説明

磁気ストライプデータ処理装置

【課題】媒体に有する磁気ストライプのデータを読り取りまたは書き込み時の磁気データ処理の精度を向上させる。
【解決手段】磁気ストライプ12を有する媒体18の磁気データを処理する磁気ヘッド28と、この磁気ヘッド28の近傍および前後に設けた複数の搬送ローラ30〜34と#1〜#5ピンチローラ35〜39と、各々の搬送ローラ30〜34を搬送させる搬送モータ40と、#1〜#5ピンチローラ35〜39を媒体18に接触または退避させるピンチローラ駆動部70と、磁気ストライプ12に磁気ヘッド28を接触または退避させる磁気ヘッド駆動部72と、18媒体の位置を検出する媒体センサ27と、媒体センサ27が媒体18を検出したことに基づいて、媒体18を所定の位置に搬送させピンチローラ駆動部70と磁気ヘッド駆動部72とを制御する制御部60とを有し磁気ヘッド28で磁気ストライプ12の磁気データを処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金融機関で取り扱う通帳等の媒体に有する磁気ストライプの磁気データを読み取りまたは書き込みする磁気ストライプデータ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の装置は、磁気ストライプを有する通帳等の媒体を搬走口から挿入し搬送手段により吸入する。さらに媒体を一定の速度で搬送させながら磁気ヘッドにより媒体の磁気ストライプの磁気データを読み取りまたは書き込み処理を行うようになっている。
【0003】
この装置においては、搬送ローラとピンチローラとで媒体を挟むようにして搬送するようになっている。さらに、ピンチローラには圧力調節手段が設けられている。この圧力調節手段により媒体を挟む圧力を磁気データ処理が終わるまで減圧させる。また、磁気ヘッドに位置調節手段が設けられている。この位置調節手段により、磁気ヘッドを媒体に対し、上下に移動させるようになっている。(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
また、通帳の磁気ストライプの仕様は、発行元である金融機関等により異なっている。近年の金融機関の合併や業務提携などにより、通帳の異なる複数種の通帳を取り扱う必要がある。しかしながら、従来の磁気ストライプデータ処理装置では、特定の仕様の通帳にのみ対応して磁気ストライプの磁気データの読取りまたは書き込み処理を行うため、異種の磁気ストライプを有する通帳には対応することができないという問題もあった。このため、異なる通帳の磁気ストライプに対して読み取りまたは書き込み可能な装置が提案されている。しかし、磁気ヘッド駆動機構が必要となり、機構が複雑で高価になるという欠点がある。
【特許文献1】特開平7−57374号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、搬送手段の一部であるピンチローラは、媒体に対する圧力を減圧するための機構が複雑になる。また、異なる種類の媒体に有する磁気ストライプのデータ処理をするのに精度が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は、媒体に有する磁気ストライプの磁気データの読み取りまたは書き込み時の磁気データ処理の精度を向上させる磁気ストライプデータ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置は、前記課題を解決したものであって、次のようなものである。すなわち、磁気ストライプを有する媒体の磁気データを処理する磁気ヘッドを設けるとともに、この磁気ヘッドの近傍および前後に設けられた複数の搬送ローラとピンチローラとで前記媒体を挟んで搬送させる搬送手段を設けるとともに、ピンチローラを前記媒体に接触または退避させるピンチローラ移動手段を設け、前記磁気ストライプに前記磁気ヘッドを接触または退避させる磁気ヘッド移動手段を設け、前記媒体の位置を検出する位置検出手段を設けた磁気ストライプデータ処理装置において、前記位置検出手段が媒体を検出したことに基づいて、前記媒体を所定の位置に搬送し前記ピンチローラ移動手段と前記磁気ヘッド移動手段とを制御する制御手段とを有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、媒体に有する磁気ストライプデータの読み取りまたは書き込み精度を上げることができる。また、異なる複数の種類の媒体に有する磁気ストライプデータの読み取りまたは書き込み処理の精度を上げることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1〜図3は、本実施の形態に係る磁気ストライプデータ処理装置で処理可能な媒体である通帳の一例を示すものであり、図1は、通称2000号通帳、図2は、横形通帳、図3は縦形通帳を示す。
【0010】
図1は、通称、2000号通帳11と呼ばれているもので、この通帳11は、図に示すように、通帳11の外形寸法は,見開きの状態で吸入方向Xに対して、幅140mm、長さ175mmであるとともに通帳11の表紙に縦形の磁気ストライプ12が設けられている。
【0011】
図2は、横形通帳13を示し、この通帳13の外形寸法は,見開きの状態で吸入方向Xに対して、167mm、長さ142mmであるとともに通帳13の表紙に縦形の磁気ストライプ12が設けられている。
【0012】
図3は、縦形通帳14を示し、この通帳14の外形寸法は、見開きの状態で吸入方向Xに対して、幅167mm、長さ142mmである。通帳14の表紙および裏表紙に縦形の磁気ストライプ12が設けられている。前記磁気ストライプ12には、これらの各通帳11,13,15に口座番号等の個別データが書き込まれるようになっている。各通帳11,13,14を開いた状態で吸入方向Xに対し先端を先端部15、後端を後端部16と定義する。
【0013】
図4に本実施の形態に係る磁気ストライプデータ処理装置17の構成を示す。同図に示すように、利用者からの通称2000号通帳11、横形通帳13および縦形通帳14(以下、これらの通帳を媒体18という)の挿入と排出を行う搬送口19と、この搬送口19より挿入された媒体18は、搬送路20に対向して設けられた各搬送ローラ21、22、23と各ピンチローラ24、25、26と、媒体18の先端部15および後端部16を検出する位置検出手段である媒体センサ27と、媒体18の磁気ストライプ12に対し磁気データを読み取り、書き込みする磁気ヘッド28と、媒体18へ印字を行う印字部29と各搬送ローラ30、31、32、33、34と、これらの搬送ローラ30〜34に対向して設けられた#1ピンチローラ35、#2ピンチローラ36、#3ピンチローラ37、#4ピンチローラ38、#5ピンチローラ39と、各搬送ローラ30〜34を駆動させる搬送モータ40とを備えて構成している。
【0014】
媒体センサ27は、図示しない発光ダイオードと受光トランジスタを対向配置して構成された光検出器で媒体18を遮断する方向に光軸を透過させてある。この光軸を媒体18が遮断することにより生じる受光トランジスタの出力変動を利用してON/OFF信号を得ることができる。
【0015】
図5は、本実施の形態に係る磁気ストライプデータ処理装置17の構成を示すブロック図である。60は制御部本体(制御手段)を構成するCPU(中央処理装置)、61はこのCPU60が各部を制御するためのプログラムデータ等を格納したROM(リード・オンリ・メモリ)、62はCPU60が行う各種データ処理のために使用されるメモリエリア等を設けたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)、63はキーボード操作機能を有する操作タッチパネル64と複数の選択できる通帳選択手段である通帳選択部65などの入力制御と利用者へ各種のメッセージを提供するディスプレイ66を制御するタッチセンサパネル制御部、67は媒体18に金額などを印字するための印字部29を制御する印字制御部、68は位置検出手段である媒体センサ27からの出力を入力し、各搬送ローラ21〜23,30〜34を駆動するステッピングモータで構成された搬送モータ40や各搬送ローラ30〜34に各ピンチローラ35〜39を接離させるためのピンチローラ駆動部70などを制御する搬送制御部、71は磁気ヘッド駆動部72と磁気ヘッド28を制御し、磁気ヘッド28からデータを処理する磁気処理部制御部である。
【0016】
前記CPU60(中央処理装置)とROM61、RAM62、タッチセンサパネル制御部63、印字制御部67、搬送制御部68、磁気処理部制御部71とは制御バス、システムバス、データバス等のバスラインにより電気的に接続されている。なお、前記搬送モータ40と各搬送ローラ21〜23、30〜34と各ピンチローラ24〜26、35〜39は搬送手段73を構成する。
【0017】
ピンチローラ移動手段であるピンチローラ駆動部70は#1ピンチローラ35、#2ピンチローラ36、#3ピンチローラ37、#4ピンチローラ38、#5ピンチローラ39を各搬送ローラ30〜34に対して公知の手段で上下に移動して媒体18に対し接触または退避させる機能を有する。
【0018】
磁気ヘッド移動手段である磁気ヘッド駆動部72は磁気ヘッド28を搬送路20に対して公知の手段で上下に移動し磁気ストライプ12に接触または退避させる機能を有する。
【0019】
図6〜図8は媒体の種類別の各々#1〜#5ピンチローラ35〜39のおよび磁気ヘッド28の位置の変化を示したものである。磁気ヘッド28の制御による磁気ストライプ12(以下、MSという)読み取り書き込み時と、媒体18の搬送による#1〜#5ピンチローラ35〜39の制御の流れを示す。#1〜#5ピンチローラ35〜39の制御は媒体18の搬送路20上の位置と取り扱う媒体18の種別をもとに制御される。媒体18の搬送路20上の位置は媒体センサ27による。
【0020】
図6は2000号通帳11を適用した各々のローラと磁気ヘッドの位置の時間的変化を示したものである。
【0021】
(a)はMS読み取りまた書き込み開始位置までの搬送中、(b)はMS読み取りまた書き込み開始、(c)はMS読み取りまた書き込み終了。
【0022】
図7は横形通帳13を適用した各々のローラと磁気ヘッドの位置の時間的変化を示したものである。
【0023】
(a)はMS読み取りまた書き込み開始位置までの搬送中、(b)はMS読み取りまた書き込み開始、(c)はMS読み取りまた書き込み終了。
【0024】
図8は縦形通帳14を適用した各々のローラと磁気ヘッドの位置の時間的変化を示したものである。
【0025】
(a)はMS読み取りまた書き込み開始位置までの搬送中、(b)はMS読み取りまた書き込み開始、(c)ははMS読み取りまた書き込み終了。
【0026】
次に、図9〜図11は本実施の形態に係る磁気データ読み取りまたは書き込み処理装置の制御を示すフローチャートである。図を参照にしてフローチャートの磁気ストライプ12の磁気データを読み取りまたは書き込む動作を説明する。なお、STは動作ステップを示す。
【0027】
図9を参照にして、利用者が通称2000号通帳11を使用する場合について説明する。CPU60は、ROM61に記憶されたプログラムに基づいて図に示すように処理を行うようになっている。
【0028】
ステップST11にて利用者は、通帳11を搬送口19にセットする。
【0029】
ステップST12にて利用者は操作タッチパネル64である画面の複数の通帳の種別の中から通帳選択部65により2000号通帳11をタッチして選択する。
【0030】
ステップST13にて搬送口19にセットされた2000号通帳11は搬送モータ40を回転して吸入方向へ搬送される。具体的には搬送制御部68を介しピンチローラ駆動部70を駆動制御することにより搬送ローラ21〜23とピンチローラ24〜26で通帳11を挟んだ状態で搬送モータ40を駆動することにより搬送ローラ21〜23が駆動させる。
【0031】
ステップST14にて位置検出手段である媒体センサ27が通帳11の先端部15を検出したか否かを判断する。このとき、通帳11の先端部15を検出していないと判断した場合はステップST13の処理に戻り、通帳11の先端部15が遮蔽されることにより媒体センサ27が通帳11の先端部15を検出したと判断した場合は、ステップST15にて、媒体センサ27が通帳11の先端部15を検出したことに基づいてCPU60は搬送モータ40をパルスAの分だけ搬送させる。
【0032】
ステップST16にて#1ピンチローラ35をピンチローラ移動手段70により開(退避)の状態から閉(接触)じさせる。ステップST17にてCPU60は搬送モータ40をパルスBの分だけ搬送させる。ステップST18にて#2ピンチローラ36を開の状態から閉じさせる。ステップST19にて搬送モータ40をパルスCの分だけ搬送させる。ステップST20にて#3ピンチローラ37を開の状態から閉じさせる。ステップST21にて搬送モータ40をパルスDの分だけ搬送させる。ステップST22にて#4ピンチローラ38を開の状態から閉じさせる。
【0033】
ステップST23にてMSヘッド28を磁気ヘッド移動手段72によりアップさせ磁気ストライプ12に接触させる。ステップST24にて#1ピンチローラ35、#3ピンチローラ37と同期させて閉から開の状態にする。ステップST25にてMSヘッド28で磁気ストライプ12のデータを読み取りまたは書き込みさせる。
【0034】
ステップST26にて搬送モータ40をパルスEの分だけ搬送させる。ステップST27にてMSヘッド28で磁気ストライプ12のデータの読み取り書き込みを終了させる。ステップST28にてMSヘッド28をダウンさせて磁気ストライプ12から退避させる。ステップST29にて#5ピンチローラ39を開の状態から閉じさせる。
【0035】
ステップST30にて搬送モータ40をパルスFの分だけ搬送させる。ステップST31にて搬送モータ40の回転をストップさせる。ステップST32にて搬送モータ40を逆回転させて通帳11を搬送口19へ搬送させる。
【0036】
なお、#1〜#5ピンチローラ35〜39の制御において開くとは対向する媒体18または各搬送ローラ30〜34に対しピンチローラ移動手段70により個々に退避させることである。また、閉じるとはピンチローラ移動手段70により媒体18または各搬送ローラ30〜34に対し個々に接触させることである。
【0037】
また、磁気ヘッド28のアップとは磁気ヘッド移動手段72により磁気ヘッド28を媒体18および磁気ストライプ12に接触させ、磁気ストライプ12の読み取りまたは書き込みの準備状態にあることである。磁気ヘッド28のダウンとは媒体18および磁気ストライプ12から磁気ヘッド移動手段72により退避させることである。
【0038】
以上、本実施の形態に係る磁気ストライプデータ装置における構成および制御によりMS処理において媒体が搬送ローラへの突入およびローラからの脱出、さらにMSヘッドと各ローラの摩擦による影響を軽減し磁気データの読み取りまたは書き込み精度を向上させる。また、MS処理中の媒体搬送時にピンチローラの開閉制御をMS処理に影響が少なくなるように行うことができる。また、MSスタートおよびエンド同期してピンチローラが制御される。
【0039】
次に、横形通帳13を使用する場合について説明する。
【0040】
CPUは、ROMに記憶されたプログラムに基づいて図に示すように処理を行うようになっている。
【0041】
ステップST41にて利用者は、横形通帳13を搬送口19にセットする。
【0042】
ステップST42にて利用者は操作タッチパネル64である操作画面の複数の通帳の種別の中から通帳選択部65により横形通帳13をタッチして選択する。
【0043】
ステップST43にて搬送口19にセットされた横形通帳13を吸入方向へ搬送する。
【0044】
ステップST44媒体センサ27が通帳13の先端部15を検出したか否かを判断する。このとき、通帳13の先端部15を検出していないと判断した場合はステップST43の処理に戻り、通帳13の先端部15が遮蔽されることにより媒体18の位置検出手段である媒体センサ27が通帳13の先端部15を検出したと判断した場合はステップST45にて媒体センサ27が通帳13の先端部15を検出したことに基づいてCPU60は搬送モータ40をパルスGの分だけ搬送させる。
【0045】
ステップST46にて#1ピンチローラ35を開(退避)の状態から閉(接触)じさせる。ステップST47にて搬送モータ40をパルスHの分だけ搬送させる。ステップST48にて#2ピンチローラを開の状態から閉じさせる。ステップST49にて搬送モータ40をパルスIの分だけ搬送させる。ステップST50にて#3ピンチローラ37を開の状態から閉じさせる。ステップST51にて搬送モータ40をパルスJの分だけ搬送させる。ステップST52にてMSヘッド28をアップさせ磁気ストライプ12に接触させる。ステップST53にて#1ピンチローラ35を閉の状態から開かせる。
【0046】
ステップST54にてMSヘッド28で磁気ストライプ12の磁気データを読み取りまたは書き込みさせる。ステップST55にて搬送モータ40をパルスKの分だけ搬送させる。ステップST56にてMSヘッド28で磁気ストライプ12の磁気データの読み取りまたは書き込みを終了させる。ステップST57にてMSヘッド28をダウンさせて磁気ストライプから退避させる。ステップST58にて#4ピンチローラ38を開の状態から閉じさせる。
【0047】
ステップST59にて搬送モータ40をパルスLの分だけ搬送させる。ステップST60にて搬送モータ40の回転をストップさせる。ステップST61にて搬送モータ40を逆回転させて通帳13を搬送口19へ搬送させる。
【0048】
以上、本実施の形態の構成および制御することにより磁気データの読み取りまたは書き込み中に搬送への作用を必要最小限に抑えることができ、かつ磁気データの読み取りまたは書き込み中に影響力が変化しない磁気ストライプデータ処理装置を実現できた。
【0049】
次に、縦形通帳14を使用する場合について説明する。
【0050】
CPU60は、ROM61に記憶されたプログラムに基づいて図に示すように処理を行うようになっている。なお、図に示す横形通帳14とは吸入方向の外形寸法が同じで、磁気ストライプ12に書き込まれる磁気データの範囲が異なる。したがって搬送モータ40を搬送するパルス数が異なるだけなので、説明を省略する。
【0051】
以上、本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置では、媒体を搬送口にセットし搬送路を搬送されると、位置検出手段により媒体が検出され、この検出に基づいて、制御手段がピンチローラ移動手段と磁気ヘッド移動手段を制御することにより媒体がスムーズに搬送され磁気ヘッドにより磁気ストライプデータを正確に読み取りまたは書き込み処理が行われる。
【0052】
また、媒体の種別ごと、制御手段が制御することでピンチローラ移動手段と磁気ヘッド移動手段をタイミングよく媒体が搬送され、磁気ヘッドにより磁気ストライプの磁気データの読み取りまたは書き込み処理が正確に行われる。
【0053】
また、複数の搬送ローと対向してピンチローラ配置し、ピンチローラ移動手段を制御することにより、媒体の搬送中のピンチローラによる負荷の変化をなくすことができた。
【0054】
また、複数の異なる媒体に対して制御手段が種別ごとにピンチローラ移動手段と磁気ヘッド移動手段を制御することにより磁気ストライプの磁気データの読み取りまたは書き込み精度が向上した。
【0055】
本発明に係る実施の形態では、媒体の位置検出手段を1個の媒体センサを用いたが、ピンチローラと磁気ヘッドの制御を別々のセンサを用いてもよい。
【0056】
また、通帳の種別を選択する通帳選択手段を用いたがこれに限定されることはなく、複数のセンサを用いて通帳の幅と長さにより種別の選択をする構成にしてもよいことは勿論である。
【0057】
以上説明したように、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、実施の段階ではその趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置において媒体として使用する2000号通帳を説明する図。
【図2】本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置において媒体として使用する横形通帳を説明する図。
【図3】本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置において媒体として使用する縦形通帳を説明する図。
【図4】本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置の要部構成を説明する図。
【図5】本発明に係る磁気ストライプデータ処理装置の構成を示すブロック図。
【図6】本実施の形態に係る2000号通帳に対する磁気ヘッドおよびピンチローラの位置の時間的変化を表した図。(a)MS処理開始位置までの搬送中、(b)MS処理開始時、(c)MS処理終了時。
【図7】本実施の形態に係る横形通帳に対する磁気ヘッドおよびピンチローラの位置の時間的変化を表した図。(a)MS処理開始位置までの搬送中、(b)MS処理開始時、(c)MS処理終了時。
【図8】本実施の形態に係る縦形通帳に対する磁気ヘッドおよびピンチローラの位置の時間的変化を表した図。(a)MS処理開始位置までの搬送中、(b)MS処理開始時、(c)MS処理終了時。
【図9】図5に示すCPUが2000号通帳を処理するフローチャート図。
【図10】図5に示すCPUが横形通帳を処理するフローチャート図。
【図11】図5に示すCPUが縦形通帳を処理するフローチャート図。
【符号の説明】
【0059】
11…2000号通帳、12…磁気ストライプ、13…横形通帳、14…縦形通帳、15…先端部、18…媒体、19…搬送口、20…搬送路、27…位置検出手段(媒体センサ)、30,31,32,33,34…搬送ローラ、35…#1ピンチローラ、36…#2ピンチローラ、37…#3ピンチローラ、38…#4ピンチローラ、39…#5ピンチローラ、40…搬送モータ、60…CPU、(制御手段)64…操作タッチパネル、65…通帳選択手段(通帳選択部)、70…ピンチローラ移動手段(ピンチローラ駆動部)、72…磁気ヘッド移動手段(磁気ヘッド駆動部)73…搬送手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ストライプを有する媒体の磁気データを処理する磁気ヘッドと、この磁気ヘッドの近傍および前後に複数の対の搬送ローラとピンチローラと、前記ピンチローラを前記搬送ローラに接触または退避させるピンチローラ移動手段と、前記磁気ストライプに前記磁気ヘッドを接触または退避させる磁気ヘッド移動手段と、前記媒体の位置を検出する位置検出手段と、前記媒体を搬送させる搬送手段とを備えた磁気ストライプデータ処理装置において、前記位置検出手段が媒体を検出したことに基づいて、前記媒体を所定の位置に搬送し前記ピンチローラ移動手段と前記磁気ヘッド移動手段とを制御する制御手段を有することを特徴とする磁気ストライプデータ処理装置。
【請求項2】
請求項1記載の磁気ストライプデータ処理装置において、前記位置検出手段が前記媒体の先端部を検出したことに基づいて、磁気データ処理開始時に、前記磁気ヘッド移動手段により、前記磁気ヘッドを前記磁気ストライプに接触させるとともに前記ピンチローラ移動手段により、前記ピンチローラを前記媒体に対し接触状態から退避状態または退避状態から接触状態に制御する制御手段とを有することを特徴とする磁気ストライプデータ処理装置。
【請求項3】
請求項1記載の磁気ストライプデータ処理装置において、前記媒体の種別ごとに前記位置検出手段が前記媒体の先端部を検出したことに基づいて、所定の位置に前記媒体を搬送させ前記ピンチローラ移動手段と前記磁気ヘッド移動手段とを制御する制御手段とを有することを特徴とする磁気ストライプデータ処理装置。
【請求項4】
請求項2記載の磁気ストライプデータ処理装置において、前記媒体の種別ごとに前記位置検出手段が前記媒体の先端部を検出したことに基づいて、磁気データ処理開始時に、前記磁気ヘッド移動手段により前記磁気ヘッドを前記磁気ストライプに接触させるとともに前記ピンチローラ移動手段により前記ピンチローラを前記媒体に対し接触状態から退避状態または退避状態から接触状態に制御する制御手段とを有することを特徴とする磁気ストライプデータ処理装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項4記載の磁気ストライプデータ処理装置において、媒体の種別を選択する媒体選択手段を有することを特徴とする磁気ストライプデータ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−65412(P2006−65412A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244180(P2004−244180)
【出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】