神経障害および保護感覚の喪失を治療するための方法および装置
本明細書中に記載のある実施形態は、保護感覚の喪失を治療するための方法に向けられている。ある実施形態では、保護感覚の喪失は、たとえば、有効パルス周波数の有効な量のパルス化電流の印加によって回復され得る。保護感覚の喪失を治療するように設計された装置およびシステムも記載される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権出願
この出願は、2008年5月29日に提出された米国出願第61/057,162号の優先権を主張し、その開示全体がすべての目的のためにここに引用により援用される。
【0002】
技術分野
本明細書中に記載のある実施形態は、神経障害を治療する、または、たとえば手および足を含む身体の区域における保護感覚喪失(LOPS)(たとえば、糖尿病から来る神経障害と関連の保護感覚喪失)を治療もしくは防止するように設計される方法および装置に向けられている。
【背景技術】
【0003】
背景
保護感覚の喪失は、循環が悪い年配者および糖尿病を患っている多数の人々が一般的に経験する状態である。糖尿病の被験者は特に、末端の感覚を喪失する恐れがある。保護感覚は重要である。なぜなら、これにより人は足の上部および/または底部ならびに他の付属肢における変化を感知できるからである。保護感覚の喪失に気づかないままであると、水泡および傷が足(または他の区域)の上に形成される可能性があり、これは究極的に感染症および起こり得る切断に至る可能性がある。保護感覚の喪失を治療するため、より良い装置および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約
第1の局面では、たとえば神経障害と関連付けられる保護感覚喪失などの保護感覚の喪失を治療する方法が提供される。ある例では、方法は、被験者の足の上の保護感覚喪失(または神経障害)がある区域を同定するステップを備える。いくつかの例では、方法は、第1の電極および第2の電極を備える足浴に当該区域を入れ、当該区域を足浴中の流体に浸漬し、足を第1の電極および第2の電極に結合するステップを備える。他の例では、方法は、第1の電極および第2の電極を用いて有効な量の電流を当該区域に与えて足の区域の保護感覚喪失を治療するステップを備える。いくつかの例では、保護感覚の喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられ得る。
【0005】
別の局面では、被験者の付属肢の区域の保護感覚の喪失を治療する方法が開示される。ある例では、方法は、付属肢の区域を第1の電極および第2の電極に結合するステップと、第1および第2の電極を通して有効な量の電流を結合された区域に与えて付属肢の区域中の感覚神経線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するステップとを備える。いくつかの例では、保護感覚の喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられ得る。
【0006】
付加的な局面では、被験者の付属肢の区域における、たとえば保護感覚喪失または神経障害と関連付けられる保護感覚喪失などの神経障害を治療する方法は、保護感覚を喪失した区域に有効な量のパルス化電流を与えるステップを備え、パルス化電流は、有効パルスペア周波数で与えられて感覚線維神経を選択的に標的にする。いくつかの例では、パルスペア周波数は、疼痛神経線維を実質的に標的にせずに感覚神経線維を標的にして区域の保護感覚喪失を治療するように選択され得る。
【0007】
別の局面では、被験者の足の上の区域の保護感覚喪失を治療するための足浴が提供される。ある例では、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を備え、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設ける。いくつかの例では、足浴は、貯蔵部の中の第1の電極および貯蔵部の中の第2の電極も含み得る。ある実施形態では、足浴は、第1の電極および第2の電極に電気的に結合され、第1の電極および第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて第1および第2の電極を足の区域に結合するとともに足の区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するように構成される回路を含み得る。ある例では、足浴を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0008】
付加的な局面では、被験者の足の区域の上の保護感覚喪失を治療するための靴下が記載される。ある例では、靴下は、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントと、靴下の中の第1の電極と、靴下の中の第2の電極とを備える。いくつかの例では、靴下は、第1の電極および第2の電極に電気的に結合され、第1の電極および第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて第1および第2の電極を足の区域に結合するとともに足の区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するように構成される回路も含み得る。いくつかの例では、靴下を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0009】
別の局面では、被験者の手の区域の上の保護感覚喪失を治療するための手袋が提供される。ある例では、手袋は、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部へ延在する掌面および裏面と、手袋の中の第1の電極と、手袋の中の第2の電極とを備える。ある実施形態では、手袋は、第1の電極および第2の電極にパルスペア周波数のパルス化電流を与えて第1および第2の電極を手の区域に結合するとともに、手の区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するように構成される手袋中の回路も含み得る。ある例では、手袋を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0010】
付加的な局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法が提供される。ある例では、方法は、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を設けるステップを備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を備え、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、足浴を用いて、第1および第2の電極を通してパルス化電流を足の区域に与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える。ある例では、足浴を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0011】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントとを備える靴下を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、靴下を用いて、第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える方法が開示される。ある例では、靴下を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0012】
付加的な局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部に延在する掌面および裏面とを備える手袋を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、手袋を用いて、第1および第2の電極を通して手の区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が開示される。ある例では、手袋を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0013】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブを設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、スリーブを用いて、第1および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が記載される。ある例では、スリーブを用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0014】
付加的な局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が開示される。ある例では、包帯を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0015】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、保護感覚喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚喪失を治療すべき区域の周りに外被(wrap)を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が記載される。ある例では、外被を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0016】
付加的な局面では、足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を有し、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、キットはさらに、足浴を用いて、足浴中の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を備える、キットが開示される。ある例では、キットの足浴は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0017】
別の局面では、足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントとを備える靴下と、靴下を用いて、靴下の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、キットが記載される。ある例では、キットの靴下は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0018】
付加的な局面では、手の区域の上の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部へ延在する掌面および裏面とを備える手袋と、手袋を用いて、手の区域に、手袋の中のまたは手袋と接する第1の電極および第2の電極にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。ある例では、キットの手袋は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0019】
別の局面では、保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブと、スリーブを用いて、スリーブの中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。ある例では、キットのスリーブは、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0020】
付加的な局面では、保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯と、包帯を用いて、包帯の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。ある例では、キットの包帯は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0021】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にするためのキットであって、保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被と、外被を用いて、外被の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。ある例では、キットの外被は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0022】
付加的な局面、特徴および実施例が以下により詳細に記載される。
ある具体的な局面、特徴および実施例が添付の図面を参照して以下により詳細に記載される。
【0023】
当業者には、この開示の利点を考慮すれば、図に示される装置の寸法が縮尺どおりでないことが認識されるであろう。ある寸法は、本明細書中に記載の技術のより十分な理解を容易にするために拡大されているか、またはそうでない場合は歪められていたかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】ある例に従う単一の流体コンパートメントを含む足浴の図である。
【図1B】ある例に従う2つの流体コンパートメントを含む足浴の図である。
【図2】ある例に従う保護感覚喪失を治療するために用いるべき電流を定める手順のフロー図である。
【図3】ある例に従う単相パルス化電流の図である。
【図4A】ある例に従う異なる手袋実施形態の図である。
【図4B】ある例に従う異なる手袋実施形態の図である。
【図5】ある例に従う靴下の図である。
【図6A】ある例に従う包帯の図である。
【図6B】ある例に従うスリーブの図である。
【図6C】ある例に従う外被の図である。
【図7】ある例に従う治療の有効性および終結を判定するのに用い得る手順である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本明細書中に記載の技術は、身体の多くの異なる区域における、たとえば糖尿病性ニューロパシーと関連付けられる保護感覚喪失などの、たとえば保護感覚喪失などの神経障害状態または神経障害を治療するのに用いることができる。図示の容易のため、足、手、腕または他の付属肢上の区域を参照して、ある実施形態を以下に説明する。しかしながら、方法および装置を他の区域で用いてそれらの区域の保護感覚喪失(または神経障害)を治療することができる。さらに、治療を実施するために本明細書中で印加される電流は、いずれの薬剤または治療薬も用いずに印加され、電流自体の印加を用いて少なくともある程度までは保護感覚喪失の回復を与え得る。
【0026】
糖尿病を患っている多くの人においては、関連の神経の喪失または損傷が存在し得、これは末梢神経障害に繋がる。たとえば、Zochodne, D.W.“Diabetes Mellitus and the Peripheral Nerve System:Manifestations and Mechanisms.”Muscle Nerve 36:144-166, 2007を参照。末梢感覚神経障害は、両足の潰瘍形成および切断の強い危険因子である。Armstrong et al.,“Choosing a Practical Screening Instrument to Identify Patients at Risk for Diabetic Foot Ulceration.”Arch. Internal Med. 1998:158:289-292を参照。糖尿病性ニューロパシーから生じ得る恐れおよび合併症を論じる他の論文は、C.F. Corbett.“Practical Management of Patients With Painful Diabetic Neuropathy,”The Diabetes Educator 2005;31;523;A.J.M. Boulton,“Whither Clinical Research in Diabetic Sensorimotor Peripheral Neuropathy,”Diabetes Care, Vol.30, No, 10, Oct.2007、およびC.H.M. van Schie.“Neuropathy:mobility and quality of life,”Diabetes/Metabolism Research and Reviews, 2008;24(Suppl 1):S45-S51を含むが、これらに限定されるものではない。Khaodir et al.,“Enhancing Sensation in Diabetic Neuropathic Foot with Mechanical Noise,”Diabetes Care, Vol.26, No.12, Dec.2003は、低レベルのノイズを用いて繊細な触覚感度能力を改善させる特定的な標的付けを記載する。これらの論文の各々の全開示がここに引用によりその全体が援用される。
【0027】
本明細書中に開示されるある実施形態は、神経障害状態が存在し得る被験者の区域にまたはその近くに電圧または電流を与えるように構成される、神経障害状態を治療するための装置、システムおよび方法に向けられている。そのような電圧または電流は、装置の正確な構成に依存して、1対の電極または複数の電極を用いて与えることができる。神経障害とは、このためにニューロン全体もしくは選択されたレベルのいずれかに係る末梢運動神経、感覚神経および/または自律神経ニューロンの機能障害および構造的障害が起こり得る状態である。多数の異なる種類の神経障害が存在し、多発神経障害、単神経障害、多発単神経炎、および自律神経障害を含むが、これらに限定されるわけではない。最も一般的な形態は、主に足および脚に影響を及ぼす(対称)末梢多発神経障害である。
【0028】
本明細書中に開示される装置、システムおよび方法は、これらの種類の神経障害のうちいずれの1つ以上を治療するのにも用いられ得るが、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの、たとえば神経障害と関連付けられる保護感覚喪失などの保護感覚喪失を治療するように特に設計される。本明細書中に記載のある実施形態は、たとえば、糖尿病、神経変性、循環悪化などの1つ以上の病状と関連付けられ得る保護感覚を少なくともある程度まで回復させることによって保護感覚喪失を治療するように設計される。たとえば、糖尿病を患っている多くの被験者は、足の感覚が鈍っているもしくは全くないか、または足の感覚の鈍化もしくは無感覚が進行している可能性がある。これらの同じ被験者はしばしば、たとえば、循環の悪化、免疫系の低下または健康状態の全体的な悪化により、足に潰瘍形成および/または感染症を有していたりこれが進行していたりする。認め得るほどの保護感覚が足に全くなければ、潰瘍形成に気づかないまま足の感染症および結果的に切断に繋がってしまい得る。本明細書中に記載の方法および装置は、そのような感覚喪失(または他の神経障害状態)を治療して、何らかの感染症または潰瘍形成に気づかないままになってしまう可能性を低減し、これにより結果的な足の切断の見込みを低下させることができる。保護感覚を回復させる正確なメカニズムは不明確なままであるが、電流の印加は、浮腫を小さくし、限局化された血液循環を増大させ、神経組織の成長を高め、または機能していない神経の機能を回復させ得、このことは保護感覚の改善に繋がり得る。
【0029】
ある実施形態では、保護感覚の喪失を治療する方法であって、たとえば、足、手、脚、腕などの被験者の付属肢の上の保護感覚を喪失した区域を同定するステップを備える方法が記載される。特定の区域の保護感覚の喪失は、いくつかの異なるテストを用いて評価され得る。これらのテストのうちいくつかは、モノフィラメントを用いて、保護感覚が鈍ったまたは保護感覚がない付属肢の区域または複数の区域を同定する。使用可能なそのような1つのテストは、10-g Semmes-Weinsteinモノフィラメントテストとして公知である。このテストでは、モノフィラメントは、1秒間皮膚に押し付けられてC字状に曲がると10グラムの力を加える。付属肢の指定された部位に対して10−gのモノフィラメントが当てられたことを確実に検知することができない患者は、その部位の保護感覚を失ってしまったと考えられる。10−gモノフィラメントを用いた標準化テストによって測定されるような、足の保護感覚を失ってしまった糖尿病患者は、後で下肢の切断に繋がり得る足の潰瘍が進行する恐れが大きく増大している。10−gモノフィラメントテストを付属肢の異なる区域で繰返して、保護感覚の喪失が起こっているそれらの区域のうちいくつかおよびすべてを同定することができる。そのような同定された区域は、本明細書中に記載の方法および装置を用いて治療され得る。
【0030】
1つの実施形態では、治療すべき区域または複数の区域は、第1の電極および第2の電極を含む好適な流体貯蔵部の中に置かれ得る。区域が位置する特定の付属肢に依存して、流体貯蔵部は異なる形態を取り得る。治療すべき区域が足の上に位置する場合、流体貯蔵部は、図1Aに示されるように足浴の形態を取り得る。図1Aを参照して、足浴は、前方壁105、側壁110、115、後方壁120、および底面125を含む。前方壁105は、側壁110、115に接続される。側壁110、115は、後方壁120に接続され、底面125は、前方壁105、側壁110、115および後方壁120の各々に接続されて、たとえば流体が漏れ出ないようなものなど、実質的に液密の貯蔵部を設ける。流体貯蔵部はオプションで、たとえば単一の足または単一の手などの単一の付属肢を受けるように各々がサイズ決めされかつ配置される2つ以上の流体コンパートメントに流体貯蔵部を分割する少なくとも1つの内壁130(図1B)を含んでもよい。再び図1Aを参照して、足浴は、治療すべき区域に結合可能な第1の電極150および第2の電極155を含み得る。電極は足浴に一体化可能であるか、または足浴に追加することができる。図1Bの分割された足浴を用いる場合、各々のコンパートメントは、たとえばそれぞれ電極対160、165および170、175などのそれ自体の対の電極を含み得る。電極が治療すべき区域に結合されると、区域は電極のうち少なくとも1つと接することができ、区域は電極に隣接することができ、区域は電極のうち少なくとも1つと接する足もしくは手であり得、または区域は電極に隣接する足もしくは手であり得る。特に、区域は多くの異なる置き方および位置で電極に結合可能であるため、電極からの電流を治療すべき区域に与えることができる。たとえば、流体貯蔵部は、治療に先立っておよびその間に区域または付属肢全体を貯蔵部の中に浸漬して区域を第1および第2の電極に結合するのに用いることができる流体を受けることができる。
【0031】
ある実施形態では、足浴は、2つよりも多くの電極を含み得る。たとえば、図1Aには2つの電極が示されているが、2つよりも多くの電極を用いて、治療すべき区域に与えられる電流密度を増大させることができる。さらに、治療すべき区域の置き方に対する電極の正確な置き方は異なり得る。ある例では、電極は足の側方に置かれ得る一方で、他の例では、1つの電極を爪先に置き、他方の電極を足の踵に置くことができる。いくつかの例では、電極を軌道(track)または滑り面の上に搭載可能であるため、それらは、治療すべき区域に隣接してまたはその上に電極を位置決めするように独立して可動である。
【0032】
ある例では、治療すべき区域が一旦流体貯蔵部に置かれると、有効な量の電流が与えられて保護感覚の喪失を治療することができる。ある実施形態では、有効な量の電流が感覚神経線維を選択的に標的にして、神経疼痛線維を実質的に標的にするまたは刺激することなく、保護感覚喪失を治療する。たとえば、保護感覚の喪失と関連付けられる感覚神経が選択的に標的にされて保護感覚の喪失を治療するように、波形、パルス周波数および他の電流パラメータを選択可能である。ある例では、使用される最大電流は、治療を開始する前に装置を較正することによって定めることができる。改良された治療のためには、電流がたとえば約50または100ミリアンペアなどの安全な最大電流を超えないならば、治療においては最大許容電流を用いることが望ましい可能性がある。例示的な較正フロー図が図2に示される。ステップ210で、保護感覚を喪失した被験者の区域が本明細書中で記載のように同定される。次にステップ215で、同定された区域が電極に結合され、電流が印加される。被験者の電流を感知する能力はステップ220で判定される。電流を感知するが被験者が快適である場合、電流はステップ225で増大され、被験者の増大した電流を感知する能力がステップ220で再評価される。電流は最大電流までまたは電流が感知されるポイントまで徐々に増大されるが、被験者は不快に感じる。同様に、最初に印加された電流を被験者が感知しない場合、電流はステップ225で増大され、被験者の電流を感知する能力がステップ220で再評価される。被験者が不快に感じれば、印加される電流はステップ230で低減され、被験者の低減された電流を感知する能力がステップ220で判定される。このプロセスは、ステップ235で最大許容電流が同定されるまで繰返され、次にステップ240で治療が開始される。保護感覚を完全に喪失した被験者においては、印加される電流が感知されることがないかもしれない。そのような事例では、電流は最大電流に設定可能であり、ステップ245で治療が開始され得る。
【0033】
ある実施形態では、治療に適切な電流が一旦定められると、有効な量の電流を第1および第2の電極を通して区域に与えて保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療することができる。電流の種類は異なり得、ある例では、電流は、直流電流、交流電流、連続的な電流、またはパルス化電流であり得る。たとえば、ある実施形態では、印加される電流は、たとえば連続的なまたはパルス化された形態のいずれかの50ミリアンペア未満で印加される直流電流の形態を取り得る。ある例では、直流電流は、150ボルト未満の電圧源を用いて印加可能である。ある実施形態では、たとえば500マイクロアンペアから3ミリアンペアなど、3ミリアンペア未満の強度で直流電流を印加可能である。いくつかの例では、直流電流は、たとえば約150ボルトまでなどの完全オン状態と、たとえば約0ボルトまでの完全オフ状態との間で周期的に繰返され得る。電流がオン状態とオフ状態に留まる持続時間は異なり得、2つの状態の間で周期的に繰返すことにより、電流パルスが生成され得る。ある実施形態では、単相パルス化電流を用いて有効な量の電流が与えられる。単相パルス化電流の例が図3に示される。単相パルス化電流は、選択された持続時間の間は電流が設定された「オン」値に立上がり、再び立上がる前の選択された持続時間の間は「オフ」値に立下がる方形波に似ている。いくつかの例では、電流の強度は約500マイクロアンペアから約100ミリアンペアであり、より特定的にはたとえば約20ミリアンペアから約100ミリアンペア、500マイクロアンペアから約50ミリアンペア、または約20ミリアンペアから約50ミリアンペアなど、約1ミリアンペアから約100ミリアンペアまで異なり得る。
【0034】
ある実施形態では、パルス間の遅延は約100マイクロ秒から約500マイクロ秒に、より特定的には約150マイクロ秒から約400マイクロ秒に異なり得、たとえば、パルスペア間の遅延または距離は、たとえば150−330マイクロ秒など、約150マイクロ秒から約350マイクロ秒であり得る。
【0035】
パルスの正確なオン時間または幅も異なり得る。いくつかの実施形態では、パルス幅は、約1マイクロ秒から約100マイクロ秒、より特定的には、たとえば約4−60マイクロ秒、5−50マイクロ秒、10−50マイクロ秒、または20−40マイクロ秒など、約3マイクロ秒から約75マイクロ秒に異なり得る。パルスは、たとえば50−100Hz、55−90Hz、または60−80Hzなど、選択された周波数で繰返され得る。パルスペアを考える場合、パルスペア周波数は、たとえば、約80−300Hz、より特定的にはたとえば約100−200Hzなど約90−250Hzであり得る。いくつかの例では、パルスペア周波数は、感覚神経線維を選択的に標的にするためには、たとえば約100Hzから約300Hzなど、少なくとも約100Hzであり得、たとえばパルスペア周波数は、典型的にははるかに低い周波数で標的にされる疼痛神経線維を実質的に標的にすることなく感覚神経線維を標的にするように選択可能である。ある例では、被験者が許容可能な強度に依存して、パルス化電流は、パルス幅が約5−50マイクロ秒で、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの強度の単相波形を用いて与えることができる。
【0036】
ある実施形態では、電流は、選択された持続時間の間与えられ得る。たとえば、治療電流が一旦定められると、全治療時間は治療あたり約15分から約45分に異なり得る。各々の治療セッションは所望のスケジュールで繰返され得る。たとえば、治療は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、または毎週毎日行なわれてもよい。治療の全持続時間は、たとえば1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、またはこれらの例示的な期間の間のいずれの期間など、1週間以上続いてもよい。ある実施形態では、治療計画は、1日1回30分間、6週間にわたって週に5回、電流を与えることからなり得る。
【0037】
ある例では、電流の強度および他の電流パラメータを治療の間に変更してもよく、治療ごとに変えてもよい。たとえば、被験者は、治療の開始時に当初許容していたよりも高い電流レベルを許容することができるかもしれない。初期電流が被験者の許容度に基づいて低レベルに設定されている場合、電流を、たとえば5分、10分または15分などの遅延期間の後で増大して、被験者がより高い電流レベルを現在許容可能かどうかを確かめることができる。これに代えて、治療の間に被験者は不快になるかもしれず、治療の間に電流の強度を快適なレベルに低減することが望ましい可能性がある。そのような調整は治療の間にオペレータによってなされ得る。いくつかの事例では、システムは、選択された期間の間はより高いまたはより低いレベルに周期的に電流を調節して異なる電流の「バースト」を与えて治療結果を改善させるようにプログラム可能である。
【0038】
ある実施形態では、図1Aおよび図1Bに示される足浴の電極は、たとえばRich-Mar, NaimcoおよびBioinductionから市販されているものなどの電源に電気的に結合されて、電流を電極および治療すべき区域に与え得る。電源の正確な種類は重要ではなく、多数の異なる種類の電源を使用可能である。いくつかの例では、電源は足浴に一体化可能であり、または使い捨てもしくは再充電可能な電池もしくは複数の電池などの「基板実装」電源であり得る。さらに、電極に用いられる特定の材料は、足浴においてまたは本明細書中に記載の他の装置とともに用いられても重要ではなく、たとえばステンレス鋼および導電金属および非金属などの多数の異なる材料を電極に用いることができる。本明細書中に記載の回路は足浴に一体化可能であるか、または装置の所望の構成に依存して電源の一部であり得る。
【0039】
ある実施形態では、足浴を用いる場合、電流の印加の前に1つ以上の流体を足浴の中に入れておいてもよい。流体は足全体を覆う必要はなく、代わりに、好適な分量だけ加えて患部区域を流体に浸漬することができる。いくつかの事例では、十分な流体を加えることができ、これにより両足全体および両足の踝が流体の中に完全に浸かる。本明細書中に記載のような有効な量の電流を与えることにより、次に治療を開始し得る。
【0040】
ある例では、足浴に加えられる流体は、家庭での足浴の使用を容易にするため、たとえば水道水などの水であり得る。使用者は、治療を開始する前に、所望のレベルまでまたは足浴の側面のマークまで足浴を満たすことができる。次に、足浴の電極をたとえば電流源などの電源に電気的に結合可能であり、治療が行なわれ得る。これに代えて、使用者は、電極を電源に電気的に結合する前に所望の部位に足浴中の電極を置き得る、または位置決めし得る。いくつかの事例では、1つ以上の薬剤を水に含めて治療をさらに補助したりまたは同時に区域の他の不調を治療したりすることが望ましいことがある。たとえば、1つ以上の脱分極剤を足浴中の流体に加えて電流の送達の間の抵抗を低下させ得る。動作中、装置の電極は水を電気分解する。陰極の表面に水素イオンが形成されるが、これは、電流の流れに対する抵抗の増大に繋がり、全体的な性能を低下させ得る。好適な脱分極剤を加えることにより、水素イオンが脱分極剤の1つ以上の基と結合して、陰極がその意図される性能特性を保持することを確実にし得る。1つの望ましい脱分極剤は、容易に還元して酸素を発生しかつ陰極で水素イオンと結合して水を形成することができる、たとえば過酸化水素などの過酸化物である。他の望ましい脱分極剤は、電極で水素イオンと結合するための酸素を生成可能なものを含む。例示的な他の分極剤は、正に帯電した種を中和するように作用することができる、空気、酸素、オゾンおよび他の物質を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0041】
ある実施形態では、1つ以上の抗菌物質または抗真菌物質を治療前に流体に加えることができる。抗菌物質の使用は、感染症の恐れがある足の上に1つ以上の潰瘍形成が存在する場合に特に望まれ得る。抗菌物質は、電流の印加が帯電した抗菌物質を皮膚の中に押し入れるように作用し得るように帯電していてもよく、または抗菌物質は帯電していなくてもよい。たとえば足白癬または他の真菌感染症を治療するのに抗真菌剤を用いる場合、抗真菌剤は帯電していてもまたは帯電していなくてもよい。いくつかの例では、一旦治療が終了してから継続した効果を与えるために、治療の後に局所に同じまたは異なる抗菌物質または抗真菌物質を用いてもよい。
【0042】
ある実施形態では、足浴以外の装置を用いて保護感覚を喪失した区域を治療してもよい。たとえば、手または脚の区域が保護感覚を喪失している場合、足浴を用いた治療は困難であろう。そのような事例では、手袋、靴下、外被、スリーブ、包帯、または同様の装置を用いてこれらの区域の保護感覚の喪失を治療することができる。これらの装置の図示が以下により詳細に与えられる。1つ以上の回路を装置に一体化して所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えることができる。
【0043】
ある例では、手袋を用いて保護感覚喪失または他の神経障害状態の治療を施し得る。手袋の1つの図示を図4Aに示す。手袋は、各々が指袋から手首部440に延在する、掌面430および裏面(図示せず)に装着された複数の指袋405、410、415、420および425を含む。手袋は、被験者の手にぴったりフィットするようにサイズ決めされかつ配置され得、そのようなぴったりしたフィットを容易にするように、たとえば、大中小などの異なるサイズで入手し得る。保護感覚を喪失した区域の治療を容易にするように、手袋の中に2つ以上の電極を置いてもよい。手袋がぴったりフィットすると、一旦挿入された電極の位置を維持するように働くことができ、または、接着剤、テープなどを用いて所望の位置に電極を保持してもよい。これに代えて、手袋は、複数の一体型電極を含んでもよく、そのうち任意の2つは治療を行なうために電極に電気的に結合可能である。手袋は、回路が電源に電気的に結合される際に、たとえばパルス化電流の形態および本明細書中に記載の電流パラメータなどの所望の電流の形態または強度を与えることができる基板実装回路を含み得る。いくつかの例では、手袋は、被験者の動きを許しつつ治療を容易にするように使用可能な、たとえば時計電池または他の使い捨て可能もしくは再充電可能電池などの基板実装電源を含み得る。いくつかの実施形態では、被験者が治療をあまりに頻繁に行なわないようにタイミング回路を手袋の中に一体化してもよい。たとえば、タイミング回路は、24時間以内に30分間の単一の治療を許し得る。
【0044】
ある実施形態では、保護感覚を失った(または他の神経障害状態の)手の区域が単一の指の上にある場合、手袋は5つよりも少ない指袋を含んでもよい。そのような手袋の1つの図示を図4Bに示す。この構成では、親指袋450および人差し指袋455が存在し、他の指の端が手袋から出るように他の指袋には開口460、465および470が存在する。いくつかの実施形態では、すべての指の端が突出するように手袋に開口が存在し得る。いくつかの構成では、指袋が1つだけ、2つだけ、3つだけ、または4つだけ存在し得る。さらに、2つ以上の指袋が存在する場合、指袋は互いに隣接している必要はなく、たとえば親指袋および薬指袋が存在する2つの指袋であってもよい。
【0045】
ある例では、手袋またはその一部は、治療すべき区域が濡れるのを許すようにまたは手袋の中の手全体が濡れるのを許すように多孔性材料から作られてもよい。そのように濡れることにより、印加される電流が患部区域に送達されることが容易になり得る。これに代えて、濡れたガーゼパッドまたは他の材料を手袋の中および治療すべき区域の上に置いて、その区域の保護感覚喪失または他の神経障害状態の治療を容易にし得る。区域または複数の区域を濡らす場合、その区域を濡らすのに用いられる流体または複数の流体は、たとえば脱分極剤を含むものなど、本明細書中に記載の水、生理食塩水または他の流体であり得る。いくつかの例では、手袋をはめた区域は、治療すべき区域が濡れた状態を維持するように、治療前に足浴の中の流体に浸漬され保持され得る。
【0046】
ある実施形態では、被験者が足および手の上に保護感覚喪失または他の神経障害状態を有する場合、両方の区域の治療を足浴を用いておよび手袋を用いて同時に行なうことができる。そのような同時治療は、保護感覚を失っている(または他の神経障害状態のある)異なる区域を治療しつつ、全体的な治療時間の短縮を可能にする。いくつかの例では、手袋および足浴を同じ電源に電気的に結合可能であり、または異なる電源に電気的に結合してもよい。さらに、たとえば図2に示されるような較正手順を手の上の区域および足の上の区域に対して別個に行なって、被験者に不要な苦痛を生じさせることなく各区域に与え得る電流強度を同定し得る。
【0047】
ある実施形態では、保護感覚を喪失したまたは別の神経障害状態に罹患した区域を治療するための靴下が提供される。そのような靴下の1つの図示を図5に示す。靴下は、爪先セグメント505と、踵セグメント510と、各々が爪先セグメント505と踵セグメント510との間に延在しかつ互いに接続される足裏セグメント515および甲側セグメント520とを含む。靴下は踵セグメント510、足裏セグメント515および甲側セグメント520に接続される足首セグメント525も含む。本明細書中に記載の手袋と同様に、靴下は、被験者の足に好適にフィットするように適切なサイズを選択できるように、たとえば大中小などの複数のサイズでサイズ決めされ得る。
【0048】
ある例では、靴下は、電極のうち2つ以上が電源に電気的に結合されて治療用の電流を与えることができるように一体化された電極を含み得る。ある例では、電源は基板に実装されて限られた電力を与えることができる電池または他の装置の形態を取り得る一方で、他の例では、電源は外部にあって、1つ以上の好適な電気導線を通して電極に結合されてもよい。いくつかの例では、電極は、靴下と治療すべき足の区域との間に置かれて、一般的には摩擦嵌めによって定位置に保持可能である。たとえば、保護感覚を喪失した足の区域または複数の区域は同定可能である。同定された区域の上にまたはそれに隣接して電極を置いて電極を当該区域に結合することができ、治療は好適な電流の印加によって行なわれ得る。代替的な実施形態では、靴下は、爪先セグメント505における電極と、踵セグメント510における別の電極とを含み得る。これらの電極の各々は電源に電気的に結合可能であり、区域の治療は、爪先/踵電極対を通した電流の印加によって実施され得る。保護感覚を喪失した区域を治療するための他の好適な電極位置は、この開示の利点を考慮して当業者によって選択されるであろう。手袋と同様に、回路を靴下に一体化して所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えることができ、またはそのような所望の特徴を与えるように電源を構成可能である。
【0049】
ある実施形態では、治療すべき区域または複数の区域は、足浴、靴下または手袋を容易に用いたり置いたりしないような被験者の身体の一部の上にあり得る。そのような事例では、これらの区域の上に包帯、外被またはスリーブを置き得る。包帯、スリーブまたは外被は、治療すべき区域に依存して多数の異なる形態を取り得る。包帯を用いる場合、包帯は、図6Aの包帯610に一般的に示されるように、治療すべき区域の上に置くことができるほぼ平面のまたは平坦な表面を含み得る。包帯は電流源に結合可能な一体化電極を含み得る。これに代えて、電極は、治療すべき区域の上にまたはその近くに置かれてもよく、電極を定位置に保持するように包帯を電極の上に置くことができる。包帯は、治療すべき区域または周囲の身体の部分にくっつく接着剤または他の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、区域への電流の送達を容易にして保護感覚喪失を治療するように、包帯は濡れていてもまたは濡らされてもよい。ある実施形態では、包帯は、所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えるように構成される回路を含むことができ、またはそのような所望の特徴を与えるように電源を構成可能である。
【0050】
ある実施形態では、治療すべき区域の周りにスリーブを置いてもよい。スリーブは、図6Bのスリーブ630に示されるように、付属肢の一部が貫通するのを許す内側部分を有するほぼ円形または円筒形を備える。電極はスリーブに一体化可能であり、または外部電極をスリーブとともに用いることができる。スリーブの正確な長さおよび直径は異なり得る。ある例では、スリーブの長さは治療すべき区域または複数の区域を覆うように選択される。他の例では、スリーブの直径は、区域の周りにぴったりフィットするように選択される。そのようなぴったりしたフィットによって電極が定位置に保持され得、または電極がスリーブに一体化される場合は、電極は治療すべき区域に接してまたはその近くに保持される。電流源を電極に接続してスリーブ内の区域に治療を施すことができる。包帯と同様に、区域への電流の送達を容易にするように、スリーブは濡らされてもよく、またはスリーブ下の区域が濡れていてもよい。ある実施形態では、外被は、所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えるように構成された回路を含むことができ、またはそのような所望の特徴を与えるように電源を構成可能である。
【0051】
ある実施形態では、包帯またはスリーブは、治療すべき区域の近くに置くには好適でないかもしれない。そのような事例では、図6Cに示される外被650などの外被を区域の周りに置いて、たとえば面ファスナー、クリップ、テープ、または他の材料もしくは装置などの好適な固定具を用いてこれを定位置に保持することができる。外被を用いる際、治療すべき区域の周りに外被を置くことができ、典型的にはそれ自体の上に折り重なって、固定具、クリップ、テープなどを用いて定位置に保持される。外被と治療すべき区域との間に電極を置くことができ、または外被が電極自体を含んでもよい。いくつかの例では、治療すべき区域に接するまたはその近くにある外被の表面は、外被の一方側から他方側に走る複数の電極を含む。そのような複数の電極は、治療結果に対する電極の置き方の影響を考慮する必要なく、区域の治療を容易にすることができる。複数の電極が存在する場合、それらは、区域に与えられるべき所望の電流プロファイルに依存して、互いに平行に、格子状に、または他の選択されたパターンで配置され得る。包帯およびスリーブと同様に、電流の送達を高めるように、外被の下の区域を濡らすことができる。これに代えて、電流の送達を高めるように、外被全体が濡れていることができる。
【0052】
ある実施形態では、手袋、靴下、包帯、外被またはスリーブが用いられる場合に印加される電流の正確な種類は、足浴を用いて印加される電流と同じ種類のものであり得る。たとえば、ある実施形態では、印加される電流は、たとえば連続的なまたはパルス化された形態の、50ミリアンペア未満で印加される直流電流の形態を取り得る。ある例では、150ボルト未満の電圧源を用いて直流電流を印加可能である。いくつかの例では、直流電流は、たとえば約150ボルトまでの完全オン状態とたとえば約0ボルトまでの完全オフ状態との間で周期的に繰返され得る。電流がオン状態とオフ状態に留まる持続時間は異なり得、2つの状態の間で周期的に繰返すことにより、電流パルスを生成可能である。ある実施形態では、本明細書中に記載のような単相パルス化電流を用いて有効な量の電流を与えることができる。ある例では、被験者が許容できる強度に依存して、パルス幅が5−50マイクロ秒の間でパルスペア繰返し周波数が100−200Hzである、150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの強度でパルス化電流を与えることができる。本明細書中に記載の他の例示的な電流パラメータも、包帯、靴下、外被、手袋またはスリーブが用いられる場合に実現され得る。手袋、靴下、包帯、外被またはスリーブが用いられる場合に較正ステップも行なわれ得る。較正ステップは治療で用いるための最大許容電流量を定めるように行なわれ得る。さらに、包帯、外被またはスリーブを、足浴、手袋または靴下と組合せて用いて多数の異なる区域を同時に治療してもよい。
【0053】
ある実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の深刻さに依存して、保護感覚を回復するのにある被験者はより多くの治療を必要とするかもしれない一方で、他の被験者はより少ない治療を必要とするかもしれない。いつ治療を終結させ得るかまたは治療の頻度を低減し得るかを判定するため、被験者の保護感覚を周期的に再評価し得る。例示的な手順を図7に図示する。第1のステップで、ステップ710で、治療前に被験者の保護感覚を評価することができる。1つ以上の区域で保護感覚の喪失がある場合、本明細書中に記載のようにステップ720で被験者を治療可能である。保護感覚の喪失は、たとえば治療の直後または幾分遅れて治療後処置の後など、治療後にステップ730で再評価可能である。保護感覚の喪失が依然として存在すれば、別の治療を施すことができる。保護感覚が部分的に回復していれば別の治療を施すことができる。保護感覚が回復していれば、ステップ740で治療を終結することができる。選択された治療期間後に保護感覚の喪失が依然として存在する場合、被験者に対する保護感覚を回復する連続した治療ができないことに基づいて、ステップ750で治療を終結してもよい。
【0054】
ある例では、保護感覚の喪失が回復するまで治療が継続され得る。保護感覚の回復は、感覚が元の状態に戻るまたは正常な神経機能に戻ることを要件とするものではない。代わりに、保護感覚は、被験者が潰瘍形成を検知する十分な感覚を有するまたはモノフィラメントテストもしくは他の好適なテストをパスした場合に、回復したと考えられる。たとえば、治療は、治療前の保護感覚と比較して、モノフィラメントテストまたは他の好適なテストを用いて測定されるような保護感覚が少なくとも100%改善するまで継続され得る。いくつかの例では、圧力を感知する、潰瘍または患部区域の他の不調などの損傷を引起す恐れを低減または排除できる能力を被験者に与えるには、保護感覚の部分的な回復で十分である可能性がある。ある実施形態では、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上保護感覚が改善するまで治療が継続され得る。
【0055】
ある実施形態では、保護感覚が一旦回復して(または神経障害状態の症状もしくは徴候が低減して)保護感覚が残っていることが確実になれば治療は周期的に行なわれてもよい。たとえば、本明細書中に記載のような治療を通じて保護感覚が回復した被験者は、治療が終結した後に再び保護感覚を失うかもしれない。そのような事例では、たとえば週に1度、月に1度、2ヶ月に1度、年に1度など、被験者の保護感覚を周期的にモニタして保護感覚が残っていることを確実にすることが望ましいであろう。保護感覚の喪失が再発すれば、追加治療を開始することができる。そのような維持の治療は、保護感覚の喪失を回復するのに用いられた初期の治療よりも低い頻度で起こり得る。いくつかの例では、たとえば靴下、手袋、スリーブ、包帯、外被など、治療の間の被験者の動きを容易にする本明細書中の記載の実施形態を、予防手段として、たとえば月に1度、月に2度など被験者が間欠的に用いて、回復した保護感覚を再び失わないことを確実にするようにし得る。これに代えて、足浴または他の好適な装置を用いる治療を維持治療として使用可能である。
【0056】
ある実施形態では、本明細書中に開示される方法および装置は、保護感覚の喪失の恐れのある被験者向けの防止対策として使用可能である。そのような被験者は典型的に、糖尿病前症、糖尿病、血管障害、毒素への曝露、または栄養障害もしくは代謝障害を有する被験者を含むが、それらに限定されるわけではない。予防治療として用いられる場合、治療は、たとえば、週に1度、2週間に1度、月に1度、2ヶ月に1度、半月に1度、数ヶ月に1度、半年に1度、年に1度など、頻度を減らして行なうことができる。たとえば、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)が進行する恐れのある被験者は、通常の健康診断の間に年に1度治療可能である。さらに、防止治療において用いられる電流または電圧パラメータは、保護感覚喪失を回復するのに用いるものとは異なり得る。特に、防止治療には、用いられる電流の強度は、回復治療のために用いられる電流の強度よりも低いものであり得る。
【0057】
ある実施形態では、本明細書中に記載の治療方法および装置は、1つ以上の薬剤または治療薬と併用可能である。たとえば、治療は、被験者に、抗うつ剤、(たとえば、カルシウムチャネル遮断薬、ナトリウムチャネル遮断薬、プレガバリン、ガバペンチン、カルバマゼピンおよびオクスカルバゼピンなどの)抗痙攣剤、(たとえば、モルヒネ、コデイン、テバイン、ヒドロコドン、オキシコドン、メタドン、フェンタニル、ケトベミドンなどの)オピオイドもしくはオピオイド誘導体、(たとえば、局所抗真菌剤、抗菌剤、ラッカー、ビタミン、リドカイン、カプサイシンなどの)局所薬、カンナビノイド(ナビロン、テトラヒドロカンナビノール)、(たとえば、ケタミンおよびデキストロメトルファンなどの)NMDA拮抗薬、神経修飾および神経刺激物質および装置、(たとえばグリブリド、メトホルミン、インスリンもしくはその組合せなどの)糖尿病の治療に一般的に用いられる治療薬、経口もしくは静脈内抗生物質、経口もしくは静脈内抗真菌剤、経口もしくは静脈内抗ウイルス剤、輸液ポンプ、(たとえばイブプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、アセトミノフェン、セレコキシブもしくは他の選択的COX−2抑制剤などの)抗炎症薬、ならびにこれらの例示的な治療薬および装置の組合せを処方するのと組合せて行なわれ得る。本明細書中に記載の治療装置および方法と併用可能な付加的な治療薬および装置は、この明細書の利点を考慮して当業者によって容易に選択されるであろう。いくつかの例では、治療薬の治療後投与は全体的な治療結果を改善し得る。たとえば、被験者が足の上に保護感覚の喪失および1つ以上の潰瘍を有している場合、抗生物質を経口で、局所で、または静脈内で投与すれば、最終的に切断に繋がり得る潰瘍のいずれの感染症も防止または治療するように働き得る。
【0058】
ある実施形態では、与えられた電流は、有利には、保護感覚の喪失を治療し、同時に治療される区域中に治療薬を押し入れるように利用され得る。たとえば、帯電した薬は、治療に用いられる(または区域を濡らすのに用いられる)流体中に与えられてもよく、保護感覚の喪失を治療するための電流の印加は、イオン導入法によって、帯電した薬を区域中に押し入れることができる。このプロセスは、保護感覚の喪失を治療するために電流を与えつつ区域中での局所的な薬の濃度を高めるという利点を加える。
【0059】
ある実施形態では、本明細書中に記載の治療装置および方法を用いて、保護感覚の喪失と、同じ区域を冒している1つ以上の他の不調とを同時に治療することができる。たとえば、多くの糖尿病患者は、保護感覚の喪失と、足の皮膚または爪の真菌感染症(たとえば足白癬、爪真菌症など)との両方を有している。本明細書中に記載の方法および装置を用いて両方の不調を治療することができる。保護感覚の喪失および他の不調の治療のために与えられる電流パラメータは同じである必要はない。たとえば、爪真菌症を治療するのに直流電流を与え得る一方で、保護感覚の喪失を治療するのにパルス化電流を与えることができる(この逆も然りである)。ある実施形態では、電流パラメータを選択して、両方の不調を治療するための異なる電流強度、波形、または他の異なる電流パラメータを与える必要なく、保護感覚の喪失と爪真菌症との両方を同時に治療することができる。たとえば、保護感覚の喪失と爪真菌症との両方を治療するために電流パラメータを選択することができる。爪真菌症は、爪を肥厚させたり、変色させたり、変形させたり、および/または破壊したりする爪および爪床組織の真菌感染症である。爪は肥厚して、圧迫、炎症および痛みを引起し得る。保護感覚喪失および爪真菌症が治療された被験者の具体例を以下により詳細に説明する。
【0060】
ある実施形態では、保護感覚の喪失または他の神経障害状態もしくは疾患の治療を容易にする方法が提供される。いくつかの例では、方法は、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を設けるステップを備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を備え、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設ける。いくつかの例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップも含み得る。他の例では、方法は、足浴を用いて、第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0061】
ある例では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、指示は、本明細書中に記載のような治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。ある実施形態では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。ある例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。他の例では、方法は、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを備え得る。ある例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを備え得る。付加的な例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。ある実施形態では、方法は、保護感覚の喪失の治療との併用のための治療薬を与えるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、治療後に保護感覚の喪失を評価するための指示を含み得る。
【0062】
他の実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法であって、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在しかつ足裏セグメントに接続される甲側セグメントとを備える靴下を設けるステップを備える、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、靴下を用いて、第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0063】
ある実施形態では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。ある例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。ある実施形態では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。ある例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。他の例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0064】
別の実施形態では、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部に延在する掌面および裏面とを備える手袋を設けるステップを備える、保護感覚喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が開示される。ある例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、手袋を用いて、第1および第2の電極を通して手の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0065】
ある実施形態では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間にあり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。ある例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。他の例では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。ある例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0066】
付加的な実施形態では、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブを設けるステップを備える、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が記載される。ある実施形態では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。他の実施形態では、方法は、スリーブを用いて、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0067】
ある例では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。付加的な例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。いくつかの例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。他の例では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。他の例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0068】
別の実施形態では、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯を設けるステップを備える、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が開示される。ある例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。他の例では、方法は、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0069】
ある例では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。付加的な例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。いくつかの例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。ある実施形態では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。ある例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0070】
付加的な実施形態では、保護感覚の喪失の治療をすべき区域の周りに位置決めされるように構成されかつ保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被を設けるステップを備える、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が記載される。ある例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0071】
ある実施形態では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。いくつかの実施形態では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。他の実施形態では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。ある例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。ある実施形態では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。他の例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0072】
別の実施形態では、足の区域の保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を有し、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらにキットは、足浴を用いて、足浴中の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を備える、キットが記載される。
【0073】
ある実施形態では、足浴を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0074】
別の実施形態では、足の区域の保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、爪先セグメント、踵セグメント、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメント、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントを備える靴下と、靴下を用いて、靴下の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、キットが開示される。
【0075】
ある実施形態では、靴下を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0076】
付加的な実施形態では、手の区域の上の保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、少なくとも1つの指袋、各々が指袋から手首部に延在する掌面および裏面を備える手袋と、手袋を用いて、手の区域に、手袋の中のまたは手袋に接する第1の電極および第2の電極にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。
【0077】
ある実施形態では、手袋を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0078】
付加的な実施形態では、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブと、スリーブを用いてスリーブの中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。
【0079】
ある実施形態では、スリーブを含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0080】
別の実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯と、包帯を用いて、包帯の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。
【0081】
ある実施形態では、包帯を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0082】
別の実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にするためのキットであって、保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被と、外被を用いて、外被の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。
【0083】
ある実施形態では、外被を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0084】
ある実施形態では、本明細書中に記載の方法は、プロセッサを含むコンピュータもしくは他の装置を用いて実現可能であるか、または、本明細書中に記載の装置はコンピュータシステムもしくはプロセッサに電気的に結合可能である。そのようなコンピュータで実現される方法は、治療を容易にするとともにオペレータの誤りを低減し得る。さらに、コンピュータは、治療の数を追跡し、電流パラメータを呼出し、治療を施す全体的な容易性を増大させ得る。コンピュータシステムは典型的に、オプションで1つ以上のメモリユニットに電気的に結合される少なくとも1つのプロセッサを含む。コンピュータシステムは、たとえば、ユニックス、インテルペンティアム(登録商標)タイププロセッサ、モトローラPowerPC、サンUltraSPARK、ヒューレットパッカードPA−RISCプロセッサ、またはいずれの他のタイプのプロセッサなどの汎用コンピュータであってもよい。いくつかの例では、プロセッサは、入力を受け、受信した入力に基づいて治療パラメータを出力するようにプログラム可能であり得る安価なプロセッサであり得る。技術のさまざまな実施形態に応じて、1つ以上のいずれの種類のコンピュータシステムを用いてもよいことが認められるべきである。さらに、システムは単一のコンピュータ上に位置してもよく、または通信ネットワークによって装着される複数のコンピュータ間で分散されてもよい。汎用コンピュータシステムは、たとえば、電流印加、治療周波数追跡、治療時間、被験者追跡などを含むがこれらに限定されない記載の機能のうちいずれを行なうように構成されてもよい。システムはネットワーク通信を含む他の機能を行なってもよく、技術はいずれの特定の機能または機能の組を有するものにも限定されるわけではないことが認められるべきである。
【0085】
たとえば、汎用コンピュータシステムで実行される専門ソフトウェアとしてさまざまな局面が実現されてもよい。コンピュータシステムは、データを記憶するためのディスクドライブ、メモリまたは他の装置などの1つ以上のメモリ装置に接続されるプロセッサを含んでもよい。メモリは典型的に、コンピュータシステムの動作の間にプログラムおよびデータを記憶するのに用いられる。コンピュータシステムの構成要素は、(たとえば同じマシン内で一体化される構成要素同士の間の)1つ以上のバスおよび/または(たとえば別々の離散したマシン上に常駐する構成要素同士の間の)ネットワークを含み得る相互接続装置によって結合されてもよい。相互接続装置はシステムの構成要素同士の間で交換される(たとえば信号、データ、指示など)通信を提供する。コンピュータシステムは典型的に、電源および/または電極に電気的に結合され、これにより電気信号が電源および/または電極へおよびこれらから与えられて、所望の治療を施したり、または記憶および/もしくは処理をしたりし得る。コンピュータシステムは、たとえば、キーボード、マウス、トラックボール、マイク、タッチパネル、手動スイッチ(たとえばオーバーライドスイッチ)など、1つ以上の入力装置、および、たとえば印刷装置、表示画面、スピーカーなど、1つ以上の出力装置も含んでもよい。さらに、コンピュータシステムは、(相互接続装置に加えてまたはその代替物として)コンピュータシステムを通信ネットワークに接続する1つ以上のインターフェイスを内蔵してもよい。
【0086】
記憶システムは典型的に、プロセッサが実行すべきプログラムまたはプログラムが処理すべき媒体上もしくはその中に記憶される情報を規定する信号が記憶されるコンピュータ読出可能および書込可能不揮発性記録媒体を含む。たとえば、治療時間、電流パラメータ、特定の被験者が保護感覚などを喪失した区域が媒体上に記憶され得る。媒体は、たとえば、ディスクまたはフラッシュメモリであり得る。典型的に、動作中、プロセッサは、データが不揮発性記録媒体から、当該媒体よりも、プロセッサによる情報へのより高速のアクセスを可能にする別のメモリの中へ読出されるようにする。このメモリは典型的に、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックメモリ(SRAM)などの揮発性ランダムアクセスメモリである。これは記憶システムまたはメモリシステムの中に位置し得る。プロセッサは一般的に集積回路メモリ内のデータを操作し、次に、処理が完了した後にこのデータを媒体にコピーする。媒体と集積回路メモリ要素との間でのデータ移動を管理するためにさまざまな機構が公知であり、技術はそれらに限定されるものではない。この技術は特定のメモリシステムまたは記憶システムに限定されるものでもない。
【0087】
ある例では、コンピュータシステムは、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの特別にプログラムされた専用ハードウェアも含み得る。この技術の局面は、ソフトウェア、ハードウェアもしくはファームウェア、またはそのいずれの組合せで実現されてもよい。さらに、そのような方法、行為、システム、システム要素、およびその構成要素は、上述のコンピュータシステムの一部としてまたは独立の構成要素として実現されてもよい。
【0088】
その上で技術のさまざまな局面が実践され得るコンピュータシステムの1つの種類の例としてコンピュータシステムが記載されるが、局面は記載のコンピュータシステム上で実現されるものに限定されるわけではないことが認められるべきである。さまざまな局面は、異なるアーキテクチャまたは構成要素を有する1つ以上のコンピュータ上で実践され得る。コンピュータシステムは、高級コンピュータプログラミング言語を用いてプログラム可能な汎用コンピュータシステムであり得る。コンピュータシステムは、特別にプログラムされた専用ハードウェアを用いても実現され得る。コンピュータシステムにおいて、プロセッサは典型的に、インテルコーポレーションから入手可能な周知のペンティアム(登録商標)クラスプロセッサなどの市販のプロセッサである。他の多数のプロセッサが入手可能である。そのようなプロセッサは通常、たとえば、マイクロソフトコーポレーションから入手可能なWindows(登録商標)95、Windows(登録商標)98、Windows(登録商標)NT、Windows(登録商標)2000(Windows(登録商標)ME)、Windows(登録商標)XPもしくはWindows(登録商標)Vistaオペレーティングシステム、アップルコンピュータから入手可能なMAC OSシステムXオペレーティングシステム、サンマイクロシステムズから入手可能なSolarisオペレーティングシステム、またはさまざまなソースから入手可能なUNIX(登録商標)もしくはLinuxオペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステムを実行する。多数の他のオペレーティングシステムが用いられてもよく、ある実施形態では、命令または指示の単純なセットがオペレーティングシステムとして機能し得る。
【0089】
ある例に従うと、プロセッサおよびオペレーティングシステムは、高級プログラミング言語のアプリケーションプログラムが書かれ得るコンピュータプラットフォームをともに規定してもよい。技術は特定のコンピュータシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステムまたはネットワークに限定されるわけではないことを理解すべきである。また、この開示の利点を考慮すると、本技術は具体的なプログラミング言語またはコンピュータシステムに限定されるわけではないことが当業者には明らかである。さらに、他の適切なプログラミング言語および他の適切なコンピュータシステムも使用可能であることが認められるべきである。ある例では、ハードウェアまたはソフトウェアは、認知アーキテクチャ、ニューラルネットワークまたは他の好適な実現例を実現するように構成される。
【0090】
コンピュータシステムの1つ以上の部分は、通信ネットワークに結合される1つ以上のコンピュータシステムにわたって分散されてもよい。これらのコンピュータシステムも汎用コンピュータシステムであり得る。たとえば、さまざまな局面が、1つ以上のクライアントコンピュータにサービス(たとえばサーバ)を提供するまたは分散システムの一部として全体的なタスクを実行するように構成される1つ以上のコンピュータシステムの間で分散されてもよい。たとえば、さまざまな局面は、さまざまな実施形態に応じてさまざまな機能を実行する1つ以上のサーバシステムの間で分散される構成要素を含むクライアントサーバまたは多層システム上で実行されてもよい。これらの構成要素は、通信プロトコル(たとえばTCP/IP)を用いて通信ネットワーク(たとえばインターネット)上で通信する実行可能な中間(たとえばIL)または解釈(たとえばJava(登録商標))コードであり得る。技術はいずれの特定のシステムまたはシステム群上で実行するものにも限定されないことも認められるべきである。また、技術はいずれの特定の分散アーキテクチャ、ネットワークまたは通信プロトコルにも限定されないことが認められるべきである。
【0091】
ある例に従うと、さまざまな実施形態は、SmallTalk、Basic、Java(登録商標)、C++、Ada、またはC#(C-Sharp)などのオブジェクト指向プログラミング言語を用いてプログラムされ得る。他のオブジェクト指向プログラミング言語も用いてもよい。これに代えて、機能型、スクリプト、および/または論理型プログラミング言語を用いてもよい。さまざまな構成は、プログラミングされていない(non-programmed)環境で実現されてもよい(たとえば、ブラウザプログラムのウィンドウの中で閲覧すると、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の局面を与えたり、または他の機能を与えたりする、HTML、XMLまたは他のフォーマットで作成される文書)。ある構成は、プログラムされたもしくはプログラミングされていない要素またはそのいずれの組合せとして実現されてもよい。
【0092】
ある例では、ユーザインターフェイスは、使用者が被験者の情報、治療パラメータまたは所望の他のデータを入力し得るように設けられ得る。たとえば、患者が既に治療を受けている事例では、被験者の名前を入力することによって電流パラメータなどを定める必要なく関連の治療パラメータが呼出されかつ再使用されたり、またはグラフィカルユーザインターフェイスの適切なフィールドで同定されたり得る。ユーザインターフェイスに含めるための他の特徴は、この開示の利点を考慮すれば当業者によって容易に選択されるであろう。
【0093】
本明細書中に記載の局面および特徴のうちいくつかをさらに図示するため、ある具体例を以下に記載する。
【実施例1】
【0094】
実施例1
本明細書中に記載の10-g Semmes-Weinsteinモノフィラメントテストを用いて、被験者は足の保護感覚を喪失していると同定された。保護感覚を喪失した区域が同定された被験者は平らな背もたれの高い椅子に腰掛けるように指示され、足の炎症、皮膚の割れ目または打撲があるかについて両足が検査された。1対の電極(Mettler Electronics PN:2002)の一方端が足用のたらい(Sterilite PN:0658)に装着された。1対の電極の他方端はRich-Mar System(Theratouch Model 4.7)に装着された。対象の被験者の足は、少なくとも片方の爪先が一方の電極に接しているかまたは近接し、かつ踵が他方の電極に接している状態で、足用のたらいの中に置かれた。足の踵と電極との間に使い捨てガーゼが位置決めされた。たらいは、踝が浸かるまで水道水で満たされた。過酸化水素(16オンスの3%H2O2溶液)が水道水に加えられた。Rich-Marシステムの電源がスイッチオンされた。ダイヤルを「波」に回し、ダイヤルを押すことによって位置#1が選択された。ダイヤルを「単相」に回してダイヤルを押すことによって波形が選択された。ダイヤルを「連続」に回してダイヤルを押すことによって治療モードが選択された。ダイヤルを「セット」に回してダイヤルを押すことによって治療時間が選択された。次にダイヤルが30分に回されて再び押された。ダイヤルを120に回してダイヤルを押すことによってパルスレートが設定された。ダイヤルを100に回してダイヤルを押すことによって相間隔が設定された。
【0095】
治療用の電流の強度は、強度を0から最大40mAまでの被験者知覚の快適レベルへ増大させることによって定められた。被験者が40mAで不快であった場合、電流の強度は快適なレベルが得られるまで徐々に低下された。治療は30分間行なわれた。治療後、足は足用たらいから除けられ、清潔な使い捨てペーパータオルで拭かれた。次に、打撲、皮膚の割れ目、炎症または他の関心のある徴候について皮膚が検査された。上記治療は1日に1回、6週間にわたって週5回行なわれた。結果は表Iに要約される。
【0096】
【表1】
【0097】
すべての被験者は治療終結の90日後、保護感覚の100%改善を経験した。表Iに示される結果は電流を用いた保護感覚の喪失の治療と整合している。
【実施例2】
【0098】
実施例2
被験者においては、1つ以上の爪の上に爪真菌症の存在が同定された。これらの被験者のうち何人かは実施例1で用いられたのと同じ被験者であり、実施例1の被験者の番号付けはこの実施例での被験者の番号付けを追っている。
【0099】
甘皮から最も近接した感染点までのきれいな爪の長さ、感染に関る割合、および足指の爪の厚みが測定された。被験者の足指の爪は切られ、真菌の存在を確認するため、試料を培養およびKOHテストに用いた。紅色白癬菌、毛瘡白癬菌および/または有毛表皮菌の存在について陽性培養が確認された。
【0100】
爪真菌症は、実施例1に記載の同じ手順を用いて治療された。爪の成長、爪の外観および皮膚の完全性は6週間の治療期間の最後に判定された。結果は以下の表IIに要約されている。表IIで、爪の成長の列は、+1、+2、+3またはN/Aと参照している。これらの値は、治療前の爪の長さと比較した、爪の長さの25%の増加(+1)、爪の長さの50%の増加(+2)、または爪の長さの75%の増加(+3)を指している。N/Aは実施されなかったことを指す。
【0101】
【表2】
【0102】
表IIに示される結果は、爪真菌症を治療するための電流の印加ならびに爪真菌症および保護感覚の喪失の両方を同時に治療するための電流の印加と整合している。
【0103】
本明細書中に開示される例の要素を導入する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することを意図する。「備える」、「含む」および「有する」という用語は限定を設定しないことを意図するものであり、列挙された要素以外に付加的な要素が存在し得ることを意味する。この開示の利点を考慮すれば、例のさまざまな構成要素を他の例のさまざまな構成要素と相互に交換できるまたは置換できることが当業者には認識されるであろう。
【0104】
ある局面、実施例および実施形態が上述されたが、この開示の利点を考慮すれば、開示された例示的な局面、実施例および実施形態の追加例、置換例、変更例および修正例が可能であることを当業者は認識するであろう。
【技術分野】
【0001】
優先権出願
この出願は、2008年5月29日に提出された米国出願第61/057,162号の優先権を主張し、その開示全体がすべての目的のためにここに引用により援用される。
【0002】
技術分野
本明細書中に記載のある実施形態は、神経障害を治療する、または、たとえば手および足を含む身体の区域における保護感覚喪失(LOPS)(たとえば、糖尿病から来る神経障害と関連の保護感覚喪失)を治療もしくは防止するように設計される方法および装置に向けられている。
【背景技術】
【0003】
背景
保護感覚の喪失は、循環が悪い年配者および糖尿病を患っている多数の人々が一般的に経験する状態である。糖尿病の被験者は特に、末端の感覚を喪失する恐れがある。保護感覚は重要である。なぜなら、これにより人は足の上部および/または底部ならびに他の付属肢における変化を感知できるからである。保護感覚の喪失に気づかないままであると、水泡および傷が足(または他の区域)の上に形成される可能性があり、これは究極的に感染症および起こり得る切断に至る可能性がある。保護感覚の喪失を治療するため、より良い装置および方法が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
要約
第1の局面では、たとえば神経障害と関連付けられる保護感覚喪失などの保護感覚の喪失を治療する方法が提供される。ある例では、方法は、被験者の足の上の保護感覚喪失(または神経障害)がある区域を同定するステップを備える。いくつかの例では、方法は、第1の電極および第2の電極を備える足浴に当該区域を入れ、当該区域を足浴中の流体に浸漬し、足を第1の電極および第2の電極に結合するステップを備える。他の例では、方法は、第1の電極および第2の電極を用いて有効な量の電流を当該区域に与えて足の区域の保護感覚喪失を治療するステップを備える。いくつかの例では、保護感覚の喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられ得る。
【0005】
別の局面では、被験者の付属肢の区域の保護感覚の喪失を治療する方法が開示される。ある例では、方法は、付属肢の区域を第1の電極および第2の電極に結合するステップと、第1および第2の電極を通して有効な量の電流を結合された区域に与えて付属肢の区域中の感覚神経線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するステップとを備える。いくつかの例では、保護感覚の喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられ得る。
【0006】
付加的な局面では、被験者の付属肢の区域における、たとえば保護感覚喪失または神経障害と関連付けられる保護感覚喪失などの神経障害を治療する方法は、保護感覚を喪失した区域に有効な量のパルス化電流を与えるステップを備え、パルス化電流は、有効パルスペア周波数で与えられて感覚線維神経を選択的に標的にする。いくつかの例では、パルスペア周波数は、疼痛神経線維を実質的に標的にせずに感覚神経線維を標的にして区域の保護感覚喪失を治療するように選択され得る。
【0007】
別の局面では、被験者の足の上の区域の保護感覚喪失を治療するための足浴が提供される。ある例では、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を備え、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設ける。いくつかの例では、足浴は、貯蔵部の中の第1の電極および貯蔵部の中の第2の電極も含み得る。ある実施形態では、足浴は、第1の電極および第2の電極に電気的に結合され、第1の電極および第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて第1および第2の電極を足の区域に結合するとともに足の区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するように構成される回路を含み得る。ある例では、足浴を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0008】
付加的な局面では、被験者の足の区域の上の保護感覚喪失を治療するための靴下が記載される。ある例では、靴下は、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントと、靴下の中の第1の電極と、靴下の中の第2の電極とを備える。いくつかの例では、靴下は、第1の電極および第2の電極に電気的に結合され、第1の電極および第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて第1および第2の電極を足の区域に結合するとともに足の区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するように構成される回路も含み得る。いくつかの例では、靴下を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0009】
別の局面では、被験者の手の区域の上の保護感覚喪失を治療するための手袋が提供される。ある例では、手袋は、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部へ延在する掌面および裏面と、手袋の中の第1の電極と、手袋の中の第2の電極とを備える。ある実施形態では、手袋は、第1の電極および第2の電極にパルスペア周波数のパルス化電流を与えて第1および第2の電極を手の区域に結合するとともに、手の区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚喪失を治療するように構成される手袋中の回路も含み得る。ある例では、手袋を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0010】
付加的な局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法が提供される。ある例では、方法は、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を設けるステップを備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を備え、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、足浴を用いて、第1および第2の電極を通してパルス化電流を足の区域に与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える。ある例では、足浴を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0011】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントとを備える靴下を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、靴下を用いて、第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える方法が開示される。ある例では、靴下を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0012】
付加的な局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部に延在する掌面および裏面とを備える手袋を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、手袋を用いて、第1および第2の電極を通して手の区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が開示される。ある例では、手袋を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0013】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブを設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、スリーブを用いて、第1および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が記載される。ある例では、スリーブを用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0014】
付加的な局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が開示される。ある例では、包帯を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0015】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、保護感覚喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚喪失を治療すべき区域の周りに外被(wrap)を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被を設けるステップと、第1の電極および第2の電極を設けるステップと、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法が記載される。ある例では、外被を用いて治療される保護感覚喪失は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失であり得る。
【0016】
付加的な局面では、足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を有し、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、キットはさらに、足浴を用いて、足浴中の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を備える、キットが開示される。ある例では、キットの足浴は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0017】
別の局面では、足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントとを備える靴下と、靴下を用いて、靴下の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、キットが記載される。ある例では、キットの靴下は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0018】
付加的な局面では、手の区域の上の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部へ延在する掌面および裏面とを備える手袋と、手袋を用いて、手の区域に、手袋の中のまたは手袋と接する第1の電極および第2の電極にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。ある例では、キットの手袋は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0019】
別の局面では、保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブと、スリーブを用いて、スリーブの中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。ある例では、キットのスリーブは、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0020】
付加的な局面では、保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯と、包帯を用いて、包帯の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。ある例では、キットの包帯は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0021】
別の局面では、保護感覚の喪失の治療を容易にするためのキットであって、保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被と、外被を用いて、外被の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して当該区域にパルス化電流を与えて保護感覚喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。ある例では、キットの外被は、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの神経障害と関連付けられる保護感覚喪失を治療するように構成され得る、またはこれを治療するように用いられ得る。
【0022】
付加的な局面、特徴および実施例が以下により詳細に記載される。
ある具体的な局面、特徴および実施例が添付の図面を参照して以下により詳細に記載される。
【0023】
当業者には、この開示の利点を考慮すれば、図に示される装置の寸法が縮尺どおりでないことが認識されるであろう。ある寸法は、本明細書中に記載の技術のより十分な理解を容易にするために拡大されているか、またはそうでない場合は歪められていたかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1A】ある例に従う単一の流体コンパートメントを含む足浴の図である。
【図1B】ある例に従う2つの流体コンパートメントを含む足浴の図である。
【図2】ある例に従う保護感覚喪失を治療するために用いるべき電流を定める手順のフロー図である。
【図3】ある例に従う単相パルス化電流の図である。
【図4A】ある例に従う異なる手袋実施形態の図である。
【図4B】ある例に従う異なる手袋実施形態の図である。
【図5】ある例に従う靴下の図である。
【図6A】ある例に従う包帯の図である。
【図6B】ある例に従うスリーブの図である。
【図6C】ある例に従う外被の図である。
【図7】ある例に従う治療の有効性および終結を判定するのに用い得る手順である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本明細書中に記載の技術は、身体の多くの異なる区域における、たとえば糖尿病性ニューロパシーと関連付けられる保護感覚喪失などの、たとえば保護感覚喪失などの神経障害状態または神経障害を治療するのに用いることができる。図示の容易のため、足、手、腕または他の付属肢上の区域を参照して、ある実施形態を以下に説明する。しかしながら、方法および装置を他の区域で用いてそれらの区域の保護感覚喪失(または神経障害)を治療することができる。さらに、治療を実施するために本明細書中で印加される電流は、いずれの薬剤または治療薬も用いずに印加され、電流自体の印加を用いて少なくともある程度までは保護感覚喪失の回復を与え得る。
【0026】
糖尿病を患っている多くの人においては、関連の神経の喪失または損傷が存在し得、これは末梢神経障害に繋がる。たとえば、Zochodne, D.W.“Diabetes Mellitus and the Peripheral Nerve System:Manifestations and Mechanisms.”Muscle Nerve 36:144-166, 2007を参照。末梢感覚神経障害は、両足の潰瘍形成および切断の強い危険因子である。Armstrong et al.,“Choosing a Practical Screening Instrument to Identify Patients at Risk for Diabetic Foot Ulceration.”Arch. Internal Med. 1998:158:289-292を参照。糖尿病性ニューロパシーから生じ得る恐れおよび合併症を論じる他の論文は、C.F. Corbett.“Practical Management of Patients With Painful Diabetic Neuropathy,”The Diabetes Educator 2005;31;523;A.J.M. Boulton,“Whither Clinical Research in Diabetic Sensorimotor Peripheral Neuropathy,”Diabetes Care, Vol.30, No, 10, Oct.2007、およびC.H.M. van Schie.“Neuropathy:mobility and quality of life,”Diabetes/Metabolism Research and Reviews, 2008;24(Suppl 1):S45-S51を含むが、これらに限定されるものではない。Khaodir et al.,“Enhancing Sensation in Diabetic Neuropathic Foot with Mechanical Noise,”Diabetes Care, Vol.26, No.12, Dec.2003は、低レベルのノイズを用いて繊細な触覚感度能力を改善させる特定的な標的付けを記載する。これらの論文の各々の全開示がここに引用によりその全体が援用される。
【0027】
本明細書中に開示されるある実施形態は、神経障害状態が存在し得る被験者の区域にまたはその近くに電圧または電流を与えるように構成される、神経障害状態を治療するための装置、システムおよび方法に向けられている。そのような電圧または電流は、装置の正確な構成に依存して、1対の電極または複数の電極を用いて与えることができる。神経障害とは、このためにニューロン全体もしくは選択されたレベルのいずれかに係る末梢運動神経、感覚神経および/または自律神経ニューロンの機能障害および構造的障害が起こり得る状態である。多数の異なる種類の神経障害が存在し、多発神経障害、単神経障害、多発単神経炎、および自律神経障害を含むが、これらに限定されるわけではない。最も一般的な形態は、主に足および脚に影響を及ぼす(対称)末梢多発神経障害である。
【0028】
本明細書中に開示される装置、システムおよび方法は、これらの種類の神経障害のうちいずれの1つ以上を治療するのにも用いられ得るが、たとえば糖尿病性ニューロパシーなどの、たとえば神経障害と関連付けられる保護感覚喪失などの保護感覚喪失を治療するように特に設計される。本明細書中に記載のある実施形態は、たとえば、糖尿病、神経変性、循環悪化などの1つ以上の病状と関連付けられ得る保護感覚を少なくともある程度まで回復させることによって保護感覚喪失を治療するように設計される。たとえば、糖尿病を患っている多くの被験者は、足の感覚が鈍っているもしくは全くないか、または足の感覚の鈍化もしくは無感覚が進行している可能性がある。これらの同じ被験者はしばしば、たとえば、循環の悪化、免疫系の低下または健康状態の全体的な悪化により、足に潰瘍形成および/または感染症を有していたりこれが進行していたりする。認め得るほどの保護感覚が足に全くなければ、潰瘍形成に気づかないまま足の感染症および結果的に切断に繋がってしまい得る。本明細書中に記載の方法および装置は、そのような感覚喪失(または他の神経障害状態)を治療して、何らかの感染症または潰瘍形成に気づかないままになってしまう可能性を低減し、これにより結果的な足の切断の見込みを低下させることができる。保護感覚を回復させる正確なメカニズムは不明確なままであるが、電流の印加は、浮腫を小さくし、限局化された血液循環を増大させ、神経組織の成長を高め、または機能していない神経の機能を回復させ得、このことは保護感覚の改善に繋がり得る。
【0029】
ある実施形態では、保護感覚の喪失を治療する方法であって、たとえば、足、手、脚、腕などの被験者の付属肢の上の保護感覚を喪失した区域を同定するステップを備える方法が記載される。特定の区域の保護感覚の喪失は、いくつかの異なるテストを用いて評価され得る。これらのテストのうちいくつかは、モノフィラメントを用いて、保護感覚が鈍ったまたは保護感覚がない付属肢の区域または複数の区域を同定する。使用可能なそのような1つのテストは、10-g Semmes-Weinsteinモノフィラメントテストとして公知である。このテストでは、モノフィラメントは、1秒間皮膚に押し付けられてC字状に曲がると10グラムの力を加える。付属肢の指定された部位に対して10−gのモノフィラメントが当てられたことを確実に検知することができない患者は、その部位の保護感覚を失ってしまったと考えられる。10−gモノフィラメントを用いた標準化テストによって測定されるような、足の保護感覚を失ってしまった糖尿病患者は、後で下肢の切断に繋がり得る足の潰瘍が進行する恐れが大きく増大している。10−gモノフィラメントテストを付属肢の異なる区域で繰返して、保護感覚の喪失が起こっているそれらの区域のうちいくつかおよびすべてを同定することができる。そのような同定された区域は、本明細書中に記載の方法および装置を用いて治療され得る。
【0030】
1つの実施形態では、治療すべき区域または複数の区域は、第1の電極および第2の電極を含む好適な流体貯蔵部の中に置かれ得る。区域が位置する特定の付属肢に依存して、流体貯蔵部は異なる形態を取り得る。治療すべき区域が足の上に位置する場合、流体貯蔵部は、図1Aに示されるように足浴の形態を取り得る。図1Aを参照して、足浴は、前方壁105、側壁110、115、後方壁120、および底面125を含む。前方壁105は、側壁110、115に接続される。側壁110、115は、後方壁120に接続され、底面125は、前方壁105、側壁110、115および後方壁120の各々に接続されて、たとえば流体が漏れ出ないようなものなど、実質的に液密の貯蔵部を設ける。流体貯蔵部はオプションで、たとえば単一の足または単一の手などの単一の付属肢を受けるように各々がサイズ決めされかつ配置される2つ以上の流体コンパートメントに流体貯蔵部を分割する少なくとも1つの内壁130(図1B)を含んでもよい。再び図1Aを参照して、足浴は、治療すべき区域に結合可能な第1の電極150および第2の電極155を含み得る。電極は足浴に一体化可能であるか、または足浴に追加することができる。図1Bの分割された足浴を用いる場合、各々のコンパートメントは、たとえばそれぞれ電極対160、165および170、175などのそれ自体の対の電極を含み得る。電極が治療すべき区域に結合されると、区域は電極のうち少なくとも1つと接することができ、区域は電極に隣接することができ、区域は電極のうち少なくとも1つと接する足もしくは手であり得、または区域は電極に隣接する足もしくは手であり得る。特に、区域は多くの異なる置き方および位置で電極に結合可能であるため、電極からの電流を治療すべき区域に与えることができる。たとえば、流体貯蔵部は、治療に先立っておよびその間に区域または付属肢全体を貯蔵部の中に浸漬して区域を第1および第2の電極に結合するのに用いることができる流体を受けることができる。
【0031】
ある実施形態では、足浴は、2つよりも多くの電極を含み得る。たとえば、図1Aには2つの電極が示されているが、2つよりも多くの電極を用いて、治療すべき区域に与えられる電流密度を増大させることができる。さらに、治療すべき区域の置き方に対する電極の正確な置き方は異なり得る。ある例では、電極は足の側方に置かれ得る一方で、他の例では、1つの電極を爪先に置き、他方の電極を足の踵に置くことができる。いくつかの例では、電極を軌道(track)または滑り面の上に搭載可能であるため、それらは、治療すべき区域に隣接してまたはその上に電極を位置決めするように独立して可動である。
【0032】
ある例では、治療すべき区域が一旦流体貯蔵部に置かれると、有効な量の電流が与えられて保護感覚の喪失を治療することができる。ある実施形態では、有効な量の電流が感覚神経線維を選択的に標的にして、神経疼痛線維を実質的に標的にするまたは刺激することなく、保護感覚喪失を治療する。たとえば、保護感覚の喪失と関連付けられる感覚神経が選択的に標的にされて保護感覚の喪失を治療するように、波形、パルス周波数および他の電流パラメータを選択可能である。ある例では、使用される最大電流は、治療を開始する前に装置を較正することによって定めることができる。改良された治療のためには、電流がたとえば約50または100ミリアンペアなどの安全な最大電流を超えないならば、治療においては最大許容電流を用いることが望ましい可能性がある。例示的な較正フロー図が図2に示される。ステップ210で、保護感覚を喪失した被験者の区域が本明細書中で記載のように同定される。次にステップ215で、同定された区域が電極に結合され、電流が印加される。被験者の電流を感知する能力はステップ220で判定される。電流を感知するが被験者が快適である場合、電流はステップ225で増大され、被験者の増大した電流を感知する能力がステップ220で再評価される。電流は最大電流までまたは電流が感知されるポイントまで徐々に増大されるが、被験者は不快に感じる。同様に、最初に印加された電流を被験者が感知しない場合、電流はステップ225で増大され、被験者の電流を感知する能力がステップ220で再評価される。被験者が不快に感じれば、印加される電流はステップ230で低減され、被験者の低減された電流を感知する能力がステップ220で判定される。このプロセスは、ステップ235で最大許容電流が同定されるまで繰返され、次にステップ240で治療が開始される。保護感覚を完全に喪失した被験者においては、印加される電流が感知されることがないかもしれない。そのような事例では、電流は最大電流に設定可能であり、ステップ245で治療が開始され得る。
【0033】
ある実施形態では、治療に適切な電流が一旦定められると、有効な量の電流を第1および第2の電極を通して区域に与えて保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療することができる。電流の種類は異なり得、ある例では、電流は、直流電流、交流電流、連続的な電流、またはパルス化電流であり得る。たとえば、ある実施形態では、印加される電流は、たとえば連続的なまたはパルス化された形態のいずれかの50ミリアンペア未満で印加される直流電流の形態を取り得る。ある例では、直流電流は、150ボルト未満の電圧源を用いて印加可能である。ある実施形態では、たとえば500マイクロアンペアから3ミリアンペアなど、3ミリアンペア未満の強度で直流電流を印加可能である。いくつかの例では、直流電流は、たとえば約150ボルトまでなどの完全オン状態と、たとえば約0ボルトまでの完全オフ状態との間で周期的に繰返され得る。電流がオン状態とオフ状態に留まる持続時間は異なり得、2つの状態の間で周期的に繰返すことにより、電流パルスが生成され得る。ある実施形態では、単相パルス化電流を用いて有効な量の電流が与えられる。単相パルス化電流の例が図3に示される。単相パルス化電流は、選択された持続時間の間は電流が設定された「オン」値に立上がり、再び立上がる前の選択された持続時間の間は「オフ」値に立下がる方形波に似ている。いくつかの例では、電流の強度は約500マイクロアンペアから約100ミリアンペアであり、より特定的にはたとえば約20ミリアンペアから約100ミリアンペア、500マイクロアンペアから約50ミリアンペア、または約20ミリアンペアから約50ミリアンペアなど、約1ミリアンペアから約100ミリアンペアまで異なり得る。
【0034】
ある実施形態では、パルス間の遅延は約100マイクロ秒から約500マイクロ秒に、より特定的には約150マイクロ秒から約400マイクロ秒に異なり得、たとえば、パルスペア間の遅延または距離は、たとえば150−330マイクロ秒など、約150マイクロ秒から約350マイクロ秒であり得る。
【0035】
パルスの正確なオン時間または幅も異なり得る。いくつかの実施形態では、パルス幅は、約1マイクロ秒から約100マイクロ秒、より特定的には、たとえば約4−60マイクロ秒、5−50マイクロ秒、10−50マイクロ秒、または20−40マイクロ秒など、約3マイクロ秒から約75マイクロ秒に異なり得る。パルスは、たとえば50−100Hz、55−90Hz、または60−80Hzなど、選択された周波数で繰返され得る。パルスペアを考える場合、パルスペア周波数は、たとえば、約80−300Hz、より特定的にはたとえば約100−200Hzなど約90−250Hzであり得る。いくつかの例では、パルスペア周波数は、感覚神経線維を選択的に標的にするためには、たとえば約100Hzから約300Hzなど、少なくとも約100Hzであり得、たとえばパルスペア周波数は、典型的にははるかに低い周波数で標的にされる疼痛神経線維を実質的に標的にすることなく感覚神経線維を標的にするように選択可能である。ある例では、被験者が許容可能な強度に依存して、パルス化電流は、パルス幅が約5−50マイクロ秒で、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの強度の単相波形を用いて与えることができる。
【0036】
ある実施形態では、電流は、選択された持続時間の間与えられ得る。たとえば、治療電流が一旦定められると、全治療時間は治療あたり約15分から約45分に異なり得る。各々の治療セッションは所望のスケジュールで繰返され得る。たとえば、治療は、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1週間に1回、1週間に2回、1週間に3回、1週間に4回、1週間に5回、1週間に6回、または毎週毎日行なわれてもよい。治療の全持続時間は、たとえば1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、またはこれらの例示的な期間の間のいずれの期間など、1週間以上続いてもよい。ある実施形態では、治療計画は、1日1回30分間、6週間にわたって週に5回、電流を与えることからなり得る。
【0037】
ある例では、電流の強度および他の電流パラメータを治療の間に変更してもよく、治療ごとに変えてもよい。たとえば、被験者は、治療の開始時に当初許容していたよりも高い電流レベルを許容することができるかもしれない。初期電流が被験者の許容度に基づいて低レベルに設定されている場合、電流を、たとえば5分、10分または15分などの遅延期間の後で増大して、被験者がより高い電流レベルを現在許容可能かどうかを確かめることができる。これに代えて、治療の間に被験者は不快になるかもしれず、治療の間に電流の強度を快適なレベルに低減することが望ましい可能性がある。そのような調整は治療の間にオペレータによってなされ得る。いくつかの事例では、システムは、選択された期間の間はより高いまたはより低いレベルに周期的に電流を調節して異なる電流の「バースト」を与えて治療結果を改善させるようにプログラム可能である。
【0038】
ある実施形態では、図1Aおよび図1Bに示される足浴の電極は、たとえばRich-Mar, NaimcoおよびBioinductionから市販されているものなどの電源に電気的に結合されて、電流を電極および治療すべき区域に与え得る。電源の正確な種類は重要ではなく、多数の異なる種類の電源を使用可能である。いくつかの例では、電源は足浴に一体化可能であり、または使い捨てもしくは再充電可能な電池もしくは複数の電池などの「基板実装」電源であり得る。さらに、電極に用いられる特定の材料は、足浴においてまたは本明細書中に記載の他の装置とともに用いられても重要ではなく、たとえばステンレス鋼および導電金属および非金属などの多数の異なる材料を電極に用いることができる。本明細書中に記載の回路は足浴に一体化可能であるか、または装置の所望の構成に依存して電源の一部であり得る。
【0039】
ある実施形態では、足浴を用いる場合、電流の印加の前に1つ以上の流体を足浴の中に入れておいてもよい。流体は足全体を覆う必要はなく、代わりに、好適な分量だけ加えて患部区域を流体に浸漬することができる。いくつかの事例では、十分な流体を加えることができ、これにより両足全体および両足の踝が流体の中に完全に浸かる。本明細書中に記載のような有効な量の電流を与えることにより、次に治療を開始し得る。
【0040】
ある例では、足浴に加えられる流体は、家庭での足浴の使用を容易にするため、たとえば水道水などの水であり得る。使用者は、治療を開始する前に、所望のレベルまでまたは足浴の側面のマークまで足浴を満たすことができる。次に、足浴の電極をたとえば電流源などの電源に電気的に結合可能であり、治療が行なわれ得る。これに代えて、使用者は、電極を電源に電気的に結合する前に所望の部位に足浴中の電極を置き得る、または位置決めし得る。いくつかの事例では、1つ以上の薬剤を水に含めて治療をさらに補助したりまたは同時に区域の他の不調を治療したりすることが望ましいことがある。たとえば、1つ以上の脱分極剤を足浴中の流体に加えて電流の送達の間の抵抗を低下させ得る。動作中、装置の電極は水を電気分解する。陰極の表面に水素イオンが形成されるが、これは、電流の流れに対する抵抗の増大に繋がり、全体的な性能を低下させ得る。好適な脱分極剤を加えることにより、水素イオンが脱分極剤の1つ以上の基と結合して、陰極がその意図される性能特性を保持することを確実にし得る。1つの望ましい脱分極剤は、容易に還元して酸素を発生しかつ陰極で水素イオンと結合して水を形成することができる、たとえば過酸化水素などの過酸化物である。他の望ましい脱分極剤は、電極で水素イオンと結合するための酸素を生成可能なものを含む。例示的な他の分極剤は、正に帯電した種を中和するように作用することができる、空気、酸素、オゾンおよび他の物質を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0041】
ある実施形態では、1つ以上の抗菌物質または抗真菌物質を治療前に流体に加えることができる。抗菌物質の使用は、感染症の恐れがある足の上に1つ以上の潰瘍形成が存在する場合に特に望まれ得る。抗菌物質は、電流の印加が帯電した抗菌物質を皮膚の中に押し入れるように作用し得るように帯電していてもよく、または抗菌物質は帯電していなくてもよい。たとえば足白癬または他の真菌感染症を治療するのに抗真菌剤を用いる場合、抗真菌剤は帯電していてもまたは帯電していなくてもよい。いくつかの例では、一旦治療が終了してから継続した効果を与えるために、治療の後に局所に同じまたは異なる抗菌物質または抗真菌物質を用いてもよい。
【0042】
ある実施形態では、足浴以外の装置を用いて保護感覚を喪失した区域を治療してもよい。たとえば、手または脚の区域が保護感覚を喪失している場合、足浴を用いた治療は困難であろう。そのような事例では、手袋、靴下、外被、スリーブ、包帯、または同様の装置を用いてこれらの区域の保護感覚の喪失を治療することができる。これらの装置の図示が以下により詳細に与えられる。1つ以上の回路を装置に一体化して所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えることができる。
【0043】
ある例では、手袋を用いて保護感覚喪失または他の神経障害状態の治療を施し得る。手袋の1つの図示を図4Aに示す。手袋は、各々が指袋から手首部440に延在する、掌面430および裏面(図示せず)に装着された複数の指袋405、410、415、420および425を含む。手袋は、被験者の手にぴったりフィットするようにサイズ決めされかつ配置され得、そのようなぴったりしたフィットを容易にするように、たとえば、大中小などの異なるサイズで入手し得る。保護感覚を喪失した区域の治療を容易にするように、手袋の中に2つ以上の電極を置いてもよい。手袋がぴったりフィットすると、一旦挿入された電極の位置を維持するように働くことができ、または、接着剤、テープなどを用いて所望の位置に電極を保持してもよい。これに代えて、手袋は、複数の一体型電極を含んでもよく、そのうち任意の2つは治療を行なうために電極に電気的に結合可能である。手袋は、回路が電源に電気的に結合される際に、たとえばパルス化電流の形態および本明細書中に記載の電流パラメータなどの所望の電流の形態または強度を与えることができる基板実装回路を含み得る。いくつかの例では、手袋は、被験者の動きを許しつつ治療を容易にするように使用可能な、たとえば時計電池または他の使い捨て可能もしくは再充電可能電池などの基板実装電源を含み得る。いくつかの実施形態では、被験者が治療をあまりに頻繁に行なわないようにタイミング回路を手袋の中に一体化してもよい。たとえば、タイミング回路は、24時間以内に30分間の単一の治療を許し得る。
【0044】
ある実施形態では、保護感覚を失った(または他の神経障害状態の)手の区域が単一の指の上にある場合、手袋は5つよりも少ない指袋を含んでもよい。そのような手袋の1つの図示を図4Bに示す。この構成では、親指袋450および人差し指袋455が存在し、他の指の端が手袋から出るように他の指袋には開口460、465および470が存在する。いくつかの実施形態では、すべての指の端が突出するように手袋に開口が存在し得る。いくつかの構成では、指袋が1つだけ、2つだけ、3つだけ、または4つだけ存在し得る。さらに、2つ以上の指袋が存在する場合、指袋は互いに隣接している必要はなく、たとえば親指袋および薬指袋が存在する2つの指袋であってもよい。
【0045】
ある例では、手袋またはその一部は、治療すべき区域が濡れるのを許すようにまたは手袋の中の手全体が濡れるのを許すように多孔性材料から作られてもよい。そのように濡れることにより、印加される電流が患部区域に送達されることが容易になり得る。これに代えて、濡れたガーゼパッドまたは他の材料を手袋の中および治療すべき区域の上に置いて、その区域の保護感覚喪失または他の神経障害状態の治療を容易にし得る。区域または複数の区域を濡らす場合、その区域を濡らすのに用いられる流体または複数の流体は、たとえば脱分極剤を含むものなど、本明細書中に記載の水、生理食塩水または他の流体であり得る。いくつかの例では、手袋をはめた区域は、治療すべき区域が濡れた状態を維持するように、治療前に足浴の中の流体に浸漬され保持され得る。
【0046】
ある実施形態では、被験者が足および手の上に保護感覚喪失または他の神経障害状態を有する場合、両方の区域の治療を足浴を用いておよび手袋を用いて同時に行なうことができる。そのような同時治療は、保護感覚を失っている(または他の神経障害状態のある)異なる区域を治療しつつ、全体的な治療時間の短縮を可能にする。いくつかの例では、手袋および足浴を同じ電源に電気的に結合可能であり、または異なる電源に電気的に結合してもよい。さらに、たとえば図2に示されるような較正手順を手の上の区域および足の上の区域に対して別個に行なって、被験者に不要な苦痛を生じさせることなく各区域に与え得る電流強度を同定し得る。
【0047】
ある実施形態では、保護感覚を喪失したまたは別の神経障害状態に罹患した区域を治療するための靴下が提供される。そのような靴下の1つの図示を図5に示す。靴下は、爪先セグメント505と、踵セグメント510と、各々が爪先セグメント505と踵セグメント510との間に延在しかつ互いに接続される足裏セグメント515および甲側セグメント520とを含む。靴下は踵セグメント510、足裏セグメント515および甲側セグメント520に接続される足首セグメント525も含む。本明細書中に記載の手袋と同様に、靴下は、被験者の足に好適にフィットするように適切なサイズを選択できるように、たとえば大中小などの複数のサイズでサイズ決めされ得る。
【0048】
ある例では、靴下は、電極のうち2つ以上が電源に電気的に結合されて治療用の電流を与えることができるように一体化された電極を含み得る。ある例では、電源は基板に実装されて限られた電力を与えることができる電池または他の装置の形態を取り得る一方で、他の例では、電源は外部にあって、1つ以上の好適な電気導線を通して電極に結合されてもよい。いくつかの例では、電極は、靴下と治療すべき足の区域との間に置かれて、一般的には摩擦嵌めによって定位置に保持可能である。たとえば、保護感覚を喪失した足の区域または複数の区域は同定可能である。同定された区域の上にまたはそれに隣接して電極を置いて電極を当該区域に結合することができ、治療は好適な電流の印加によって行なわれ得る。代替的な実施形態では、靴下は、爪先セグメント505における電極と、踵セグメント510における別の電極とを含み得る。これらの電極の各々は電源に電気的に結合可能であり、区域の治療は、爪先/踵電極対を通した電流の印加によって実施され得る。保護感覚を喪失した区域を治療するための他の好適な電極位置は、この開示の利点を考慮して当業者によって選択されるであろう。手袋と同様に、回路を靴下に一体化して所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えることができ、またはそのような所望の特徴を与えるように電源を構成可能である。
【0049】
ある実施形態では、治療すべき区域または複数の区域は、足浴、靴下または手袋を容易に用いたり置いたりしないような被験者の身体の一部の上にあり得る。そのような事例では、これらの区域の上に包帯、外被またはスリーブを置き得る。包帯、スリーブまたは外被は、治療すべき区域に依存して多数の異なる形態を取り得る。包帯を用いる場合、包帯は、図6Aの包帯610に一般的に示されるように、治療すべき区域の上に置くことができるほぼ平面のまたは平坦な表面を含み得る。包帯は電流源に結合可能な一体化電極を含み得る。これに代えて、電極は、治療すべき区域の上にまたはその近くに置かれてもよく、電極を定位置に保持するように包帯を電極の上に置くことができる。包帯は、治療すべき区域または周囲の身体の部分にくっつく接着剤または他の材料を含んでもよい。いくつかの実施形態では、区域への電流の送達を容易にして保護感覚喪失を治療するように、包帯は濡れていてもまたは濡らされてもよい。ある実施形態では、包帯は、所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えるように構成される回路を含むことができ、またはそのような所望の特徴を与えるように電源を構成可能である。
【0050】
ある実施形態では、治療すべき区域の周りにスリーブを置いてもよい。スリーブは、図6Bのスリーブ630に示されるように、付属肢の一部が貫通するのを許す内側部分を有するほぼ円形または円筒形を備える。電極はスリーブに一体化可能であり、または外部電極をスリーブとともに用いることができる。スリーブの正確な長さおよび直径は異なり得る。ある例では、スリーブの長さは治療すべき区域または複数の区域を覆うように選択される。他の例では、スリーブの直径は、区域の周りにぴったりフィットするように選択される。そのようなぴったりしたフィットによって電極が定位置に保持され得、または電極がスリーブに一体化される場合は、電極は治療すべき区域に接してまたはその近くに保持される。電流源を電極に接続してスリーブ内の区域に治療を施すことができる。包帯と同様に、区域への電流の送達を容易にするように、スリーブは濡らされてもよく、またはスリーブ下の区域が濡れていてもよい。ある実施形態では、外被は、所望の電流、電圧、パルスペア周波数などを与えるように構成された回路を含むことができ、またはそのような所望の特徴を与えるように電源を構成可能である。
【0051】
ある実施形態では、包帯またはスリーブは、治療すべき区域の近くに置くには好適でないかもしれない。そのような事例では、図6Cに示される外被650などの外被を区域の周りに置いて、たとえば面ファスナー、クリップ、テープ、または他の材料もしくは装置などの好適な固定具を用いてこれを定位置に保持することができる。外被を用いる際、治療すべき区域の周りに外被を置くことができ、典型的にはそれ自体の上に折り重なって、固定具、クリップ、テープなどを用いて定位置に保持される。外被と治療すべき区域との間に電極を置くことができ、または外被が電極自体を含んでもよい。いくつかの例では、治療すべき区域に接するまたはその近くにある外被の表面は、外被の一方側から他方側に走る複数の電極を含む。そのような複数の電極は、治療結果に対する電極の置き方の影響を考慮する必要なく、区域の治療を容易にすることができる。複数の電極が存在する場合、それらは、区域に与えられるべき所望の電流プロファイルに依存して、互いに平行に、格子状に、または他の選択されたパターンで配置され得る。包帯およびスリーブと同様に、電流の送達を高めるように、外被の下の区域を濡らすことができる。これに代えて、電流の送達を高めるように、外被全体が濡れていることができる。
【0052】
ある実施形態では、手袋、靴下、包帯、外被またはスリーブが用いられる場合に印加される電流の正確な種類は、足浴を用いて印加される電流と同じ種類のものであり得る。たとえば、ある実施形態では、印加される電流は、たとえば連続的なまたはパルス化された形態の、50ミリアンペア未満で印加される直流電流の形態を取り得る。ある例では、150ボルト未満の電圧源を用いて直流電流を印加可能である。いくつかの例では、直流電流は、たとえば約150ボルトまでの完全オン状態とたとえば約0ボルトまでの完全オフ状態との間で周期的に繰返され得る。電流がオン状態とオフ状態に留まる持続時間は異なり得、2つの状態の間で周期的に繰返すことにより、電流パルスを生成可能である。ある実施形態では、本明細書中に記載のような単相パルス化電流を用いて有効な量の電流を与えることができる。ある例では、被験者が許容できる強度に依存して、パルス幅が5−50マイクロ秒の間でパルスペア繰返し周波数が100−200Hzである、150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの強度でパルス化電流を与えることができる。本明細書中に記載の他の例示的な電流パラメータも、包帯、靴下、外被、手袋またはスリーブが用いられる場合に実現され得る。手袋、靴下、包帯、外被またはスリーブが用いられる場合に較正ステップも行なわれ得る。較正ステップは治療で用いるための最大許容電流量を定めるように行なわれ得る。さらに、包帯、外被またはスリーブを、足浴、手袋または靴下と組合せて用いて多数の異なる区域を同時に治療してもよい。
【0053】
ある実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の深刻さに依存して、保護感覚を回復するのにある被験者はより多くの治療を必要とするかもしれない一方で、他の被験者はより少ない治療を必要とするかもしれない。いつ治療を終結させ得るかまたは治療の頻度を低減し得るかを判定するため、被験者の保護感覚を周期的に再評価し得る。例示的な手順を図7に図示する。第1のステップで、ステップ710で、治療前に被験者の保護感覚を評価することができる。1つ以上の区域で保護感覚の喪失がある場合、本明細書中に記載のようにステップ720で被験者を治療可能である。保護感覚の喪失は、たとえば治療の直後または幾分遅れて治療後処置の後など、治療後にステップ730で再評価可能である。保護感覚の喪失が依然として存在すれば、別の治療を施すことができる。保護感覚が部分的に回復していれば別の治療を施すことができる。保護感覚が回復していれば、ステップ740で治療を終結することができる。選択された治療期間後に保護感覚の喪失が依然として存在する場合、被験者に対する保護感覚を回復する連続した治療ができないことに基づいて、ステップ750で治療を終結してもよい。
【0054】
ある例では、保護感覚の喪失が回復するまで治療が継続され得る。保護感覚の回復は、感覚が元の状態に戻るまたは正常な神経機能に戻ることを要件とするものではない。代わりに、保護感覚は、被験者が潰瘍形成を検知する十分な感覚を有するまたはモノフィラメントテストもしくは他の好適なテストをパスした場合に、回復したと考えられる。たとえば、治療は、治療前の保護感覚と比較して、モノフィラメントテストまたは他の好適なテストを用いて測定されるような保護感覚が少なくとも100%改善するまで継続され得る。いくつかの例では、圧力を感知する、潰瘍または患部区域の他の不調などの損傷を引起す恐れを低減または排除できる能力を被験者に与えるには、保護感覚の部分的な回復で十分である可能性がある。ある実施形態では、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以上保護感覚が改善するまで治療が継続され得る。
【0055】
ある実施形態では、保護感覚が一旦回復して(または神経障害状態の症状もしくは徴候が低減して)保護感覚が残っていることが確実になれば治療は周期的に行なわれてもよい。たとえば、本明細書中に記載のような治療を通じて保護感覚が回復した被験者は、治療が終結した後に再び保護感覚を失うかもしれない。そのような事例では、たとえば週に1度、月に1度、2ヶ月に1度、年に1度など、被験者の保護感覚を周期的にモニタして保護感覚が残っていることを確実にすることが望ましいであろう。保護感覚の喪失が再発すれば、追加治療を開始することができる。そのような維持の治療は、保護感覚の喪失を回復するのに用いられた初期の治療よりも低い頻度で起こり得る。いくつかの例では、たとえば靴下、手袋、スリーブ、包帯、外被など、治療の間の被験者の動きを容易にする本明細書中の記載の実施形態を、予防手段として、たとえば月に1度、月に2度など被験者が間欠的に用いて、回復した保護感覚を再び失わないことを確実にするようにし得る。これに代えて、足浴または他の好適な装置を用いる治療を維持治療として使用可能である。
【0056】
ある実施形態では、本明細書中に開示される方法および装置は、保護感覚の喪失の恐れのある被験者向けの防止対策として使用可能である。そのような被験者は典型的に、糖尿病前症、糖尿病、血管障害、毒素への曝露、または栄養障害もしくは代謝障害を有する被験者を含むが、それらに限定されるわけではない。予防治療として用いられる場合、治療は、たとえば、週に1度、2週間に1度、月に1度、2ヶ月に1度、半月に1度、数ヶ月に1度、半年に1度、年に1度など、頻度を減らして行なうことができる。たとえば、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)が進行する恐れのある被験者は、通常の健康診断の間に年に1度治療可能である。さらに、防止治療において用いられる電流または電圧パラメータは、保護感覚喪失を回復するのに用いるものとは異なり得る。特に、防止治療には、用いられる電流の強度は、回復治療のために用いられる電流の強度よりも低いものであり得る。
【0057】
ある実施形態では、本明細書中に記載の治療方法および装置は、1つ以上の薬剤または治療薬と併用可能である。たとえば、治療は、被験者に、抗うつ剤、(たとえば、カルシウムチャネル遮断薬、ナトリウムチャネル遮断薬、プレガバリン、ガバペンチン、カルバマゼピンおよびオクスカルバゼピンなどの)抗痙攣剤、(たとえば、モルヒネ、コデイン、テバイン、ヒドロコドン、オキシコドン、メタドン、フェンタニル、ケトベミドンなどの)オピオイドもしくはオピオイド誘導体、(たとえば、局所抗真菌剤、抗菌剤、ラッカー、ビタミン、リドカイン、カプサイシンなどの)局所薬、カンナビノイド(ナビロン、テトラヒドロカンナビノール)、(たとえば、ケタミンおよびデキストロメトルファンなどの)NMDA拮抗薬、神経修飾および神経刺激物質および装置、(たとえばグリブリド、メトホルミン、インスリンもしくはその組合せなどの)糖尿病の治療に一般的に用いられる治療薬、経口もしくは静脈内抗生物質、経口もしくは静脈内抗真菌剤、経口もしくは静脈内抗ウイルス剤、輸液ポンプ、(たとえばイブプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、アセトミノフェン、セレコキシブもしくは他の選択的COX−2抑制剤などの)抗炎症薬、ならびにこれらの例示的な治療薬および装置の組合せを処方するのと組合せて行なわれ得る。本明細書中に記載の治療装置および方法と併用可能な付加的な治療薬および装置は、この明細書の利点を考慮して当業者によって容易に選択されるであろう。いくつかの例では、治療薬の治療後投与は全体的な治療結果を改善し得る。たとえば、被験者が足の上に保護感覚の喪失および1つ以上の潰瘍を有している場合、抗生物質を経口で、局所で、または静脈内で投与すれば、最終的に切断に繋がり得る潰瘍のいずれの感染症も防止または治療するように働き得る。
【0058】
ある実施形態では、与えられた電流は、有利には、保護感覚の喪失を治療し、同時に治療される区域中に治療薬を押し入れるように利用され得る。たとえば、帯電した薬は、治療に用いられる(または区域を濡らすのに用いられる)流体中に与えられてもよく、保護感覚の喪失を治療するための電流の印加は、イオン導入法によって、帯電した薬を区域中に押し入れることができる。このプロセスは、保護感覚の喪失を治療するために電流を与えつつ区域中での局所的な薬の濃度を高めるという利点を加える。
【0059】
ある実施形態では、本明細書中に記載の治療装置および方法を用いて、保護感覚の喪失と、同じ区域を冒している1つ以上の他の不調とを同時に治療することができる。たとえば、多くの糖尿病患者は、保護感覚の喪失と、足の皮膚または爪の真菌感染症(たとえば足白癬、爪真菌症など)との両方を有している。本明細書中に記載の方法および装置を用いて両方の不調を治療することができる。保護感覚の喪失および他の不調の治療のために与えられる電流パラメータは同じである必要はない。たとえば、爪真菌症を治療するのに直流電流を与え得る一方で、保護感覚の喪失を治療するのにパルス化電流を与えることができる(この逆も然りである)。ある実施形態では、電流パラメータを選択して、両方の不調を治療するための異なる電流強度、波形、または他の異なる電流パラメータを与える必要なく、保護感覚の喪失と爪真菌症との両方を同時に治療することができる。たとえば、保護感覚の喪失と爪真菌症との両方を治療するために電流パラメータを選択することができる。爪真菌症は、爪を肥厚させたり、変色させたり、変形させたり、および/または破壊したりする爪および爪床組織の真菌感染症である。爪は肥厚して、圧迫、炎症および痛みを引起し得る。保護感覚喪失および爪真菌症が治療された被験者の具体例を以下により詳細に説明する。
【0060】
ある実施形態では、保護感覚の喪失または他の神経障害状態もしくは疾患の治療を容易にする方法が提供される。いくつかの例では、方法は、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を設けるステップを備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を備え、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設ける。いくつかの例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップも含み得る。他の例では、方法は、足浴を用いて、第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0061】
ある例では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、指示は、本明細書中に記載のような治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。ある実施形態では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。ある例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。他の例では、方法は、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを備え得る。ある例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを備え得る。付加的な例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。ある実施形態では、方法は、保護感覚の喪失の治療との併用のための治療薬を与えるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、治療後に保護感覚の喪失を評価するための指示を含み得る。
【0062】
他の実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法であって、爪先セグメントと、踵セグメントと、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在しかつ足裏セグメントに接続される甲側セグメントとを備える靴下を設けるステップを備える、方法が記載される。いくつかの例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、靴下を用いて、第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0063】
ある実施形態では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。ある例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。ある実施形態では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。ある例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。他の例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0064】
別の実施形態では、少なくとも1つの指袋と、各々が指袋から手首部に延在する掌面および裏面とを備える手袋を設けるステップを備える、保護感覚喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が開示される。ある例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、手袋を用いて、第1および第2の電極を通して手の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0065】
ある実施形態では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間にあり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。ある例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。いくつかの実施形態では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。他の例では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。ある例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0066】
付加的な実施形態では、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブを設けるステップを備える、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が記載される。ある実施形態では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。他の実施形態では、方法は、スリーブを用いて、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0067】
ある例では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。付加的な例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。いくつかの例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。他の例では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。他の例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0068】
別の実施形態では、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯を設けるステップを備える、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が開示される。ある例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。他の例では、方法は、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0069】
ある例では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。付加的な例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。いくつかの例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。ある実施形態では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。ある例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。付加的な例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0070】
付加的な実施形態では、保護感覚の喪失の治療をすべき区域の周りに位置決めされるように構成されかつ保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被を設けるステップを備える、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にする方法が記載される。ある例では、方法は、第1の電極および第2の電極を設けるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、包帯を用いて、第1および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップを含み得る。
【0071】
ある実施形態では、指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを含み得る。いくつかの実施形態では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。他の実施形態では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。ある例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの実施形態では、方法は、第1および第2の電極を通してパルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップを含み得る。ある実施形態では、方法は、脱分極剤を与えるステップを含み得る。いくつかの例では、方法は、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップを含み得る。他の例では、方法は、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を与えるステップを含み得る。
【0072】
別の実施形態では、足の区域の保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を備え、足浴は、前方壁と、前方壁に結合される側壁と、側壁に結合される後方壁と、前方壁に結合される底面とを備える貯蔵部を有し、側壁および後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらにキットは、足浴を用いて、足浴中の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を備える、キットが記載される。
【0073】
ある実施形態では、足浴を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0074】
別の実施形態では、足の区域の保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、爪先セグメント、踵セグメント、爪先セグメントと踵セグメントとの間に延在する足裏セグメント、踵セグメントと爪先セグメントとの間に延在し、足裏セグメントに接続される甲側セグメントを備える靴下と、靴下を用いて、靴下の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、キットが開示される。
【0075】
ある実施形態では、靴下を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0076】
付加的な実施形態では、手の区域の上の保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、少なくとも1つの指袋、各々が指袋から手首部に延在する掌面および裏面を備える手袋と、手袋を用いて、手の区域に、手袋の中のまたは手袋に接する第1の電極および第2の電極にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。
【0077】
ある実施形態では、手袋を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0078】
付加的な実施形態では、保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブと、スリーブを用いてスリーブの中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが開示される。
【0079】
ある実施形態では、スリーブを含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0080】
別の実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)を治療するためのキットであって、保護感覚を喪失した区域の上に置かれるように構成される包帯と、包帯を用いて、包帯の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。
【0081】
ある実施形態では、包帯を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0082】
別の実施形態では、保護感覚の喪失(または他の神経障害状態)の治療を容易にするためのキットであって、保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚の喪失を治療すべき区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被と、外被を用いて、外被の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して区域にパルス化電流を与えて保護感覚の喪失を治療する指示とを備える、キットが記載される。
【0083】
ある実施形態では、外被を含むキットは電源を含み得る。電源は、たとえば、パルス幅が約5−50マイクロ秒であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成可能である。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。他の例では、指示は、治療のために被験者が許容し得る最大電流を定める較正ステップを含み得る。いくつかの例では、指示は、保護感覚を喪失した区域を同定するステップを含み得る。付加的な例では、指示は治療の頻度を特定する治療計画を含み得る。いくつかの例では、キットは脱分極剤を含み得る。ある例では、キットは、保護感覚を喪失した区域を同定するのに用いるモノフィラメントを含み得る。他の例では、キットは、保護感覚の喪失の治療と併用するための治療薬を含み得る。
【0084】
ある実施形態では、本明細書中に記載の方法は、プロセッサを含むコンピュータもしくは他の装置を用いて実現可能であるか、または、本明細書中に記載の装置はコンピュータシステムもしくはプロセッサに電気的に結合可能である。そのようなコンピュータで実現される方法は、治療を容易にするとともにオペレータの誤りを低減し得る。さらに、コンピュータは、治療の数を追跡し、電流パラメータを呼出し、治療を施す全体的な容易性を増大させ得る。コンピュータシステムは典型的に、オプションで1つ以上のメモリユニットに電気的に結合される少なくとも1つのプロセッサを含む。コンピュータシステムは、たとえば、ユニックス、インテルペンティアム(登録商標)タイププロセッサ、モトローラPowerPC、サンUltraSPARK、ヒューレットパッカードPA−RISCプロセッサ、またはいずれの他のタイプのプロセッサなどの汎用コンピュータであってもよい。いくつかの例では、プロセッサは、入力を受け、受信した入力に基づいて治療パラメータを出力するようにプログラム可能であり得る安価なプロセッサであり得る。技術のさまざまな実施形態に応じて、1つ以上のいずれの種類のコンピュータシステムを用いてもよいことが認められるべきである。さらに、システムは単一のコンピュータ上に位置してもよく、または通信ネットワークによって装着される複数のコンピュータ間で分散されてもよい。汎用コンピュータシステムは、たとえば、電流印加、治療周波数追跡、治療時間、被験者追跡などを含むがこれらに限定されない記載の機能のうちいずれを行なうように構成されてもよい。システムはネットワーク通信を含む他の機能を行なってもよく、技術はいずれの特定の機能または機能の組を有するものにも限定されるわけではないことが認められるべきである。
【0085】
たとえば、汎用コンピュータシステムで実行される専門ソフトウェアとしてさまざまな局面が実現されてもよい。コンピュータシステムは、データを記憶するためのディスクドライブ、メモリまたは他の装置などの1つ以上のメモリ装置に接続されるプロセッサを含んでもよい。メモリは典型的に、コンピュータシステムの動作の間にプログラムおよびデータを記憶するのに用いられる。コンピュータシステムの構成要素は、(たとえば同じマシン内で一体化される構成要素同士の間の)1つ以上のバスおよび/または(たとえば別々の離散したマシン上に常駐する構成要素同士の間の)ネットワークを含み得る相互接続装置によって結合されてもよい。相互接続装置はシステムの構成要素同士の間で交換される(たとえば信号、データ、指示など)通信を提供する。コンピュータシステムは典型的に、電源および/または電極に電気的に結合され、これにより電気信号が電源および/または電極へおよびこれらから与えられて、所望の治療を施したり、または記憶および/もしくは処理をしたりし得る。コンピュータシステムは、たとえば、キーボード、マウス、トラックボール、マイク、タッチパネル、手動スイッチ(たとえばオーバーライドスイッチ)など、1つ以上の入力装置、および、たとえば印刷装置、表示画面、スピーカーなど、1つ以上の出力装置も含んでもよい。さらに、コンピュータシステムは、(相互接続装置に加えてまたはその代替物として)コンピュータシステムを通信ネットワークに接続する1つ以上のインターフェイスを内蔵してもよい。
【0086】
記憶システムは典型的に、プロセッサが実行すべきプログラムまたはプログラムが処理すべき媒体上もしくはその中に記憶される情報を規定する信号が記憶されるコンピュータ読出可能および書込可能不揮発性記録媒体を含む。たとえば、治療時間、電流パラメータ、特定の被験者が保護感覚などを喪失した区域が媒体上に記憶され得る。媒体は、たとえば、ディスクまたはフラッシュメモリであり得る。典型的に、動作中、プロセッサは、データが不揮発性記録媒体から、当該媒体よりも、プロセッサによる情報へのより高速のアクセスを可能にする別のメモリの中へ読出されるようにする。このメモリは典型的に、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)またはスタティックメモリ(SRAM)などの揮発性ランダムアクセスメモリである。これは記憶システムまたはメモリシステムの中に位置し得る。プロセッサは一般的に集積回路メモリ内のデータを操作し、次に、処理が完了した後にこのデータを媒体にコピーする。媒体と集積回路メモリ要素との間でのデータ移動を管理するためにさまざまな機構が公知であり、技術はそれらに限定されるものではない。この技術は特定のメモリシステムまたは記憶システムに限定されるものでもない。
【0087】
ある例では、コンピュータシステムは、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの特別にプログラムされた専用ハードウェアも含み得る。この技術の局面は、ソフトウェア、ハードウェアもしくはファームウェア、またはそのいずれの組合せで実現されてもよい。さらに、そのような方法、行為、システム、システム要素、およびその構成要素は、上述のコンピュータシステムの一部としてまたは独立の構成要素として実現されてもよい。
【0088】
その上で技術のさまざまな局面が実践され得るコンピュータシステムの1つの種類の例としてコンピュータシステムが記載されるが、局面は記載のコンピュータシステム上で実現されるものに限定されるわけではないことが認められるべきである。さまざまな局面は、異なるアーキテクチャまたは構成要素を有する1つ以上のコンピュータ上で実践され得る。コンピュータシステムは、高級コンピュータプログラミング言語を用いてプログラム可能な汎用コンピュータシステムであり得る。コンピュータシステムは、特別にプログラムされた専用ハードウェアを用いても実現され得る。コンピュータシステムにおいて、プロセッサは典型的に、インテルコーポレーションから入手可能な周知のペンティアム(登録商標)クラスプロセッサなどの市販のプロセッサである。他の多数のプロセッサが入手可能である。そのようなプロセッサは通常、たとえば、マイクロソフトコーポレーションから入手可能なWindows(登録商標)95、Windows(登録商標)98、Windows(登録商標)NT、Windows(登録商標)2000(Windows(登録商標)ME)、Windows(登録商標)XPもしくはWindows(登録商標)Vistaオペレーティングシステム、アップルコンピュータから入手可能なMAC OSシステムXオペレーティングシステム、サンマイクロシステムズから入手可能なSolarisオペレーティングシステム、またはさまざまなソースから入手可能なUNIX(登録商標)もしくはLinuxオペレーティングシステムであり得るオペレーティングシステムを実行する。多数の他のオペレーティングシステムが用いられてもよく、ある実施形態では、命令または指示の単純なセットがオペレーティングシステムとして機能し得る。
【0089】
ある例に従うと、プロセッサおよびオペレーティングシステムは、高級プログラミング言語のアプリケーションプログラムが書かれ得るコンピュータプラットフォームをともに規定してもよい。技術は特定のコンピュータシステムプラットフォーム、プロセッサ、オペレーティングシステムまたはネットワークに限定されるわけではないことを理解すべきである。また、この開示の利点を考慮すると、本技術は具体的なプログラミング言語またはコンピュータシステムに限定されるわけではないことが当業者には明らかである。さらに、他の適切なプログラミング言語および他の適切なコンピュータシステムも使用可能であることが認められるべきである。ある例では、ハードウェアまたはソフトウェアは、認知アーキテクチャ、ニューラルネットワークまたは他の好適な実現例を実現するように構成される。
【0090】
コンピュータシステムの1つ以上の部分は、通信ネットワークに結合される1つ以上のコンピュータシステムにわたって分散されてもよい。これらのコンピュータシステムも汎用コンピュータシステムであり得る。たとえば、さまざまな局面が、1つ以上のクライアントコンピュータにサービス(たとえばサーバ)を提供するまたは分散システムの一部として全体的なタスクを実行するように構成される1つ以上のコンピュータシステムの間で分散されてもよい。たとえば、さまざまな局面は、さまざまな実施形態に応じてさまざまな機能を実行する1つ以上のサーバシステムの間で分散される構成要素を含むクライアントサーバまたは多層システム上で実行されてもよい。これらの構成要素は、通信プロトコル(たとえばTCP/IP)を用いて通信ネットワーク(たとえばインターネット)上で通信する実行可能な中間(たとえばIL)または解釈(たとえばJava(登録商標))コードであり得る。技術はいずれの特定のシステムまたはシステム群上で実行するものにも限定されないことも認められるべきである。また、技術はいずれの特定の分散アーキテクチャ、ネットワークまたは通信プロトコルにも限定されないことが認められるべきである。
【0091】
ある例に従うと、さまざまな実施形態は、SmallTalk、Basic、Java(登録商標)、C++、Ada、またはC#(C-Sharp)などのオブジェクト指向プログラミング言語を用いてプログラムされ得る。他のオブジェクト指向プログラミング言語も用いてもよい。これに代えて、機能型、スクリプト、および/または論理型プログラミング言語を用いてもよい。さまざまな構成は、プログラミングされていない(non-programmed)環境で実現されてもよい(たとえば、ブラウザプログラムのウィンドウの中で閲覧すると、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)の局面を与えたり、または他の機能を与えたりする、HTML、XMLまたは他のフォーマットで作成される文書)。ある構成は、プログラムされたもしくはプログラミングされていない要素またはそのいずれの組合せとして実現されてもよい。
【0092】
ある例では、ユーザインターフェイスは、使用者が被験者の情報、治療パラメータまたは所望の他のデータを入力し得るように設けられ得る。たとえば、患者が既に治療を受けている事例では、被験者の名前を入力することによって電流パラメータなどを定める必要なく関連の治療パラメータが呼出されかつ再使用されたり、またはグラフィカルユーザインターフェイスの適切なフィールドで同定されたり得る。ユーザインターフェイスに含めるための他の特徴は、この開示の利点を考慮すれば当業者によって容易に選択されるであろう。
【0093】
本明細書中に記載の局面および特徴のうちいくつかをさらに図示するため、ある具体例を以下に記載する。
【実施例1】
【0094】
実施例1
本明細書中に記載の10-g Semmes-Weinsteinモノフィラメントテストを用いて、被験者は足の保護感覚を喪失していると同定された。保護感覚を喪失した区域が同定された被験者は平らな背もたれの高い椅子に腰掛けるように指示され、足の炎症、皮膚の割れ目または打撲があるかについて両足が検査された。1対の電極(Mettler Electronics PN:2002)の一方端が足用のたらい(Sterilite PN:0658)に装着された。1対の電極の他方端はRich-Mar System(Theratouch Model 4.7)に装着された。対象の被験者の足は、少なくとも片方の爪先が一方の電極に接しているかまたは近接し、かつ踵が他方の電極に接している状態で、足用のたらいの中に置かれた。足の踵と電極との間に使い捨てガーゼが位置決めされた。たらいは、踝が浸かるまで水道水で満たされた。過酸化水素(16オンスの3%H2O2溶液)が水道水に加えられた。Rich-Marシステムの電源がスイッチオンされた。ダイヤルを「波」に回し、ダイヤルを押すことによって位置#1が選択された。ダイヤルを「単相」に回してダイヤルを押すことによって波形が選択された。ダイヤルを「連続」に回してダイヤルを押すことによって治療モードが選択された。ダイヤルを「セット」に回してダイヤルを押すことによって治療時間が選択された。次にダイヤルが30分に回されて再び押された。ダイヤルを120に回してダイヤルを押すことによってパルスレートが設定された。ダイヤルを100に回してダイヤルを押すことによって相間隔が設定された。
【0095】
治療用の電流の強度は、強度を0から最大40mAまでの被験者知覚の快適レベルへ増大させることによって定められた。被験者が40mAで不快であった場合、電流の強度は快適なレベルが得られるまで徐々に低下された。治療は30分間行なわれた。治療後、足は足用たらいから除けられ、清潔な使い捨てペーパータオルで拭かれた。次に、打撲、皮膚の割れ目、炎症または他の関心のある徴候について皮膚が検査された。上記治療は1日に1回、6週間にわたって週5回行なわれた。結果は表Iに要約される。
【0096】
【表1】
【0097】
すべての被験者は治療終結の90日後、保護感覚の100%改善を経験した。表Iに示される結果は電流を用いた保護感覚の喪失の治療と整合している。
【実施例2】
【0098】
実施例2
被験者においては、1つ以上の爪の上に爪真菌症の存在が同定された。これらの被験者のうち何人かは実施例1で用いられたのと同じ被験者であり、実施例1の被験者の番号付けはこの実施例での被験者の番号付けを追っている。
【0099】
甘皮から最も近接した感染点までのきれいな爪の長さ、感染に関る割合、および足指の爪の厚みが測定された。被験者の足指の爪は切られ、真菌の存在を確認するため、試料を培養およびKOHテストに用いた。紅色白癬菌、毛瘡白癬菌および/または有毛表皮菌の存在について陽性培養が確認された。
【0100】
爪真菌症は、実施例1に記載の同じ手順を用いて治療された。爪の成長、爪の外観および皮膚の完全性は6週間の治療期間の最後に判定された。結果は以下の表IIに要約されている。表IIで、爪の成長の列は、+1、+2、+3またはN/Aと参照している。これらの値は、治療前の爪の長さと比較した、爪の長さの25%の増加(+1)、爪の長さの50%の増加(+2)、または爪の長さの75%の増加(+3)を指している。N/Aは実施されなかったことを指す。
【0101】
【表2】
【0102】
表IIに示される結果は、爪真菌症を治療するための電流の印加ならびに爪真菌症および保護感覚の喪失の両方を同時に治療するための電流の印加と整合している。
【0103】
本明細書中に開示される例の要素を導入する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、1つ以上の要素が存在することを意味することを意図する。「備える」、「含む」および「有する」という用語は限定を設定しないことを意図するものであり、列挙された要素以外に付加的な要素が存在し得ることを意味する。この開示の利点を考慮すれば、例のさまざまな構成要素を他の例のさまざまな構成要素と相互に交換できるまたは置換できることが当業者には認識されるであろう。
【0104】
ある局面、実施例および実施形態が上述されたが、この開示の利点を考慮すれば、開示された例示的な局面、実施例および実施形態の追加例、置換例、変更例および修正例が可能であることを当業者は認識するであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護感覚の喪失を治療する方法であって、
被験者の足の上の保護感覚を喪失した区域を同定するステップと、
第1の電極および第2の電極を備える足浴に前記区域を置いて前記足浴の中の流体に前記区域を浸漬し、前記足を前記第1の電極および前記第2の電極に結合するステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極を用いて有効な量の電流を前記区域に与えて前記足の前記区域中の保護感覚の前記喪失を治療するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記同定するステップは、前記被験者の前記足をモノフィラメントテストに供して保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記置いて浸漬し結合するステップは、前記足の少なくとも一方の爪先を前記第1の電極に隣接してまたはこれに接して位置決めするステップと、前記足の踵を前記第2の電極に近接してまたはこれに接して位置決めするステップとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有効な量の電流を与えて治療する前記ステップは、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約50マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電流を与えて治療する前記ステップは、150ボルト未満の電圧源を用いるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
150ボルト未満の前記電圧源はパルス化電流を与え、各々のパルスは約150ボルトの振幅で立上がり、約0ボルトの振幅に戻る、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
与えられた前記電流を前記被験者が感知できるまで前記与えられた電流の強度を増大させるステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
脱分極剤の存在下で前記有効な量の前記電流を与えるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
6週間にわたって週に5回、30分間前記有効な量の電流を与えて、前記区域の保護感覚の喪失を治療するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記モノフィラメントテストを用いて測定されるように感覚が前記区域で一旦回復されると治療が打ち切られる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
被験者の付属肢の区域の保護感覚の喪失を治療する方法であって、
前記付属肢の前記区域を第1の電極および第2の電極に結合するステップと、
前記第1および第2の電極を通して、結合された前記区域に有効な量の電流を与えて、前記付属肢の前記区域の感覚神経線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するステップとを備える、方法。
【請求項12】
前記感覚神経線維を選択的に標的にするための前記有効な量の前記電流は、有効周波数で与えられ、疼痛線維を標的にすることなく前記感覚神経線維を標的にするパルス化電流である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パルス化電流の前記周波数は少なくとも100Hzである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記付属肢の前記区域の中の感覚神経線維を選択的に標的にするための前記有効な量の前記電流は、前記第1の電極および前記第2の電極を備える足浴を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記付属肢の前記区域の中の感覚神経線維を選択的に標的にするための前記有効な量の前記電流は、前記第1の電極および前記第2の電極を含む靴下、パッチまたは手袋を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記靴下、パッチまたは手袋は基板実装された電源をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス化電流は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける500マイクロアンペアから50ミリアンペアの単相パルス化電流を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記パルス化電流は、150ボルト未満の電圧源を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
150ボルト未満の電圧源は前記パルス化電流を与え、各々のパルスは約150ボルトの振幅で立上がり、約0ボルトの振幅に戻る、請求項12に記載の方法
【請求項20】
前記パルス化電流を前記結合された区域に与える前に、保護感覚を喪失した前記付属肢の前記区域を濡らすステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
被験者の付属肢の区域の神経障害を治療する方法であって、前記神経障害を有する前記区域に有効な量のパルス化電流を与えるステップを備え、前記パルス化電流は有効パルスペア周波数で与えられて、疼痛神経線維を実質的に標的にせずに感覚神経線維を選択的に標的にして前記区域の前記神経障害を治療する、方法。
【請求項22】
前記付属肢は足であり、前記区域は前記足の裏であり、前記パルス化電流は、前記区域に結合された第1および第2の電極を備える足浴の中に前記足の前記裏を浸漬することによって与えられる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記付属肢は手であり、前記パルス化電流は、前記手の前記区域を濡らし、かつ前記手に第1の電極および第2の電極を結合することによって与えられる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記有効な量の電流は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流として構成され、前記神経障害の症状とは保護感覚の喪失である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記有効な量の電流は150ボルト未満の電圧源を用いて与えられ、各々のパルスは約150ボルトの振幅に立上がり、約0ボルトの振幅に戻る、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
被験者の足の上の区域の保護感覚の喪失を治療するための足浴であって、
前方壁、前記前方壁に結合された側壁、前記側壁に結合された後方壁、および前記前方壁に結合された底面を備える貯蔵部を備え、前記側壁および前記後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに
前記貯蔵部の中の第1の電極と、
前記貯蔵部の中の第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に電気的に結合され、前記第1の電極および前記第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて、前記第1および第2の電極を前記足の前記区域に結合して前記足の前記区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するように構成される回路とを備える、足浴。
【請求項27】
前記前方壁、前記後方壁および前記底面に接続されて、前記貯蔵部を、各々が単一の足を受けるように構成された実質的に液密のコンパートメントであり、各々が1対の電極を含む2つのコンパートメントに分割する内壁をさらに備える、請求項26に記載の足浴。
【請求項28】
前記第1の電極および前記第2の電極は、前記被験者の前記足の前記区域に隣接してまたはその上に前記第1および第2の電極のうち少なくとも1つを置くために独立して可動である、請求項26に記載の足浴。
【請求項29】
前記回路は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける500マイクロアンペアから50ミリアンペアの単相パルス化電流として前記パルス化電流を与えるように構成される、請求項26に記載の足浴。
【請求項30】
前記足浴に一体化された電源をさらに備える、請求項26に記載の足浴。
【請求項31】
被験者の足の区域の上の保護感覚の喪失を治療するための靴下であって、
爪先セグメントと、
踵セグメントと、
前記爪先セグメントと前記踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、
前記踵セグメントと前記爪先セグメントとの間に延在しかつ前記足裏セグメントに接続される甲側セグメントと、
前記靴下の中の第1の電極と、
前記靴下の中の第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に電気的に結合され、前記第1の電極および前記第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて、前記第1および第2の電極を前記足の前記区域に結合して前記足の前記区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するように構成される回路とを備える、靴下。
【請求項32】
前記パルス化電流のための電力を与える基板実装された電源をさらに備える、請求項31に記載の靴下。
【請求項33】
前記基板実装された電源は電池である、請求項32に記載の靴下。
【請求項34】
前記回路は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成される、請求項31に記載の靴下。
【請求項35】
脱分極剤をさらに備える、請求項31に記載の靴下。
【請求項36】
被験者の手の区域の上の保護感覚の喪失を治療するための手袋であって、
少なくとも1つの指袋と、
各々が前記指袋から手首部に延在する掌面および裏面と、
前記手袋の中の第1の電極と、
前記手袋の中の第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極にパルスペア周波数のパルス化電流を与えて、前記第1および前記第2の電極を前記手の前記区域に結合して足の前記区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するように構成される、手袋の中の回路とを備える、手袋。
【請求項37】
前記パルス化電流のための電力を与える基板実装された電源をさらに備える、請求項36に記載の手袋。
【請求項38】
前記基板実装された電源は電池である、請求項37に記載の手袋。
【請求項39】
前記回路は、パルス幅が5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が100−200Hzである、150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける500マイクロアンペアから50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成される、請求項36に記載の手袋。
【請求項40】
脱分極剤をさらに備える、請求項36に記載の手袋。
【請求項41】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を設けるステップを備え、前記足浴は、前方壁、前記前方壁に結合された側壁、前記側壁に結合された後方壁、および前記前方壁に結合された底面を備える貯蔵部を備え、前記側壁および前記後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記足浴を用いて、前記第1および第2の電極を通して前記足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項42】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を前記区域に与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示をさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
爪先セグメント、踵セグメント、前記爪先セグメントと前記踵セグメントとの間に延在する足裏セグメント、前記踵セグメントと前記爪先セグメントとの間に延在し、かつ前記足裏セグメントに接続される甲側セグメントを備える靴下を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記靴下を用いて、前記第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項52】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項60】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
少なくとも1つの指袋、各々が前記指袋から手首部に延在する掌面および裏面を備える手袋を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記手袋を用いて、前記第1および第2の電極を通して手の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項62】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブを設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記スリーブを用いて前記第1および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項72】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
保護感覚を喪失した区域の上に置くように構成される包帯を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記包帯を用いて前記第1および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項82】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項89】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項90】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項91】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
保護感覚の前記喪失を治療すべき区域の周りに位置決めするように構成され、かつ保護感覚の前記喪失を治療すべき前記区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
包帯を用いて前記第1および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項92】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項100】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項101】
足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を備え、前記足浴は、前方壁、前記前方壁に結合される側壁、前記側壁に結合される後方壁、および前記前方壁に結合される底面を備える貯蔵部を有し、前記側壁および前記後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに
前記足浴を用いて、前記足浴の中の第1の電極および第2の電極を通して前記足の前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を備える、キット。
【請求項102】
足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
爪先セグメント、踵セグメント、前記爪先セグメントと前記踵セグメントとの間に延在する足裏セグメント、前記踵セグメントと前記爪先セグメントとの間に延在し、かつ前記足裏セグメントに接続される甲側セグメントを備える靴下と、
前記靴下を用いて、前記靴下の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して足の前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、キット。
【請求項103】
手の区域の上の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
少なくとも1つの指袋、各々が前記指袋から手首部に延在する掌面および裏面を備える手袋と、
前記手袋を用いて、前記手の前記区域に、前記手袋の中のまたはこれに接する第1の電極および第2の電極にパルス化電流を与えて、保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項104】
保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブと、
前記スリーブを用いて、前記スリーブの中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項105】
保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
保護感覚を喪失した区域の上に置くように構成される包帯と、
前記包帯を用いて、前記包帯の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項106】
保護感覚の喪失の治療を容易にするためのキットであって、
保護感覚の前記喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚の前記喪失を治療すべき前記区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被と、
前記外被を用いて、前記外被の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項107】
電源をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項108】
前記電源は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成される、請求項107に記載のキット。
【請求項109】
脱分極剤をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項110】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項111】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項112】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項113】
脱分極剤をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項114】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントをさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項115】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項1】
保護感覚の喪失を治療する方法であって、
被験者の足の上の保護感覚を喪失した区域を同定するステップと、
第1の電極および第2の電極を備える足浴に前記区域を置いて前記足浴の中の流体に前記区域を浸漬し、前記足を前記第1の電極および前記第2の電極に結合するステップと、
前記第1の電極および前記第2の電極を用いて有効な量の電流を前記区域に与えて前記足の前記区域中の保護感覚の前記喪失を治療するステップとを備える、方法。
【請求項2】
前記同定するステップは、前記被験者の前記足をモノフィラメントテストに供して保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記置いて浸漬し結合するステップは、前記足の少なくとも一方の爪先を前記第1の電極に隣接してまたはこれに接して位置決めするステップと、前記足の踵を前記第2の電極に近接してまたはこれに接して位置決めするステップとを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記有効な量の電流を与えて治療する前記ステップは、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約50マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記電流を与えて治療する前記ステップは、150ボルト未満の電圧源を用いるステップを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
150ボルト未満の前記電圧源はパルス化電流を与え、各々のパルスは約150ボルトの振幅で立上がり、約0ボルトの振幅に戻る、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
与えられた前記電流を前記被験者が感知できるまで前記与えられた電流の強度を増大させるステップをさらに備える、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
脱分極剤の存在下で前記有効な量の前記電流を与えるステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
6週間にわたって週に5回、30分間前記有効な量の電流を与えて、前記区域の保護感覚の喪失を治療するステップをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記モノフィラメントテストを用いて測定されるように感覚が前記区域で一旦回復されると治療が打ち切られる、請求項2に記載の方法。
【請求項11】
被験者の付属肢の区域の保護感覚の喪失を治療する方法であって、
前記付属肢の前記区域を第1の電極および第2の電極に結合するステップと、
前記第1および第2の電極を通して、結合された前記区域に有効な量の電流を与えて、前記付属肢の前記区域の感覚神経線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するステップとを備える、方法。
【請求項12】
前記感覚神経線維を選択的に標的にするための前記有効な量の前記電流は、有効周波数で与えられ、疼痛線維を標的にすることなく前記感覚神経線維を標的にするパルス化電流である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記パルス化電流の前記周波数は少なくとも100Hzである、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記付属肢の前記区域の中の感覚神経線維を選択的に標的にするための前記有効な量の前記電流は、前記第1の電極および前記第2の電極を備える足浴を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記付属肢の前記区域の中の感覚神経線維を選択的に標的にするための前記有効な量の前記電流は、前記第1の電極および前記第2の電極を含む靴下、パッチまたは手袋を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記靴下、パッチまたは手袋は基板実装された電源をさらに備える、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記パルス化電流は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける500マイクロアンペアから50ミリアンペアの単相パルス化電流を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記パルス化電流は、150ボルト未満の電圧源を用いて与えられる、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
150ボルト未満の電圧源は前記パルス化電流を与え、各々のパルスは約150ボルトの振幅で立上がり、約0ボルトの振幅に戻る、請求項12に記載の方法
【請求項20】
前記パルス化電流を前記結合された区域に与える前に、保護感覚を喪失した前記付属肢の前記区域を濡らすステップをさらに備える、請求項12に記載の方法。
【請求項21】
被験者の付属肢の区域の神経障害を治療する方法であって、前記神経障害を有する前記区域に有効な量のパルス化電流を与えるステップを備え、前記パルス化電流は有効パルスペア周波数で与えられて、疼痛神経線維を実質的に標的にせずに感覚神経線維を選択的に標的にして前記区域の前記神経障害を治療する、方法。
【請求項22】
前記付属肢は足であり、前記区域は前記足の裏であり、前記パルス化電流は、前記区域に結合された第1および第2の電極を備える足浴の中に前記足の前記裏を浸漬することによって与えられる、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記付属肢は手であり、前記パルス化電流は、前記手の前記区域を濡らし、かつ前記手に第1の電極および第2の電極を結合することによって与えられる、請求項21に記載の方法。
【請求項24】
前記有効な量の電流は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流として構成され、前記神経障害の症状とは保護感覚の喪失である、請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記有効な量の電流は150ボルト未満の電圧源を用いて与えられ、各々のパルスは約150ボルトの振幅に立上がり、約0ボルトの振幅に戻る、請求項21に記載の方法。
【請求項26】
被験者の足の上の区域の保護感覚の喪失を治療するための足浴であって、
前方壁、前記前方壁に結合された側壁、前記側壁に結合された後方壁、および前記前方壁に結合された底面を備える貯蔵部を備え、前記側壁および前記後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに
前記貯蔵部の中の第1の電極と、
前記貯蔵部の中の第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に電気的に結合され、前記第1の電極および前記第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて、前記第1および第2の電極を前記足の前記区域に結合して前記足の前記区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するように構成される回路とを備える、足浴。
【請求項27】
前記前方壁、前記後方壁および前記底面に接続されて、前記貯蔵部を、各々が単一の足を受けるように構成された実質的に液密のコンパートメントであり、各々が1対の電極を含む2つのコンパートメントに分割する内壁をさらに備える、請求項26に記載の足浴。
【請求項28】
前記第1の電極および前記第2の電極は、前記被験者の前記足の前記区域に隣接してまたはその上に前記第1および第2の電極のうち少なくとも1つを置くために独立して可動である、請求項26に記載の足浴。
【請求項29】
前記回路は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける500マイクロアンペアから50ミリアンペアの単相パルス化電流として前記パルス化電流を与えるように構成される、請求項26に記載の足浴。
【請求項30】
前記足浴に一体化された電源をさらに備える、請求項26に記載の足浴。
【請求項31】
被験者の足の区域の上の保護感覚の喪失を治療するための靴下であって、
爪先セグメントと、
踵セグメントと、
前記爪先セグメントと前記踵セグメントとの間に延在する足裏セグメントと、
前記踵セグメントと前記爪先セグメントとの間に延在しかつ前記足裏セグメントに接続される甲側セグメントと、
前記靴下の中の第1の電極と、
前記靴下の中の第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極に電気的に結合され、前記第1の電極および前記第2の電極に有効パルスペア周波数のパルス化電流を与えて、前記第1および第2の電極を前記足の前記区域に結合して前記足の前記区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するように構成される回路とを備える、靴下。
【請求項32】
前記パルス化電流のための電力を与える基板実装された電源をさらに備える、請求項31に記載の靴下。
【請求項33】
前記基板実装された電源は電池である、請求項32に記載の靴下。
【請求項34】
前記回路は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成される、請求項31に記載の靴下。
【請求項35】
脱分極剤をさらに備える、請求項31に記載の靴下。
【請求項36】
被験者の手の区域の上の保護感覚の喪失を治療するための手袋であって、
少なくとも1つの指袋と、
各々が前記指袋から手首部に延在する掌面および裏面と、
前記手袋の中の第1の電極と、
前記手袋の中の第2の電極と、
前記第1の電極および前記第2の電極にパルスペア周波数のパルス化電流を与えて、前記第1および前記第2の電極を前記手の前記区域に結合して足の前記区域の中の感覚線維を選択的に標的にして保護感覚の前記喪失を治療するように構成される、手袋の中の回路とを備える、手袋。
【請求項37】
前記パルス化電流のための電力を与える基板実装された電源をさらに備える、請求項36に記載の手袋。
【請求項38】
前記基板実装された電源は電池である、請求項37に記載の手袋。
【請求項39】
前記回路は、パルス幅が5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が100−200Hzである、150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける500マイクロアンペアから50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成される、請求項36に記載の手袋。
【請求項40】
脱分極剤をさらに備える、請求項36に記載の手袋。
【請求項41】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を設けるステップを備え、前記足浴は、前方壁、前記前方壁に結合された側壁、前記側壁に結合された後方壁、および前記前方壁に結合された底面を備える貯蔵部を備え、前記側壁および前記後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記足浴を用いて、前記第1および第2の電極を通して前記足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項42】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を前記区域に与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項47】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項48】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項49】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項50】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示をさらに備える、請求項41に記載の方法。
【請求項51】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
爪先セグメント、踵セグメント、前記爪先セグメントと前記踵セグメントとの間に延在する足裏セグメント、前記踵セグメントと前記爪先セグメントとの間に延在し、かつ前記足裏セグメントに接続される甲側セグメントを備える靴下を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記靴下を用いて、前記第1および第2の電極を通して足の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項52】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項54】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項51に記載の方法。
【請求項55】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項51に記載の方法。
【請求項56】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項57】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項58】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項59】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項60】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項51に記載の方法。
【請求項61】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
少なくとも1つの指袋、各々が前記指袋から手首部に延在する掌面および裏面を備える手袋を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記手袋を用いて、前記第1および第2の電極を通して手の区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項62】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項68】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項69】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項70】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項61に記載の方法。
【請求項71】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブを設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記スリーブを用いて前記第1および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項72】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項74】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項71に記載の方法。
【請求項75】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項77】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項79】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項80】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項71に記載の方法。
【請求項81】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
保護感覚を喪失した区域の上に置くように構成される包帯を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
前記包帯を用いて前記第1および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項82】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項81に記載の方法。
【請求項83】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項81に記載の方法。
【請求項84】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項81に記載の方法。
【請求項85】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項81に記載の方法。
【請求項86】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項87】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項88】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項89】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項90】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項81に記載の方法。
【請求項91】
保護感覚の喪失の治療を容易にする方法であって、
保護感覚の前記喪失を治療すべき区域の周りに位置決めするように構成され、かつ保護感覚の前記喪失を治療すべき前記区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被を設けるステップと、
第1の電極および第2の電極を設けるステップと、
包帯を用いて前記第1および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、方法。
【請求項92】
前記指示は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるステップを備える、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項91に記載の方法。
【請求項94】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項91に記載の方法。
【請求項95】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項91に記載の方法。
【請求項96】
前記第1および第2の電極を通して前記パルス化電流を与えるように構成される電源を設けるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項97】
脱分極剤を与えるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項98】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントを設けるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項99】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬を与えるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項100】
前記治療後に保護感覚の前記喪失を評価するための指示を与えるステップをさらに備える、請求項91に記載の方法。
【請求項101】
足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
被験者の片足または両足を受けるようにサイズ決めされかつ配置される足浴を備え、前記足浴は、前方壁、前記前方壁に結合される側壁、前記側壁に結合される後方壁、および前記前方壁に結合される底面を備える貯蔵部を有し、前記側壁および前記後方壁は実質的に液密の貯蔵部を設け、さらに
前記足浴を用いて、前記足浴の中の第1の電極および第2の電極を通して前記足の前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を備える、キット。
【請求項102】
足の区域の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
爪先セグメント、踵セグメント、前記爪先セグメントと前記踵セグメントとの間に延在する足裏セグメント、前記踵セグメントと前記爪先セグメントとの間に延在し、かつ前記足裏セグメントに接続される甲側セグメントを備える靴下と、
前記靴下を用いて、前記靴下の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して足の前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示を与えるステップとを備える、キット。
【請求項103】
手の区域の上の保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
少なくとも1つの指袋、各々が前記指袋から手首部に延在する掌面および裏面を備える手袋と、
前記手袋を用いて、前記手の前記区域に、前記手袋の中のまたはこれに接する第1の電極および第2の電極にパルス化電流を与えて、保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項104】
保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
保護感覚を喪失した区域を備える付属肢を包含するように構成されるスリーブと、
前記スリーブを用いて、前記スリーブの中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項105】
保護感覚の喪失を治療するためのキットであって、
保護感覚を喪失した区域の上に置くように構成される包帯と、
前記包帯を用いて、前記包帯の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項106】
保護感覚の喪失の治療を容易にするためのキットであって、
保護感覚の前記喪失を治療すべき区域の周りに位置決めされるように構成され、かつ保護感覚の前記喪失を治療すべき前記区域の周りに外被を保持するようにそれ自体が接するように構成される外被と、
前記外被を用いて、前記外被の中またはその上の第1の電極および第2の電極を通して前記区域にパルス化電流を与えて保護感覚の前記喪失を治療する指示とを備える、キット。
【請求項107】
電源をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項108】
前記電源は、パルス幅が約5−50マイクロ秒の間であり、パルスペア繰返し周波数が約100−200Hzである、約150−330マイクロ秒離れたパルスペアにおける約500マイクロアンペアから約50ミリアンペアの単相パルス化電流を与えるように構成される、請求項107に記載のキット。
【請求項109】
脱分極剤をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項110】
前記指示は、前記治療のために被験者が許容可能な最大電流を定める較正ステップを備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項111】
前記指示は、保護感覚を喪失した前記区域を同定するステップを備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項112】
前記指示は治療の頻度を特定する治療計画を備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項113】
脱分極剤をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項114】
保護感覚を喪失した前記区域を同定するのに用いるモノフィラメントをさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【請求項115】
保護感覚の前記喪失の前記治療と併用するための治療薬をさらに備える、請求項101から106のいずれかに記載のキット。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【公表番号】特表2011−521728(P2011−521728A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511840(P2011−511840)
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045598
【国際公開番号】WO2009/146403
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(508167483)
【氏名又は名称原語表記】BROGAN, MICHAEL S.
【出願人】(508167472)
【氏名又は名称原語表記】EDSBERG, LAURA E.
【出願人】(508167461)
【氏名又は名称原語表記】KALINOWSKI, DOUGLAS P.
【出願人】(510315098)
【氏名又は名称原語表記】DEMING, LAURA L.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年5月29日(2009.5.29)
【国際出願番号】PCT/US2009/045598
【国際公開番号】WO2009/146403
【国際公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Linux
【出願人】(508167483)
【氏名又は名称原語表記】BROGAN, MICHAEL S.
【出願人】(508167472)
【氏名又は名称原語表記】EDSBERG, LAURA E.
【出願人】(508167461)
【氏名又は名称原語表記】KALINOWSKI, DOUGLAS P.
【出願人】(510315098)
【氏名又は名称原語表記】DEMING, LAURA L.
【Fターム(参考)】
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