磁気歯車の軸取付構造
【課題】構成部材の加工が容易であるとともに、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、安定した固定が可能な磁気歯車の軸取付構造を提供すること。
【解決手段】回転軸１２０と磁気歯車１１０とを、スリット１３１を有するクランプ部材１３０を締め付けることにより固定する磁気歯車の軸取付構造において、クランプ部材１３０が独立した部材で構成され、磁気歯車１１０の磁石取付部材１１６とクランプ部材１３０が固定ボルト１３４により固定されるように構成されていること。
【解決手段】回転軸１２０と磁気歯車１１０とを、スリット１３１を有するクランプ部材１３０を締め付けることにより固定する磁気歯車の軸取付構造において、クランプ部材１３０が独立した部材で構成され、磁気歯車１１０の磁石取付部材１１６とクランプ部材１３０が固定ボルト１３４により固定されるように構成されていること。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、磁気歯車を回転軸に取付けるための構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、回転体の軸取付構造において、回転体と一体に形成され軸を貫通させる筒状のボスを有し、前記ボスが、その径方向に内周から外周に向けて形成された貫通スリットを有し、前記ボスにねじ込まれるボルトによって前記貫通スリットの間隔を狭めるようにした回転体の軸取付構造が知られている。
【０００３】
これらの回転体の軸取付構造５００は、図１１乃至図１３に示すように、回転体５１０と一体に形成され回転軸５２０を貫通させる筒状のボス５３０と、このボス５３０の径方向に形成されたスリット５３１と、締込みによってスリット５３１の間隔を狭める締付ボルト５４０とを有している。
【０００４】
ボス５３０は、回転体５１０と接続する接続部５３６を残して、ボス撓みスリット５３７が形成されており、ボス５３０が回転軸５２０を締め付け固定する際の撓みを許容している（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】実開平５−７５５２２号公報（第８乃至１０頁、図１乃至図３）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、このような従来の回転体の軸取付構造は、回転体とボスが一体に形成されてスリット、ボス撓みスリット、締め付け用ネジ穴等を設けるため加工が複雑となるとともに、回転体（スプロケット、歯車、プーリ、カップリング継手の円板、フランジ軸継手のフランジ等）の用途に適した材料で形成することを優先するため締め付けに最適な材料を選択できず、安定した固定が困難であるという問題があった。
【０００６】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、構成部材の加工が容易であるとともに、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、安定した固定が可能な磁気歯車の軸取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本請求項１に係る発明は、回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、前記磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、前記クランプ部材が、独立した部材で構成され、前記回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、前記回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、前記スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有するとともに、固定ボルトを前記磁気歯車固定孔に挿通して前記磁石取付部材に螺合して固定されるように構成され、前記締付ボルトが、前記締付孔に挿通されて、前記スリットの間隔を狭めるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【０００８】
本請求項２に係る発明は、請求項１に記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記磁石取付部材が、前記クランプ部材と接する面に前記回転軸の端部と嵌合する嵌合穴を有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【０００９】
本請求項３に係る発明は、請求項１または請求項２に記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記磁石取付部材またはクランプ部材が、両者が接する面側に突出する凸部を有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【００１０】
本請求項４に係る発明は、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記固定手段が、前記クランプ部材と前記磁石取付部材の間に挿入されるスペーサをさらに有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【００１１】
本請求項５に係る発明は、請求項１乃至請求項４のいずれか１つに記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記クランプ部材が、非磁性体で構成されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【００１２】
本請求項１に係る発明は、回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、クランプ部材が、独立した部材で構成され、回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有するとともに、固定ボルトを磁気歯車固定孔に挿通して磁石取付部材に螺合して固定されるように構成され、締付ボルトが、締付孔に挿通されて、スリットの間隔を狭めるように構成されていることにより、独立したクランプ部材を単独で加工することができるため加工が容易であるとともに、それぞれの構成部材が独立しているため、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、かつ、クランプ部材は固定ボルトと磁石取付部材に挟まれることにより固定されるため、クランプ部材が如何なる材料であっても安定した固定が可能となる。
【００１３】
そして、本請求項２に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１に係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、磁石取付部材が、クランプ部材と接する面に回転軸の端部と嵌合する嵌合穴を有することにより、磁石取付部材のクランプ部材と接する面の反対面まで軸が貫通しない場合でも回転軸の端部が嵌合穴に嵌合することで、磁気歯車と回転軸との中心軸のずれを防止でき、安定した固定が可能となる。
【００１４】
また、本請求項３に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１または請求項２に係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、磁石取付部材またはクランプ部材が、両者が接する面側に突出する凸部を有することにより、クランプ部材と磁石取付部材の接触面積が減少し、クランプ部材がスリットの間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
【００１５】
また、本請求項４に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１乃至請求項３のいずれかに係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、固定手段が、クランプ部材と磁石取付部材の間に挿入されるスペーサをさらに有することにより、クランプ部材と磁石取付部材の直接接触による摩擦を低減することができ、クランプ部材がスリットの間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
【００１６】
また、本請求項５に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１乃至請求項４のいずれかに係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、クランプ部材が、非磁性体で構成されていることにより、クランプ部材が磁気歯車の磁気の伝達特性に影響を与えることなく、安定した固定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
本発明は、回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材、固定ボルト及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、クランプ部材が、独立した部材で構成されるとともに、回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、前記スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有し、固定ボルトが、磁気歯車固定孔に挿通され磁石取付部材に螺合されてクランプ部材を固定するように構成され、締付ボルトが、締付孔に挿通されて、スリットの間隔を狭めるように構成されて、構成部材の加工が容易であるとともに、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、安定した固定が可能であるという効果を発揮するものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
【００１８】
すなわち、本発明の磁気歯車の軸取付構造の磁石取付部材は、回転軸が軸を貫通する貫通穴を有するものでも良く、回転軸の端部が当接して貫通しないものでも良い。
また、磁石取付部材を鉄等の磁性体で構成し、磁力を表面側により有効に集中させるようにしても良い。
【００１９】
さらに、本発明の磁気歯車の軸取付構造のクランプ部材の材料は、鉄、アルミ等の金属でも、樹脂等の非金属でも良く、特に、磁石取付部材や回転軸よりも比重が軽く、変形が容易なものが好適であり、磁気歯車に適用する場合は、非磁性体とするのが好適である。
【実施例】
【００２０】
以下に、本発明の磁気歯車の軸取付構造について図面を基づいて説明する。
図１は、本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の全体斜視図であり、図２は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第１実施例の背面斜視図であり、図３は、図２に示す第１実施例の正面図であり、図４は、図２に示す第１実施例の背面図であり、図５は、図４に示す第１実施例のＡ−Ａ断面図であり、図６は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第２実施例のＡ−Ａ断面図であり、図７は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第３実施例のＡ−Ａ断面図であり、図８は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第４実施例のＡ−Ａ断面図であり、図９は、本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの一例の説明図であり、図１０は、本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの別の例の説明図である。
【００２１】
本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置３００は、図１に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６の表面にＮ極、Ｓ極の磁極１１５が交互に配置固定された磁気歯車１１０と、円筒型の磁石取付部材２１６の表面にＮ極、Ｓ極の磁極２１５が交互に配置固定された磁気歯車２１０とが、それぞれの回転軸１２０、２２０にそれぞれクランプ部材１３０、２３０により固定され、両回転軸１２０、２２０が垂直方向をなし、円盤状の磁気歯車１１０と円筒状の磁気歯車２１０のそれぞれの磁極１１５、２１５が対向するように配置されて、磁力により回転伝達を行うように構成されている。
【００２２】
まず、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第１実施例として、上記円盤状の磁気歯車１１０と回転軸１２０の磁気歯車の軸取付構造１００を以下に説明する。
図２乃至図５に示すように、磁気歯車１１０の円盤型の磁石取付部材１１６の背面には内面にネジ溝が設けられたクランプ部材取付穴１１１が設けられ、クランプ部材１３０には磁気歯車固定孔１３２が設けられており、固定ボルト１４０が磁気歯車固定孔１３２を貫通してクランプ部材取付穴１１１にネジ止めされることにより、磁気歯車１１０の磁石取付部材１１６とクランプ部材１３０が固定されている。
【００２３】
このとき、円盤型の磁石取付部材１１６側にネジ溝が切られており、クランプ部材１３０は固定ボルト１４０の頭部と円盤型の磁石取付部材１１６に挟まれることにより固定されるため、軟質の材料や樹脂等であっても強固に固定することができる。
【００２４】
クランプ部材１３０には、回転軸１２０が貫通する貫通孔１３５と、該貫通孔１３５から径方向に外周まで達するスリット１３１が設けられており、該スリット１３１には円周方向両側から回転軸１２０と直角方向に貫通するよう締付孔１３３が設けられている。
【００２５】
締付孔１３３は、スリット１３１を挟んで一方にはネジ溝が設けられ、他方には段部１３６が設けられており、締付ボルト１４０を段部１３６側から挿入してネジ溝に螺合して締め付けることにより、締付ボルト１４０の頭部が段部に係合してスリット１３１の間隔が狭まり、貫通孔１３５の内径が小さくなるように構成されている。
【００２６】
そして、回転軸１２０をクランプ部材１３０の貫通孔１３５内に、その端部が円盤型の磁石取付部材１１６に当接する位置まで挿入した状態で締付ボルト１４０を締め付けることにより、回転軸１２０はクランプ部材１３０により固定され、円盤状の磁気歯車１１０と回転軸１２０が一体に回転するように固定される。
【００２７】
なお、クランプ部材１３０が軟質でネジ溝による締め付けが困難な場合は、締付孔１３３のスリット１３１の両側に段部を設けるとともに締付ナットを用い、締付ボルトを締付孔１３３に挿入して締付ナットを螺合させ、スリット１３１の間隔を狭めるようにしても良い。
【００２８】
このようにして得られた本発明の第１実施例である磁気歯車の軸取付構造１００は、クランプ部材１３０が独立した構成部材からなるため、スリットや孔の加工が容易であるとともに、磁気歯車１１０の磁界への影響がなく、質量が小さく、円盤型の磁石取付部材１１６との摩擦により締め付け時の抵抗が少ない樹脂等の非磁性体で構成することができ、安定した固定が可能である。
【００２９】
また、図６に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６の回転軸１２０が当接する部分に軸嵌合穴１１２を設けてもよく、このことにより、円盤型の磁石取付部材１１６と回転軸１２０との中心軸のずれを防止でき、安定した固定が可能となる。
【００３０】
さらに、図７に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６のクランプ部材１３０との当接部に凸部１１３を設けてもよく、このことにより、クランプ部材１３０と円盤型の磁石取付部材１１６の接触面積が減少し、クランプ部材１３３がスリット１３１の間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
また、この凸部１１３は、クランプ部材１３０側に設けても良い。
【００３１】
さらに、図８に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６のクランプ部材１３０との当接部にスペーサ１５０を介在させても良く、このことにより、クランプ部材１３０と円盤型の磁石取付部材１１６の直接接触による摩擦をより低減することができ、クランプ部材１３３がスリット１３１の間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
【００３２】
以上の実施例である磁気歯車装置３００の磁極１１５、２１５の配置パターンは、図９に示すように、円盤状の磁気歯車１１０の磁極１１５が内周から外周に向けて放射曲線状に配置されており、円筒状の磁気歯車２１０の磁極２１５はそれと対向するために傾斜して配置されたものであり、円盤状の磁気歯車１１０と円筒状の磁気歯車２１０の対向面には、磁極１１５、２１５が回転によって交互に入れ替わるように配置されており、円盤状の磁気歯車１１０と円筒状の磁気歯車２１０の対向する磁極同士の吸引、対向する隣の磁極との反発により回転が伝達されるため、小型で効率良く回転を伝達することができるとともに、回転時に対向位置に来る磁極の境界線が連続的に移動するため、吸引力及び反発力を生じる位置が円筒状の磁気歯車２１０の円筒の軸方向、円盤状の磁気歯車１１０の円盤の周方向に滑らかに変化し、回転振動やトルク変動を少なくすることができる。
【００３３】
また、図１０に示すように、円盤状の磁気歯車１１０の磁極１１５が扇状に配置されており、円筒状の磁気歯車２１０の磁極はそれと対向するために直線状に配置されたものでも良い。
なお、図９、図１０では、交互に配置される磁極数は８極であるが、必要とするトルクと回転の静粛性に応じて適宜の磁極数を設定することができる。
【００３４】
以上の実施例では、磁気歯車装置３００の円盤状の磁気歯車１１０に適用したものであるが、回転軸２２０が貫通する円筒状の磁気歯車２１０に適用しても良く、また、スプロケット、歯車、プーリ、カップリング継手の円板、フランジ軸継手のフランジ等、如何なる回転体と回転軸の固定に適用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の全体斜視図。
【図２】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第１実施例の背面斜視図。
【図３】図２に示す第１実施例の正面図。
【図４】図２に示す第１実施例の背面図。
【図５】図４に示す第１実施例のＡ−Ａ断面図。
【図６】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第２実施例のＡ−Ａ断面図。
【図７】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第３実施例のＡ−Ａ断面図。
【図８】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第４実施例のＡ−Ａ断面図。
【図９】本発明を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの一例の説明図。
【図１０】本発明を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの別の例の説明図。
【図１１】従来の回転体の軸取付構造の斜視図。
【図１２】従来の回転体の軸取付構造の背面図。
【図１３】従来の回転体の軸取付構造の平面図。
【符号の説明】
【００３６】
１００ ・・・磁気歯車の軸取付構造
２００、５００ ・・・回転体の軸取付構造
１１０、２１０ ・・・磁気歯車
５１０ ・・・回転体
１１１ ・・・クランプ部材取付穴
１１２ ・・・軸嵌合穴
１１３ ・・・凸部
１１５、２１５ ・・・磁極
１１６、２１６ ・・・磁石取付部材
１２０、２２０、５２０ ・・・回転軸
１３０、２３０ ・・・クランプ部材
５３０ ・・・ボス
１３１、２３１、５３１ ・・・スリット
１３２ ・・・磁気歯車固定孔
１３３ ・・・締付孔
１３４ ・・・固定ボルト
１３５ ・・・貫通孔
１３６ ・・・段部
５３６ ・・・接続部
５３７ ・・・ボス撓みスリット
１４０、２４０、５４０ ・・・締付ボルト
１５０ ・・・スペーサ
３００ ・・・磁気歯車装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、磁気歯車を回転軸に取付けるための構造に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、回転体の軸取付構造において、回転体と一体に形成され軸を貫通させる筒状のボスを有し、前記ボスが、その径方向に内周から外周に向けて形成された貫通スリットを有し、前記ボスにねじ込まれるボルトによって前記貫通スリットの間隔を狭めるようにした回転体の軸取付構造が知られている。
【０００３】
これらの回転体の軸取付構造５００は、図１１乃至図１３に示すように、回転体５１０と一体に形成され回転軸５２０を貫通させる筒状のボス５３０と、このボス５３０の径方向に形成されたスリット５３１と、締込みによってスリット５３１の間隔を狭める締付ボルト５４０とを有している。
【０００４】
ボス５３０は、回転体５１０と接続する接続部５３６を残して、ボス撓みスリット５３７が形成されており、ボス５３０が回転軸５２０を締め付け固定する際の撓みを許容している（例えば、特許文献１参照）。
【特許文献１】実開平５−７５５２２号公報（第８乃至１０頁、図１乃至図３）
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、このような従来の回転体の軸取付構造は、回転体とボスが一体に形成されてスリット、ボス撓みスリット、締め付け用ネジ穴等を設けるため加工が複雑となるとともに、回転体（スプロケット、歯車、プーリ、カップリング継手の円板、フランジ軸継手のフランジ等）の用途に適した材料で形成することを優先するため締め付けに最適な材料を選択できず、安定した固定が困難であるという問題があった。
【０００６】
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、構成部材の加工が容易であるとともに、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、安定した固定が可能な磁気歯車の軸取付構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本請求項１に係る発明は、回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、前記磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、前記クランプ部材が、独立した部材で構成され、前記回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、前記回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、前記スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有するとともに、固定ボルトを前記磁気歯車固定孔に挿通して前記磁石取付部材に螺合して固定されるように構成され、前記締付ボルトが、前記締付孔に挿通されて、前記スリットの間隔を狭めるように構成されていることにより、前記課題を解決するものである。
【０００８】
本請求項２に係る発明は、請求項１に記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記磁石取付部材が、前記クランプ部材と接する面に前記回転軸の端部と嵌合する嵌合穴を有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【０００９】
本請求項３に係る発明は、請求項１または請求項２に記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記磁石取付部材またはクランプ部材が、両者が接する面側に突出する凸部を有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【００１０】
本請求項４に係る発明は、請求項１乃至請求項３のいずれかに記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記固定手段が、前記クランプ部材と前記磁石取付部材の間に挿入されるスペーサをさらに有することにより、前記課題をさらに解決するものである。
【００１１】
本請求項５に係る発明は、請求項１乃至請求項４のいずれか１つに記載された磁気歯車の軸取付構造の構成に加えて、前記クランプ部材が、非磁性体で構成されていることにより、前記課題をさらに解決するものである。
【発明の効果】
【００１２】
本請求項１に係る発明は、回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、クランプ部材が、独立した部材で構成され、回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有するとともに、固定ボルトを磁気歯車固定孔に挿通して磁石取付部材に螺合して固定されるように構成され、締付ボルトが、締付孔に挿通されて、スリットの間隔を狭めるように構成されていることにより、独立したクランプ部材を単独で加工することができるため加工が容易であるとともに、それぞれの構成部材が独立しているため、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、かつ、クランプ部材は固定ボルトと磁石取付部材に挟まれることにより固定されるため、クランプ部材が如何なる材料であっても安定した固定が可能となる。
【００１３】
そして、本請求項２に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１に係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、磁石取付部材が、クランプ部材と接する面に回転軸の端部と嵌合する嵌合穴を有することにより、磁石取付部材のクランプ部材と接する面の反対面まで軸が貫通しない場合でも回転軸の端部が嵌合穴に嵌合することで、磁気歯車と回転軸との中心軸のずれを防止でき、安定した固定が可能となる。
【００１４】
また、本請求項３に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１または請求項２に係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、磁石取付部材またはクランプ部材が、両者が接する面側に突出する凸部を有することにより、クランプ部材と磁石取付部材の接触面積が減少し、クランプ部材がスリットの間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
【００１５】
また、本請求項４に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１乃至請求項３のいずれかに係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、固定手段が、クランプ部材と磁石取付部材の間に挿入されるスペーサをさらに有することにより、クランプ部材と磁石取付部材の直接接触による摩擦を低減することができ、クランプ部材がスリットの間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
【００１６】
また、本請求項５に係る発明の磁気歯車の軸取付構造は、請求項１乃至請求項４のいずれかに係る磁気歯車の軸取付構造が奏する効果に加えて、クランプ部材が、非磁性体で構成されていることにより、クランプ部材が磁気歯車の磁気の伝達特性に影響を与えることなく、安定した固定が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
本発明は、回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材、固定ボルト及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、クランプ部材が、独立した部材で構成されるとともに、回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、前記スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有し、固定ボルトが、磁気歯車固定孔に挿通され磁石取付部材に螺合されてクランプ部材を固定するように構成され、締付ボルトが、締付孔に挿通されて、スリットの間隔を狭めるように構成されて、構成部材の加工が容易であるとともに、磁気歯車の固定に最適な材料を選択することができ、安定した固定が可能であるという効果を発揮するものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
【００１８】
すなわち、本発明の磁気歯車の軸取付構造の磁石取付部材は、回転軸が軸を貫通する貫通穴を有するものでも良く、回転軸の端部が当接して貫通しないものでも良い。
また、磁石取付部材を鉄等の磁性体で構成し、磁力を表面側により有効に集中させるようにしても良い。
【００１９】
さらに、本発明の磁気歯車の軸取付構造のクランプ部材の材料は、鉄、アルミ等の金属でも、樹脂等の非金属でも良く、特に、磁石取付部材や回転軸よりも比重が軽く、変形が容易なものが好適であり、磁気歯車に適用する場合は、非磁性体とするのが好適である。
【実施例】
【００２０】
以下に、本発明の磁気歯車の軸取付構造について図面を基づいて説明する。
図１は、本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の全体斜視図であり、図２は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第１実施例の背面斜視図であり、図３は、図２に示す第１実施例の正面図であり、図４は、図２に示す第１実施例の背面図であり、図５は、図４に示す第１実施例のＡ−Ａ断面図であり、図６は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第２実施例のＡ−Ａ断面図であり、図７は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第３実施例のＡ−Ａ断面図であり、図８は、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第４実施例のＡ−Ａ断面図であり、図９は、本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの一例の説明図であり、図１０は、本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの別の例の説明図である。
【００２１】
本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置３００は、図１に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６の表面にＮ極、Ｓ極の磁極１１５が交互に配置固定された磁気歯車１１０と、円筒型の磁石取付部材２１６の表面にＮ極、Ｓ極の磁極２１５が交互に配置固定された磁気歯車２１０とが、それぞれの回転軸１２０、２２０にそれぞれクランプ部材１３０、２３０により固定され、両回転軸１２０、２２０が垂直方向をなし、円盤状の磁気歯車１１０と円筒状の磁気歯車２１０のそれぞれの磁極１１５、２１５が対向するように配置されて、磁力により回転伝達を行うように構成されている。
【００２２】
まず、本発明の磁気歯車の軸取付構造の第１実施例として、上記円盤状の磁気歯車１１０と回転軸１２０の磁気歯車の軸取付構造１００を以下に説明する。
図２乃至図５に示すように、磁気歯車１１０の円盤型の磁石取付部材１１６の背面には内面にネジ溝が設けられたクランプ部材取付穴１１１が設けられ、クランプ部材１３０には磁気歯車固定孔１３２が設けられており、固定ボルト１４０が磁気歯車固定孔１３２を貫通してクランプ部材取付穴１１１にネジ止めされることにより、磁気歯車１１０の磁石取付部材１１６とクランプ部材１３０が固定されている。
【００２３】
このとき、円盤型の磁石取付部材１１６側にネジ溝が切られており、クランプ部材１３０は固定ボルト１４０の頭部と円盤型の磁石取付部材１１６に挟まれることにより固定されるため、軟質の材料や樹脂等であっても強固に固定することができる。
【００２４】
クランプ部材１３０には、回転軸１２０が貫通する貫通孔１３５と、該貫通孔１３５から径方向に外周まで達するスリット１３１が設けられており、該スリット１３１には円周方向両側から回転軸１２０と直角方向に貫通するよう締付孔１３３が設けられている。
【００２５】
締付孔１３３は、スリット１３１を挟んで一方にはネジ溝が設けられ、他方には段部１３６が設けられており、締付ボルト１４０を段部１３６側から挿入してネジ溝に螺合して締め付けることにより、締付ボルト１４０の頭部が段部に係合してスリット１３１の間隔が狭まり、貫通孔１３５の内径が小さくなるように構成されている。
【００２６】
そして、回転軸１２０をクランプ部材１３０の貫通孔１３５内に、その端部が円盤型の磁石取付部材１１６に当接する位置まで挿入した状態で締付ボルト１４０を締め付けることにより、回転軸１２０はクランプ部材１３０により固定され、円盤状の磁気歯車１１０と回転軸１２０が一体に回転するように固定される。
【００２７】
なお、クランプ部材１３０が軟質でネジ溝による締め付けが困難な場合は、締付孔１３３のスリット１３１の両側に段部を設けるとともに締付ナットを用い、締付ボルトを締付孔１３３に挿入して締付ナットを螺合させ、スリット１３１の間隔を狭めるようにしても良い。
【００２８】
このようにして得られた本発明の第１実施例である磁気歯車の軸取付構造１００は、クランプ部材１３０が独立した構成部材からなるため、スリットや孔の加工が容易であるとともに、磁気歯車１１０の磁界への影響がなく、質量が小さく、円盤型の磁石取付部材１１６との摩擦により締め付け時の抵抗が少ない樹脂等の非磁性体で構成することができ、安定した固定が可能である。
【００２９】
また、図６に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６の回転軸１２０が当接する部分に軸嵌合穴１１２を設けてもよく、このことにより、円盤型の磁石取付部材１１６と回転軸１２０との中心軸のずれを防止でき、安定した固定が可能となる。
【００３０】
さらに、図７に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６のクランプ部材１３０との当接部に凸部１１３を設けてもよく、このことにより、クランプ部材１３０と円盤型の磁石取付部材１１６の接触面積が減少し、クランプ部材１３３がスリット１３１の間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
また、この凸部１１３は、クランプ部材１３０側に設けても良い。
【００３１】
さらに、図８に示すように、円盤型の磁石取付部材１１６のクランプ部材１３０との当接部にスペーサ１５０を介在させても良く、このことにより、クランプ部材１３０と円盤型の磁石取付部材１１６の直接接触による摩擦をより低減することができ、クランプ部材１３３がスリット１３１の間隔を狭めるように変形する際に変形が容易となることで、より安定した固定が可能となる。
【００３２】
以上の実施例である磁気歯車装置３００の磁極１１５、２１５の配置パターンは、図９に示すように、円盤状の磁気歯車１１０の磁極１１５が内周から外周に向けて放射曲線状に配置されており、円筒状の磁気歯車２１０の磁極２１５はそれと対向するために傾斜して配置されたものであり、円盤状の磁気歯車１１０と円筒状の磁気歯車２１０の対向面には、磁極１１５、２１５が回転によって交互に入れ替わるように配置されており、円盤状の磁気歯車１１０と円筒状の磁気歯車２１０の対向する磁極同士の吸引、対向する隣の磁極との反発により回転が伝達されるため、小型で効率良く回転を伝達することができるとともに、回転時に対向位置に来る磁極の境界線が連続的に移動するため、吸引力及び反発力を生じる位置が円筒状の磁気歯車２１０の円筒の軸方向、円盤状の磁気歯車１１０の円盤の周方向に滑らかに変化し、回転振動やトルク変動を少なくすることができる。
【００３３】
また、図１０に示すように、円盤状の磁気歯車１１０の磁極１１５が扇状に配置されており、円筒状の磁気歯車２１０の磁極はそれと対向するために直線状に配置されたものでも良い。
なお、図９、図１０では、交互に配置される磁極数は８極であるが、必要とするトルクと回転の静粛性に応じて適宜の磁極数を設定することができる。
【００３４】
以上の実施例では、磁気歯車装置３００の円盤状の磁気歯車１１０に適用したものであるが、回転軸２２０が貫通する円筒状の磁気歯車２１０に適用しても良く、また、スプロケット、歯車、プーリ、カップリング継手の円板、フランジ軸継手のフランジ等、如何なる回転体と回転軸の固定に適用されても良い。
【図面の簡単な説明】
【００３５】
【図１】本発明の磁気歯車の軸取付構造を採用した磁気歯車装置の全体斜視図。
【図２】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第１実施例の背面斜視図。
【図３】図２に示す第１実施例の正面図。
【図４】図２に示す第１実施例の背面図。
【図５】図４に示す第１実施例のＡ−Ａ断面図。
【図６】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第２実施例のＡ−Ａ断面図。
【図７】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第３実施例のＡ−Ａ断面図。
【図８】本発明の磁気歯車の軸取付構造の第４実施例のＡ−Ａ断面図。
【図９】本発明を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの一例の説明図。
【図１０】本発明を採用した磁気歯車装置の着磁パターンの別の例の説明図。
【図１１】従来の回転体の軸取付構造の斜視図。
【図１２】従来の回転体の軸取付構造の背面図。
【図１３】従来の回転体の軸取付構造の平面図。
【符号の説明】
【００３６】
１００ ・・・磁気歯車の軸取付構造
２００、５００ ・・・回転体の軸取付構造
１１０、２１０ ・・・磁気歯車
５１０ ・・・回転体
１１１ ・・・クランプ部材取付穴
１１２ ・・・軸嵌合穴
１１３ ・・・凸部
１１５、２１５ ・・・磁極
１１６、２１６ ・・・磁石取付部材
１２０、２２０、５２０ ・・・回転軸
１３０、２３０ ・・・クランプ部材
５３０ ・・・ボス
１３１、２３１、５３１ ・・・スリット
１３２ ・・・磁気歯車固定孔
１３３ ・・・締付孔
１３４ ・・・固定ボルト
１３５ ・・・貫通孔
１３６ ・・・段部
５３６ ・・・接続部
５３７ ・・・ボス撓みスリット
１４０、２４０、５４０ ・・・締付ボルト
１５０ ・・・スペーサ
３００ ・・・磁気歯車装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、
前記磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、
前記クランプ部材が、独立した部材で構成され、前記回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、前記回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、前記スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有するとともに、固定ボルトを前記磁気歯車固定孔に挿通して前記磁石取付部材に螺合して固定されるように構成され、
前記締付ボルトが、前記締付孔に挿通されて、前記スリットの間隔を狭めるように構成されていることを特徴とする磁気歯車の軸取付構造。
【請求項２】
前記磁石取付部材が、前記クランプ部材と接する面に前記回転軸の端部と嵌合する嵌合穴を有することを特徴とする請求項１に記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項３】
前記磁石取付部材またはクランプ部材が、両者が接する面側に突出する凸部を有することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項４】
前記固定手段が、前記クランプ部材と前記磁石取付部材の間に挿入されるスペーサをさらに有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項５】
前記クランプ部材が、非磁性体で構成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１つに記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項１】
回転軸と、該回転軸と一体に回転する磁気歯車と、クランプ部材及び締付ボルトからなり回転軸と磁気歯車を固定する固定手段とからなる磁気歯車の軸取付構造において、
前記磁気歯車が、円盤型あるいは円筒型の磁石取付部材の円盤表面あるいは円筒表面にＮ極、Ｓ極の磁極を交互に配置固定してなり、
前記クランプ部材が、独立した部材で構成され、前記回転軸が貫通する貫通孔と、該貫通孔から径方向に外周まで達するスリットと、前記回転軸と平行に設けられた磁気歯車固定孔と、前記スリットの円周方向両側から回転軸と直角方向に貫通するように設けられた締付孔を有するとともに、固定ボルトを前記磁気歯車固定孔に挿通して前記磁石取付部材に螺合して固定されるように構成され、
前記締付ボルトが、前記締付孔に挿通されて、前記スリットの間隔を狭めるように構成されていることを特徴とする磁気歯車の軸取付構造。
【請求項２】
前記磁石取付部材が、前記クランプ部材と接する面に前記回転軸の端部と嵌合する嵌合穴を有することを特徴とする請求項１に記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項３】
前記磁石取付部材またはクランプ部材が、両者が接する面側に突出する凸部を有することを特徴とする請求項１または請求項２に記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項４】
前記固定手段が、前記クランプ部材と前記磁石取付部材の間に挿入されるスペーサをさらに有することを特徴とする請求項１乃至請求項３のいずれかに記載の磁気歯車の軸取付構造。
【請求項５】
前記クランプ部材が、非磁性体で構成されていることを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれか１つに記載の磁気歯車の軸取付構造。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図９】
【図１０】
【図１１】
【図１２】
【図１３】
【公開番号】特開２００９−２７５８９４（Ｐ２００９−２７５８９４Ａ）
【公開日】平成２１年１１月２６日（２００９．１１．２６）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−１３０２７４（Ｐ２００８−１３０２７４）
【出願日】平成２０年５月１９日（２００８．５．１９）
【出願人】（０００００３３５５）株式会社椿本チエイン (861)
【公開日】平成２１年１１月２６日（２００９．１１．２６）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年５月１９日（２００８．５．１９）
【出願人】（０００００３３５５）株式会社椿本チエイン (861)
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