磁気斥力を有する筆記具
本発明は、管状本体部(10)と、伸長位置と引込位置との間で本体部に対して移動可能な筆記部材(2)と、を備える筆記具に関する。第1磁気部材(3)は、筆記具(2)に固定されている。器具は、第2磁気部材(4)と引込構成から筆記構成まで移動するように構成された作動部材(A)とを有する選択デバイス(20)を有する。引込構成において、磁気部材(3、4)は、互いに接触する反対側の磁極を有する。他の構成において、磁気部材は、互いに向かい合う同一極性の極を有し、斥力を生成し、この斥力が、筆記部材が本体部の長手方向当接部(12)と接触しかつ後方へ移動可能なままである最大伸長位置に向けて筆記部材を付勢し、斥力は、この構成において、筆記圧を吸収するように構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクペンのような筆記具に、特に、筆記具であって、
− 前端部と後端部との間で長手方向に延在する管状本体部と、
− 筆記部材であって、筆記部材が本体部の前方から突出する伸長位置と筆記具が本体部内に収容される引込位置との間で本体部に対して移動可能である、筆記部材と、
− 筆記部材に固定されそれと共に移動可能な第1磁気部材と、
− 第2磁気部材及び作動部材を備える選択デバイスであって、筆記部材が引き込み位置にある当該デバイスの第1構造から筆記部材が伸長位置にある第2構造まで移動するように構成された、選択デバイスと、
を備える筆記具、に関する。
【背景技術】
【0002】
上記タイプの筆記具は、バネの使用を回避する。特許文献1は、ボールペンの先端を伸長させる/引き込む磁気デバイスを開示している。このデバイスは、先端に固定された磁石であってそれと共にスライドする磁石と、スライド磁石を引き付けて引き込み位置を得る作動磁石と、を備える。ペン先の伸長位置は、軸回りに作動磁石を回転させることによって得られる(特に、特許文献1における図5の実施形態を参照)。このタイプの用具は、筆記素子の位置を選択し、先端に固定された磁石と回転可能に作動した磁石との間で磁気的に確立された「結合」を用いて、同時に筆記素子を選択した位置で不動とすることを可能とする。
【0003】
同様に、特許文献2から、作動すること及び筆記位置を維持することを可能とする筆記用具が知られている。作動は、管状本体部の外側にあるノブに配置された第1磁石を回転させることによる磁気である。この第1磁石は、筆記素子に固定された第2内部磁石に斥力を掛ける。斥力の影響から、筆記部材は、管状本体部の前端部の基端側にある保持面及び素子によって規定される保持領域に留まり、筆記部材の伸長位置は、筆記中に固定される。この伸長位置は、第1磁石と第2磁石との間に掛かる磁力を反転させることによってのみ変更され、もちろん、これは、引込位置に復帰させる。
【0004】
しかしながら、このような用具は、筆記圧に適応していない。
【0005】
使用が快適であり、筆記部材を引き込む可能性に適合し、かつ好ましくは経済的である筆記具に関する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/060697号パンフレット
【特許文献2】米国特許第3063419号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、設計が容易であることを維持しつつ、容易に作動される引き込み可能な先端であって筆記時のある出来事により適応する先端を有する筆記具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明における筆記具は、第1及び第2磁気部材が互いに接触する反対の磁極を有する第1構成を有し、第2構成において、第1及び第2磁気部材は、互いに向かい合う同一極性からなる極を有して、斥力を生成し、この斥力は、筆記部材が本体部の長手方向当接部と接触しかつ後方に移動可能なままである最大伸長位置に向けて筆記部材を付勢し、上記第1構成における斥力は、筆記圧を緩和させるように構成され、第2磁気部材は、2つの構成間を所定角度だけ回動軸で回転する。
【0009】
このため、筆記部材は、有利には、磁気緩和システムに関連付けられており、この磁気緩和システムは、筆記部材を筆記可能とするために最大伸長位置に向けて押圧する。この構成は、使い勝手がよくかつコンパクトであり、一方の磁石を他方から離間させて移動させる必要がなく、単純な回転で十分である。
【0010】
ユーザに対して、これは、使いやすさを向上させる。ペン先の磁気的緩和は、筆記中に不快を生じさせることなく(ユーザが過剰な圧力を掛けた場合に)紙を引き裂く危険性を低減する。斥力の非線形性(開始時に斥力が小さい)は、同様に、過剰な圧力に対して非常に十分に反応する間に後方への移動を可能とし、これは、この構成において筆記点を引き込む危険性を制限する。
【0011】
本発明の特有の特徴において、第1磁気部材及び第2磁気部材は、本体部の内側に配置されている。この配置は、磁石をコンパクトな態様でまとめ、磁気部材の面を外面の汚染から保護する。
【0012】
特有の特徴において、第1及び第2磁気部材は、第1及び第2構成にある本体部を横断する平面に面を有する。これら面は、概して平坦であり、引力及び斤力からなる磁力は、接近時に接触する(磁力線が平行である)ので、最大化される。
【0013】
別の特有の特徴において、本体部は、第1及び第2構成に対応する位置において作動部材をロックするロック部材を有する。所定位置にペン先をロックすることは、例えば本体部の外面に形成された凹凸を有する作動部材を引き込むことによって達成される。この配置は、筆記具の本体部における内部容積内に収容された部分とロックすることを確立することを防止する。
【0014】
別の特有の特徴において、作動部材は、好ましくは第2磁気部材の最大寸法よりも十分に大きい長さとするために、本体部の外壁部に沿って延在する細長い部材である。これは、作動中にユーザに対して快適な把持をもたらす。作動部材の寸法は、磁気部材の寸法と比較して大きい(このため、磁気部材のサイズは、筆記具の内側に限定される)。
【0015】
別の特有の特徴において、作動部材は、横断軸に回動可能に取り付けられている。横断する回転軸を有するこの配置は、第2磁気部材を第1磁気部材の接する面から離間させるために掛けなければならないトルクを最小化する。このため、ユーザは、過剰な労力なく第2構成から第1構成まで変化させる。作動部材は、クリップを形成する。これは、ユーザがアクチュエータとして及び(例えばシャツの前ポケットへの)取付部として同一部分を使用できるので、部品数を最小化する。
【0016】
別の特有の特徴において、作動部材は、回動軸を形成しかつ内部支持部を支持するピンに固定されており、第2磁気部材は、内部支持部に取り付けられている。支持部、ピン及び作動部材は、単一部品として形成されている。また、ピンは、コンパクトな態様で第2磁気部材を収容し、それが軸方向で移動することを可能としない。
【0017】
別の特有の特徴において、第2磁気部材は、長手方向軸に対して回転移動可能であり、作動部材に固定されている。したがって、磁石のための回動機構は、特に単純になる。
【0018】
別の特有の特徴において、選択デバイスは、作動部材を第2磁気部材の回動軸に接続する機構をさらに備え、上記機構は、選択デバイスが第1構成から第2構成まで変化されると第2磁気部材が前方に移動し、選択デバイスが第2構成から第1構成まで変化されると第2磁気部材が後方へ移動するように構成されている。この配置は、経路を長くし、ペン先は、使用位置において磁石間に多すぎる空間を導入することなく、適切な距離だけ延長される。主として、この場合において、磁石は、多極面を有する。
【0019】
別の特有の特徴において、筆記部材の肩部は、最大伸長位置において長手方向当接部と接触する。
【0020】
本発明の他の特徴及び有利点は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例として提供されるいくつかの実施形態における以下の説明を読むことによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態における筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が伸長位置にある、長手方向断面図である。
【図2A】図1の筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が引込位置にある、長手方向断面図である。
【図2B】図1の筆記具を示す斜視図であって、ペン先が引込位置にある、斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における筆記具の一部を示す前面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における筆記具の一部を示す斜視図である。
【図5A】本発明の第2実施形態における筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が伸長位置にある、長手方向断面図である。
【図5B】本発明の第2実施形態における筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が引込位置にある、長手方向断面図である。
【図6】図5A及び図5Bの筆記具を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態における筆記具の後端部を示す詳細な長手方向断面図である。
【図8】図5A、図5B及び図6の筆記具の詳細な部分を示す斜視図である。
【図9】図5A、図5B及び図6の筆記具の詳細な部分を示す斜視図である。
【図10】本発明の変形実施形態における筆記具を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
さまざまな図において、同一の参照符号は、同一のまたは同様の素子を示す。筆記具1は、ペン先2を用いた任意の筆記する、消去するまたはハイライトを付ける媒体であって以下の説明ではインクと称される媒体における筆記を可能とする。
【0023】
特に図1、図2A及び図2Bを参照すると、筆記具1は、キャップを有さずに示されており、ペン先2は、一対の磁石3、4のシステムを用いて引き込まれている。引き込み位置において、ペン先2は、突出しておらず、したがって、筆記するために使用できない。磁石4を回動軸X回りに移動させることにより、ペン先2は、1つの位置から他の位置まで変化することが可能となる。
【0024】
筆記具1は、好ましくはクリップ5が備えられた後端部と例えばテーパ状でありかつ円錐部分または同様の配置からなる前端部との間で延在する。好ましい実施形態において、筆記具1は、以下の説明で円筒部10と称される管状本体部を備える。図1から図6の非限定的な例において、2つの磁石3、4は、この円筒部10内に配置される。
【0025】
ペン先2は、上記対の第1磁石を備えるスライド器具11の一部である。器具11は、円筒部10と同軸であり、円筒部10の当接面12によって停止される肩部11aを有する。この当接面12は、リングであり、円筒部10の中心軸14に対して垂直に延在する。円筒部10の1以上の内面f(下線付きのf)は、案内手段を有し、この案内手段は、肩部11aの前方が当接面12と接触する伸長位置とペン先2の後退位置との間で器具11を案内するとして既知である。後退位置において、第1磁石3は、第2磁石4に接触するまたはできるだけ近接し、この第2磁石は、円筒部10に接続されている。あるいは、例えば2つの他の磁気部材間に配置された磁気部材など、2を越える磁石を使用してもよい。
【0026】
図1及び図5Aに示す伸長位置において、ペン先2は、前方開口部を通過して円筒部10の前端部10aに対して突出し、筆記は、可能となる。ここで、第2磁石4は、選択デバイス20のそれぞれの構成においてペン先2と同軸である。既知の方法で、ペン先2には、長手方向通路14を介してインク13が供給されており、この長手方向通路は、インクチャンバ15と連通している。このため、器具11は、筆記ユニットを規定する。例えば通気穴15aがインクチャンバ15の後方にあり、空気が自由に通過することを可能とする。円筒部10は、後方開口部16及び中空部17を有し、これを通って、空気は、後方開口部16と通気穴15aとの間を流動する。
【0027】
また、中空部17は、第2磁石4の少なくとも一部を収容する。この第2磁石4の横断面は、中空部の横断面よりも小さく、空気が後方開口部10bと通気穴15aとの間を通過することを可能とする。やや好ましい実施形態において、通気は、筆記具1の後端部10b以外、例えば前端部10aの基端側にあることによって達成されてもよい。この場合において、通気穴15aは、例えば円筒部10と器具11との間に画定された通路と連通し、通気穴を導く。
【0028】
図1、図2a、図5A及び図5Bには、選択デバイス20を示しており、この選択デバイスは、磁石4及び作動部材Aを備え、この作動部材は、第2磁石4の回転移動を制御する。この選択デバイス20は、例えば磁石4の軸X回りで回動する。このため、磁石は、選択デバイス20が引込位置に対応する第1構成から伸長位置に対応する第2構成まで変化すると、所定の角度だけ回転する。作動部材Aは、好ましくは、円筒部10の外壁部に沿って延在する細長い部材であり、第2磁石4の寸法よりもずっと大きな寸法を有し、ユーザによる操作を容易にし、円筒部10の内側で必要な容積を低減する。特に、作動部材Aの長さは、例えば磁石4の最も大きな寸法の少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍大きい。
【0029】
図2A及び図5Bの引込位置が分かるように、この位置において、2つの磁石3、4は、補完的な極性の磁極間の引力によって接触する。そして、選択デバイス20は、その第1構成にある。ユーザが作動部材Aを回動軸X回りで例えば非限定的な例で180°回転させると、選択デバイス20は、図1及び図5Aに示す第2構成に配置される。磁石4を回転させるので、同一極性の2つの極は、ここでは互いに向き合い、したがって、互いに反発する。結果として生じる斥力は、ペン先2を最大伸長位置に向けて付勢する。この場合において、器具11の肩部11aは、円筒部10の長手方向当接部の当接面12に当接して軸方向に押圧する。
【0030】
器具11が選択デバイス20の第2構成においてその後方への移動可能性を維持しながら、斥力は、筆記圧を緩和するのに十分である。非限定的な例として、習慣的な筆記圧は、ペン先2を1mmから4mmだけ後退させ、ペン先2の変位幅dは、引込及び伸長位置間で例えば5mmから12mmのオーダーである。斥力は、最大伸長位置において約1ニュートンであり、ペン先2が円筒部10の前端部10aとほぼ同一レベルにある最大圧迫位置において7ニュートンである。
【0031】
第1実施形態は、ここで図1から図4に関して説明される。
【0032】
図2Aにおいて、ペン先2が引込位置にあると、第2磁石4のS極は、後方を向き、第1磁石3の後方によって規定されるS極は、第2磁石の前側によって引かれる。作動部材Aの主要部分を構成するクリップ5を円筒部10に対して回転させることにより、第2磁石4を回転させる。この回転は、横断軸X回りで発生する。
【0033】
ここでは180°回転させると、第1磁石3は、ここで第2磁石の他の側面を向き、この他の側面は、図1に示すように、同一極性(S極)を有する。磁界間の斥力は、第1磁石3の移動を引き起こし、これは、さらにペン先2の変位を引き起こす。また、この斥力は、筆記圧を磁気的に緩和するような方法で、ペン先2の伸長位置において掛けられる。
【0034】
図1及び図2Aに示すように、磁石4の2つの側面は、伸長位置及び引込位置双方に関して、ペン先2が変位する方向に垂直である。伸長位置に変更するため、横断軸X回りの回転移動は、2面間の磁気結合を遮断することを容易にする。図2B及び図3は、円筒部10に窓部24があることを示しており、この窓部を通って、第2磁石4が見える。この任意の窓部24には、透光性のカバーが嵌め込まれている。この実施形態において、作動部材Aは、回動軸Xを形成するピン25に固定されている。ピン25は、第2磁石4が取り付けられる内部支持部26を有する。ここで、ピン25、内部支持部26及び作動部材Aは、単一部品で形成されている。
【0035】
ピン25は、第2磁石4の例えば一方の極、この例においてN極に近接している。第2磁石4の横断中央面に対するこのオフセットは、梃子の原理により2つの磁石3、4間の磁気結合を遮断することに寄与する。図1に示すように、このタイプの機構は、第2磁石4を円筒部10の内側においてより前方に配置することが可能となるという特有の利点を有する。より一般的には、選択デバイス20は、選択デバイス20の第1構成から第2構成まで変化させるときに第2磁石を前進させるために、作動部材Aとピン25との間に機構を備える。理解することは、ペン先2の変位幅dは、合計「d1+d2」にほぼ対応することであり、ここで、d1は、第2磁石4を回転させるための機構に起因する前進距離を示し、d2は、2つの磁石3、4間の磁気斥力に起因する距離を示す。2つの磁石3、4における2つの向かい合う側面間の距離d2は、例として図1に示すように、ペン先2の最大伸長位置に関して前進距離d1よりも十分に小さい。理解することは、磁石に関するこの前進/引込機構は、斥力を増大させることを可能とする。この力の増大は、距離d2が小さいときに非常に強力である。
【0036】
図2Aを参照すると、第2磁石4の位置は、図1よりもさらに後方にある。引込構成へ変化させるために回転させるときにおいて、磁石3、4それぞれの2つの補完的な極間の最大距離は、距離d以下である。好ましくは、この距離は、限界分離距離(threshold separation distance)未満であり、この限界分離距離を越えると、引力は、円筒部10内で自由にスライドする器具11の重量をもはや相殺できない。
【0037】
第2磁石4の反発極、ここではS極に対応する面は、第2磁石4が回転段階にあるときに窓部24を通過する。図4は、2つの窓部24を円筒部10の各側面に設け、磁石が円筒部10に妨害されることなく回動軸X回りで完全に360°回転することを可能とする。これら窓部57は、同様に排除してもよく、円筒部の及び/または第2磁石4の寸法は、それに応じて調整される。理解することは、円筒部10が変形実施形態において大きく、円筒部10が例えば2つの磁石3、4を有する磁気デバイスを収容する機能する部分において少なくとも拡大されることである。
【0038】
この例においてかつ図3及び図4に示すように、円筒部10は、2つの部分27、28を備え、これら2つの部分は、重ね合わされ、かつピン25を一定の長手方向位置でロックする。特に、円筒部10は、スライド器具11を収容する主要部分27と、磁気デバイスを被覆する後方部分28と、を有する。後方部分28は、主要部分27の2つのスリット29と係合する2つのタブを有する。取り付けは、例えば後方部分28が主要部分の外肩部31に当接して押圧するまで、後方部分28を主要部分27のスロット付端部30に密に嵌合することによって達成される。理解することは、円筒部10の主要部分27の内部容積において、器具11がスライドし、かつ例えば移動運動を案内する内部素子によって回転することが防止されていることである。
【0039】
図2A、図2B及び図3を参照すると、作動部材Aの把持可能な部分は、固定具またはクリップ5に相当し、このクリップは、ペン先2が引込位置にあるときに円筒部10の前端部10aに向けて延在する取付部分5aを有する。クリップ5は、取り付けるためと、ペン先2の位置を作動させるためと、の2つの目的を有する。ユーザは、ペン先2が引込位置にあるときにのみこの取付機能が利用可能であることが分かる。他の方法では、図1に示すように、クリップ5は、筆記具1の方向とは反対側の方向に延在し、それを任意の支持部の縁部に引っ掛けることを阻害するまたは妨害する(そして、筆記具1の主要部分は、支持部に取り付けられない)。
【0040】
作動部材Aを側面に配置して第2磁石4を円筒部10の内側に収容することにより、筆記具が、その後端部10bにおいて作動部材が場所を取ることと、磁石4の面を露出させてユーザと接触させることがないことと、を可能とする。別の結果は、この後端部に対するより良好な耐衝撃性である。第1実施形態において、作動部材Aによって規定されるクリップ5は、好ましくは、形状において全体的に平坦でない、例えば楕円形または円形の横断面を有し、把持を容易にする。
【0041】
図1から図3に示すように、円筒部10に対してクリップ5の位置を維持することは、クリップ5の機能的な端部の反対側で達成される。選択デバイス20の回転は、例えば、棘突起部(spur)5bを円筒部10に形成された保持ポケット内に挿入することによって阻止される。図3の例において、一対のリブ32は、選択デバイス20が第1(引込)構成において回転することを防止する。別の対のリブ33は、選択デバイス20がペン先2が伸長位置にある第2構成において回転することを防止する。各対のリブ32、33によって画定されるポケットそれぞれは、ここでは、長手方向の配列で配置される。作動部材Aに隣接するピン25の部分は、この配列の中点位置にあり、2対のリブ32、33から等距離にある。変形実施形態において、それぞれの対のリブ32、33は、作動部材Aの一端部にあるスリットと協働する突起部で置換されてもよい。
【0042】
より一般的には、理解することは、円筒部10が作動部材Aを第1及び第2構成に対応する位置にロックするロック手段32、33を有することである。図1から図3の例において、円筒部10及び作動部材Aは、好ましくは、それぞれプラスチック材料で形成され、この場合において、ロックすることは、基本的に円筒部10の一部に作動部材Aの一部として形成された棘突起部5bまたは同様の突起部を係合することによって達成される。
【0043】
ここで、図5Aから図9を参照しながら第2実施形態を説明する。この第2実施形態において、第1及び第2磁石3、4の少なくとも一方は、少なくとも双極子、好ましくは平坦であり、選択デバイス20の相対的な構成において磁石3、4の他方を向く側面を有する。この第2実施形態が2つの磁石3、4を使用することを示しているが、理解することは、第2磁石4が同様にいくつかの磁石に対応してもよいことである。同じことが第1磁石3にも当てはまる。
【0044】
図6及び図7に示すように、筆記具1は、スライド器具11を収容するように機能する管状部分27の後端部を囲む選択デバイス20を有する。もちろん、変形例において、部分27は、複数の部分の組立体で置換されてもよい。この第2実施形態において、選択デバイス20は、円筒部10の長手方向軸回りで回転するように組み立てられている。特に、選択デバイス20は、好ましくは一部品で形成されて円筒部10の後方を形成する作動部材Aを備える。この作動部材Aは、例えば溝部並びにリブ及び/または棘突起部からなるシステムを用いて、管状部分27と同軸に組み立てられている。
【0045】
図5A及び図5Bを参照すると、ペン先2は、伸長位置(図5A)と引込位置(図5B)との間で移動される。第1実施形態のように、磁石3、4の極それぞれは、互いを向く側面が補完的な磁力線を有する場合に相互に作用される。作動部材Aを円筒部10の管状部分27に対して回転させることにより、第2磁石4の回転を引き起こす。この回転は、長手方向軸X、例えば管状部分27の対称軸回りで発生する。
【0046】
ここでは、回転が180°であるが、変形例として、角度が小さい回転は、可能である。磁石3、4それぞれは、例えばシリンダ状部分で形成されている。そして、これら磁石3、4の端面それぞれは、長手方向の中間面の各側面、N極を形成する領域とS極を形成する領域と、に形成される。第1実施形態に類似の方法において、ペン先2が後退位置(図5B)にあると、第2磁石4の前面における各領域の磁力線は、第1磁石3の向かい合う領域における磁力線と同一方向で方向付けられている。
【0047】
このため、2つの磁石3、4は、磁気引力の作用に接触するまたはほぼ接触している。図5B及び図8を参照すると、ペン先2に接続される第1磁石は、この場合において、第2磁石4を形成する部分の凹所34内に収容されている。
【0048】
選択デバイス20を管状部分27に対して回転させることにより、第2磁石4の180°の回転を引き起こす。第2構成に対応する第2磁石4のこの新たな位置に関して、磁化された面の向かい合う領域は、斥力を掛ける。この第2構成においてかつ図5Aに示すように、ペン先2は、その後退位置に対して変位幅だけ前進する。この例において、ペン先2が変位することによって、単に、磁石3、4間の斥力をもたらす。幅は、例えば最大伸長位置と最大圧迫位置との間の変位幅よりも例えば0.5mmから1mmだけ大きい。
【0049】
図5A、図5B及び図7に示すように、磁石4は、キャップ状部分の凹所内に固定されており、このキャップ状部分は、選択デバイス20の作動部材Aを規定する。このため、第2磁石4は、器具11の用には管状部分27に対してスライドすることが可能となっていない。図8に示すように、器具11は、第1磁石3を形成する部分の周囲に形成された1以上の長手方向リブ35によってその移動運動で案内されている。器具11のスライドは、ここでは、第1実施形態のスライドに完全に類似している。図5Aに示すペン先2の最大伸長位置において、当接部12と肩部11aとの間に接触が発生する。リブ35は、同様に、器具11のこの最大伸長位置において、管状部分27の面に同時に当接して押圧する。
【0050】
図5A及び図5Bの非限定的な例において、当接面それぞれは、好ましくは、管状部分27の横断面からなる。このため、当接面12は、器具11の肩部11aがさらに前方に移動することを防止する。理解することは、器具11がそして管状部分27の内面に対する摩擦なく筆記圧中に得られることである。これは、器具11が引っ掛かる危険性を排除する。
【0051】
図7及び図9を参照すると、選択デバイス20の管状部分27に対する回転変位は、作動部材Aの内面にある1以上の溝部40によって案内される。管状部分27と一体とされた棘突起部41は、図7から視認可能であり、溝部40内で移動し、選択デバイス20の回転経路における2つの極位置それぞれでロックされる。棘突起部41は、溝部40の端部40aにおいて円筒部により強固に接触し、各構成を所定位置にロックする。また、追加の案内溝部を管状部分27に設け、作動部材Aの内部リブと協働させてもよい。
【0052】
第2実施形態におけるこのタイプの選択デバイス20からなる組立体は、第2磁石4が第1磁石3を向く磁気的作動側面に垂直な長手方向軸で回転することを可能とする。この場合において、磁石3、4の面間の磁気結合を遮断することは、重ね合わせた補完的な極の変更によって容易にされ、この変更は、掛ける力を低減する。
【0053】
作動部材Aは、管状部分27に沿いかつクリップ5を規定する延長部を有する。このため、規定されたクリップ5の追加の長さを含む作動部材の全長は、第2磁石4の長さよりもずっと大きくなる。必要な内部容積は、低減され、作動部材Aを把持することは、特に快適になる。図6及び図7から分かるように、クリップ5の自由端部は、第1磁石よりもずっと前方に延在し、作動部材Aの反対側の端部は、円筒部10のテーパ状後端部10bを形成する。
【0054】
したがって、第2実施形態は、後方に取り付けるキャップを有する筆記具における使い勝手に相当する十分な使い勝手をもたらす。また、空気は、器具11の後端部及び選択デバイス20を通る経路を用いて、入ることが可能である。ここで、後方通気孔16は、円筒部10の長手方向軸回りを中心としているが、変形例において側面にずらされてもよい。
【0055】
変形実施形態において、選択デバイス20は、同様に、円筒部10の残りの部分に対して前進し、ペン先2の変位幅dを増大させる。このため、作動部材Aの内側にある半円状の溝部40は、螺旋状の溝部に置換されてもよい。より一般的には、理解することは、選択デバイス20が第2構造に変化するときに磁石4の前方への前進を形成する態様で、選択デバイス20が作動部材Aを第2磁気部材4の回動軸Xに接続することである。
【0056】
図10の例において、1以上の溝部42は、選択デバイス20の主として螺旋状の変位を可能とする。この配置において、第2磁石4は、円筒部10と同軸のままであり、管状部分27の内側で軸方向に変位する。溝部42は、選択デバイス20を案内する任意の手段によって置換されてもよい。このような案内手段は、選択デバイス20を基本的にその回転移動で案内する少なくとも1つの端部を有する。このため、図10を参照すると、溝部42の端部42a、42bは、構造の変化段階中に第2磁石をまず回転案内することを可能とする。磁石3、4間の磁気結合を遮断する場合において、これは、第2磁石4を前方に押圧する前にまず磁力線を変更することを可能とする。引き込む場合において、これは、第2磁石4を後方に引っ張る前にまず斥力を十分に低減することを可能とする。
【0057】
すなわち、作動部材Aは、初期的に、磁気斥力または引力を減少させる作用を有する第2磁石を回転させる。特に、この配置は、引込位置へ復帰することを容易にし、これは、主として、磁気引力の影響を受けて上昇する器具11に対応する。特に、距離が大きすぎることが磁気引力で相殺することをより困難とするので、磁石3、4間の距離が増大することを防止する。
【0058】
本発明の有利点の1つは、筆記中に得られる磁気的緩和作用である。さらに、ペン先2は、回転する選択デバイス20を筆記具1の管状本体部の外周に作動させることによって、単純に完全に引き込まれる。
【0059】
理解することは、上述した各例及び各実施形態の詳細が別個にまたは組み合わせて使用されてもよいことである。当業者に明らかなことは、本発明が本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく他の具体的な形態にある実施形態を可能とすることである。
【符号の説明】
【0060】
1 筆記具、2 ペン先(筆記部材)、3 第1磁気部材,第1磁石,磁石、4 第2磁気部材,第2磁石,磁石、5 クリップ、10 円筒部(筒本体部)、10a 前端部、10b 後端部,テーパ状後端部,後方開口部、11a 肩部、12 当接部,当接面(長手方向当接部)、20 選択デバイス、25 ピン、32,33 リブ(ロック部材)、40a 端部(ロック部材)、A 作動部材、X 回動軸
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクペンのような筆記具に、特に、筆記具であって、
− 前端部と後端部との間で長手方向に延在する管状本体部と、
− 筆記部材であって、筆記部材が本体部の前方から突出する伸長位置と筆記具が本体部内に収容される引込位置との間で本体部に対して移動可能である、筆記部材と、
− 筆記部材に固定されそれと共に移動可能な第1磁気部材と、
− 第2磁気部材及び作動部材を備える選択デバイスであって、筆記部材が引き込み位置にある当該デバイスの第1構造から筆記部材が伸長位置にある第2構造まで移動するように構成された、選択デバイスと、
を備える筆記具、に関する。
【背景技術】
【0002】
上記タイプの筆記具は、バネの使用を回避する。特許文献1は、ボールペンの先端を伸長させる/引き込む磁気デバイスを開示している。このデバイスは、先端に固定された磁石であってそれと共にスライドする磁石と、スライド磁石を引き付けて引き込み位置を得る作動磁石と、を備える。ペン先の伸長位置は、軸回りに作動磁石を回転させることによって得られる(特に、特許文献1における図5の実施形態を参照)。このタイプの用具は、筆記素子の位置を選択し、先端に固定された磁石と回転可能に作動した磁石との間で磁気的に確立された「結合」を用いて、同時に筆記素子を選択した位置で不動とすることを可能とする。
【0003】
同様に、特許文献2から、作動すること及び筆記位置を維持することを可能とする筆記用具が知られている。作動は、管状本体部の外側にあるノブに配置された第1磁石を回転させることによる磁気である。この第1磁石は、筆記素子に固定された第2内部磁石に斥力を掛ける。斥力の影響から、筆記部材は、管状本体部の前端部の基端側にある保持面及び素子によって規定される保持領域に留まり、筆記部材の伸長位置は、筆記中に固定される。この伸長位置は、第1磁石と第2磁石との間に掛かる磁力を反転させることによってのみ変更され、もちろん、これは、引込位置に復帰させる。
【0004】
しかしながら、このような用具は、筆記圧に適応していない。
【0005】
使用が快適であり、筆記部材を引き込む可能性に適合し、かつ好ましくは経済的である筆記具に関する必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2004/060697号パンフレット
【特許文献2】米国特許第3063419号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、設計が容易であることを維持しつつ、容易に作動される引き込み可能な先端であって筆記時のある出来事により適応する先端を有する筆記具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
このため、本発明における筆記具は、第1及び第2磁気部材が互いに接触する反対の磁極を有する第1構成を有し、第2構成において、第1及び第2磁気部材は、互いに向かい合う同一極性からなる極を有して、斥力を生成し、この斥力は、筆記部材が本体部の長手方向当接部と接触しかつ後方に移動可能なままである最大伸長位置に向けて筆記部材を付勢し、上記第1構成における斥力は、筆記圧を緩和させるように構成され、第2磁気部材は、2つの構成間を所定角度だけ回動軸で回転する。
【0009】
このため、筆記部材は、有利には、磁気緩和システムに関連付けられており、この磁気緩和システムは、筆記部材を筆記可能とするために最大伸長位置に向けて押圧する。この構成は、使い勝手がよくかつコンパクトであり、一方の磁石を他方から離間させて移動させる必要がなく、単純な回転で十分である。
【0010】
ユーザに対して、これは、使いやすさを向上させる。ペン先の磁気的緩和は、筆記中に不快を生じさせることなく(ユーザが過剰な圧力を掛けた場合に)紙を引き裂く危険性を低減する。斥力の非線形性(開始時に斥力が小さい)は、同様に、過剰な圧力に対して非常に十分に反応する間に後方への移動を可能とし、これは、この構成において筆記点を引き込む危険性を制限する。
【0011】
本発明の特有の特徴において、第1磁気部材及び第2磁気部材は、本体部の内側に配置されている。この配置は、磁石をコンパクトな態様でまとめ、磁気部材の面を外面の汚染から保護する。
【0012】
特有の特徴において、第1及び第2磁気部材は、第1及び第2構成にある本体部を横断する平面に面を有する。これら面は、概して平坦であり、引力及び斤力からなる磁力は、接近時に接触する(磁力線が平行である)ので、最大化される。
【0013】
別の特有の特徴において、本体部は、第1及び第2構成に対応する位置において作動部材をロックするロック部材を有する。所定位置にペン先をロックすることは、例えば本体部の外面に形成された凹凸を有する作動部材を引き込むことによって達成される。この配置は、筆記具の本体部における内部容積内に収容された部分とロックすることを確立することを防止する。
【0014】
別の特有の特徴において、作動部材は、好ましくは第2磁気部材の最大寸法よりも十分に大きい長さとするために、本体部の外壁部に沿って延在する細長い部材である。これは、作動中にユーザに対して快適な把持をもたらす。作動部材の寸法は、磁気部材の寸法と比較して大きい(このため、磁気部材のサイズは、筆記具の内側に限定される)。
【0015】
別の特有の特徴において、作動部材は、横断軸に回動可能に取り付けられている。横断する回転軸を有するこの配置は、第2磁気部材を第1磁気部材の接する面から離間させるために掛けなければならないトルクを最小化する。このため、ユーザは、過剰な労力なく第2構成から第1構成まで変化させる。作動部材は、クリップを形成する。これは、ユーザがアクチュエータとして及び(例えばシャツの前ポケットへの)取付部として同一部分を使用できるので、部品数を最小化する。
【0016】
別の特有の特徴において、作動部材は、回動軸を形成しかつ内部支持部を支持するピンに固定されており、第2磁気部材は、内部支持部に取り付けられている。支持部、ピン及び作動部材は、単一部品として形成されている。また、ピンは、コンパクトな態様で第2磁気部材を収容し、それが軸方向で移動することを可能としない。
【0017】
別の特有の特徴において、第2磁気部材は、長手方向軸に対して回転移動可能であり、作動部材に固定されている。したがって、磁石のための回動機構は、特に単純になる。
【0018】
別の特有の特徴において、選択デバイスは、作動部材を第2磁気部材の回動軸に接続する機構をさらに備え、上記機構は、選択デバイスが第1構成から第2構成まで変化されると第2磁気部材が前方に移動し、選択デバイスが第2構成から第1構成まで変化されると第2磁気部材が後方へ移動するように構成されている。この配置は、経路を長くし、ペン先は、使用位置において磁石間に多すぎる空間を導入することなく、適切な距離だけ延長される。主として、この場合において、磁石は、多極面を有する。
【0019】
別の特有の特徴において、筆記部材の肩部は、最大伸長位置において長手方向当接部と接触する。
【0020】
本発明の他の特徴及び有利点は、添付の図面を参照しながら、非限定的な例として提供されるいくつかの実施形態における以下の説明を読むことによって明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態における筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が伸長位置にある、長手方向断面図である。
【図2A】図1の筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が引込位置にある、長手方向断面図である。
【図2B】図1の筆記具を示す斜視図であって、ペン先が引込位置にある、斜視図である。
【図3】本発明の第1実施形態における筆記具の一部を示す前面図である。
【図4】本発明の第1実施形態における筆記具の一部を示す斜視図である。
【図5A】本発明の第2実施形態における筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が伸長位置にある、長手方向断面図である。
【図5B】本発明の第2実施形態における筆記具を示す長手方向断面図であって、ペン先が引込位置にある、長手方向断面図である。
【図6】図5A及び図5Bの筆記具を示す斜視図である。
【図7】本発明の第2実施形態における筆記具の後端部を示す詳細な長手方向断面図である。
【図8】図5A、図5B及び図6の筆記具の詳細な部分を示す斜視図である。
【図9】図5A、図5B及び図6の筆記具の詳細な部分を示す斜視図である。
【図10】本発明の変形実施形態における筆記具を示す詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
さまざまな図において、同一の参照符号は、同一のまたは同様の素子を示す。筆記具1は、ペン先2を用いた任意の筆記する、消去するまたはハイライトを付ける媒体であって以下の説明ではインクと称される媒体における筆記を可能とする。
【0023】
特に図1、図2A及び図2Bを参照すると、筆記具1は、キャップを有さずに示されており、ペン先2は、一対の磁石3、4のシステムを用いて引き込まれている。引き込み位置において、ペン先2は、突出しておらず、したがって、筆記するために使用できない。磁石4を回動軸X回りに移動させることにより、ペン先2は、1つの位置から他の位置まで変化することが可能となる。
【0024】
筆記具1は、好ましくはクリップ5が備えられた後端部と例えばテーパ状でありかつ円錐部分または同様の配置からなる前端部との間で延在する。好ましい実施形態において、筆記具1は、以下の説明で円筒部10と称される管状本体部を備える。図1から図6の非限定的な例において、2つの磁石3、4は、この円筒部10内に配置される。
【0025】
ペン先2は、上記対の第1磁石を備えるスライド器具11の一部である。器具11は、円筒部10と同軸であり、円筒部10の当接面12によって停止される肩部11aを有する。この当接面12は、リングであり、円筒部10の中心軸14に対して垂直に延在する。円筒部10の1以上の内面f(下線付きのf)は、案内手段を有し、この案内手段は、肩部11aの前方が当接面12と接触する伸長位置とペン先2の後退位置との間で器具11を案内するとして既知である。後退位置において、第1磁石3は、第2磁石4に接触するまたはできるだけ近接し、この第2磁石は、円筒部10に接続されている。あるいは、例えば2つの他の磁気部材間に配置された磁気部材など、2を越える磁石を使用してもよい。
【0026】
図1及び図5Aに示す伸長位置において、ペン先2は、前方開口部を通過して円筒部10の前端部10aに対して突出し、筆記は、可能となる。ここで、第2磁石4は、選択デバイス20のそれぞれの構成においてペン先2と同軸である。既知の方法で、ペン先2には、長手方向通路14を介してインク13が供給されており、この長手方向通路は、インクチャンバ15と連通している。このため、器具11は、筆記ユニットを規定する。例えば通気穴15aがインクチャンバ15の後方にあり、空気が自由に通過することを可能とする。円筒部10は、後方開口部16及び中空部17を有し、これを通って、空気は、後方開口部16と通気穴15aとの間を流動する。
【0027】
また、中空部17は、第2磁石4の少なくとも一部を収容する。この第2磁石4の横断面は、中空部の横断面よりも小さく、空気が後方開口部10bと通気穴15aとの間を通過することを可能とする。やや好ましい実施形態において、通気は、筆記具1の後端部10b以外、例えば前端部10aの基端側にあることによって達成されてもよい。この場合において、通気穴15aは、例えば円筒部10と器具11との間に画定された通路と連通し、通気穴を導く。
【0028】
図1、図2a、図5A及び図5Bには、選択デバイス20を示しており、この選択デバイスは、磁石4及び作動部材Aを備え、この作動部材は、第2磁石4の回転移動を制御する。この選択デバイス20は、例えば磁石4の軸X回りで回動する。このため、磁石は、選択デバイス20が引込位置に対応する第1構成から伸長位置に対応する第2構成まで変化すると、所定の角度だけ回転する。作動部材Aは、好ましくは、円筒部10の外壁部に沿って延在する細長い部材であり、第2磁石4の寸法よりもずっと大きな寸法を有し、ユーザによる操作を容易にし、円筒部10の内側で必要な容積を低減する。特に、作動部材Aの長さは、例えば磁石4の最も大きな寸法の少なくとも2倍、より好ましくは少なくとも3倍大きい。
【0029】
図2A及び図5Bの引込位置が分かるように、この位置において、2つの磁石3、4は、補完的な極性の磁極間の引力によって接触する。そして、選択デバイス20は、その第1構成にある。ユーザが作動部材Aを回動軸X回りで例えば非限定的な例で180°回転させると、選択デバイス20は、図1及び図5Aに示す第2構成に配置される。磁石4を回転させるので、同一極性の2つの極は、ここでは互いに向き合い、したがって、互いに反発する。結果として生じる斥力は、ペン先2を最大伸長位置に向けて付勢する。この場合において、器具11の肩部11aは、円筒部10の長手方向当接部の当接面12に当接して軸方向に押圧する。
【0030】
器具11が選択デバイス20の第2構成においてその後方への移動可能性を維持しながら、斥力は、筆記圧を緩和するのに十分である。非限定的な例として、習慣的な筆記圧は、ペン先2を1mmから4mmだけ後退させ、ペン先2の変位幅dは、引込及び伸長位置間で例えば5mmから12mmのオーダーである。斥力は、最大伸長位置において約1ニュートンであり、ペン先2が円筒部10の前端部10aとほぼ同一レベルにある最大圧迫位置において7ニュートンである。
【0031】
第1実施形態は、ここで図1から図4に関して説明される。
【0032】
図2Aにおいて、ペン先2が引込位置にあると、第2磁石4のS極は、後方を向き、第1磁石3の後方によって規定されるS極は、第2磁石の前側によって引かれる。作動部材Aの主要部分を構成するクリップ5を円筒部10に対して回転させることにより、第2磁石4を回転させる。この回転は、横断軸X回りで発生する。
【0033】
ここでは180°回転させると、第1磁石3は、ここで第2磁石の他の側面を向き、この他の側面は、図1に示すように、同一極性(S極)を有する。磁界間の斥力は、第1磁石3の移動を引き起こし、これは、さらにペン先2の変位を引き起こす。また、この斥力は、筆記圧を磁気的に緩和するような方法で、ペン先2の伸長位置において掛けられる。
【0034】
図1及び図2Aに示すように、磁石4の2つの側面は、伸長位置及び引込位置双方に関して、ペン先2が変位する方向に垂直である。伸長位置に変更するため、横断軸X回りの回転移動は、2面間の磁気結合を遮断することを容易にする。図2B及び図3は、円筒部10に窓部24があることを示しており、この窓部を通って、第2磁石4が見える。この任意の窓部24には、透光性のカバーが嵌め込まれている。この実施形態において、作動部材Aは、回動軸Xを形成するピン25に固定されている。ピン25は、第2磁石4が取り付けられる内部支持部26を有する。ここで、ピン25、内部支持部26及び作動部材Aは、単一部品で形成されている。
【0035】
ピン25は、第2磁石4の例えば一方の極、この例においてN極に近接している。第2磁石4の横断中央面に対するこのオフセットは、梃子の原理により2つの磁石3、4間の磁気結合を遮断することに寄与する。図1に示すように、このタイプの機構は、第2磁石4を円筒部10の内側においてより前方に配置することが可能となるという特有の利点を有する。より一般的には、選択デバイス20は、選択デバイス20の第1構成から第2構成まで変化させるときに第2磁石を前進させるために、作動部材Aとピン25との間に機構を備える。理解することは、ペン先2の変位幅dは、合計「d1+d2」にほぼ対応することであり、ここで、d1は、第2磁石4を回転させるための機構に起因する前進距離を示し、d2は、2つの磁石3、4間の磁気斥力に起因する距離を示す。2つの磁石3、4における2つの向かい合う側面間の距離d2は、例として図1に示すように、ペン先2の最大伸長位置に関して前進距離d1よりも十分に小さい。理解することは、磁石に関するこの前進/引込機構は、斥力を増大させることを可能とする。この力の増大は、距離d2が小さいときに非常に強力である。
【0036】
図2Aを参照すると、第2磁石4の位置は、図1よりもさらに後方にある。引込構成へ変化させるために回転させるときにおいて、磁石3、4それぞれの2つの補完的な極間の最大距離は、距離d以下である。好ましくは、この距離は、限界分離距離(threshold separation distance)未満であり、この限界分離距離を越えると、引力は、円筒部10内で自由にスライドする器具11の重量をもはや相殺できない。
【0037】
第2磁石4の反発極、ここではS極に対応する面は、第2磁石4が回転段階にあるときに窓部24を通過する。図4は、2つの窓部24を円筒部10の各側面に設け、磁石が円筒部10に妨害されることなく回動軸X回りで完全に360°回転することを可能とする。これら窓部57は、同様に排除してもよく、円筒部の及び/または第2磁石4の寸法は、それに応じて調整される。理解することは、円筒部10が変形実施形態において大きく、円筒部10が例えば2つの磁石3、4を有する磁気デバイスを収容する機能する部分において少なくとも拡大されることである。
【0038】
この例においてかつ図3及び図4に示すように、円筒部10は、2つの部分27、28を備え、これら2つの部分は、重ね合わされ、かつピン25を一定の長手方向位置でロックする。特に、円筒部10は、スライド器具11を収容する主要部分27と、磁気デバイスを被覆する後方部分28と、を有する。後方部分28は、主要部分27の2つのスリット29と係合する2つのタブを有する。取り付けは、例えば後方部分28が主要部分の外肩部31に当接して押圧するまで、後方部分28を主要部分27のスロット付端部30に密に嵌合することによって達成される。理解することは、円筒部10の主要部分27の内部容積において、器具11がスライドし、かつ例えば移動運動を案内する内部素子によって回転することが防止されていることである。
【0039】
図2A、図2B及び図3を参照すると、作動部材Aの把持可能な部分は、固定具またはクリップ5に相当し、このクリップは、ペン先2が引込位置にあるときに円筒部10の前端部10aに向けて延在する取付部分5aを有する。クリップ5は、取り付けるためと、ペン先2の位置を作動させるためと、の2つの目的を有する。ユーザは、ペン先2が引込位置にあるときにのみこの取付機能が利用可能であることが分かる。他の方法では、図1に示すように、クリップ5は、筆記具1の方向とは反対側の方向に延在し、それを任意の支持部の縁部に引っ掛けることを阻害するまたは妨害する(そして、筆記具1の主要部分は、支持部に取り付けられない)。
【0040】
作動部材Aを側面に配置して第2磁石4を円筒部10の内側に収容することにより、筆記具が、その後端部10bにおいて作動部材が場所を取ることと、磁石4の面を露出させてユーザと接触させることがないことと、を可能とする。別の結果は、この後端部に対するより良好な耐衝撃性である。第1実施形態において、作動部材Aによって規定されるクリップ5は、好ましくは、形状において全体的に平坦でない、例えば楕円形または円形の横断面を有し、把持を容易にする。
【0041】
図1から図3に示すように、円筒部10に対してクリップ5の位置を維持することは、クリップ5の機能的な端部の反対側で達成される。選択デバイス20の回転は、例えば、棘突起部(spur)5bを円筒部10に形成された保持ポケット内に挿入することによって阻止される。図3の例において、一対のリブ32は、選択デバイス20が第1(引込)構成において回転することを防止する。別の対のリブ33は、選択デバイス20がペン先2が伸長位置にある第2構成において回転することを防止する。各対のリブ32、33によって画定されるポケットそれぞれは、ここでは、長手方向の配列で配置される。作動部材Aに隣接するピン25の部分は、この配列の中点位置にあり、2対のリブ32、33から等距離にある。変形実施形態において、それぞれの対のリブ32、33は、作動部材Aの一端部にあるスリットと協働する突起部で置換されてもよい。
【0042】
より一般的には、理解することは、円筒部10が作動部材Aを第1及び第2構成に対応する位置にロックするロック手段32、33を有することである。図1から図3の例において、円筒部10及び作動部材Aは、好ましくは、それぞれプラスチック材料で形成され、この場合において、ロックすることは、基本的に円筒部10の一部に作動部材Aの一部として形成された棘突起部5bまたは同様の突起部を係合することによって達成される。
【0043】
ここで、図5Aから図9を参照しながら第2実施形態を説明する。この第2実施形態において、第1及び第2磁石3、4の少なくとも一方は、少なくとも双極子、好ましくは平坦であり、選択デバイス20の相対的な構成において磁石3、4の他方を向く側面を有する。この第2実施形態が2つの磁石3、4を使用することを示しているが、理解することは、第2磁石4が同様にいくつかの磁石に対応してもよいことである。同じことが第1磁石3にも当てはまる。
【0044】
図6及び図7に示すように、筆記具1は、スライド器具11を収容するように機能する管状部分27の後端部を囲む選択デバイス20を有する。もちろん、変形例において、部分27は、複数の部分の組立体で置換されてもよい。この第2実施形態において、選択デバイス20は、円筒部10の長手方向軸回りで回転するように組み立てられている。特に、選択デバイス20は、好ましくは一部品で形成されて円筒部10の後方を形成する作動部材Aを備える。この作動部材Aは、例えば溝部並びにリブ及び/または棘突起部からなるシステムを用いて、管状部分27と同軸に組み立てられている。
【0045】
図5A及び図5Bを参照すると、ペン先2は、伸長位置(図5A)と引込位置(図5B)との間で移動される。第1実施形態のように、磁石3、4の極それぞれは、互いを向く側面が補完的な磁力線を有する場合に相互に作用される。作動部材Aを円筒部10の管状部分27に対して回転させることにより、第2磁石4の回転を引き起こす。この回転は、長手方向軸X、例えば管状部分27の対称軸回りで発生する。
【0046】
ここでは、回転が180°であるが、変形例として、角度が小さい回転は、可能である。磁石3、4それぞれは、例えばシリンダ状部分で形成されている。そして、これら磁石3、4の端面それぞれは、長手方向の中間面の各側面、N極を形成する領域とS極を形成する領域と、に形成される。第1実施形態に類似の方法において、ペン先2が後退位置(図5B)にあると、第2磁石4の前面における各領域の磁力線は、第1磁石3の向かい合う領域における磁力線と同一方向で方向付けられている。
【0047】
このため、2つの磁石3、4は、磁気引力の作用に接触するまたはほぼ接触している。図5B及び図8を参照すると、ペン先2に接続される第1磁石は、この場合において、第2磁石4を形成する部分の凹所34内に収容されている。
【0048】
選択デバイス20を管状部分27に対して回転させることにより、第2磁石4の180°の回転を引き起こす。第2構成に対応する第2磁石4のこの新たな位置に関して、磁化された面の向かい合う領域は、斥力を掛ける。この第2構成においてかつ図5Aに示すように、ペン先2は、その後退位置に対して変位幅だけ前進する。この例において、ペン先2が変位することによって、単に、磁石3、4間の斥力をもたらす。幅は、例えば最大伸長位置と最大圧迫位置との間の変位幅よりも例えば0.5mmから1mmだけ大きい。
【0049】
図5A、図5B及び図7に示すように、磁石4は、キャップ状部分の凹所内に固定されており、このキャップ状部分は、選択デバイス20の作動部材Aを規定する。このため、第2磁石4は、器具11の用には管状部分27に対してスライドすることが可能となっていない。図8に示すように、器具11は、第1磁石3を形成する部分の周囲に形成された1以上の長手方向リブ35によってその移動運動で案内されている。器具11のスライドは、ここでは、第1実施形態のスライドに完全に類似している。図5Aに示すペン先2の最大伸長位置において、当接部12と肩部11aとの間に接触が発生する。リブ35は、同様に、器具11のこの最大伸長位置において、管状部分27の面に同時に当接して押圧する。
【0050】
図5A及び図5Bの非限定的な例において、当接面それぞれは、好ましくは、管状部分27の横断面からなる。このため、当接面12は、器具11の肩部11aがさらに前方に移動することを防止する。理解することは、器具11がそして管状部分27の内面に対する摩擦なく筆記圧中に得られることである。これは、器具11が引っ掛かる危険性を排除する。
【0051】
図7及び図9を参照すると、選択デバイス20の管状部分27に対する回転変位は、作動部材Aの内面にある1以上の溝部40によって案内される。管状部分27と一体とされた棘突起部41は、図7から視認可能であり、溝部40内で移動し、選択デバイス20の回転経路における2つの極位置それぞれでロックされる。棘突起部41は、溝部40の端部40aにおいて円筒部により強固に接触し、各構成を所定位置にロックする。また、追加の案内溝部を管状部分27に設け、作動部材Aの内部リブと協働させてもよい。
【0052】
第2実施形態におけるこのタイプの選択デバイス20からなる組立体は、第2磁石4が第1磁石3を向く磁気的作動側面に垂直な長手方向軸で回転することを可能とする。この場合において、磁石3、4の面間の磁気結合を遮断することは、重ね合わせた補完的な極の変更によって容易にされ、この変更は、掛ける力を低減する。
【0053】
作動部材Aは、管状部分27に沿いかつクリップ5を規定する延長部を有する。このため、規定されたクリップ5の追加の長さを含む作動部材の全長は、第2磁石4の長さよりもずっと大きくなる。必要な内部容積は、低減され、作動部材Aを把持することは、特に快適になる。図6及び図7から分かるように、クリップ5の自由端部は、第1磁石よりもずっと前方に延在し、作動部材Aの反対側の端部は、円筒部10のテーパ状後端部10bを形成する。
【0054】
したがって、第2実施形態は、後方に取り付けるキャップを有する筆記具における使い勝手に相当する十分な使い勝手をもたらす。また、空気は、器具11の後端部及び選択デバイス20を通る経路を用いて、入ることが可能である。ここで、後方通気孔16は、円筒部10の長手方向軸回りを中心としているが、変形例において側面にずらされてもよい。
【0055】
変形実施形態において、選択デバイス20は、同様に、円筒部10の残りの部分に対して前進し、ペン先2の変位幅dを増大させる。このため、作動部材Aの内側にある半円状の溝部40は、螺旋状の溝部に置換されてもよい。より一般的には、理解することは、選択デバイス20が第2構造に変化するときに磁石4の前方への前進を形成する態様で、選択デバイス20が作動部材Aを第2磁気部材4の回動軸Xに接続することである。
【0056】
図10の例において、1以上の溝部42は、選択デバイス20の主として螺旋状の変位を可能とする。この配置において、第2磁石4は、円筒部10と同軸のままであり、管状部分27の内側で軸方向に変位する。溝部42は、選択デバイス20を案内する任意の手段によって置換されてもよい。このような案内手段は、選択デバイス20を基本的にその回転移動で案内する少なくとも1つの端部を有する。このため、図10を参照すると、溝部42の端部42a、42bは、構造の変化段階中に第2磁石をまず回転案内することを可能とする。磁石3、4間の磁気結合を遮断する場合において、これは、第2磁石4を前方に押圧する前にまず磁力線を変更することを可能とする。引き込む場合において、これは、第2磁石4を後方に引っ張る前にまず斥力を十分に低減することを可能とする。
【0057】
すなわち、作動部材Aは、初期的に、磁気斥力または引力を減少させる作用を有する第2磁石を回転させる。特に、この配置は、引込位置へ復帰することを容易にし、これは、主として、磁気引力の影響を受けて上昇する器具11に対応する。特に、距離が大きすぎることが磁気引力で相殺することをより困難とするので、磁石3、4間の距離が増大することを防止する。
【0058】
本発明の有利点の1つは、筆記中に得られる磁気的緩和作用である。さらに、ペン先2は、回転する選択デバイス20を筆記具1の管状本体部の外周に作動させることによって、単純に完全に引き込まれる。
【0059】
理解することは、上述した各例及び各実施形態の詳細が別個にまたは組み合わせて使用されてもよいことである。当業者に明らかなことは、本発明が本発明の特許請求の範囲から逸脱することなく他の具体的な形態にある実施形態を可能とすることである。
【符号の説明】
【0060】
1 筆記具、2 ペン先(筆記部材)、3 第1磁気部材,第1磁石,磁石、4 第2磁気部材,第2磁石,磁石、5 クリップ、10 円筒部(筒本体部)、10a 前端部、10b 後端部,テーパ状後端部,後方開口部、11a 肩部、12 当接部,当接面(長手方向当接部)、20 選択デバイス、25 ピン、32,33 リブ(ロック部材)、40a 端部(ロック部材)、A 作動部材、X 回動軸
【特許請求の範囲】
【請求項1】
− 前端部(10a)と後端部(10b)との間で長手方向に延在する円筒本体部(10)と、
− 筆記部材(2)であって、当該筆記部材が前記円筒本体部(10)の前方から突出する伸長位置と当該筆記部材が前記円筒本体部(10)の内側に収容される引込位置との間で前記円筒本体部に対して移動可能である、筆記部材と、
− 前記筆記部材(2)に固定されかつ前記筆記部材と共に移動可能な第1磁気部材(3)と、
− 第2磁気部材(4)及び作動部材(A)を備える選択デバイス(20)であって、前記筆記部材(2)が引込位置にある当該選択デバイス(20)の第1構成から前記筆記部材(2)が伸長位置にある第2構成まで移動するように構成された、選択デバイスと、
を備え、
前記第1磁気部材(3)及び前記第2磁気部材(4)が、前記円筒本体部(10)の内側に配置され、
前記第1構成において、前記第1及び第2磁気部材(3、4)が、互いに接触する反対の磁極を有し、前記第2構成において、前記第1及び第2磁気部材(3、4)が、互いにほぼ向かい合う同一の極性の極を有し、前記筆記部材(2)を最大伸長位置に向けて付勢する斥力を生成し、前記最大伸長位置において、前記筆記部材が、前記円筒本体部(10)の長手方向当接部(12)と接触し、後方に移動可能なままであり、
前記第2構成における前記斥力が、筆記圧を緩和するように構成され、
前記第2磁気部材(4)が、2つの構成間で所定の角度だけ回動軸(X)で回転する、ことを特徴とする筆記具(1)。
【請求項2】
前記第1及び第2磁気部材(3、4)が、前記第1及び第2構造にある前記円筒本体部(10)を横断する平面にある面を有することを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
【請求項3】
前記円筒本体部(10)が、前記作動部材を前記第1及び第2構造に対応する位置でロックするロック部材(32、33;40a)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具。
【請求項4】
前記作動部材(A)が、好ましくは前記第2磁気部材(4)の最大寸法よりも十分に大きい長さとするために、前記円筒本体部(10)の外壁部に沿って延在する細長い部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項5】
前記作動部材(A)が、横断軸に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項6】
前記作動部材(A)が、クリップ(5)を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の筆記具。
【請求項7】
前記作動部材(A)が、前記回動軸(X)を形成しかつ内部支持部(26)を支持するピン(25)に固定されており、前記第2磁気部材(4)が、前記内部支持部に取り付けられており、
前記内部支持部、前記ピン及び前記作動部材が、単一部品として形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項8】
前記第2磁気部材(4)が、長手方向軸に対して回転移動可能であり、前記作動部材(A)に固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項9】
前記選択デバイス(20)が、前記作動部材(A)を前記第2磁気部材(4)の前記回動軸(X)に接続する機構をさらに備え、
前記機構が、前記選択デバイスが前記第1構成から前記第2構成まで変化されると前記第2磁気部材が前方へ移動し、前記選択デバイスが前記第2構成から前記第1構成まで変化されると前記第2磁気部材が後方へ移動するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項10】
前記筆記部材(2)の肩部が、最大伸長位置において前記長手方向当接部(12)と接触することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項1】
− 前端部(10a)と後端部(10b)との間で長手方向に延在する円筒本体部(10)と、
− 筆記部材(2)であって、当該筆記部材が前記円筒本体部(10)の前方から突出する伸長位置と当該筆記部材が前記円筒本体部(10)の内側に収容される引込位置との間で前記円筒本体部に対して移動可能である、筆記部材と、
− 前記筆記部材(2)に固定されかつ前記筆記部材と共に移動可能な第1磁気部材(3)と、
− 第2磁気部材(4)及び作動部材(A)を備える選択デバイス(20)であって、前記筆記部材(2)が引込位置にある当該選択デバイス(20)の第1構成から前記筆記部材(2)が伸長位置にある第2構成まで移動するように構成された、選択デバイスと、
を備え、
前記第1磁気部材(3)及び前記第2磁気部材(4)が、前記円筒本体部(10)の内側に配置され、
前記第1構成において、前記第1及び第2磁気部材(3、4)が、互いに接触する反対の磁極を有し、前記第2構成において、前記第1及び第2磁気部材(3、4)が、互いにほぼ向かい合う同一の極性の極を有し、前記筆記部材(2)を最大伸長位置に向けて付勢する斥力を生成し、前記最大伸長位置において、前記筆記部材が、前記円筒本体部(10)の長手方向当接部(12)と接触し、後方に移動可能なままであり、
前記第2構成における前記斥力が、筆記圧を緩和するように構成され、
前記第2磁気部材(4)が、2つの構成間で所定の角度だけ回動軸(X)で回転する、ことを特徴とする筆記具(1)。
【請求項2】
前記第1及び第2磁気部材(3、4)が、前記第1及び第2構造にある前記円筒本体部(10)を横断する平面にある面を有することを特徴とする請求項1に記載の筆記具。
【請求項3】
前記円筒本体部(10)が、前記作動部材を前記第1及び第2構造に対応する位置でロックするロック部材(32、33;40a)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の筆記具。
【請求項4】
前記作動部材(A)が、好ましくは前記第2磁気部材(4)の最大寸法よりも十分に大きい長さとするために、前記円筒本体部(10)の外壁部に沿って延在する細長い部材であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項5】
前記作動部材(A)が、横断軸に回動可能に取り付けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項6】
前記作動部材(A)が、クリップ(5)を形成することを特徴とする請求項4または5に記載の筆記具。
【請求項7】
前記作動部材(A)が、前記回動軸(X)を形成しかつ内部支持部(26)を支持するピン(25)に固定されており、前記第2磁気部材(4)が、前記内部支持部に取り付けられており、
前記内部支持部、前記ピン及び前記作動部材が、単一部品として形成されていることを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項8】
前記第2磁気部材(4)が、長手方向軸に対して回転移動可能であり、前記作動部材(A)に固定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項9】
前記選択デバイス(20)が、前記作動部材(A)を前記第2磁気部材(4)の前記回動軸(X)に接続する機構をさらに備え、
前記機構が、前記選択デバイスが前記第1構成から前記第2構成まで変化されると前記第2磁気部材が前方へ移動し、前記選択デバイスが前記第2構成から前記第1構成まで変化されると前記第2磁気部材が後方へ移動するように構成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の筆記具。
【請求項10】
前記筆記部材(2)の肩部が、最大伸長位置において前記長手方向当接部(12)と接触することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の筆記具。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公表番号】特表2012−527363(P2012−527363A)
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−511325(P2012−511325)
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050961
【国際公開番号】WO2010/133800
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(501325048)ソシエテ・ビック (24)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月18日(2010.5.18)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050961
【国際公開番号】WO2010/133800
【国際公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(501325048)ソシエテ・ビック (24)
【Fターム(参考)】
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