説明

磁気記憶装置、ヘッド試験方法、ヘッド試験装置

【課題】サイドイレーズに関する測定においてリード用データパターンのライトによるサイドイレーズの影響を低減する磁気記憶装置、ヘッド試験方法、ヘッド試験装置を提供する。
【解決手段】磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間とトラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、基準経路に対するヘッドの位置であるオフセットについて隣接する区間同士のオフセットが異なるように区間毎に少なくとも1つのオフセットを設定する設定部33と、設定部により設定された区間毎のオフセットへ第1データパターンをライトし、基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、ライト部によりライトされた第1データパターンをリードするリード部と、リード部によりリードされた第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部34とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記憶装置に用いられるヘッドの試験を行う磁気記憶装置、ヘッド試験方法、ヘッド試験装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の磁気ディスク装置におけるサイドイレーズ測定処理について説明する。
【0003】
ここでは、磁気ディスク装置制御装置が磁気ディスク装置へ指示を行うことにより、サイドイレーズ測定処理を行う。従来のサイドイレーズ測定処理のフローは、例えば以下のようになる。
【0004】
(S111)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、センタートラックの隣接トラック以遠の所定の複数のトラックへリード用データパターンをライトさせ、リード用データパターンをリードさせる。
(S112)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、センタートラックへ複数回にわたってイレーズ用データパターンをイレーズライトさせる。
(S113)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、リード用データパターンをリードさせ、S111でリードされた信号に対する信号の品質劣化により磁気記録ヘッドのサイドイレーズ特性を測定する。
【0005】
従来のサイドイレーズ測定処理におけるリード用データパターン及びイレーズ用データパターンの配置について以下に説明する。
【0006】
図17は、従来のサイドイレーズ測定処理におけるリード用データパターン及びイレーズ用データパターンの配置の一例を示す配置図である。このように、従来のサイドイレーズ測定処理は、リード用データパターンをライトする際、指定されたトラック全体にライトする。
【0007】
従来の磁気ディスク装置におけるTPIM(トラックピッチマージン)測定処理について説明する。
【0008】
TPIMは、予め設定されたTP(トラックピッチ)に対するマージンである。ここでは、磁気ディスク装置制御装置が磁気ディスク装置へ指示を行うことにより、TPIM測定処理を行う。従来のTPIM測定処理のフローは、例えば以下のようになる。
【0009】
(S121)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、センタートラックへリード用データパターンをライトさせ、リード用データパターンをリードさせ、センタートラックのエラーレートを測定する。
(S122)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、センタートラックから所定のオフセット量において1回イレーズ用データパターンをライトさせる。
(S123)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、センタートラックのリード用データパターンをリードさせ、S121で測定されたエラーレートに対するエラーレート劣化量を測定する。
(S124)磁気ディスク装置制御装置は、磁気ディスク装置に指示を行い、センタートラックに対するオフセット量を狭めつつS121〜S123を繰り返させ、センタートラックのリード用データパターンのエラーレートが所定の悪化量以下となる条件を満たすオフセット位置を求め、このオフセット位置とTPとの差をTPIMとする。
【0010】
従来のTPIM測定処理におけるリード用データパターン及びイレーズ用データパターンの配置について以下に説明する。
【0011】
図18は、従来のTPIM測定処理における1回目のイレーズ用データパターンの配置の一例を示す配置図である。図19は、従来のTPIM測定処理における2回目のイレーズ用データパターンの配置の一例を示す配置図である。このように、従来のTPIM測定処理は、イレーズ用データパターンをライトする際、指定されたトラック全体にライトする。
【0012】
図20は、従来のTPIM測定処理による測定結果の一例を示す概念図である。横軸は、オフセット量を示し、縦軸は、エラーレートを示す。処理S123において、磁気ディスク装置制御装置は、オフセット量に対するセンタートラックのリード用データパターンのエラーレートをプロットする。処理S124において、磁気ディスク装置制御装置は、センタートラックのエラーレートが所定のエラーレート閾値となるオフセット量を求めて測定オフセット量とする。TPIMは、次の式で算出される。
【0013】
TPIM=TP−測定オフセット量
【0014】
なお、従来技術として、磁気ディスク装置において隣接トラックに磁気信号を記録したときの磁気ストレスを受けた磁気信号を再生するオフセット計測方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2005−322275号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、従来のサイドイレーズ測定処理は、リード用データパターンをライトする際のサイドイレーズの影響が考慮されていない。そのため、リード用データパターンが複数トラックにわたってライトされると、最後にライトするリード用データパターン以外は、自身の後にライトされたリード用データパターンのサイドイレーズの影響を受けてしまう。そのため、センターイレーズライト回数と信号品質劣化量の正確な関係を把握できない。
【0016】
近年の磁気ディスク記録密度の増加により、トラック間距離は、非常に狭く(200nm以下)なっていると共に、垂直記録方式が採用されてきている。ここで、垂直記録ヘッドは、ライト幅方向の書き広がりが隣接へトラックに及ぼす影響が大きい。
【0017】
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、サイドイレーズに関する測定においてリード用データパターンのライトによるサイドイレーズの影響を低減する磁気ディスク装置、ヘッド試験方法、ヘッド試験装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決するため、本発明の一態様は、磁気媒体に対してヘッドによるライト及びリードを行う磁気記憶装置であって、磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間とトラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、基準経路に対するヘッドの位置であるオフセットについて隣接する区間同士のオフセットが異なるように区間毎に少なくとも1つのオフセットを設定する設定部と、設定部により設定された区間毎のオフセットへ第1データパターンをライトし、基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、ライト部によりライトされた第1データパターンをリードするリード部と、リード部によりリードされた第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部とを有する。
【0019】
また、本発明の一態様は、磁気媒体に対してライト及びリードを行うヘッドの試験を行うヘッド試験方法であって、磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間とトラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、基準経路に対するヘッドの位置であるオフセットについて隣接する区間同士のオフセットが異なるように区間毎に少なくとも1つのオフセットを設定し、設定された区間毎のオフセットへ第1データパターンをライトし、基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトし、ライトされた第1データパターンをリードし、リードされた第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行うことを実行する。
【0020】
また、本発明の一態様は、磁気媒体に対してライト及びリードを行うヘッドの試験を行うヘッド試験装置であって、磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間とトラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、基準経路に対するヘッドの位置であるオフセットについて隣接する区間同士のオフセットが異なるように区間毎に少なくとも1つのオフセットを設定する設定部と、設定部により設定された区間毎のオフセットへ第1データパターンをライトし、基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、ライト部によりライトされた第1データパターンをリードするリード部と、リード部によりリードされた第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部と有する。
【発明の効果】
【0021】
開示の磁気記憶装置、ヘッド試験方法、ヘッド試験装置によれば、サイドイレーズに関する測定においてリード用データパターンのライトによるサイドイレーズの影響を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0023】
実施の形態1.
本実施の形態の磁気ディスク装置試験システムの構成について説明する。
【0024】
図1は、実施の形態1の磁気ディスク装置試験システムの構成の一例を示すブロック図である。本実施の形態の磁気ディスク装置試験システムは、磁気ディスク装置1と磁気ディスク装置制御装置2を有する。
【0025】
磁気ディスク装置1は、ホストインターフェイス11、ハードディスクコントローラ12、メモリ13、リードチャネル14、ヘッドIC(Integrated Circuit)15、モーター制御部16、ボイスコイルモーター17、スピンドルモーター18、MPU(Micro Processing Unit)19、ヘッド21、媒体22(磁気媒体)を有する。
【0026】
ホストインターフェイス11は、ホストとの通信を行う。本実施の形態において、試験時のホストは、磁気ディスク装置制御装置2である。MPU19は、ホストからのコマンドに従ってリードチャネル14及びモーター制御部16への指示を行う。メモリ13は、ライトデータまたはリードデータを保持する。ハードディスクコントローラ12は、CRC媒体アドレス設定やECC設定を行う。リードチャネル14は、リード信号の復調等を行う。ヘッドIC15は、ヘッド21へのライト信号及びヘッド21からのリード信号の増幅等を行う。モーター制御部16は、MPU19による指示に従って、ボイスコイルモーター17及びスピンドルモーター18の制御を行う。
【0027】
媒体22は、磁気ディスクである。ヘッド21は、媒体22へのライト、媒体22からのリードを行う。ボイスコイルモーター17は、モーター制御部16に従ってヘッド21を媒体22の半径方向に移動させる。スピンドルモーター18は、モーター制御部16に従って媒体22を回転させる。
【0028】
図2は、実施の形態1のヘッド21及び媒体22の構成の一例を示す斜視図である。
【0029】
媒体22上には、円周方向(トラック方向)に沿って複数のトラックが存在する。また、媒体22の円周方向は、多数のセクタ(区間)に区切られている。また、1つのセクタは、サーボ領域とデータ領域を有する。また、磁気ディスク装置1は、このようなヘッド21及び媒体22を複数有する。
【0030】
また、本実施の形態の磁気ディスク装置1は、可変TPI(Track Per Inch)及び可変BPI(Bit Per Inch)の機能を有する。
【0031】
磁気ディスク装置制御装置2は、測定制御部32、設定部33、品質測定部34を有する。設定部33は、測定処理の設定を行う。測定制御部32は、測定処理のためのコマンドを磁気ディスク装置1へ発行し、磁気ディスク装置1から測定結果を取得する。品質測定部34は、測定結果に基づいて品質に関する演算を行う。なお、ライト部及びリード部は、測定制御部32に対応する。
【0032】
上述の測定処理は、サイドイレーズ測定処理、サイドイレーズプロファイル測定処理、TPI・BPI決定処理を含む。
【0033】
磁気ディスク装置制御装置2は、CPU(Central Processing Unit)と記憶装置を有するコンピュータで実現することができる。この場合、測定制御部32、設定部33、品質測定部34は、ソフトウェアとして記憶装置に格納され、CPUにより実行される。
【0034】
なお、本実施の形態においては、磁気ディスク装置制御装置2が磁気ディスク装置1に対して測定処理の指示を行うとしたが、磁気ディスク装置1のMPU19等が測定制御部32、設定部33、品質測定部34の機能を備え、測定処理の指示を行っても良い。
【0035】
上述のサイドイレーズ測定処理の詳細について以下に説明する。
【0036】
図3は、実施の形態1のサイドイレーズ測定処理の一例を示すフローチャートである。まず、設定部33は、測定の対象となるヘッド21及び媒体22上のゾーン、センタートラック(基準経路)、リード用データパターン(第1データパターン)の配置であるサイドイレーズ測定用配置の設定を行う(S11)。
【0037】
次に、測定制御部32は、磁気ディスク装置1に指示を行い、センタートラックの隣接トラック以遠の所定の複数のトラックへサイドイレーズ測定用配置に従ってリード用データパターンをライトさせる(S12)。次に、測定制御部32は、磁気ディスク装置1に指示を行い、センタートラックへ複数回にわたってイレーズ用データパターン(第2データパターン)をイレーズライトさせる(S13)。
【0038】
次に、測定制御部32は、磁気ディスク装置1に指示を行い、リード用データパターンをリードさせる(S14)。次に、品質測定部34は、リードされた信号のエラーレート(品質)の悪化量を測定することによりヘッド21における磁気記録ヘッドのサイドイレーズ特性を測定し(S15)、このフローを終了する。なお、イレーズライトする(S13)前にリード用データパターンをリードしておき、このリード結果とリード用データパターンをリードした(S14)リード結果を比較してサイドイレーズ特性を測定(S15)してもよい。
【0039】
図4は、実施の形態1のサイドイレーズ測定処理におけるイレーズライト後のエラーレートの一例を示す概念図である。センタートラックを基準とするヘッド21の位置を、予め定められたTP単位で示す。縦軸は、エラーレートを示す。このように、センタートラックの近傍のトラックにおいてエラーレートの悪化が発生する。この悪化量をサイドイレーズ特性とする。
【0040】
上述のリード用データパターンのサイドイレーズ測定用配置の例である、第1サイドイレーズ測定用配置及び第2サイドイレーズ測定用配置について以下に説明する。
【0041】
上述の第1サイドイレーズ測定用配置について以下に説明する。
【0042】
図5は、実施の形態1の第1サイドイレーズ測定用配置の一例を示す配置図である。横軸は、センタートラックを基準とするヘッド21の位置を、予め定められたTP単位で示す。縦軸は、セクタを示す。図5に示されるように、第1サイドイレーズ測定用配置によるサイドイレーズ測定処理は、センタートラックからの距離が所定の距離以内の領域にリード用データパターンをライトする。ここで、所定の距離は、4トラックであり、サイドイレーズの影響が十分小さい(所定の大きさ以下となる)距離である。
【0043】
また、第1サイドイレーズ測定用配置によるサイドイレーズ測定処理は、リード用データパターンをライトするトラックを、センタートラックからの距離が奇数(1,3)トラックであるトラックのグループと、センタートラックからの距離が偶数(2,4)トラックのトラックであるトラックのグループとに分ける。
【0044】
次に、第1サイドイレーズ測定用配置によるサイドイレーズ測定処理は、上述の2つのグループのうち、一方のグループでは偶数セクタにリード用データパターンをライトし、他方のグループでは奇数セクタにリード用データパターンをライトする。この第1サイドイレーズ測定用配置によれば、ライト済みのリード用データパターンは、新たなリード用データパターンのライトによる隣接サイドイレーズ(隣接トラックからのサイドイレーズ)の影響を受けない。
【0045】
上述の第2サイドイレーズ測定用配置について以下に説明する。
【0046】
図6は、実施の形態1の第2サイドイレーズ測定用配置の一例を示す配置図である。横軸は、センタートラックからの距離を、予め定められたTP単位で示す。縦軸は、セクタを示す。図6に示されるように、第2サイドイレーズ測定用配置によるサイドイレーズ測定処理は、第1サイドイレーズ測定用配置と同様、センタートラックからの距離が4トラック以内の領域にリード用データパターンをライトする。また、第2サイドイレーズ測定用配置によるサイドイレーズ測定処理は、1つのセクタにおいてリード用データパターンをライトするトラックが1つだけになるように、リード用データパターンをライトするトラック及びセクタを予め定められた順序に従って指定する。
【0047】
この第2サイドイレーズ測定用配置によれば、トラックごとにライトするセクタを指定することにより、ライト済みのリード用データパターンがその隣接トラック以遠のライトによるサイドイレーズの影響を受けない。また、第2サイドイレーズ測定用配置を用いることにより、従来のサイドイレーズ測定処理と比べて、イレーズライト後にリード用データパターンを読むセクタ数が減少する。
【0048】
しかし、トラック一周内にセクタ数は多数(〜1000セクタ)あるため、1つのトラックにつき複数のセクタのライト及びリードを行って特性を平均(統計処理)すれば、従来のサイドイレーズ測定処理や第1サイドイレーズ測定用配置を用いるサイドイレーズ測定処理と同等の精度が得られる。例えば、設定部33は、上述の第2サイドイレーズ測定用配置を他のセクタに複数回繰り返し配置し、同一のオフセット量が設定された複数の異なるセクタのリード用データパターンから得られたエラーレートの平均を算出する。
【0049】
本実施の形態のサイドイレーズ測定処理によれば、リード用データパターンを、トラックごとに異なるセクタにライトすることにより、リード用データパターンのライトのサイドイレーズによる影響が無くなり、センターイレーズライト回数と信号品質劣化量の正確な関係を把握することができる。
【0050】
上述のサイドイレーズプロファイル測定処理の詳細について以下に説明する。
【0051】
従来のサイドイレーズ測定処理は、リード用データパターンをライトする際、予め設定されたトラックピッチに従って各リード用データパターンのライトを行う。そのため、センタートラックから隣接トラックまでの数百nm間のイレーズプロファイルを測定するためには相当の時間が必要であった。
【0052】
図7は、実施の形態1のサイドイレーズプロファイル測定処理の一例を示すフローチャートである。まず、設定部33は、リード用データパターンのライト・リード条件として、所定のプロファイル測定用配置のオフセット量及び使用セクタを設定する(S21)。
【0053】
図8は、実施の形態1のプロファイル測定用配置の一例を示す配置図である。横軸は、TPの初期値TP0を単位とするトラック位置を示し、センタートラックのトラック位置を0とする。縦軸は、セクタを示す。
【0054】
リード用データパターンは、セクタ毎に異なるオフセット量が与えられる。ここで、TP0より小さい所定の単位オフセット量をOS0とすると、隣接するセクタにおけるリード用データパターンのオフセット量は、OS0ずつ異なるように設定される。また、1つのセクタに複数のリード用データパターンをライトする場合、リード用データパターン同士の間隔は、サイドイレーズの影響が無視できる間隔以上に設定される。
【0055】
図9は、実施の形態1のサイドイレーズプロファイル測定処理のイレーズライト前のエラーレートの一例を示す概念図である。プロファイル測定用配置を用いることにより、サイドイレーズの影響を受けないため、それぞれのリード用データパターンのエラーレートは一定である。
【0056】
次に、設定部33は、イレーズ用データパターンのライト条件として、ライト回数を設定する(S22)。
【0057】
次に、測定制御部32は、センタートラックにリード用データパターンをライトする(S23)。次に、測定制御部32は、プロファイル測定用配置とライト回数に従ってイレーズ用データパターンをライトする(S24)。次に、測定制御部32は、リード用データパターンをリードする(S25)。次に、品質測定部34は、リードされたデータのエラーレートを測定する(S26)。次に、品質測定部34は、測定結果を補間してオフセット量対エラーレートのプロットを作成し(S27)、このフローは終了する。なお、イレーズ用データパターンをライトする(S24)前に、リード用データパターンをリードしておき、このリード結果と、リード用データパターンをリードした(S25)ときのリード結果を比較してオフセット量対エラーレートのプロットを作成し(S27)てもよい。
【0058】
図10は、実施の形態1のサイドイレーズプロファイル測定処理のイレーズライト後のエラーレートの一例を示す概念図である。センタートラックに近いほどリード用データパターンのエラーレートが悪化する。
【0059】
本実施の形態のサイドイレーズプロファイル測定処理は、複数のセクタに渡って、トラックピッチより狭いピッチでリード用データパターンをライトすれば、詳細なサイドイレーズプロファイルを測定することが出来る。この方法を用いれば、障害解析時の漏れ磁界発生位置の特定などを詳細に行うことが出来る。
【0060】
また、このサイドイレーズプロファイル測定処理は、リード用データパターンをトラックごとに異なるセクタにライトするため、リード用データパターンをTPIMにとらわれない間隔でライトできる。そのため、詳細なサイドイレーズプロファイルが測定可能である。
【0061】
上述のTPI・BPI決定処理の詳細について以下に説明する。
【0062】
設定部33は、予めTPI(TPI_type)が複数設定されたTPI_typeテーブルと予めBPI(BPI_type)が複数設定されたBPI_typeテーブルとを保持する。
【0063】
図11は、実施の形態1のTPI_typeテーブルの一例を示す表である。このTPI_typeテーブルは、媒体22上のm個のゾーンのそれぞれについて、予め設定されたn種類のTPIをTPI_typeとして格納する。m行は、それぞれゾーン番号1〜mに対応し、n列は、それぞれTPI_type番号1〜nに対応する。TPI_type番号が大きいほど、TPIが高い。
【0064】
図12は、実施の形態1のBPI_typeテーブルの一例を示す表である。このBPI_typeテーブルは、媒体22上のm個のゾーンのそれぞれについて、予め設定されたn種類のBPIをBPI_typeとして格納する。m行は、それぞれゾーン番号1〜mに対応し、n列は、それぞれBPI_type番号1〜nに対応する。BPI_type番号が大きいほど、BPIが高い。
【0065】
図13は、実施の形態1のTPI・BPI決定処理の一例を示すフローチャートである。ここで、処理S51〜S55は、TPI_typeテーブルの中から最適なTPIを選択して設定する処理である。次の処理S61〜S69は、BPI_typeテーブルの中から最適なBPIを選択して設定する処理である。
【0066】
まず、設定部33は、ヘッド21のうち測定対象である測定ヘッドを選択して設定する(S51)。次に、測定制御部32は、所定のm個のゾーンのうち測定対象のゾーンである測定ゾーンを選択し、測定ヘッドを測定ゾーンにオントラックさせる(S52)。次に、測定制御部32は、TPを決定するTP決定処理を行う(S53)。次に、測定制御部32は、所定の複数のゾーンの全てのTP決定処理を終了したか否かの判定を行う(S54)。
【0067】
全てのTP決定処理を終了していない場合(S54、No)、このフローは処理S52へ戻り、測定制御部32は、次の測定ゾーンを選択する。
【0068】
全てのTP決定処理を終了した場合(S54、Yes)、設定部33は、TPI_typeテーブル中の測定ゾーンに対応するTPI_typeから、TP決定処理により決定されたTPに最も近いTPI_typeを選択し、磁気ディスク装置1のTPI_typeとして設定する(S55)。
【0069】
次に、設定部33は、エラーレートの閾値βを設定する(S61)。次に、測定制御部32は、m個のゾーンのうち測定ゾーンを選択し、測定ヘッドを測定ゾーンにオントラックさせる(S62)。次に、設定部33は、BPI_typeテーブル中のBPI_type番号を設定する(S63)。
【0070】
ここで、BPI_type番号の初期値をnとする。次に、品質測定部34は、エラーレートを測定する(S64)。次に、品質測定部34は、測定されたエラーレート<βであるか否かの判定を行う(S65)。
【0071】
測定されたエラーレート<βでない場合(S65,No)、設定部33は、BPI_type番号を−1し(S69)、このフローは処理S64へ戻る。測定されたエラーレート<βである場合(S65,Yes)、品質測定部34は、BPI_typeをメモリに格納する(S66)。次に、設定部33は、m個のゾーンの全てのBPI_typeをメモリに格納したか否かの判定を行う(S67)。
【0072】
全てのBPI_typeをメモリに格納していない場合(S67,No)、このフローは処理S62へ戻り、設定部33は、次の測定ゾーンを選択する。
【0073】
全てのBPI_typeをメモリに格納した場合(S67,Yes)、設定部33は、各ゾーンのBPI_typeを比較し、最小のBPI_typeを磁気ディスク装置1のBPI_typeとして設定し(S68)、このフローは終了する。
【0074】
上述のTP決定処理の詳細について以下に説明する。
【0075】
図14は、実施の形態1のTP決定処理の一例を示すフローチャートである。まず、設定部33は、エラーレートの閾値αを設定する(S31)。次に、測定制御部32及び品質測定部34は、上述したサイドイレーズプロファイル測定処理を行う(S32)。
【0076】
次に、品質測定部34は、サイドイレーズプロファイル測定処理により作成されたプロットよりエラーレートが所定の閾値αとなるオフセット量である限界オフセット量を求める(S41)。ここで、限界オフセット量は、センタートラックに対してプラスオフセット側でエラーレートがαとなるオフセット量の絶対値であるoffset_aと、センタートラックに対してマイナスオフセット側でエラーレートがαとなるオフセット量の絶対値であるoffset_bの2つである。品質測定部34は、オフセット量対エラーレートのプロットを補間して近似直線を求める。offset_a,offset_bは、この近似直線により求められる。
【0077】
次に、品質測定部34は、offset_a>=offset_bであるか否かの判定を行う(S42)。offset_a>=offset_bである場合(S42,Yes)、品質測定部34は、TP=offset_a*2とし(S43)、offset_a>=offset_bでない場合(S42,No)、品質測定部34は、TP=offset_b*2とする(S44)。次に、品質測定部34は、決定したTPをメモリに格納し(S45)、このフローは終了する。
【0078】
図15は、実施の形態1のTP決定処理の一例を示す概念図である。横軸は、オフセット量を示し、縦軸は、エラーレートを示す。近似直線は、オフセット量毎に得られたエラーレートが直線で補間されたものである。近似直線の値がαとなる負のオフセット量の絶対値がoffset_aであり、近似直線の値がαとなる正のオフセット量の絶対値がoffset_bである。この例では、offset_a<offset_bであり、TP=offset_b*2に設定される。
【0079】
従来のTPIM測定処理は、同一のトラックに複数回ライトした際のエラーレート悪化量を保証できない。もし、従来のTPIM測定処理において複数回ずつライトを行うとすると、それぞれのオフセット位置で複数回のライトを行うため、測定時間が大幅に増える。
【0080】
本実施の形態のTP決定処理によれば、少ない測定時間で、複数回ライトによる隣接サイドイレーズ悪化量を保証したトラックピッチを決定することができる。これにより、磁気ディスク装置1の品質を向上させることが出来る。
【0081】
実施の形態2.
本実施の形態のヘッド・媒体試験システムの構成について説明する。
【0082】
図16は、実施の形態2のヘッド・媒体試験システムの構成の一例を示すブロック図である。図1と同一符号は、図1に示された対象と同一又は相当物を示しており、ここでの説明を省略する。本実施の形態のヘッド・媒体試験システムは、ヘッド・媒体試験装置3、制御PC(Personal Computer)4、試験用ヘッド23、試験用媒体24を有する。試験用ヘッド23、試験用媒体24は、ヘッド・媒体試験装置3に固定される。
【0083】
ヘッド・媒体試験装置3は、リードチャネル14、ヘッドIC15、スピンドルモーター18、リードライトコントローラ41、ヘッド駆動機構制御部42、ヘッド駆動機構43、モーター制御部44を有する。
【0084】
リードライトコントローラ41は、制御PC4からのデータパターンをリードチャネル14へ送ると共に、リードチャネル14からのデータパターンを制御PC4へ送る。ヘッド駆動機構制御部42は、制御PC4からの指示に従って、ヘッド駆動機構43へ電流を与える。ヘッド駆動機構43は、試験用ヘッド23を移動させる。モーター制御部44は、制御PC4からの指示に従って、スピンドルモーター18へ電流を与える。
【0085】
制御PC4は、測定制御部32、設定部33、品質測定部34を有する。制御PC4は、CPUと記憶装置を有するコンピュータである。この場合、測定制御部32、設定部33、品質測定部34は、ソフトウェアとして記憶装置に格納され、CPUにより実行される。
【0086】
本実施の形態のヘッド・媒体試験システムの動作は、実施の形態1の磁気ディスク装置試験システムと同様の測定処理を行う。
【0087】
なお、本実施の形態においては、制御PC4がヘッド・媒体試験装置3に対して測定処理の指示を行うとしたが、ヘッド・媒体試験装置3が測定制御部32、設定部33、品質測定部34の機能を備え、測定処理の指示を行っても良い。
【0088】
また、上述した各実施の形態においては、本発明が磁気ディスクを媒体とする磁気ディスク装置に適用された場合について述べたが、本発明が磁気ドラム等の磁気媒体を有する磁気記憶装置に適用されても良い。
【0089】
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他の様々な形で実施することができる。そのため、前述の実施の形態は、あらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、何ら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する全ての変形、様々な改良、代替および改質は、全て本発明の範囲内のものである。
【0090】
以上の実施の形態1〜2に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1)
磁気媒体に対してヘッドによるライト及びリードを行う磁気記憶装置であって、
前記磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間と前記トラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、前記基準経路に対する前記ヘッドの位置であるオフセットについて隣接する前記区間同士の前記オフセットが異なるように前記区間毎に少なくとも1つの前記オフセットを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記区間毎の前記オフセットへ第1データパターンをライトし、前記基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、
前記ライト部によりライトされた前記第1データパターンをリードするリード部と、
前記リード部によりリードされた前記第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部と、
を備える磁気記憶装置。
(付記2)
前記設定部は、前記オフセットを、予め設定されたトラックピッチの倍数に設定する、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記3)
前記設定部は、同一の前記区間に複数のオフセットを設定する場合、前記トラックピッチの2倍以上の間隔を空けて該複数のオフセットを設定する、
付記2に記載の磁気記憶装置。
(付記4)
前記設定部は、奇数番目の区間と偶数番目の区間のうち、一方の区間のオフセットをトラックピッチの奇数倍とし、他方の区間のオフセットをトラックピッチの偶数倍とする、
付記3に記載の磁気記憶装置。
(付記5)
前記設定部は、1つの前記区間に1つの前記オフセットを設定する、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記6)
前記設定部は、前記オフセットを、予め設定されたトラックピッチの初期値より小さい値に設定する、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記7)
前記所定の回数は、複数である、
付記6に記載の磁気記憶装置。
(付記8)
前記品質測定部は、前記オフセットと該オフセットでリードされた前記第1パターンの品質との関係を算出する、
付記6に記載の磁気記憶装置。
(付記9)
前記品質測定部は、算出された前記オフセットと前記品質との関係に基づいて、前記品質が所定の限界値となるオフセットである限界オフセットを算出する、
付記8に記載の磁気記憶装置。
(付記10)
前記品質測定部は、算出された前記限界オフセットに基づいて、以後のライト及びリードに用いるトラックピッチを決定する、
付記9に記載の磁気記憶装置。
(付記11)
前記品質測定部は、前記磁気媒体のゾーン毎に、前記トラックピッチを決定する、
付記10に記載の磁気記憶装置。
(付記12)
前記品質測定部は、前記ゾーン毎に、前記トラック方向の記録密度の最適化を行う、
付記11に記載の磁気記憶装置。
(付記13)
前記設定部は、前記オフセットを所定の距離以内に設定する、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記14)
前記所定の距離は、サイドイレーズの影響が所定の大きさ以下となる距離である、
付記13に記載の磁気記憶装置。
(付記15)
前記設定部は、前記複数の区間を繰り返し設定し、
前記品質測定部は、複数の異なる区間において同一のオフセットでリードされた前記第1データパターンの品質の測定結果を統計処理する、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記16)
前記品質は、エラーレートである、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記17)
前記区間は、セクタである、
付記1に記載の磁気記憶装置。
(付記18)
磁気媒体に対してライト及びリードを行うヘッドの試験を行うヘッド試験方法であって、
前記磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間と前記トラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、前記基準経路に対する前記ヘッドの位置であるオフセットについて隣接する前記区間同士の前記オフセットが異なるように前記区間毎に少なくとも1つの前記オフセットを設定し、
設定された前記区間毎の前記オフセットへ第1データパターンをライトし、
前記基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトし、
ライトされた前記第1データパターンをリードし、
リードされた前記第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う、
ことを実行するヘッド試験方法。
(付記19)
磁気媒体に対してライト及びリードを行うヘッドの試験を行うヘッド試験装置であって、
前記磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間と前記トラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、前記基準経路に対する前記ヘッドの位置であるオフセットについて隣接する前記区間同士の前記オフセットが異なるように前記区間毎に少なくとも1つの前記オフセットを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記区間毎の前記オフセットへ第1データパターンをライトし、前記基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、
前記ライト部によりライトされた前記第1データパターンをリードするリード部と、
前記リード部によりリードされた前記第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部と、
を備えるヘッド試験装置。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施の形態1の磁気ディスク装置試験システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1のヘッド21及び媒体22の構成の一例を示す斜視図である。
【図3】実施の形態1のサイドイレーズ測定処理の一例を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態1のサイドイレーズ測定処理におけるイレーズライト後のエラーレートの一例を示す概念図である。
【図5】実施の形態1の第1サイドイレーズ測定用配置の一例を示す配置図である。
【図6】実施の形態1の第2サイドイレーズ測定用配置の一例を示す配置図である。
【図7】実施の形態1のサイドイレーズプロファイル測定処理の一例を示すフローチャートである。
【図8】実施の形態1のプロファイル測定用配置の一例を示す配置図である。
【図9】実施の形態1のサイドイレーズプロファイル測定処理のイレーズライト前のエラーレートの一例を示す概念図である。
【図10】実施の形態1のサイドイレーズプロファイル測定処理のイレーズライト後のエラーレートの一例を示す概念図である。
【図11】実施の形態1のTPI_typeテーブルの一例を示す表である。
【図12】実施の形態1のBPI_typeテーブルの一例を示す表である。
【図13】実施の形態1のTPI・BPI決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図14】実施の形態1のTP決定処理の一例を示すフローチャートである。
【図15】実施の形態1のTP決定処理の一例を示す概念図である。
【図16】実施の形態2のヘッド・媒体試験システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図17】従来のサイドイレーズ測定処理におけるリード用データパターン及びイレーズ用データパターンの配置の一例を示す配置図である。
【図18】従来のTPIM測定処理における1回目のイレーズ用データパターンの配置の一例を示す配置図である。
【図19】従来のTPIM測定処理における2回目のイレーズ用データパターンの配置の一例を示す配置図である。
【図20】従来のTPIM測定処理による測定結果の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
【0092】
1 磁気ディスク装置
2 磁気ディスク装置制御装置
3 ヘッド・媒体試験装置
4 制御PC
11 ホストインターフェイス
12 ハードディスクコントローラ
13 メモリ
14 リードチャネル
15 ヘッドIC
16 モーター制御部
17 ボイスコイルモーター
18 スピンドルモーター
21 ヘッド
22 媒体
23 試験用ヘッド
24 試験用媒体
32 測定制御部
33 設定部
34 品質測定部
41 リードライトコントローラ
42 ヘッド駆動機構制御部
43 ヘッド駆動機構
44 モーター制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気媒体に対してヘッドによるライト及びリードを行う磁気装置であって、
前記磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間と前記トラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、前記基準経路に対する前記ヘッドの位置であるオフセットについて隣接する前記区間同士の前記オフセットが異なるように前記区間毎に少なくとも1つの前記オフセットを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記区間毎の前記オフセットへ第1データパターンをライトし、前記基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、
前記ライト部によりライトされた前記第1データパターンをリードするリード部と、
前記リード部によりリードされた前記第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部と、
を備える磁気記憶装置。
【請求項2】
前記設定部は、前記オフセットを、予め設定されたトラックピッチの倍数に設定する、
請求項1に記載の磁気記憶装置。
【請求項3】
前記設定部は、1つの前記区間に1つの前記オフセットを設定する、
請求項1または請求項2に記載の磁気記憶装置。
【請求項4】
前記設定部は、前記オフセットを、予め設定されたトラックピッチの初期値より小さい値に設定する、
請求項1または請求項3に記載の磁気記憶装置。
【請求項5】
磁気媒体に対してライト及びリードを行うヘッドの試験を行うヘッド試験方法であって、
前記磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間と前記トラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、前記基準経路に対する前記ヘッドの位置であるオフセットについて隣接する前記区間同士の前記オフセットが異なるように前記区間毎に少なくとも1つの前記オフセットを設定し、
設定された前記区間毎の前記オフセットへ第1データパターンをライトし、
前記基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトし、
ライトされた前記第1データパターンをリードし、
リードされた前記第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う、
ことを実行するヘッド試験方法。
【請求項6】
磁気媒体に対してライト及びリードを行うヘッドの試験を行うヘッド試験装置であって、
前記磁気媒体のトラック方向に区切られる複数の区間と前記トラック方向に沿う所定の基準経路とを設定すると共に、前記基準経路に対する前記ヘッドの位置であるオフセットについて隣接する前記区間同士の前記オフセットが異なるように前記区間毎に少なくとも1つの前記オフセットを設定する設定部と、
前記設定部により設定された前記区間毎の前記オフセットへ第1データパターンをライトし、前記基準経路へ所定の回数だけ第2データパターンをライトするライト部と、
前記ライト部によりライトされた前記第1データパターンをリードするリード部と、
前記リード部によりリードされた前記第1データパターンのそれぞれの品質の測定を行う品質測定部と、
を備えるヘッド試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2010−123153(P2010−123153A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−293221(P2008−293221)
【出願日】平成20年11月17日(2008.11.17)
【出願人】(309033264)東芝ストレージデバイス株式会社 (255)
【Fターム(参考)】