説明

磁気記録媒体、その初期化方法及びその製造方法

【課題】 トラック間の磁気的干渉低減効果を高めることが可能な磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】 非磁性材料からなる基板の上に磁気記録層が形成されている。磁気記録層に、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されている。トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化され易い磁気異方性を示し、ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化され易い磁気異方性を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体、その初期化方法及びその製造方法に関し、特に相互に隣り合うトラック同士の磁気的干渉を軽減するためのガードバンドが設けられた磁気記録媒体、その初期化方法及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図8(A)に、下記の特許文献1に開示された磁気記録媒体の一部破断斜視図を示す。ガラス基板100の表面に、トラック領域101とガードバンド領域102とが画定されている。ガードバンド領域102は、相互に隣り合う2つのトラック領域101の間に配置される。ガードバンド領域102は、CuまたはCr薄膜103の上に形成される。トラック領域101には、ガラス基板100上にCoCr合金等の垂直磁気記録膜104が形成される。
【0003】
トラック領域101に情報を書き込み易くするために、トラック領域101の下層には高透磁率薄膜が形成されている。また、トラック領域101に記憶された情報を読み出すときに、ガードバンド領域102から漏れた磁束による信号出力が十分小さくなるため、良好なオフトラック特性を得ることができる。
【0004】
図8(B)に、下記の特許文献2に開示された磁気記録媒体の一部破断斜視図を示す。基板110の表面に複数の溝111が形成され、相互に隣り合う2つの溝111の間の凸部が、データを記録するためのトラック領域112になる。読出ヘッド113が、トラック領域112に記録されたデータを読み出す。トラック同士が溝111で分離されているため、トラック間の磁場の干渉を軽減することができる。また、溝111にも磁気記録膜を設け、この磁気記録膜にサーボ情報を記録する。
【0005】
図8(C)に、下記の特許文献3に開示された磁気記録媒体の断面図を示す。非磁性基板120の上に、軟磁性裏打層121が形成されている。軟磁性裏打層121の表面に複数の溝122が形成されている。溝122内に、非磁性材料123が充填されている。軟磁性裏打層121及び非磁性材料123の上に、垂直磁気記録膜124が形成されている。相互に隣り合う2つの溝122の間の領域が、データトラック125になる。相互に隣り合う2つのデータトラック125の間に配置された非磁性材料123が、相互に隣接するデータトラック125を磁気的に分離する。
【0006】
【特許文献1】特開昭61−237231号公報
【特許文献2】特開平3−142707号公報
【特許文献1】特開2003−16621号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献2に開示された磁気記録媒体のように、表面に凹凸を付すると、凹凸によりヘッド浮上が不安定になるため、ヘッドクラッシュの危険性が高まる。特許文献3に記載された磁気記録媒体では、表面に凹凸は形成されないためヘッド浮上が安定する。ところが、非磁性材料123上の領域も垂直磁気記録膜124であり、データトラックと同一材料であるため、トラック幅よりも広い領域に情報の記録が行われてしまう。さらに、非磁性材料123上の領域とデータトラックとが同一材料であることから、最初に情報を記録するときに、ヘッドからデータトラックの位置を検出しにくい。このため、トラックの判別が困難になり、ヘッドの位置決が難しくなる。
【0008】
また、特許文献1に開示された磁気記録媒体では、トラックピッチが狭くなったときに、トラック間の磁気的な干渉を防止する機能が不十分である。
本発明の目的は、トラック間の磁気的干渉低減効果を高めることが可能な磁気記録媒体を提供することである。本発明の他の目的は、この磁気記録媒体の初期化方法、及び製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一観点によると、非磁性材料からなる基板と、前記基板の上に形成された磁気記録層であって、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化され易い磁気異方性を示し、該ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化され易い磁気異方性を示す磁気記録層とを有する磁気記録媒体が提供される。
【0010】
本発明の他の観点によると、非磁性材料からなる基板と、前記基板の上に配置され、結晶構造が六方最密構造の磁性材料を含む磁気記録層であって、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内においては、該磁気記録層内の磁性材料のc軸が基板面に垂直な方向に優先的に配向し、該ガードバンド領域内においては、c軸が基板面に平行な方向に優先的に配向している磁気記録層とを有する磁気記録媒体が提供される。
【0011】
本発明のさらに他の観点によると、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化されやすい磁気異方性を示し、該ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化されやすい磁気異方性を示す磁気記録媒体を準備する工程と、前記磁気記録層を形成する磁性材料の保磁力よりも大きく、かつ該磁気記録層に対して垂直方向を向く磁界を印加することにより、該磁気記録層を磁気的に初期化する工程とを有する磁気記録媒体の初期化方法が提供される。
【0012】
本発明のさらに他の観点によると、(a)表面に、複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定された基板の、該ガードバンド領域の上に、非磁性材料からなる下地層を形成する工程と、(b)前記下地層の間のトラック領域に、上面が前記下地層の上面よりも高くなるまで軟磁性材料を充填して軟磁性部材を形成工程と、(c)前記下地層及び軟磁性部材の上に、非磁性材料を堆積させて上層を形成する工程と、(d)前記トラック領域においては前記軟磁性部材が露出し、前記ガードバンド領域においては前記上層が残るように、表面の平坦化を行う工程と、(e)平坦化された表面上に、非磁性材料からなる上側配向制御層を形成する工程と、(f)前記上側配向制御層の上に、磁性材料を含む磁気記録層を形成する工程とを有する磁気記録媒体の製造方法が提供される。
【0013】
本発明のさらに他の観点によると、(p)表面に、複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定された基板の上に、非磁性材料からなるガードバンド用下側配向制御層を形成する工程と、(q)前記トラック領域に、少なくとも前記ガードバンド用下側配向制御層の底面まで達する溝を形成する工程と、(r)前記溝に軟磁性材料を充填し、トラック用下側配向制御層を形成する工程と、(s)前記ガードバンド用下側配向制御層及び前記トラック用下側配向制御層の上に、非磁性材料からなる上側配向制御層を形成する工程と、(t)前記上側配向制御層の上に、磁性材料を含む磁気記録層を形成する工程とを有する磁気記録媒体の製造方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
ガードバンド領域の磁気記録層が、面内方向に優先的に磁化されるため、ガードバンド領域からの漏れ磁束が、垂直磁化されたトラック領域の磁気記録層から読み出される信号に影響を及ぼしにくい。このため、媒体ノイズを低減することができる。また、読出し対象のトラック領域と、それに隣接するトラック領域との間にガードバンド領域が配置されているため、隣接するトラック領域からの磁気的影響を低減することができる。これにより、優れたリードライト特性(R/W特性)を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1に、第1の実施例による磁気記録媒体の一部破断斜視図を示す。図1の横方向(X方向)が半径方向(トラックの幅方向)に対応し、奥行き方向(Y方向)が円周方向(トラックの長さ方向)に対応し、縦方向(Z方向)が磁気記録媒体の厚さ方向に対応する。
【0016】
ガラス等の非磁性材料からなる基板1の表面に、同心円状のトラック領域11が画定されている。相互に隣り合うトラック領域11の間が、ガードバンド領域12になる。
基板1の上に、軟磁性材料からなる裏打層2が配置されている。裏打層2は、例えばCoNiFeB等のアモルファス合金で形成され、その厚さは例えば100nmである。裏打層2の上に、下側配向制御層3、上側配向制御層4、磁気記録層5がこの順番に積層されている。
【0017】
下側配向制御層3は、トラック領域11とガードバンド領域12とで、異なった積層構造を有する。トラック領域11内の下側配向制御層3は、格子形が面心立方格子(fcc)である軟磁性材料からなる軟磁性層9で構成される。軟磁性層9は、例えばCoNiFeBで形成され、その厚さは150nmである。ガードバンド領域12内の下側配向制御層3は、下地層6、中層7、及び上層8がこの順番に積層された層構造を有する。下地層6は、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の非磁性材料で形成され、その厚さは例えば100nmである。中層7は、格子形が体心立方格子である非磁性材料、例えばAlCr合金で形成され、その厚さは約30nmである。上層8は、格子形が体心立方格子である非磁性材料、例えばCrで形成され、その厚さは3〜10nmである。
【0018】
上側配向制御層4は、結晶構造が六方最密構造(hcp)である非磁性材料、例えばルテニウム(Ru)またはRuを含む合金で形成され、その厚さは15nmである。下地表面が面心立方格子の軟磁性材料であるトラック領域11において、上側配向制御層4を形成する非磁性材料のc軸が基板面に垂直な方向に優先的に配向する。これに対し、下地表面が体心立方格子の非磁性材料であるガードバンド領域12においては、c軸が基板面に平行な方向に優先的に配向する。
【0019】
この配向性は、X線回折を用いた分析により確認することができる。例えばCoNiFeBアモルファス合金層の上に形成したRu層のX線回折パターンには、Ruの(002)面に対応する鋭いピークが現れる。これに対し、PMMA層、AlCr合金層、及びCr層の積層の上に形成したRu層のX線回折パターンには、Ruの(002)面に対応する明確なピークが現れない。
【0020】
磁気記録層5は、非磁性材料中に多数の磁性金属粒が分散されたグラニュラ構造を有する垂直磁化膜である。ベースとなる非磁性材料は、例えば酸化シリコンであり、磁性金属粒は、結晶構造が六方最密構造の磁性金属、例えばCoCrPt合金で形成される。磁気記録層5の厚さは、例えば15nmである。
【0021】
磁気記録層5内の磁性金属粒は、その下地表面の結晶配向性を引き継いで、エピタキシャルライクに成長する。このため、トラック領域11内の磁性金属粒を形成する結晶のc軸は、基板面に垂直な方向に優先的に配向する。また、ガードバンド領域12内の磁性金属粒を形成する結晶のc軸は、基板面に平行な方向に優先的に配向する。
【0022】
トラック領域11内の磁気記録層5は、面内方向よりも垂直方向に磁化されやすい磁気異方性を示す。これに対し、ガードバンド領域12内の磁気記録層5は、垂直方向よりも面内方向に磁化されやすい磁気異方性を示す。ここで、「面内方向よりも垂直方向に磁化されやすい磁気異方性を示す」とは、垂直方向の磁場を印加したときの残留磁束密度が、面内方向の磁場を印加したときの残留磁束密度よりも大きいことを意味する。
【0023】
次に、図2(A)〜図2(D)を参照して、第1の実施例による磁気記録媒体の製造方法を説明する。
図2(A)に示すように、基板1の表面上に、CoNiFeBターゲットを用いたスパッタリングにより、CoNiFeB裏打層2を形成する。裏打層2の上に、PMMA膜を形成し、電子ビーム描画やインプリント法により、このPMMA膜をパターニングする。これにより、ガードバンド領域12に、PMMAからなる下地層6が形成される。トラック領域11には、裏打層2の表面が露出している。
【0024】
図2(B)に示すように、裏打層2のトラック領域11上に、軟磁性層9をめっきにより形成する。軟磁性層9は、その上面が下地層6の上面よりも高くなるような厚さにされている。軟磁性層9の上面と、下地層6の上面との高さの差は、図1に示した中層7と上層8との合計の厚さよりも大きい。下地層6の上面には、軟磁性層9は形成されない。
【0025】
軟磁性層9及び下地層6の上に、AlCr合金からなる厚さ約30nmの中層7、及びCrからなる厚さ3〜10nmの上層8を、スパッタリングにより形成する。成膜時に基板を150℃〜200℃程度に加熱することにより、AlCr及びCrの結晶化を促進させることが好ましい。
【0026】
図2(C)に示すように、トラック領域11において軟磁性層9が露出し、ガードバンド領域12においては上層8の一部が残るように、表面を平坦化する。この平坦化処理は、例えば化学機械研磨(CMP)またはイオンエッチングにより行うことができる。イオンエッチングで行う場合には、エッチバックという手法により平坦化することができる。例えば、被エッチング材料(上層8、中層7)と異なるエッチングレートを有する材料(レジスト等)を成膜し、イオンエッチング(イオンビームエッチング等)でエッチングし、エッチングレートの違いを利用して平坦化することができる。これにより、トラック領域11において、軟磁性層9からなる単層構造を有し、ガードバンド領域12において、下地層6、中層7、及び上層8の3層構造を有する下側配向制御層3が形成される。
【0027】
図2(D)に示すように、下側配向制御層3の上に、RuまたはRu合金からなる上側配向制御層4を、スパッタリングにより形成する。基板温度は室温とする。上側配向制御層4の上に、グラニュラ構造を有する磁気記録層5を、スパッタリングにより形成する。磁気記録層5の形成は、グラニュラ構造中の磁性金属粒が、下地表面の結晶の配向性を引き継いで成長する条件で行う。
【0028】
次に、図3(A)及び図3(B)を参照して、上記第1の実施例による磁気記録媒体の効果について説明する。
図3(A)に、ガードバンド領域を設けず、トラック同士が接する構造の磁気記録層5及び読出ヘッド20の概略図を示す。読出し対象のトラック11Aの両側に他のトラック11Bが隣接している。読出し対象トラック11A及び隣接トラック11Bの両方に、垂直方向の磁気記録が行われている。このため、隣接トラック11Bからの漏れ磁束が媒体ノイズ源になる。
【0029】
図3(B)に、第1の実施例による磁気記録媒体の磁気記録層5及び読出ヘッド20の概略図を示す。読出し対象トラック11Aと、それに隣接するトラック11Bとの間に、ガードバンド領域12が配置されている。ガードバンド領域12内の磁気記録層5は、面内方向に優先的に磁化される。このため、ガードバンド領域12からの漏れ磁束は、読出し信号にほとんど影響を与えない。これにより、媒体ノイズの低減を図ることが可能になる。
【0030】
次に、図4(A)〜図4(C)を参照して、第1の実施例による磁気記録媒体の初期化方法及びトラック識別方法について説明する。
図4(A)に、磁気記録膜5のトラック領域11の磁化状態の一例と、読出し信号波形との関係を示し、図4(B)に、磁気記録層5のガードバンド領域12の磁化状態の一例と、ガードバンド領域12からの漏れ磁場に起因する読出し信号波形を示す。図4(A)〜図4(C)の横軸がトラックの長さ方向(Y方向)に対応する。
【0031】
垂直磁化されたトラック領域11においては、磁化の強さが、直接、読出し信号の大きさに反映される。ガードバンド領域12に垂直磁化用の磁束が漏れ出すと、その磁束の変化によって、ガードバンド領域12が面内方向に優先的に磁化される。面内方向に磁化されたガードバンド領域12においては、磁化方向が反転する時の磁束の変化分が読み出し信号として検出される。
【0032】
第1の実施例による磁気記録媒体を、交番磁場で初期化(AC消去)する場合について考える。トラック領域11においては、図4(A)に示すように、磁化が上向きの領域と下向きの領域とが交互に現れる。GMRヘッド等で読み出しを行う場合、読出し信号は、正弦波状のエンベロープを持つ。ガードバンド領域12においては、面内方向の磁化の向きが交番磁場に応じて変化する。読出し信号は、図4(B)に示すように、磁場の向きが反転する時にピークを持つ波形になる。トラック領域11から読み出された信号と、ガードバンド領域12から読み出された信号とは、共に直流成分を持たない。ところが、トラック領域11から読み出される信号の強度は、ガードバンド領域12から読み出される信号の強度よりも大きい。従って、信号の強度を判定することにより、トラック領域11とガードバンド領域12とを明確に識別することができる。
【0033】
次に、第1の実施例による磁気記録媒体を直流磁場で初期化(DC消去)する場合について考える。基板面に垂直で、かつ磁気記録層5内の磁性金属粒の保持力よりも大きな磁場を、磁気記録媒体に印加する。これにより、図4(C)に示すように、トラック領域11の磁気記録層5が一様に、例えば上向きに垂直磁化される。このとき、ガードバンド領域12の磁気記録層5は、垂直方向には殆ど磁化されず、面内方向の磁化の向きはランダムである。
【0034】
トラック領域11から読み出される信号は、一定の大きさの直流信号になる。ガードバンド領域12から読み出される信号は、直流成分を持たない。このため、読出し信号の直流成分を判定することにより、トラック領域11とガードバンド領域12とを明確に識別することができる。
【0035】
第1の実施例による磁気記録媒体では、セクタサーボ情報をトラック領域11に書き込む。トラック領域以外にセクタサーボ情報を書き込むような構造の磁気記録媒体においては、サーボ情報を読み出すための複雑な読出しヘッドが必要になる。第1の実施例においては、通常のデータと、サーボ情報とを、一つの読出しヘッドで読み出すことができる。このため、読出しヘッドの構造を簡単化することができる。
【0036】
第1の実施例では、磁気記録層5を、酸化シリコン媒質内にCoCrPt磁性金属粒が分散したグラニュラ構造とし、上側配向制御層4をRuまたはRu合金で形成した。磁気記録層5内の磁性金属粒の材料として、結晶構造が六方最密構造である他の磁性材料を用いてもよい。このような磁性材料として、例えばCoCrPtB、CoCrPtTa等が挙げられる。また、上側配向制御層4の材料として、RuまたはRu合金以外に、結晶構造が六方最密構造である非磁性材料を用いることができる。このような材料として、例えばPt、Pd、Rh、Reや、これらの金属を含む合金等が挙げられる。
【0037】
また、軟磁性層9及び裏打層2の材料として、CoNiFeB以外の軟磁性材料を用いてもよい。軟磁性層9及び裏打層2に適した軟磁性材料として、CoZrNb、CoZrTa、NiFe等が挙げられる。ガードバンド領域12内の下側配向制御層3の下層7及び上層8を、AlCrやCr以外に、上側配向制御層4の材料のc軸を面内方向に優先的に配向させる性質を持つ非磁性材料で形成してもよい。このような材料として、結晶格子形が体心立法格子である非磁性材料、例えばAlRu等が挙げられる。
【0038】
次に、図5〜図6(F)を参照して、第2の実施例による磁気記録媒体について説明する。
図5に、第2の実施例による磁気記録媒体の断面図を示す。図5の横方向(X方向)が、トラックの幅方向(半径方向)に対応し、紙面に垂直な方向(Y方向)が、トラックの長さ方向(円周方向)に対応する。以下、図1に示した第1の実施例による磁気記録媒体との相違点に着目して説明を続ける。
【0039】
第1の実施例では、裏打層2が、軟磁性材料からなる単層で形成されていた。第2の実施例では、ガードバンド領域12が第1裏打層30のみで形成され、トラック領域11が、第1裏打層30と第2裏打層31との2層構造を有する。第1裏打層30の上面に、トラック領域11に対応する溝が形成されている。この溝内に、第2裏打層31が充填されている。ガードバンド領域12の第1裏打層30の上面と、トラック領域11の第2裏打層31の上面とは、必ずしも同じ高さに位置する必要はない。
【0040】
第1裏打層30及び第2裏打層31は、共に軟磁性材料で形成されるが、第1裏打層30の方が、第2裏打層31よりも透磁率の低い材料で形成されている。例えば、第1裏打層30がNiPで形成され、第2裏打層31がCoNiFeBで形成される。ガードバンド領域12の第1裏打層30の厚さは、例えば約150nmであり、第2裏打層31の厚さは、例えば約150nmである。
【0041】
裏打層2の上に、下側配向制御層3が配置されている。トラック領域11内に配置されたトラック用下側配向制御層3Tは、下層35と上層36との2層構造を有する。ガードバンド領域12内に配置されたガードバンド用下側配向制御層3Gは、下層32と上層33との2層構造を有する。
【0042】
ガードバンド用下側配向制御層3Gの下層32及び上層33は、それぞれ第1の実施例におけるガードバンド領域12の下側配向制御層3の中層7及び上層8と同じ材料で形成される。下層32及び上層33の厚さは、それぞれ第1の実施例の中層7及び上層8の厚さと等しい。
【0043】
トラック用下側配向制御層3Tの下層35は、Ta、C、Mo、Ti、W、Re、Os、またはHfで形成される。上層36は、結晶格子形が面心立方格子の非磁性材料、例えばNiFeで形成される。ガードバンド用下側配向制御層3Gの上層33の上面と、トラック用下側配向制御層3Tの上層36の上面とは、高さが揃えられており、下側配向制御層3の上面が平坦になっている。
【0044】
下側配向制御層3の上に、第1の実施例による磁気記録媒体と同様に、上側配向制御層4及び磁気記録層5が積層されている。
以下、図6(A)〜図6(F)を参照して、第2の実施例による磁気記録媒体の製造方法について説明する。
【0045】
図6(A)に示すように、基板1の上に、NiP等の軟磁性材料からなる第1裏打層30をスパッタリングにより形成する。第1裏打層30の上に、AlCrからなる下層32、及びCrからなる上層33を、スパッタリングにより形成する。下層32及び上層33の成膜時には、結晶化を促進するために基板を150〜200℃程度に加熱することが好ましい。
【0046】
図6(B)に示すように、上層33の上にPMMA等からなるレジストを塗布し、パターニングすることにより、ガードバンド領域12にレジストパターン40を形成する。レジストのパターニングは、例えば電子ビーム描画やインプリント法により行うことができる。レジストパターン40の厚さは、例えば150nmである。
【0047】
図6(C)に示すように、レジストパターン40をエッチングマスクとして、第1裏打層30の途中までエッチングし、溝41を形成する。このエッチングには、反応性イオンエッチング(RIE)または収束イオンビーム(FIB)が用いられる。第1裏打層30の上面から溝41の底面までの深さは、例えば150nmである。レジストパターン40の下に、下層32と上層33とで構成されたガードバンド用下側配向制御層3Gが残る。
【0048】
図6(D)に示すように、溝41の底面上に、CoNiFeB等からなる第2裏打層31、トラック用下側配向制御層3Tの下層35及び上層36を順番に堆積させる。第2裏打層31は、例えばめっき、スパッタリング等により形成される。下層35及び上層36は、スパッタリングにより形成される。レジストパターン40の上にも、第2裏打層31、下層35、及び上層36と同じ材料からなる3つの層31a、35a、及び36aが堆積する。この段階で、上層36の上面の高さを、ガードバンド用下側配向制御層3Gの上層33の上面の高さに揃える必要はない。
【0049】
図6(E)に示すように、レジストパターン40を、その上に堆積している層とともに除去(リフトオフ)する。
図6(F)に示すように、表面の平坦化を行う。この平坦化は、例えば、化学機械研磨(CMP)、イオンエッチングによるエッチバック等により行うことができる。図5に示すように、上側配向制御層4及び磁気記録層5を形成する。
【0050】
第2の実施例においても、ガードバンド領域12において、上側配向制御層4及び磁気記録層5を形成する結晶のc軸が、面内方向に優先的に配向する。
また、トラック領域11にTa等からなる下層35を配置することにより、その上に配置されるNiFe等の上層36の配向性や結晶粒径を好適に制御することができる。例えば、NiFeの(111)面を基板面に平行な方向に揃えることができる。これにより、上側配向制御層4及び磁気記録層5のc軸配向性を高めることができる。
【0051】
トラック領域11に、ガードバンド領域12に配置されている第1裏打層30よりも透磁率の高い第2裏打層31が配置されている。このため、磁束がトラック領域11に集中し、漏れ磁束を少なくすることができる。なお、図6(C)の工程において、溝41の底面を第1裏打層30の上面に一致させ、第2裏打層31の形成を省略してもよい。
【0052】
図7に、上記第1または第2の実施例による磁気記録媒体を用いた磁気記録装置の平面図を示す。筐体50が、平たい直方体状の内部空間を画定する。この内部空間に、1枚以上の磁気ディスク51が収容される。磁気ディスク51は、第1または第2の実施例による磁気記録媒体と同様の構造を有する。磁気ディスク51は、スピンドルモータ52の回転軸に装着される。スピンドルモータ52は、例えば回転数7200rpmまたは10000rpm等で磁気ディスク51を高速回転させる。
【0053】
スピンドルモータ52の回転軸と平行な方向に延在する支軸53に、ヘッドアクチュエータ55が装着されている。ヘッドアクチュエータ55は、アーム56とサスペンション57とを備える。アーム56は、支軸53により、磁気ディスク51の面に平行な方向に揺動可能に支持されている。サスペンション57は、アーム56の先端に取り付けられ、アーム56から前方に延びる。サスペンション58の先端に、浮上ヘッドスライダ58が取り付けられている。
【0054】
第1または第2の実施例による磁気記録媒体を、磁気ディスク51に用いることにより、隣接トラックからの磁気的干渉を受けにくい磁気記録装置が得られる。
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0055】
上記実施例から、以下の付記に示す発明が導出される。
(付記1)
非磁性材料からなる基板と、
前記基板の上に形成された磁気記録層であって、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化され易い磁気異方性を示し、該ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化され易い磁気異方性を示す磁気記録層と
を有する磁気記録媒体。(1)
(付記2)
非磁性材料からなる基板と、
前記基板の上に配置され、結晶構造が六方最密構造の磁性材料を含む磁気記録層であって、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内においては、該磁気記録層内の磁性材料のc軸が基板面に垂直な方向に優先的に配向し、該ガードバンド領域内においては、c軸が基板面に平行な方向に優先的に配向している磁気記録層と
を有する磁気記録媒体。(2)
(付記3)
さらに、前記基板と前記磁気記録層との間に配置された上側配向制御層を有し、該上側配向制御層は、結晶構造が六方最密構造である非磁性材料で形成され、前記トラック領域に対応する領域では、c軸が基板面に垂直な方向に優先的に配向しており、前記ガードバンド領域に対応する領域では、c軸が基板面に平行な方向に優先的に配向している付記1または2に記載の磁気記録媒体。
【0056】
(付記4)
前記上側配向制御層は、RuまたはRuを含む合金で形成されている付記3に記載の磁気記録媒体。
【0057】
(付記5)
さらに、前記上側配向制御層と前記基板との間に配置された下側配向制御層を有し、前記トラック領域に対応する領域の下側配向制御層は、軟磁性材料で形成され、前記ガードバンド領域に対応する領域の下側配向制御層は、非磁性材料で形成されている付記3または4に記載の磁気記録媒体。
【0058】
(付記6)
さらに、前記下側配向制御層と前記基板との間に配置され、軟磁性材料で形成された裏打層を有する付記5に記載の磁気記録媒体。
【0059】
(付記7)
データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化されやすい磁気異方性を示し、該ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化されやすい磁気異方性を示す磁気記録媒体を準備する工程と、
前記磁気記録層を形成する磁性材料の保磁力よりも大きく、かつ該磁気記録層に対して垂直方向を向く磁界を印加することにより、該磁気記録層を磁気的に初期化する工程と
を有する磁気記録媒体の初期化方法。(3)
(付記8)
(a)表面に、複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定された基板の、該ガードバンド領域の上に、非磁性材料からなる下地層を形成する工程と、
(b)前記下地層の間のトラック領域に、上面が前記下地層の上面よりも高くなるまで軟磁性材料を充填して軟磁性部材を形成工程と、
(c)前記下地層及び軟磁性部材の上に、非磁性材料を堆積させて上層を形成する工程と、
(d)前記トラック領域においては前記軟磁性部材が露出し、前記ガードバンド領域においては前記上層が残るように、表面の平坦化を行う工程と、
(e)平坦化された表面上に、非磁性材料からなる上側配向制御層を形成する工程と、
(f)前記上側配向制御層の上に、磁性材料を含む磁気記録層を形成する工程と
を有する磁気記録媒体の製造方法。(4)
(付記9)
前記上側配向制御層を形成する非磁性材料及び前記磁気記録層に含まれる磁性材料の結晶構造が六方最密構造であり、前記工程dで平坦化された表面のうち前記軟磁性部材が露出した領域は、前記配向制御層を形成する非磁性材料のc軸が基板表面に垂直になるように優先配向させ、前記上層が露出した領域は、前記配向制御層を形成する非磁性材料のc軸が基板表面と平行になるように優先配向させる性質を有する付記8に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0060】
(付記10)
前記工程fにおいて、前記磁気記録層の磁性材料が、下地表面の結晶配向状態を引き継ぐ条件で該磁気記録層を形成する付記9に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0061】
(付記11)
(p)表面に、複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定された基板の上に、非磁性材料からなるガードバンド用下側配向制御層を形成する工程と、
(q)前記トラック領域に、少なくとも前記ガードバンド用下側配向制御層の底面まで達する溝を形成する工程と、
(r)前記溝に軟磁性材料を充填し、トラック用下側配向制御層を形成する工程と、
(s)前記ガードバンド用下側配向制御層及び前記トラック用下側配向制御層の上に、非磁性材料からなる上側配向制御層を形成する工程と、
(t)前記上側配向制御層の上に、磁性材料を含む磁気記録層を形成する工程と
を有する磁気記録媒体の製造方法。(5)
(付記12)
前記上側配向制御層を形成する非磁性材料及び前記磁気記録層に含まれる磁性材料の結晶構造は六方最密構造であり、前記トラック用下側配向制御層の表面は、前記上側配向制御層を形成する非磁性材料のc軸が基板表面に垂直になるように優先配向させ、前記ガードバンド用下側配向制御層の上面は、前記上側配向制御層を形成する非磁性材料のc軸が基板表面と平行になるように優先配向させる性質を有する付記11に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【0062】
(付記13)
前記工程tにおいて、前記磁気記録層の磁性材料が、下地表面の結晶配向状態を引き継ぐ条件で該磁気記録層を形成する付記12に記載の磁気記録媒体の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】第1の実施例による磁気記録媒体の一部破断斜視図である。
【図2(A)】第1の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その1)である。
【図2(B)】第1の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その2)である。
【図2(C)】第1の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その3)である。
【図2(D)】第1の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その4)である。
【図3(A)】ガードバンド領域が設けられていない磁気記録媒体の磁化及び磁束の様子を概略的に示す図である。
【図3(B)】第1の実施例による磁気記録媒体の磁化及び磁束の様子を概略的に示す図である。
【図4(A)】第1の実施例による磁気記録媒体をAC消去したときのトラック領域の磁化の様子、及び読み出し信号波形を示す図である。
【図4(B)】第1の実施例による磁気記録媒体をAC消去したときのガードバンド領域の磁化の様子、及び読み出し信号波形を示す図である。
【図4(C)】第1の実施例による磁気記録媒体をDC消去したときのトラック領域の磁化の様子、及び読み出し信号波形を示す図である。
【図5】第2の実施例による磁気記録媒体の一部破断斜視図である。
【図6(A)】第2の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その1)である。
【図6(B)】第2の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その2)である。
【図6(C)】第2の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その3)である。
【図6(D)】第2の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その4)である。
【図6(E)】第2の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その5)である。
【図6(F)】第2の実施例による磁気記録媒体の製造途中における媒体の断面図(その6)である。
【図7】第1または第2の実施例による磁気記録媒体を用いた磁気記録装置の平面図である。
【図8(A)】従来の磁気記録媒体の一部破断斜視図である。
【図8(B)】従来の磁気記録媒体の一部破断斜視図である。
【図8(C)】従来の磁気記録媒体の断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 基板
2 裏打層
3 下側配向制御層
4 上側配向制御層
5 磁気記録層
6 下地層
7 中層
8 下層
9 軟磁性層
11 トラック領域
12 ガードバンド領域
20 読出ヘッド
30 第1裏打層
31 第2裏打層
32 ガードバンド用下側配向制御層の下層
33 ガードバンド用下側配向制御層の上層
35 トラック用下側配向制御層の下層
36 トラック用下側配向制御層の上層
40 レジストパターン
41 溝
50 筐体
51 磁気ディスク
52 スピンドルモータ
53 支軸
55 ヘッドアクチュエータ
56 アーム
57 サスペンション
58 浮上ヘッドスライダ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性材料からなる基板と、
前記基板の上に形成された磁気記録層であって、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化され易い磁気異方性を示し、該ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化され易い磁気異方性を示す磁気記録層と
を有する磁気記録媒体。
【請求項2】
非磁性材料からなる基板と、
前記基板の上に配置され、結晶構造が六方最密構造の磁性材料を含む磁気記録層であって、データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内においては、該磁気記録層内の磁性材料のc軸が基板面に垂直な方向に優先的に配向し、該ガードバンド領域内においては、c軸が基板面に平行な方向に優先的に配向している磁気記録層と
を有する磁気記録媒体。
【請求項3】
データが記録される複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定されており、該トラック領域内の磁気記録層は、面内方向よりも垂直方向に磁化されやすい磁気異方性を示し、該ガードバンド領域内の磁気記録層は、垂直方向よりも面内方向に磁化されやすい磁気異方性を示す磁気記録媒体を準備する工程と、
前記磁気記録層を形成する磁性材料の保磁力よりも大きく、かつ該磁気記録層に対して垂直方向を向く磁界を印加することにより、該磁気記録層を磁気的に初期化する工程と
を有する磁気記録媒体の初期化方法。
【請求項4】
(a)表面に、複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定された基板の、該ガードバンド領域の上に、非磁性材料からなる下地層を形成する工程と、
(b)前記下地層の間のトラック領域に、上面が前記下地層の上面よりも高くなるまで軟磁性材料を充填して軟磁性部材を形成工程と、
(c)前記下地層及び軟磁性部材の上に、非磁性材料を堆積させて上層を形成する工程と、
(d)前記トラック領域においては前記軟磁性部材が露出し、前記ガードバンド領域においては前記上層が残るように、表面の平坦化を行う工程と、
(e)平坦化された表面上に、非磁性材料からなる上側配向制御層を形成する工程と、
(f)前記上側配向制御層の上に、磁性材料を含む磁気記録層を形成する工程と
を有する磁気記録媒体の製造方法。
【請求項5】
(p)表面に、複数のトラック領域と、相互に隣り合うトラック領域の間に配置されたガードバンド領域とが画定された基板の上に、非磁性材料からなるガードバンド用下側配向制御層を形成する工程と、
(q)前記トラック領域に、少なくとも前記ガードバンド用下側配向制御層の底面まで達する溝を形成する工程と、
(r)前記溝に軟磁性材料を充填し、トラック用下側配向制御層を形成する工程と、
(s)前記ガードバンド用下側配向制御層及び前記トラック用下側配向制御層の上に、非磁性材料からなる上側配向制御層を形成する工程と、
(t)前記上側配向制御層の上に、磁性材料を含む磁気記録層を形成する工程と
を有する磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2(A)】
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【図2(B)】
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【図2(C)】
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【図2(D)】
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【図3(A)】
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【図3(B)】
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【図4(A)】
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【図4(B)】
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【図4(C)】
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【図5】
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【図6(A)】
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【図6(B)】
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【図6(C)】
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【図6(D)】
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【図6(E)】
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【図6(F)】
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【図7】
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【図8(A)】
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【図8(B)】
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【図8(C)】
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【公開番号】特開2006−216144(P2006−216144A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−26969(P2005−26969)
【出願日】平成17年2月2日(2005.2.2)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】