説明

移動する管腔を有するアクセスアセンブリ

【課題】体腔にアクセスするためのアセンブリを提供すること
【解決手段】上記アクセスアセンブリは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する実質的に砂時計形の中央部分とを有し、かつ中央部分を通って延在する第1の管腔および第2の管腔を含む圧縮可能な本体を含む。アクセスアセンブリは、第1の管腔および第2の管腔を互いに対して選択的に移動させるために、圧縮可能な本体内に、第1の管腔と第2の管腔との間に動作可能に位置決めされる移動機構をさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、2010年12月20日出願した米国仮出願第61/424,914の利益および優先権を主張する。上記出願の全内容は、参照することによって本明細書において援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科手術手順に用いられる柔軟性のあるアクセスアセンブリに関する。より具体的には、本開示は、アクセスアセンブリに関し、アクセスアセンブリは、アセンブリを通って延在する管腔の構成を調整するための移動機構を含む。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
切開を通って腹腔内に受け取るために構成されたアクセスアセンブリは、切開を通ってアクセスアセンブリを挿入する方法として既知である。従来のアクセスアセンブリは、体壁の組織を通って体腔内に受け取られる剛性のカニューレを含む。次に、内視鏡器具、腹腔鏡器具および他の適切な器具が、密封した方式でアクセスアセンブリを通って体腔にアクセスするために、カニューレの近位端上のハウジングを通って向けられ得る。
【0004】
体腔にアクセスし、密封した方式で体腔を通る器具の受け取りを可能にするために構成された圧縮可能なアセンブリも既知である。このような圧縮可能なアセンブリは、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、ゲルおよび他の圧縮可能な材料からなり、組織の開口部、例えば、切開内への挿入を容易にするために、圧縮されるように構成される。典型的には、このようなアセンブリは、外科医によって、彼/彼女の指を用いて、または把握デバイス、例えば、鉗子の支援を用いて変形される。アセンブリの圧縮は、アセンブリのプロフィールを減少させ、それによって、開口部内のアセンブリの受け取りを容易にする。圧縮力を解放する際に、圧縮されたアセンブリは、圧縮されていない構成に戻る。圧縮されていない構成において、アクセスアセンブリは、体腔内に切開を密封する。アセンブリは、アセンブリを通って器具を受け取るための1つ以上のアクセス管腔を有し得、オプション的に、注入ガスの供給源との接続のために構成され得る。
【0005】
典型的には、アクセスアセンブリを通って延在する2つの以上の管腔は、密封した方式で管腔を通って器具を受け取るように構成される。これらの管腔は、概して、互いに対して固定され、平行または角度を付けられた構成においてアクセスアセンブリを通って延在する。アクセスアセンブリは、典型的に、アクセスアセンブリを通って挿入された器具が互いに対して、かつ長手方向軸に対して個別に操作され得るように構成されるが、器具の過度の操作は、器具とアセンブリとの間、および/またはアセンブリと体腔との間の密封を失わせ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それゆえに、アクセスアセンブリ内に移動されることが可能である管腔を含むアクセスアセンブリを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(要約)
従って、移動する管腔を含むアクセスアセンブリが提供される。例えば、実施形態において、本発明は、アクセスアセンブリに関し、アクセスアセンブリは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する実質的に砂時計形の中央部分とを有し、かつ中央部分を通って延在する第1の管腔および第2の管腔を含む圧縮可能な本体と、第1の管腔および第2の管腔を互いに対して選択的に移動させるために、圧縮可能な本体内に、第1の管腔と第2の管腔との間に動作可能に位置決めされる移動機構とを含む。移動機構は、膨張可能な部材と、1対の膨張可能な部材と、駆動シャフトと、1対のリンクとを含み得る。アクセスアセンブリは、1つ以上のさらなる管腔をさらに含み得る。実施形態において、第1の管腔は、移動機構が第1の構成にある場合に、第2の管腔から第1の距離で間隔を空けられ得る。第1の管腔は、移動機構が第2の構成にある場合に、第2の管腔から第2の距離で間隔を空けられ得る。第1の管腔および第2の管腔は、互いに対して平行であり得、または第1の管腔は、第2の管腔に対して角度をつけられ得る。
【0008】
もう1つの実施形態において、本発明は、体腔にアクセスする方法に関する。方法は、アクセスアセンブリを提供するステップであって、アクセスアセンブリは、アクセスアセンブリを通って延在する第1の管腔および第2の管腔を選択的に移動させるための移動機構を有する、ステップと、組織の開口部を通ってアクセスアセンブリを受け取るステップと、第1の管腔および第2の管腔のうちの少なくとも1つを選択的に移動させるために、移動機構を作動させるステップと、手順を完成するために、第1の管腔および第2の管腔を通って1つ以上の器具を操作するステップとを含み得る。方法はまた、第1の管腔および第2の管腔のうちの少なくとも1つをさらに選択的に移動させるために、移動機構を再作動させるステップを含み得る。移動機構は、膨張可能な部材を含み得、移動機構を作動させるステップは、膨張可能な部材に膨張気体を提供することを含み得る。
【0009】
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
アクセスアセンブリであって、該アクセスアセンブリは、
圧縮可能な本体であって、該圧縮可能な本体は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に延在する実質的に砂時計形の中央部分とを有し、該中央部分を通って延在する第1の管腔および第2の管腔を含む、圧縮可能な本体と、
該第1の管腔および該第2の管腔を互いに対して選択的に移動させるために、該圧縮可能な本体内に、該第1の管腔と該第2の管腔との間に動作可能に位置決めされる移動機構と
を含む、アクセスアセンブリ。
(項目2)
上記移動機構は、膨張可能な部材を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目3)
上記移動機構は、1対の膨張可能な部材を含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目4)
上記移動機構は、駆動シャフトと1対のリンクとを含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目5)
上記アクセスアセンブリは、1つ以上のさらなる管腔をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目6)
上記第1の管腔は、上記移動機構が第1の構成にある場合に、上記第2の管腔から第1の距離で間隔を空けられている、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目7)
上記第1の管腔は、上記移動機構が第2の構成にある場合に、上記第2の管腔から第2の距離で間隔を空けられている、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目8)
上記第1の管腔および上記第2の管腔は、互いに対して平行である、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目9)
上記第1の管腔は、上記第2の管腔に対して角度をつけられている、上記項目のいずれかに記載のアクセスアセンブリ。
(項目10)
体腔にアクセスするためのシステムであって、該システムは、
アクセスアセンブリであって、該アクセスアセンブリは、該アクセスアセンブリを通って延在する第1の管腔および第2の管腔を選択的に移動させるための移動機構を有する、アクセスアセンブリと、
組織の開口部を通って該アクセスアセンブリを受け取る手段と、
該第1の管腔および該第2の管腔のうちの少なくとも1つを選択的に移動させるために、該移動機構を作動させる手段と、
手順を完成するために、該第1の管腔および該第2の管腔を通って1つ以上の器具を操作する手段と
を含む、システム。
(項目11)
上記システムは、上記第1の管腔および上記第2の管腔のうちの少なくとも1つをさらに選択的に移動させるために、上記移動機構を再作動させる手段をさらに含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目12)
上記移動機構は、膨張可能な部材を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目13)
上記移動機構を作動させるための上記手段は、上記膨張可能な部材に膨張気体を提供する手段を含む、上記項目のいずれかに記載のシステム。
(項目10a)
体腔にアクセスする方法であって、該方法は、
アクセスアセンブリを提供するステップであって、該アクセスアセンブリは、該アクセスアセンブリを通って延在する第1の管腔および第2の管腔を選択的に移動させるための移動機構を有する、ステップと、
組織の開口部を通って該アクセスアセンブリを受け取るステップと、
該第1の管腔および該第2の管腔のうちの少なくとも1つを選択的に移動させるために、該移動機構を作動させるステップと、
手順を完成するために、該第1の管腔および該第2の管腔を通って1つ以上の器具を操作するステップと
を含む、方法。
(項目11a)
上記方法は、上記第1の管腔および上記第2の管腔のうちの少なくとも1つをさらに選択的に移動させるために、上記移動機構を再作動させるステップをさらに含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目12a)
上記移動機構は、膨張可能な部材を含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
(項目13a)
上記移動機構を作動させるステップは、上記膨張可能な部材に膨張気体を提供することを含む、上記項目のいずれかに記載の方法。
【0010】
(摘要)
外科手術手順の間に、体腔にアクセスするためのアセンブリ。アクセスアセンブリは、近位端と、遠位端と、近位端と遠位端との間に延在する実質的に砂時計形の中央部分とを有し、かつ中央部分を通って延在する第1の管腔および第2の管腔を含む圧縮可能な本体を含む。アクセスアセンブリは、第1の管腔および第2の管腔を互いに対して選択的に移動させるために、圧縮可能な本体内に、第1の管腔と第2の管腔との間に動作可能に位置決めされる移動機構をさらに含む。
【0011】
柔軟性のあるアクセスアセンブリの実施形態は、図面を参照して、本明細書において開示される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、第1の状態にある移動機構を含む、本開示に従うアクセスアセンブリの実施形態の透視図である。
【図2】図2は、第2の状態にある移動機構を含む、図1のアクセスアセンブリの透視図である。
【図3】図3は、組織を通って挿入された図1および図2のアクセスアセンブリの透視図である。
【図4】図4は、第1の状態にある移動機構を含む、本開示に従うアクセスアセンブリのもう1つの実施形態の透視図である。
【図5】図5は、第2の状態にある移動機構を含む、図4のアクセスアセンブリの透視図である。
【図6】図6は、なお、第1の状態にある移動機構を含む、本開示のもう1つの実施形態に従うアクセスアセンブリの透視図である。
【図7】図7は、その後の状態にある移動機構を含む、図6のアクセスアセンブリの透視図である。
【図8】図8は、その後の状態にある移動機構を含む、図6のアクセスアセンブリの透視図である。
【図9】図9は、なお、第1の状態にある移動機構を含む、本開示のもう1つの実施形態に従うアクセスアセンブリの正面図である。
【図10】図10は、第2の状態にある移動機構を含む、図9に従うアクセスアセンブリの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(詳細な説明)
ここで、本開示されたアクセスアセンブリの実施形態は、図面を参照して詳細に説明され、同様の数字は、いくつかの図面の各々において同一または対応する構成要素を示す。技術分野において共通であるように、用語「近位」は、ユーザーまたはオペレータ、例えば、外科医または内科医により近い部分または部品を指し、その一方で、用語「遠位」は、ユーザーからより離れた部分または部品を指す。本開示のアクセスアセンブリは、腹腔壁の切開を通って腹腔にアクセスすることに関するように説明されるが、本開示のアセンブリは、他の閉じた手順、例えば、腹腔鏡、関節鏡、内視鏡に用いられるために変更され得る。さらに、本開示のアクセスアセンブリは、自然の開口、例えば、肛門、膣を通って内腔にアクセスするのに用いられるために変更され得る。
【0014】
最初に図1を参照すると、本開示の実施形態に従うアクセスアセンブリは、一般的にアクセスアセンブリ100として示される。アクセスアセンブリ100は、組織の切開を通って体腔内への挿入、または患者の体の開口部、例えば、肛門を通る挿入を可能にするために柔軟および/または圧縮可能であり、その結果、挿入の後、アクセスアセンブリ100は、切開/開口部内にシールを生成し、外科医は、手順を完成するために、切開/開口部を通して1つ以上の外科器具を挿入し得、そして操作し得る。
【0015】
図1および図2を参照すると、アクセスアセンブリ100は、側面から見られる場合に、実質的に砂時計形を規定する本体112を含む。アクセスアセンブリ100は、アクセスアセンブリを通って延在する長手方向軸「X」を規定する。本体112は、中央部分122を含み、中央部分122は、中央部分122の近位端126に位置する上部縁124と、中央部分122の遠位端130に位置する下部縁128とを有する。中央部分122は、組織「T」(図3)の厚さにわたるように構成される。上部縁124および下部縁128は、切開「I」(図3)を通るアクセスアセンブリ100の長手方向の動きを防ぐことを支援する。組織の厚さが、患者の体の組成と、下部にある腔がアクセスされる位置とに依存するので、アクセスアセンブリ100の長さおよび大きさは、所与の手順に適するように変更され得る。
【0016】
なお、図1および図2を参照すると、アクセスアセンブリ100の本体112は、例えば、シリコーン、熱可塑性エラストマー(TPE)、ゴム、フォーム、ゲル等のようなさまざまな材料で形成され得る。このように、アクセスアセンブリ100は、患者の体の切開または自然の開口を通る挿入の前に、圧縮され得、または圧搾され得る。1つの実施形態において、本体112は、フォーム構造を形成するために、不活性気体、例えば、COまたは窒素を用いて注入されるTPE材料を含む。本体112は、潤滑な表面を生成するために、潤滑剤、例えば、パリレンNまたはCを用いてコートされ得る。さまざまな他のコーティング、例えば、親水性、疎水性、生体薬剤、抗感染、鎮痛薬のコーティングはまた、アクセスアセンブリを改善し、または具体的な手順に対してアクセスアセンブリ100を適合するために、利用され得る。
【0017】
なお、図1および図2を参照すると、アクセスアセンブリ100の本体112は、複数の管腔114、116を含む。示されるように、アクセスアセンブリ100は、実質的に類似な直径の器具を受け取るための実質的に類似な大きさおよび形状を有する1対の管腔114、116を含む。代替的には、管腔114、116は、他の構成の器具を受け取るために、大きさおよび/または断面プロフィールにおいて異なり得る。1対の管腔を含むように示されるが、アクセスアセンブリ100が3つ以上の管腔(図7および図8)を含み得ることが考えられる。管腔114と116は、本体112の中央部分122を通って延在し、外科手術器具、カニューレアセンブリ、バルブアセンブリおよび/または通気装置を受け取るように、それぞれ、構成された長手方向軸「X」と「X」を規定する。管腔114、116は、器具「I」(図3)が管腔を通って操作されるときに、アクセスアセンブリ100が裂けることを防ぐために、少なくとも中央部分122の長さの一部分に沿って延在する保護のライニングを含み得る。管腔114、116はまた、管腔を通って外科手術器具の挿入を助けるために、潤滑剤を用いてコートされ得る。
【0018】
なお、図1および図2を参照すると、アクセスアセンブリ100は、管腔114と管腔116との間に動作可能に位置決めされる移動機構140をさらに含む。移動機構140は、アクセスアセンブリ100内に管腔114、116を横方向に移動させるように構成される。1つの実施形態において、図1および図2に示されるように、移動機構140は、膨張ホース52によって膨張気体の供給源50に動作可能に接続される膨張可能な部材142を含む。膨張供給源50は、永久または選択的に、アクセスアセンブリ100に接続され得る。移動機構140は、膨張可能な部材142内に膨張気体を維持するように構成されるバルブ部材144を含み得る。このように、一旦膨張可能な部材142が、管腔114と116が適切に間隔を空けられるように膨張されると、膨張気体供給源50は、膨張可能な部材142から切断され得る。膨張気体供給源50は、膨張部材142のさらなる膨張が望まれる場合に再接続され得る。バルブ部材144は、膨張可能な部材142内から膨張気体の選択的解放を可能にするようにさらに構成され得る。
【0019】
特に、図1を参照すると、膨張可能な部材142が第1または膨張していない状態にある場合に、管腔114と116は、第1の距離「d1」で離れて間隔を空けられている。第1の状態において、管腔114と116は、互いに対して接近した近位にあり、それによって、外科医が管腔114を通って第1の器具(示されていない)と、管腔116を通って第2の器具(示されていない)とを操作することを可能にし、その一方で、互いに対して接近した近位において第1の器具および第2の器具の各々の遠位端を有する。例えば、縫合結紮手順において、互いに対して接近した近位において第1の器具および第2の器具の遠位端を有することが有益であり得る。
【0020】
ここで、図2に向けると、膨張可能な部材142が第2または膨張した状態にある場合に、管腔114と116は、第2の距離「d2」で離れて間隔を空けられている。膨張した状態において、管腔114と116は、互いから離れて間隔を空けられ、それによって、第1の器具および第2の器具の各々の遠位端が、互いから離れて間隔を空けられる場合に、外科医が、より余地のあるように、管腔114を通って第1の器具(示されていない)と、管腔116を通って第2の器具(示されていない)とを操作することを可能にする。膨張可能な部材142の部分的な膨張は、管腔114、116を第1の距離「d1」と第2の距離「d2」との間の距離へ移動させる。示されるように、膨張した状態と膨張していない状態との両方において、管腔114と116は、互いに対して平行にとどまる。
【0021】
1つの実施形態において、膨張可能な部材142は、長手方向軸「X」に沿って延在する1対の膨張可能な部材(示されていない)を含み得る。膨張可能な部材の第1の膨張は、管腔114を長手方向軸「X」から離れて移動させ、その一方で、膨張可能な部材の第2の膨張は、管腔116を長手方向軸「X」から離れて移動させる。このように、管腔114、116は、長手方向軸「X」に対して独立して動かされ得る。
【0022】
ここで、図1〜3を参照すると、使用時に、アクセスアセンブリ100は、本体112を圧縮させ、切開/開口部「I」を通ってその遠位端130を挿入することによって組織「T」を通って挿入される。本体112上の圧縮力の解放は、本体112が切開「I」内に圧縮されていない状態に戻ることを可能にし、それによって、組織「T」にシールを生成する。上に議論されるように、上部縁124と下部縁128は、それぞれ、組織「T」内にアクセスアセンブリ100を維持する。典型的に、膨張可能な部材142が第1または膨張していない状態において切開「I」を通って挿入されるが、膨張可能な部材142が挿入の前に部分または完全に膨張され得るが予想される。
【0023】
一旦アクセスアセンブリ100が切開「I」内に受け取られると、膨張部材142は、管腔114と116が行われる手順に対して互いから適切な距離で間隔を空けられるまでに膨張される。一旦管腔114、116が正しく位置決めされると、アクセスアセンブリ100は、従来のアクセスアセンブリとして使用され得る。手順の間の任意のポイントにおいて、膨張気体供給源50は、管腔114、116を互いから離れてさらに移動させるように、膨張可能な部材142に追加膨張気体を提供するために使用され得る。代替的には、バルブ部材144は、互いに向かう管腔114、116の移動を引き起こすように、膨張可能な部材142から膨張気体の解放を引き起こすために作動され得る。
【0024】
ここで、図4および図5に向けると、本開示に従うアクセスアセンブリの代替的な実施形態は、一般的にアクセスアセンブリ200として示される。アクセスアセンブリ200は、実質的に、本明細書の前述のアクセスアセンブリ100に類似し、アクセスアセンブリ200とアクセスアセンブリ100との間の差異のみに関するように説明される。アクセスアセンブリ200は、1対の管腔214と216を規定する本体212を含む。移動機構240は、管腔214と管腔216との間に位置決めされる。移動機構240は、駆動シャフト242と、1対のリンク244a、244bとを含む。リンク244a、244bは、駆動シャフト242に枢動可能に接続され、第1の位置と第2の位置との間に回転可能である。移動機構240は、リンク244a、244bの回転を引き起こすための、駆動シャフト242に動作可能に接続される駆動機構250をさらに含む。駆動機構250は、示されるように、リンク244a、244bの手動の動作回転のためのハンドル部材252を含み得る。代替的には、駆動部材250は、電気または空気圧動力のドリルまたは他のデバイスを含み得る。
【0025】
特に、図4を参照すると、第1の位置において、リンク244a、244bは、リンク244a、244bが駆動シャフト242に沿って延在するように枢動される。このように、管腔214と216は、実質的に互いに隣接して位置決めされる。図5に向けると、第2の位置において、リンク244a、244bは、駆動シャフト242対して90度(90°)を枢動される。このように、管腔214と216は、互いから離れるようになる。移動機構240は、駆動シャフト242に対して0度と90度との間(0−90°)の任意箇所にリンク244a、244bを枢動するように構成される。従って、管腔214と216は、駆動シャフト242に対して、図4の最初位置から図5の第2の位置までの任意の距離で間隔を空けられ得る。
【0026】
同時に枢動し、従って移動および/または使用を通して管腔214と216を平行に維持するように示されるが、移動機構240が、互いに対して独立してリンク244a、244bを枢動するように構成され得ることが予想される。このように、管腔214と216は、互いおよび駆動シャフト242に対して角度で移動され得る。
【0027】
ここで図6〜8に向けると、本開示の実施形態に従うもう1つのアクセスアセンブリは、一般的にアクセスアセンブリ300として示される。アクセスアセンブリ300は、1対の管腔314、316と、それらの間に受け取られる移動機構340とを含む。移動機構340は、長手方向軸「X」に沿って間隔を空けられた1対の膨張部材342a、342bを含む。膨張部材342aと342bの各々は、互いに独立して膨張され得る。このように、管腔314と316は、互いに対して角度で移動され得る。図7に示されるように、第1の膨張部材342aの膨張より大きい角度への第2の膨張部材342bの膨張は、管腔314と316に、互いに対して角度αで延在させる。図8に示されるように、第2の膨張部材342bの膨張より大きい角度への第1の膨張部材342aの膨張は、管腔314と316に、互いに対して角度βで延在させる。
【0028】
ここで、図9および図10を参照すると、なお、本開示に従うアクセスアセンブリのもう1つの実施形態は、一般的にアクセスアセンブリ400として示される。アクセスアセンブリ400は、2対の管腔414a、414bおよび416a、416bと、それらの間に動作可能に位置決めされる移動機構440とを含む。移動機構440は、膨張可能な部材442を含む。膨張可能な部材442は、第1または膨張していない状態(図9)から第2または膨張した状態(図10)まで半径方向に延在するように構成される。膨張可能な部材442が、円筒、円錐または切頭円錐の構成を含み得ることが予想される。膨張可能な部材442が半径方向に拡張されるときに、管腔414a、414b、416a、416bの対は、前述の方式に類似な方式で互いに離れて移動される。膨張可能な部材442は、1つ以上の外科手術器具の受け取りのために構成される通路445を含み得ることが予想される。
【0029】
さまざまな変更が本明細書に開示された実施形態に加えられ得ることが理解される。例えば、本明細書の前述のように、開示された柔軟性のあるアクセスアセンブリは、開示された4つの管腔より多く、複数の管腔を提供され得る。さらに、開示された管腔の直径または構成は、同一である必要がなく、むしろ考えられる、管腔を通って利用されるべき外科手術器具に依存して変えられ得る。それゆえに、上記説明は、限定としてではなく、むしろ単に特定の実施形態の代表的な例として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付した請求項の範囲および精神内に他の変更を予想する。
【符号の説明】
【0030】
50 膨張気体の供給源
52 膨張ホース
100 アクセスアセンブリ
112 本体
114、116 管腔
122 中央部分
124 上部縁
126 中央部分の近位端
128 下部縁
130 中央部分の遠位端
140 移動機構
「X」、「X」、「X」 長手方向軸
「d1」 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスアセンブリであって、
圧縮可能な本体であって、該圧縮可能な本体は、近位端と、遠位端と、該近位端と該遠位端との間に延在する実質的に砂時計形の中央部分とを有し、該中央部分を通って延在する第1の管腔および第2の管腔を含む、圧縮可能な本体と、
該第1の管腔および該第2の管腔を互いに対して選択的に移動させるために、該圧縮可能な本体内で、該第1の管腔と該第2の管腔との間に動作可能に位置決めされる移動機構と
を含む、アクセスアセンブリ。
【請求項2】
前記移動機構は、膨張可能な部材を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項3】
前記移動機構は、1対の膨張可能な部材を含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項4】
前記移動機構は、駆動シャフトと1対のリンクとを含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項5】
前記アクセスアセンブリは、1つ以上のさらなる管腔をさらに含む、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項6】
前記第1の管腔は、前記移動機構が第1の構成にある場合に、前記第2の管腔から第1の距離の間隔を空けられている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項7】
前記第1の管腔は、前記移動機構が第2の構成にある場合に、前記第2の管腔から第2の距離の間隔を空けられている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項8】
前記第1の管腔および前記第2の管腔は、互いに対して平行である、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項9】
前記第1の管腔は、前記第2の管腔に対して角度をつけられている、請求項1に記載のアクセスアセンブリ。
【請求項10】
体腔にアクセスするためのシステムであって、
アクセスアセンブリであって、該アクセスアセンブリは、該アクセスアセンブリを通って延在する第1の管腔および第2の管腔を選択的に移動させるための移動機構を有する、アクセスアセンブリと、
組織の開口部を通って該アクセスアセンブリを受け取る手段と、
該第1の管腔および該第2の管腔のうちの少なくとも1つを選択的に移動させるために、該移動機構を作動させる手段と、
手順を完成するために、該第1の管腔および該第2の管腔を通して1つ以上の器具を操作する手段と
を含む、システム。
【請求項11】
前記第1の管腔および前記第2の管腔のうちの少なくとも1つをさらに選択的に移動させるために、前記移動機構を再作動させる手段をさらに含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記移動機構は、膨張可能な部材を含む、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記移動機構を作動させるための手段は、前記膨張可能な部材に膨張気体を提供する手段を含む、請求項12に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−130685(P2012−130685A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−274963(P2011−274963)
【出願日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】