説明

磁性粒子の使用を伴うアッセイ方法および装置

分析物に結合することができる第1の捕捉分子、および分析物に結合することができる第2の捕捉分子を用いて、分析物の存在、およびオプションとして量を判定するために、アッセイを行うアッセイ装置および方法。第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の技術分野〕
本発明は、診断アッセイの分野に関し、特に、検出される分析物が複合生物試料中に存在する、開口した、または少なくとも部分的に開口した側方流動アッセイ(open or at least partially open lateral flow assays)に関する。本発明は、固相を有する捕捉分子(solid phase carrying capture molecules)としての磁性粒子の使用に基づいて、試料の取り扱いを改善する、例えば反応動態(reaction kinetics)を改善することで、アッセイの感度を改善するための、装置および方法を利用可能にする。
【0002】
〔発明の背景〕
今日では、診断アッセイは、多くの疾患の診断、治療、および管理のために普及しており、またそれらの中心となっている。血液、血清、血漿、尿、唾液、組織生検、便、痰、および皮膚または咽頭スワブなどの臨床試料中の様々な分析物の検出を単純化するために、異なる種類の診断アッセイが長年にわたり開発されてきた。これらのアッセイは、しばしば、迅速で確実な結果をもたらすと共に、使用するのが容易で、製造コストが安いと考えられている。当然のことながら、まったく同一のアッセイにおいて、これらすべての要求を満たすのは難しい。実際、多くのアッセイは、その速度に限りがある。別の重要なパラメーターは感度である。アッセイテクノロジーにおける最近の開発は、次第に、トレース量の分析物の検出、ならびにできる限り早い時間での試料中における疾患指標の検出を可能にする、より感度の高い試験へとつながっている。
【0003】
最も一般的な種類の使い捨てアッセイ装置は、試料を受容するゾーンまたはエリアと、反応ゾーンと、オプションとして、受容ゾーンと反応ゾーンそれぞれを接続する輸送またはインキュベーションゾーンと、からなる。これらのアッセイ装置は、クロマトグラフィーアッセイ装置として知られるか、または単に試験ストリップと言われる。それらは、毛細管流動を支持することができる、流体流動用経路を画定する多孔性材料、例えば、フィルター材料を利用している。
【0004】
試料受容ゾーンはしばしば、より多孔性の材料からなり、この材料は、試料を吸収することができ、血球の分離が望ましい場合には、赤血球を捕捉するのにも有効である。そのような材料の例は、例えば、セルロース、ウール、ガラス繊維、アスベスト、合成繊維、ポリマー、もしくはそれらの混合物を含む、紙、フリース、ゲルまたは組織といった、繊維性材料である。
【0005】
輸送またはインキュベーションゾーンは一般に、同じかまたは同様の材料からなり、しばしば、試料受容ゾーンの多孔性とは異なる多孔性を有している。同じように、インキュベーションゾーンと統合されるか、またはインキュベーションゾーンの最遠位部分を構成することができる、反応ゾーンは一般に、同様の吸収繊維性材料、または前述の材料の任意のものからなる。
【0006】
アッセイ装置またはストリップ試験では、多孔性材料が、熱可塑性材料、紙、ボール紙などのストリップといった、キャリア上で組み立てられる。さらに、カバーを設けてよく、このカバーは、試料を受容するための少なくとも1つの孔と、アッセイ結果の読み取りを可能にする孔もしくは透明エリアと、を有する。
【0007】
ニトロセルロース材料は、受容ゾーンと反応ゾーンとを接続する輸送または反応ゾーンを構成するマトリクスとしてしばしば使用される。ニトロセルロースの大きな欠点は、たんぱく質と他の生体分子との高い非特異性の結合である。しかしながら、現在の試験ストリップは、過剰な試料をしばしば取り扱い、この結合の影響を低減している。しかし、精度および信頼性を損なわずに、試薬量の最小化を含めた、試験全体を小型化する傾向に沿って、試料容量を最小化することが望ましい。
【0008】
特定のタイプのアッセイ装置は、無孔アッセイ(non-porous assay)、例えば、WO03/103835、WO2005/089082、WO2005/118139およびWO2006/137785に開示されるような開口側方流動装置(open lateral flow device)である。
【0009】
WO03/103835は、毛細管構造を有するアッセイ装置に「処理コンパートメント、要素および/または装置」を組み込み、これらが、その構造に沿った液体の毛細管流動を促進または駆動することに簡単に触れている。これらの「処理コンパートメント、要素および/または装置」は、「その液体の磁性成分を捕捉する磁性手段」を含む。さらに、WO2003/103835は、「磁性物質を検出する磁石または手段は、流動経路内またはその周りに配列されることもできる。それにより、磁性粒子は、構造内の所望の場所で捕捉および保持されることができ、それにより、粒子の磁性特性は、システム内のある地点までうまく輸送されたことのマーカーまたはインジケーターとして使用され得る。その上、磁性粒子は、生物学的親和性を有する物質でコーティングされ、異なる種類のアッセイで使用されることができる」と教示している。WO2003/103835の教示は、別のマーカーとして磁性特性を使用することに焦点が当てられている。磁性粒子はキャリアとしても使用され得る、例えば、生物学的親和性を有する物質でコーティングされることができると示唆しつつも、WO2003/103835は、これをどのように実現するかを示していない。
【0010】
WO2005/089082は、無孔アッセイにおける磁性粒子の使用に言及しており、ここでは、磁性手段は、試料の望ましくない成分を分離するのに使用されている。
【0011】
WO2006/134546は、少なくとも1つの感知表面を含む感知装置における磁気標識の使用に関し、感知表面は、磁気標識にリンクされた少なくとも1種類の生物学的存在に特異的に付着することができる少なくとも1種類の結合部位を含む。感知装置は、少なくとも1つの磁気センサー素子をさらに含み、感知装置は、結合部位に特異的に付着した磁気標識と、時間分解された形で非特異的に付着した標識とを識別するための識別手段をさらに含む。
【0012】
WO2007/110779は、試料が、磁気的に影響を受けやすい粒子と混合され、その粒子を、印加された磁場により操作することができる、アッセイ方法および装置を開示している。
【0013】
WO2007/129275は、磁性粒子が反応チャンバ内のセンサー表面上を移動し、分析物特異的なプローブまたは分析物類似体が、そのセンサー表面に結合するシステムを記載している。
【0014】
US2008160630は、試料中の分析物を検出する装置を開示しており、この装置は、試料ゾーン、洗浄ゾーン、および検出ゾーンを有する流体ネットワークを含む。分析物は、マイクロコイルアレイまたは機械的に移動可能な永久磁石を使用して流体ネットワーク内部を動くことができる磁性粒子と相互作用する。
【0015】
WO2009/009408は、病原性細胞などの分析物を検出するシステムおよび方法に関する。これらの方法により、試料の準備および/またはPCRを必要とせずに、病原性有機体などの分析物を直接測定することができる。この方法は、標的分析物に特異的に結合する複数のリガンドを含む外表面を有する磁性ビーズの使用を含む。
【0016】
磁性粒子の使用に依存するバイオセンサーは、伝統的なサンドイッチアッセイを基礎とする傾向があり、第1の捕捉分子または捕捉要素が磁性ビーズに結合し、第2の捕捉分子または捕捉要素が固相に結合し、主な焦点は、単一ビーズ感度に至るまで(down to)、正確な検出のための磁性特性を利用することに当てられている(Janssen他、Biosensors and Bioelectronics, 23 (2008) 833-838)。
【0017】
生化学的および生体分子アッセイ、特に感度および精度に対する要求が非常に高い診断アッセイのための方法および装置において、動態をさらに改善し、感度および特異性を増大させる必要がある。
【0018】
〔発明の概要〕
発明者らは、表面上の、少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを含み、これらのゾーンは、その表面上で液体試料のための毛細管流動経路を形成する、側方流動アッセイ装置、好ましくは開口側方流動アッセイ装置と、分析物に結合することができる第1の捕捉分子と、その分析物に結合することができる第2の捕捉分子と、を使用して、液体試料中の分析物を検出する方法を利用可能にしており、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する。
【0019】
本発明の実施形態による方法では、磁性粒子は、好ましくは、約5nm〜約5000nm、さらに好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する。第2の捕捉分子および/または磁性粒子は、第1の標識と識別可能な第2の標識を有することもできる。
【0020】
一実施形態では、捕捉抱合体を形成する、磁性粒子に結合した第2の捕捉分子は、アッセイ装置上に予め堆積され、検出抱合体を形成する、非磁気標識に結合した第2の捕捉分子は、試料の添加前またはそれと同時に添加される。
【0021】
あるいは、第1の捕捉分子は、アッセイ装置上に予め堆積され、第2の捕捉分子は、試料の添加後またはそれと同時に添加される。
【0022】
好ましくは、第1および第2の捕捉分子は双方、アッセイ装置上に予め堆積される。
【0023】
最初に述べた実施形態と自由に組み合わせることができる別の実施形態によると、第1および第2の捕捉分子は双方、試料添加ゾーン内に堆積され、試料が試料添加ゾーンに添加されると流動経路に沿って輸送されることができ、また分析物と反応して、分析物、第1および第2の捕捉分子、ならびに標識および磁性粒子からなる検出錯体を形成することができる。
【0024】
前記の実施形態では、第1および第2の捕捉分子は、試料によって、毛細管力の効果で、反応ゾーンまで輸送され、検出錯体を形成する。
【0025】
前記の実施形態と自由に組み合わせることができる別の実施形態によると、磁力が加えられて、反応ゾーン内部で、磁性粒子が付着した第2の捕捉分子を動かす。この実施形態では、検出錯体は、反応ゾーン内部で動き、例えば、妨害または加速され、前後に振動または移動され、好ましくは、最終的に、第1および/または第2の標識の定性的または定量的検出前に磁力を用いて別個の場所に集中させられる。
【0026】
この試料は、任意の生物学的試料、環境的試料、または臨床試料であってよいが、好ましくは、哺乳動物から採取された試料であり、試料は、非限定的な例を挙げれば、血液、血清、血漿、尿、唾液、組織生検、便、痰、およびスワブ、例えば皮膚もしくは粘膜表面からのスワブ、例えば鼻、咽頭、および生殖器スワブ、から選択される。
【0027】
第1および第2の捕捉分子は、検出または定量化されるべき標的分析物に親和性を有する任意の適切な分子であってよいが、好ましくは、検出すべき分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される。
【0028】
第1および/または第2の標識は、任意の適切な標識であってよいが、好ましくは、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である。
【0029】
本発明の特定の一実施形態は、少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンク(それらのゾーンは液体試料の毛細管流動経路を形成する)と、分析物に結合することができる第1の捕捉分子と、分析物に結合することができる第2の捕捉分子と、を含む側方流動アッセイ装置を使用して、液体試料中の分析物を検出する方法であり、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は磁性粒子に付着し、試料、ならびに第1および第2の捕捉分子は、毛細管力の効果で、流動経路に沿って輸送される。
【0030】
別の実施形態は、少なくとも1つの試料添加ゾーン、1つの反応ゾーン、および1つのシンクを含み、これらのゾーンは、液体試料の毛細管流動経路を形成する、側方流動アッセイ装置と、分析物に結合することができる第1の捕捉分子と、分析物に結合することができる第2の捕捉分子と、を使用して、液体試料中の分析物を検出する方法であり、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は磁性粒子に付着し、第1および第2の捕捉分子は、磁力の効果で操作される。
【0031】
一実施形態によると、磁力が、アッセイの「開口」側から加えられることもできる。よって、磁力は、基材を通して加えられて、磁性キャリア粒子を基材に向けて引っ張るだけでなく、毛細管構造の上から、または開口側から加えられることもできる。発明者らが行った実験では、磁性粒子は、液相から離れずに、液体−空気界面下に集中することが示されている。これにより、基材によって邪魔されずに、すなわち信号強度、歪みなどに対する基材の影響を相殺する必要なく、上から結果を定性的および定量的に検出することができる。
【0032】
発明者らはまた、試料中の分析物を検出するための、改善されたアッセイ装置も利用可能とし、この装置は、試料添加ゾーン、オプションとしての抱合ゾーン、反応ゾーン、およびシンク(これらのゾーンは流動経路を形成する)と、分析物に結合することができ、オプションとして装置上に堆積する、第1の捕捉分子と、分析物に結合することができ、オプションとして装置上に堆積する、第2の捕捉分子と、を含み、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は磁性粒子に付着する。
【0033】
前記の実施形態によるアッセイ装置では、磁性粒子は好ましくは、約5nm〜約5000nm、さらに好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する。第2の捕捉分子および磁性粒子は、オプションとして、第1の標識と識別可能な第2の標識も有する。
【0034】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な、ある実施形態では、第2の捕捉分子は、アッセイ装置上に予め堆積される。あるいは、第1の捕捉分子が、アッセイ装置上に予め堆積される。好ましくは、第1および第2の捕捉分子双方が、アッセイ装置上に予め堆積される。
【0035】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態では、第1および第2の捕捉分子の双方が、試料添加ゾーン内に堆積され、試料が試料添加ゾーンに添加されると流動経路に沿って輸送されることができる。
【0036】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な、好適な実施形態では、少なくともシンクは、突出部からなり、これらの突出部は、装置の表面に対して実質的に垂直であり、毛細管流動が流動経路で誘導されるような高さ、幅、および相互間隔(reciprocal spacing)を有している。
【0037】
好ましくは、流動経路は、微小支柱(micro-pillars)からなり、これらの微小支柱は、表面に対して実質的に垂直で、流動経路内で試料の側方流動を生じさせることのできる高さ、直径、および相互間隔を有する突出部である。
【0038】
あるいは、流動経路は、ニトロセルロース系材料を含む。
【0039】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な一実施形態では、流動経路は蓋で覆われている。この蓋は好ましくは、流動経路の機械的保護をもたらすに過ぎないが、毛細管流動の生成には関係していない。蓋が存在する場合、蓋は流動経路から距離をおいて配列され、その距離は、毛細管距離(capillary distance)を超える。
【0040】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によると、流動経路は、反応ゾーン内部に微小支柱のないエリアを含む。あるいは、またはそれに加えて、微小支柱のないエリアが、流動経路に隣接して設けられ、流動経路がそのエリアと流体接続する。
【0041】
さらに、流動経路は、好ましくは、周辺の流動経路の微小支柱とは異なる高さ、直径、または相互間隔を有する微小支柱を備えた、少なくとも1つの別個のエリアを含む。
【0042】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能なさらに別の実施形態によると、装置は、磁性素子を含む。これらの磁性素子は、好ましくは、装置に組み込まれた永久磁石である。あるいは、磁性素子は、外部信号にさらされたとき、例えば誘導素子を通じて電流が加えられたときに、磁場を生成することができる素子である。
【0043】
さらに、この装置は、好ましくは、流動経路と接続した別個のエリアを含み、このエリアは、アッセイ結果の読み取りを改善する特徴部を有する。
【0044】
前記の実施形態のいずれにおいても、装置は、好ましくは、使い捨てアッセイ装置である。
【0045】
さらに、前記の実施形態のいずれにおいても、第1および第2の捕捉分子は、検出または定量化されるべき標的分析物に対して親和性を有する任意の適切な分子であってよいが、好ましくは、検出すべき分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される。
【0046】
さらに、第1および/または第2の標識は、任意の適切な標識であってよいが、好ましくは、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である。
【0047】
発明者らは、アッセイ装置(アッセイプラットフォーム)上で実施されたアッセイの結果を読み取る装置(リーダー)も利用可能にし、この装置は、検出錯体により発せられるかまたは検出錯体から反射された信号を読み取る手段と、その信号を算出し、結果を表示する手段と、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段と、を含む。
【0048】
装置の一実施形態では、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、好ましくは、アッセイ装置内に存在する1つまたは複数の素子を活性化する手段である。
【0049】
あるいは、装置の別の実施形態では、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作するため、アッセイ装置から有効な距離内に導かれることのできる磁性手段である。この磁性手段は、例えば、アッセイ装置と接触するか、もしくはアッセイ装置から有効な距離内に導かれる永久磁石、または、装置から有効距離に存在し、磁力の影響が望ましいときに活性化される電磁石であってよい。
【0050】
前記の実施形態のいずれにおいても、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、結果を読み取る装置(リーダー)内に存在する第1の手段も含んでよく、これは、アッセイ装置(アッセイプラットフォーム)内に存在する第2の手段を活性化させ、これは、活性化されると、磁場を生成する。
【0051】
別の実施形態は、アッセイ装置上で実施されたアッセイの結果を読み取る装置であり、この装置は、アッセイ装置の規定の場所に存在する少なくとも1つの検出錯体から発せられるかまたは反射される信号を読み取ることのできる検出器と、その信号を読み取る前に、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を前記の場所へと引っ張ることができる手段と、を含む。
【0052】
前記の実施形態では、前記の手段は、結果を読み取る装置内に存在する第1の手段を含んでよく、これは、アッセイ装置内に存在する第2の手段を活性化させ、これは、活性化された際に磁場を生成し、磁場は、信号を読み取る前に、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を規定の場所に引っ張ることができる。
【0053】
前記の実施形態のいずれにおいても、読み取りは、好ましくは、色、蛍光発光、放射能または酵素活性の検出および/または定量化から選択される。
【0054】
本発明の実施形態による方法、アッセイ装置、およびリーダーは、免疫化学反応の反応動態の改善、およびアッセイの感度増大に主に関連する、多くの利点を有する。
【0055】
別の利点は、この方法を、現行のアッセイプラットフォーム、特に開口側方流動プラットフォームに適用できることである。
【0056】
さらなる利点は、磁性粒子に共有結合した第2の捕捉分子を、試料添加ゾーンに堆積させることが、反応ゾーンの1つまたは複数の位置に対する捕捉分子の別個で非連続の共有結合固定化よりも容易であり、流動チャネル表面の活性化を省略したことである。ゆえに、本発明の様々な実施形態による方法および装置により、正確な位置付けおよび固定化の要件を考慮する必要なく、前記の存在に対してできる限り最適化された環境で捕捉分子を取り扱うことが可能となる。代わりに、固定化は、外部磁力を加えることで達成される。
【0057】
磁性粒子に付着する捕捉分子は、流動経路内部で操作され、好ましくは、攪拌、振動、輸送、固定化されるなどして、混合を改善し、それにより反応動態を改善し、分析物と捕捉分子との間の接触時間を長くし、アッセイの結果を読み取る前に検出抱合体を集める(focus)ことができる。
【0058】
さらに、捕捉抱合体だけでなく、第1および第2の捕捉分子、分析物、磁性粒子、ならびに1つまたは複数の標識を含む、検出錯体もまた、操作され、好ましくは、固定化または振動されることができる。システムが十分満足している(satiated)場合、信号読み取り中の粒子の振動により、読み取りが改善される。というのは、そうでない場合、粒子は標識を遮断するからである。
【0059】
結果を読み取る前に、流動経路内部またはその外側の特定の場所に検出錯体を集中させることができることも利点である。これは、例えばバックグラウンドが高い場合に有利である。
【0060】
さらなる利点は、すべての化学物質(chemistry)が粒子上に存在するので、アッセイ装置の表面が、反応化学に適応するために最小限の化学修飾のみ必要とするか、または化学修飾をまったく必要としないことである。
【0061】
これらの、そして他の特徴および利点を、以下の詳細な説明でさらに論じる。詳細な説明は、添付図面と併せて読むべきものである。
【0062】
本発明は、説明および非限定的な実施例において、また、添付図面を参照して、より詳細に説明されている。
【0063】
〔発明の詳細な説明〕
本発明を詳細に開示および説明する前に、本発明は、本明細書に開示する特定の装置、化合物、構成、方法工程、基材、および材料に限定されるものではないことが理解される。というのは、そのような装置、化合物、構成、方法工程、基材、および材料は、幾分変化し得るためである。また、本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためだけに使用されており、本発明の範囲は特許請求の範囲およびそれと同等のものによってのみ限定されるので、限定する意図はないことが、理解される。
【0064】
本明細書および特許請求の範囲で使用される場合、単数形「a」、「an」、「the」は、特に文脈で明記していない限り、複数の指示対象を含む点に注意されたい。
【0065】
ほかに何も規定のない場合、本明細書で使用されるあらゆる用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者が一般に理解する意味を有することを意図している。
【0066】
説明および特許請求の範囲全体で数値に関して使用される用語「約」は、当業者にはよく知られており許容可能な、精度区間(interval of accuracy)を指す。この区間は、±10%である。
【0067】
用語「捕捉分子」は、1つまたは複数の標的生体化合物に対する親和力、あるいは、その1つまたは複数の標的生体化合物の関連修飾(relevant modifications)に対する親和力で適切に選択される、分子を意味する。例えば、標的生体化合物がDNAである場合、捕捉分子は、合成オリゴヌクレオチド、その類似体、または特定の抗体であってよいが、これらに制限されない。捕捉分子の適切な修飾の非限定的な例は、ビオチン置換標的生体化合物であり、この場合、プローブは、アビジン官能性を有し得る。
【0068】
用語「標識」は、ある物質を指し、これは、その物質の物理的分布または/および、その物質が送達する信号の強度に関して検出可能であり、例えば、発光性分子(例えば、蛍光剤、燐光性剤(phosphorescent agents)、化学発光剤、生物発光剤など)、着色分子、反応時に色を生じる分子、酵素、放射性同位元素、特定の結合を呈するリガンドなどであるが、これらに限定されない。
【0069】
2つの標識は、互いに著しく妨害、干渉、またはクエンチせずに、個別に検出され、好ましくは同時に定量化されることができる場合には、「識別可能」である。
【0070】
用語「操作される(manipulated)」は、磁性粒子、およびそれに結合した捕捉分子、または磁性粒子を含む検出錯体全体に対して影響を及ぼすことを意味する。「操作すること(Manipulating)」は、磁力がない場合に粒子の動きに関してそれら粒子の動きを妨害(retarding)または加速することを含む。この用語は、粒子が1つ、2つ、または3つの方向に動く、例えば、試料の流動に関連して前後に動くか、試料の流動に関連して横方向に動くか、あるいはアッセイ装置の試料層内部で振動されることも含む。この用語は、捕捉分子、または検出錯体全体が、アッセイ装置上の異なる場所に動く、例えば、試料と長期接触するため試料添加ゾーンに戻るか、動態改善のため反応ゾーン内部で循環するか、あるいは、アッセイの結果読み取りのため、特定の場所に集中されることなど、も含む。
【0071】
特許請求の範囲および説明全体で使用される「シンク」は、液体試料を受容する能力を備えたエリアを指す。
【0072】
発明者らは、少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを含み、これらのゾーンは、試料のための毛細管流動経路を形成する、側方流動アッセイ装置と、分析物に結合することができる第1の捕捉分子と、分析物に結合することができる第2の捕捉分子と、を使用して、液体試料中の分析物を検出する方法を利用可能とし、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する。
【0073】
図2は、第1の捕捉分子11および標識12、例えばフルオロフォアを含む検出抱合体10と、第1の捕捉分子11と同じかまたは異なる第2の捕捉分子14、および磁性粒子15を含む捕捉抱合体13と、を使用した、分析物16の捕捉および検出を概略的に示す。分析物16と接触すると、検出抱合体10および捕捉抱合体13はそれぞれ、検出錯体17を形成する。本発明の一実施形態によると、この検出錯体17は、磁石18を使用して操作され、例えば、アッセイ装置の表面、例えば、本明細書では19として概略的に示されるチップ、の特定の場所に固定されることができる。
【0074】
本発明の実施形態による方法では、磁性粒子は、好ましくは、約5nm〜約5000nm、さらに好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する。
【0075】
適切な磁性粒子は、文献より既知であり、民間供給業者、例えば、Chemicell GmbH(ドイツ国ベルリン);Bioclone Inc.(米国カリフォルニア州サンディエゴ);Nanostructured & Amorphous Materials, Inc.(米国テキサス州ヒューストン)から入手可能である。バイオ分離(bioseparation)用の既知の磁性粒子は、ポリマー、末端官能基を有するシリカもしくはハイドロキシアパタイトのコーティングマトリクスを備えた、1つまたは複数の磁気コアからなる。磁気コアは、概して、超常磁性特性または強磁性特性を有するマグネタイト(Fe)またはマグヘマイト(γ Fe)のいずれかからなる。
【0076】
あるいは、コバルトフェライトもしくはマンガンフェライトなどの、磁性フェライトで作られた磁気コアも産生され得る。磁性粒子はまた、注文に応じて製造され、所定の適用のための所望の特性を与えられることもできる。磁性粒子の非限定的な例を、表1に挙げる。
【表1】

【0077】
第2の捕捉分子および/または磁性粒子は、第1の標識と識別可能な第2の標識を有することもできる。
【0078】
一実施形態では、第1の検出抱合体は、アッセイ装置上に予め堆積され、第2の捕捉抱合体は、試料の添加後、または添加と同時に加えられる。あるいは、第2の捕捉抱合体は、アッセイ装置上に予め堆積され、第1の検出抱合体が、試料の添加後、または添加と同時に加えられる。好ましくは、検出抱合体および捕捉抱合体は双方、アッセイ装置上に予め堆積される。
【0079】
前記の実施形態では、第1および第2の捕捉分子は、毛細管力の効果で試料によって反応ゾーンまで輸送され、検出錯体を形成する。
【0080】
前述した実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によると、磁力を加えて、磁性粒子が付着した第2の捕捉分子を反応ゾーン内部で動かす。捕捉抱合体は、妨害されるか、加速されるか、振動されるか、前後に動かされるか、または任意の他の適切な方法で操作されることができる。好適な実施形態では、検出錯体は、第1および/または第2の標識の定性的または定量的検出の前に磁力を用いて別個の場所へ集中される。
【0081】
この試料は、好ましくは、血液、血清、血漿、尿、唾液、組織生検、便、痰、および例えば鼻、咽頭、もしくは生殖器などであるがこれらに限定されない皮膚もしくは粘膜からのスワブなどの、いわゆるスワブ、から選択される、哺乳動物から採取した試料である。
【0082】
第1および第2の捕捉分子は、好ましくは、検出すべき分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される。
【0083】
第1および/または第2の標識は、好ましくは、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である。適切な標識は、抗体、たんぱく質、および核酸を標識するための広範な色素を提供する民間供給業者から入手することができる。例えば、可視スペクトルおよび赤外線スペクトルのほぼ全体に及ぶフルオロフォアがある。適切な蛍光または燐光標識は、例えば、フルオレセイン、Cy3、Cy5などを含むがこれらに制限されない。適切な化学発光標識(chemoluminescent labels)は、例えば、ルミノール、サイリューム(cyalume)などであるが、これらに制限されない。
【0084】
同様に、放射性標識が市販されており、または、捕捉分子が、放射性標識を組み込むよう合成されてもよい。適切な放射性標識は、例えば、放射性ヨード、およびリン、例えば、125Iおよび32Pであるが、これらに制限されない。
【0085】
適切な酵素標識は、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、アルカリホスファターゼなどであるが、これらに制限されない。
【0086】
本発明の特定の一実施形態は、表面上の、少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを含み、これらのゾーンはその表面上で液体試料のための毛細管流動経路を形成する、側方流動アッセイ装置と、分析物に結合することができる第1の捕捉分子と、分析物に結合することができる第2の捕捉分子と、を用いて、液体試料中の分析物を検出する方法であり、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は磁性粒子に付着し、試料、ならびに第1および第2の捕捉分子は、毛細管力の効果で、試料により流動経路に沿って輸送される。
【0087】
別の実施形態は、表面上の、少なくとも1つの試料添加ゾーン、1つの反応ゾーン、および1つのシンクを含み、これらのゾーンは、その表面上で液体試料のための毛細管流動経路を形成する、側方流動アッセイ装置と、分析物に結合することができる第1の捕捉分子と、分析物に結合することができる第2の捕捉分子と、を用いて、液体試料中の分析物を検出する方法であり、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は磁性粒子に付着し、第1および第2の捕捉分子は、磁力の効果で操作される。磁性粒子に結合した分子は、磁力がない場合に、それらの動きに関連して妨害および加速されることができる。粒子の動きの妨害により、粒子は試料よりもゆっくり動くこととなり、接触時間が長くなり得る。粒子の加速は、試料の攪拌を助けることができ、接触および反応の動態も改善される。粒子を操作することは、粒子が1つ、2つ、または3つの方向に動かされる、例えば、試料の流動に関連して前後に動かされるか、試料の流動に関連して横方向に動かされるか、または、アッセイ装置の試料層内部で振動されることも含む。これは、捕捉分子、または検出錯体全体が、アッセイ装置の異なる場所に動かされる、例えば、試料との接触を長くするために試料添加ゾーンに戻るか、動態を改善するため反応ゾーン内部で循環されるか、またはアッセイの結果を読み取るため特定の場所に集中されることなども含む。
【0088】
本発明の一実施形態によると、この方法は、側方流動アッセイ、例えば、図1に概略的に示すような、プラットフォーム上で実施されるアッセイ、に適用される。この側方流動アッセイプラットフォーム、またはいわゆるアッセイチップ1は、少なくとも1つの試料ゾーン2と、オプションとしての少なくとも1つの抱合ゾーン3と、試料ゾーンと少なくとも1つのシンク5との間に平行に置かれたいくつかの反応ゾーン(不図示)をオプションとして含む、少なくとも1つの反応ゾーン4と、を有する。流動経路は、開口または閉鎖経路、溝および/または毛細管を含み得る。好ましくは、流動経路は、隣接する突出部の側方流動経路を含み、これらの突出部はそれぞれ、毛細管流動がその流動経路の中で維持されるようなサイズ、形状、および相互間隔を有している。図1は、アッセイプラットフォーム内に組み込まれているか、またはアッセイチップ1と動作可能に接触させられ得る、リーダー(不図示)の要素である、1つまたは複数の磁性素子6の位置も概略的に示している。
【0089】
一実施形態では、流動経路は、少なくとも部分的に開口している。別の実施形態では、流動経路は、完全に開口している。本発明による「開口している(Open)」とは、毛細管距離(capillary distance)に蓋またはカバーがないことを意味する。よって、流動経路の物理的保護物として存在する場合、蓋は、その流動経路における毛細管流動に貢献しない。開口側方流動経路は、例えば、以下の公開済みの出願に記載されている:WO2003/103835、WO2005/089082;WO2005/118139;WO2006/137785;およびWO2007/149042。微小支柱、ならびにそれら微小支柱の高さ、直径、および相互間隔に関する詳細は、全体として本明細書に組み込まれるこれらの文献から得ることができる。
【0090】
方法の一実施形態によると、磁力がアッセイの「開口」側に加えられる。ゆえに、磁力は、上から、または毛細構造の開口側から加えられる。発明者らが行った実験は、磁性粒子が、液相から離れずに、液体‐空気界面下に集中することを示している。これにより、基材に邪魔されずに、すなわち、信号強度、歪みなどに対する基材の影響を相殺する必要なく、上から結果を定性的および定量的に検出することができる。
【0091】
発明者らは、試料中の分析物を検出する、改善されたアッセイ装置も利用可能とし、この装置は、試料添加ゾーン、反応ゾーン、およびシンク(これらのゾーンは流動経路を形成する)と、分析物に結合することができ、オプションとして装置上に堆積される、第1の捕捉分子と、分析物に結合することができ、オプションとして装置上に堆積される、第2の捕捉分子と、を含み、第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する。
【0092】
前記の実施形態によるアッセイ装置では、磁性粒子は、好ましくは、約5nm〜約5000nm、さらに好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する。第2の捕捉分子および磁性粒子は、オプションとして、第1の標識と識別可能な第2の標識も有する。
【0093】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な実施形態において、第2の捕捉分子は、アッセイ装置上に予め堆積される。あるいは、第1の捕捉分子が、アッセイ装置上に予め堆積される。好ましくは、第1および第2の捕捉分子双方が、アッセイ装置上に予め堆積される。
【0094】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態では、第1および第2の捕捉分子は双方、試料添加ゾーン内に堆積され、試料が試料添加ゾーンに添加されると流動経路に沿って輸送されることができる。
【0095】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な、好適な実施形態では、少なくともシンクは、突出部からなり、これらの突出部は、装置の表面に実質的に垂直であり、毛細管流動が流動経路で誘導されるような高さ、幅、および相互間隔を有している。
【0096】
好ましくは、流動経路は、微小支柱からなり、微小支柱は、表面に関して実質的に垂直で、流動経路内で試料の側方流動を引き起こすことができる高さ、直径、および相互間隔を有する、突出部である。
【0097】
前述のとおり、開口側方流動経路は、例えば、以下の公開済みの出願に開示および定義されている:WO2003/103835、WO2005/089082;WO2005/118139;WO2006/137785;およびWO2007/149042。
【0098】
本発明による装置は、図3a〜図3dに概略的に図示され、それらの図面では、流動経路または反応ゾーン4の一部が、代替的な図面で示されており、各図面は、他の実施形態と自由に組み合わせ可能な、本発明の異なる実施形態を示している。
【0099】
図3aは、一実施形態による、アッセイ装置またはプラットフォームの概略的な部分断面図を示す。この実施形態では、捕捉分子および磁性粒子を含む抱合体が、ここではアッセイ装置からの動作可能な距離に配列されるかまたは導かれた磁性素子20、22、24、26、28として示される、磁力を用いて操作されて、磁性粒子に結合した捕捉分子、または磁性粒子を含む検出錯体の動きおよび/または位置に影響を与える。磁性素子20、22、24、26、28は、装置と動作可能に接触させられるか、または、連続的に、並行して、もしくは所望の順番もしくはパターンで活性化されて、捕捉分子と試料との間の接触時間に影響を与え、混合および反応動態を改善することができる。これは、例えば、磁石を機械的に動かすことによって、あるいは1つまたは複数の電磁石を活性化することによって、達成され得る。
【0100】
前述のとおり、方法に関して、本明細書において、磁性粒子に結合した分子は、磁力がない場合に、それらの動きに関連して妨害および加速されることもできる。粒子の動きの妨害により、試料よりも粒子はゆっくりと動くこととなり、接触時間を長くすることができる。粒子を加速することは、試料を攪拌するのに役立つことができ、また、接触、および反応の動態を改善する。粒子を操作することは、粒子が、1つ、2つ、または3つの方向に動き、例えば、試料の流動に関連して前後に動き、試料の流動に関連して横方向に動き、または、アッセイ装置の試料層内部で振動されることも含む。これはまた、捕捉分子、または検出錯体全体が、アッセイ装置上の異なる場所に動く、例えば、試料と長期間接触するため試料添加ゾーンに戻るか、動態改善のため反応ゾーン内部で循環されるか、または、アッセイの結果を読み取るために特定の場所に集中することなども含む。
【0101】
図3bは、ここでは反応ゾーン4の一部として示される流動経路を有する別の実施形態によるアッセイ装置1の実施形態を示しており、捕捉分子および磁性粒子を含む抱合体は、流動経路内の隔たりもしくは切れ目30、例えば、微小支柱のない部分、毛細管流動の減少した部分、時間ゲートなどを埋める(bridging)際に、可動磁性素子32によって助けられる。
【0102】
図3cは、流動経路、例えば、反応ゾーン4を有する別の実施形態によるアッセイ装置1の別の実施形態を図示し、捕捉分子および磁性粒子を含む抱合体は、磁力によって、アッセイプラットフォーム上の1つまたは複数の特定の別個の場所、例えば、流動経路の一部、流動経路の外側の場所、または別の場所に引っ張られ、例えば、結果の読み取りを促進する。別個の場所は、ここでは、流動経路内部において微小支柱のないエリア42として示されている。素子40、例えば永久磁石もしくは電磁石は、エリア42の場所に対応する位置に概略的に示されている。この素子は、アッセイ装置1に統合されているか、または好ましくは、結果を読み取る装置の一部であってよい。
【0103】
図3dは、流動経路、例えば反応ゾーン4を有するアッセイ装置1の別の実施形態を示し、流動経路の切れ目52と関連する、固定された磁性素子50が、弁または時間ゲートとして機能し得る。流動経路の切れ目は、毛細管力の切れ目を構成し、試料と捕捉分子との混合物が、その毛細管力の影響下で流動経路に沿って前進するのを妨げる。磁性素子を活性化することにより、磁性粒子に結合した捕捉分子、ならびに磁性粒子を含む検出錯体は、切れ目に引き込まれ、流動経路の反対端部を湿らせ、毛細管流動を回復する。
【0104】
本発明の実施形態によるアッセイ装置は、吸湿性材料など、他のフォーマットおよびプラットフォーム、例えば、ニトロセルロース繊維系材料、にも適用され得る。本発明の実施形態によるアッセイ装置は、マイクロタイタープレートのウェルなどの、反応容器であってもよい。
【0105】
あるいは、流動経路は、ニトロセルロース系材料を含む。
【0106】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な一実施形態では、流動経路は蓋で覆われている。その蓋は、好ましくは、毛細管流動の生成には関与しない。
【0107】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によると、流動経路は、反応ゾーン内部において微小支柱のないエリアを含む。あるいは、またはそれに加えて、微小支柱のないエリアが、流動経路に隣接して設けられ、流動経路が、そのエリアと流体接続する。
【0108】
前記のものは図4aに示されており、この図面は、側方流動アッセイプラットフォーム、またはいわゆるアッセイチップ1の実施形態を示しており、これは、試料添加ゾーン2、抱合ゾーン3、反応ゾーン4、およびシンク5を有し、試料添加ゾーンとシンクとの間に流動経路を形成し、ここでは主要流動経路の付加物として図示されている別個の場所60が形成され、主要流動経路がこの場所60と流体接続している。
【0109】
さらに、図4bは、ここでは62で示される別個の場所が、どのようにして、アッセイプラットフォームまたはチップ1上の反応ゾーン4の付加物になり得るのかを示している。このエリア62も流動経路と流体接続しているが、ここでは微小支柱のないエリアとして図示される、異なる構造を有している。
【0110】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能な別の実施形態によると、流動経路は、好ましくは、微小支柱を備えた少なくとも1つの別個のエリアを含み、それらの微小支柱は、周囲の流動経路の微小支柱とは異なる高さ、直径、または相互間隔を有している。
【0111】
前記の実施形態と自由に組み合わせ可能なさらに別の実施形態によると、装置は、磁性素子を含む。これらの磁性素子は、例えば、装置に組み込まれた永久磁石である。あるいは、磁性素子は、外部信号、例えば、その素子を通した電流の印加、にさらされると、磁場を生成することができる素子である。
【0112】
さらに、この装置は、好ましくは、流動経路と接続した別個のエリアを含み、そのエリアは、アッセイの結果の読み取りを改善する特徴部を有する。
【0113】
前記の実施形態のいずれにおいても、装置は、好ましくは、使い捨てアッセイ装置である。
【0114】
さらに、前記の実施形態のいずれにおいても、第1および第2の捕捉分子は、好ましくは、検出すべき分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される。
【0115】
さらに、第1および/または第2の標識は、好ましくは、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である。標識の例は、先の説明で前記されており、この文脈で等しく適用可能である。
【0116】
本発明の実施形態によるアッセイ装置および方法は、他のアッセイフォーマットおよびアッセイプラットフォーム、例えばニトロセルロース繊維系材料などの吸湿性材料上で行われるアッセイ、にも適用され得る。本発明の実施形態によるアッセイ装置および方法は、懸濁液中、反応容器中で行われるか、または反応容器の壁に少なくとも部分的に結合するアッセイにも適用可能である。
【0117】
発明者らは、アッセイ装置(アッセイプラットフォーム)上で行われたアッセイの結果を読み取る装置(リーダー)も利用可能にし、この装置は、検出錯体により発せられるかまたは検出錯体から反射された信号を読み取る手段と、信号を算出し、結果を表示する手段と、アッセイ装置上にある磁性構成要素を操作することができる手段と、を含む。
【0118】
装置の一実施形態によると、アッセイ装置上にある磁性構成要素を操作することができる手段は、アッセイ装置またはチップと有効に接触させられ得る1つまたは複数の永久磁石、あるいは、アッセイ装置またはチップの有効距離内で作動される電磁石を含む。
【0119】
装置の別の実施形態では、アッセイ装置上にある磁性構成要素を操作することができる手段は、磁力を誘導し、電磁石、またはアッセイ装置内にある他の素子を活性化する手段である。
【0120】
活性化され得る素子の例として、熱で活性化される磁性素子、電気的に活性化されるコイルなどの素子、電流にさらされると磁場を誘導する誘導素子、および外部磁石と接触すると磁化するFe系素子、が含まれるが、これらに限定されない。
【0121】
あるいは、装置の別の実施形態では、アッセイ装置上にある磁性構成要素を操作することができる手段は、磁性手段であり、磁性手段は、アッセイの結果を読み取る装置の一部であり、また、アッセイ装置上にある磁性構成要素を操作するため、アッセイ装置からの有効距離内に導かれることができる。好ましくは、電磁石は、リーダー内部の適切な位置にある場合、アッセイ装置またはチップまでの有効距離で、リーダー内に配列され、電磁石はその後、所望のときに活性化されて、捕捉抱合体または検出錯体中の磁性粒子に影響を及ぼすことができる。
【0122】
前記の実施形態のいずれにおいても、アッセイ装置上にある磁性構成要素を操作することができる手段は、結果を読み取る装置(リーダー)内に存在する第1の手段も含んでよく、第1の手段は、アッセイ装置(アッセイプラットフォーム)内に存在する第2の手段を活性化し、第2の手段は、活性化されると磁場を生成する。
【0123】
別の実施形態は、アッセイ装置上で行われたアッセイの結果を読み取る装置であり、この装置は、アッセイ装置の規定の場所に存在する少なくとも1つの検出錯体から発せられるかまたは反射された信号を読み取ることができる検出器と、その信号を読み取る前に、アッセイ装置上にある磁性構成要素を前記の場所に引っ張ることができる手段と、を含む。
【0124】
前記の実施形態では、前記の手段は、結果を読み取る装置内に存在する第1の手段であり、第1の手段は、アッセイ装置内に存在する第2の手段を活性化し、第2の手段は、活性化されると磁場を生成し、この磁場は、信号を読み取る前に、アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を前記の場所に引っ張ることができる。前記の実施形態のいずれにおいても、読み取りは、好ましくは、色、蛍光発光、放射能または酵素活性の検出および/または定量化から選択される。
【0125】
本発明は、本明細書に示す特定の実施形態に制限されないことが理解される。以下の実施例は、例示目的で提供されており、発明の範囲を制限する意図はない。というのは、発明の範囲は、特許請求の範囲およびそれと等価なものによってのみ制限されるからである。
【0126】
実施例
実施例1
側方流動アッセイで固相として磁性ビーズを使用することの利点は、比較のための標準的なアッセイデザイン、すなわち捕捉抗体が流動経路に結合するもの、を用いた分析物結合アッセイで証明された。使用した分析物は、C反応性たんぱく質(CRP)であり、これは、炎症および心不全のマーカーである。試験は、例えばWO2003/103835、WO2005/089082;WO2005/118139;WO2006/137785;およびWO2007/149042のうち1つに記載されるような、開口側方流動経路を画定する微小支柱アレイを有する、無孔キャリア上で実行された。Zeonor(登録商標)(日本ゼオン株式会社(日本))製のプラスチック基材チップが、Amic AB(スウェーデン ウプサラ)により製造された。これらのチップまたはアッセイ装置は、実質的に図1に示すとおり設計された。
【0127】
抗CRP抗体M701189(米国フィッツジェラルド)が、反応緩衝液(25mM MES緩衝液、pH6.0)内で直径0.2μmの常磁性ビーズ(Adembeads, Ademtech(フランス))とリンクして、ビーズ−aCRPという製品を形成した。カルボキシル化ビーズ(4x10E11の粒子)が、合計容量100μLの反応緩衝液中で、50mg/mLの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドハイドロクロライドおよび50mg/mLのスルホ‐N‐ヒドロキシルスクシンイミドエステル(Sulfo-N-hydroxyl succinimide ester)で、室温で30分間、インキュベートされた。
【0128】
100μLの緩衝液でビーズを2回洗浄し、溶液除去のため、強力な磁石を適用した。活性化したビーズは、次に、2.1mg/mLの抗CRP抗体132μLで、室温で30分間インキュベートされた。余分な抗体は、300μLの反応緩衝液での2回の洗浄、それに続く、300μLの保存緩衝液(storage buffer)(0.1M TrisHCl pH7.5、0.35M NaCl、5mM CaCl2、0.4% BSA、0.2% Triton X−100、0.05% NaN3)での2回の洗浄によって、除去され、最終的に保存緩衝液中に再懸濁された。フルオロフォア標識されたCRP(CRP)は、Dylight 649抗体標識キット(製品番号(prod nr)53050、Thermo Scientific)を適用することで得られた。
【0129】
CRPに対する分析物結合アッセイが、図1に示すデザインに類似の開口側方流動チップで行われた。チップが、流動経路より下で、チップの底面に非常に近接して固定された磁石(1mm厚さで3x3mmの3つのブロック磁石Neodym35(ELFA(スウェーデン))の山(stack))を備えたチップホルダーの中に置かれた。チップホルダーは次に、湿度室に入れられた。試料を適用する前に、5μLの保存緩衝液が加えられた。ビーズ−抗CRP抗体、ならびにCRPは、血清(TSHが無い血清(US Biological))中で別々に希釈され、一組のビーズ−抗CRP抗体希釈物が準備された。それぞれの個別のアッセイ試料は、同量の20ng/mLのCRPおよびビーズ−抗CRP抗体を混合し、10μLの混合物をチップの試料ゾーンに適用する前に30秒間結合反応させることにより、準備された。余分の試薬は、7.5μLの血清で3回洗浄することで除去された。対照として、ビーズ自体により生成されたバックグラウンド信号を記録した。すなわち、CRPを添加しなかったが、ビーズ−抗CRP抗体希釈物を、試料として適用した。標準的なアッセイプロトコルでは、抗CRP抗体を含有するチップは、Biodot AD3200によって、60nLの1.0mg/mL 抗体(50mMのリン酸ナトリウム緩衝液、pH7.5、2%のトレハロース(Trealose))を堆積させることにより、産生された。信号強度が、プロトタイプのライン照明蛍光発光スキャナー(Amic AB、スウェーデン)に記録された。この実験は、異なるチップ変形型を用いて数回繰り返され、異なる人によって、材料が準備され、実験が実行された。
【0130】
図5は、磁石により妨害された磁性ビーズにリンクされた様々な濃度の抗CRP抗体に結合するフルオロフォア標識CRPの分析物結合アッセイの結果を示す。空の記号(Empty symbols)は、CRPと混合されたビーズを表し、満たされた記号(filled symbols)は、ビーズのみを表す。チップ上に適用する前に30秒の結合が行われた。破線は、チップ経路内に堆積された抗CRP抗体に対する標識CRPの結合に対応している。図5の異なる記号(四角、円、三角形)は、同じ濃度で、しかし異なる条件(準備、実験家、およびチップの変形型)下で行われた、異なる実行を表している。
【0131】
図5から、本発明は、流動経路の表面に捕捉抗体を有する標準的なアッセイと比べ、固相として磁性ビーズを用いた側方流動アッセイデザインにおいて特定の信号を最も顕著に(3倍超)増大させることが明らかである。
【0132】
実施例2
同じ抗CRP抗体および常磁性ビーズを使用して、実施例1と同じかまたは類似のチップデザインで実験を行った。実施例1の手順に反して、磁石(1mm厚さの3x3mmの3つのブロック磁石Neodym35(ELFA(スウェーデン)の山)は、チップに非常に近接して、流動経路より上に保持された。驚いたことに、ビーズは、液相から離れず、代わりに、液面のすぐ下に蓄積した。理論に束縛されるものではないが、発明者らは、表面張力が、ビーズが液相から離れるのを防ぐのに十分であったと考える。実験により、磁性粒子は、開口側方流動システムに使用され、液相内で自由に操作される、例えば、任意の方向に動かされるか、または、液相内で振動されることができることが分かった。
【0133】
混合および反応動態の改善に加え、この実施形態により、液体−空気界面で検出抱合体を集中させることが可能となる。これにより、よくあることだが基材を通じて、下からではなく流動経路の側部から、信号を直接読み取ることが可能になる。これにより、信号の歪み、信号弱化、および基材を通じた測定の他の結果に関する問題がなくなる。
【0134】
さらに、流動経路から液相表面内に検出抱合体を抽出することは、これが繊維を含むか微細構造体を含むかにかかわらず、流動経路の物理的構造から抱合体を除去し、また、明確に定義された均一な別個の場所に検出抱合体を引き込むのに役立つことができる。
【0135】
当業者は、本明細書に記載された本発明、およびその実施形態が、明確に説明されたもの以外の変形および改変が可能であることを認識するであろう。本発明は、そのような変形および改変のすべてを含むことが理解される。本発明はまた、個々に、またはまとめて、本明細書中で言及された工程および特徴のすべて、ならびに、それらの工程または特徴のうちの任意の2つまたは3つ以上を組み合わせたもののいずれかおよびすべてを含む。
【0136】
〔実施の態様〕
(1) 液体試料中の分析物を検出する方法において、
少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを基材上に含み、前記ゾーンが前記基材上で前記試料の流動経路を形成している、側方流動アッセイ装置を提供する工程と、
前記分析物に結合することができる第1の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
前記分析物に結合することができる第2の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
を含み、
前記第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、前記第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法において、
前記磁性粒子に付着した前記第2の捕捉分子を前記アッセイ装置上に予め堆積させる工程と、
前記試料の添加後、または添加と同時に、前記第1の捕捉分子を添加する工程と、
を含む、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子の双方を前記アッセイ装置上に予め堆積させる工程、
を含む、方法。
(4) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子の双方を前記試料添加ゾーン内に堆積させる工程であって、各前記捕捉分子は、前記試料添加ゾーンに試料を添加した際に、前記流動経路に沿って輸送される、工程と、
前記分析物と反応させて、前記分析物、第1および第2の捕捉分子、ならびに前記標識および磁性粒子からなる検出錯体を形成する工程と、
を含む、方法。
(5) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子は、毛細管力の効果で前記試料によって前記反応ゾーンまで輸送され、前記検出錯体を形成する、方法。
【0137】
(6) 実施態様1に記載の方法において、
前記反応ゾーン内で磁性粒子が付着した前記第2の捕捉分子を動かすために磁力を加える工程、
を含む、方法。
(7) 実施態様4に記載の方法において、
前記第1および/または第2の標識を定性的または定量的に検出する前に、磁力を用いて前記検出錯体を別個の場所に集中させる工程、
を含む、方法。
(8) 液体試料中の分析物を検出する方法において、
基材上に存在する、少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを含み、前記ゾーンは、前記基材上に前記試料の流動経路を形成する、開口側方流動アッセイ装置を提供する工程と、
前記分析物に結合することができる第1の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
前記分析物に結合することができる第2の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
を含み、
前記第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、前記第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する、方法。
(9) 実施態様8に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子の双方を前記試料添加ゾーン内に堆積させる工程であって、前記分子は、前記試料添加ゾーンに試料が添加された際に、前記流動経路に沿って輸送されることができる、工程と、
前記分析物と反応させることで、前記分析物、第1および第2の捕捉分子、ならびに前記標識および磁性粒子からなる検出錯体を形成する工程と、
を含む、方法。
(10) 実施態様8に記載の方法において、
前記基材の開口側に磁力を加え、前記検出抱合体を液体‐空気界面に集中させる工程、
を含む、方法。
【0138】
(11) 実施態様1に記載の方法において、
前記磁性粒子は、約5nm〜約5000nm、好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する、方法。
(12) 実施態様1に記載の方法において、
前記第2の捕捉分子および/または前記磁性粒子はまた、前記第1の標識と識別可能な、第2の標識を有する、方法。
(13) 実施態様1に記載の方法において、
前記試料は、血液、血清、血漿、尿、唾液、組織生検、便、痰、および皮膚または咽頭スワブから選択される、哺乳動物から採取された試料である、方法。
(14) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子は、検出すべき前記分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される、方法。
(15) 実施態様1に記載の方法において、
前記第1および/または第2の標識は、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である、方法。
【0139】
(16) 試料中の分析物を検出するアッセイ装置において、
基材上の試料添加ゾーン、反応ゾーン、およびシンクであって、前記ゾーンは、前記基材上に前記試料の流動経路を形成する、試料添加ゾーン、反応ゾーン、およびシンクと、
前記分析物に結合することができ、オプションとして前記装置上に堆積される、第1の捕捉分子と、
前記分析物に結合することができ、オプションとして前記装置上に堆積される、第2の捕捉分子と、
を含み、
前記第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、前記第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する、アッセイ装置。
(17) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記磁性粒子は、約5nm〜約5000nm、好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する、アッセイ装置。
(18) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記第2の捕捉分子および磁性粒子は、前記第1の標識と識別可能な、第2の標識をさらに有する、アッセイ装置。
(19) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記磁性粒子に付着した前記第2の捕捉分子は、前記アッセイ装置上に予め堆積される、アッセイ装置。
(20) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記第1および第2の捕捉分子は、前記アッセイ装置上に予め堆積される、アッセイ装置。
【0140】
(21) 実施態様20に記載のアッセイ装置において、
前記第1および第2の捕捉分子は双方、前記試料添加ゾーン内に堆積され、前記試料添加ゾーンに試料が添加された際に前記流動経路に沿って輸送されることができる、アッセイ装置。
(22) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
少なくとも前記シンクは、突出部からなり、前記突出部は、前記装置の表面に実質的に垂直であり、毛細管流動が前記流動経路において誘導されるような高さ、幅、および相互間隔を有する、アッセイ装置。
(23) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、微小支柱を含み、前記微小支柱は、表面に対して実質的に垂直であり、かつ前記流動経路内で前記試料の毛細管側方流動を生じさせることができる高さ、直径、および相互間隔を有する、突出部である、アッセイ装置。
(24) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、ニトロセルロース系材料を含む、アッセイ装置。
(25) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、蓋で覆われている、アッセイ装置。
【0141】
(26) 実施態様25に記載のアッセイ装置において、
前記蓋は、毛細管流動の生成に関与しない、アッセイ装置。
(27) 実施態様23に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、前記反応ゾーン内部に、微小支柱のないエリアを含む、アッセイ装置。
(28) 実施態様23に記載のアッセイ装置において、
微小支柱のないエリアが、前記流動経路に隣接して設けられ、前記流動経路は、そのエリアと流体接続する、アッセイ装置。
(29) 実施態様23に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、微小支柱を備えた少なくとも1つの別個のエリアを含み、前記微小支柱は、周囲の前記流動経路における微小支柱とは異なる高さ、直径、または相互間隔を有する、アッセイ装置。
(30) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記装置は、磁性素子を含む、アッセイ装置。
【0142】
(31) 実施態様30に記載のアッセイ装置において、
前記磁性素子は、前記装置に組み込まれた永久磁石である、アッセイ装置。
(32) 実施態様30に記載のアッセイ装置において、
前記磁性素子は、外部信号にさらされた際に磁場を生成することができる素子であり、前記信号は、前記素子を通じた電流の印加である、アッセイ装置。
(33) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記装置は、前記流動経路と接続した別個のエリアを含み、前記エリアは、アッセイの結果の読み取りを改善する特徴部を有する、アッセイ装置。
(34) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記装置は、使い捨てアッセイ装置である、アッセイ装置。
(35) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記第1および第2の捕捉分子は、検出すべき前記分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される、アッセイ装置。
【0143】
(36) 実施態様16に記載のアッセイ装置において、
前記第1および/または第2の標識は、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である、アッセイ装置。
(37) アッセイ装置上で実施されたアッセイの結果を読み取る装置において、
検出錯体により発せられるか、または前記検出錯体から反射される信号を読み取る手段と、
前記信号を算出し、結果を表示する手段と、
前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段と、
を含む、装置。
(38) 実施態様37に記載の装置において、
前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、前記読み取る装置内の手段であり、前記読み取る装置内の所定の位置にあるときに前記アッセイ装置からの有効距離にあるか、または、前記アッセイ装置からのその有効距離に導かれるように移動可能に配列されている、装置。
(39) 実施態様38に記載の装置において、
前記読み取る装置内の前記手段は、永久磁石、および電磁石から選択される、装置。
(40) 実施態様37に記載の装置において、
前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、前記結果を読み取る装置内に存在する第1の手段であり、前記第1の手段が、前記アッセイ装置内に存在する第2の手段を活性化し、前記第2の手段は、活性化されると、磁場を誘導する、装置。
【0144】
(41) アッセイ装置上で実施されたアッセイの結果を読み取る装置において、
前記アッセイ装置の規定の場所に存在する少なくとも1つの検出錯体から発せられるか、または反射された信号を読み取ることができる検出器と、
前記信号を読み取る前に、前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を前記規定の場所に引っ張ることができる手段と、
を含む、装置。
(42) 実施態様41に記載の装置において、
前記手段は、前記結果を読み取る装置内に存在する第1の手段であり、前記第1の手段は、前記アッセイ装置内に存在する第2の手段を活性化し、前記第2の手段は、活性化されると磁場を誘導し、前記磁場は、前記信号を読み取る前に、前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を前記場所に引っ張ることができる、装置。
(43) 実施態様41に記載の装置において、
前記読み取りは、色、蛍光発光、放射能、または酵素活性の検出および/または定量化から選択される、装置。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の例示的な実施形態による側方流動アッセイプラットフォームを概略的に示す。
【図2】2つの捕捉分子を使用した分析物の捕捉および検出を概略的に示し、捕捉分子のうち1つの捕捉分子は磁性粒子に結合している。
【図3a】本発明による側方流動アッセイ装置の別の実施形態を概略的に示す。
【図3b】本発明による側方流動アッセイ装置の別の実施形態を概略的に示す。
【図3c】本発明による側方流動アッセイ装置の別の実施形態を概略的に示す。
【図3d】本発明による側方流動アッセイ装置の別の実施形態を概略的に示す。
【図4a】主要流動経路と流体接続している、主要流動経路の付加物として図示される別個の場所が形成された側方流動アッセイプラットフォームの1つの実施形態を示す。
【図4b】主要流動経路と流体接続している、主要流動経路の付加物として図示される別個の場所が形成された側方流動アッセイプラットフォームの別の実施形態を示す。
【図5】磁石により妨害される磁性ビーズにリンクされた、様々な濃度の抗CRP抗体に対する、信号として測定されるフルオロフォア標識CRP結合の分析物結合アッセイの結果(RFU)を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体試料中の分析物を検出する方法において、
少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを基材上に含み、前記ゾーンが前記基材上で前記試料の流動経路を形成している、側方流動アッセイ装置を提供する工程と、
前記分析物に結合することができる第1の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
前記分析物に結合することができる第2の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
を含み、
前記第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、前記第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、
前記磁性粒子に付着した前記第2の捕捉分子を前記アッセイ装置上に予め堆積させる工程と、
前記試料の添加後、または添加と同時に、前記第1の捕捉分子を添加する工程と、
を含む、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子の双方を前記アッセイ装置上に予め堆積させる工程、
を含む、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子の双方を前記試料添加ゾーン内に堆積させる工程であって、各前記捕捉分子は、前記試料添加ゾーンに試料を添加した際に、前記流動経路に沿って輸送される、工程と、
前記分析物と反応させて、前記分析物、第1および第2の捕捉分子、ならびに前記標識および磁性粒子からなる検出錯体を形成する工程と、
を含む、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子は、毛細管力の効果で前記試料によって前記反応ゾーンまで輸送され、前記検出錯体を形成する、方法。
【請求項6】
請求項1に記載の方法において、
前記反応ゾーン内で磁性粒子が付着した前記第2の捕捉分子を動かすために磁力を加える工程、
を含む、方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法において、
前記第1および/または第2の標識を定性的または定量的に検出する前に、磁力を用いて前記検出錯体を別個の場所に集中させる工程、
を含む、方法。
【請求項8】
液体試料中の分析物を検出する方法において、
基材上に存在する、少なくとも1つの試料添加ゾーン、少なくとも1つの反応ゾーン、および少なくとも1つのシンクを含み、前記ゾーンは、前記基材上に前記試料の流動経路を形成する、開口側方流動アッセイ装置を提供する工程と、
前記分析物に結合することができる第1の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
前記分析物に結合することができる第2の捕捉分子を前記アッセイ装置上に堆積させる工程と、
を含み、
前記第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、前記第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子の双方を前記試料添加ゾーン内に堆積させる工程であって、前記分子は、前記試料添加ゾーンに試料が添加された際に、前記流動経路に沿って輸送されることができる、工程と、
前記分析物と反応させることで、前記分析物、第1および第2の捕捉分子、ならびに前記標識および磁性粒子からなる検出錯体を形成する工程と、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項8に記載の方法において、
前記基材の開口側に磁力を加え、前記検出抱合体を液体‐空気界面に集中させる工程、
を含む、方法。
【請求項11】
請求項1に記載の方法において、
前記磁性粒子は、約5nm〜約5000nm、好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する、方法。
【請求項12】
請求項1に記載の方法において、
前記第2の捕捉分子および/または前記磁性粒子はまた、前記第1の標識と識別可能な、第2の標識を有する、方法。
【請求項13】
請求項1に記載の方法において、
前記試料は、血液、血清、血漿、尿、唾液、組織生検、便、痰、および皮膚または咽頭スワブから選択される、哺乳動物から採取された試料である、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および第2の捕捉分子は、検出すべき前記分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される、方法。
【請求項15】
請求項1に記載の方法において、
前記第1および/または第2の標識は、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である、方法。
【請求項16】
試料中の分析物を検出するアッセイ装置において、
基材上の試料添加ゾーン、反応ゾーン、およびシンクであって、前記ゾーンは、前記基材上に前記試料の流動経路を形成する、試料添加ゾーン、反応ゾーン、およびシンクと、
前記分析物に結合することができ、オプションとして前記装置上に堆積される、第1の捕捉分子と、
前記分析物に結合することができ、オプションとして前記装置上に堆積される、第2の捕捉分子と、
を含み、
前記第1の捕捉分子は、磁気標識ではない第1の標識を有し、前記第2の捕捉分子は、磁性粒子に付着する、アッセイ装置。
【請求項17】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記磁性粒子は、約5nm〜約5000nm、好ましくは約50〜約500nmの区間のサイズを有する、アッセイ装置。
【請求項18】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記第2の捕捉分子および磁性粒子は、前記第1の標識と識別可能な、第2の標識をさらに有する、アッセイ装置。
【請求項19】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記磁性粒子に付着した前記第2の捕捉分子は、前記アッセイ装置上に予め堆積される、アッセイ装置。
【請求項20】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記第1および第2の捕捉分子は、前記アッセイ装置上に予め堆積される、アッセイ装置。
【請求項21】
請求項20に記載のアッセイ装置において、
前記第1および第2の捕捉分子は双方、前記試料添加ゾーン内に堆積され、前記試料添加ゾーンに試料が添加された際に前記流動経路に沿って輸送されることができる、アッセイ装置。
【請求項22】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
少なくとも前記シンクは、突出部からなり、前記突出部は、前記装置の表面に実質的に垂直であり、毛細管流動が前記流動経路において誘導されるような高さ、幅、および相互間隔を有する、アッセイ装置。
【請求項23】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、微小支柱を含み、前記微小支柱は、表面に対して実質的に垂直であり、かつ前記流動経路内で前記試料の毛細管側方流動を生じさせることができる高さ、直径、および相互間隔を有する、突出部である、アッセイ装置。
【請求項24】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、ニトロセルロース系材料を含む、アッセイ装置。
【請求項25】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、蓋で覆われている、アッセイ装置。
【請求項26】
請求項25に記載のアッセイ装置において、
前記蓋は、毛細管流動の生成に関与しない、アッセイ装置。
【請求項27】
請求項23に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、前記反応ゾーン内部に、微小支柱のないエリアを含む、アッセイ装置。
【請求項28】
請求項23に記載のアッセイ装置において、
微小支柱のないエリアが、前記流動経路に隣接して設けられ、前記流動経路は、そのエリアと流体接続する、アッセイ装置。
【請求項29】
請求項23に記載のアッセイ装置において、
前記流動経路は、微小支柱を備えた少なくとも1つの別個のエリアを含み、前記微小支柱は、周囲の前記流動経路における微小支柱とは異なる高さ、直径、または相互間隔を有する、アッセイ装置。
【請求項30】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記装置は、磁性素子を含む、アッセイ装置。
【請求項31】
請求項30に記載のアッセイ装置において、
前記磁性素子は、前記装置に組み込まれた永久磁石である、アッセイ装置。
【請求項32】
請求項30に記載のアッセイ装置において、
前記磁性素子は、外部信号にさらされた際に磁場を生成することができる素子であり、前記信号は、前記素子を通じた電流の印加である、アッセイ装置。
【請求項33】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記装置は、前記流動経路と接続した別個のエリアを含み、前記エリアは、アッセイの結果の読み取りを改善する特徴部を有する、アッセイ装置。
【請求項34】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記装置は、使い捨てアッセイ装置である、アッセイ装置。
【請求項35】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記第1および第2の捕捉分子は、検出すべき前記分析物に特異的な、抗体、抗体フラグメント、アプタマー、および核酸配列からなる群から選択される、アッセイ装置。
【請求項36】
請求項16に記載のアッセイ装置において、
前記第1および/または第2の標識は、発色団、フルオロフォア、放射性標識、および酵素から選択される標識である、アッセイ装置。
【請求項37】
アッセイ装置上で実施されたアッセイの結果を読み取る装置において、
検出錯体により発せられるか、または前記検出錯体から反射される信号を読み取る手段と、
前記信号を算出し、結果を表示する手段と、
前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段と、
を含む、装置。
【請求項38】
請求項37に記載の装置において、
前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、前記読み取る装置内の手段であり、前記読み取る装置内の所定の位置にあるときに前記アッセイ装置からの有効距離にあるか、または、前記アッセイ装置からのその有効距離に導かれるように移動可能に配列されている、装置。
【請求項39】
請求項38に記載の装置において、
前記読み取る装置内の前記手段は、永久磁石、および電磁石から選択される、装置。
【請求項40】
請求項37に記載の装置において、
前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を操作することができる手段は、前記結果を読み取る装置内に存在する第1の手段であり、前記第1の手段が、前記アッセイ装置内に存在する第2の手段を活性化し、前記第2の手段は、活性化されると、磁場を誘導する、装置。
【請求項41】
アッセイ装置上で実施されたアッセイの結果を読み取る装置において、
前記アッセイ装置の規定の場所に存在する少なくとも1つの検出錯体から発せられるか、または反射された信号を読み取ることができる検出器と、
前記信号を読み取る前に、前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を前記規定の場所に引っ張ることができる手段と、
を含む、装置。
【請求項42】
請求項41に記載の装置において、
前記手段は、前記結果を読み取る装置内に存在する第1の手段であり、前記第1の手段は、前記アッセイ装置内に存在する第2の手段を活性化し、前記第2の手段は、活性化されると磁場を誘導し、前記磁場は、前記信号を読み取る前に、前記アッセイ装置上に存在する磁性構成要素を前記場所に引っ張ることができる、装置。
【請求項43】
請求項41に記載の装置において、
前記読み取りは、色、蛍光発光、放射能、または酵素活性の検出および/または定量化から選択される、装置。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図3d】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【公表番号】特表2013−507633(P2013−507633A)
【公表日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−533652(P2012−533652)
【出願日】平成22年10月18日(2010.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065600
【国際公開番号】WO2011/045436
【国際公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(509169011)オーミック・アーベー (5)
【氏名又は名称原語表記】Amic AB
【住所又は居所原語表記】Uppsala Science Park,SE−751 83 UPPSALA,Sweden
【Fターム(参考)】