母粒子を用い、実施例1と同様な操作を施し、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
比較例3
比較例2において、予備混合物として、実施例2と同じ組成の予備混合物を用いた以外は、比較例2と同様な操作を行い、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
【0019】
比較例4
(1)二軸混練押出機による1回混練
実施例2と同様にして、同じ組成の予備混合物を得たのち、二軸混練押出機[池貝社製、機種名「PCM30」]を用いて、温度170℃で溶融混練した。次いで、30℃まで冷却したのち、機械式粉砕機「クリプトロン」(前出)を用いて体積平均粒径8μmに粉砕し、さらに分級装置「エルボージェットEJ−PURO」(前出)を用いて粗粉と微粉を分級して、粒度分布が狭いトナー母粒子を得た。
(2)トナーの製造
上記(1)で得たトナー母粒子を用い、実施例1と同様な操作を施し、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
比較例5
(1)二軸混練押出機による2回混練
実施例2と同様にして、同じ組成の予備混合物を得たのち、二軸混練押出機「PCM30」(前出)を用いて、温度170℃で溶融混練した。次いで、混練物を30℃まで冷却したのち、「フェザミル」(前出)により、3mmスクリーンを通過する程度の大きさに破砕し、混練チップを得た。
次に、この混練チップを、上記二軸混練押出機に投入し、170℃の温度にて2回目の混練を行った。次いで、この混練物を30℃まで冷却したのち、機械式粉砕機「クリプトロン」(前出)を用いて体積平均粒径8μmに粉砕し、さらに分級装置「エルボージェットEJ−PURO」(前出)を用いて粗粉と微粉を分級して、粒度分布が狭いトナー母粒子を得た。
(2)トナーの製造
上記(1)で得たトナー母粒子を用い、実施例1と同様な操作を施し、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
【0020】
比較例6
(1)バンバリーミキサーによるマスターバッチの混練
実施例1と同じ熱可塑性樹脂としてスチレン−アクリル共重合体「CPR100」29.4質量部、磁性体として「マグネタイトB」70質量部、電荷制御剤「S−34」0.6質量部を300Lヘンシェルミキサー(前出)を用いて予備混合した。
次いで、上記予備混合物をバンバリーミキサー(前出)に投入して3分間混練を行った。混練終了時の材料温度は130℃であった。
その後、この混練物を30℃まで冷却したのち、フェザミル(前出)により3mmスクリーンを通過する程度の大きさに破砕し、混練チップを得た。
(2)二軸混練押出機による希釈混練
上記混練チップ67.1質量部、スチレン−アクリル共重合体「CPR100」29.9質量部、ワックス「LAX−N−300A」3質量部を300Lヘンシェルミキサー(前出)を用いて予備混合した。
次いで、上記予備混合物を二軸混練押出機「PCM30」(前出)を用いて、温度170℃で溶融混練した。次いで、30℃まで冷却したのち、機械式粉砕機「クリプトロン」(前出)を用いて体積平均粒径8μmに粉砕し、さらに分級装置「エルボージェットEJ−PURO」(前出)を用いて粗粉と微粉を分級して、粒度分布の狭いトナー母粒子を得た。
(3)トナーの製造
上記(2)で得たトナー母粒子を用い、実施例1と同様な操作を施し、磁性トナーを製造した。
配合組成、混練方法及び諸特性の評価結果を第1表に示す。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
第1表から分かるように、磁性粉体として疎水性シリカ粉末で表面処理されたマグネタイトを用い、かつバンバリーミキサーにより2回混練操作を行う本発明方法で得られた実施例1及び2の磁性トナーは、トナー中のマグネタイト及びワックスの分散、トナー母粒子の流動性、並びに印字試験における画像濃度、低温低湿環境下でのさざ波模様の濃度ムラ、及び高温高湿環境下での濃度均一性のいずれも良好である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明の磁性トナーの製造方法により得られる磁性トナーは、トナー表面への磁性粉末やワックスの露出を抑えることができると共に、トナーロットの品質安定性に優れ、再生カートリッジにおいて多機種に使用可能であり、かつ画像濃度安定性、耐OPCフィルミング性、環境安定性に優れるなどの特性を有している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末を含むトナー母粒子を含有する磁性トナーの製造方法であって、
少なくとも熱可塑性樹脂、疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末、ワックス及び電荷制御剤を含み、かつ上記疎水性シリカ粉末で表面処理された磁性粉末の含有量が30〜70質量%である混練材料を、バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、破砕処理して混練チップを得、次いでこの混練チップを、再度バッチ式密閉混練機を用いて混練したのち、冷却、粉砕、分級処理してトナー母粒子を作製すること、
を特徴とする磁性トナーの製造方法。
【請求項2】
トナー母粒子100質量部に対し、外添剤として疎水性シリカ粉末0.3〜2.0質量部を含有させる請求項1に記載の磁性トナーの製造方法。
【請求項3】
バッチ式密閉混練機が、バンバリーミキサーである請求項1又は2に記載の磁性トナーの製造方法。
【請求項4】
バッチ式密閉混練機による混練終了時の材料温度が、120〜140℃である請求項1〜3のいずれかに記載の磁性トナーの製造方法。