説明

磁気共鳴イメージング用極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール

【課題】MRI技術のより広範囲な使用を可能にするリーズナブルなコストで製造及び/又はメインテナンスが可能な高品質のMRIイメージングシステムを提供する。
【解決手段】極低温冷却するように構成された超伝導勾配コイルモジュールを備えた磁気共鳴イメージング(MRI)及び/又は磁気共鳴分光を行う方法及び/又は装置。超伝導勾配コイルモジュールは、(i)第1真空圧を有する気密シールされた内部空間を包囲し、かつ(ii)第2真空圧を有する真空空間を実質的に包囲する二重壁気密シールジャケットを備えた真空断熱ハウジングと、真空空間内に配置された少なくとも1つの超伝導勾配コイルと、前記真空空間内に配置されかつ前記少なくとも1つの超伝導勾配コイルと熱接触している熱シンク部材と、少なくとも熱シンク部材を極低温冷却するように構成されたポートとを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2009年4月17日付米国仮特許出願第61/170,135号の利益を主張する。なお、該米国仮特許出願は、援用が認められているか禁止されていない各PCT締約国及び地域においてはその全体を援用する。
【0002】
本発明は、広くは磁気共鳴イメージング及び磁気共鳴分光に関し、より詳しくは、超伝導コンポーネンツを用いた磁気共鳴イメージング装置及び分光装置、及びこのような装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
磁気共鳴イメージング(Magnetic Resonance Imaging:MRI)技術は、今日、世界中の大きな医療施設で一般的に使用されており、医療の実際において大きくかつユニークな利益をもたらしている。MRIは、組織及び解剖学的構造をイメージング(撮像)するための充分に定着した診断ツールとして開発されており、かつ機能的活動及び他の生物物理学的及び生化学的特性又はプロセス(例えば、血流、代謝産物/代謝、拡散)をイメージングするためにも開発されている。これらの磁気共鳴イメージング技術の幾つかは、機能的MRI、分光MRI又は磁気共鳴分光イメージング(Magnetic Resonance Spectroscopic Imaging:MRSI)、拡散加重イメージング(diffusion weighted imaging:DWI)及び拡散テンソルイメージング(diffusion tensor imaging:DTI)として知られている。これらの磁気共鳴イメージング技術は、病理学的状態の識別及び評価及び検査した組織の健康状態の判断を行うための医療学的診断価値に加え、広い臨床的及び研究的用途を有している。
【0004】
MRI検査中、患者の身体(すなわち対象サンプル)は、一次(主)マグネットにより実質的に一定かつ均一な一次(主)磁界が付与される検査領域内に置かれかつMRIスキャナの患者支持台により支持される。磁界は、体内の水素(陽子)のようなプリセッシング原子(precessing atoms)の核磁化と整合する。マグネット内の勾配コイル組立体(gradient coil assembly)は、所与の箇所に磁界の小さい変化を発生させ、これによりイメージング領域内で共鳴周波数エンコーディングを行う。無線周波数(RF)コイルが、パルスシーケンスによるコンピュータ制御により選択的に駆動され、患者の体内に、一時的に発振する横方向磁化信号を発生させる。この信号は、RFコイルにより検出されかつコンピュータ処理により、患者の空間的に局在化された領域にマッピングされ、これにより検査対象領域のイメージが得られる。
【0005】
一般的なMRI構成では、静止主磁界は、一般にソレノイドマグネット装置により作られ、患者のプラットホームはソレノイド巻線(主マグネットボア)により境界が定められた円筒状空間内に配置される。主磁界の巻線は一般に低温超伝導(low temperature superconductor:LTS)材料として実施され、かつ抵抗を低下させ、したがって発生される熱の量及び主磁界を形成しかつ維持するのに要する電力を最小にするため、液体ヘリウムにより過冷却される。既存のLTS超伝導MRIマグネットの大部分はニオブ-チタン(NbTi)及び/又はNb3Sn材料でつくられ、これらの材料はクライオスタットにより4.2Kの温度に冷却される。
【0006】
当業者には知られているように、磁界勾配コイルは、一般に、空間内の3つの主デカルト座標軸(これらの座標軸の1つは主磁界の方向である)の各々に沿って直線磁界勾配(linear magnetic field gradient)を選択的に形成するように構成されており、このため、磁界の大きさは検査領域内の位置により変化し、かつ対象領域内の種々の位置からの磁気共鳴信号の特性(例えば信号の周波数及び位相)が、領域内の位置にしたがって符号化される。一般に、勾配磁界は、主磁界の巻線を収容する大きいシリンダと同心状に該シリンダ内に嵌合されかつ取付けられたコイル状サドル又はソレノイド巻線を通る電流により発生される。主磁界とは異なり、勾配磁界を形成するのに使用されるコイルは、普通の常温銅巻線である。勾配強度及び磁界直線性は、例えばMRSIにおいて、形成されるイメージの細部の精度及び組織化学に関する情報の両方にとって基本的に重要なものである。
【0007】
MRIの出現以来、例えば高い空間解像度、高スペクトル解像度(例えばMRSIの場合)、高コントラスト及び高速獲得速度を得る等の努力により、MRIのクオリティ及び能力の改善が間断なく追及されてきた。例えば、患者の移動による変化、自然の解剖学的及び/又は機能的運動(例えば心臓の鼓動、呼吸、血流)及び/又は自然の生化学的変化(例えばMRSI中の代謝により引き起こされる変化)のような、イメージ獲得中のイメージ領域内の一時的変化により引き起こされるイメージングぶれを最小にするには、高いイメージング速度(獲得速度)が望まれている。同様に、例えば分光MRIでは、データを獲得するパルスシーケンスが、空間情報に加えてスペクトル情報を符号化するので、充分なスペクトル情報及び空間情報を獲得するのに要する時間を最短にして所望のスペクトル解像度を得ることができる。分光MRIの臨床的実用性及び有用性を改善するのに、空間的局在化は特に重要である。
【0008】
高いコントラスト、解像度及び獲得速度に関する優れたMRIイメージのクオリティには、幾つかのファクタが寄与する。イメージクオリティ及び獲得速度に影響を与える重要なパラメータは、信号対雑音比(signal-to-noise ratio:SNR)である。MRIシステムの前置増幅器前の信号を増大させることによりSNRを増大させることは、イメージのクオリティを高める上で重要である。SNRは磁界の強度に比例するため、SNRを改善する1つの方法はマグネットの磁界強度を増大させることである。しかしながら、臨床用途では、MRIはマグネットの磁界強度に上限を有する(米国FDAの現在の上限は3テスラである)。SNRを改善するのに可能な他の方法として、可能ならば視界を小さくすることによりサンプル雑音を低減する方法、サンプルとRFコイルとの間の距離を短縮する方法及び/又はRFコイルの雑音を低減する方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】2009年4月1日付米国特許出願第12/416,606号明細書
【特許文献2】2008年9月17日付米国特許出願第12/212,122号明細書
【特許文献3】2008年9月17日付米国特許出願第12/212,147号明細書
【特許文献4】米国特許第6,943,550号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】Ma等著「人体イメージング用超伝導MR表面コイル(Superconducting MR Surface Coils for Human Imaging)」(Proc. Mag. Res. Medicine, 1, 171 (1999))
【非特許文献2】Ma等著「低磁界での臨床MRイメージング用超伝導RFコイル(Superconducting RF Coils for Clinical MR Imaging at Low Field)」(Academic Radiology, vol. 10, no., 9, 2003年9月、第978-987頁)
【非特許文献3】Miller等著「2.0Tでの体内顕微鏡用高温超伝導プローブの性能(Performance of a High Resonance in Medicine,41巻、第72−79頁、1999年)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
MRIを改善するための継続的努力及び多くの進歩がなされたにもかかわらず、例えば、高いコントラスト、優れたSNR、高い獲得速度、高い空間的及び時間的解像度及び/又は高いスペクトル解像度を得るためのMRIの更なる改善が要望されている。
【0012】
また、MRI技術の更なる使用に影響を与える大きいファクタは、購入及びメインテナンスの双方について、高磁界システムには高コストが付随することである。したがって、MRI技術のより広範囲な使用を可能にするリーズナブルなコストで製造及び/又はメインテナンスが可能な高品質のMRIイメージングシステムを提供することが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の種々の実施形態は極低温冷却(cryogenic cooling)するように構成された超伝導勾配コイルモジュールを提供し、該超伝導勾配コイルモジュールは、(i)真空状態にある気密シールされた内部空間を包囲し、かつ(ii)前記気密シールされた内部空間から分離されておりかつ真空状態に真空引きされるように構成された内部チャンバ領域を実質的に包囲する二重壁気密シールジャケットを備えた真空断熱ハウジングと、前記内部チャンバ領域内に配置されかつ少なくとも1つの磁気共鳴イメージング及び磁気共鳴分光を行う1つ以上の磁界勾配を発生させるように構成された少なくとも1つの超伝導勾配コイルと、前記内部チャンバ領域内に配置されかつ前記少なくとも1つの超伝導勾配コイルと熱接触している熱シンク部材と、少なくとも熱シンク部材を極低温冷却するように構成されたポートとを有している。
【0014】
幾つかの実施形態では、ポートは、少なくとも熱シンク部材に熱的に連結されたクライオクーラに連結されている。ポートへのクライオクーラの連結により、内部チャンバ領域が真空状態にあるように内部チャンバ領域がシーリングされる。
【0015】
気密シールジャケットは、内部チャンバ領域と同じ広がりを有しかつ実質的に同じ真空状態に真空引きされるように構成された内部空間を有するチャンバにシールして連結されており、ポートは前記チャンバ内に設けられている。チャンバは、真空状態にある気密シールされた内壁キャビティを包囲する二重壁チャンバ(例えば、二重壁ステンレス鋼チャンバ)として構成されている。
【0016】
幾つかの実施形態によれば、モジュールは、内部チャンバ領域内に配置された少なくとも1つの無線周波数(RF)コイルを更に有し、少なくとも1つの無線周波数コイルは、少なくとも1つの磁気共鳴イメージング及び磁気共鳴分光のための無線周波数信号の発生及び受信の少なくとも一方を行うように構成されている。1つ以上の少なくとも1つの無線周波数コイルは熱シンク部材と熱接触している。1つ以上の少なくとも1つの無線周波数コイルは超伝導材料からなり、該超伝導材料は高温超伝導(high temperature superconductor:HTS)材料からなる。
【0017】
本発明の幾つかの実施形態は磁気共鳴イメージング方法に関し、該磁気共鳴イメージング方法は、超伝導勾配コイルモジュールの内部チャンバ領域内に配置された少なくとも1つのそれぞれの超伝導勾配磁界コイルを用いて、検査領域内に少なくとも1つの磁界勾配を付与するように構成され、超伝導勾配コイルモジュールは、(i)真空状態にある気密シールされた内部空間を包囲し、かつ(ii)前記気密シールされた内部空間から分離されておりかつ真空状態にある内部チャンバ領域を実質的に包囲する二重壁気密シールジャケットを備えた真空断熱ハウジングと、内部チャンバ領域内に配置されかつ前記少なくとも1つの超伝導勾配コイルと熱接触している熱シンク部材と、少なくとも熱シンク部材を極低温冷却し、これにより前記熱シンク部材と熱接触している少なくとも1つのそれぞれの超伝導勾配磁界コイルを極低温冷却するように構成されたポートとを有している。
【0018】
この磁気共鳴イメージング方法は、更に、少なくとも1つのRFコイルを使用して、検査領域に及び/又は検査領域から送信し又は受信し、又は送信及び受信の両方を行い、RFコイルは、前記モジュール内に配置されかつ冷却を行うように構成されており、かつ(i)室温より低い温度に冷却されると、該温度での銅の伝導率より高い伝導率を有する非超伝導材料、及び(ii)超伝導材料の少なくとも一方からなる。少なくとも1つのRFコイルの少なくとも1つは、熱シンク部材と熱接触している。
【0019】
当業者ならば、上記簡単な説明及び下記の詳細な説明が本発明の例示であって、本発明により達成される長所を制限するものではないことは理解されよう。また、本発明の上記要約は本発明の幾つかの実施形態を代表するものであり、本発明の範囲内にある全ての主題及び実施形態を代表するものでも、包含するものでもないことも理解されよう。かくして、本願で引用しかつ本願の一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を示すものであり、詳細な説明とともに本発明の実施形態の原理を説明するものである。添付図面(添付図面では、同じ又は同様な部品は、種々の図面を通して同じ参照番号が使用されている)に関連して述べる以下の説明を考慮に入れて本発明を考えることにより、本発明の実施形態の態様、特徴及び長所は、その構造及び作動の両方に関して一層容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】本発明の幾つかの実施形態による極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールの直交概略図である。
【図1B】本発明の幾つかの実施形態による極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールの直交概略図である。
【図2A】本発明の幾つかの実施形態による図1A及び図1Bの極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールの勾配コイルに対応する勾配コイルを示す概略図である。
【図2B】平面図で示す図2Aの円筒状x-勾配支持体の一部であって、本発明の幾つかの実施形態による、x-勾配コイル全体の1/4であるコイルを示す概略図である。
【図3】本発明の幾つかの実施形態による図1A及び図1Bの勾配コイルモジュールを備えたMRIシステムを示す概略断面図である。
【図4】本発明の幾つかの実施形態による少なくとも1つのRFコイルを備えた極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール示す概略断面図である。
【図5】本発明の幾つかの実施形態によるヘッドイメージングに専用化された磁気共鳴イメージングシステムに使用するように設計された極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールのガラスジュワー部分を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
添付図面(添付図面では、同じ又は同様な部品は、種々の図面を通して同じ参照番号が使用されている)に関連して述べる以下の説明を考慮に入れて本発明を考えることにより、本発明の実施形態の態様、特徴及び長所は、その構造及び作動の両方に関して一層容易に理解されよう。
【0022】
以下の説明から当業者には理解されようが、本発明の種々の実施形態による極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール(例えばインサート)は、例えば慣用の銅RFコイルを用いたシステム、超伝導RFコイルを用いたシステム(例えば、前記特許文献1に開示されたシステム。なお、該特許文献1は本願に援用する)、全身体システム、専用化されたシステム(例えば、肢部のみ、頭部のみ、ペット、幼児)、垂直方向又は水平方向の主磁界を有するシステム、開システム又は閉システム等の無数の磁気共鳴イメージングシステム及び磁気共鳴分光システムで実施できる。同様に、当業者ならば、以下の説明の種々の部分は患者の構造的検査に使用されるMRIシステムに関連して述べるが、本発明の種々の実施形態による極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールは、機能的MRI、拡散加重及び/又は拡散テンソルMRI、MR分光及び/又は分光イメージング等の他の様式で作動され及び/又は構成された磁気共鳴(MR)システムに関連して使用できることも理解されよう。
【0023】
図1A及び図1Bは、本発明の幾つかの実施形態による全体として円筒状の形状を有する極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール10の直交概略図である。より詳しくは、図1Aは長手方向軸線に沿う断面図であり、一方、図1Bは図1Aの左側から見た端面図であるが、ステンレス鋼チャンバ8内のクライオクーラ9を露出させるため該チャンバ8を切断したところを示すものである。
【0024】
図1A及び図1Bに示すように、極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール10は、(i)例えばガラス及び/又はG10、RF4、プラスチック及び/又はセラミック等の機械的に強い非導電性材料で作られた二重壁ジュワー1と、(ii)例えばサファイア又はアルミナ等の高熱伝導セラミックのような非金属熱伝導体2と、(iii)例えばNbTi、Nb3Sn等の低温超伝導(LTS)ワイヤ又はYBCO、BSCCO等の高温超伝導(HTS)テープで作られかつ熱伝導体2と優れた熱的接触する超伝導勾配コイル3(すなわち、x、y、zの直交方向にB磁界変化を発生させる3つの勾配)と、(iv)二重壁ジュワー1にシールして連結された二重壁ステンレス鋼チャンバ8と、(v)熱伝導体2に熱的に連結されかつステンレス鋼チャンバ8のフランジにシールして取付けられたクライオクーラ9とを有している。
【0025】
二重壁ジュワー1は、内部チャンバ(又はキャビティ)4を包囲する気密シールされた連続ガラスハウジングとして種々の方法で構成できる。内部チャンバ4内は少なくとも低真空状態にあり、かつ本発明の幾つかの実施形態にしたがって、好ましくは少なくとも高真空状態(例えば約10-6Torr以下の圧力)に維持される。例えば幾つかの実施形態にしたがって、二重壁ジュワー1は次のように製造される。すなわち、(i)各々が全体としてU型の壁断面を有する全体として円筒状の2つの二重壁構造を形成する。第1壁は連続ガラス壁部分1aに相当しかつ第2壁は連続壁部分1bに相当する。(ii)全体として円筒状の連続ガラス壁部分1bを全体として円筒状の連続ガラス壁部分1aの環状空間内に嵌合し、可能な限り両者の間にガラススペーサを使用する。(iii)キャビティ4をポンピングして高真空にし、両壁部分1a、1bの間の開放端部(すなわち、後で、ステンレス鋼チャンバ8にシールして取付けられる端部)をガラス接合し、融接し又はシーリングして、高真空下でキャビティ4を気密シールする。真空シーリング工程は無数の方法で行うことができることは理解されよう。例えば、全部を真空チャンバ内で行うことができ、或いは両壁部分1a、1bの端部は、真空ポンピングポートとして使用されかつ該ポートを介してキャビティを高真空にポンピングした後にシールされる小さい領域を除き互いに融接できる。種々の実施形態では、二重壁ジュワー1は、上記特許文献2及び3(これらの全体は本願に援用する)に開示された気密シール二重壁構造(及び真空断熱ハウジング)又は同様な構造にしたがって実施できる。
【0026】
例えば、気密シール二重壁ジュワー1(例えばガラス)とステンレス鋼チャンバ8との間の継手は、勾配コイル3及び熱伝導体2を収容する内部チャンバ部分5の内部を少なくとも低真空状態(例えば約10-2〜約10-5Torr)に維持するのに充分なシールを形成するエポキシ接合(例えば図1A中のエポキシボンド及びシール6)、溶接又は他の気密シール型フランジ連結により形成できる。また、同様に、クライオクーラ9とステンレス鋼チャンバ8のフランジとの間の真空シールは、例えば、勾配コイル3及び熱伝導体2を収容する内部チャンバ部分5の内部を少なくとも低真空状態に維持するのに充分なシールを形成するOリング又は他のシーリング機構(例えば金属ガスケット/ナイフエッジ連結)により形成できる。しかしながら、当業者ならば、チャンバ8は、ステンレス鋼以外の材料、例えばアルミニウム又は例えばガラス、セラミック、プラスチック又はこれらの材料の組合せ等の他の非金属材料で作ることができ、かつこれらの他の材料はジュワー1及びクライオクーラ9に適宜接合できることは理解されよう。
【0027】
種々の実施形態では、クライオクーラ9は、例えばジフォードマクマホン(Gifford McMahon:GM)クライオクーラ、パルスチューブ(pulse tube:PT)クーラ、ジュール-トムソン(Joule-Thomson:JT)クーラ、スターリングクーラ又は他のクライオクーラ等の種々の単段又は多段クライオクーラのうちの任意のクライオクーラで構成できる。種々の他の実施形態では、 勾配コイルモジュール10は、コイル3が、液体ヘリウム及び液体窒素等の寒剤(cryogen)により冷却されるように構成できる。
【0028】
ここで図2Aを参照すると、図1A及び図1Bの例示極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール10の勾配コイル3に相当する勾配コイル103が、本発明の幾つかの実施形態にしたがって、斜視図で示されている。このような実施形態では、図2Aに示すように、3つの直交方向に沿う磁界変化を発生させる3つの独立勾配コイルが、3つのそれぞれの同軸円筒状支持構造体、すなわちx勾配支持体258、y勾配支持体262及びz勾配支持体264の表面上及び/又は表面内に形成されている。一般的な慣例によれば、x及びyは、主磁界に垂直な2つの直交方向(ときには、横方向とも呼ぶ)を表わし、zは、主磁界の方向を表わす。したがって、x勾配支持体258、y勾配支持体262及びz勾配支持体264は、それぞれの勾配コイルを支持して、それぞれ、x方向、y方向及びz方向に沿う磁界勾配を形成する。勾配支持体258、262、264は、例えば、G10又は他の非強磁性、非伝導性(例えば非金属絶縁性)材料で作ることができる。この実施形態では、z勾配コイルはソレノイドコイルであり、x勾配コイル及びy勾配コイルは、それぞれの円筒状支持体の約1/2を周方向にスパンし又はカバーするサドルコイルである。y勾配支持体262は、x勾配支持体258及びz勾配支持体264と優れた熱接触して取付けられ、かつ熱シンク110(図1A及び図1Bの熱伝導体2に相当)と優れた熱接触して取付けられている。他の種々の実施形態では、x勾配支持体に接触してヒートシンクを付加的に又は別途取付けることができる。熱シンク110(熱伝導体2)に付加して実施する場合には、x勾配支持体258と接触するこのようなヒートシンクは、熱シンク110(熱伝導体2)を冷却するのと同じクライオクーラにより又は別のクライオクーラにより冷却することができる。
【0029】
図2Bは、図2Aの円筒状x勾配支持体258の一部を平面図で概略的に示すものであり、本発明の一実施形態にしたがってx勾配支持体258により支持されたx勾配コイルの全体の1/4であるコイル268を示している。x勾配支持体258の表面は通常凹んでおり(例えばエッチングされているか、彫刻されている)、この凹み内に勾配コイル268(ワイヤ)が配置される。勾配コイルワイヤは、電流が磁界内の勾配コイルワイヤを流れるときにワイヤが移動(例えばローレンツ力により移動)しないように、凹部内に固定されかつ接合されている。x方向の勾配支持体の直径と比較してy方向の勾配支持体の直径が僅かに小さいために僅かな寸法的相違がある点を除き、y方向支持体262上に設けられたy方向の勾配コイルは、x方向の勾配コイル268と本質的に同じ設計及び構造を有している。図2A及び図2Bに示すように、x勾配コイル268の中心260はx方向を向いており、y勾配コイルは、x勾配コイルに対して周方向に90°変位されている。ソレノイド状のz勾配コイル(詳細には図示せず)は、z勾配支持体264の表面上及び/又は表面内に同様に組み立てられている。しかしながら、z勾配コイルはz勾配支持体264の円筒状軸線の回りでヘリカルに巻回され、円筒状軸線に沿うコイルの1/2は、z勾配コイルがコイルの1/2内の磁界を増大させるように主磁界の巻線と同方向に巻回され、かつ円筒状軸線に沿うコイルの他の1/2は、z勾配コイルがコイルの他の1/2内の磁界を減少させるように反対方向に巻回されている。
【0030】
当業者には理解されようが、本発明の幾つかの実施形態による図1A及び図1Bに示すような全体として円筒状の形状を有する勾配コイルモジュール10は、例えば、実質的に均一な水平磁界を発生する円筒状のソレノイド主マグネット構造を採用するMRIシステムに使用するのに特に適している。例えば、このようなMRIシステムは、図3において長手方向断面で概略的に示されており、円筒状の主マグネット17を有している。該主マグネット17はボアを備え、該ボア内には勾配子コイルモジュール10が配置されている。またMRIシステムはRFコイル(単一又は複数)13を有し、該RFコイルは、全身用、専用身体部分(例えば、頭部又は肢部)、幼児又はペット等のイメージング用の種々の形式のRFコイル又はコイル配列の任意のもので構成できる。しかしながら、極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール10は、水平磁界を形成する円筒状ソレノイドマグネット以外の主マグネット形状で実施でき、及び/又は例えば、垂直マグネット又は二重ドーナツマグネットのような開型マグネットで実施できる。
【0031】
また、図1A、図1B及び図3に示す実施形態は、極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール10の外部の1つ以上のRFコイルを使用するように構成されているが、本発明の幾つかの実施形態によれば、勾配コイルモジュール内に1つ以上のRFコイルを付加的に又は別途配置できることは理解されよう。例えば、図4に示すような幾つかの実施形態によれば、RFコイル(単一又は複数)13は、超伝導勾配コイル3と熱接触している同じヒートシンク(すなわち熱伝導体2)と優れた熱接触するように配置されている。種々の実施形態では、熱伝導体2と熱接触するように配置されしたがって極低温冷却を受けるRFコイル(単一又は複数)13は、1つ以上の慣用銅コイルとして、及び/又は1つ以上の超伝導RFコイル(LTS及び/又はHTS)として、及び/又は室温より低い温度に冷却されたときに、室温より低い温度での銅の伝導率より高い伝導率を有する非超伝導材料(例えば、カーボンナノチューブをベースとする材料及び/又は二次元電子ガス半導体構造体)からなる1つ以上のコイルとして実施される。
【0032】
例えば、この用途のHTSRFコイルの適当な形態は、例えばビスマスストロンチウムカルシウム銅酸化物(Bismuth Strontium Calcium Copper Oxides:BSCCO)により作られた超伝導テープである。例えば、HTSテープからHTSRFコイルを製造する詳細な教示が、上記特許文献4に開示されている。なお、該特許文献4の開示は本願に援用する。他の実施形態では、超伝導RFコイルは、例えばイットリウムバリウム銅酸化物(Yttrium Barium Copper Oxide:YBCO)、タリウムバリウムカルシウム銅酸化物(Thallium Barium Calcium Copper Oxide:TBCCO)、MgB2又はMB(ここで、MはBe、Al、Nb、Mo、Ta、Ti、Hf、V及びCrからなる群から選択される)のようなHTS材料からなる超伝導薄フィルムとして実施できる。平らな基板上にHTSフィルムコイルを組付ける技術の詳細な教示が、上記非特許文献1に開示されている。なお、該非特許文献1の全体の開示は本願に援用する。HTSコイルに関する他の教示が上記非特許文献2及び3に開示されている。なお、これらの非特許文献2及び3の全体の開示を本願に援用する。
【0033】
当業者には理解されようが、RFコイル13が勾配モジュール10内にあるか否かにかかわらず、RFコイル13は、RF送信機及びRF受信機用の別々のコイルとして、又は送信機及び受信機の両方用の共通コイル(すなわちトランシーバコイル)として実施される。また、送信機コイル及び受信機コイルが別々のコイルである幾つかの実施形態では、一方のコイル(例えば受信機コイル)のみが超伝導コイルとして実施される(例えば、他方のコイルは、例えば勾配モジュール10の外部に配置される慣用の銅コイルとして実施されるのに対し、超伝導コイルは、例えば勾配モジュール10内の熱伝導体2上に配置される)。また、幾つかの実施形態では、RFコイルがモジュール10内にあるか否かにかかわらず、RFコイルはRFコイル配列として実施され、該RFコイル配列は、幾つかの実施形態ではHTSコイル配列のような超伝導RFコイル配列として構成される。
【0034】
また、極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールの寸法及び形状は、用途に基づいて変更できることは理解されよう。例えば本発明の幾つかの実施形態にしたがって、図5は、頭部イメージングに専用化された磁気共鳴イメージングシステムに使用するために設計された極低温冷却超伝導勾配コイルモジュールのガラスジュワー部分を示す。このガラスジュワーのコンポーネンツは、単なる例示に過ぎないが次のような概略寸法を有している。すなわち、シリンダ60は、それぞれ230mm、236mm及び254mmの内径、外径及び軸線方向長さを有し、シリンダ62は、それぞれ246mm、252mm及び254mmの内径、外径及び軸線方向長さを有し、シリンダ64は、それぞれ280mm、286mm及び312mmの内径、外径及び軸線方向長さを有し、シリンダ66は、それぞれ296mm、302mm及び330mmの内径、外径及び軸線方向長さを有し、内側底板(円形/円筒状)74は、236mmの直径及び12.7mmの厚さを有し、外側底板(円形/円筒状)76は、252mmの直径及び12.7mmの厚さを有し、リング(環状)66は、それぞれ246mm、286mm及び12.7mmの内径、外径及び厚さ(軸線方向)を有し、リング(環状)68は、それぞれ230mm、302mm及び12.7mmの内径、外径及び厚さ(軸線方向)を有し、リング(環状)72は、それぞれ280mm、302mm及び12.7mmの内径、外径及び厚さ(軸線方向)を有している。また、約5mmの直径及び内側底板74と外側底板76との間に約5mmのギャップを形成する高さを有する小さいスペーサディスク78(8つあるうちの2つ)が示されている。この例示実施形態では、プラグ70が、リング68の標準真空ポート(該ポートを通してイントラジュワーキャビティが真空引きされる)を密封する。
【0035】
更に、図示されていないが、本発明の種々の実施形態による極低温冷却超伝導勾配コイルモジュール(例えばモジュール10)は、例えば、任意のセンサ(例えば、モジュールに設けられる圧力センサ及び/又は温度センサ等)を制御し及び/又はモニタリングすべく勾配コイルを駆動するカップリング電気信号をモジュールに供給するための少なくとも1つの電気的フィードスルー(例えば貫通チャンバ8)を有している。また、本発明の種々の実施形態によれば、ガラスジュワーを備えた勾配コイルモジュール(例えばモジュール10)は、(i)例えば破壊、チッピング又はクラッキングに対する保護を与え及び/又は強度等を付加すべくガラス上に形成されたコーティング(例えばプラスチック又はポリマー)を設けることができ、及び/又は(ii)例えばプラスチック又はG10で形成された剛性スリーブを設け、該スリーブ内にガラスジュワーを嵌合して、前記保護を与え及び/又は強度を付加することができる。
【0036】
以上、本発明を特定実施形態に関連して説明した。これらの実施形態は本発明の原理の単なる例示であって、本発明を排除し又は制限するものではない。したがって、本発明の例示の実施形態並びにこれらの実施形態の特徴についての上記説明は多くの特異性を含んでいるが、これらの可能性ある細部は本発明の範囲を制限するものであると解するべきではなく、当業者ならば、本発明はその範囲から逸脱することなくかつその付随する長所を損なうことなく、多くの変更、改造、省略、付加及び均等性を有する実施が可能であることは容易に理解されよう。例えば、本発明の方法において必要であるか固有である範囲を除き、添付図面を含む本願に開示の方法の工程又は段階の特定の順序を暗示するものではない。多くの場合において、工程の順序は変更でき、例示の種々の工程は、本発明の方法の目的、効果又は趣旨を変えることなく、組み合わせ、変更し又は省略することができる。また、用語及び表現は、説明の用語として使用したものであり、本発明を制限するものではない。これらの用語及び表現は、本願に示しかつ説明した全ての特徴を排除するものではない。更に、本発明は、必ずしも本願に開示した1つ以上の長所を備えなくても実施でき、又は本発明の幾つかの実施形態において実現できる。したがって、本発明の範囲は、本願に開示した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載にしたがって定められるものである。
【符号の説明】
【0037】
1 二重壁ガラスジュワー
2 非金属熱伝導体
3 超伝導勾配コイル
7 クライオクーラ
8 真空ステンレス鋼チャンバ
13 RFコイル
60、62、64、66 シリンダ
103 勾配コイル
258 x勾配支持体
262 y勾配支持体
264 z勾配支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)真空状態にある気密シールされた内部空間を包囲し、かつ(ii)前記気密シールされた内部空間から分離されておりかつ真空状態に真空引きされるように構成された内部チャンバ領域を実質的に包囲する二重壁気密シールジャケットを備えた真空断熱ハウジングと、
前記内部チャンバ領域内に配置されかつ少なくとも1つの磁気共鳴イメージング及び磁気共鳴分光を行う1つ以上の磁界勾配を発生させるように構成された少なくとも1つの超伝導勾配コイルと、
前記内部チャンバ領域内に配置されかつ前記少なくとも1つの超伝導勾配コイルと熱接触している熱シンク部材と、
少なくとも熱シンク部材を極低温冷却するように構成されたポートと、
を有することを特徴とする極低温冷却するように構成された超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項2】
前記ポートは、少なくとも熱シンク部材に熱的に連結されたクライオクーラに連結されている
ことを特徴とする請求項1記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項3】
前記ポートへのクライオクーラの連結により、前記内部チャンバ領域が真空状態にあるように内部チャンバ領域がシーリングされる
ことを特徴とする請求項2記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項4】
前記気密シールジャケットは、前記内部チャンバ領域と同じ広がりを有しかつ実質的に同じ真空状態に真空引きされるように構成された内部空間を有するチャンバにシールして連結されており、前記ポートは前記チャンバ内に設けられている
ことを特徴とする請求項1記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項5】
前記チャンバは、真空状態にある気密シールされた内壁キャビティを包囲する二重壁チャンバとして構成されている
ことを特徴とする請求項4記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項6】
前記ポートは、少なくとも熱シンク部材に熱的に連結されたクライオクーラに連結されている
ことを特徴とする請求項4記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項7】
前記ポートへのクライオクーラの連結により、前記内部チャンバ領域が真空状態にあるように内部チャンバ領域がシーリングされる
ことを特徴とする請求項6記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項8】
前記チャンバは二重壁ステンレス鋼チャンバである
ことを特徴とする請求項4記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項9】
前記気密シールされた内部空間は約10-6〜約10-12Torrの範囲内の真空圧を有する真空状態にあり、前記内部チャンバ領域は約10-2〜約10-6Torrの範囲内の真空圧を有する真空状態にある
ことを特徴とする請求項4記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項10】
前記チャンバは、約10-6〜約10-12Torrの範囲内の真空圧を有する真空状態にある気密性シールされた内壁キャビティを包囲する二重壁チャンバとして構成されている
ことを特徴とする請求項9記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項11】
前記気密シールされた内部空間は約10-6〜約10-12Torrの範囲内の真空圧を有する真空状態にあり、前記内部チャンバ領域は約10-2〜約10-6Torrの範囲内の真空圧を有する真空状態にある
ことを特徴とする請求項1記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項12】
前記内部チャンバ領域内に配置されかつ前記熱シンク部材と熱接触している少なくとも1つの無線周波数コイルを更に有し、該少なくとも1つの無線周波数コイルは、少なくとも1つの磁気共鳴イメージング及び磁気共鳴分光のための無線周波数信号の発生及び受信の少なくとも一方を行うように構成されている
ことを特徴とする請求項1記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項13】
1つ以上の前記少なくとも1つの無線周波数コイルは超伝導材料からなる
ことを特徴とする請求項13記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項14】
前記超伝導材料はHTS材料からなる
ことを特徴とする請求項13記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項15】
前記少なくとも1つの超伝導勾配コイルの少なくとも1つはHTS材料からなる
ことを特徴とする請求項1記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項16】
前記HTS材料はHTSテープとして形成されている
ことを特徴とする請求項15記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項17】
前記HTS材料はHTS薄フィルムとして形成されている
ことを特徴とする請求項16記載の超伝導勾配コイルモジュール。
【請求項18】
超伝導勾配コイルモジュールの内部チャンバ領域内に配置された少なくとも1つのそれぞれの超伝導勾配磁界コイルを用いて、検査領域内に少なくとも1つの磁界勾配を付与し、前記超伝導勾配コイルモジュールが、
(i)真空状態にある気密シールされた内部空間を包囲し、かつ(ii)前記気密シールされた内部空間から分離されておりかつ真空状態にある内部チャンバ領域を実質的に包囲する二重壁気密シールジャケットを備えた真空断熱ハウジングと、
前記内部チャンバ領域内に配置されかつ前記少なくとも1つの超伝導勾配コイルと熱接触している熱シンク部材と、
少なくとも熱シンク部材を極低温冷却し、これにより前記熱シンク部材と熱接触している少なくとも1つのそれぞれの超伝導勾配磁界コイルを極低温冷却するように構成されたポートと、
を有していることを特徴とする磁気共鳴イメージング方法。
【請求項19】
更に、少なくとも1つのRFコイルを使用して、検査領域に及び/又は検査領域から送信し又は受信し、又は送信及び受信の両方を行い、RFコイルは、前記モジュール内に配置されかつ冷却を行うように構成されており、かつ(i)室温より低い温度に冷却されると、該温度での銅の伝導率より高い伝導率を有する非超伝導材料、及び(ii)超伝導材料の少なくとも一方からなる
ことを特徴とする請求項28記載の磁気共鳴イメージング方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのRFコイルの少なくとも1つは、前記熱シンク部材と熱接触している
ことを特徴とする請求項19記載の磁気共鳴イメージング方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2012−523902(P2012−523902A)
【公表日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−505995(P2012−505995)
【出願日】平成22年4月19日(2010.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2010/031611
【国際公開番号】WO2010/121253
【国際公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(511220784)タイム メディカル ホールディングス カンパニー リミテッド (4)
【Fターム(参考)】