説明

磁気記録媒体

【課題】磁気記録層表面のサーボ領域に自己組織化材料によるリソグラフィーを用いてビットパターンが形成された磁気記録媒体のサーボ領域の信号品質を向上して記録再生機構のエラーを抑制する。
【解決手段】サーボ領域が周期L0で配列された磁気ドット群を含み、磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域を含み、最内周からm番目の磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)で表される関係を満たす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体およびその製造方法ならびにこの磁気記録媒体を搭載した磁気記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のハードディスク装置の磁気記録媒体の記録密度の向上においては、隣接ビット間の干渉という問題が顕在化している。ビット方向に物理的に分断したビットパターンドメディアは、記録マークが室温で消失してしまう熱揺らぎ現象及び、隣接マークからの媒体ノイズを抑制できる高密度磁気記録媒体として提案されている。
【0003】
ビットパターンドメディアの製造プロセスとしては、媒体を安価に大量生産のために、パターンを大量複製するナノインプリント法の開発が進められている。そこで、まずは、複製の出発点となる原盤の作製技術が鍵となる。ところが、ビットパターンドメディアでは、2Tbpsi(2 Terabit pitch per square inches)を超える高密度磁気記録媒体として期待されており、1ビットの磁性体ドット周期長が20nm以下となり、半導体分野や光ディスク用原盤開発に開発されてきた光リソグラフィー技術ではパターン形成が難しい超微細パターンが必要となる。近年、電子線描画を用いてビットパターンドメディア用原盤開発が行われているが、電子線描画はスループットが低いことや、近接効果などによる解像度低下が大きな問題であった。
【0004】
ジブロックコポリマーを用いた自己組織化リソグラフィ―は、ジブロックコポリマーのミクロ相分離構造(ラメラ、シリンダー、スフィア構造など)を利用して、安価に数nmから数10nmの微細パターンを作製できる方法である。この自己組織化構造の微細パターンをマスクとして、下地基板をエッチング加工することで、インプリント用原盤を作製できる。しかし、自己組織化リソグラフィーを用いて、ビットパターンドメディア用原盤を作製するためには、ハードディスク装置で記録再生動作が可能になるレイアウトでパターンニングをしなければならない。
【0005】
媒体表面の必要な領域に、自己組織化構造を作製する手法として、予め所望の物理的な案内溝を作製し、溝内でミクロ相分離構造としてドットを作製する手法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。媒体上に同心円状の溝構造を作製し、この案内溝内にスフィア相の自己組織化構造を作製し、下地基板にパターンを転写すると、スフィア部分が1ビット相当するドットとなって転写され、ビットパターンドメディアのデータ領域用原盤を作製することができる。この案内溝内において、ドット配列は六方細密構造を取っている。一方、磁気記録媒体として機能するためには、記録領域だけでなく、記録再生ヘッドとトラック中心位置の相対位置情報や、トラック・データ及びセクタ・データ情報が埋め込まれたサーボ信号領域を構成するパターンを作製しなくてはならない。サーボ領域は、同期信号を生成するプリアンブル部、セクタ情報やシリンダー情報の含まれるアドレス部、位置決め信号を得るバースト部から成る。このサーボ領域は、単純な直線的な溝ではなく、各信号特性に応じた形状領域が必要であるため、規則的な自己組織パターンで作製することが難しかった。また、サーボ領域は、単純に、ディスク中心から半径方向に伸びているのではなく、ヘッドのスイングアームの軌跡に沿うように形成されている。
【0006】
プリアンブル部は、信号の記録再生のための同期信号得るために必須領域であり、この領域の信号品質が悪いと、再生信号をPLL(Phase Locked Loop)に入力し、再生クロック信号を発生できない。また、アドレス部は、データ領域のシリンダー番号などを得るために必須領域であり、この領域の信号品質が悪いと、記録再生時に、所望のデータ領域を探す(シーク動作)ことができない。現在のハードディスク用磁気記録媒体では、ガラスなどの平面ディスク基板に磁性層が形成され、サーボ信号用マークは、内周から外周へ連続的な磁性体マークがサーボライター装置などで作製される。このサーボ信号用マークのディスク周方向の幅は、ハードディスク装置が、マークの記録再生に回転角速度を一定とするCAV(Constant Angular Velocity)方式を用いているため、内周から外周に向かって連続的に大きくなっている。ビットパターンドメディアでは、上述したサーボ信号用のパターンを、凹凸形状としてインプリント用原盤に作製し、媒体に転写することで作製できる。従って、自己組織化リソグラフィ―でビットパターンドメディア作製する場合、サーボ部もデータ部と同様に自己組織化パターンを用いて作製する必要がある。そこで、現在の連続磁気記録膜の媒体でサーボ信号用パターンが作製される領域に、予め案内溝を作製し、溝内で自己組織化パターンを作製することで、サーボ信号領域用のパターンを作製しなければならない。プリアンブル部やアドレス部は、内周から外周に向かった領域に案内溝を作製し、溝内に作製されたナノインプリント法で媒体に転写すればよい。ところが、内周側と外周側で溝の幅が変化するため、自己組織化のドット配列数が不連続に変化する領域が生じ、均一にドットを充填することが非常に難しかった。この原盤を用いて作製した磁気媒体では、半径位置によって、大きく欠陥が生じる部分があり、プリアンブル領域では、信号品質が低下し、記録再生が困難になるという問題があった。また、連続膜媒体に比べて、磁性体面積が少ない(充填率が低い)ため、欠陥部分があると、信号振幅が大きく下がり、記録再生が困難になるという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第3793040号公報
【特許文献2】特許第3861197号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、磁気記録層表面のサーボ領域に自己組織化材料によるリソグラフィーを用いてビットパターンが形成された磁気記録媒体において、そのサーボ領域の信号品質を向上して記録再生機構のエラーを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の磁気記録媒体は、回動可能なアクチュエータアームに取り付けられた再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置に適用されるディスク状の磁気記録媒体であって、
該再生ヘッドが該磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動する際の軌跡に相当する円弧に沿って設けられたサーボ領域を有し、
該サーボ領域は、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、
該磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域を含み、
該複数の磁気ドット領域のうち該磁気記録媒体の最内周からm番目の磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする。
【0010】
L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)
本発明の磁気記録再生装置は、ディスク状の磁気記録媒体、及び回動可能なアクチュエータアームに取り付けられた再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置であって、
該磁気記録媒体は、
該再生ヘッドが該磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動する際の軌跡に相当する円弧に沿って設けられたサーボ領域を有し、
該サーボ領域は、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、
該磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域を含み、
該複数の磁気ドット領域のうち該磁気記録媒体の最内周からm番目の磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする。
【0011】
L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)
本発明の磁気記録媒体の製造方法は、回動可能なアクチュエータアームに取り付けられた再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置に適用され、該再生ヘッドが該磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動する際の軌跡に相当する円弧に沿って設けられたサーボ領域を有し、該サーボ領域は、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、該磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域を含み、
該複数の領域のうち該磁気記録媒体の最内周からm番目の領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、下記式(1)で表される関係を満たす磁気記録媒体の製造方法であって、
L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)
前記複数の磁気ドット領域に相当する凸パターンを有する第1のスタンパを形成する工程、
該第1のスタンパの凸パターンを、基材上に設けられたレジスト層にインプリント法により転写した後、レジストを硬化させてガイドを形成し、該ガイド内に自己組織化材料を適用して相分離せしめ、前記周期L0で配列された磁気ドット群に相当する自己組織化ドットパターンを形成し、該自己組織化ドットパターンに基づく第2のスタンパを作製する工程、
基板及び該基板上に設けられた磁気記録層を含む磁気記録媒体を用意し、該磁気記録層上にパターン転写用レジスト材料の塗布層を形成し、前記第2のスタンパのパターン面を該塗布層を介して貼り合わせ、該塗布層を硬化せしめた後、該第2のスタンパを剥離し、前記磁気記録層上に前記自己組織化ドットパターンが転写されて硬化されたレジスト材料層を形成し、該硬化されたレジスト材料層をマスクとしてドライエッチングを行い、磁気記録層表面に、前記磁気ドット群を形成する工程を具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の磁気記録媒体によれば、自己組織化材料を用いて作製したスタンパから、配列の揃ったサーボ部の磁性ドット配列を形成することが可能となり、サーボ領域の信号品質を向上して記録再生機構のエラーを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一態様に係る磁気記録再生装置に使用される磁気記録媒体と再生ヘッドを説明するための図である。
【図2】本発明の一態様に係る磁気記録媒体の一例を説明するための図である。
【図3】本発明に磁気記録媒体の一部を説明するためのモデル図である。
【図4】本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域のプリアンブル部における磁気ドット領域の配列の一態様を表す図である。
【図5】本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域のプリアンブル部における磁気ドット領域の配列の他の態様を表す図である。
【図6】本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域のアドレス部における磁気ドット領域の配列の一態様を表す図である。
【図7】比較の磁気記録媒体を説明するための図である。
【図8】図7に示す磁気ドット群を自己組織化材料を用いて形成するためのガイドを表す図である。
【図9】図8に示すガイドに自己組織化材料を適用して磁気ドット群を形成した様子を説明するための図である。
【図10】ガイド用インプリントスタンパの製造工程を表す断面図である。
【図11】自己組織化ドットパターンの製造工程を表す断面図である。
【図12】SEMの観察像の一例を説明するための図である。
【図13】溝幅と配列本数との関係をプロットした図である。
【図14】自己組織化ドットパターン入り原盤の作製方法について説明するための図である。
【図15】本発明に係る磁気記録媒体の製造工程を表す図である。
【図16】本発明に係る磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の一実施態様に係る磁気記録媒体は、回動可能なアクチュエータアームに取り付けられた再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置に適用され、再生ヘッドが磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動する際の軌跡に相当する円弧に沿って設けられたサーボ領域を有するディスク状の磁気記録媒体において、
サーボ領域は、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、
磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、少なくともダウントラック方向のドット配列が共通する磁気ドット群毎に、分割された複数の磁気ドット領域を含み、
複数の磁気ドット領域のうち該磁気記録媒体の最内周からm番目の磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、下記式(1)で表される関係を満たすことを特徴とする。
【0015】
L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)
本発明に用いられる各磁気ドット領域は、磁気ドット群をそのクロストラック方向に亘って分割した領域となっており、その幅が、トラック方向にL0×√3/2の整数倍の±0.3×L0以内の幅で規定されていることにより、少なくともダウントラック方向のドット配列が共通した領域となっている。
【0016】
磁気ドット群は、例えばプリアンブル部、アドレス部、バースト部のうち少なくとも1つである。好ましくは、少なくともプリアンブル部は磁気ドット群により構成されている。
【0017】
本発明の他の実施様態に係る磁気記録装置は、上記磁気記録媒体と、アクチュエータアームに取り付けられ前記磁気記録媒体上を径方向に移動する再生ヘッドを有する。
【0018】
また、本発明のさらに他の様態に係る方法は、上記磁気記録媒体を製造するための方法であって、上記複数の領域に相当する凸パターンを有する第1のスタンパを形成する工程、
第1のスタンパの凸パターンを、基材上に設けられたレジスト層にインプリント法により転写した後、レジストを硬化させてガイドを形成し、ガイド内に自己組織化材料を適用して相分離せしめ、周期L0で配列された磁気ドット群に相当する自己組織化ドットパターンを形成し、自己組織化ドットパターンに基づく第2のスタンパを作成する工程、
基板及び該基板上に設けられた磁気記録層を含む磁気記録媒体を用意し、磁気記録層上にパターン転写用レジスト材料の塗布層を形成し、第2のスタンパのパターン面を塗布層を介して貼り合わせ、塗布層を硬化せしめた後、第2のスタンパを剥離し、磁気記録層上に自己組織化ドットパターンが転写されて硬化されたレジスト材料層を形成し、硬化されたレジスト材料層をマスクとしてドライエッチングを行い、磁気記録層表面に、磁気ドット群を形成することを特徴とする。
【0019】
以下、図面を参照し、本発明をより詳細に説明する。
【0020】
図1に、本発明の一態様に係る磁気記録再生装置に使用される磁気記録媒体と再生ヘッドを説明するための図を示す。
【0021】
図示するように、本発明の一態様に係る磁気記録再生装置70は、磁気記録媒体71と、アクチュエータアーム74に取り付けられ、磁気記録媒体71上をクロストラック方向に移動する再生ヘッドとを有する。アクチュエータアーム74はボイスコイルモーターによって駆動され、図示しないピボット軸を中心として回動するため、アクチュエータアーム先端のサスペンションに支持されたヘッドスライダに組み込まれている再生ヘッド76は、磁気記録媒体71上で円弧状の軌跡10をなすように移動する。
【0022】
図2に、本発明の一態様に係る磁気記録媒体の一例を説明するための図を示す。
【0023】
図示するように、磁気記録媒体71は、上記軌跡10に沿って設けられたサーボ領域2を有する。1つの磁気記録媒体71には、一定の間隔で設けられた複数の軌跡10に沿って複数のサーボ領域2が設けられ、各サーボ領域2間にデータ領域1が設けられている。
【0024】
尚、この図では、サーボ領域2は、軌跡10の片側に沿って設けられているが、軌跡10の両側設けられていても、所定の間隔をおいて設けられたもう1つの軌跡との間に設けられていても良い。
【0025】
図3に、本発明に磁気記録媒体の一部を説明するためのモデル図を示す。
【0026】
図示するように、データ領域1およびサーボ領域2は、ピッチLの磁性体ドットで構成されている。データ領域1では、ダウントラック方向すなわちトラックの軌道に沿った方向にピッチL0で配列した磁性体ドット6の列を含む記録トラックが、クロストラック方向すなわち磁気記録媒体内周から外周にわたりトラックを横切る方向に複数列形成されている。サーボ領域2のプリアンブル3及びアドレス4では、クロストラック方向にピッチL0で配列した磁性ドット6の列が、ダウントラック方向に等間隔で複数列形成されている。バースト5は、位相差検出方式の位置決め用バーストパターンであり、パターンの長軸方向にピッチL0で配列した磁性体ドット6の列が、ダウントラック方向に対して、特定の角度を持って、複数列が平行に作製されている。バースト部5は、振幅検出方式の位置決め用バーストパターンであってもよい。
【0027】
磁気記録媒体のプリアンブル3の磁気ドット群6の列は、図1に示す再生ヘッドの軌跡10に相当する曲線(円弧)に沿って配列している。また、上記の磁気記録媒体の回転数は一定であるため、内周から外周に向けて、ヘッド直下の磁気記録媒体の回転速度は大きくなる。再生ヘッドでの読み出しの周波数帯域は変わらないため、磁気ドット群6の列は、図3では直線的に模式化されているけれども、実際には、外周ほど1ビットの検出幅は大きくなる。このため、プリアンブル3の周方向の幅は、外周ほど大きくなる。
【0028】
図4に、本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域のプリアンブル部における磁気ドット領域の配列の一態様を表す図を示す。
【0029】
図示するように、本発明に用いられるプリアンブル部21は、矢印rで表されるクロストラック方向に亘り、磁気記録媒体の内周側から、Zone 1,Zone 2,…Zone mまでのm個の磁気ドット領域に分割されている。
【0030】
各磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、ダウントラック方向のドット配列数Nmは、上記式(1)で表される関係を満たしている。
【0031】
例えば内周側からm番目の磁気ドット領域Zone mは、矢印rで表されるクロストラック方向に沿った直線D1と、この直線D1と平行に設けられたもう1つの直線D2と、磁気記録媒体よりも小さい2つの異なる同心円上の円弧状の曲線C1,C2とで囲まれている。直線D1,曲線C1,直線D2,曲線C2は二つの隣り合う線と交点で交わり,対向する線とは交わらない。このプリアンブル部21では、各磁気ドット領域毎に、クロストラック方向のドット配列数及びダウントラック方向のドット配列数が一定であり、m番目の磁気ドット領域のドット配列数Nmは、mz−1番目の磁気ドット領域のドット配列数Nmz−1に比べて直線D1側が一定で、直線D2側が1つ増えており、内周側から外周側にかけ直線D2側の幅が階段状に増加する構成となっている。
【0032】
また、図5に、本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域のプリアンブル部における磁気ドット領域の配列の他の態様を表す図を示す。
【0033】
このプリアンブル部22は、例えばm番目の磁気ドット領域Zone mが、矢印rで表されるクロストラック方向に沿った直線D1と、この直線D1と平行に設けられたもう1つの直線D2と、直線D1、直線D2と交わる2つの平行な直線C1’,C2’とからなる四辺形で囲まれていること以外は、図4と同様の構成を有する。
【0034】
図4及び図5に、G1,G2で示すように、各磁気ドット領域を取り囲む形状を組み合わせて1つのプリアンブル部を構成する磁気ドット領域全体を取り囲む線で表される形状を、自己組織化材料を適用するためのガイドの形状とすることが出来る。
【0035】
尚、図4及び図5では、磁気ドット領域を囲む線G1,G2のうちクロストラック方向に沿った一方の線のみが階段状になっているが、両側を階段状にすること、及び各磁気ドット領域間を離間させることも可能である。
【0036】
また、本発明に用いられるサーボ領域は、アドレス部、及びバースト部についても、上述のプリアンブル部と同様の磁気ドット領域に分割された磁気ドット群により形成することができる。
【0037】
図6に、本発明に係る磁気記録媒体のサーボ領域のアドレス部における磁気ドット領域の配列の一態様を表す図を示す。
【0038】
図示するように、アドレス部31,32,33における磁気ドット領域の配列もまた、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、
該磁気ドット群は、矢印rで表されるそのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域Zone 1,Zone 2,及びZone mzを含み、
mz個の磁気ドット領域のうち磁気記録媒体の最内周からm番目の磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、上記式(1)で表される関係を満たす。
【0039】
また、アドレス部31,32,33の形状には、例えば領域H1,H3,H5内の磁気ドット群のように、図4に示すプリアンブル部の磁気ドット群の幅、ドット配列数、及び形状が類似する部分があることから、プリアンブル部を構成する磁気ドット群を基準ドット群と見なし、基準ドット群を組み合わせてアドレス部を構成することができる。
【0040】
同様に、図示しない及びバースト部においても磁気ドット群の幅と、ドット配列数が類似する部分があることから、プリアンブル部を構成する磁気ドット群を基準ドット群と見なし、基準ドット群を組み合わせてバースト部を構成することが可能である。
【0041】
参考として、図7に、サーボ領域に、磁気ドット群が磁気ドット領域に分割されていないプリアンブル部を持つ磁気記録媒体を説明するための図を示す。
【0042】
図7(a)に示すように、自己組織化リソグラフィ―を用いた比較の磁気記録媒体のプリアンブル3’の磁性体ドット6’の列は、磁気ドット群が磁気ドット領域に分割されていないので、連続的にダウントラック方向の幅が変化する。例えば、欠陥領域F1、欠陥領域F3に示すように、ダウントラック方向の幅の変化に伴ってドット配列数Nmが変化する部分で、ドット欠陥やピッチずれが発生する。このような配列欠陥が生じると、図7(b)に示すように、欠陥領域F1、欠陥領域F3における再生信号では、そのピーク位置がクロックのウィンドウ領域からずれたり、その波形が歪になることにより、エラーが発生し、その結果SNRが低下する。ドット配列数Nmが変化しないトラックの領域F2の波形には、歪みやずれは見られない。
【0043】
図8は、図7に示す磁気ドット群を自己組織化材料を用いて形成するためのガイドを表す図を示す。
【0044】
例えば絶縁層61を形成したスタンパ用基材を用意し、リソグラフィーによって絶縁層61中に、自己組織化材料のガイドをするための溝62を形成する。プリアンブル3’は、連続的に溝幅が広がる形状を有するため、外周に向かって溝幅が連続的に大きくなる溝形状とし、クロストラック方向に沿う溝を等間隔で形成する。このとき、データ領域1’ではダウントラック方向に沿う記録トラックに対応する溝63を等間隔で形成した。
【0045】
図9は、図8に示すガイドに自己組織化材料を適用して磁気ドット群を形成した様子を説明するための図を示す。
【0046】
図に示すように、上記のようにして形成された溝62,63内に、ブロックコポリマーを充填して相分離させると、溝の方向に向かってドット状のポリマー粒子が、ダウントラック方向にピッチL0で配列し、サーボ領域のプリアンブル3’では、ドット状のポリマー粒子がクロストラック方向にピッチL0で配列する。
【0047】
こうして形成されたポリマー粒子をマスクテンプレートとして、基板をエッチングすることで、凹凸ドット形成することができ、本発明の実施形態に係る磁気記録媒体の製造するインプリント用原盤を作製することができる。
【0048】
基板上に磁性層と絶縁層を形成し、上記原盤を用いて、絶縁層にナノインプリント工程で、凹凸のドットパターンを転写し、絶縁層の凸ドットパターンをマスクとして、磁性層をエッチングすることで、磁性体ドットを製造することができる。また、基板上に磁性層と絶縁層を形成し、同様の工程で、ポリマー粒子をマスクテンプレートとして、磁性層をエッチングすることによって磁性体ドットを製造することもできる。
【0049】
上記の方法で作製すると、磁気ドット群の配列状態とポリマー粒子の配列状態は、溝形状に大きく影響を受ける。データ領域1の溝は、同心円状であるので、溝幅は一定であるため、配列への影響は少ない。一方、サーボ領域のプリアンブル3’は、前述したように、内周側より外周側の方が、周方向の幅が広くなるため、溝幅の変化がドット配列に大きく影響を与える。図7(a)のように、現行の連続膜で書かれているような連続的に溝幅が広がる形状で、配列ガイドを作製してしまうと、磁気ドット群の配列欠陥が観察される。
【0050】
そこで、溝幅とドット配列の関係を最適化するために、数種類の幅の溝を作製し、その溝内で自己組織化粒子の配列状況を調査する実験を行った。
【0051】
(ガイド幅とドット配列数の検証実験)
自己組織化ドットピッチの調査
溝に充填する自己組織化材料として、ジブロックコポリマのー種であるポリスチレン−ポリジメチルシロキサン(PS−PDMS)を用意した。
【0052】
まず、自己組織化構造の周期長を調べるため、ガイドなしの平面ウエハ上で実験を行った。数平均分子量MnがPSで11700、PDMSで2900、分子量分散が1.07であるPS−PDMS(以下、PS−PDMS #1とする)をトルエン溶媒で、0.30wt%に調整し、3インチのガイドなしウエハにスピンコートし、20nm厚みのPS−PDMS膜を得た。この基板を180℃で12時間、真空中でアニール処理をした。次に、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置で酸素プラズマエッチングをした後に、SEMで表面形状を観察したところ、17nmピッチのドット周期構造が観察された。
【0053】
ガイドの作製
図10(a)ないし図10(f)に、ガイド用インプリントスタンパの製造工程を表す断面図を示す。
【0054】
直径8インチのシリコンウエハ51に、電子線レジストZEP520A(日本ゼオン)をアニソールで2倍に希釈し、0.2μmのメンブランフィルタでろ過後、スピンコートした。その直後、200℃で3分間プリベークして、図10(a)に示すように、0.5μm厚のレジスト層52を得た。加速電圧50kV、ビーム径20nmの電子線描画装置を用いて、図10(b)に示すように、トラックピッチ200nmで線速度条件を変化させて溝に相当するパターン53を描画し、その後、リンス液(ZMD−B(日本ゼオン社製))に90秒間浸漬してリンスを行い、エアーブローにより乾燥させることにより、図10(c)に示すように、溝に対応するレジストパターン52’を有するレジスト原盤54を得た。ここでは、下記表1に示すように、45,50,53,55,58,63,65,72,79,80,84,90nmの12種類の幅の溝に対応するレジストパターンを形成した。
【0055】
次に、図10(d)に示すように、レジスト原盤54上にスパッタリング法によって薄い導電膜55を形成した。ターゲットには純ニッケルを使用し、8×10−3Pa迄真空引きした後、アルゴンガスを導入して1Paに調整されたチャンバー内で400WのDCパワーをかけて20秒間スパッタリングさせて、15nmの導電膜を得た。
【0056】
その後、導電膜の付いたレジスト原盤をスルファミン酸ニッケルメッキ液(昭和化学(株)製、NS−160)を使用し、90分間電鋳し、図10(e)に示すように、電鋳膜56を形成した。電鋳浴条件は次の通りである。
【0057】
スルファミン酸ニッケル:600g/L
ホウ酸:40g/L
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.15g/L
液の温度:55℃
pH:4.0
電流密度:20A/dm
このとき得られた電鋳膜の厚さは300μmであった。
【0058】
この後、図10(e)に示すように、レジスト原盤54から、導電膜55および電鋳膜56ならびに図示しないレジスト残渣を備えたスタンパ57を剥離した。続いて、図10(f)に示すように、レジスト残渣を酸素プラズマアッシング法で除去した。酸素プラズマアッシングは酸素ガスを100ml/minで導入し、4Paの真空に調整されたチャンバー内で100Wで20分間プラズマアッシングを行なった。これにより、導電膜および電鋳膜を備えたファザースタンパ57’を得た。その後、得られたスタンパの不要部を金属刃で打ち抜くことによりガイド用インプリント用スタンパとした。
【0059】
スタンパをアセトンで15分間超音波洗浄をした後、インプリント時の離型性を高めるため、フルオロアルキルシラン(CF(CFCHCHSi(OCH)(GE東芝シリコーン株式会社製、TSL 8233)をエタノールで5%に希釈した溶液で30分浸し、ブロアーで溶液を飛ばした後に、120℃で1時間アニールした。
【0060】
図11(a)ないし図11(h)に、自己組織化ドットパターンの製造工程を表す断面図を示す。
【0061】
図11(a)に示すように、Si基板41にインプリント用レジストとして、ノボラック系レジスト( ローム・アンド・ハース製、S1801)を回転数3800rpmでスピンコートし、レジスト膜43を形成した。その後、図11(b)に示すように、上述のスタンパの被加工材基板41に対する位置合わせを行い、スタンパ57’を2000barで1分間プレスすることによって、レジスト膜43にそのパターンを転写した。パターンが転写されたレジスト膜43を5分間UV(紫外線)照射した後、160℃で30分間加熱して、レジスト膜43を硬化せしめた。次に、図11(c)に示すように、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置を用い、2mTorrのエッチング圧下でレジスト膜43に、酸素RIEを行って、基板41が露出するまでエッチングを行い、基板41に上に自己組織化ドットパターン用ガイドとなる溝を規定するためのレジストパターン43’を形成した。このとき、SEMで各溝幅を観察すると、表1のような12種類の溝幅(45nm、50nm、53nm、55nm、58nm、63nm、65nm、72nm、79nm、80nm、84nm、90nm)が形成されていた。
【0062】
次に、前述のPS−PDMS #1を0.30wt%トルエン溶液として、図11(d)に示すように、レジストパターン43’を備えた基板41にスピン塗布した。図11(e)に示すように、180度で24時間アニール処理を行うことにより、PS−PDMSを、島状のポリスチレン相44aと海状のポリジメチルシロキサン相44bに相分離せしめ、溝内で自己組織化構造を作製した。さらに、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置で酸素プラズマエッチングを行い、図11(f)に示すように、海状のポリジメチルシロキサン相44bを除去して、自己組織化ドットパターン44aを得た。得られた自己組織化ドットパターン44aをSEMで観察した。
【0063】
SEMの観察像から、下記表1に示すように、最小で3列、最大で6列までの配列数を確認することができた。
【0064】
図12に、SEMの観察像の一例を説明するための図を示す。
【0065】
溝内には、図12に示すように、ポリマー粒子44aがガイドに沿って、ドットピッチL0 17nmで配列していた。ここで、ガイド方向に配列するポリマー粒子列を配列数として、1列と数えることにした。
【表1】

【0066】
【表2】

【0067】
図12のようにドットピッチL0に対して、n本の配列がある場合、溝幅Wgは下記式(2)で表される値の付近にあることが望ましいと考えられる。
【0068】
Wg=n*L0*√3/2…(2)
ドットピッチL0が17nmとして計算すると、表2に示すように、3本配列では44.2nm、4本配列では58.9nm、5本配列では73.6nm、6本配列では88.3nmとなる。そこで、表1には、この計算値と実験値の差も合わせて示した。
【0069】
図13には、溝幅と配列本数との関係をプロットした。
【0070】
図中、◇は、上記実験値を示し、○は計算値を示す。
【0071】
配列数3本の場合は、計算幅から0.8−8.8nm大きくてもよいが、10.8nm大きくなった溝4では、4本となった。また、配列数4本では、計算値の−3.9nmから+4.1nmの間で配列数4本が成立するが、6.1nm大きくなった溝7では5本になった。配列数5本は、計算値の−8.6nmから+6.4nmまで成立しているが、10.4nm大きい溝11では配列は6本となった。配列数6本では、計算値−4.5nmで成立しているが、−8.3nmでは成立していないことが判明した。以上の結果から、配列数が3から6で形成される場合、溝幅を計算値の−5nmから+6nmの範囲に設定すれば、予定通りの配列本数とすることができ、欠陥が生じにくいと考えられる。これは、ちょうどドットピッチ17nmの30%程度であるので、下記式(3)の範囲に設定すると、マージンを持って設計値通りの本数にすることができると結論した。
【0072】
n*L0*√3/2−0.3*L0<Wg<n*L0*√3/2+0.3*L0…(3)
本発明では、この溝幅Wgを用いて、記録磁性媒体用のインプリントガイドを設計することができる。
【0073】
以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【実施例1】
【0074】
(PS−PDMS 30nmピッチドットパターン)
溝に充填するジブロックコポリマー種として、ポリスチレン−ポリジメチルシロキサン(PS−PDMS)を用いた。まず、自己組織化構造の周期長を調べるため、ガイドなしの平面ウエハ上で実験を行った。数平均分子量MnがPSで30000、PDMSで7500、分子量分散が1.10であるPS−PDMS(PS−PDMS #2)をトルエン溶媒で、0.50wt%に調整し、3インチのガイドなしウエハにスピンコートしたところ、30nm厚みのPS−PDMS膜を得た。この基板を180℃で12時間、真空中でアニール処理をした。次に、ICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置で酸素プラズマエッチングをした後に、SEMで表面形状を観察したところ、30nmピッチのドット周期構造が観察された。
【0075】
この30nmピッチのPS−PDMS #2を用いたビットパターンドメディアのサーボ領域の作製方法について説明する。
【0076】
最初に、自己組織課ガイド用ニッケルスタンパの作製方法について説明する。
【0077】
パターン53として、磁気ドット領域の数mzが4であり、図4と同様の構成を有するガイドパターンを用いること以外は図10(a)ないし図10(d)に示す工程と同様にして、描画用のプリアンブル部用パターンとしてのレジスト原盤を得た。
【0078】
30nmピッチの場合は、下記表3に示すように式(1)の値を計算し、30nmピッチドット3列用に78nm幅の台形パターンから始まり、最後に4番目に6列用に156nm幅となるようにサーボ領域のガイドパターンを作製した。一方、データ領域は、200nmピッチで104nmの溝幅の同心円を作製した。レジスト原盤のパターン高さは、原子間力顕微鏡で確認すると、50nmになっていた。次に、図10(e),図10(f)に示す工程と同様にして、電解メッキ法にて、導電化膜付きのガイド用インプリントNiスタンパを作成した。
【表3】

【0079】
次に、図14を用いて自己組織化ドットパターン入り原盤の作製方法について説明する。
【0080】
図14(a)に示すように、室温高圧インプリント法を用いて、作製したニッケルスタンパ57’からレジスト基板41にパターンを転写した。このとき、ポジレジストであるS1818を10倍希釈して、スピンコート法(回転数:5000rpm)でSi基板41上に膜厚100nmのレジスト層43を作製した。ここで、Si基板41は、後工程で、パターン転写するために基板側からカーボン層を20nm及びSi層を5nmの膜厚で積層したハードマスク層42を設けたものを使用した。ハードマスク層42は、アルゴンイオンスパッタ装置にて成膜を行った。図14(b)に示すように、インプリントでレジスト43にパターン転写後、クリーンオーブンで200℃1時間のアニール処理を行い、レジストパターン43を硬化させた。AFMでパターンを観察すると、高さ40nmのパターンが確認された。図14(c)に示すように、酸素プラズマエッチング装置を用いて、パターン溝の底がハードマスク層42に到達するまでエッチング処理を行った。この時、エッチングは圧力が0.2 mTorr、アンテナパワー100W、コイルパワー100Wの条件で、30秒実施した。内周側の円弧溝をAFMで測定すると、周方向の幅は、78nmの溝幅になっていた。一方、外周側の円弧溝の幅は両者とも156nmほどの幅になっていた。また、溝の深さは35nmになっていた。
【0081】
上述のように溝を形成した基板に、図14(d)に示すように、前述のPS−PDMS #2の溶液44を塗布した。溶液44の溶媒としては、トルエンを用い、0.5wt%の溶液に調整し、3000rpmでスピンコートした。その後180℃で24時間真空中にてアニール処理を実施し、図14(e)に示すように、PS−PDMSを島状のポリスチレン44aと、海状のポリジメチルシロキサン44bに相分離させ、自己組織化によるドット構造を作製した。
【0082】
アニール処理終了後にCFを0.5 mTorr、アンテナ―パワー50W、コイルパワー50Wで10秒実施して表面PDMS層を剥離し、続けて、酸素プラズマエッチングで0.2mTorr、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wで30秒実施した。AFMで観察すると、図14(e)に示すように、30nmピッチの相分離したドットパターン44aを、データ部及びサーボ部で確認することができた。プリアンブル部が図4のように複数の円弧の溝にドットが入っていることが観察された。最内周の溝では、設計通り、半径方向に3列のドット配列になっていた。2番目の溝では、半径方向に5列のドット配列になっていた。最外周の大径溝は、周方向の幅が156nmあり、半径方向に6列のドット配列になっていた。どの領域内も、空間的な欠陥は生じておらず、ほぼ六方細密構造で配列されていた。サンプルをAFMで観察すると、ガイド溝は消失し、ドットの凸パターン44aのみが観察された。次に、図14(f)に示すように、ドットの凸パターンをマスクとして、ハードマスク層42のうち膜厚5nmのSiハードマスク層42bを、CFプラズマエッチングに、0.2Pa、アンテナ―パワー50W、コイルパワー50Wの条件で15秒曝露して選択的に除去した後、図14(g)に示すように、下地の膜厚15nmのCハードマスク42aを酸素プラズマエッチングで、0.2Pa、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wの条件で35秒行うことで、エッチングして、パターンをハードマスク42に転写した。次に、図14(h)に示すように、基板のSiをCFプラズマエッチングで0.2Pa、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wの条件で30秒エッチングした。最後にCハードマスク42aを酸素プラズマエッチングで、0.2Pa、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wの条件で40秒行って除去することで、図14(i)に示すように、シリコンスタンパ原盤41’を作製した。
【0083】
原子間力顕微鏡で確認したところ、ポリマーのパターンと同じく、ドット配列がそろった集団が半径方向に並んでいる構造が観察された。
【0084】
このシリコンスタンパ原盤41’に、図10(d)に示す工程と同様にして、図14(j)に示すように、スパッタリング法によって薄い導電膜45を形成した。ターゲットには純ニッケルを使用し、8×10−3Pa迄真空引きした後、アルゴンガスを導入して0.5Paに調整されたチャンバー内で100WのDCパワーをかけて30秒間スパッタリングさせて、7nmの導電膜を得た。次に、図10(e)に示す工程と同様にして、電解メッキ法にて、導電化膜付きのガイド用インプリントNiスタンパ46を形成した。電鋳浴条件は次の通りである。
【0085】
スルファミン酸ニッケル:600g/L
ホウ酸:40g/L
界面活性剤(ラウリル硫酸ナトリウム):0.15g/L
液の温度:50℃
pH:4.0
電流密度:10A/dm
このとき得られた電鋳膜の厚さは300μmであった。
【0086】
図15(a)に示すように、1.8インチドーナツ型ガラス基板たる被加工材基板81上に垂直記録用の磁気記録層82、レジストマスクから磁気記録層にパターン転写をするためのハードマスク層83が形成された基板を用意し、この保護層83上にノボラック系レジスト(ローム・アンド・ハース製、S1801)を回転数3800rpmでスピンコートし、レジスト膜84を形成した。ここで、ハードマスク層83は、基板側からカーボン層を20nm及びSi層を5nmの膜厚で積層した構成とした。その後、上述のスタンパ46の被加工材基板81に対する位置合わせを行った。その後、図15(b)に示すように、スタンパ46を2000barで1分間プレスすることによって、レジスト膜84にそのパターンを転写した。パターンが転写されたレジスト膜84を5分間UV(紫外線)照射した後、160℃で30分間加熱した。以上のようにインプリントされた基板をICP(誘導結合プラズマ)エッチング装置を用い、2mTorrのエッチング圧下でレジスト膜に酸素RIEを行って図15(c)に示すように、レジストパターン84’を形成した。続いて、レジストパターン84’をマスクとして、次の様にドット状のハードマスク層83’を形成した。まずハードマスク層の上部のSi層を0.1Pa、アンテナ―パワー50W、コイルパワー10Wの条件で30秒エッチングし、ドット状のSiハードマスクを形成した。次に、このSi層をハードマスクとして、下層にあるC層を酸素プラズマエッチングで、0.1Pa、アンテナ―パワー200W、コイルパワー5Wの条件で40秒行って除去することでドット状のCハードマスクを形成した。
【0087】
さらに、ドット状のハードマスク層83’をマスクとして、Arイオンミリングを用いて、磁気記録膜82をエッチングし、孤立したドット状の磁気記録層82’を形成した。
【0088】
その後、図15(f)に示すように、エッチングマスクとなっていたドット状のハードマスク層83’を剥離するため、400W、1Torrで酸素RIEを行った。
【0089】
その後、図15(g)に示すように、基板81及び磁気記録層82’上に、保護膜85としてCVD(化学気相成膜法)で3nm厚のDLCを成膜した。
【0090】
さらに、保護膜85上に図示しない潤滑剤をディップ法で1nm厚となるように塗布し、磁性体加工型磁気ディスク媒体162を得た。なお、磁気記録層82aの形成後、SiO等の非磁性材料がスパッタなどによって溝に埋め込み形成された後、保護膜としてDLCが成膜されることも、ヘッドの浮上安定させるよう表面形状を平坦化調整できる点で好ましい。
【0091】
上記磁気記録媒体をスピンスタンドで評価したところ、プリアンブル部の半径方向のSNRがほぼ15dBであることを確認できた。
【0092】
図16に、上記磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置の一例を一部分解した斜視図を示す。
【0093】
磁気記録再生装置170において、本発明に係る情報を記録するための剛構成の磁気ディスク162は、スピンドル163に装着されており、図示しないスピンドルモータによって一定回転数で回転駆動される。磁気ディスク162にアクセスして情報の記録を行う記録ヘッド及び情報の再生を行うためのMRヘッドを搭載したスライダー164は、薄板状の板ばねからなるサスペンションの先端に取付けられている。サスペンションはアーム165の一端側に接続されている。
【0094】
アーム165の他端側には、リニアモータの一種であるボイスコイルモータ167が設けられている。また、ボイスコイルモータ167は、アーム165のボビン部に巻き上げられた図示しない駆動コイルと、それを挟み込むように対向して配置された永久磁石および対向ヨークにより構成される磁気回路とから構成されている。
【0095】
アーム165は、固定軸166の上下2カ所に設けられた図示しないボールベアリングによって支持され、ボイスコイルモータ167によって回転揺動駆動される。すなわち、磁気ディスク162上におけるスライダー164の位置は、ボイスコイルモータ167によって制御される。
【比較例1】
【0096】
ガイドスタンパとして、図7(a)のように、プリアンブル部を内周から外周まで一つのゾーンで描画したもので、最初に30nmピッチドットが3列並ぶように溝幅Winを78nmからスタートさせて、外周側は半径位置23mmで幅Woutが156nmとなるものを作製した。実施例1と同様のプロセスで、基板上に物理ガイドを作製し、30nmピッチ自己組織化ドットパターンの原盤作製し、AFMでプリアンブル部分を観察したところ、内周では、4列でスタートし、外周に向かって、半径方向のドット列が増えていくことが観察された。また、ドット列が増える所では、図7(a)の領域F1,F3に示す欠陥と同様に、配列が乱れた欠陥が生じていることが数カ所観察された。このスタンパを用いて、実施例1と同様のプロセスで磁気記録媒体を作製し、スピンスタンドで、プリアンブル部の信号を評価した。半径方向に信号のSNRのプロファイルを測定してみると、ほとんどが実施例1と同様に15dBであったが、半径位置の何カ所かで12dBにSNRが低下するところが見られた。この半径位置部分のスタンパ像をSEMで観察すると、配列が乱れた領域であることが分かった。
【実施例2】
【0097】
(PS−PDMS 22nmピッチドットパターン)
溝に充填するジブロックコポリマー種として、PS−PDMSを用いた。まず、自己組織化構造の周期長を調べるため、ガイドなしの平面ウエハ上で実験を行った。数平均分子量MnがPSで13500、PDMSで4000、分子量分散が1.07であるPS−PDMS(以下、PS−PDMS #3という)をトルエン溶媒で、0.30wt%に調整し、3インチのガイドなしウエハにスピンコートしたところ、20nm厚みのPS−PDMS膜を得た。この基板を180℃で12時間、真空中でアニール処理をした。次に、ICP(誘導結合プラズマ) エッチング装置で酸素プラズマエッチングをした後に、SEMで表面形状を観察したところ、22nmピッチのドット周期構造が観察された。
【0098】
この22nmピッチのPS−PDMS #3を用いたビットパターンドメディアのサーボ領域の作製方法について説明する。実施例1と同様に、描画用のプリアンブル部用パターンとして、磁気ドット領域の数mzが4であり、図4と同様の構成を有する4階段状のガイドを作製した。22nmピッチの場合は、下記表4に示すように計算でき、22nmピッチドット3列用に58nm幅の台形パターンから始まり、最後に4番目に6列用に115nm幅となるように作製した。一方。記録トラックは、200nmピッチで78nmの溝幅の同心円を作製した。
【表4】

【0099】
実施例1と同様のプロセスで、ビットパタンドメディア用のインプリント用原盤作製した。どの台形溝内も、空間的な欠陥は生じておらず、ほぼ六方細密に近い構造で配列していた。サンプルをAFMで観察すると、ガイド溝は消失し、ドットの凸パターンのみが観察された。ポリマーのパターンと同じく、ドット配列がそろった集団が半径方向に並んでいる構造が観察された。電子顕微鏡で観察しても同様な、ドット配列を確認できた。
【実施例3】
【0100】
(PS−PDMS 17nmピッチドットパターン)
溝に充填するジブロックコポリマー種として、17nmピッチドットの自己組織化構造となるPS−PDMS #1を用いた。
【0101】
この17nmピッチのPS−PDMS #1を用いたビットパターンドメディアのサーボ領域として、実施例1と同様に、描画用のプリアンブル部用パターンとして、磁気ドット領域の数mzが4であり、図4と同様の構成を有する4階段状のガイドを作製した。17nmピッチの場合は、最適な溝幅は、表2に示すようであるので、3列用に45nm幅の台形パターンから始まり、最後に4番目に6列用に81nm幅となるように作製した。 一方、記録トラックは、120nmピッチで60nmの溝幅の同心円を作製した。
【0102】
実施例1と同様のプロセスで、ビットパタンドメディア用のインプリント用原盤作製した。どの台形溝内も、空間的な欠陥は生じておらず、ほぼ六方細密に近い構造で配列していた。17nmピッチのPS−PDMS #1を用いた場合においても、サンプルをAFMで観察すると、ガイド溝は消失し、ドットの凸パターンのみが観察された。ポリマーのパターンと同じく、ドット配列がそろった集団が半径方向に並んでいる構造が観察された。電子顕微鏡で観察しても同様な、ドット配列を確認できた。
【実施例4】
【0103】
(PS−PMMA 45nmピッチドットパターン)
溝に充填するジブロックコポリマーとして、ポリスチレンーポリメタクリレート(PS−PMMA)の分子量89300(PS:74300,PMMA:15000 分子量分散Mw/Mn:1.13)を用意した。このPS−PMMAをPGMEAを溶媒として、2.0wt%とし、3インチのガイドなしのシリコンウエハにスピンコートし、180度で15時間真空アニール処理を実施した。AFMで膜表面を観察したところ、、PSマトリックスの中にPMMAドットが形成され、45nmの周期長を持っていること確認した。
【表5】

【0104】
この45nmピッチの自己組織化ドットを用いてビットパターンドメディア用のサーボ領域を以下のように作製した。実施例1と同様に、描画用のプリアンブル部用パターンとして、図4と同様な構造を有する内周から外周まで4階段状のガイドを作製した。45nmピッチの場合は、最適な溝幅は、表5に示すようであり、3列用に117nm幅の台形パターンから始まり、最後に4番目に6列用に234nm幅となるように作製した。一方。記録トラックは、トラックピッチ200nmで155nmの溝幅の同心円を作製した。 実施例1と同様のプロセスで、自己組織化の物理ガイド用のインプリント用原盤作製した。次に、実施例1と同様に、ポジレジストであるs1818を10倍希釈して、スピンコート法でSi基板上に膜厚100nmのレジスト層を作製した(図14(a))。ここで、Si基板は、後工程で、パターン転写するために基板側からカーボン層を20nm、Si層を5nmの膜厚で成膜したハードマスク層を設けたものを使用した。ハードマスク層は、アルゴンイオンスパッタ装置にて成膜を行った。インプリントでレジストにパターン転写後、クリーンオーブンで160℃で30分間のアニール処理を行い、レジストパターンを固めた(図14(b))。AFMでパターンを観察すると、高さ50nmのパターンが確認された。酸素プラズマエッチング装置を用いて、パターン溝の底がシリコン基板まで到達するまでエッチング処理を行った(図14(c))。この時、エッチング条件は圧力が0.2 mTorr、アンテナパワー100W、コイルパワー100Wの条件で、20秒実施した。内周側の円弧溝をAFMで測定すると周方向の幅は、117nmの溝幅になっていた。一方、外周側の円弧溝の幅は両者とも234nmほどの幅になっていた。また、溝の深さは40nmになっていた。
【0105】
上述のように溝を形成した基板に、前述のPS−PMMAの溶液を塗布した(図14(d))。溶媒としては、PGMEAを用い、2.0wt%の溶液に調整し、3000rpmでスピンコートした。その後180℃で15時間真空中にてアニール処理を実施し、PS−PMMAを相分離させ、自己組織化によるドット構造を作製した(図14(e))。
【0106】
アニール処理終了後に、酸素プラズマエッチングで0.2mTorr、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wで15秒実施した。AFMで観察すると、PMMAドットの部分が選択的に、除去されていることを確認した。この基板に、Spin−On−Glass(SOG)(東京応化製)をスピンコーとして、PMMAの除去された穴にSOGを充てんした。続いて、CF4を2.0 mTorr、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wで10秒実施して表面SOG層を剥離し、PS層が出るまでエッチングを行った。続けて、酸素プラズマエッチングで0.5mTorr、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wで30秒実施し、SOGのドットマスクを作製した。AFMで観察すると、45nmピッチの相分離したドットパターンを、データ部及びサーボ部で確認することができた。更に、プリアンブル部では、図4のように複数の円弧の領域にSOGドットが入っていることが観察された。最内周の溝では、設計通り、半径方向に3列のドット配列に、2番目の溝では、半径方向に5列のドット配列になっていた。最外周の大径溝は、周方向の幅が234nmあり、半径方向に6列のドット配列になっていた。どの領域内も、空間的な欠陥は生じておらず、ほぼ六方細密構造で配列されていた(図14(f))。次に、膜厚5nmのSiハードマスクをCF4プラズマエッチングで0.2Pa、アンテナ―パワー50W、コイルパワー50Wの条件で15秒さらし、下地の膜厚15nmのCハードマスクを酸素プラズマエッチングで、0.2Pa、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wの条件で35秒行うことで、エッチングしてパターンをハードマスクに転写した(図14(g))。次に基板のSiをCF4プラズマエッチングで0.2Pa、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wの条件で30秒エッチングし(図14(h))、最後にCハードマスクを酸素プラズマエッチングで、0.2Pa、アンテナ―パワー100W、コイルパワー100Wの条件で40秒行って除去することで、シリコン原盤を作製した(図14(j))。原子間力顕微鏡で確認したところ、ポリマーのパターンと同じく、ドット配列がそろった集団が半径方向に並んでいる構造を確認することができた。
【符号の説明】
【0107】
1…データ領域、2…サーボ領域、3…プリアンブル部、44a…ドットパターン、71,163…磁気記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回動可能なアクチュエータアームに取り付けられた再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置に適用されるディスク状の磁気記録媒体であって、
該再生ヘッドが該磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動する際の軌跡に相当する円弧に沿って設けられたサーボ領域を有し、
該サーボ領域は、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、
該磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域を含み、
該複数の磁気ドット領域のうち該磁気記録媒体の最内周からm番目の磁気ドット領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、下記式(1)で表される関係を満たす磁気記録媒体。
L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)
【請求項2】
前記式(1)を満足する磁気ドット群がプリアンブル部を構成する請求項1に記載の磁気記録媒体。
【請求項3】
前記プリアンブル部を構成する磁気ドット群を基準ドット群と見なし、該基準ドット群を組み合わせてアドレス部及びバースト部のうち少なくとも一方を構成する請求項2に記載の磁気記録媒体。
【請求項4】
同一トラック上におけるプリアンブル部、アドレス部、及びバースト部を構成する各磁気ドット群の各幅において、該アドレス部及び該バースト部のうち少なくとも一方の幅が、該プリアンブル部の幅を基準として決められている請求項2に記載の磁気記録媒体。
【請求項5】
回動可能なアクチュエータアームに取り付けられ、磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動可能な再生ヘッドと、請求項1に記載の磁気記録媒体とを具備する磁気記録再生装置。
【請求項6】
回動可能なアクチュエータアームに取り付けられた再生ヘッドを備えた磁気記録再生装置に適用され、該再生ヘッドが該磁気記録媒体上をそのクロストラック方向に移動する際の軌跡に相当する円弧に沿って設けられたサーボ領域を有し、該サーボ領域は、周期L0で配列された磁気ドット群を含み、該磁気ドット群は、そのクロストラック方向に亘って、分割された複数の磁気ドット領域を含み、
該複数の領域のうち該磁気記録媒体の最内周からm番目の領域のダウントラック方向の幅Wmと、m番目の領域のダウントラック方向のドット配列数Nmは、下記式(1)で表される関係を満たす磁気記録媒体の製造方法であって、
L0{Nm√3/2−0.3}≦Wm≦L0{Nm√3/2+0.3}…(1)
前記複数の磁気ドット領域に相当する凸パターンを有する第1のスタンパを形成する工程、
該第1のスタンパの凸パターンを、基材上に設けられたレジスト層にインプリント法により転写した後、レジストを硬化させてガイドを形成し、該ガイド内に自己組織化材料を適用して相分離せしめ、前記周期L0で配列された磁気ドット群に相当する自己組織化ドットパターンを形成し、該自己組織化ドットパターンに基づく第2のスタンパを作成する工程、
基板及び該基板上に設けられた磁気記録層を含む磁気記録媒体を用意し、該磁気記録層上にパターン転写用レジスト材料の塗布層を形成し、前記第2のスタンパのパターン面を該塗布層を介して貼り合わせ、該塗布層を硬化せしめた後、該第2のスタンパを剥離し、前記磁気記録層上に前記自己組織化ドットパターンが転写されて硬化されたレジスト材料層を形成し、該硬化されたレジスト材料層をマスクとしてドライエッチングを行い、磁気記録層表面に、前記磁気ドット群を形成する工程を具備する磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
前記式(1)を満足する磁気ドット群がプリアンブル部を構成する請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記プリアンブル部を構成する磁気ドット群を基準ドット群と見なし、該基準ドット群を組み合わせてアドレス部及びバースト部のうち少なくとも一方を構成する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
同一トラック上におけるプリアンブル部、アドレス部、及びバースト部を構成する各磁気ドット群の各幅において、該アドレス部及び該バースト部のうち少なくとも一方の幅が、該プリアンブル部の幅を基準として決められている請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−210330(P2011−210330A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78861(P2010−78861)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】