移動体通信システム
【課題】集合キャリアに対応させて通信速度向上を実現しつつ、効率的に通信制御を行うことが可能な移動体通信システムを提供する。
【解決手段】移動体通信システムは、複数の部分キャリアを個別に使用するか又は複数の部分キャリアを集めた集合キャリアを使用して、部分キャリアに対応した移動端末又は集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する。特に、集合キャリアを使用してこれに対応した移動端末と基地局とが無線通信する場合、集合キャリアを構成する複数の部分キャリア毎に、トランスポートチャネルを分割して生成された複数のトランスポートブロックをそれぞれ送信し、集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信する。
【解決手段】移動体通信システムは、複数の部分キャリアを個別に使用するか又は複数の部分キャリアを集めた集合キャリアを使用して、部分キャリアに対応した移動端末又は集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する。特に、集合キャリアを使用してこれに対応した移動端末と基地局とが無線通信する場合、集合キャリアを構成する複数の部分キャリア毎に、トランスポートチャネルを分割して生成された複数のトランスポートブロックをそれぞれ送信し、集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動端末と基地局との間で無線通信を実施する移動体通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(HS-DSCH: High Speed-Downlink Shared Channel)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をさらに高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
【0003】
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間については「ロングタームエボリューション」(Long Term Evolution LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」(System Architecture Evolution SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。たとえば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4/3/5/10/15/20MHzの中で基地局ごとに選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
LTEはW−CDMAのコアネットワーク(GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE: User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はEPC(Evolved Packet Core)(aGW:Access Gatewayと称されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)が提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報や、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。全体的なアーキテクチャ(非特許文献1 4章)について図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル(例えばRRC(Radio Resource Management))とユーザプレイン(例えばPDCP: Packet Data Convergence Protocol、RLC: Radio Link Control、MAC: Medium Access Control、PHY: Physical layer)が基地局102で終端するなら、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。
【0006】
基地局102は、MME103(Mobility Management Entity)から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)及び送信を行う。基地局102はX2インタフェースにより、お互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される、より明確にはS1_MMEインタフェースによりMME103(Mobility Management Entity)に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW104(Serving Gateway)に接続される。MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は移動端末が待ち受け状態及び、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。S−GW104はひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。更にP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
【0007】
移動端末101と基地局102間の制御プロトコルRRCは、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。
【0008】
RRCにおける基地局と移動端末の状態として、RRC_Idle、RRC_CONNECTEDがある。
【0009】
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System information、SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティ等が行われる。
【0010】
RRC_CONNECTEDでは、UEはRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができ、また、ハンドオーバ(Handover、HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメント等が行われる。
【0011】
3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。図2を用いて説明する。図2はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目と6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal: SS)が含まれる。同期信号には第一同期信号(Primary Synchronization Signal: P-SS)と第二同期信号(Secondary Synchronization Signal: S-SS)がある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
【0012】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について(非特許文献1 5章)図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル401(Physical Broadcast channel: PBCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル402(Physical Control format indicator channel: PCFICH)は基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHはサブフレーム毎に送信される。物理下り制御チャネル403(Physical downlink control channel: PDCCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるACK/Nackを運ぶ。PDCCHはL1/L2制御信号とも呼ばれる。物理下り共有チャネル404(Physical downlink shared channel: PDSCH)は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHはトランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル405(Physical multicast channel: PMCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHはトランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
【0013】
物理上り制御チャネル406(Physical Uplink control channel: PUCCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは下り送信に対する応答信号(response)であるACK/Nackを運ぶ。PUCCHはCQI(Channel Quality indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル407(Physical Uplink shared channel: PUSCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHはUL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。物理HARQインジケータチャネル408(Physical Hybrid ARQ indicator channel: PHICH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは上り送信に対する応答であるACK/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル409(Physical random access channel: PRACH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHはランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0014】
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference symbol received power:RSRP)がある。
【0015】
トランスポートチャネル(Transport channel)について(非特許文献1 5章)図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5Aには下りトランスポートチャネルと下り物理チャネル間のマッピングを示す。図5Bには上りトランスポートチャネルと上り物理チャネル間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast channel: BCH)はその基地局(セル)全体に報知される。BCHは物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。下り共有チャネル(Downlink Shared channel: DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。基地局(セル)全体への報知が可能である。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては,パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。ページングチャネル(Paging channel: PCH)は移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。基地局(セル)全体への報知が要求される。動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast channel: MCH)は基地局(セル)全体への報知に使用される。マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHはPMCHへマッピングされる。
【0016】
上り共有チャネル(Uplink Shared channel: UL-SCH)にはHARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5Bに示されるランダムアクセスチャネル(Random access channel: RACH)は制御情報に限られている。衝突のリスクがある。RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。HARQについて説明する。
【0017】
HARQとは自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果の合成をすることで更なる品質向上を得ることも可能である。再送の方法の一例を説明する。受信側にて受信データが正しくデコード出来なかった場合(CRC Cyclic Redundancy Check エラーが発生した場合(CRC=NG))、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側はデータを再送する。受信側にて受信データが正しくデコードできた場合(CRCエラーが発生しない場合(CRC=OK))、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。HARQ方式の一例として「チェースコンバイニング」(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列の合成を行うことで利得を向上させる方式である。これは初送データに誤りがあったとしても部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することでより高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例としてIR(Incremental Redundancy)がある。IRとは冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
【0018】
論理チャネル(Logical channel)について(非特許文献1 6章)図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6Aには下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。図6Bには上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast control channel: BCCH)は報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHはトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。ページング制御チャネル(Paging control channel: PCCH)はページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHはトランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common control channel: CCCH)は移動端末と基地局間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方法では、CCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHはトランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0019】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)は1対多の送信のための下りチャネルである。ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられるチャネルである。MCCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。個別制御チャネル(Dedicated control channel: DCCH)は移動端末とネットワーク間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic channel: DTCH)はユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは上り・下りともに存在する。DTCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)はネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0020】
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においてCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下説明する(非特許文献4 3.1章)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)のひとつ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを“CSG cell(s)”とよぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity: CSG ID,CSG-ID)を報知するPLMNの一部である。あらかじめ利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
【0021】
CSG−IDはCSGセルかセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために移動端末(UE)によって使用される。CSGセルあるいはセルによって報知される情報をCSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)にすることが3GPP会合において議論されている。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアとよぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIMに格納されたリストである。移動端末内のホワイトリストは上位レイヤによって与えられる。これによりCSGセルの基地局は移動端末に無線リソースの割り当てを行う。
【0022】
「適切なセル」(Suitable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、(1)セルは選択されたPLMNか登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること、(2)NAS(non-access stratum)によって提供された最新情報にてさらに以下の条件を満たすこと、(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(b)そのセルが“ローミングのための禁止されたLAs”リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある、(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること、(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information: SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
【0023】
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
【0024】
セルにキャンプオン(camp on)するとは、UEがセル選択/再選択(cell selection/reselection)処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報をモニタするセルを選択した状態である。
【0025】
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home-NB、HNB)、Home−eNodeB(Home-eNB、HeNB)と称される基地局が検討されている。HNB/HeNBはUTRAN/E−UTRANにおける、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献6にHeNB及びHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。オープンアクセスモード(Open access mode)とクローズドアクセスモード(Closed access mode)とハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。各々のモードは以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードのセルは、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.6.0 4章、5章、6章
【非特許文献2】3GPP R1−072963
【非特許文献3】TR R3.020 V0.6.0
【非特許文献4】3GPP TS36.304 V8.4.0 3.1章、4.3章、5.2.4.2章、5.2.4.3章、5.2.4.6章、7.1章、7.2章
【非特許文献5】3GPP R2−082899
【非特許文献6】3GPP S1−083461
【非特許文献7】TR 36.814 V1.0.0 5章
【非特許文献8】3GPP R1−090860
【非特許文献9】3GPP TS36.331 V8.5.0 6.2.2章、6.3.2章
【非特許文献10】3GPP R2−093104
【非特許文献11】3GPP R2−092180
【非特許文献12】3GPP R2−093204
【非特許文献13】TS36.321 V8.5.0
【非特許文献14】R2−100812
【非特許文献15】TS36.331 V9.1.0
【非特許文献16】TR36.912 V9.1.0
【非特許文献17】R2−101423
【非特許文献18】R2−100531
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
ロングタームエボリューション アドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)システムでは、LTEシステムの周波数帯域幅より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。通信速度向上のためである。現在の3GPPではLTE-Aシステムの周波数帯域幅は100MHz以下となることが議論されている。
【0028】
各地域の周波数利用状況は様々である。よって周波数帯域幅を連続して100MHz確保出来ない地域も考えられる。また、LTE−AシステムにおいてLTE対応移動端末の互換動作が考えられている。これにともない、現在の3GPPでは周波数帯域(キャリア)をコンポーネントキャリア(部分キャリア)と呼ばれる単位に分けることが考えられている。現在の3GPPでは、本コンポーネントキャリア上においてLTE対応移動端末は動作可能とする方向である。また、LTE−Aシステムとしての通信速度向上は、コンポーネントキャリアをアグリゲーションして(集めて)作成した集合キャリアを使用することにより実現しようと考えられている。
【0029】
本発明の目的は、集合キャリアに対応させて通信速度向上を実現しつつ、効率的に通信制御を行うことが可能な移動体通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、複数の部分キャリアを個別に使用するか又は前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアを使用して、前記部分キャリアに対応した移動端末又は前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する移動体通信システムであって、前記集合キャリアを使用して前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する場合、前記集合キャリアを構成する前記複数の部分キャリア毎に、トランスポートチャネルを分割して生成された複数のトランスポートブロックをそれぞれ送信し、前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、前記複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信することを特徴とする移動体通信システムである。
【発明の効果】
【0031】
本発明に従えば、集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信するので、効率的に通信制御を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【図3】MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)フレームの構成を示す説明図である。
【図4】LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
【図5】LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。
【図6】LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。
【図7】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る移動端末311の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る基地局312の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。
【図12】LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチの概略を示すフローチャートである。
【図13】現在3GPPで議論されているキャリアアグリゲーションのための下りレイヤ2構造を示す図である。
【図14】現在3GPPで議論されているキャリアアグリゲーションのための上りレイヤ2構造を示す図である。
【図15】実施の形態1の第三の解決策における、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の第一の具体例を説明する図である。
【図16】実施の形態1の第三の解決策における、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の第二の具体例を説明する図である。
【図17】実施の形態1の第三の解決策における、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の第三の具体例を説明する図である。
【図18】実施の形態1の第三の解決策における、コンポーネント識別子の番号付けの具体例を説明する図である。
【図19】実施の形態1の第三の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図20】実施の形態2の第三の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図21】実施の形態2の変形例1で開示するキャリアアグリゲーションのための下りレイヤ2構造を示す図である。
【図22】実施の形態2の変形例1で開示するキャリアアグリゲーションのための上りレイヤ2構造を示す図である。
【図23】実施の形態3の第二の解決策におけるスケジューリングコンポーネントを示す情報の第一の具体例を説明する図である。
【図24】実施の形態3の第二の解決策におけるスケジューリングコンポーネントを示す情報の第二の具体例を説明する図である。
【図25】実施の形態3の第二の解決策におけるスケジューリングコンポーネントを示す情報の第三の具体例を説明する図である。
【図26】実施の形態3の第二の解決策におけるコンポーネントスケジューリングブロックで行われるコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの概念図である。
【図27】実施の形態3の第二の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図28】実施の形態4の解決策を示す概念図である。
【図29】実施の形態4の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図30】実施の形態4の変形例1の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図31】現在3GPPで議論されている設定されたコンポーネントキャリアと同じ周波数上の測定対象を比較する場合の概念図である。
【図32】現在3GPPで議論されている設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上のコンポーネントキャリアを比較する場合の概念図である。
【図33】実施の形態5で解決する課題を説明する概念図である。
【図34】実施の形態5の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図35】実施の形態5の解決策におけるサービング基地局と周辺基地局の状況を示す概念図である。
【図36】実施の形態5の変形例2の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図37】実施の形態5の変形例3の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図38】実施の形態5の解決策における基地局3308の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。
【0034】
eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
【0035】
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
【0036】
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
【0037】
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
【0038】
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
【0039】
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
【0040】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
【0041】
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
【0042】
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
【0043】
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0044】
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
【0045】
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
【0046】
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有しない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。対してPCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
【0047】
非特許文献7及び非特許文献8に開示されているとおり、3GPPでは、リリース10として「ロングタームエボリューション アドヴァンスド」(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている。
【0048】
LTE−AシステムではLTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。
【0049】
そのため、LTE−A対応の移動端末は、同時に1つあるいは複数のコンポーネントキャリア(component carrier:CC)を受信することが考えられている。
【0050】
LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信と送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
【0051】
コンポーネントキャリアの構造が現在の3GPP(リリース8)仕様に従えば、LTE対応の移動端末は、単独のコンポーネントキャリア上のみで、受信と送信が可能となる。LTE対応の移動端末は、3GPPリリース8対応の移動端末とも言い換えることができる。つまり、LTE対応の移動端末がLTE−Aシステム上で動作可能とする、互換可能とすることが考えられている。
【0052】
非特許文献8にLTE−Aシステムにおけるシステム情報の報知方法が記載されている。また、キャリアアグリゲーション対応の基地局における、シングルキャリアアンカー(Single carrier anchor)とマルチキャリアアンカー(Multi carrier anchor)について開示されている。
【0053】
シングルキャリアアンカーにおいて、LTE対応の移動端末の受信と送信が可能である。シングルキャリアアンカーにおいて、マルチキャリアアンカーのキャリアを示す情報が通知される。シングルキャリアアンカーにおいては、現在の3GPP(リリース8)のシステム情報(System information:SI)が報知される。
【0054】
一方、マルチキャリアアンカーにおいても、LTE対応の移動端末の受信と送信が可能である。マルチキャリアアンカーにおいても、現在の3GPP(リリース8)のシステム情報(System information:SI)が報知される。マルチキャリアアンカーにおいて、マルチキャリアのシステム情報が報知される。
【0055】
また非特許文献10に、キャリアアグリゲーション対応の基地局(セルであっても良い)において、RRC接続状態(RRC_CONNECTED state、単にRRC_CONNECTEDとも称する)でUEとのデータ送受信が可能な一つまたは複数のコンポーネントキャリアのセットを、キャンディデートコンポーネントキャリアセット(Candidate Component Carrier Set)とすることが提案されている。
【0056】
また、実際のデータ送受信が行われている一つまたは複数のコンポーネントキャリアを、スケジューリングコンポーネントキャリア(Scheduling Component Carrier)とすることも提案されている。
【0057】
また非特許文献11にキャリアアグリゲーションをサポートするうえで、実際のデータ送受信が行われるコンポーネント毎、言い換えればスケジューリングコンポーネント毎に1つのトランスポートブロック(Transport Block)、1つのHARQエンティティが存在することが開示されている。またトランスポートブロックは1つのコンポーネントのみにマッピングされることが開示されている。
【0058】
なおこれ以降、コンポーネントは、コンポーネントキャリアと表記したり、CCと表記したりすることがある。
【0059】
また非特許文献12にてキャリアアグリゲーションのためのレイヤ2構造が開示されている。図13に非特許文献12に開示されている下りレイヤ2構造、図14に非特許文献12に開示されている上りレイヤ2構造を示す。
【0060】
図13にて1301、1302、1303、1304は無線ベアラ(Radio Bearer)を示す。1305、1306、1307、1308はROHC(Robust Header Compression)エンティティを示す。ROHCはヘッダー圧縮を行うアルゴリズムである。1309、1310、1311、1312はセキュリティエンティティを示す。1313はPDCP(Packet Data Convergence. Protocol)レイヤと称される。
【0061】
1314、1315、1316、1317は分割(segment)、再送処理(ARQ)などが行われるエンティティを示す。1318はロジカルチャネルBCCHのエンティティを示す。1319はロジカルチャネルPCCHのエンティティを示す。1320はRLCレイヤと称される。1321、1322、1323、1324はロジカルチャネルを示す。
【0062】
1325はスケジューリング、優先順位の制御が行われるエンティティを示す。1326、1327は移動端末毎のコンポーネント単位の分割を行うエンティティを示す。1328、1329、1330、1331、1332、1333はHARQエンティティを示す。1334、1335、1336、1337、1338、1339、1340、1341はトランスポートチャネルを示す。1342はMACレイヤと称される。
【0063】
図14にて1401、1402は無線ベアラを示す。1403、1404はROHCエンティティを示す。1405、1406はセキュリティエンティティを示す。1407はPDCPレイヤと称される。
【0064】
1408、1409は分割、再送処理などが行われるエンティティを示す。1410はRLCレイヤと称される。1411、1412はロジカルチャネルを示す。
【0065】
1413はスケジューリング、優先順位の制御が行われるエンティティを示す。1414はコンポーネント単位の分割を行うエンティティを示す。1415、1416、1417はHARQエンティティを示す。1418、1419、1420はトランスポートチャネルを示す。1421はMACレイヤと称される。
【0066】
実施の形態1にて解決する課題について説明する。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0067】
制御情報、具体例としてRRCメッセージはRLCレイヤにおいて分割され、ロジカルチャネル、例えばDCCH、あるいはCCCHにマッピングされる。MACレイヤにおいて複数のロジカルチャネルDCCH、CCCHが多重され、トランスポートチャネルDL−SCHにマッピングされる。トランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされる際に、1つあるいは複数のトランスポートブロック(MAC PDU(Protocol data unit)に対応する)に分けられる。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報、例えばRRCメッセージが、複数のコンポーネントにマッピングされ送受信されることとなる。
【0068】
例えば下りRRCメッセージを用いて受信側の処理について説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、トランスポートチャネルDL-SCHの1つのトランスポートブロックを得る。送信側、つまり基地局にてトランスポートチャネルにマッピングされる際に複数のトランスポートブロックに分けられていた場合を考える。移動端末は、1つあるいは複数のコンポーネント上にマッピングされたトランスポートブロックに分けられたデータを処理することにより、1つのトランスポートチャネルを得る。つまり、RRCメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0069】
よって当該トランスポートチャネルにマッピングされるDCCH、あるいはCCCHを用いて通知されるRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であり、移動体通信システムとしてキャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージを用いた制御が不可能という課題が発生する。
【0070】
また、それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0071】
制御情報、具体例としてRRCメッセージはRLCレイヤにおいて分割され、ロジカルチャネル、例えばDCCH、あるいはCCCHにマッピングされる。MACレイヤにおいて複数のロジカルチャネルDCCH、CCCHが多重され、ひとつまたは複数のトランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされる。それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報であるRRCメッセージが複数のコンポーネントにマッピングされたり、また、あるコンポーネント、例えばコンポーネントAに対する制御情報であるRRCメッセージが当該コンポーネント、例えばコンポーネントA以外のコンポーネントにて送信される可能性がある。
【0072】
例えば下りRRCメッセージを用いて受信側の処理について説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、1つのトランスポートチャネルDL-SCHを得て、当該トランスポートチャネルにマッピングされるDCCH、あるいはCCCHを用いて通知されるRRCメッセージを得る。しかし、RRCメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0073】
よって、受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題が発生する。
【0074】
上記課題は、周波数帯域をある単位、LTE−Aシステムではコンポーネントと称される、に分け、それらをアグリゲーションして(集めて)用いる移動体通信システムに特有の課題である。本実施の形態1での解決策を以下に示す。
【0075】
第一の解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としてRRCメッセージの内容を全コンポーネント共通とする。これにより、RRCメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応が無くとも、受信側で受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか判断は可能となる。キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてRRCメッセージを用いた制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0076】
第二の解決策を以下に示す。RRCメッセージ中には全コンポーネント共通とせずに、コンポーネント単位とすれば効率的となる制御情報が存在すると考える。
【0077】
LTEシステムのRRCメッセージを具体例に説明する(非特許文献9 6.3.2章参照)。RRCメッセージの無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントにて送受信を行っている移動端末の数は異なることが考えられるので、各コンポーネントの負荷状況は共通ではないからである。
【0078】
さらに具体例としては、「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPDSCHに関する設定情報、具体例としては「pdsch-configdedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「pdsch-configdedicated」には、リファレンスシグナルの送信パワー情報、具体例としては「referenceSignalPower」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることが考えられる。よって例えば各コンポーネントにてカバレッジエリアをほぼ同じ範囲となるように制御するためには、各コンポーネントのリファレンスシグナルの送信パワーを別個に制御する必要があると考える。
【0079】
また、RRCメッセージの無線リンク失敗に関する設定情報、具体例としては「Radio link failure related action」、または測定に関する設定情報、具体例としては「Measurement」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることから別個に制御すれば効率的であると考えられる。
【0080】
よって第一の解決策を用いた場合、RRCメッセージによる制御がコンポーネント単位と出来ないことから、コンポーネントの負荷に応じた制御が出来ない、あるいはコンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が出来ないという課題が発生する。
【0081】
上記課題を解決するために、第二の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としては1つのRRCメッセージは1つのコンポーネントにて送受信、あるいは複数のRRCメッセージを1つのコンポーネントにて送受信とする。つまり、RRCメッセージが複数のコンポーネントにて分割して送受信されないようにする。
【0082】
または、RRCメッセージがマッピングされるロジカルチャネル、例えばDCCH、CCCHを1つのトランスポートチャネル、例えばDL-SCHにマッピングする。つまり、RRCメッセージがマッピングされるロジカルチャネル、例えばDCCH、CCCHを複数のトランスポートチャネル、例えばDL-SCHに分割しない。
【0083】
または、RRCメッセージがマッピングされるロジカルチャネル、例えばDCCH、CCCHを1つのトランスポートブロックにのせる。つまり、RRCメッセージを複数のトランスポートブロックに分割しない、1つのトランスポートチャネル、例えばDL−SCHにマッピングする。
【0084】
また、送信側にて送信するRRCメッセージを、当該RRCメッセージが制御するコンポーネントにマッピングする。
【0085】
また、受信側にて受信したRRCメッセージは、受信したコンポーネントに関する制御情報とする。
【0086】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとRRCメッセージの対応付けが可能となり、具体的にはRRCメッセージに対応付けられたコンポーネントの物理情報(周波数など)を識別可能となり、キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてRRCメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0087】
さらに、第二の解決策にて、コンポーネント単位のRRCメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントの負荷に応じた制御が可能となる、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0088】
第三の解決策を以下に示す。1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は、無線環境による。つまり、基地局と移動端末間の無線環境が良ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は大きくなり、無線環境が悪ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は小さくなる。
【0089】
よって第二の解決策を用いて、無線環境によらずRRCメッセージを1つのトランスポートブロックにて送受信するとした場合、RRCメッセージの情報量を1つのトランスポートブロックにて送受信可能な最下位の情報量に制限しなければならないという課題が発生する。
【0090】
第二の解決策を用いるために、現在の移動体通信システムにて1つのRRCメッセージを用いて送受信している制御情報を、複数のRRCメッセージで送受信しなければならないなど、移動体通信システムの複雑性が増すという課題が発生する。
【0091】
上記課題を解決するために、第三の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメント(Element)として、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。言い換えると、対応するコンポーネントキャリアの物理情報を識別する情報を追加する。
【0092】
または、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージとは別の領域を設けて、当該別の領域に当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。別の領域は、RLCレイヤにおいて付加または多重されても良いし、MACレイヤにおいて付加または多重されても良い。別の領域の具体例としては、ヘッダー、フッターなどがある。ヘッダーの具体例としては、RLC SDUに付加されるヘッダー(RLC header)、MAC SDUに付加されるヘッダー(MAC header)、MACコントロール領域(MAC Control Element)に付加されるヘッダー(MAC header)などがある。フッターの具体例としては、MACコントロール領域などがある。
【0093】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとRRCメッセージの対応付けが可能となり、具体的にはRRCメッセージに対応付けられたコンポーネントの物理情報を識別可能となり、キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてRRCメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0094】
さらに、コンポーネント単位のRRCメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントの負荷に応じた制御が可能となる、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0095】
さらに、RRCメッセージの情報量に制限を設ける必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
【0096】
どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の具体例を以下に示す。第一の具体例としては、コンポーネントキャリア周波数がある。図15を用いて説明する。1501から1507は当該基地局において、キャリアアグリゲーションを行うことが可能なコンポーネントを示す。f1からf10は、各コンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。第一の具体例では、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、図15に示すコンポーネントキャリア周波数を用いる。具体例としては、図15のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネントキャリア周波数f6の情報を追加する。本具体例は、絶対的な値をマッピングするため、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点がある。
【0097】
図15では、横軸は周波数を示す。FDDにおいては、DLの周波数とULの周波数は異なるが、簡単化のため、DLの周波数とULの周波数を同じ軸上に記載している。同じく簡単化のため、下りのコンポーネント(下りCC、DL CC)と、各DL CCに対応する(ペアバンドとなる)上りのコンポーネント(上りCC、UL CC)を同じとし、いずれもコンポーネント1501から1507として図で示している。これに限らず下りCCとそれに対応する上りCCとで、周波数軸上の配置の順番が異なっていても構わない。
【0098】
なお、本明細書では、特に断らない限り、下りCCとそれに対応する(ペアバンドである)上りCCのことをあわせてCCと称する。
【0099】
第二の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図16を用いて説明する。図15と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。1501から1507、及び1601から1603は、移動体通信システムとして用いられるコンポーネントを示す。第二の具体例では、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、図16(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。移動体通信システムとして、例えばLTE−Aシステムとして用いられるコンポーネント(1501から1507、及び1601から1603)の物理情報であるキャリア周波数とコンポーネント識別子とを対応付ける(図16(b))。具体例としては、図16のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#6」の情報を追加する。RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#6」を受信した受信側は、図16(b)の移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、「CC#6」がコンポーネントキャリア周波数f6を示すことを得る。第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、第二の具体例は識別子をマッピングする。よって第二の具体例の方が、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0100】
図16(b)に示す移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知する。対応付けをネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量の削減という効果を得ることができる。
【0101】
または、図16(b)に示す移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を移動体通信システムとして静的に決定しても良い。これにより、対応表をネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
【0102】
第三の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図17を用いて説明する。図15と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。第三の具体例では、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、図17(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子を対応付ける(図17(b))。具体例としては、図17のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」の情報を追加する。RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」を受信した受信側は、図17(b)のコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、「CC#4」がコンポーネントキャリア周波数f6を示すことを得る。第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、また第二の具体例は移動体通信システムが取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングするのと比較して、第三の具体例は当該基地局が取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングする。よって第三の具体例の方が、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0103】
図17(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。対応付け情報(対応表)をネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量の削減という効果を得ることができる。
【0104】
またコンポーネント識別子の番号付けの具体例を以下に示す。第一の具体例としては、移動体通信システムとして、あるいはLTE−Aシステムとして、あるいは当該基地局としてコンポーネントに対して連続の番号付けを行う。連続の番号付けの具体例としては、図18(a)に示すよう低い周波数から昇順に、あるいは高い周波数から降順に行う。
【0105】
第二の具体例としては、移動体通信システムとして、あるいはLTE−Aシステムとして、あるいは当該基地局として周波数バンド毎に当該周波数バンドに含まれるコンポーネントに対して連続の番号付けを行う。周波数バンドとは、1つ以上のコンポーネントからなる、全コンポーネントに対する部分集合を表すものであって、物理特性あるいは無線特性が共通するコンポーネントの集合である。UTRA、LTE、LTE−Aなどのシステムでは、上り、下りともに、いくつかの連続した周波数からなる周波数帯域で動作するように設計されている。これら各々の周波数帯域が周波数バンドと称される。連続の番号付けの具体例としては、図18(b)に示すように周波数バンド毎に低い周波数から昇順に、あるいは高い周波数から降順に行う。この場合、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報に、上記第二の具体例、あるいは第三の具体例に示すコンポーネント識別子を用いる場合、周波数バンドおよびコンポーネント識別子によりどのコンポーネントに対する制御情報かを示すこととする。
【0106】
図19に動作の一例を示す。どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、第三の具体例を用いて説明する。
【0107】
ステップST1901にて基地局は、当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表、例えば図17(b)を傘下の移動端末に対して報知する。
【0108】
ステップST1902にて移動端末は、基地局より当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を受信する。
【0109】
ステップST1903にて基地局は、コンポーネント単位の制御情報であるRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。例えば、図17(a)のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」の情報を追加する。
【0110】
ステップST1904にて基地局は、RRCメッセージを分割し(RLC PDU)、ロジカルチャネル、例えばDCCHにマッピングする。
【0111】
ステップST1905にて基地局は、ひとつまたは複数のロジカルチャネルを多重し、1つあるいは複数のトランスポートブロック(MAC PDU)に分割する。
【0112】
ステップST1906にて基地局は、分割されたトランスポートブロック(MAC PDU)を、1つまたは複数のトランスポートチャネルDL-SCHのうちの1つにマッピングする。
【0113】
ステップST1907にて基地局は、それぞれのトランスポートブロックを1つのコンポーネント(CCとも称される)上の物理チャネルPDSCHにマッピングする。ステップST1908にて基地局は、当該移動端末へPDSCHを送信する。
【0114】
ステップST1909にて移動端末は、各コンポーネント上のPDSCHを受信する。ステップST1910にて移動端末は、復調・復号を行い、トランスポートチャネルDL-SCHの1つのトランスポートブロックを得る。
【0115】
ステップST1911にて移動端末は、トランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされたトランスポートブロックに分けられたデータを処理することにより、ステップST1912にて移動端末は、DCCHを得る。
【0116】
ステップST1913にて移動端末は、DCCH上にマッピングされたRCCメッセージを得る。ステップST1914にて移動端末は、RRCメッセージ中のコンポーネント識別子を得る。例えば、図17のコンポーネント識別子「CC#4」を得る。
【0117】
ステップST1915にて移動端末は、ステップST1902にて受信した当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、当該RRCメッセージが制御するコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を得る。例えば、図17(b)よりステップST1914で得たコンポーネント識別子「CC#4」を基に対応するコンポーネントキャリア周波数「f6」を得る。
【0118】
ステップST1916にて移動端末は、ステップST1915にて得たコンポーネントキャリア周波数に対してステップST1913にて受信したRRCメッセージの指示する制御を実行する。
【0119】
また、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージにコンポーネント単位の制御情報と当該基地局が保有する全コンポーネントに対する制御情報が存在した場合、以下の課題が発生する。
【0120】
上記実施の形態1の解決策を全コンポーネントに対する制御情報に適用した場合、RRCメッセージ中のエレメントとして、例えば全コンポーネントキャリア周波数を示す情報を追加する必要がある。よって、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報が大容量となり、無線リソースの有効活用が図れないという課題が発生する。これに対する解決策を以下に示す。
【0121】
第一の解決策は、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報とは別に当該RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報であることを示す情報を追加する。
【0122】
または、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージとは別の領域を設けて、当該別の領域に当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報とは別に当該RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報であることを示す情報を追加する。別の領域の具体例は上記と同様であるので、説明を省略する。
【0123】
これにより、受信側にて受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか判断することが可能となることに加え、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量増加を防ぎつつ、受信したRRCメッセージが全コンポーネントに対する情報であることを判断することが可能となる。
【0124】
また第二の解決策は、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報のみを追加する。そして、当該RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報である場合、当該RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を付加しない。
【0125】
これにより、受信側にて受信したRRCメッセージにどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報が付加されていなければ、当該RRCメッセージは全コンポーネントに対する制御情報であると判断することが可能となる。
【0126】
第一の解決策と比較して、第二の解決策は、RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報であることを示す情報を新たに設ける必要がなくなるので、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。また、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0127】
実施の形態1では、下りRRCメッセージを中心に説明したが、実施の形態1は同様に上りRRCメッセージにも適用可能である。
【0128】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態1は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0129】
実施の形態1により以下の効果を得ることが出来る。RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。言い換えると、RRCメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能とすることにより、受信側にて、トランスポートチャネルにマッピングされるDCCH、あるいはCCCHを用いて通知されるRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか判断可能となる。
【0130】
よって移動体通信システムとしてRRCメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能になり、別のメッセージによる制御が必要なくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0131】
実施の形態2.
実施の形態2にて解決する課題について説明する。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0132】
制御情報、具体例としてMACメッセージは、トランスポートチャネル、例えばDL−SCHにマッピングされる。トランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされる際に、1つあるいは複数のトランスポートブロックに分けられる。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報、例えばMACメッセージが複数のコンポーネントにマッピングされ送受信されることとなる。
【0133】
例えば下りMACメッセージを用いて説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、トランスポートチャネルDL-SCHの1つのトランスポートブロックを得る。送信側、つまり基地局にてトランスポートチャネルにマッピングされる際に複数のトランスポートブロックに分けられていた場合を考える。移動端末は、1つあるいは複数のコンポーネント上にマッピングされたトランスポートブロックに分けられたデータを処理することにより、1つのトランスポートチャネルを得る。つまり、MACメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0134】
よって当該トランスポートチャネルにマッピングされるMACメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であり、移動体通信システムとしてMACメッセージを用いた制御が不可能という課題が発生する。
【0135】
また、それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0136】
制御情報、具体例としてMACメッセージは、トランスポートチャネル、例えばDL-SCHにマッピングされる。それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージが複数のコンポーネントにマッピングされたり、また、あるコンポーネント、例えばコンポーネントAに対する制御情報であるMACメッセージが当該コンポーネント、例えばコンポーネントA以外のコンポーネントにて送信される可能性がある。
【0137】
例えば下りを用いて説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、1つのトランスポートチャネルDL-SCHを得て、当該トランスポートチャネルにマッピングされるMACメッセージを得る。しかし、MACメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0138】
よって、受信したMACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題が発生する。
【0139】
上記課題は、周波数帯域をある単位、LTE−Aシステムではコンポーネントと称される、に分け、それらをアグリゲーションして(集めて)用いる移動体通信システムに特有の課題である。本実施の形態2での解決策を以下に示す。
【0140】
第一の解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としてMACメッセージの内容を全コンポーネント共通とする。これにより、MACメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応が無くとも、受信側で受信したMACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか判断は可能となる。キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてMACメッセージを用いた制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0141】
第二の解決策を以下に示す。MACメッセージ中には全コンポーネント共通とせずに、コンポーネント単位とすれば効率的となる制御情報が存在すると考える。
【0142】
LTEシステムのMACメッセージを具体例に説明する(非特許文献13)。MACメッセージのチャネルコーディング・デコーディング、インターリービング、レートなどの組合せを示す情報、具体例としては「Transport format」「Transport format set」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることが考えられる。よって各コンポーネントで最適な「Transport format」を選択するためには、各コンポーネントで別個の「Transport format」を選択する必要があると考えられる。
【0143】
また、MACメッセージの移動端末が基地局に対して、移動端末の最大送信パワーとUL-SCHの送信に用いている推定送信パワーの差の報告に用いる情報、具体例としては「Power Headroom reporting」などはコンポーネント毎に異なると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることが考えられる。よってコンポーネント毎に移動端末のUL-SCHの送信に用いる送信パワーも異なることが考えられ得るため、各コンポーネントで別個の「Power Headroom Reporting」を報告可能とする必要があると考えられる。
【0144】
よって第一の解決策を用いた場合、MACメッセージによる制御がコンポーネント単位と出来ないことから、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が出来ないという課題が発生する。
【0145】
上記課題を解決するために、第二の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としては1つのMACメッセージは1つのコンポーネントにて送受信、あるいは複数のMACメッセージを1つのコンポーネントにて送受信とする。つまり、MACメッセージが複数のコンポーネントにて分割して送受信されないようにする。
【0146】
または、MACメッセージがマッピングされるトランスポートチャネル、例えばDL−SCHを1つのトランスポートブロックにマッピングする。つまり、MACメッセージがマッピングされるトランスポートチャネル、例えばDL−SCHはトランスポートブロックに分割しない。
【0147】
また、送信側にて送信するMACメッセージを、当該MACメッセージが制御するコンポーネントにマッピングする。
【0148】
また、受信側にて受信したMACメッセージは、受信したコンポーネントに関する制御情報とする。
【0149】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとMACメッセージの対応付けが可能となる。言い換えるならば、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。よって、キャリアアグリゲーションに対応した移動体通信システムにてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0150】
さらに、第二の解決策にて、コンポーネント単位のMACメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0151】
第三の解決策を以下に示す。1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は、無線環境による。つまり、基地局と移動端末間の無線環境が良ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は大きくなり、無線環境が悪ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は小さくなる。
【0152】
よって第二の解決策を用いて、無線環境によらずMACメッセージを1つのトランスポートブロックにて送受信するとした場合、MACメッセージの情報量を1つのトランスポートブロックにて送受信可能な最下位の情報量に制限しなければならないという課題が発生する。
【0153】
第二の解決策を用いるため、現在の移動体通信システムにて1つのMACメッセージで送受信している制御情報を複数のMACメッセージで送受信しなければならないなど、移動体通信システムの複雑性が増すという課題が発生する。
【0154】
上記課題を解決するために、第三の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージ中に、またはMACメッセージ中のエレメント(Element)として、当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。言い換えるならば、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別する情報を追加する。
【0155】
または、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージとは別の領域を設けて、当該別の領域に当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。別の領域は、MACレイヤにおいて付加または多重されても良い。別の領域の具体例としては、ヘッダー、フッターなどがある。ヘッダーの具体例としては、MAC SDUに付加されるヘッダー(MAC header)、MACコントロール領域(MAC Control Element)に付加されるヘッダー(MAC header)などがある。フッターの具体例としては、MACコントロール領域などがある。
【0156】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとMACメッセージの対応付けが可能となる。言い換えると、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。よって、キャリアアグリゲーション対応の移動体通信システムにてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0157】
さらに、コンポーネント単位のMACメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0158】
さらに、MACメッセージの情報量に制限を設ける必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
【0159】
どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の具体例は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0160】
コンポーネント識別子の番号付けの具体例は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0161】
図20に動作の一例を示す。どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、第三の具体例を用いて説明する。図20において図19と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
【0162】
ステップST2001にて基地局は、コンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージ中のエレメントとして、当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。例えば、図17のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、MACメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」の情報を追加する。
【0163】
ステップST2002にて基地局は、MACメッセージを1つあるいは複数のトランスポートブロック(MAC PDU)に分割する。
【0164】
ステップST2003にて移動端末は、DL-SCH上にマッピングされたMACメッセージを得る。
【0165】
ステップST2004にて移動端末は、MACメッセージ中のコンポーネント識別子を得る。例えば、図17のコンポーネント識別子「CC#4」を得る。
【0166】
ステップST2005にて移動端末は、ステップST1915にて得たコンポーネントキャリア周波数に対してステップST2003にて受信したMACメッセージの指示する制御を実行する。
【0167】
また、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージにコンポーネント単位の制御情報と当該基地局が保有する全コンポーネントに対する制御情報が存在した場合の課題解決策は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0168】
実施の形態2では、下りMACメッセージを中心に説明したが、実施の形態2は同様に上りMACメッセージにも適用可能である。
【0169】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態2は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0170】
実施の形態2により以下の効果を得ることが出来る。MACメッセージ中に、またはMACメッセージ中のエレメントとして、当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加することにより、受信側にて、当該トランスポートチャネルを用いて通知されるMACメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか判断可能となる。言い換えると、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別する情報を追加することにより、受信側にて、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。
【0171】
よって移動体通信システムとしてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能になり、別のメッセージによる制御が必要なくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0172】
実施の形態2 変形例1.
実施の形態2の変形例1にて解決する課題は、実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
【0173】
本実施の形態2の変形例1での解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、コンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージを挿入する部分と、当該基地局が保有する全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージを挿入する部分とを分離するようなMACレイヤ構造(structure)としている。
【0174】
MACレイヤ構造を分離する方法の具体例を以下に示す。下りMACレイヤ構造について図21に、上りMACレイヤ構造について図22に示す。図21にて図13と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。図22にて図14と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0175】
送信側でのコンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を、移動端末毎のコンポーネント単位の分割後とする。コンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を図21の2101、及び図22の2201に図示する。また、送信するMACメッセージを、当該MACメッセージが制御するコンポーネントにて送信されるようにMACメッセージを挿入する。
【0176】
送信側での全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を、移動端末毎のコンポーネント単位の分割前とする。全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を図21の2102、及び図22の2202に図示する。
【0177】
受信側にて1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHで受信することができるMACメッセージは、コンポーネント単位メッセージであると判断する。また、当該コンポーネント単位のMACメッセージは、当該MACメッセージを受信したコンポーネントに対する制御情報であると判断できる。
【0178】
一方、受信側にて複数のコンポーネント上の物理チャネルPDSCHで受信することができるMACメッセージは、全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージであると判断する。
【0179】
実施の形態2の変形例1により、実施の形態2同様の効果を得ることができる。受信側にて、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。
【0180】
よって移動体通信システムとしてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能になり、別のメッセージによる制御が必要なくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0181】
また実施の形態2と比較して、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別する情報を追加する必要がないため、無線リソースの有効活用、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0182】
実施の形態3.
実施の形態3にて解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を用いた場合、受信側にて受信したRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題は解決される。
【0183】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末に対して、無線環境の変化に応じて、具体例としては移動端末が測定するCQI、測定(Measurement)結果に応じて、1つ、あるいは複数のコンポーネントがスケジューリングされる。よって、移動端末に対して、スケジューリングされるコンポーネントは時間的に変化する。
【0184】
実施の形態1の解決策では、上位レイヤが、具体例としてはRRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する必要がある。よって、移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントキャリアが変化するような場合は、実施の形態1の解決策は、RRCメッセージを制御するレイヤが、コンポーネントキャリアのスケジューリングに追従していない場合が発生する。これにより、RRCメッセージ中の当該RRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報で指定されたコンポーネントが、実際に移動端末へ割当てられているコンポーネントに含まれない場合も発生する。
【0185】
よって、移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントが変化する場合などは、受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題が再度発生する。本実施の形態3での解決策を以下に示す。
【0186】
第一の解決策を以下に示す。コンポーネントのスケジューリングを行うレイヤは、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を、上位レイヤ、具体例としてはRRCメッセージを挿入するレイヤに対して通知する。具体例としては、コンポーネントのスケジューリングを行うレイヤであるMACレイヤは、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を、RRCメッセージを挿入するレイヤであるRRCレイヤに対して通知する。
【0187】
基地局から移動端末に対してスケジューリングされるコンポーネントの通知にRRCメッセージを用いることとする。このスケジューリングされるコンポーネントの通知とともに実施の形態1にて開示した方法により、RRCメッセージを通知する。スケジューリングされるコンポーネントの通知と、実施の形態1にて開示したRRCメッセージの通知とは、同時に行っても良いし同時でなくても良い。
【0188】
これにより、RRCメッセージを制御するレイヤが、コンポーネントキャリアのスケジューリングを常に知ることが出来る。つまり、追従することが可能になる。よって上記実施の形態3の課題は解決する。
【0189】
第二の解決策を以下に示す。第一の解決策を用いた場合、RRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握するまでスケジューリングされるコンポーネントの通知、及びRRCメッセージの通知が不可能となり、移動体通信システムとしての制御遅延増大という課題が発生する。
【0190】
上記課題を解決するために、第二の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメント(Element)として、またはRRCメッセージとは別の領域、例えばヘッダー、フッターに当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報ではなく、コンポーネントインデックスを追加する。
【0191】
コンポーネントインデックスとは次のような要件を満たす識別子とする。(1)上位レイヤが主として用いる識別子であること。(2)コンポーネントキャリアの物理情報(周波数など)とは無関係であること。(3)コンポーネントを識別する情報(コンポーネントキャリアの物理情報は識別できない情報)であること。
【0192】
コンポーネントインデックスは、上位レイヤがMACレイヤに対して、同じコンポーネントインデックスを用いて同じコンポーネントに対する制御情報であることを、異なるコンポーネントインデックスを用いて異なるコンポーネントに対する制御情報であることを示す。
【0193】
上位レイヤがコンポーネントインデックスにて、同じコンポーネントに対する制御情報であること、あるいは異なるコンポーネントに対する制御情報であることを示す。上位レイヤがコンポーネントインデックスを通知するMACレイヤの具体例を以下に示す。
【0194】
(1)コンポーネントのスケジューリングを行う。以降、コンポーネントスケジューリングブロックと称する。コンポーネントのスケジューリングは、移動端末が無線環境を測定し、基地局に対して報告を行う、CQI、測定報告に基づいて行われる。
【0195】
(2)移動端末毎のコンポーネント単位の分割を行う。例えば図13の1326、1327とする。
【0196】
以降、MACレイヤの具体例として「コンポーネントスケジューリングブロック」を用いて説明する。
【0197】
コンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックスと移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントの対応付けを行う。移動端末へのスケジューリングされるコンポーネント、移動端末と基地局間にてデータの送受信に用いられるコンポーネントをスケジューリングコンポーネントと称する。
【0198】
コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの具体例を以下に示す。(1)1種類のコンポーネントインデックスと1つのスケジューリングコンポーネントを対応付ける。(2)1種類のコンポーネントインデックスと複数のスケジューリングコンポーネントを対応付ける。
【0199】
スケジューリングコンポーネントを示す情報の具体例を以下に示す。第一の具体例としては、コンポーネントキャリア周波数がある。図23(a)を用いて説明する。2301から2307は当該基地局において、キャリアアグリゲーションを行うコンポーネントである。f1からf10は、各コンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。第一の具体例では、スケジューリングコンポーネントを示す情報として、図23に示すコンポーネントキャリア周波数を用いる。具体例としては、移動端末2308に割当てられているスケジューリングコンポーネントがコンポーネント2302、コンポーネント2304とした場合、スケジューリングコンポーネントを示す情報は、「f2」「f6」となる。本具体例は、絶対的な値を用いるため、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点がある。
【0200】
図23(b)に示す通り、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けに用いるスケジューリングコンポーネントを示す情報としてコンポーネントキャリア周波数を用いる。
【0201】
第二の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図24(a)を用いて説明する。図23と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。2301から2307、及び2401から2403は、移動体通信システムとして用いられるコンポーネントを示す。第二の具体例では、スケジューリングコンポーネントを示す情報として、図24(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。移動体通信システムとして、例えばLTE−Aシステムとして用いられるコンポーネントキャリア周波数(2301から2307、及び1401から2403)とコンポーネント識別子を対応付ける(図24(b))。具体例としては、図24(a)のスケジューリングコンポーネント2302を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#2」が対応する。図24(a)のスケジューリングコンポーネント2304を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#6」が対応する。
【0202】
第一の具体例は絶対的な値であるのと比較して、第二の具体例は識別子をマッピングする。よって第二の具体例の方がスケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0203】
図24(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。対応付けをネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、スケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量の削減という効果を得ることができる。
【0204】
または、図24(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を移動体通信システムとして静的に決定しても良い。これにより、対応表をネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
【0205】
図24(c)に示す通り、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けに用いるスケジューリングコンポーネントを示す情報として上記コンポーネント識別子を用いる。
【0206】
第三の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図25を用いて説明する。図23と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。第三の具体例では、スケジューリングコンポーネントを示す情報として、図25(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。当該基地局にて用いられるコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子を対応付ける(図25(b))。具体例としては、図25のスケジューリングコンポーネント2302を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#2」が対応する。図25のスケジューリングコンポーネント2304を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#4」が対応する。
【0207】
第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、また第二の具体例は移動体通信システムが取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングするのと比較して、第三の具体例は当該基地局が取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングする。よって第三の具体例の方が、スケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0208】
図25(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。対応付けをネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、スケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量の削減という効果を得ることができる。
【0209】
図25(c)に示す通り、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けに用いるスケジューリングコンポーネントを示す情報として上記コンポーネント識別子を用いる。
【0210】
またコンポーネント識別子の番号付けの具体例は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0211】
図26にコンポーネントスケジューリングブロックで行われるコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの概念図を示す。スケジューリングコンポーネントを示す情報としては、一例として、上記第三の具体例であるコンポーネント識別子を用いて説明する。
【0212】
(1)―(a)時刻t1にて移動端末2308に割当てられているスケジューリングコンポーネントは、CC#2(2302)、CC#4(2304)である。コンポーネントスケジューリングブロックは上位から通知されたコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントを対応付ける。具体例を図23(1)―(b)に示す。ここでは、コンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックス「CC_I#1」とスケジューリングコンポーネントCC#2を、コンポーネントインデックス「CC_I#2」とスケジューリングコンポーネントCC#4を対応付けている。
【0213】
移動端末と基地局間の無線環境が変化し、移動端末が測定するCQI、測定結果に応じてスケジューリングコンポーネントは変更される。
【0214】
(2)―(a)時刻t2にて移動端末2301に割当てられているスケジューリングコンポーネントは、CC#4(2304)、CC#5(2305)である。コンポーネントスケジューリングブロックは上位から通知されたコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントを対応付ける。具体例を図23(2)―(b)に示す。ここでは、コンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックス「CC_I#1」とスケジューリングコンポーネントCC#5を、コンポーネントインデックス「CC_I#2」とスケジューリングコンポーネントCC#4を対応付けている。
【0215】
つまりコンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックスCC_I#1に対応付けられるスケジューリングコンポーネントをCC#2(時刻t1)からCC#5(時刻t2)へ変更している。コンポーネントインデックスをRRCメッセージ中などに付加する上位レイヤは、物理レイヤで当該移動端末(2308)へ割当てられているスケジューリングコンポーネントが変更されたことを知る必要がない。
【0216】
図27に動作の一例を示す。スケジューリングコンポーネントを示す情報としては、一例として、上記第三の具体例であるコンポーネント識別子を用いて説明する。図27において図19と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
【0217】
ステップST2701にて基地局は、コンポーネント単位の制御情報であるRRCメッセージ中のエレメントとして、コンポーネントインデックスを示す情報を追加する。例えば、図26(1)を例に説明する、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネントインデックス「CC_I#1」の情報を追加する。
【0218】
ステップST2702にて基地局は、コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新が行われたか否か判断する。または、コンポーネントインデックスが変更したことにより、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けを再度行わなければいけないか否かを判断する。コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新行われていた場合、ステップST2704へ移行する。コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新行われていない場合、ステップST2703へ移行する。
【0219】
ステップST2703にて基地局は、スケジューリングコンポーネントに追加・削除・更新が行われたか否か判断する。または、スケジューリングコンポーネントが変更したことにより、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けを再度行わなければいけないか否かを判断する。スケジューリングコンポーネントの種類に追加・削除・更新行われていた場合、ステップST2704へ移行する。コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新行われていない場合、ステップST1904へ移行する。
【0220】
ステップST2704にて基地局は、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けを行う。
【0221】
ステップST2705にて基地局は、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付け(ステップST2704)の結果である、対応表(例えば図26(1)―(b))を移動端末に通知する。通知方法の具体例を以下に示す。
【0222】
基地局より移動端末へ個別(Dedicated)制御信号にて通知することが考えられる。スケジューリングコンポーネントは、移動端末毎に無線環境を考慮して随時変更されることが考えられるので、共通(Common)制御信号や報知情報では他の移動端末へは不要な情報を送信することになり、無線リソースとして無駄が発生する。よって個別制御信号にて通知することにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0223】
個別制御信号としては、RRCメッセージと比較して制御遅延の短い通知方法を用いることとする。これにより、実施の形態3の第二の解決策で解決する課題である、移動体通信システムとしての制御遅延増大を防止することが出来る。
【0224】
個別制御信号の具体例としては、PDCCH、MACメッセージを用いることが考えられる。PDCCHを用いた場合の通知方法の具体例を以下に示す。
【0225】
(1)キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのPDCCHから通知する。キャンディデートコンポーネントは、基地局と移動端末間のデータ送受信が可能なコンポーネントである。当該基地局が保有する全コンポーネントから通知するのと比較して無線リソースの有効活用という効果を有し、また移動端末が送受信可能なコンポーネントから通知することにより移動端末が当該通知を受信できないという問題も発生しない。また、移動端末にとってキャンディデートコンポーネント以外のコンポーネントに含まれるPDCCHをモニタする必要がないため、移動端末の低消費電力化に効果を有する
(2)スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのPDCCHから通知する。スケジューリングコンポーネントは、実際のデータ送受信が行われているコンポーネントである。当該基地局が保有する全コンポーネントから通知するのと比較して無線リソースの有効活用という効果を有し、またキャンディデートコンポーネントから通知するのと比較して、さらに無線リソースの有効活用という効果を有し、また移動端末が実際に送受信を行っているコンポーネントから通知することにより移動端末が当該通知を受信できないという問題も発生しない。また、移動端末にとってスケジューリングコンポーネント以外のコンポーネントに含まれるPDCCHをモニタする必要がないため、移動端末の低消費電力化に効果を有する
(3)通信中のアンカーコンポーネントに含まれるコンポーネントのPDCCHから通知する。アンカーコンポーネントとは通信中の移動端末がPDCCHをモニタするコンポーネント、あるいは測定を実行するコンポーネントとする。その場合、移動端末にとってアンカーコンポーネント以外のコンポーネントに含まれるPDCCHをモニタする必要がないため、移動端末の低消費電力化に効果を有する。
【0226】
ステップST2706にて移動端末は、基地局よりコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付け(ステップST2704)の結果である、対応表を受信する。
【0227】
ステップST2707にて移動端末は、RRCメッセージ中のコンポーネントインデックスを得る。図26(1)を例に説明する、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネントインデックス「CC_I#1」を得る。
【0228】
ステップST2708にて移動端末は、ステップST2706にて受信したコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付け(ステップST2704)の結果である、対応表(例えば図26(1)―(b))を基に、当該RRCメッセージが制御するコンポーネントのコンポーネント識別子を得る。例えば、図26(1)―(b)よりコンポーネントインデックス「CC_I#1」に対応するスケジューリングコンポーネントのコンポーネント識別子「CC#2」を得る。
【0229】
実施の形態3は、実施の形態1と組み合わせて用いることが出来る。または、RRCメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1の解決策を用いるか、実施の形態3の解決策を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例を以下に示す。
【0230】
(1)スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要な制御情報については、コンポーネントのスケジューリングに素早く追従可能となる実施の形態3の第二の解決策を、スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要でない制御情報については実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を用いる。具体例としては、「Radio resource Configuration」に対しては実施の形態3の第二の解決策を用い、「Radio link failure related action」「Measurement」に対しては実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を用いるとしても良い。
【0231】
(2)コンポーネントのキャリア周波数に関係する、あるいは周波数特性に関係する制御情報については、上位レイヤが、具体例としてはRRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を、コンポーネントのキャリア周波数に関係しない、あるいは周波数特性に関係しない制御情報については、実施の形態3の第二の解決策を用いるとしても良い。
【0232】
これにより、RRCメッセージ中の制御情報、あるいは制御内容によって最適なRRCメッセージ通知方法を取ることが出来るという効果を有する。
【0233】
実施の形態3では、下りRRCメッセージを中心に説明したが、実施の形態3は同様に上りRRCメッセージにも適用可能である。
【0234】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態3は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0235】
実施の形態3はRRCメッセージを中心に説明したが、MACメッセージにも適用可能である。
【0236】
MACメッセージに適用する場合、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージ中に、またはMACメッセージ中のエレメント(Element)として、またはMACメッセージとは別の領域、例えばヘッダー、フッターに当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報ではなく、コンポーネントインデックスを追加すればよい。詳細な説明はRRCメッセージの場合と同様であるので、省略する。
【0237】
実施の形態3により実施の形態1及び実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0238】
上位レイヤが移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する必要がなくなる。よって実施の形態1及び実施の形態2と比較してコンポーネントのスケジューリングに素早く追従可能となり、移動体通信システムの制御遅延を防止する効果を得ることができる。つまり、コンポーネントのスケジューリングに柔軟に対応可能となる。
【0239】
移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントが短期間に変化する可能性がある場合であっても、受信側にて受信したRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題は解決される。
【0240】
実施の形態4.
実施の形態4にて解決する課題について説明する。実施の形態3の解決策を用いた場合、移動端末に対するコンポーネントキャリアのスケジューリング変更が短期間に発生する可能性があるような場合であっても、受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題は解決される。しかし、送信側から受信側へのコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の通知が完了しなければ、実施の形態3は有効に動作しない。
【0241】
よって、上記対応表の通知が完了するまでに、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージを送信側から受信側へ通知した場合などは、受信した制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージが間違ったコンポーネントに対する制御情報として認識されるという課題が発生する。
【0242】
これを防ぐために上記対応表の通知が完了するまで、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージを通知しないとすれば、移動体通信システムとしての制御遅延増大という課題が発生する。
【0243】
本実施の形態4での解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、ある移動端末キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージをキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対して事前に送信する。
【0244】
実際のデータ送受信が行われている1つまたは複数のコンポーネントであるスケジューリングコンポーネントは、当該移動端末とデータの送受信が可能な1つまたは複数のコンポーネントの候補の集合であるキャンディデートコンポーネントキャリアセット(候補集合)から選択されるものとする。選択は、移動端末の測定結果、CQIを基に行われるものとする。
【0245】
図28に実施の形態4の解決策の概念図を示す。2801から2807は、当該基地局においてキャリアアグリゲーションを行うことが可能な下りコンポーネントである。2808から2812は、当該基地局においてキャリアアグリゲーションを行うことが可能な上りコンポーネントである。fD1からfD10は、各下りコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。fU1からfU9は、各上りコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。
【0246】
コンポーネント2801と2808、2802と2809、2803と2810、2804と2811は下り、上りのペアーバンドとする。なお2805、2806、2807と2812は非対称(Asymmetric)のペアーバンドを示す。
【0247】
2813は移動端末に対して実際のデータ送受信が行われているコンポーネントであるスケジューリングコンポーネントを示す。スケジューリングコンポーネント2813には、コンポーネント2801、2802、2808、2809が含まれる。2814は当該移動端末とデータの送受信が可能なキャンディデートコンポーネントキャリアセットを示す。キャンディデートキャリアセット2814には、コンポーネント2801、2802、2803、2808、2809、2810が含まれる。
【0248】
図29に動作の一例を示す。ステップST2901にて移動端末は、受信品質に関する測定結果、あるいはCQIなどを基地局へ送信する。
【0249】
ステップST2902にて基地局は、移動端末から受信品質に関する測定結果、あるいはCQIなどを受信する。
【0250】
ステップST2903にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに追加するコンポーネントが存在するか否か判断する。追加するコンポーネントが存在する場合、ステップST2904へ移行する。追加するコンポーネントが存在しない場合、ステップST2907へ移行する。あるいは/かつ、ステップST2903にて基地局は、当該移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットを新規に作成するか否か判断する。新規に作成する場合は、ステップST2904へ移行する。新規に作成しない場合は、ステップ2907へ移行するとしてもよい。
【0251】
ステップST2904にて基地局は、必要な場合、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを確保する。確保が必要な無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0252】
ステップST2905にて基地局は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを送信する。制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題に対する解決策については、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3を用いることが出来る。よって説明を省略する。通知方法は、実施の形態3のコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の通知方法の具体例を用いることが出来る。よって説明を省略する。
【0253】
または、基地局から移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントを通知する場合も考えられる。その場合は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報を、RRCメッセージまたはMACメッセージとともに送信する。なお、当該追加するコンポーネントに関する制御情報と、RRCメッセージまたはMACメッセージとの送信は、同時であっても良いし同時でなくても良い。
【0254】
ステップST2906にて移動端末は、基地局から、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを受信する。
【0255】
ステップST2907にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントを変更するか否か判断する。変更する場合、ステップST2908へ移行する。変更しない場合、処理を終了する。
【0256】
ステップST2908にて基地局は、移動端末へスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントを通知する。変更後のスケジューリングコンポーネントに含まれる全てのコンポーネントに関する情報を通知しても良いし、変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知しても良い。全てのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、無線通信によるエラーに強くなるという効果を得ることが出来る。また変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、通知する情報量を削減することができるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントに関する情報の具体例は、実施の形態1のどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報「コンポーネントキャリア周波数」「コンポーネント識別子」を用いることができるので、詳細な説明を省略する。通知方法の具体例は、実施の形態3のコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である対応表の通知の方法を用いることができるので、説明を省略する。
【0257】
ステップST2909にて移動端末は、基地局からスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントに関する情報を受信する。
【0258】
ステップST2910にて移動端末は、スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントに関して、ステップST2906にて受信した制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを適用する。
【0259】
実施の形態4は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。
【0260】
または、RRCメッセージ中、あるいはMACメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1、実施の形態2の解決策を用いるか、あるいは実施の形態3の解決策を用いるか、あるいは実施の形態4を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例を以下に示す。
【0261】
(1)スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要な制御情報については、コンポーネントのスケジューリングに素早く追従可能となる実施の形態4、実施の形態3の第二の解決策を、スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要でない制御情報については実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を用いるとしてもよい。
【0262】
(2)コンポーネントのキャリア周波数に関係する、あるいは周波数特性に関係する制御情報については、上位レイヤが、具体例としてはRRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を、コンポーネントのキャリア周波数に関係しない、あるいは周波数特性に関係しない制御情報については、実施の形態3の第二の解決策、あるいは実施の形態4を用いるとしても良い。
【0263】
(3)頻繁に制御の内容が変更されない制御情報については実施の形態4を、頻繁に制御の内容が変更される制御情報については実施の形態3、実施の形態1を用いるとしても良い。
【0264】
これにより、RRCメッセージ中の制御情報、あるいは制御内容によって最適なRRCメッセージ通知方法を取ることが出来るという効果を有する。
【0265】
実施の形態4により実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0266】
スケジューリングコンポーネントがキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントから選択され、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報を事前に送信側から受信側へ通知しておくことにより、本実施の形態4ではコンポーネントスケジューリングに素早く追従可能となる効果を得ることができる。
【0267】
実施の形態3で必要であった、送信側から受信側へのコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の通知は不要となる。これにより、上記対応表の通知が完了するまでに、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージを送信側から受信側へ通知した場合などは、受信した制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージが間違ったコンポーネントに対する制御情報として認識されるという課題を解決することができる。
【0268】
また、上記対応表の通知が完了するまで、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージの通知を保留する必要もなくなるので移動体通信システムとしての制御遅延増大という課題を解決することができる。
【0269】
非特許文献9に開示されているRRCメッセージに実施の形態4を用いた場合の具体的な効果を以下に示す。まず、下りリンクに対する制御情報について具体例を用いて説明する。
【0270】
実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPDSCHに関する設定情報、具体例としては「pdsch-configdedicated」、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「pdsch-configdedicated」に含まれるリファレンスシグナルの送信パワー情報、具体例としては「referenceSignalPower」などを事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0271】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる下りコンポーネント2801、2802、2803に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、下りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2801、2802から2802、2803に変更された場合であっても、移動端末は事前に2803の上記制御情報を把握している。
【0272】
よって、実施の形態4を用いることにより、2803がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、移動端末にて2803における、例えばPDSCHに関する設定情報、具体例としては「pdsch-configdedicated」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0273】
また、「referenceSignalPower」は、下り送信パワー制御の基準電力として用いられる。よって実施の形態4を用いることにより、2803がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、2803におけるリファレンスシグナルの送信パワー情報、具体例としては「referenceSignalPower」を用いて下り送信パワー制御が可能となるという効果を得ることが出来るという効果を得ることができる。
【0274】
次に、上りリンクに対する制御情報について具体例を用いて説明する。実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPUSCHに関する設定情報、具体例としては「pusch-configdedicated」、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「pusch-configdedicated」に含まれるホッピングに関する制御情報、具体例としては「hoppingMode」「pusch-hopping Offset」を事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0275】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる上りコンポーネント2808、2809、2810に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、上りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2808、2809から2809、2810に変更された場合であっても、移動端末は事前に2810の上記制御情報を把握している。
【0276】
よって、実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、移動端末にて2810におけるPUSCHに関する設定情報、具体例としては「pusch -configdedicated」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0277】
また、ホッピングに関する制御情報は、送信側である移動端末と、受信側である基地局にて共通の認識をもって送受信しなければ正確に受信することが出来ない。またホッピングは周波数フェージングの影響を軽減させるために導入されている。
【0278】
よって実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれてすぐに、2810におけるホッピングに関する制御情報を用いてホッピング制御が可能となる効果を得ることが出来る。これにともない、スケジューリングコンポーネントに含まれてすぐに、2810においてホッピングを用いたPUSCHの送信が可能となり、周波数フェージングに強いPUSCHの送信が可能となる効果を得ることができる。このことは、無線リソースの有効活用という効果につながる。
【0279】
実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPUCCHに関する設定情報、具体例としては「pucch-configdedicated」を事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0280】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる上りコンポーネント2808、2809、2810に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、上りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2808、2809から2809、2810に変更された場合であっても、移動端末は事前に2810の上記制御情報を把握している。
【0281】
よって、実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに2810において、移動端末にて2810におけるPUCCHに関する設定情報、具体例としては「pucch -configdedicated」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0282】
実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるスケジューリングリクエストに関する設定情報、具体例としては「schedulingRequestconfig」、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「schedulingRequestconfig」に含まれるスケジューリングリクエストに関するリソース情報、具体例としては「sr-PUCCH-ResourceIndex」を事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0283】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる上りコンポーネント2808、2809、2810に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、上りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2808、2809から2809、2810に変更された場合であっても、移動端末は事前に2810の上記制御情報を把握している。
【0284】
また、スケジューリングリクエストは、移動端末が基地局に対して上りリソース割当の要求を行う信号である。移動端末が上りリソース割当の要求を行う場合、当該移動端末に対して、スケジューリングリクエストに関する割当がされていない場合は、当該移動端末はRACHを用いて上りリソース割当要求を行う必要発生する。RACHを用いた上りリソース割当要求は、スケジューリングリクエストを用いた上りリソース割当要求と比較して制御遅延が大きくなる。
【0285】
よって、実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、移動端末にて2810におけるスケジューリングリクエストに関する設定情報、具体例としては「schedulingRequestconfig」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。これにともない、スケジューリングコンポーネントに含まれてすぐに、移動端末は、2803においてスケジューリングリクエストを用いた上りリソース割当要求が可能となり、制御遅延増加を防ぐという効果を得ることが出来る。
【0286】
実施の形態4では、下りRRCメッセージを中心に説明したが、実施の形態4は同様に下りMACメッセージ、上りRRCメッセージ、上りMACメッセージにも適用可能である。
【0287】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態4は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0288】
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4の変形例1にて解決する課題について説明する。実施の形態4の解決策を用いた場合、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを確保する必要が発生する場合がある。この場合、移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいても、当該移動端末用の無線リソースが確保される場合がある。これは、無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
【0289】
また、移動端末は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報を保管しておく必要が生じる。キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントが多くなると、移動端末にて制御情報の保管領域を多く確保する必要が生じ、移動端末のハードウェア、例えばメモリ、CPU等が大きくなる、あるいは移動端末のソフトウェアの負荷が増大するという課題が生じる。
【0290】
本実施の形態4の変形例1での解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含めることが出来るコンポーネントの数に上限値を設ける。
【0291】
図30に動作の一例を示す。図29と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0292】
ステップST3001にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットを変更する必要があるか否か判断する。変更する必要がある場合、ステップST3002へ移行する。変更する必要がない場合、ステップST2907へ移行する。
【0293】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットは上り、下り別々に設けても良い。別々に設けた場合、ステップST3001の判断も上り、下り別々に行っても良い。あるいは/かつ、ステップST3001にて基地局は、当該移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットを新規に作成するか否か判断する。新規に作成する場合は、ステップST3003へ移行する。新規に作成しない場合は、ステップ2907へ移行するとしてもよい。
【0294】
ステップST3002にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに追加するコンポーネントが存在するか否か判断する。追加するコンポーネントが存在する場合、ステップST3003へ移行する。追加するコンポーネントが存在しない場合、ステップST3006へ移行する。
【0295】
ステップST3003にて基地局は、現在のキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネント数が、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含めることが出来るコンポーネントの数の上限値以上であるか否かを判断する。上限値以上である場合、ステップST3004へ移行する。上限値以上でない場合、ステップST3005へ移行する。
【0296】
上限値は、移動体通信システムとして静的に決定されていても良いし、キャリアアグリゲーション対応の基地局毎に静的、あるいは順静的に決定されていても良いし、移動端末の能力によって決定されても良い。移動端末の能力によって決定される場合、移動端末から基地局に対してキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数を通知するようにしても良いし、あるいは、移動端末自身が移動端末の能力によって上限値を決定し、基地局に該上限値を通知するようにしても良い。上限値が移動体通信システムとして静的に決定された場合、及び移動端末の能力によって決定された場合、移動端末の設計時においてハードウェア、ソフトウェアに上限を設けることが可能となり、移動端末の複雑性回避が可能という効果を得ることができる。上限値がキャリアアグリゲーション対応の基地局毎に静的、あるいは順静的に決定された場合、基地局の無線リソースの負荷状況などに応じた制御が可能となり、柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる効果を得ることが出来る。移動端末の能力の具体例としては、制御情報の保管領域(メモリなど)の大小、対応リリース番号、対応通信速度などが考えられる。
【0297】
ステップST3004にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに新たなコンポーネントを追加し、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントを削除する。つまり、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの更新を行う。
【0298】
ステップST3005にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに新たなコンポーネントの追加を行う。
【0299】
ステップST3006にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントの削除を行う。
【0300】
ステップST3007にて基地局は、移動端末へキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントを通知する。変更後のキャンディデートコンポーネントに含まれる全てのコンポーネントに関する情報を通知しても良いし、変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知しても良い。全てのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、無線通信によるエラーに強くなるという効果を得ることが出来る。また変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、通知する情報量を削減することができるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。通知方法は、実施の形態3のコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の具体例を用いることが出来る。よって説明を省略する。
【0301】
ステップST3008にて移動端末は、基地局よりキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントを受信する。
【0302】
実施の形態4の変形例1は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。
【0303】
または、RRCメッセージ中、あるいはMACメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1、実施の形態2の解決策を用いるか、あるいは実施の形態3の解決策を用いるか、あるいは実施の形態4の変形例1を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例は実施の形態4と同様であるので、説明は省略する。
【0304】
実施の形態4の変形例1により実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0305】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの上限数が決まるため、移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいての当該移動端末用の無線リソースの確保に上限を設けることが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0306】
また、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの上限数が決まるため、移動端末において、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報を保管領域の上限を設けることが可能となる。これにより、移動端末の設計時においてハードウェア、ソフトウェアに上限を設けることが可能となり、移動端末の複雑性回避が可能という効果を得ることができる。
【0307】
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4の変形例2にて解決する課題は、実施の形態4と同様であるため説明を省略する。本実施の形態4の変形例2での解決策を以下に示す。
【0308】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、ある移動端末キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージをキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対して共通とする。
【0309】
動作の一例は、実施の形態4と類似している。異なる部分のみを図29を用いて説明する。
【0310】
ステップST2904にて基地局は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用に、既にキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントと同様の無線リソースを確保する。確保が必要な無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0311】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対して制御情報が共通であるので、ステップST2905、ステップST2906は不要となる。当該移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットを新規に作成する場合に、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを送信する。
【0312】
また、実施の形態4の変形例2と実施の形態4の変形例1は組み合わせて用いることが出来る。
【0313】
動作の一例は、実施の形態4の変形例1と類似している。異なる部分のみを図30を用いて説明する。
【0314】
ステップST2904にて基地局は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用に、既にキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントと同様の無線リソースを確保する。またキャンディデートコンポーネントキャリアセットから削除するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを開放する。確保が必要な無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0315】
実施の形態4の変形例2は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。
【0316】
または、RRCメッセージ中、あるいはMACメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1、実施の形態2の解決策を用いるか、あるいは実施の形態3の解決策を用いるか、あるいは実施の形態4の変形例2を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例は実施の形態4と同様であるので、説明は省略する。
【0317】
実施の形態4の変形例1により実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0318】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントにて、ある移動端末キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報が共通となるので、移動端末にて制御情報を保管領域の削減が可能となる。これにより、移動端末の設計時においてハードウェア、ソフトウェアの削減が可能となり、移動端末の複雑性回避が可能という効果を得ることができる。
【0319】
実施の形態4 変形例3.
実施の形態4の変形例3にて解決する課題について説明する。実施の形態4、または実施の形態4の変形例3の解決策を用いた場合、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを確保する必要が発生する場合がある。この場合、移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいても、当該移動端末用の無線リソースが確保される場合がある。これは、無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
【0320】
本実施の形態4の変形例3での解決策を以下に示す。
【0321】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末に対してする無線リソースの確保は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする、あるいはスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする。
【0322】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末に対して確保される無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0323】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネント、あるいはスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントの具体例としては、アンカーコンポーネントなどがある。
【0324】
言い換えると、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末から基地局に対してスケジューリングリクエストを送信するコンポーネントをキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする、あるいはスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする。
【0325】
実施の形態4の変形例3は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3、変形例を含む実施の形態4と組み合わせて用いることが出来る。
【0326】
実施の形態4の変形例3により以下の効果を得ることが出来る。
【0327】
移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいての当該移動端末用の無線リソースの確保が削減可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0328】
実施の形態5.
実施の形態5にて解決する課題について説明する。実施の形態1で説明した通り、LTE−Aシステムでは複数のコンポーネントキャリア上の受信と送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみのキャリアアグリゲーションがサポートされる。
【0329】
キャリアアグリゲーションを実現する上で、移動端末にて必要なメジャメント(Measurement)の具体例として、3GPP会合上で以下が話し合われている(非特許文献14)。
【0330】
異なるカバレッジをサポートするために、設定されたコンポーネントキャリアと同じ周波数上の測定対象を比較する必要がある。便宜上、該測定を第一の測定と称する。第一の測定は1つの与えられた周波数上で、移動端末におけるベストセルを知るために用いることができる。
【0331】
具体例を図31に示す。ある移動端末のサービング基地局3104にて、該移動端末に設定されたコンポーネントキャリアとして、設定コンポーネントキャリア1(設定CC_1)3101、設定コンポーネントキャリア2(設定CC_2)3102、設定コンポーネントキャリア3(設定CC_3)3103が存在する場合を考える。また該移動端末の周辺基地局3108にてコンポーネントキャリア1(周辺基地局_CC_1)3105、コンポーネントキャリア2(周辺基地局_CC_2)3106、コンポーネントキャリア3(周辺基地局_CC_3)3107が存在する場合を考える。設定CC_1と周辺基地局_CC_1は同じ周波数レイヤ3109(f1)上に存在する。設定CC_2と周辺基地局_CC_2は同じ周波数レイヤ3110(f2)上に存在する。設定CC_3と周辺基地局_CC_3は同じ周波数レイヤ3111(f3)上に存在する。上記第一の測定では、設定されたコンポーネントキャリアと同じ周波数上の測定対象を比較する。具体的に説明すれば、該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_1と同じ周波数f1上に存在する周辺基地局_CC_1を比較する測定を実行する。また、該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_2と同じ周波数f2上に存在する周辺基地局_CC_2を比較する測定を実行する。また、該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_3と同じ周波数f3上に存在する周辺基地局_CC_3を比較する測定を実行する。
【0332】
また、異基地局ハンドオーバ、異周波数ハンドオーバ、異システムハンドオーバをサポートするために、設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上のコンポーネントキャリアを比較する必要がある。便宜上、該測定を第二の測定と称する。具体例を図32に示す。
【0333】
具体例を図32に示す。ある移動端末のサービング基地局3203にて、該移動端末に設定されたコンポーネントキャリアとして、設定コンポーネントキャリア1(設定CC_1)3201、設定コンポーネントキャリア2(設定CC_2)3202が存在する場合を考える。また該移動端末の周辺基地局3207にてコンポーネントキャリア1(周辺基地局_CC_1)3204、コンポーネントキャリア2(周辺基地局_CC_2)3205、コンポーネントキャリア3(周辺基地局_CC_3)3206が存在する場合を考える。設定CC_1と周辺基地局_CC_1は同じ周波数レイヤ3208(f1)上に存在するとする。設定CC_2と周辺基地局_CC_2は同じ周波数レイヤ3209(f2)上に存在するとする。周辺基地局_CC_3は同じ周波数レイヤ3110(f3)上に存在するとする。上記第二の測定では、設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上の測定対象を比較する。具体的に説明すれば、該移動端末は、周波数f2上の設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_2と異なる周波数f3上に存在する周辺基地局_CC_3を比較する測定を実行する。
【0334】
キャリアアグリゲーションにおいて、複数のコンポーネントキャリアが設定された場合、測定リファレンスコンポーネントキャリア(Measurement Reference Component Carrier)をどのように特定するか議論されている。具体的な方法として以下が挙げられている(非特許文献14)。
【0335】
第一の方法として、測定リファレンスコンポーネントキャリアは、ネットワークにより設定される。ネットワークの再設定無しでは変更されない。該コンポーネントキャリアは第一コンポーネントキャリア(Primary Component Carrier:PCC)とも称されている。
【0336】
第二の方法として、ネットワークによりメジャメントアイデンテティー(Measurement Identity)毎に設定される。メジャメントアイデンテティーの詳細は後述する。但し、具体的な設定方法についての開示は無い。
【0337】
第三の方法として、移動端末におけるベストコンポーネントキャリアとする。移動端末により自動的に更新され、ネットワークの再設定無しで変更可能である。
【0338】
現在の3GPPの規格(非特許文献15)では、メジャメントについて以下が決定している。
【0339】
ネットワーク側は、移動端末へ測定対象(Measurement Object)により、ただ一つのE−UTRAキャリア周波数を指定する。また、測定対象のリストが存在する。
【0340】
ネットワーク側は、移動端末へ報告設定(Reporting Configurations)により、移動端末が測定報告(Measurement Report)を送信する引き金(トリガ)となる評価基準、報告形式などを指定する。報告形式には、報告するセルの数などが含まれる。また、報告設定のリストが存在する。
【0341】
ネットワーク側は、移動端末へメジャメントアイデンテティー(Measurement identity)により、1個の測定対象と1個の報告設定を結びつけ指定する。また、メジャメントアイデンテティーのリストが存在する。
【0342】
移動端末はネットワーク側へ、測定報告(Measurement Report)を行う。測定報告には、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービング基地局の測定結果などが含まれる。
【0343】
また、移動端末は1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理する。
【0344】
また、同じ基地局のコンポーネントキャリアであれば、上りリンクと下りリンクにて異なったコンポーネント数をキャリアアグリゲーションすることがサポートされる(非特許文献16)。便宜上、上記キャリアアグリゲーションを非対称のキャリアアグリゲーションと称する。
【0345】
非対称のキャリアアグリゲーションが行われている場合を考える。例として図33の場合について説明する。図31と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0346】
ある移動端末のサービング基地局3308にて、該移動端末に設定された下りコンポーネントキャリアとして設定下りコンポーネントキャリア1(設定DL_CC_1)3301、設定下りコンポーネントキャリア2(設定DL_CC_2)3302が存在する場合を考える。また該移動端末に設定された上りコンポーネントキャリアとして設定上りコンポーネントキャリア2(設定UL_CC_2)3306が存在する場合を考える。
【0347】
また、設定DL_CC_1と周辺基地局_CC_1は同じ周波数レイヤ3303(f1_DL)上に存在する。設定DL_CC_2と周辺基地局_CC_2は同じ周波数レイヤ3304(f2_DL)上に存在する。設定DL_CC_3と周辺基地局_CC_3は同じ周波数レイヤ3305(f3_DL)上に存在する。設定UL_CC_2は周波数レイヤ3307(f2_UL)上に存在する。
【0348】
つまり、該移動端末は受信側にて2つのコンポーネントキャリアをアグリゲーションし、送信側にて1つの上りコンポーネントキャリアを用いることとなる。よって該移動端末では非対称のキャリアアグリゲーションが実行されている。
【0349】
実施の形態5にて解決する課題について図33を用いて説明する。図33にて、上記第二の測定を行った場合を検討する。該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上の測定対象を比較する。具体的に説明すれば、該移動端末は、設定された下りコンポーネントキャリアである設定DL_CC_1と異なる周波数f2_DL上に存在する周辺基地局_CC_2を比較する測定を実行する。便宜上、DL_CC_1比較測定と称する。また、該移動端末は、設定された下りコンポーネントキャリアである設定DL_CC_2と異なる周波数f3_DL上に存在する周辺基地局_CC_3を比較する測定を実行する。便宜上、DL_CC_2比較測定と称する。
【0350】
該移動端末がネットワーク側へ上記2つの測定、DL_CC_1比較測定、DL_CC_2比較測定に関する測定報告を、1つの上りコンポーネントキャリア上(設定UL_CC_2)で行う必要が生じる。つまり異なる2つの測定リファレンスコンポーネントキャリアである設定DL_CC_1、設定DL_CC_2に対する比較結果を1つの上りコンポーネントキャリアで移動端末からネットワーク側へ通知する必要がある。
【0351】
よって非対称のキャリアアグリゲーションが実行された場合、移動端末からネットワーク側へ測定報告が行われても、ネットワーク側は測定リファレンスコンポーネントキャリアを知る術がない。
【0352】
よって移動体通信システムとして、ハンドオーバなどのモビリティ管理、コンポーネントキャリアの追加、削除、入替えなどのコンポーネントキャリア管理などを適切に行うことが出来ないという課題が発生する。本課題については非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16に示唆はない。
【0353】
また、非特許文献14の測定リファレンスコンポーネントキャリアをどのように特定するかの方法が適用された場合であっても、上記課題は発生する。
【0354】
またLTEシステムにおいては、キャリアアグリゲーションがサポートされない。つまり上りリンクと下りリンクが1対1の関係にあった。よって、移動端末からネットワーク側へ測定報告が行われた場合、測定リファレンスコンポーネントキャリアの周波数は測定報告が行われた上りキャリア周波数とペアの下りキャリア周波数であると、暗示的に示すことができた。一方、LTE−Aシステムにてサポートされる非対称のキャリアアグリゲーションにおいては、上りリンクと下りリンクが1対1の関係にないため、従来の測定リファレンスを暗示的に示す方法を用いることが出来ない。
【0355】
現在の規格において移動端末は、ネットワーク側へ行う測定報告にて、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含める。また移動端末は、1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理する。このように現在の規格では、非対称キャリアアグリゲーションにおいて測定報告を受けたネットワーク側が測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握する手段は無い。
【0356】
このように、本実施の形態5の課題はLTEシステムでは発生せず、キャリアアグリゲーションをサポートするシステム、具体例としてはLTE−Aシステムにて新たに発生する課題である。
【0357】
本実施の形態5での解決策を以下に示す。移動端末は、測定報告(Measurement Report)に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める。あわせて、移動端末は測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含めてもよい。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティ管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0358】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例として、以下5つ開示する。
【0359】
(1)移動端末における受信品質が最も良いセル(ベストセル)。最も良いセルは、設定されたコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も良いセルは、スケジューリングコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も良いセルは、キャンディデートコンポーネントキャリアセットから選択しても良い。
【0360】
(2)移動端末における受信品質が最も悪いセル(ワーストセル)。最も悪いセルは、設定されたコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も悪いセルは、スケジューリングコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も悪いセルは、キャンディデートコンポーネントキャリアセットから選択しても良い。
【0361】
(3)測定対象に対応する設定コンポーネントキャリア。測定対象で指定されたキャリア周波数上の設定コンポーネントキャリア。非特許文献17には、該コンポーネントキャリアをサービングセルと称することが提案されている。あるいは、測定対象で指定されたキャリア周波数上のスケジューリングコンポーネントキャリアとしても良い。また、測定対象で指定されたキャリア周波数上のキャンディデートコンポーネントキャリアとしても良い。
【0362】
(4)測定設定を行った下りコンポーネントキャリア。
【0363】
(5)ネットワーク側から移動端末へ設定された測定リファレンスコンポーネントキャリア。測定設定に対して1つの測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を新設する。測定対象内に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を新設してもよい。
【0364】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報の具体例とし、以下2つ開示する。(1)実施の形態1の「どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報」の具体例を用いることができる。(2)PCI。非特許文献18では、同じ基地局に属するコンポーネントキャリアであっても異なるPCIを割当てることが提案されている。
【0365】
測定設定毎、あるいは測定報告トリガ毎に、移動端末が測定報告に含める測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別を変更してもよい。該組合せは移動体通信システムにて準静的に決定しても良いし、静的に決定しても良い。
【0366】
準静的に決定する場合の設定方法の具体例を以下2つ開示する。(1)報知情報にて通知する。(2)測定設定にて通知する。測定設定中に測定報告トリガと測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の組合せを示す情報を新設する。報告設定中に測定報告トリガ毎に測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別を示す情報を新設しても良い。
【0367】
非特許文献15に開示されている、従来の測定報告トリガについて説明する。イベントA1とは、サービングセルの受信品質が閾値より良好となったことを示す。具体的には、以下式(A1−1)が満たされた場合にイベントA1を満足する状態となり、以下式(A1−2)が満たされた場合にイベントA1を満足する状態ではなくなる。
【0368】
式(A1―1)Ms-Hys>Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)(RSRP、RSRQなど)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良好となった場合は、イベントA1を満足する状態となる。
【0369】
式(A1−2)Ms+Hys<Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントA1を満足する状態ではなくなる。
【0370】
イベントA2とは、サービングセルの受信品質が閾値より悪くなったことを示す。具体的には、以下式(A2−1)が満たされた場合にイベントA2を満足する状態となり、以下式(A2−2)が満たされた場合にイベントA2を満足する状態ではなくなる。
【0371】
式(A2−1)Ms+Hys<Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントA2を満足する状態となる。
【0372】
式(A2−2)Ms-Hys>Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良好となった場合は、イベントA2を満足する状態ではなくなる。
【0373】
イベントA3とは、周辺セルの受信品質がサービングセルの受信品質より良好になったことを示す。具体的には、以下式(A3−1)が満たされた場合にイベントA3を満足する状態となり、以下式(A3−2)が満たされた場合にイベントA3を満足する状態ではなくなる。
【0374】
式(A3−1)Mn+Ofn+Ocn-Hys>Ms+Ofs+Ocs+Off
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、サービングセルの受信品質(Ms)にサービングセルの周波数依存のオフセット値(Ofs)を加え、サービングセル固有のオフセット値(Ocs)を加え、本イベントのオフセット値(Off)を加えた値より良くなった場合は、イベントA3を満足する状態となる。
【0375】
式(A3−2)Mn+Ofn+Ocn+Hys<Ms+Ofs+Ocs+Off
あるいは、周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、サービングセルの受信品質(Ms)にサービングセルの周波数依存のオフセット値(Ofs)を加え、サービングセル固有のオフセット値(Ocs)を加え、本イベントのオフセット値(Off)を加えた値より悪くなった場合は、イベントA3を満足する状態ではなくなる。
【0376】
イベントA4とは、周辺セルの受信品質が閾値より良好となったことを示す。具体的には、以下式(A4−1)が満たされた場合にイベントA4を満足する状態となり、以下式(A4−2)が満たされた場合にイベントA4を満足する状態ではなくなる。
【0377】
式(A4−1)Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良くなった場合は、イベントA4を満足する状態となる。
【0378】
式(A4−2)Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh
あるいは、周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントA4を満足する状態ではなくなる。
【0379】
イベントA5とは、サービングセルの受信品質が閾値1より悪くなったことを示し、かつ、周辺セルの受信品質が閾値2より良くなったことを示す。具体的には、以下式(A5−1)かつ以下式(A5−2)が満たされた場合にイベントA5を満足する状態となり、以下式(A5−3)あるいは以下式(A5−4)が満たされた場合にイベントA5を満足する状態ではなくなる。
【0380】
式(A5−1)Ms+Hys<Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値1(Thresh1)より悪くなった場合は、式(A5−1)を満足する状態となる。
【0381】
式(A5−2)Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh2
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値2(Thresh2)より良くなった場合は、式(A5−2)を満足する状態となる。
【0382】
式(A5−3)Ms-Hys>Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値1(Thresh1)より良くなった場合は、イベントA5を満足する状態ではなくなる。
【0383】
式(A5−4)Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh2
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値2(Thresh2)より悪くなった場合は、イベントA5を満足する状態ではなくなる。
【0384】
イベントB1とは、異システムの周辺セルの受信品質が閾値より良好となったことを示す。異システムとしてはUTRA、CDMA2000が考えられている。具体的には、以下式(B1−1)が満たされた場合にイベントB1を満足する状態となり、以下式(B1−2)が満たされた場合にイベントB1を満足する状態ではなくなる。
【0385】
式(B1−1)Mn+Ofn-Hys>Thresh
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良くなった場合は、イベントB1を満足する状態となる。
【0386】
式(B1−2)Mn+Ofn+Hys>Thresh
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントB1を満足する状態ではなくなる。
【0387】
イベントB2とは、サービングセルの受信品質が閾値1より悪くなったことを示し、かつ、異システムの周辺セルの受信品質が閾値2より良くなったことを示す。異システムとしてはUTRA、CDMA2000が考えられている。具体的には、以下式(B2−1)かつ以下式(B2−2)が満たされた場合にイベントB2を満足する状態となり、以下式(B2−3)あるいは以下式(B2−4)が満たされた場合にイベントB2を満足する状態ではなくなる。
【0388】
式(B2−1)Ms+Hys<Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値1(Thresh1)より悪くなった場合は、式(B2−1)を満足する状態となる。
【0389】
式(B2―2)Mn+Ofn-Hys>Thresh2
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値2(Thresh2)より良くなった場合は、式(B2−2)を満足する状態となる。
【0390】
式(B2−3)Ms-Hys>Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値1(Thresh1)より良くなった場合は、イベントB2を満足する状態ではなくなる。
【0391】
式(B2−4)Mn+Ofn+Hys<Thresh2
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値2(Thresh2)より悪くなった場合は、イベントB2を満足する状態ではなくなる。
【0392】
非特許文献14に開示されているイベントA3−bisとは、サービングセルとは異なる周波数の周辺セルの受信品質がサービングセルの受信品質より良好になったことを示す。
【0393】
測定報告トリガと移動端末が測定報告に含める測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の組合せの具体例について以下に示す。
【0394】
(1)イベントA2について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。これによりネットワーク側が、測定リファレンスコンポーネントキャリアの該移動端末での受信品質が閾値より悪くなったことを把握することができる。よって該測定リファレンスコンポーネントキャリアを設定されたコンポーネントキャリアから削除するといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをスケジューリングコンポーネントキャリアから削除するといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをキャンディデートコンポーネントキャリアから削除するといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。
【0395】
(2)イベントA3について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。これによりネットワーク側が、測定リファレンスコンポーネントキャリアの該移動端末での受信品質より、良好な周辺セルが存在することを把握することができる。よって該測定リファレンスコンポーネントキャリアを設定されたコンポーネントキャリアから削除し、該周辺セルを設定されたコンポーネントキャリアへ追加する、つまりコンポーネントキャリアの入替えといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをスケジューリングコンポーネントキャリアから削除し、該周辺セルをスケジューリングコンポーネントキャリアへ追加する、つまりコンポーネントキャリアの入替えといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをキャンディデートコンポーネントキャリアから削除し、該周辺セルをキャンディデートコンポーネントキャリアへ追加する、つまりコンポーネントキャリアの入替えといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該周辺セルへハンドオーバするといった、適切なモビリティ管理を行うことができる。
【0396】
(3)イベントA5について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。具体的説明は上記(2)イベントA3と同様であるので説明を省略する。
【0397】
(4)イベントB2について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。具体的説明は上記(2)イベントA3と同様であるので説明を省略する。
【0398】
(5)イベントA3−bisについて、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。具体的説明は上記(2)イベントA3と同様であるので説明を省略する。
【0399】
図34に動作の一例を示す。本動作例においては、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別には、具体例(5)を用いる。また、測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報には、具体例(2)を用いる。
【0400】
また、サービング基地局と周辺基地局の状況を図35に示す。図33と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0401】
また3301設定DL_CC_1の受信品質より、3105周辺基地局_CC_1の受信品質が良好となり、3302設定DL_CC_2の受信品質より、3107周辺基地局_CC_3の受信品質が良好になった場合を示す。
【0402】
本実施の形態に係る基地局(例えば図35の基地局3308)の構成例を示すブロック図を図38に示す。図9と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。下りコンポーネントA用制御部3801は、ある1つの下りコンポーネントの制御を行う。下りコンポーネントA用制御部3801には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−A、下りコンポーネントA用の送信データバッファ部904−A、下りコンポーネントA用のエンコーダー部905−A、下りコンポーネントA用の変調部906−A、下りコンポーネントA用の周波数変換部907−Aが存在する。あるいは、下りコンポーネントA用制御部3801には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−A、下りコンポーネントA用の周波数変換部907−Aが存在するとしても良い。あるいは、下りコンポーネントA用制御部3801には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−Aが存在するとしても良い。例えば、周波数変換部907−Aにて下りコンポーネントA用の周波数として3301設定DL_CC_1(f1_DL)が設定された場合、下りコンポーネントA用制御部3801は設定DL_CC_1用制御部となる。
【0403】
下りコンポーネントB用制御部3802は、ある1つの下りコンポーネントの制御を行う。下りコンポーネントB用制御部3802には、下りコンポーネントB用のプロトコル処理部903−B、下りコンポーネントB用の送信データバッファ部904−B、下りコンポーネントB用のエンコーダー部905−B、下りコンポーネントB用の変調部906−B、下りコンポーネントB用の周波数変換部907−Bが存在する。あるいは、下りコンポーネントB用制御部3802には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−B、下りコンポーネントB用の周波数変換部907−Bが存在するとしても良い。あるいは、下りコンポーネントB用制御部3802には、下りコンポーネントB用のプロトコル処理部903−Bが存在するとしても良い。例えば、周波数変換部907−Bにて下りコンポーネントB用の周波数として3302設定DL_CC_2(f2_DL)が設定された場合、下りコンポーネントB用制御部3802は設定DL_CC_2用制御部となる。
【0404】
本構成例では下りコンポーネント用制御部が2つの場合について示したが、1つ、あるいは3つ以上の場合も考えられる。
【0405】
上りコンポーネントC用制御部3803は、ある1つの上りコンポーネントの制御を行う。上りコンポーネントC用制御部3803には、上りコンポーネントC用のプロトコル処理部903−C、上りコンポーネントC用のデコーダー部910−C、上りコンポーネントC用の復調部909−C、上りコンポーネントC用の周波数変換部907−Cが存在する。あるいは、上りコンポーネントC用制御部3803には、上りコンポーネントC用のプロトコル処理部903−C、上りコンポーネントC用の周波数変換部907−Cが存在するとしても良い。あるいは、上りコンポーネントC用制御部3803には、上りコンポーネントC用のプロトコル処理部903−Cが存在するとしても良い。例えば、周波数変換部907−Cにて上りコンポーネントC用の周波数として3306設定UL_CC_2(f2_UL)が設定された場合、上りコンポーネントC用制御部3803は設定UL_CC_2用制御部となる。
【0406】
本構成例では上りコンポーネント用制御部が1つの場合について示したが、2つ以上の場合も考えられる。
【0407】
プロトコル処理部3804は、基地局全体のプロトコル処理を行う。例えば、各コンポーネント用制御部にまたがる、あるいは上りリンクと下りリンクにまたがる、あるいは各コンポーネントの調整を行うようなプロトコル処理を行う。
【0408】
ステップST3401にて設定DL_CC_1(3301)用制御部3801は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、測定対象としてf1_DLと測定リファレンスコンポーネントキャリアとして設定DL_CC_1(3301)のPCIが含まれる。報告設定として、イベントA3の閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティーとして、MeasurementID「1」が含まれる。MeasurementID「1」にて、測定対象f1_DLと報告設定イベントA3が結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3303(f1_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア1(設定DL_CC_1)3301を用いて通知してもよい。
【0409】
ステップST3402にて移動端末は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801からの測定設定を受信する。
【0410】
ステップST3403にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、測定対象としてf3_DLと測定リファレンスコンポーネントキャリアとして3302設定DL_CC_2のPCIが含まれる。報告設定として、イベントA3−bisの閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティとして、MeasurementID「1」が含まれる。MeasurementID「1」にて、測定対象f3_DLと報告設定イベントA3−bisを結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3304(f2_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア2(設定DL_CC_2)3302を用いて通知してもよい。
【0411】
ステップST3404にて移動端末は、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802からの測定設定を受信する。
【0412】
ステップST3405にて移動端末は、ステップST3402、ステップST3404にて受信した測定設定に応じて測定を行う。
【0413】
ステップST3406にて移動端末は、ステップST3402、ステップST3404にて受信した測定設定に基づき、測定報告イベント送信についてトリガが発生したか否かを判断する。本動作例では、設定DL_CC_1(3301)の受信品質より、周辺基地局_CC_1(3105)の受信品質が良好となった場合を示すため、移動端末は、イベントA3送信についてのトリガが発生したと判断する。また、設定DL_CC_2(3302)の受信品質より、周辺基地局_CC_3(3107)の受信品質が良好になった場合を示すため、移動端末は、イベントA3−bis送信についてトリガが発生したと判断する。
【0414】
ステップST3407にて移動端末は、基地局に対して、設定UL_CC_2(3306)を用いて、イベントA3、及びイベントA3−bisが発生したとの測定報告を行う。該測定報告は、設定UL_CC_2(3306)用制御部3803を通じて、プロトコル処理部3804へ通知される。測定報告には、測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報が含まれる。具体的には、イベントA3の測定報告には、設定DL_CC_1(3301)のPCI、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_1(3105)のPCIなどが含まれる。イベントA3−bisの測定報告には、設定DL_CC_2(3302)のPCI、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_3(3107)のPCIなどが含まれる。
【0415】
ステップST3408にてプロトコル処理部3804は、移動端末から測定報告を受信する。測定報告毎に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報が含まれることから、非対称のキャリアアグリゲーションが行われた場合であっても、基地局は測定毎の測定リファレンスコンポーネントキャリアを知ることができる。
【0416】
ステップST3409にて基地局3308(プロトコル処理部3804)は、ステップST3408にて受信した測定報告に基づき、ハンドオーバ処理を実行する。
【0417】
実施の形態5により以下の効果を得ることが出来る。非対称のキャリアアグリゲーションが実行された場合においてもネットワーク側は、測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握することが可能となる。これにより、移動体通信システムとして、ハンドオーバなどのモビリティ管理、またコンポーネントキャリアの追加、削除、入替えなどのコンポーネントキャリア管理などを適切に行うことが可能となる。よって、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0418】
実施の形態5 変形例1.
実施の形態5の変形例1にて解決する課題は、実施の形態5と同様であるため説明を省略する。
【0419】
本実施の形態5の変形例1での解決策を以下に示す。実施の形態5と異なる部分を記載する。特に記載の無い部分については実施の形態5と同様とする。
【0420】
測定報告を行う場合移動端末は、実施の形態1の第三の解決策を用いて、測定報告を含むRRCメッセージが、どの下りコンポーネントキャリアに対応する制御情報かを示す情報を通知する。あわせて、移動端末は測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含めてもよい。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティー管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0421】
移動端末は、測定設定を行った下りコンポーネントキャリア毎に、1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理する。これにより、移動端末にて下りコンポーネントキャリア毎に測定を行い易くなり、測定報告を含むRRCメッセージが、どの下りコンポーネントキャリアに対応する制御情報かを示す情報を付加しやすくなるという効果を得ることができる。また、移動端末は、複数の測定対象リスト、複数の報告設定リスト、複数のメジャメントアイデンテティーリストを管理するとしても良い。前記複数は、設定されたコンポーネントキャリアの数、あるいはスケジューリングコンポーネントキャリアの数、あるいはキャンディデートコンポーネントキャリアの数としても良い。
【0422】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例は、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報の具体例は、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。動作の一例についても、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
【0423】
実施の形態5の変形例1により、実施の形態5と同様の効果を得ることが出来る。
【0424】
実施の形態5 変形例2.
実施の形態5の変形例2にて解決する課題は、実施の形態5と同様であるため説明を省略する。
【0425】
本実施の形態5の変形例2での解決策を以下に示す。実施の形態5と異なる部分を記載する。特に記載の無い部分については実施の形態5と同様とする。
【0426】
測定設定を1つの下りコンポーネントキャリアで行う。測定設定に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を新設する。測定リファレンスコンポーネントキャリアリストが存在しても良い。基地局内で各コンポーネントの調整を行うブロック(具体例としては図38のプロトコル処理部3804)、あるいは測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアは、メジャメントアイデンテティーにより、1個の測定リファレンスコンポーネントキャリアと1個の測定対象と1個の報告設定を結びつける。基地局内の1つのブロック、あるいは1つの下りコンポーネントキャリアが該結び付けを行うことから、メジャメントアイデンテティーを重複無く割当てることが容易となる。
【0427】
移動端末は、測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含める。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティ管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0428】
移動端末が、1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つの測定リファレンスコンポーネントキャリアリスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理するとしても良い。
【0429】
移動端末は、測定報告を行う場合、測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアとペアの上りコンポーネントキャリアを用いて行っても良い。
【0430】
1つの下りコンポーネントキャリアの具体例を以下8つ開示する。(1)ページングメッセージを通知するキャリア。(2)キャリアアグリゲーション用、あるいはLTE−Aシステム用の報知情報を通知するキャリア。(3)PDCCHを用いてスケジューリング結果を該移動端末へ通知するキャリア。(4)マルチキャリアアンカーにおける下り周波数キャリア。(5)PCC。(6)アンカーコンポーネントキャリア。(7)スペシャルセルにおける下り周波数キャリア。(8)上記(1)から(7)の組合せ。
【0431】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報の具体例は、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
【0432】
図36に動作の一例を示す。図34と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。サービング基地局と周辺基地局の状況を図35に示す。また設定DL_CC_1(3301)の受信品質より、周辺基地局_CC_1(3105)の受信品質が良好となり、設定DL_CC_2(3302)の受信品質より、周辺基地局_CC_3(3107)の受信品質が良好になった場合を示す。基地局3308の測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアを設定DL_CC_2(3302)とする。本実施の形態に係る基地局(例えば図35の基地局3308)の構成例を示すブロック図を図38に示す。
【0433】
ステップST3601にてプロトコル処理部3804は、1個の測定リファレンスコンポーネントキャリアと1個の測定対象と1個の報告設定の結びつけを実施する。本動作例においては以下2つの結びつけを実行する。(1)MeasurementID「1」の測定リファレンスコンポーネントキャリアとしての設定DL_CC_1(3301)、測定対象としてのf1_DL(3303)、イベントA3の閾値が含まれる報告設定を結びつける。(2)MeasurementID「2」の測定リファレンスコンポーネントキャリアとしての設定DL_CC_2(3302)、測定対象としてのf3_DL(3305)、イベントA3−bisの閾値が含まれる報告設定を結びつける。
【0434】
ステップST3602にてプロトコル処理部3804は、ステップST3601にて実施した結び付けの結果(以降、「全CC測定設定」と称する。)を、測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアである設定DL_CC_2(3302)用制御部3802へ通知する。全CC測定設定には、測定対象リスト、報告設定リスト、測定リファレンスコンポーネントキャリアリスト、メジャメントアイデンテティーリストが含まれても良い。
【0435】
ステップST3603にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、全CC測定設定を受信する。
【0436】
ステップST3604にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は移動端末へ、ステップST3603にて受信した全CC測定設定を通知する。ステップST3603にて受信した全CC測定設定のうち、該移動端末を対象とする測定設定を通知する。
【0437】
ステップST3605にて移動端末は、基地局3308に対して、設定UL_CC_2(3306)を用いて、イベントA3、及びイベントA3−bisが発生したとの測定報告を行う。該測定報告は、設定UL_CC_2(3306)用制御部3803を通じて、プロトコル処理部3804へ通知される。イベントA3の測定報告には、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_1(3105)のPCIなどが含まれる。イベントA3−bisの測定報告には、MeasurementID「2」、周辺基地局_CC_3(3107)のPCIなどが含まれる。測定報告に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【0438】
ステップST3606にてプロトコル処理部3804は、移動端末から測定報告を受信する。メジャメントアイデンテティーにより、1個の測定リファレンスコンポーネントキャリアと1個の測定対象と1個の報告設定を結びつけられていることにより、メジャメントアイデンテティーを含む測定報告を受信したネットワーク側で測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握できるという効果を得ることが出来る。
【0439】
実施の形態5の変形例2により、実施の形態5の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。
【0440】
実施の形態5と比較して、移動端末からネットワーク側への測定報告を行う際に、追加の情報が不要となる。これにより実施の形態5と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【0441】
実施の形態5 変形例3.
実施の形態5の変形例3にて解決する課題は、実施の形態5と同様であるため説明を省略する。
【0442】
本実施の形態5の変形例3での解決策を以下に示す。実施の形態5と異なる部分を記載する。特に記載の無い部分については実施の形態5と同様とする。
【0443】
各下りコンポーネントキャリアにて測定設定を行う。複数の下りコンポーネントキャリアを有する基地局内にて、下りコンポーネントキャリア間でメジャメントアイデンテティーに重複が無いように調整を行う。
【0444】
移動端末は、測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含める。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティ管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0445】
調整主体の具体例を以下9つ開示する。(1)ページングメッセージを通知するキャリア用制御部。(2)キャリアアグリゲーション用、あるいはLTE−Aシステム用の報知情報を通知するキャリア用制御部。(3)PDCCHを用いてスケジューリング結果を該移動端末へ通知するキャリア用制御部。(4)マルチキャリアアンカーにおける下り周波数キャリア用制御部。(5)PCC用制御部。(6)アンカーコンポーネントキャリア用制御部。(7)スペシャルセルにおける下り周波数キャリア用制御部。(8)1つの基地局内に存在する下りコンポーネントキャリア間を調整する新たなブロック。例えば図38のプロトコル処理部3804。(9)上記(1)から(8)の組合せ。
【0446】
調整内容の具体例を以下3つ開示する。(1)下りコンポーネントキャリアにて、新たなメジャメントアイデンテティーが必要となった場合、調整主体にメジャメントアイデンテティー割当を要求する。該要求を受信した調整主体が、複数の下りコンポーネントキャリア間で重複が発生しないようにメジャメントアイデンテティーを割当てる。調整主体が割当結果を該下りコンポーネントキャリアへ通知する。メジャメントアイデンテティーが必要な場合に要求されるために、マージンが不要となり、メジャメントアイデンテティーの総数が少なくなるという効果を得ることができる。(2)調整主体は、予め、複数の下りコンポーネントキャリアに、該下りコンポーネントキャリアにて使用可能なメジャメントアイデンテティーを割当てる。予め割当てられることから制御遅延が少ないという効果を得ることができる。(3)下りコンポーネントキャリアにて使用可能なメジャメントアイデンテティーを静的に決定する。
【0447】
図37に動作の一例を示す。図34と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。本動作例においては、調整主体としては、具体例(8)を用いる。本動作例としては、調整主体を図38のプロトコル処理部3804として記載する。また調整内容としては、具体例(1)を用いる。また、サービング基地局と周辺基地局の状況を図35に示す。また設定DL_CC_1(3301)の受信品質より、周辺基地局_CC_1(3105)の受信品質が良好となり、設定DL_CC_2(3302)の受信品質より、周辺基地局_CC_3(3107)の受信品質が良好になった場合を示す。本実施の形態に係る基地局(例えば図35の基地局3308)の構成例を示すブロック図を図38に示す。
【0448】
ステップST3701にて設定DL_CC_1(3301)用制御部3801は、プロトコル処理部3804へメジャメントアイデンテティー割当要求を通知する。
【0449】
ステップST3702にてプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801からメジャメントアイデンテティー割当要求を受信する。
【0450】
ステップST3703にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、プロトコル処理部3804へメジャメントアイデンテティー割当要求を通知する。
【0451】
ステップST3704にてプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802からメジャメントアイデンテティー割当要求を受信する。
【0452】
ステップST3705にてプロトコル処理部3804は、複数の下りコンポーネントキャリア間、本動作例においては設定DL_CC_1(3301)と設定DL_CC_2(3302)の間でメジャメントアイデンテティーの重複が発生しないように調整を実行する。例えば、調整の結果としてプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801からの要求に対してMeasurementID「1」を、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802からの要求に対してMeasurementID「2」を割当てたとする。
【0453】
ステップST3706にてプロトコル処理部3804は、メジャメントアイデンテティー割当要求を行った各下りコンポーネントキャリア用制御部へメジャメントアイデンテティーの割当を行う。本動作例ではプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801へMeasurementID「1」の割当を通知し、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802へMeasurementID「2」の割当を通知する。
【0454】
ステップST3709にて設定DL_CC_1(3301)用制御部3801は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、報告設定として、イベントA3の閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティーとして、MeasurementID「1」が含まれる。MeasurementID「1」にて、測定対象f1_DLとイベントA3の報告設定が結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3303(f1_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア1(設定DL_CC_1)3301を用いて通知してもよい。
【0455】
ステップST3710にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、報告設定として、イベントA3−bisの閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティとして、MeasurementID「2」が含まれる。MeasurementID「2」にて、測定対象f3_DLとイベントA3−bisの報告設定を結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3304(f2_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア2(設定DL_CC_2)3302を用いて通知してもよい。
【0456】
ステップST3711にて移動端末は、ステップST3402、ステップST3404にて受信した測定設定に応じて測定を行う。測定リファレンスコンポーネントキャリアは、測定設定を行った下りコンポーネントキャリアとすれば良い。各下りコンポーネントキャリアにて測定設定を行うことから、本方法を実施することが可能となる。測定設定に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、測定設定に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。一方、測定リファレンスコンポーネントキャリアとして、実施の形態5の測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例を用いることも可能である。
【0457】
ステップST3712にて移動端末は、基地局3308に対して、設定UL_CC_2(3306)を用いて、イベントA3、及びイベントA3−bisが発生したとの測定報告を行う。該測定報告は、設定UL_CC_2(3306)用制御部3803を通じて、プロトコル処理部3804へ通知される。イベントA3の測定報告には、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_1(3105)のPCIなどが含まれる。イベントA3−bisの測定報告には、MeasurementID「2」、周辺基地局_CC_3(3107)のPCIなどが含まれる。測定報告に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【0458】
ステップST3713にてプロトコル処理部3804は、移動端末から測定報告を受信する。複数の下りコンポーネントキャリア間でメジャメントアイデンテティーに重複がないため、メジャメントアイデンテティーを含む測定報告を受信したネットワーク側で測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握できるという効果を得ることが出来る。
【0459】
実施の形態5の変形例3により、実施の形態5の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。
【0460】
実施の形態5と比較して、ネットワーク側から移動端末への測定設定を行う際、及び移動端末からネットワーク側への測定報告を行う際に、追加の情報が不要となる。これにより実施の形態5と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【符号の説明】
【0461】
1501〜1507 コンポーネント、f1〜f10 コンポーネントキャリア周波数。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の移動端末と基地局との間で無線通信を実施する移動体通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
第3世代と呼ばれる通信方式のうち、W−CDMA(Wideband Code division Multiple Access)方式が2001年から日本で商用サービスが開始されている。また、下りリンク(個別データチャネル、個別制御チャネル)にパケット伝送用のチャネル(HS-DSCH: High Speed-Downlink Shared Channel)を追加することにより、下りリンクを用いたデータ送信の更なる高速化を実現するHSDPA(High Speed Down Link Packet Access)のサービスが開始されている。さらに、上り方向のデータ送信をさらに高速化するためHSUPA(High Speed Up Link Packet Access)方式についてもサービスが開始されている。W−CDMAは、移動体通信システムの規格化団体である3GPP(3rd Generation Partnership Project)により定められた通信方式であり、リリース8版の規格書がとりまとめられている。
【0003】
また、3GPPにおいて、W−CDMAとは別の通信方式として、無線区間については「ロングタームエボリューション」(Long Term Evolution LTE)、コアネットワーク(単にネットワークとも称する)を含めたシステム全体構成については「システムアーキテクチャエボリューション」(System Architecture Evolution SAE)と称される新たな通信方式が検討されている。LTEでは、アクセス方式、無線のチャネル構成やプロトコルが、現在のW−CDMA(HSDPA/HSUPA)とは全く異なるものになる。たとえば、アクセス方式は、W−CDMAが符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)を用いているのに対して、LTEは下り方向はOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing )、上り方向はSC−FDMA(Single Career Frequency Division Multiple Access)を用いる。また、帯域幅は、W−CDMAが5MHzであるのに対し、LTEでは1.4/3/5/10/15/20MHzの中で基地局ごとに選択可能となっている。また、LTEでは、W−CDMAのように回線交換を含まず、パケット通信方式のみになる。
【0004】
LTEはW−CDMAのコアネットワーク(GPRS)とは異なる新たなコアネットワークを用いて通信システムが構成されるため、W−CDMA網とは別の独立した無線アクセス網として定義される。したがって、W−CDMAの通信システムと区別するため、LTEの通信システムでは、移動端末(UE: User Equipment)と通信を行う基地局(Base station)はeNB(E-UTRAN NodeB)、複数の基地局と制御データやユーザデータのやり取りを行う基地局制御装置(Radio Network Controller)はEPC(Evolved Packet Core)(aGW:Access Gatewayと称されることもある)と称される。このLTEの通信システムでは、ユニキャスト(Unicast)サービスとE-MBMSサービス(Evolved Multimedia Broadcast Multicast Service)が提供される。E−MBMSサービスとは、放送型マルチメディアサービスであり、単にMBMSと称される場合もある。複数の移動端末に対してニュースや天気予報や、モバイル放送など大容量放送コンテンツが送信される。これを1対多(Point to Multipoint)サービスともいう。
【0005】
3GPPでの、LTEシステムにおける全体的なアーキテクチャ(Architecture)に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。全体的なアーキテクチャ(非特許文献1 4章)について図1を用いて説明する。図1は、LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。図1において、移動端末101に対する制御プロトコル(例えばRRC(Radio Resource Management))とユーザプレイン(例えばPDCP: Packet Data Convergence Protocol、RLC: Radio Link Control、MAC: Medium Access Control、PHY: Physical layer)が基地局102で終端するなら、E−UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)は1つあるいは複数の基地局102によって構成される。
【0006】
基地局102は、MME103(Mobility Management Entity)から通知されるページング信号(Paging Signaling、ページングメッセージ(paging messages)とも称される)のスケジューリング(Scheduling)及び送信を行う。基地局102はX2インタフェースにより、お互いに接続される。また基地局102は、S1インタフェースによりEPC(Evolved Packet Core)に接続される、より明確にはS1_MMEインタフェースによりMME103(Mobility Management Entity)に接続され、S1_UインタフェースによりS−GW104(Serving Gateway)に接続される。MME103は、複数あるいは単数の基地局102へのページング信号の分配を行う。また、MME103は待受け状態(Idle State)のモビリティ制御(Mobility control)を行う。MME103は移動端末が待ち受け状態及び、アクティブ状態(Active State)の際に、トラッキングエリア(Tracking Area)リストの管理を行う。S−GW104はひとつまたは複数の基地局102とユーザデータの送受信を行う。S−GW104は基地局間のハンドオーバの際、ローカルな移動性のアンカーポイント(Mobility Anchor Point)となる。更にP−GW(PDN Gateway)が存在し、ユーザ毎のパケットフィルタリングやUE−IDアドレスの割当などを行う。
【0007】
移動端末101と基地局102間の制御プロトコルRRCは、報知(Broadcast)、ページング(paging)、RRC接続マネージメント(RRC connection management)などを行う。
【0008】
RRCにおける基地局と移動端末の状態として、RRC_Idle、RRC_CONNECTEDがある。
【0009】
RRC_IDLEでは、PLMN(Public Land Mobile Network)選択、システム情報(System information、SI)の報知、ページング(paging)、セル再選択(cell re-selection)、モビリティ等が行われる。
【0010】
RRC_CONNECTEDでは、UEはRRC接続(connection)を有し、ネットワークとのデータの送受信を行うことができ、また、ハンドオーバ(Handover、HO)、隣接セル(Neighbour cell)のメジャメント等が行われる。
【0011】
3GPPでの、LTEシステムにおけるフレーム構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1(5章)に記載されている。図2を用いて説明する。図2はLTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。図2において、1つの無線フレーム(Radio frame)は10msである。無線フレームは10個の等しい大きさのサブフレーム(Sub-frame)に分割される。サブフレームは、2個の等しい大きさのスロット(slot)に分割される。無線フレーム毎に1番目と6番目のサブフレームに下り同期信号(Downlink Synchronization Signal: SS)が含まれる。同期信号には第一同期信号(Primary Synchronization Signal: P-SS)と第二同期信号(Secondary Synchronization Signal: S-SS)がある。サブフレーム単位にてMBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)用とMBSFN以外のチャネルの多重が行われる。以降、MBSFN送信用のサブフレームをMBSFNサブフレーム(MBSFN sub-frame)と称する。非特許文献2に、MBSFNサブフレームの割り当て時のシグナリング例が記載されている。図3は、MBSFNフレームの構成を示す説明図である。図3において、MBSFNフレーム(MBSFN frame)毎にMBSFNサブフレームが割り当てられる。MBSFNフレームの集合(MBSFN frame Cluster)がスケジュールされる。MBSFNフレームの集合の繰り返し周期(Repetition Period)が割り当てられる。
【0012】
3GPPでの、LTEシステムにおけるチャネル構成に関する現在の決定事項が、非特許文献1に記載されている。CSG(Closed Subscriber Group cell)セルにおいてもnon−CSGセルと同じチャネル構成が用いられると想定されている。物理チャネル(Physical channel)について(非特許文献1 5章)図4を用いて説明する。図4は、LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。図4において、物理報知チャネル401(Physical Broadcast channel: PBCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。BCHトランスポートブロック(transport block)は40ms間隔中の4個のサブフレームにマッピングされる。40msタイミングの明白なシグナリングはない。物理制御チャネルフォーマットインジケータチャネル402(Physical Control format indicator channel: PCFICH)は基地局102から移動端末101へ送信される。PCFICHは、PDCCHsのために用いるOFDMシンボルの数について基地局102から移動端末101へ通知する。PCFICHはサブフレーム毎に送信される。物理下り制御チャネル403(Physical downlink control channel: PDCCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDCCHは、リソース割り当て(allocation)、DL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである下り共有チャネル)に関するHARQ情報、PCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つであるページングチャネル)を通知する。PDCCHは、上りスケジューリンググラント(Uplink Scheduling Grant)を運ぶ。PDCCHは、上り送信に対する応答信号であるACK/Nackを運ぶ。PDCCHはL1/L2制御信号とも呼ばれる。物理下り共有チャネル404(Physical downlink shared channel: PDSCH)は、基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PDSCHはトランスポートチャネルであるDL-SCH(下り共有チャネル)やトランスポートチャネルであるPCHがマッピングされている。物理マルチキャストチャネル405(Physical multicast channel: PMCH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PMCHはトランスポートチャネルであるMCH(マルチキャストチャネル)がマッピングされている。
【0013】
物理上り制御チャネル406(Physical Uplink control channel: PUCCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUCCHは下り送信に対する応答信号(response)であるACK/Nackを運ぶ。PUCCHはCQI(Channel Quality indicator)レポートを運ぶ。CQIとは受信したデータの品質、もしくは通信路品質を示す品質情報である。またPUCCHは、スケジューリングリクエスト(Scheduling Request: SR)を運ぶ。物理上り共有チャネル407(Physical Uplink shared channel: PUSCH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PUSCHはUL−SCH(図5に示されるトランスポートチャネルの1つである上り共有チャネル)がマッピングされている。物理HARQインジケータチャネル408(Physical Hybrid ARQ indicator channel: PHICH)は基地局102から移動端末101へ送信される下りチャネルである。PHICHは上り送信に対する応答であるACK/Nackを運ぶ。物理ランダムアクセスチャネル409(Physical random access channel: PRACH)は移動端末101から基地局102へ送信される上りチャネルである。PRACHはランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を運ぶ。
【0014】
下りリファレンスシグナル(Reference signal)は、移動体通信システムとして既知のシンボルが、毎スロットの最初、3番目、最後のOFDMシンボルに挿入される。移動端末の物理レイヤの測定として、リファレンスシンボルの受信電力(Reference symbol received power:RSRP)がある。
【0015】
トランスポートチャネル(Transport channel)について(非特許文献1 5章)図5を用いて説明する。図5は、LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。図5Aには下りトランスポートチャネルと下り物理チャネル間のマッピングを示す。図5Bには上りトランスポートチャネルと上り物理チャネル間のマッピングを示す。下りトランスポートチャネルについて報知チャネル(Broadcast channel: BCH)はその基地局(セル)全体に報知される。BCHは物理報知チャネル(PBCH)にマッピングされる。下り共有チャネル(Downlink Shared channel: DL-SCH)には、HARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。基地局(セル)全体への報知が可能である。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。準静的なリソース割り当ては,パーシステントスケジューリング(Persistent Scheduling)とも言われる。移動端末の低消費電力化のために移動端末のDRX(Discontinuous reception)をサポートする。DL−SCHは物理下り共有チャネル(PDSCH)へマッピングされる。ページングチャネル(Paging channel: PCH)は移動端末の低消費電力を可能とするために移動端末のDRXをサポートする。基地局(セル)全体への報知が要求される。動的にトラフィックに利用できる物理下り共有チャネル(PDSCH)のような物理リソース、あるいは他の制御チャネルの物理下り制御チャネル(PDCCH)のような物理リソースへマッピングされる。マルチキャストチャネル(Multicast channel: MCH)は基地局(セル)全体への報知に使用される。マルチセル送信におけるMBMSサービス(MTCHとMCCH)のSFN合成をサポートする。準静的なリソース割り当てをサポートする。MCHはPMCHへマッピングされる。
【0016】
上り共有チャネル(Uplink Shared channel: UL-SCH)にはHARQ(Hybrid ARQ)による再送制御が適用される。ダイナミックあるいは準静的(Semi-static)なリソース割り当てをサポートする。UL−SCHは物理上り共有チャネル(PUSCH)へマッピングされる。図5Bに示されるランダムアクセスチャネル(Random access channel: RACH)は制御情報に限られている。衝突のリスクがある。RACHは物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)へマッピングされる。HARQについて説明する。
【0017】
HARQとは自動再送(Automatic Repeat reQuest)と誤り訂正(Forward Error Correction)との組み合わせにより伝送路の通信品質を向上させる技術である。通信品質が変化する伝送路に対しても再送により誤り訂正が有効に機能するという利点がある。特に再送にあたって初送の受信結果と再送の受信結果の合成をすることで更なる品質向上を得ることも可能である。再送の方法の一例を説明する。受信側にて受信データが正しくデコード出来なかった場合(CRC Cyclic Redundancy Check エラーが発生した場合(CRC=NG))、受信側から送信側へ「Nack」を送信する。「Nack」を受信した送信側はデータを再送する。受信側にて受信データが正しくデコードできた場合(CRCエラーが発生しない場合(CRC=OK))、受信側から送信側へ「Ack」を送信する。「Ack」を受信した送信側は次のデータを送信する。HARQ方式の一例として「チェースコンバイニング」(Chase Combining)がある。チェースコンバイニングとは初送と再送に同じデータ系列を送信するもので、再送において初送のデータ系列と再送のデータ系列の合成を行うことで利得を向上させる方式である。これは初送データに誤りがあったとしても部分的に正確なものも含まれており、正確な部分の初送データと再送データとを合成することでより高精度にデータを送信できるという考え方に基づいている。また、HARQ方式の別の例としてIR(Incremental Redundancy)がある。IRとは冗長度を増加させるものであり、再送においてパリティビットを送信することで初送と組み合わせて冗長度を増加させ、誤り訂正機能により品質を向上させるものである。
【0018】
論理チャネル(Logical channel)について(非特許文献1 6章)図6を用いて説明する。図6は、LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。図6Aには下りロジカルチャネルと下りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。図6Bには上りロジカルチャネルと上りトランスポートチャネル間のマッピングを示す。報知制御チャネル(Broadcast control channel: BCCH)は報知システム制御情報のための下りチャネルである。論理チャネルであるBCCHはトランスポートチャネルである報知チャネル(BCH)、あるいは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。ページング制御チャネル(Paging control channel: PCCH)はページング信号を送信するための下りチャネルである。PCCHは移動端末のセルロケーションをネットワークが知らない場合に用いられる。論理チャネルであるPCCHはトランスポートチャネルであるページングチャネル(PCH)へマッピングされる。共有制御チャネル(Common control channel: CCCH)は移動端末と基地局間の送信制御情報のためのチャネルである。CCCHは移動端末がネットワークとの間でRRC接続(connection)を持っていない場合に用いられる。下り方法では、CCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL−SCH)へマッピングされる。上り方向では、CCCHはトランスポートチャネルである上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされる。
【0019】
マルチキャスト制御チャネル(Multicast control channel: MCCH)は1対多の送信のための下りチャネルである。ネットワークから移動端末への1つあるいはいくつかのMTCH用のMBMS制御情報の送信のために用いられるチャネルである。MCCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MCCHはトランスポートチャネルである下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。個別制御チャネル(Dedicated control channel: DCCH)は移動端末とネットワーク間の個別制御情報を送信するチャネルである。DCCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)にマッピングされる。個別トラフィックチャネル(Dedicate Traffic channel: DTCH)はユーザ情報の送信のための個別移動端末への1対1通信のチャネルである。DTCHは上り・下りともに存在する。DTCHは上りでは上り共有チャネル(UL-SCH)へマッピングされ、下りでは下り共有チャネル(DL-SCH)へマッピングされる。マルチキャストトラフィックチャネル(Multicast Traffic channel: MTCH)はネットワークから移動端末へのトラフィックデータ送信のための下りチャネルである。MTCHはMBMS受信中の移動端末のみに用いられるチャネルである。MTCHは下り共有チャネル(DL-SCH)あるいはマルチキャストチャネル(MCH)へマッピングされる。
【0020】
GCIとは、グローバルセル識別子(Global Cell Identity)のことである。LTE及びUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においてCSGセル(Closed Subscriber Group cell)が導入される。CSGについて以下説明する(非特許文献4 3.1章)。CSG(Closed Subscriber Group)とは、利用可能な加入者をオペレータが特定しているセルである(特定加入者用セル)。特定された加入者は、PLMN(Public Land Mobile Network)のひとつ以上のE-UTRANセルにアクセスすることが許可される。特定された加入者がアクセスを許可されている1つ以上のE−UTRANセルを“CSG cell(s)”とよぶ。ただし、PLMNにはアクセス制限がある。CSGセルとは、固有のCSGアイデンティティ(CSG identity: CSG ID,CSG-ID)を報知するPLMNの一部である。あらかじめ利用登録し、許可された加入者グループのメンバーは、アクセス許可情報であるところのCSG−IDを用いてCSGセルにアクセスする。
【0021】
CSG−IDはCSGセルかセルによって報知される。移動体通信システムにCSG−IDは複数存在する。そして、CSG−IDは、CSG関連のメンバーのアクセスを容易にするために移動端末(UE)によって使用される。CSGセルあるいはセルによって報知される情報をCSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code TAC)にすることが3GPP会合において議論されている。移動端末の位置追跡は、1つ以上のセルからなる区域を単位に行われる。位置追跡は、待受け状態であっても移動端末の位置を追跡し、呼び出す(移動端末が着呼する)ことを可能にするためである。この移動端末の位置追跡のための区域をトラッキングエリアとよぶ。CSGホワイトリスト(CSG White List)とは、加入者が属するCSGセルのすべてのCSG IDが記録されている、USIMに格納されたリストである。移動端末内のホワイトリストは上位レイヤによって与えられる。これによりCSGセルの基地局は移動端末に無線リソースの割り当てを行う。
【0022】
「適切なセル」(Suitable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)。「適切なセル」(Suitable cell)とは、UEが通常(normal)サービスを受けるためにキャンプオン(Camp ON)するセルである。そのようなセルは、(1)セルは選択されたPLMNか登録されたPLMN、または「Equivalent PLMNリスト」のPLMNの一部であること、(2)NAS(non-access stratum)によって提供された最新情報にてさらに以下の条件を満たすこと、(a)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(b)そのセルが“ローミングのための禁止されたLAs”リストの一部ではなく、少なくとも1つのトラッキングエリア(Tracking Area:TA)の一部であること。その場合、そのセルは上記(1)を満たす必要がある、(c)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること、(d)そのセルが、CSGセルとしてシステム情報(System Information: SI)によって特定されたセルに関しては、CSG−IDはUEの「CSGホワイトリスト」(CSG WhiteList)の一部であること(UEのCSG WhiteList中に含まれること)。
【0023】
「アクセプタブルセル」(Acceptable cell)について以下説明する(非特許文献4 4.3章)これは、UEが限られたサービス(緊急通報)を受けるためにキャンプオンするセルである。そのようなセルは以下のすべての要件を充足するものとする。つまり、E−UTRANネットワークで緊急通報を開始するための最小のセットの要件を以下に示す。(1)そのセルが禁じられた(barred)セルでないこと。(2)そのセルが、セル選択評価基準を満たしていること。
【0024】
セルにキャンプオン(camp on)するとは、UEがセル選択/再選択(cell selection/reselection)処理を完了し、UEがシステム情報とページング情報をモニタするセルを選択した状態である。
【0025】
3GPPにおいて、Home−NodeB(Home-NB、HNB)、Home−eNodeB(Home-eNB、HeNB)と称される基地局が検討されている。HNB/HeNBはUTRAN/E−UTRANにおける、例えば家庭、法人、商業用のアクセスサービス向けの基地局である。非特許文献6にHeNB及びHNBへのアクセスの3つの異なるモードが開示されている。オープンアクセスモード(Open access mode)とクローズドアクセスモード(Closed access mode)とハイブリッドアクセスモード(Hybrid access mode)である。各々のモードは以下のような特徴を有する。オープンアクセスモードでは、HeNBやHNBは通常のオペレータのノーマルセルとして操作される。クローズドアクセスモードでは、HeNBやHNBがCSGセルとして操作される。これはCSGメンバーのみアクセス可能なCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードでは、非CSGメンバーも同時にアクセス許可されているCSGセルである。ハイブリッドアクセスモードのセルは、言い換えれば、オープンアクセスモードとクローズドアクセスモードの両方をサポートするセルである。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0026】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.6.0 4章、5章、6章
【非特許文献2】3GPP R1−072963
【非特許文献3】TR R3.020 V0.6.0
【非特許文献4】3GPP TS36.304 V8.4.0 3.1章、4.3章、5.2.4.2章、5.2.4.3章、5.2.4.6章、7.1章、7.2章
【非特許文献5】3GPP R2−082899
【非特許文献6】3GPP S1−083461
【非特許文献7】TR 36.814 V1.0.0 5章
【非特許文献8】3GPP R1−090860
【非特許文献9】3GPP TS36.331 V8.5.0 6.2.2章、6.3.2章
【非特許文献10】3GPP R2−093104
【非特許文献11】3GPP R2−092180
【非特許文献12】3GPP R2−093204
【非特許文献13】TS36.321 V8.5.0
【非特許文献14】R2−100812
【非特許文献15】TS36.331 V9.1.0
【非特許文献16】TR36.912 V9.1.0
【非特許文献17】R2−101423
【非特許文献18】R2−100531
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
ロングタームエボリューション アドヴァンスド(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)システムでは、LTEシステムの周波数帯域幅より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。通信速度向上のためである。現在の3GPPではLTE-Aシステムの周波数帯域幅は100MHz以下となることが議論されている。
【0028】
各地域の周波数利用状況は様々である。よって周波数帯域幅を連続して100MHz確保出来ない地域も考えられる。また、LTE−AシステムにおいてLTE対応移動端末の互換動作が考えられている。これにともない、現在の3GPPでは周波数帯域(キャリア)をコンポーネントキャリア(部分キャリア)と呼ばれる単位に分けることが考えられている。現在の3GPPでは、本コンポーネントキャリア上においてLTE対応移動端末は動作可能とする方向である。また、LTE−Aシステムとしての通信速度向上は、コンポーネントキャリアをアグリゲーションして(集めて)作成した集合キャリアを使用することにより実現しようと考えられている。
【0029】
本発明の目的は、集合キャリアに対応させて通信速度向上を実現しつつ、効率的に通信制御を行うことが可能な移動体通信システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0030】
本発明は、複数の部分キャリアを個別に使用するか又は前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアを使用して、前記部分キャリアに対応した移動端末又は前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する移動体通信システムであって、前記集合キャリアを使用して前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する場合、前記集合キャリアを構成する前記複数の部分キャリア毎に、トランスポートチャネルを分割して生成された複数のトランスポートブロックをそれぞれ送信し、前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、前記複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信することを特徴とする移動体通信システムである。
【発明の効果】
【0031】
本発明に従えば、集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信するので、効率的に通信制御を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。LTE方式の通信システムの構成を示す説明図である。
【図2】LTE方式の通信システムで使用される無線フレームの構成を示す説明図である。
【図3】MBSFN(Multimedia Broadcast multicast service Single Frequency Network)フレームの構成を示す説明図である。
【図4】LTE方式の通信システムで使用される物理チャネルを説明する説明図である。
【図5】LTE方式の通信システムで使用されるトランスポートチャネルを説明する説明図である。
【図6】LTE方式の通信システムで使用される論理チャネルを説明する説明図である。
【図7】現在3GPPで議論されている移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。
【図8】本発明に係る移動端末311の構成を示すブロック図である。
【図9】本発明に係る基地局312の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明に係るMMEの構成を示すブロック図である。
【図11】本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。
【図12】LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチの概略を示すフローチャートである。
【図13】現在3GPPで議論されているキャリアアグリゲーションのための下りレイヤ2構造を示す図である。
【図14】現在3GPPで議論されているキャリアアグリゲーションのための上りレイヤ2構造を示す図である。
【図15】実施の形態1の第三の解決策における、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の第一の具体例を説明する図である。
【図16】実施の形態1の第三の解決策における、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の第二の具体例を説明する図である。
【図17】実施の形態1の第三の解決策における、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の第三の具体例を説明する図である。
【図18】実施の形態1の第三の解決策における、コンポーネント識別子の番号付けの具体例を説明する図である。
【図19】実施の形態1の第三の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図20】実施の形態2の第三の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図21】実施の形態2の変形例1で開示するキャリアアグリゲーションのための下りレイヤ2構造を示す図である。
【図22】実施の形態2の変形例1で開示するキャリアアグリゲーションのための上りレイヤ2構造を示す図である。
【図23】実施の形態3の第二の解決策におけるスケジューリングコンポーネントを示す情報の第一の具体例を説明する図である。
【図24】実施の形態3の第二の解決策におけるスケジューリングコンポーネントを示す情報の第二の具体例を説明する図である。
【図25】実施の形態3の第二の解決策におけるスケジューリングコンポーネントを示す情報の第三の具体例を説明する図である。
【図26】実施の形態3の第二の解決策におけるコンポーネントスケジューリングブロックで行われるコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの概念図である。
【図27】実施の形態3の第二の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図28】実施の形態4の解決策を示す概念図である。
【図29】実施の形態4の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図30】実施の形態4の変形例1の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図31】現在3GPPで議論されている設定されたコンポーネントキャリアと同じ周波数上の測定対象を比較する場合の概念図である。
【図32】現在3GPPで議論されている設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上のコンポーネントキャリアを比較する場合の概念図である。
【図33】実施の形態5で解決する課題を説明する概念図である。
【図34】実施の形態5の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図35】実施の形態5の解決策におけるサービング基地局と周辺基地局の状況を示す概念図である。
【図36】実施の形態5の変形例2の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図37】実施の形態5の変形例3の解決策における移動体通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図38】実施の形態5の解決策における基地局3308の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
実施の形態1.
図7は、現在3GPPにおいて議論されているLTE方式の移動体通信システムの全体的な構成を示すブロック図である。現在3GPPにおいては、CSG(Closed Subscriber Group)セル(e-UTRANのHome-eNodeB(Home-eNB,HeNB),UTRANのHome-NB(HNB))とnon-CSGセル(e-UTRANのeNodeB(eNB)、UTRANのNodeB(NB)、GERANのBSS)とを含めたシステムの全体的な構成が検討されており、e−UTRANについては、図7の(a)や(b)のような構成が提案されている(非特許文献1、非特許文献3)。図7(a)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。
【0034】
eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。Home−eNB72−2はMME73とインタフェースS1により接続され、Home−eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのMMEに対して複数のHome−eNBが接続される。
【0035】
次に、図7(b)について説明する。移動端末(UE)71は基地局72と送受信を行う。基地局72はeNB(non-CSGセル)72−1と、Home−eNB(CSGセル)72−2とに分類される。図7(a)と同じように、eNB72−1はMME73とインタフェースS1により接続され、eNBとMMEとの間で制御情報が通信される。ひとつのeNBに対して複数のMMEが接続される。一方、Home−eNB72−2はHeNBGW(Home-eNB GateWay)74を介してMME73と接続される。Home−eNBとHeGWはインタフェースS1により接続され、HeNBGW74とMME73はインタフェースS1_flexを介して接続される。ひとつまたは複数のHome−eNB72−2がひとつのHeNBGW74と接続され、S1を通して情報が通信される。HeNBGW74はひとつまたは複数のMME73と接続され、S1_flexを通して情報が通信される。
【0036】
図7(b)の構成を用いて、ひとつのHeNBGW74を、同じCSG−IDに属するHome−eNBと接続することによって、例えばレジストレーション情報など、同じ情報をMME73から同じCSG−IDに属する複数のHome−eNB72−2に送信する場合、一旦HeNBGW74へ送信し、そこから複数のHome−eNB72−2へ送信することで、複数のHome−eNB72−2に対してそれぞれ直接に送信するよりもシグナリング効率を高められる。一方、各Home−eNB72−2がそれぞれ個別の情報をMME73と通信する場合は、HeNBGW74を介すがそこで情報を加工することなく通過(透過)させるだけにしておくことで、Home−eNB72−2とMME73があたかも直接接続されているように通信することも可能となる。
【0037】
図8は、本発明に係る移動端末(図7の端末71)の構成を示すブロック図である。図8に示す移動端末の送信処理を説明する。まず、プロトコル処理部801からの制御データ、アプリケーション部802からのユーザデータが送信データバッファ部803へ保存される。送信データバッファ部803に保存されたデータはエンコーダー部804へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部803から変調部805へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコーダー部804でエンコード処理されたデータは変調部805にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部806へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ807から基地局312に送信信号が送信される。また、移動端末311の受信処理は以下のとおり実行される。基地局312からの無線信号がアンテナ807により受信される。受信信号は、周波数変換部806にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部808において復調処理が行われる。復調後のデータはデコーダー部809へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部801へ渡され、ユーザデータはアプリケーション部802へ渡される。移動端末の一連の処理は制御部810によって制御される。よって制御部810は、図面では省略しているが、各部(801〜809)と接続している。
【0038】
図9は、本発明に係る基地局(図7の基地局72)の構成を示すブロック図である。図9に示す基地局の送信処理を説明する。EPC通信部901は、基地局72とEPC(MME73,HeNBGW74など)間のデータの送受信を行う。他基地局通信部902は、他の基地局との間のデータの送受信を行う。EPC通信部901、他基地局通信部902はそれぞれプロトコル処理部903と情報の受け渡しを行う。プロトコル処理部903からの制御データ、またEPC通信部901と他基地局通信部902からのユーザデータ及び制御データが送信データバッファ部904へ保存される。送信データバッファ部904に保存されたデータはエンコーダー部905へ渡され、誤り訂正などのエンコード処理が施される。エンコード処理を施さずに送信データバッファ部904から変調部906へ直接出力されるデータが存在しても良い。エンコードされたデータは変調部906にて変調処理が行われる。変調されたデータはベースバンド信号に変換された後、周波数変換部907へ出力され、無線送信周波数に変換される。その後、アンテナ908より一つもしくは複数の移動端末71に対して送信信号が送信される。また、基地局72の受信処理は以下のとおり実行される。ひとつもしくは複数の移動端末311からの無線信号がアンテナ908により受信される。受信信号は周波数変換部907にて無線受信周波数からベースバンド信号に変換され、復調部909で復調処理が行われる。復調されたデータはデコーダー部910へ渡され、誤り訂正などのデコード処理が行われる。デコードされたデータのうち、制御データはプロトコル処理部903あるいはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡され、ユーザデータはEPC通信部901、他基地局通信部902へ渡される。基地局72の一連の処理は制御部911によって制御される。よって制御部911は図面では省略しているが各部(901〜910)と接続している。
【0039】
図10は、本発明に係るMME(Mobility Management Entity)の構成を示すブロック図である。PDN GW通信部1001はMME73とPDN GW間のデータの送受信を行う。基地局通信部1002はMME73と基地局72間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。PDN GWから受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータはPDN GW通信部1001からユーザプレイン処理部1003経由で基地局通信部1002に渡され、1つあるいは複数の基地局72へ送信される。基地局72から受信したデータがユーザデータであった場合、ユーザデータは基地局通信部1002からユーザプレイン処理部1003経由でPDN GW通信部1001に渡され、PDN GWへ送信される。
【0040】
PDN GWから受信したデータが制御データであった場合、制御データはPDN GW通信部1001から制御プレイン制御部1005へ渡される。基地局72から受信したデータが制御データであった場合、制御データは基地局通信部1002から制御プレイン制御部1005へ渡される。HeNBGW通信部1004は、HeNBGW74が存在する場合に設けられ、情報種別によって、MME73とHeNBGW74間のインタフェース(IF)によるデータの送受信を行う。HeNBGW通信部1004から受信した制御データはHeNBGW通信部1004から制御プレイン制御部1005へ渡される。制御プレイン制御部1005での処理の結果は、PDN GW通信部1001経由でPDN GWへ送信される。また、制御プレイン制御部1005で処理された結果は、基地局通信部1002経由でS1インタフェースにより1つあるいは複数の基地局72へ送信され、またHeNBGW通信部1004経由で1つあるいは複数のHeNBGW74へ送信される。
【0041】
制御プレイン制御部1005には、NASセキュリティ部1005−1、SAEベアラコントロール部1005−2、アイドルステート(Idle State)モビリティ管理部1005―3などが含まれ、制御プレインに対する処理全般を行う。NASセキュリティ部1005―1はNAS(Non-Access Stratum)メッセージのセキュリティなどを行う。SAEベアラコントロール部1005―2はSAE(System Architecture Evolution)のベアラの管理などを行う。アイドルステートモビリティ管理部1005―3は、待受け(LTE‐IDLE状態、単にアイドルとも称される)状態のモビリティ管理、待受け状態時のページング信号の生成及び制御、傘下の1つあるいは複数の移動端末71のトラッキングエリア(TA)の追加、削除、更新、検索、トラッキングエリアリスト(TA List)管理などを行う。MMEはUEが登録されている(registered)追跡領域(トラッキングエリア:tracking Area: TA)に属するセルへページングメッセージを送信することで、ページングプロトコルに着手する。MMEに接続されるHome−eNB72−2のCSGの管理やCSG−IDの管理、そしてホワイトリスト管理を、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行っても良い。CSG−IDの管理では、CSG−IDに対応する移動端末とCSGセルの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、あるCSG−IDにユーザアクセス登録された一つまたは複数の移動端末と該CSG−IDに属するCSGセルの関係であっても良い。ホワイトリスト管理では、移動端末とCSG−IDの関係が管理(追加、削除、更新、検索)される。例えば、ホワイトリストには、ある移動端末がユーザ登録した一つまたは複数のCSG−IDが記憶されても良い。これらのCSGに関する管理はMME73の中の他の部分で行われても良いが、アイドルステートモビリティ管理部1005―3で行うことで、現在3GPP会合で議論されている、CSG−IDの代わりにトラッキングエリアコード(Tracking Area Code)を用いる方法が効率よく行える。MME313の一連の処理は制御部1006によって制御される。よって制御部1006は図面では省略しているが各部(1001〜1005)と接続している。
【0042】
図11は、本発明に係るHeNBGWの構成を示すブロック図である。EPC通信部1101はHeNBGW74とMME73間をS1_flexインタフェースによるデータの送受信を行う。基地局通信部1102はHeNBGW74とHome−eNB72−2間をS1インタフェースによるデータの送受信を行う。ロケーション処理部1103は、EPC通信部1101経由で渡されたMME73からのデータのうちレジストレーション情報など、複数のHome−eNBに送信する処理を行う。ロケーション処理部1103で処理されたデータは、基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。ロケーション処理部1103での処理を必要とせず通過(透過)させるだけのデータは、EPC通信部1101から基地局通信部1102に渡され、ひとつまたは複数のHome−eNB72−2にS1インタフェースを介して送信される。HeNBGW74の一連の処理は制御部1104によって制御される。よって制御部1104は図面では省略しているが各部(1101〜1103)と接続している。
【0043】
次に移動体通信システムにおける一般的なセルサーチ方法の一例を示す。図12は、LTE方式の通信システムにおいて移動端末(UE)が行うセルサーチから待ち受け動作までの概略を示すフローチャートである。移動端末にてセルサーチが開始されると、ステップST1201で周辺の基地局から送信される第一同期信号(P−SS)、第二同期信号(S−SS)を用いてスロットタイミング、フレームタイミングの同期をとる。P−SSとS−SSあわせて、同期信号(SS)にはセル毎に割り当てられたPCI(Physical Cell Identity)に1対1対応するシンクロナイゼーションコードが割り当てられている。PCIの数は現在504通りが検討されており、この504通りのPCIを用いて同期をとるとともに、同期がとれたセルのPCIを検出(特定)する。次に同期がとれたセルに対して、ステップST1202で、基地局からセル毎に送信される参照信号RS(Reference Signal)を検出し受信電力の測定を行う。参照信号RSにはPCIと1対1に対応したコードが用いられており、そのコードで相関をとることによって他セルと分離できる。ST1201で特定したPCIから該セルのRS用のコードを導出することによって、RSを検出し、RS受信電力を測定することが可能となる。次にST1203で、ST1202までで検出されたひとつ以上のセルの中から、RSの受信品質が最も良いセル(例えば、RSの受信電力が最も高いセル、つまりベストセル)を選択する。次にST1204でベストセルのPBCHを受信して、報知情報であるBCCHを得る。PBCH上のBCCHには、セル構成情報が含まれるMIB(Master Information Block)がのる。MIBの情報としては、例えば、DL(ダウンリンク)システム帯域幅(送信帯域幅設定(transmission bandwidth configuration:dl-bandwidth)とも呼ばれる)、送信アンテナ数、SFN(System Frame Number)などがある。
【0044】
次に1205で、MIBのセル構成情報をもとに該セルのDL−SCHを受信して、報知情報BCCHの中のSIB(System Information Block)1を得る。SIB1には該セルへのアクセスに関する情報や、セルセレクションに関する情報、他のSIB(SIBk;k≧2の整数)のスケジューリング情報が含まれる。また、SIB1にはTAC(Tracking Area Code)が含まれる。次にST1206で、移動端末は、ST1205で受信したTACと、移動端末が既に保有しているTACと比較する。比較した結果、同じならば、該セルで待ち受け動作に入る。比較して異なる場合は、移動端末は該セルを通してコアネットワーク(Core Network, EPC)(MMEなどが含まれる)へ、TAU(Tracking Area Update)を行うためTAの変更を要求する。コアネットワークは、TAU要求信号とともに移動端末から送られてくる該移動端末の識別番号(UE−IDなど)をもとに、TAの更新を行う。コアネットワークはTAの更新後、移動端末にTAU受領信号を送信する。移動端末は該セルのTACで、移動端末が保有するTAC(あるいはTACリスト)を書き換える(更新する)。その後移動端末は該セルで待ち受け動作に入る。
【0045】
LTEやUMTS(Universal Mobile Telecommunication System)においては、CSG(Closed Subscriber Group)セルの導入が検討されている。前述したように、CSGセルに登録したひとつまたは複数の移動端末のみにアクセスが許される。CSGセルと登録されたひとつまたは複数の移動端末がひとつのCSGを構成する。このように構成されたCSGにはCSG−IDと呼ばれる固有の識別番号が付される。なお、ひとつのCSGには複数のCSGセルがあっても良い。移動端末はどれかひとつのCSGセルに登録すればそのCSGセルが属するCSGの他のCSGセルにはアクセス可能となる。また、LTEでのHome−eNBやUMTSでのHome−NBがCSGセルとして使われることがある。CSGセルに登録した移動端末は、ホワイトリストを有する。具体的にはホワイトリストはSIM/USIMに記憶される。ホワイトリストには、移動端末が登録したCSGセルのCSG情報がのる。CSG情報として具体的には、CSG−ID、TAI(Tracking Area Identity)、TACなどが考えられる。CSG−IDとTACが対応づけられていれば、どちらか一方で良い。また、CSG−IDやTACとGCI(Global Cell Identity)が対応付けられていればGCIでもよい。以上から、ホワイトリストを有しない(本発明においては、ホワイトリストが空(empty)の場合も含める)移動端末は、CSGセルにアクセスすることは不可能であり、non−CSGセルのみにしかアクセスできない。一方、ホワイトリストを有する移動端末は、登録したCSG−IDのCSGセルにも、non−CSGセルにもアクセスすることが可能となる。
【0046】
3GPPでは、全PCI(Physical Cell Identity)を、CSGセル用とnon−CSGセル用とに分割(PCIスプリットと称する)することが議論されている(非特許文献5)。またPCIスプリット情報は、システム情報にて基地局から傘下の移動端末に対して報知されることが議論されている。PCIスプリットを用いた移動端末の基本動作を開示する。PCIスプリット情報を有しない移動端末は、全PCIを用いて(例えば504コード全てを用いて)セルサーチを行う必要がある。対してPCIスプリット情報を有する移動端末は、当該PCIスプリット情報を用いてセルサーチを行うことが可能である。
【0047】
非特許文献7及び非特許文献8に開示されているとおり、3GPPでは、リリース10として「ロングタームエボリューション アドヴァンスド」(Long Term Evolution Advanced:LTE-A)の規格策定が進められている。
【0048】
LTE−AシステムではLTEシステムの周波数帯域幅(transmission bandwidths)より大きい周波数帯域幅をサポートすることが考えられている。
【0049】
そのため、LTE−A対応の移動端末は、同時に1つあるいは複数のコンポーネントキャリア(component carrier:CC)を受信することが考えられている。
【0050】
LTE−A対応の移動端末は、同時に複数のコンポーネントキャリア上の受信と送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみをキャリアアグリゲーション(carrier aggregation)するための能力(capability)を持つことが考えられている。
【0051】
コンポーネントキャリアの構造が現在の3GPP(リリース8)仕様に従えば、LTE対応の移動端末は、単独のコンポーネントキャリア上のみで、受信と送信が可能となる。LTE対応の移動端末は、3GPPリリース8対応の移動端末とも言い換えることができる。つまり、LTE対応の移動端末がLTE−Aシステム上で動作可能とする、互換可能とすることが考えられている。
【0052】
非特許文献8にLTE−Aシステムにおけるシステム情報の報知方法が記載されている。また、キャリアアグリゲーション対応の基地局における、シングルキャリアアンカー(Single carrier anchor)とマルチキャリアアンカー(Multi carrier anchor)について開示されている。
【0053】
シングルキャリアアンカーにおいて、LTE対応の移動端末の受信と送信が可能である。シングルキャリアアンカーにおいて、マルチキャリアアンカーのキャリアを示す情報が通知される。シングルキャリアアンカーにおいては、現在の3GPP(リリース8)のシステム情報(System information:SI)が報知される。
【0054】
一方、マルチキャリアアンカーにおいても、LTE対応の移動端末の受信と送信が可能である。マルチキャリアアンカーにおいても、現在の3GPP(リリース8)のシステム情報(System information:SI)が報知される。マルチキャリアアンカーにおいて、マルチキャリアのシステム情報が報知される。
【0055】
また非特許文献10に、キャリアアグリゲーション対応の基地局(セルであっても良い)において、RRC接続状態(RRC_CONNECTED state、単にRRC_CONNECTEDとも称する)でUEとのデータ送受信が可能な一つまたは複数のコンポーネントキャリアのセットを、キャンディデートコンポーネントキャリアセット(Candidate Component Carrier Set)とすることが提案されている。
【0056】
また、実際のデータ送受信が行われている一つまたは複数のコンポーネントキャリアを、スケジューリングコンポーネントキャリア(Scheduling Component Carrier)とすることも提案されている。
【0057】
また非特許文献11にキャリアアグリゲーションをサポートするうえで、実際のデータ送受信が行われるコンポーネント毎、言い換えればスケジューリングコンポーネント毎に1つのトランスポートブロック(Transport Block)、1つのHARQエンティティが存在することが開示されている。またトランスポートブロックは1つのコンポーネントのみにマッピングされることが開示されている。
【0058】
なおこれ以降、コンポーネントは、コンポーネントキャリアと表記したり、CCと表記したりすることがある。
【0059】
また非特許文献12にてキャリアアグリゲーションのためのレイヤ2構造が開示されている。図13に非特許文献12に開示されている下りレイヤ2構造、図14に非特許文献12に開示されている上りレイヤ2構造を示す。
【0060】
図13にて1301、1302、1303、1304は無線ベアラ(Radio Bearer)を示す。1305、1306、1307、1308はROHC(Robust Header Compression)エンティティを示す。ROHCはヘッダー圧縮を行うアルゴリズムである。1309、1310、1311、1312はセキュリティエンティティを示す。1313はPDCP(Packet Data Convergence. Protocol)レイヤと称される。
【0061】
1314、1315、1316、1317は分割(segment)、再送処理(ARQ)などが行われるエンティティを示す。1318はロジカルチャネルBCCHのエンティティを示す。1319はロジカルチャネルPCCHのエンティティを示す。1320はRLCレイヤと称される。1321、1322、1323、1324はロジカルチャネルを示す。
【0062】
1325はスケジューリング、優先順位の制御が行われるエンティティを示す。1326、1327は移動端末毎のコンポーネント単位の分割を行うエンティティを示す。1328、1329、1330、1331、1332、1333はHARQエンティティを示す。1334、1335、1336、1337、1338、1339、1340、1341はトランスポートチャネルを示す。1342はMACレイヤと称される。
【0063】
図14にて1401、1402は無線ベアラを示す。1403、1404はROHCエンティティを示す。1405、1406はセキュリティエンティティを示す。1407はPDCPレイヤと称される。
【0064】
1408、1409は分割、再送処理などが行われるエンティティを示す。1410はRLCレイヤと称される。1411、1412はロジカルチャネルを示す。
【0065】
1413はスケジューリング、優先順位の制御が行われるエンティティを示す。1414はコンポーネント単位の分割を行うエンティティを示す。1415、1416、1417はHARQエンティティを示す。1418、1419、1420はトランスポートチャネルを示す。1421はMACレイヤと称される。
【0066】
実施の形態1にて解決する課題について説明する。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0067】
制御情報、具体例としてRRCメッセージはRLCレイヤにおいて分割され、ロジカルチャネル、例えばDCCH、あるいはCCCHにマッピングされる。MACレイヤにおいて複数のロジカルチャネルDCCH、CCCHが多重され、トランスポートチャネルDL−SCHにマッピングされる。トランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされる際に、1つあるいは複数のトランスポートブロック(MAC PDU(Protocol data unit)に対応する)に分けられる。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報、例えばRRCメッセージが、複数のコンポーネントにマッピングされ送受信されることとなる。
【0068】
例えば下りRRCメッセージを用いて受信側の処理について説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、トランスポートチャネルDL-SCHの1つのトランスポートブロックを得る。送信側、つまり基地局にてトランスポートチャネルにマッピングされる際に複数のトランスポートブロックに分けられていた場合を考える。移動端末は、1つあるいは複数のコンポーネント上にマッピングされたトランスポートブロックに分けられたデータを処理することにより、1つのトランスポートチャネルを得る。つまり、RRCメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0069】
よって当該トランスポートチャネルにマッピングされるDCCH、あるいはCCCHを用いて通知されるRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であり、移動体通信システムとしてキャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージを用いた制御が不可能という課題が発生する。
【0070】
また、それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0071】
制御情報、具体例としてRRCメッセージはRLCレイヤにおいて分割され、ロジカルチャネル、例えばDCCH、あるいはCCCHにマッピングされる。MACレイヤにおいて複数のロジカルチャネルDCCH、CCCHが多重され、ひとつまたは複数のトランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされる。それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報であるRRCメッセージが複数のコンポーネントにマッピングされたり、また、あるコンポーネント、例えばコンポーネントAに対する制御情報であるRRCメッセージが当該コンポーネント、例えばコンポーネントA以外のコンポーネントにて送信される可能性がある。
【0072】
例えば下りRRCメッセージを用いて受信側の処理について説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、1つのトランスポートチャネルDL-SCHを得て、当該トランスポートチャネルにマッピングされるDCCH、あるいはCCCHを用いて通知されるRRCメッセージを得る。しかし、RRCメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0073】
よって、受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題が発生する。
【0074】
上記課題は、周波数帯域をある単位、LTE−Aシステムではコンポーネントと称される、に分け、それらをアグリゲーションして(集めて)用いる移動体通信システムに特有の課題である。本実施の形態1での解決策を以下に示す。
【0075】
第一の解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としてRRCメッセージの内容を全コンポーネント共通とする。これにより、RRCメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応が無くとも、受信側で受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか判断は可能となる。キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてRRCメッセージを用いた制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0076】
第二の解決策を以下に示す。RRCメッセージ中には全コンポーネント共通とせずに、コンポーネント単位とすれば効率的となる制御情報が存在すると考える。
【0077】
LTEシステムのRRCメッセージを具体例に説明する(非特許文献9 6.3.2章参照)。RRCメッセージの無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントにて送受信を行っている移動端末の数は異なることが考えられるので、各コンポーネントの負荷状況は共通ではないからである。
【0078】
さらに具体例としては、「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPDSCHに関する設定情報、具体例としては「pdsch-configdedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「pdsch-configdedicated」には、リファレンスシグナルの送信パワー情報、具体例としては「referenceSignalPower」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることが考えられる。よって例えば各コンポーネントにてカバレッジエリアをほぼ同じ範囲となるように制御するためには、各コンポーネントのリファレンスシグナルの送信パワーを別個に制御する必要があると考える。
【0079】
また、RRCメッセージの無線リンク失敗に関する設定情報、具体例としては「Radio link failure related action」、または測定に関する設定情報、具体例としては「Measurement」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることから別個に制御すれば効率的であると考えられる。
【0080】
よって第一の解決策を用いた場合、RRCメッセージによる制御がコンポーネント単位と出来ないことから、コンポーネントの負荷に応じた制御が出来ない、あるいはコンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が出来ないという課題が発生する。
【0081】
上記課題を解決するために、第二の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としては1つのRRCメッセージは1つのコンポーネントにて送受信、あるいは複数のRRCメッセージを1つのコンポーネントにて送受信とする。つまり、RRCメッセージが複数のコンポーネントにて分割して送受信されないようにする。
【0082】
または、RRCメッセージがマッピングされるロジカルチャネル、例えばDCCH、CCCHを1つのトランスポートチャネル、例えばDL-SCHにマッピングする。つまり、RRCメッセージがマッピングされるロジカルチャネル、例えばDCCH、CCCHを複数のトランスポートチャネル、例えばDL-SCHに分割しない。
【0083】
または、RRCメッセージがマッピングされるロジカルチャネル、例えばDCCH、CCCHを1つのトランスポートブロックにのせる。つまり、RRCメッセージを複数のトランスポートブロックに分割しない、1つのトランスポートチャネル、例えばDL−SCHにマッピングする。
【0084】
また、送信側にて送信するRRCメッセージを、当該RRCメッセージが制御するコンポーネントにマッピングする。
【0085】
また、受信側にて受信したRRCメッセージは、受信したコンポーネントに関する制御情報とする。
【0086】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとRRCメッセージの対応付けが可能となり、具体的にはRRCメッセージに対応付けられたコンポーネントの物理情報(周波数など)を識別可能となり、キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてRRCメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0087】
さらに、第二の解決策にて、コンポーネント単位のRRCメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントの負荷に応じた制御が可能となる、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0088】
第三の解決策を以下に示す。1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は、無線環境による。つまり、基地局と移動端末間の無線環境が良ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は大きくなり、無線環境が悪ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は小さくなる。
【0089】
よって第二の解決策を用いて、無線環境によらずRRCメッセージを1つのトランスポートブロックにて送受信するとした場合、RRCメッセージの情報量を1つのトランスポートブロックにて送受信可能な最下位の情報量に制限しなければならないという課題が発生する。
【0090】
第二の解決策を用いるために、現在の移動体通信システムにて1つのRRCメッセージを用いて送受信している制御情報を、複数のRRCメッセージで送受信しなければならないなど、移動体通信システムの複雑性が増すという課題が発生する。
【0091】
上記課題を解決するために、第三の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメント(Element)として、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。言い換えると、対応するコンポーネントキャリアの物理情報を識別する情報を追加する。
【0092】
または、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージとは別の領域を設けて、当該別の領域に当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。別の領域は、RLCレイヤにおいて付加または多重されても良いし、MACレイヤにおいて付加または多重されても良い。別の領域の具体例としては、ヘッダー、フッターなどがある。ヘッダーの具体例としては、RLC SDUに付加されるヘッダー(RLC header)、MAC SDUに付加されるヘッダー(MAC header)、MACコントロール領域(MAC Control Element)に付加されるヘッダー(MAC header)などがある。フッターの具体例としては、MACコントロール領域などがある。
【0093】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとRRCメッセージの対応付けが可能となり、具体的にはRRCメッセージに対応付けられたコンポーネントの物理情報を識別可能となり、キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてRRCメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0094】
さらに、コンポーネント単位のRRCメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントの負荷に応じた制御が可能となる、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0095】
さらに、RRCメッセージの情報量に制限を設ける必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
【0096】
どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の具体例を以下に示す。第一の具体例としては、コンポーネントキャリア周波数がある。図15を用いて説明する。1501から1507は当該基地局において、キャリアアグリゲーションを行うことが可能なコンポーネントを示す。f1からf10は、各コンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。第一の具体例では、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、図15に示すコンポーネントキャリア周波数を用いる。具体例としては、図15のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネントキャリア周波数f6の情報を追加する。本具体例は、絶対的な値をマッピングするため、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点がある。
【0097】
図15では、横軸は周波数を示す。FDDにおいては、DLの周波数とULの周波数は異なるが、簡単化のため、DLの周波数とULの周波数を同じ軸上に記載している。同じく簡単化のため、下りのコンポーネント(下りCC、DL CC)と、各DL CCに対応する(ペアバンドとなる)上りのコンポーネント(上りCC、UL CC)を同じとし、いずれもコンポーネント1501から1507として図で示している。これに限らず下りCCとそれに対応する上りCCとで、周波数軸上の配置の順番が異なっていても構わない。
【0098】
なお、本明細書では、特に断らない限り、下りCCとそれに対応する(ペアバンドである)上りCCのことをあわせてCCと称する。
【0099】
第二の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図16を用いて説明する。図15と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。1501から1507、及び1601から1603は、移動体通信システムとして用いられるコンポーネントを示す。第二の具体例では、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、図16(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。移動体通信システムとして、例えばLTE−Aシステムとして用いられるコンポーネント(1501から1507、及び1601から1603)の物理情報であるキャリア周波数とコンポーネント識別子とを対応付ける(図16(b))。具体例としては、図16のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#6」の情報を追加する。RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#6」を受信した受信側は、図16(b)の移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、「CC#6」がコンポーネントキャリア周波数f6を示すことを得る。第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、第二の具体例は識別子をマッピングする。よって第二の具体例の方が、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0100】
図16(b)に示す移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知する。対応付けをネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量の削減という効果を得ることができる。
【0101】
または、図16(b)に示す移動体通信システムとして用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を移動体通信システムとして静的に決定しても良い。これにより、対応表をネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
【0102】
第三の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図17を用いて説明する。図15と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。第三の具体例では、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、図17(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子を対応付ける(図17(b))。具体例としては、図17のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」の情報を追加する。RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」を受信した受信側は、図17(b)のコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、「CC#4」がコンポーネントキャリア周波数f6を示すことを得る。第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、また第二の具体例は移動体通信システムが取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングするのと比較して、第三の具体例は当該基地局が取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングする。よって第三の具体例の方が、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0103】
図17(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。対応付け情報(対応表)をネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量の削減という効果を得ることができる。
【0104】
またコンポーネント識別子の番号付けの具体例を以下に示す。第一の具体例としては、移動体通信システムとして、あるいはLTE−Aシステムとして、あるいは当該基地局としてコンポーネントに対して連続の番号付けを行う。連続の番号付けの具体例としては、図18(a)に示すよう低い周波数から昇順に、あるいは高い周波数から降順に行う。
【0105】
第二の具体例としては、移動体通信システムとして、あるいはLTE−Aシステムとして、あるいは当該基地局として周波数バンド毎に当該周波数バンドに含まれるコンポーネントに対して連続の番号付けを行う。周波数バンドとは、1つ以上のコンポーネントからなる、全コンポーネントに対する部分集合を表すものであって、物理特性あるいは無線特性が共通するコンポーネントの集合である。UTRA、LTE、LTE−Aなどのシステムでは、上り、下りともに、いくつかの連続した周波数からなる周波数帯域で動作するように設計されている。これら各々の周波数帯域が周波数バンドと称される。連続の番号付けの具体例としては、図18(b)に示すように周波数バンド毎に低い周波数から昇順に、あるいは高い周波数から降順に行う。この場合、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報に、上記第二の具体例、あるいは第三の具体例に示すコンポーネント識別子を用いる場合、周波数バンドおよびコンポーネント識別子によりどのコンポーネントに対する制御情報かを示すこととする。
【0106】
図19に動作の一例を示す。どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、第三の具体例を用いて説明する。
【0107】
ステップST1901にて基地局は、当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表、例えば図17(b)を傘下の移動端末に対して報知する。
【0108】
ステップST1902にて移動端末は、基地局より当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を受信する。
【0109】
ステップST1903にて基地局は、コンポーネント単位の制御情報であるRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。例えば、図17(a)のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」の情報を追加する。
【0110】
ステップST1904にて基地局は、RRCメッセージを分割し(RLC PDU)、ロジカルチャネル、例えばDCCHにマッピングする。
【0111】
ステップST1905にて基地局は、ひとつまたは複数のロジカルチャネルを多重し、1つあるいは複数のトランスポートブロック(MAC PDU)に分割する。
【0112】
ステップST1906にて基地局は、分割されたトランスポートブロック(MAC PDU)を、1つまたは複数のトランスポートチャネルDL-SCHのうちの1つにマッピングする。
【0113】
ステップST1907にて基地局は、それぞれのトランスポートブロックを1つのコンポーネント(CCとも称される)上の物理チャネルPDSCHにマッピングする。ステップST1908にて基地局は、当該移動端末へPDSCHを送信する。
【0114】
ステップST1909にて移動端末は、各コンポーネント上のPDSCHを受信する。ステップST1910にて移動端末は、復調・復号を行い、トランスポートチャネルDL-SCHの1つのトランスポートブロックを得る。
【0115】
ステップST1911にて移動端末は、トランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされたトランスポートブロックに分けられたデータを処理することにより、ステップST1912にて移動端末は、DCCHを得る。
【0116】
ステップST1913にて移動端末は、DCCH上にマッピングされたRCCメッセージを得る。ステップST1914にて移動端末は、RRCメッセージ中のコンポーネント識別子を得る。例えば、図17のコンポーネント識別子「CC#4」を得る。
【0117】
ステップST1915にて移動端末は、ステップST1902にて受信した当該基地局にて用いられるコンポーネントのキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を基に、当該RRCメッセージが制御するコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を得る。例えば、図17(b)よりステップST1914で得たコンポーネント識別子「CC#4」を基に対応するコンポーネントキャリア周波数「f6」を得る。
【0118】
ステップST1916にて移動端末は、ステップST1915にて得たコンポーネントキャリア周波数に対してステップST1913にて受信したRRCメッセージの指示する制御を実行する。
【0119】
また、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージにコンポーネント単位の制御情報と当該基地局が保有する全コンポーネントに対する制御情報が存在した場合、以下の課題が発生する。
【0120】
上記実施の形態1の解決策を全コンポーネントに対する制御情報に適用した場合、RRCメッセージ中のエレメントとして、例えば全コンポーネントキャリア周波数を示す情報を追加する必要がある。よって、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報が大容量となり、無線リソースの有効活用が図れないという課題が発生する。これに対する解決策を以下に示す。
【0121】
第一の解決策は、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報とは別に当該RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報であることを示す情報を追加する。
【0122】
または、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージとは別の領域を設けて、当該別の領域に当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報とは別に当該RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報であることを示す情報を追加する。別の領域の具体例は上記と同様であるので、説明を省略する。
【0123】
これにより、受信側にて受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか判断することが可能となることに加え、RRCメッセージ中のエレメントとして追加する情報量増加を防ぎつつ、受信したRRCメッセージが全コンポーネントに対する情報であることを判断することが可能となる。
【0124】
また第二の解決策は、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報のみを追加する。そして、当該RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報である場合、当該RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を付加しない。
【0125】
これにより、受信側にて受信したRRCメッセージにどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報が付加されていなければ、当該RRCメッセージは全コンポーネントに対する制御情報であると判断することが可能となる。
【0126】
第一の解決策と比較して、第二の解決策は、RRCメッセージが全コンポーネントに対する制御情報であることを示す情報を新たに設ける必要がなくなるので、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。また、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0127】
実施の形態1では、下りRRCメッセージを中心に説明したが、実施の形態1は同様に上りRRCメッセージにも適用可能である。
【0128】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態1は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0129】
実施の形態1により以下の効果を得ることが出来る。RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメントとして、当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。言い換えると、RRCメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能とすることにより、受信側にて、トランスポートチャネルにマッピングされるDCCH、あるいはCCCHを用いて通知されるRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか判断可能となる。
【0130】
よって移動体通信システムとしてRRCメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能になり、別のメッセージによる制御が必要なくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0131】
実施の形態2.
実施の形態2にて解決する課題について説明する。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0132】
制御情報、具体例としてMACメッセージは、トランスポートチャネル、例えばDL−SCHにマッピングされる。トランスポートチャネルDL-SCHにマッピングされる際に、1つあるいは複数のトランスポートブロックに分けられる。それぞれのトランスポートブロックが1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報、例えばMACメッセージが複数のコンポーネントにマッピングされ送受信されることとなる。
【0133】
例えば下りMACメッセージを用いて説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、トランスポートチャネルDL-SCHの1つのトランスポートブロックを得る。送信側、つまり基地局にてトランスポートチャネルにマッピングされる際に複数のトランスポートブロックに分けられていた場合を考える。移動端末は、1つあるいは複数のコンポーネント上にマッピングされたトランスポートブロックに分けられたデータを処理することにより、1つのトランスポートチャネルを得る。つまり、MACメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0134】
よって当該トランスポートチャネルにマッピングされるMACメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であり、移動体通信システムとしてMACメッセージを用いた制御が不可能という課題が発生する。
【0135】
また、それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントのみにマッピングされる場合、以下の課題が発生する。
【0136】
制御情報、具体例としてMACメッセージは、トランスポートチャネル、例えばDL-SCHにマッピングされる。それぞれのトランスポートチャネルは1つのコンポーネントにマッピングされるのであれば、結果として、あるコンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージが複数のコンポーネントにマッピングされたり、また、あるコンポーネント、例えばコンポーネントAに対する制御情報であるMACメッセージが当該コンポーネント、例えばコンポーネントA以外のコンポーネントにて送信される可能性がある。
【0137】
例えば下りを用いて説明する。移動端末は、1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHを受信し、復調・復号の結果、1つのトランスポートチャネルDL-SCHを得て、当該トランスポートチャネルにマッピングされるMACメッセージを得る。しかし、MACメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応は無い。
【0138】
よって、受信したMACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題が発生する。
【0139】
上記課題は、周波数帯域をある単位、LTE−Aシステムではコンポーネントと称される、に分け、それらをアグリゲーションして(集めて)用いる移動体通信システムに特有の課題である。本実施の形態2での解決策を以下に示す。
【0140】
第一の解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としてMACメッセージの内容を全コンポーネント共通とする。これにより、MACメッセージと送受信に用いるコンポーネントに1対1の対応が無くとも、受信側で受信したMACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか判断は可能となる。キャリアアグリゲーション移動体通信システムにてMACメッセージを用いた制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0141】
第二の解決策を以下に示す。MACメッセージ中には全コンポーネント共通とせずに、コンポーネント単位とすれば効率的となる制御情報が存在すると考える。
【0142】
LTEシステムのMACメッセージを具体例に説明する(非特許文献13)。MACメッセージのチャネルコーディング・デコーディング、インターリービング、レートなどの組合せを示す情報、具体例としては「Transport format」「Transport format set」などはコンポーネント毎に制御すれば効率的であると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることが考えられる。よって各コンポーネントで最適な「Transport format」を選択するためには、各コンポーネントで別個の「Transport format」を選択する必要があると考えられる。
【0143】
また、MACメッセージの移動端末が基地局に対して、移動端末の最大送信パワーとUL-SCHの送信に用いている推定送信パワーの差の報告に用いる情報、具体例としては「Power Headroom reporting」などはコンポーネント毎に異なると考える。なぜなら、各コンポーネントのキャリア周波数は異なるため、無線の伝播特性は異なることが考えられる。よってコンポーネント毎に移動端末のUL-SCHの送信に用いる送信パワーも異なることが考えられ得るため、各コンポーネントで別個の「Power Headroom Reporting」を報告可能とする必要があると考えられる。
【0144】
よって第一の解決策を用いた場合、MACメッセージによる制御がコンポーネント単位と出来ないことから、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が出来ないという課題が発生する。
【0145】
上記課題を解決するために、第二の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、制御情報、具体例としては1つのMACメッセージは1つのコンポーネントにて送受信、あるいは複数のMACメッセージを1つのコンポーネントにて送受信とする。つまり、MACメッセージが複数のコンポーネントにて分割して送受信されないようにする。
【0146】
または、MACメッセージがマッピングされるトランスポートチャネル、例えばDL−SCHを1つのトランスポートブロックにマッピングする。つまり、MACメッセージがマッピングされるトランスポートチャネル、例えばDL−SCHはトランスポートブロックに分割しない。
【0147】
また、送信側にて送信するMACメッセージを、当該MACメッセージが制御するコンポーネントにマッピングする。
【0148】
また、受信側にて受信したMACメッセージは、受信したコンポーネントに関する制御情報とする。
【0149】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとMACメッセージの対応付けが可能となる。言い換えるならば、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。よって、キャリアアグリゲーションに対応した移動体通信システムにてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0150】
さらに、第二の解決策にて、コンポーネント単位のMACメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0151】
第三の解決策を以下に示す。1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は、無線環境による。つまり、基地局と移動端末間の無線環境が良ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は大きくなり、無線環境が悪ければ1つのトランスポートブロックにて送受信可能な情報量は小さくなる。
【0152】
よって第二の解決策を用いて、無線環境によらずMACメッセージを1つのトランスポートブロックにて送受信するとした場合、MACメッセージの情報量を1つのトランスポートブロックにて送受信可能な最下位の情報量に制限しなければならないという課題が発生する。
【0153】
第二の解決策を用いるため、現在の移動体通信システムにて1つのMACメッセージで送受信している制御情報を複数のMACメッセージで送受信しなければならないなど、移動体通信システムの複雑性が増すという課題が発生する。
【0154】
上記課題を解決するために、第三の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージ中に、またはMACメッセージ中のエレメント(Element)として、当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。言い換えるならば、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別する情報を追加する。
【0155】
または、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージとは別の領域を設けて、当該別の領域に当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。別の領域は、MACレイヤにおいて付加または多重されても良い。別の領域の具体例としては、ヘッダー、フッターなどがある。ヘッダーの具体例としては、MAC SDUに付加されるヘッダー(MAC header)、MACコントロール領域(MAC Control Element)に付加されるヘッダー(MAC header)などがある。フッターの具体例としては、MACコントロール領域などがある。
【0156】
これにより、受信側で送受信に用いるコンポーネントとMACメッセージの対応付けが可能となる。言い換えると、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。よって、キャリアアグリゲーション対応の移動体通信システムにてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能となる効果を得ることが出来る。
【0157】
さらに、コンポーネント単位のMACメッセージの送受信が可能となる。これにより、コンポーネントのキャリア周波数の無線特性に応じた制御が可能となる効果を得ることができる。
【0158】
さらに、MACメッセージの情報量に制限を設ける必要がなく、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることができる。
【0159】
どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報の具体例は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0160】
コンポーネント識別子の番号付けの具体例は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0161】
図20に動作の一例を示す。どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報として、第三の具体例を用いて説明する。図20において図19と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
【0162】
ステップST2001にて基地局は、コンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージ中のエレメントとして、当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加する。例えば、図17のコンポーネント1504に対する制御情報である場合、MACメッセージ中のエレメントとしてコンポーネント識別子「CC#4」の情報を追加する。
【0163】
ステップST2002にて基地局は、MACメッセージを1つあるいは複数のトランスポートブロック(MAC PDU)に分割する。
【0164】
ステップST2003にて移動端末は、DL-SCH上にマッピングされたMACメッセージを得る。
【0165】
ステップST2004にて移動端末は、MACメッセージ中のコンポーネント識別子を得る。例えば、図17のコンポーネント識別子「CC#4」を得る。
【0166】
ステップST2005にて移動端末は、ステップST1915にて得たコンポーネントキャリア周波数に対してステップST2003にて受信したMACメッセージの指示する制御を実行する。
【0167】
また、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージにコンポーネント単位の制御情報と当該基地局が保有する全コンポーネントに対する制御情報が存在した場合の課題解決策は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0168】
実施の形態2では、下りMACメッセージを中心に説明したが、実施の形態2は同様に上りMACメッセージにも適用可能である。
【0169】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態2は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0170】
実施の形態2により以下の効果を得ることが出来る。MACメッセージ中に、またはMACメッセージ中のエレメントとして、当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報を追加することにより、受信側にて、当該トランスポートチャネルを用いて通知されるMACメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか判断可能となる。言い換えると、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別する情報を追加することにより、受信側にて、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。
【0171】
よって移動体通信システムとしてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能になり、別のメッセージによる制御が必要なくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0172】
実施の形態2 変形例1.
実施の形態2の変形例1にて解決する課題は、実施の形態2と同様であるため説明を省略する。
【0173】
本実施の形態2の変形例1での解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、コンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージを挿入する部分と、当該基地局が保有する全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージを挿入する部分とを分離するようなMACレイヤ構造(structure)としている。
【0174】
MACレイヤ構造を分離する方法の具体例を以下に示す。下りMACレイヤ構造について図21に、上りMACレイヤ構造について図22に示す。図21にて図13と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。図22にて図14と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0175】
送信側でのコンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を、移動端末毎のコンポーネント単位の分割後とする。コンポーネント単位の制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を図21の2101、及び図22の2201に図示する。また、送信するMACメッセージを、当該MACメッセージが制御するコンポーネントにて送信されるようにMACメッセージを挿入する。
【0176】
送信側での全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を、移動端末毎のコンポーネント単位の分割前とする。全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージ挿入箇所を図21の2102、及び図22の2202に図示する。
【0177】
受信側にて1つのコンポーネント上の物理チャネルPDSCHで受信することができるMACメッセージは、コンポーネント単位メッセージであると判断する。また、当該コンポーネント単位のMACメッセージは、当該MACメッセージを受信したコンポーネントに対する制御情報であると判断できる。
【0178】
一方、受信側にて複数のコンポーネント上の物理チャネルPDSCHで受信することができるMACメッセージは、全コンポーネントに対する制御情報であるMACメッセージであると判断する。
【0179】
実施の形態2の変形例1により、実施の形態2同様の効果を得ることができる。受信側にて、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別可能となる。
【0180】
よって移動体通信システムとしてMACメッセージを用いた通信制御を効率的に実現することが可能になり、別のメッセージによる制御が必要なくなり、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0181】
また実施の形態2と比較して、MACメッセージに対応するコンポーネントの物理情報を識別する情報を追加する必要がないため、無線リソースの有効活用、移動体通信システムの複雑性回避という効果を得ることが出来る。
【0182】
実施の形態3.
実施の形態3にて解決する課題について説明する。実施の形態1の解決策を用いた場合、受信側にて受信したRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題は解決される。
【0183】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末に対して、無線環境の変化に応じて、具体例としては移動端末が測定するCQI、測定(Measurement)結果に応じて、1つ、あるいは複数のコンポーネントがスケジューリングされる。よって、移動端末に対して、スケジューリングされるコンポーネントは時間的に変化する。
【0184】
実施の形態1の解決策では、上位レイヤが、具体例としてはRRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する必要がある。よって、移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントキャリアが変化するような場合は、実施の形態1の解決策は、RRCメッセージを制御するレイヤが、コンポーネントキャリアのスケジューリングに追従していない場合が発生する。これにより、RRCメッセージ中の当該RRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報で指定されたコンポーネントが、実際に移動端末へ割当てられているコンポーネントに含まれない場合も発生する。
【0185】
よって、移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントが変化する場合などは、受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題が再度発生する。本実施の形態3での解決策を以下に示す。
【0186】
第一の解決策を以下に示す。コンポーネントのスケジューリングを行うレイヤは、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を、上位レイヤ、具体例としてはRRCメッセージを挿入するレイヤに対して通知する。具体例としては、コンポーネントのスケジューリングを行うレイヤであるMACレイヤは、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を、RRCメッセージを挿入するレイヤであるRRCレイヤに対して通知する。
【0187】
基地局から移動端末に対してスケジューリングされるコンポーネントの通知にRRCメッセージを用いることとする。このスケジューリングされるコンポーネントの通知とともに実施の形態1にて開示した方法により、RRCメッセージを通知する。スケジューリングされるコンポーネントの通知と、実施の形態1にて開示したRRCメッセージの通知とは、同時に行っても良いし同時でなくても良い。
【0188】
これにより、RRCメッセージを制御するレイヤが、コンポーネントキャリアのスケジューリングを常に知ることが出来る。つまり、追従することが可能になる。よって上記実施の形態3の課題は解決する。
【0189】
第二の解決策を以下に示す。第一の解決策を用いた場合、RRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握するまでスケジューリングされるコンポーネントの通知、及びRRCメッセージの通知が不可能となり、移動体通信システムとしての制御遅延増大という課題が発生する。
【0190】
上記課題を解決するために、第二の解決策では、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、RRCメッセージ中に、またはRRCメッセージ中のエレメント(Element)として、またはRRCメッセージとは別の領域、例えばヘッダー、フッターに当該RRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報ではなく、コンポーネントインデックスを追加する。
【0191】
コンポーネントインデックスとは次のような要件を満たす識別子とする。(1)上位レイヤが主として用いる識別子であること。(2)コンポーネントキャリアの物理情報(周波数など)とは無関係であること。(3)コンポーネントを識別する情報(コンポーネントキャリアの物理情報は識別できない情報)であること。
【0192】
コンポーネントインデックスは、上位レイヤがMACレイヤに対して、同じコンポーネントインデックスを用いて同じコンポーネントに対する制御情報であることを、異なるコンポーネントインデックスを用いて異なるコンポーネントに対する制御情報であることを示す。
【0193】
上位レイヤがコンポーネントインデックスにて、同じコンポーネントに対する制御情報であること、あるいは異なるコンポーネントに対する制御情報であることを示す。上位レイヤがコンポーネントインデックスを通知するMACレイヤの具体例を以下に示す。
【0194】
(1)コンポーネントのスケジューリングを行う。以降、コンポーネントスケジューリングブロックと称する。コンポーネントのスケジューリングは、移動端末が無線環境を測定し、基地局に対して報告を行う、CQI、測定報告に基づいて行われる。
【0195】
(2)移動端末毎のコンポーネント単位の分割を行う。例えば図13の1326、1327とする。
【0196】
以降、MACレイヤの具体例として「コンポーネントスケジューリングブロック」を用いて説明する。
【0197】
コンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックスと移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントの対応付けを行う。移動端末へのスケジューリングされるコンポーネント、移動端末と基地局間にてデータの送受信に用いられるコンポーネントをスケジューリングコンポーネントと称する。
【0198】
コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの具体例を以下に示す。(1)1種類のコンポーネントインデックスと1つのスケジューリングコンポーネントを対応付ける。(2)1種類のコンポーネントインデックスと複数のスケジューリングコンポーネントを対応付ける。
【0199】
スケジューリングコンポーネントを示す情報の具体例を以下に示す。第一の具体例としては、コンポーネントキャリア周波数がある。図23(a)を用いて説明する。2301から2307は当該基地局において、キャリアアグリゲーションを行うコンポーネントである。f1からf10は、各コンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。第一の具体例では、スケジューリングコンポーネントを示す情報として、図23に示すコンポーネントキャリア周波数を用いる。具体例としては、移動端末2308に割当てられているスケジューリングコンポーネントがコンポーネント2302、コンポーネント2304とした場合、スケジューリングコンポーネントを示す情報は、「f2」「f6」となる。本具体例は、絶対的な値を用いるため、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点がある。
【0200】
図23(b)に示す通り、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けに用いるスケジューリングコンポーネントを示す情報としてコンポーネントキャリア周波数を用いる。
【0201】
第二の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図24(a)を用いて説明する。図23と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。2301から2307、及び2401から2403は、移動体通信システムとして用いられるコンポーネントを示す。第二の具体例では、スケジューリングコンポーネントを示す情報として、図24(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。移動体通信システムとして、例えばLTE−Aシステムとして用いられるコンポーネントキャリア周波数(2301から2307、及び1401から2403)とコンポーネント識別子を対応付ける(図24(b))。具体例としては、図24(a)のスケジューリングコンポーネント2302を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#2」が対応する。図24(a)のスケジューリングコンポーネント2304を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#6」が対応する。
【0202】
第一の具体例は絶対的な値であるのと比較して、第二の具体例は識別子をマッピングする。よって第二の具体例の方がスケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0203】
図24(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。対応付けをネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、スケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量の削減という効果を得ることができる。
【0204】
または、図24(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表を移動体通信システムとして静的に決定しても良い。これにより、対応表をネットワーク側から移動端末へ通知する必要がなくなり、無線リソースの有効活用、及び無線通信にともなる通信エラーが発生しなくなるという効果を得ることが出来る。
【0205】
図24(c)に示す通り、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けに用いるスケジューリングコンポーネントを示す情報として上記コンポーネント識別子を用いる。
【0206】
第三の具体例としては、コンポーネント識別子がある。図25を用いて説明する。図23と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。第三の具体例では、スケジューリングコンポーネントを示す情報として、図25(b)に示すコンポーネント識別子を用いる。当該基地局にて用いられるコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子を対応付ける(図25(b))。具体例としては、図25のスケジューリングコンポーネント2302を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#2」が対応する。図25のスケジューリングコンポーネント2304を示す情報として、コンポーネント識別子「CC#4」が対応する。
【0207】
第一の具体例は絶対的な値をマッピングするのと比較して、また第二の具体例は移動体通信システムが取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングするのと比較して、第三の具体例は当該基地局が取りえるコンポーネントキャリア周波数に対する識別子をマッピングする。よって第三の具体例の方が、スケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量、つまり情報ビット数が少なくて良い。このことは、無線リソースの有効活用という効果を有する。
【0208】
図25(b)に示すコンポーネントキャリア周波数とコンポーネント識別子の対応表はネットワーク側から移動端末に対して通知される。通知方法の具体例としては、基地局より移動端末へ報知情報、具体例としてはBCCH(MIB、あるいはSIB)を用いて通知される。対応付けをネットワーク側から移動端末へ通知することにより、移動体通信システムのキャリア周波数変更に対して柔軟に対応可能という利点を維持しつつ、スケジューリングコンポーネントを示す情報の情報量の削減という効果を得ることができる。
【0209】
図25(c)に示す通り、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けに用いるスケジューリングコンポーネントを示す情報として上記コンポーネント識別子を用いる。
【0210】
またコンポーネント識別子の番号付けの具体例は、実施の形態1と同様の方法を用いることが可能である。よって説明を省略する。
【0211】
図26にコンポーネントスケジューリングブロックで行われるコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの概念図を示す。スケジューリングコンポーネントを示す情報としては、一例として、上記第三の具体例であるコンポーネント識別子を用いて説明する。
【0212】
(1)―(a)時刻t1にて移動端末2308に割当てられているスケジューリングコンポーネントは、CC#2(2302)、CC#4(2304)である。コンポーネントスケジューリングブロックは上位から通知されたコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントを対応付ける。具体例を図23(1)―(b)に示す。ここでは、コンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックス「CC_I#1」とスケジューリングコンポーネントCC#2を、コンポーネントインデックス「CC_I#2」とスケジューリングコンポーネントCC#4を対応付けている。
【0213】
移動端末と基地局間の無線環境が変化し、移動端末が測定するCQI、測定結果に応じてスケジューリングコンポーネントは変更される。
【0214】
(2)―(a)時刻t2にて移動端末2301に割当てられているスケジューリングコンポーネントは、CC#4(2304)、CC#5(2305)である。コンポーネントスケジューリングブロックは上位から通知されたコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントを対応付ける。具体例を図23(2)―(b)に示す。ここでは、コンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックス「CC_I#1」とスケジューリングコンポーネントCC#5を、コンポーネントインデックス「CC_I#2」とスケジューリングコンポーネントCC#4を対応付けている。
【0215】
つまりコンポーネントスケジューリングブロックは、コンポーネントインデックスCC_I#1に対応付けられるスケジューリングコンポーネントをCC#2(時刻t1)からCC#5(時刻t2)へ変更している。コンポーネントインデックスをRRCメッセージ中などに付加する上位レイヤは、物理レイヤで当該移動端末(2308)へ割当てられているスケジューリングコンポーネントが変更されたことを知る必要がない。
【0216】
図27に動作の一例を示す。スケジューリングコンポーネントを示す情報としては、一例として、上記第三の具体例であるコンポーネント識別子を用いて説明する。図27において図19と同じ参照符号のステップは同一または相当する処理を実行するので、同じ参照符号のステップの箇所の説明は省略する。
【0217】
ステップST2701にて基地局は、コンポーネント単位の制御情報であるRRCメッセージ中のエレメントとして、コンポーネントインデックスを示す情報を追加する。例えば、図26(1)を例に説明する、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネントインデックス「CC_I#1」の情報を追加する。
【0218】
ステップST2702にて基地局は、コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新が行われたか否か判断する。または、コンポーネントインデックスが変更したことにより、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けを再度行わなければいけないか否かを判断する。コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新行われていた場合、ステップST2704へ移行する。コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新行われていない場合、ステップST2703へ移行する。
【0219】
ステップST2703にて基地局は、スケジューリングコンポーネントに追加・削除・更新が行われたか否か判断する。または、スケジューリングコンポーネントが変更したことにより、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けを再度行わなければいけないか否かを判断する。スケジューリングコンポーネントの種類に追加・削除・更新行われていた場合、ステップST2704へ移行する。コンポーネントインデックスの種類に追加・削除・更新行われていない場合、ステップST1904へ移行する。
【0220】
ステップST2704にて基地局は、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けを行う。
【0221】
ステップST2705にて基地局は、コンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付け(ステップST2704)の結果である、対応表(例えば図26(1)―(b))を移動端末に通知する。通知方法の具体例を以下に示す。
【0222】
基地局より移動端末へ個別(Dedicated)制御信号にて通知することが考えられる。スケジューリングコンポーネントは、移動端末毎に無線環境を考慮して随時変更されることが考えられるので、共通(Common)制御信号や報知情報では他の移動端末へは不要な情報を送信することになり、無線リソースとして無駄が発生する。よって個別制御信号にて通知することにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0223】
個別制御信号としては、RRCメッセージと比較して制御遅延の短い通知方法を用いることとする。これにより、実施の形態3の第二の解決策で解決する課題である、移動体通信システムとしての制御遅延増大を防止することが出来る。
【0224】
個別制御信号の具体例としては、PDCCH、MACメッセージを用いることが考えられる。PDCCHを用いた場合の通知方法の具体例を以下に示す。
【0225】
(1)キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのPDCCHから通知する。キャンディデートコンポーネントは、基地局と移動端末間のデータ送受信が可能なコンポーネントである。当該基地局が保有する全コンポーネントから通知するのと比較して無線リソースの有効活用という効果を有し、また移動端末が送受信可能なコンポーネントから通知することにより移動端末が当該通知を受信できないという問題も発生しない。また、移動端末にとってキャンディデートコンポーネント以外のコンポーネントに含まれるPDCCHをモニタする必要がないため、移動端末の低消費電力化に効果を有する
(2)スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのPDCCHから通知する。スケジューリングコンポーネントは、実際のデータ送受信が行われているコンポーネントである。当該基地局が保有する全コンポーネントから通知するのと比較して無線リソースの有効活用という効果を有し、またキャンディデートコンポーネントから通知するのと比較して、さらに無線リソースの有効活用という効果を有し、また移動端末が実際に送受信を行っているコンポーネントから通知することにより移動端末が当該通知を受信できないという問題も発生しない。また、移動端末にとってスケジューリングコンポーネント以外のコンポーネントに含まれるPDCCHをモニタする必要がないため、移動端末の低消費電力化に効果を有する
(3)通信中のアンカーコンポーネントに含まれるコンポーネントのPDCCHから通知する。アンカーコンポーネントとは通信中の移動端末がPDCCHをモニタするコンポーネント、あるいは測定を実行するコンポーネントとする。その場合、移動端末にとってアンカーコンポーネント以外のコンポーネントに含まれるPDCCHをモニタする必要がないため、移動端末の低消費電力化に効果を有する。
【0226】
ステップST2706にて移動端末は、基地局よりコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付け(ステップST2704)の結果である、対応表を受信する。
【0227】
ステップST2707にて移動端末は、RRCメッセージ中のコンポーネントインデックスを得る。図26(1)を例に説明する、RRCメッセージ中のエレメントとしてコンポーネントインデックス「CC_I#1」を得る。
【0228】
ステップST2708にて移動端末は、ステップST2706にて受信したコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付け(ステップST2704)の結果である、対応表(例えば図26(1)―(b))を基に、当該RRCメッセージが制御するコンポーネントのコンポーネント識別子を得る。例えば、図26(1)―(b)よりコンポーネントインデックス「CC_I#1」に対応するスケジューリングコンポーネントのコンポーネント識別子「CC#2」を得る。
【0229】
実施の形態3は、実施の形態1と組み合わせて用いることが出来る。または、RRCメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1の解決策を用いるか、実施の形態3の解決策を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例を以下に示す。
【0230】
(1)スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要な制御情報については、コンポーネントのスケジューリングに素早く追従可能となる実施の形態3の第二の解決策を、スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要でない制御情報については実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を用いる。具体例としては、「Radio resource Configuration」に対しては実施の形態3の第二の解決策を用い、「Radio link failure related action」「Measurement」に対しては実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を用いるとしても良い。
【0231】
(2)コンポーネントのキャリア周波数に関係する、あるいは周波数特性に関係する制御情報については、上位レイヤが、具体例としてはRRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を、コンポーネントのキャリア周波数に関係しない、あるいは周波数特性に関係しない制御情報については、実施の形態3の第二の解決策を用いるとしても良い。
【0232】
これにより、RRCメッセージ中の制御情報、あるいは制御内容によって最適なRRCメッセージ通知方法を取ることが出来るという効果を有する。
【0233】
実施の形態3では、下りRRCメッセージを中心に説明したが、実施の形態3は同様に上りRRCメッセージにも適用可能である。
【0234】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態3は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0235】
実施の形態3はRRCメッセージを中心に説明したが、MACメッセージにも適用可能である。
【0236】
MACメッセージに適用する場合、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、MACメッセージ中に、またはMACメッセージ中のエレメント(Element)として、またはMACメッセージとは別の領域、例えばヘッダー、フッターに当該MACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報ではなく、コンポーネントインデックスを追加すればよい。詳細な説明はRRCメッセージの場合と同様であるので、省略する。
【0237】
実施の形態3により実施の形態1及び実施の形態2の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0238】
上位レイヤが移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する必要がなくなる。よって実施の形態1及び実施の形態2と比較してコンポーネントのスケジューリングに素早く追従可能となり、移動体通信システムの制御遅延を防止する効果を得ることができる。つまり、コンポーネントのスケジューリングに柔軟に対応可能となる。
【0239】
移動端末へのスケジューリングされるコンポーネントが短期間に変化する可能性がある場合であっても、受信側にて受信したRRCメッセージが、どのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題は解決される。
【0240】
実施の形態4.
実施の形態4にて解決する課題について説明する。実施の形態3の解決策を用いた場合、移動端末に対するコンポーネントキャリアのスケジューリング変更が短期間に発生する可能性があるような場合であっても、受信したRRCメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題は解決される。しかし、送信側から受信側へのコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の通知が完了しなければ、実施の形態3は有効に動作しない。
【0241】
よって、上記対応表の通知が完了するまでに、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージを送信側から受信側へ通知した場合などは、受信した制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージが間違ったコンポーネントに対する制御情報として認識されるという課題が発生する。
【0242】
これを防ぐために上記対応表の通知が完了するまで、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージを通知しないとすれば、移動体通信システムとしての制御遅延増大という課題が発生する。
【0243】
本実施の形態4での解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、ある移動端末キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージをキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対して事前に送信する。
【0244】
実際のデータ送受信が行われている1つまたは複数のコンポーネントであるスケジューリングコンポーネントは、当該移動端末とデータの送受信が可能な1つまたは複数のコンポーネントの候補の集合であるキャンディデートコンポーネントキャリアセット(候補集合)から選択されるものとする。選択は、移動端末の測定結果、CQIを基に行われるものとする。
【0245】
図28に実施の形態4の解決策の概念図を示す。2801から2807は、当該基地局においてキャリアアグリゲーションを行うことが可能な下りコンポーネントである。2808から2812は、当該基地局においてキャリアアグリゲーションを行うことが可能な上りコンポーネントである。fD1からfD10は、各下りコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。fU1からfU9は、各上りコンポーネントのコンポーネントキャリア周波数を示す。
【0246】
コンポーネント2801と2808、2802と2809、2803と2810、2804と2811は下り、上りのペアーバンドとする。なお2805、2806、2807と2812は非対称(Asymmetric)のペアーバンドを示す。
【0247】
2813は移動端末に対して実際のデータ送受信が行われているコンポーネントであるスケジューリングコンポーネントを示す。スケジューリングコンポーネント2813には、コンポーネント2801、2802、2808、2809が含まれる。2814は当該移動端末とデータの送受信が可能なキャンディデートコンポーネントキャリアセットを示す。キャンディデートキャリアセット2814には、コンポーネント2801、2802、2803、2808、2809、2810が含まれる。
【0248】
図29に動作の一例を示す。ステップST2901にて移動端末は、受信品質に関する測定結果、あるいはCQIなどを基地局へ送信する。
【0249】
ステップST2902にて基地局は、移動端末から受信品質に関する測定結果、あるいはCQIなどを受信する。
【0250】
ステップST2903にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに追加するコンポーネントが存在するか否か判断する。追加するコンポーネントが存在する場合、ステップST2904へ移行する。追加するコンポーネントが存在しない場合、ステップST2907へ移行する。あるいは/かつ、ステップST2903にて基地局は、当該移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットを新規に作成するか否か判断する。新規に作成する場合は、ステップST2904へ移行する。新規に作成しない場合は、ステップ2907へ移行するとしてもよい。
【0251】
ステップST2904にて基地局は、必要な場合、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを確保する。確保が必要な無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0252】
ステップST2905にて基地局は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを送信する。制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージがどのコンポーネントに対する制御情報であるか不明であるという課題に対する解決策については、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3を用いることが出来る。よって説明を省略する。通知方法は、実施の形態3のコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の通知方法の具体例を用いることが出来る。よって説明を省略する。
【0253】
または、基地局から移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントを通知する場合も考えられる。その場合は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報を、RRCメッセージまたはMACメッセージとともに送信する。なお、当該追加するコンポーネントに関する制御情報と、RRCメッセージまたはMACメッセージとの送信は、同時であっても良いし同時でなくても良い。
【0254】
ステップST2906にて移動端末は、基地局から、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを受信する。
【0255】
ステップST2907にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントを変更するか否か判断する。変更する場合、ステップST2908へ移行する。変更しない場合、処理を終了する。
【0256】
ステップST2908にて基地局は、移動端末へスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントを通知する。変更後のスケジューリングコンポーネントに含まれる全てのコンポーネントに関する情報を通知しても良いし、変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知しても良い。全てのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、無線通信によるエラーに強くなるという効果を得ることが出来る。また変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、通知する情報量を削減することができるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントに関する情報の具体例は、実施の形態1のどのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報「コンポーネントキャリア周波数」「コンポーネント識別子」を用いることができるので、詳細な説明を省略する。通知方法の具体例は、実施の形態3のコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である対応表の通知の方法を用いることができるので、説明を省略する。
【0257】
ステップST2909にて移動端末は、基地局からスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントに関する情報を受信する。
【0258】
ステップST2910にて移動端末は、スケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントに関して、ステップST2906にて受信した制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを適用する。
【0259】
実施の形態4は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。
【0260】
または、RRCメッセージ中、あるいはMACメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1、実施の形態2の解決策を用いるか、あるいは実施の形態3の解決策を用いるか、あるいは実施の形態4を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例を以下に示す。
【0261】
(1)スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要な制御情報については、コンポーネントのスケジューリングに素早く追従可能となる実施の形態4、実施の形態3の第二の解決策を、スケジューリングコンポーネントの変更に素早い追従が必要でない制御情報については実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を用いるとしてもよい。
【0262】
(2)コンポーネントのキャリア周波数に関係する、あるいは周波数特性に関係する制御情報については、上位レイヤが、具体例としてはRRCメッセージを制御するレイヤが、移動端末へのコンポーネントのスケジューリング結果を把握する実施の形態1、あるいは実施の形態3の第一の解決策を、コンポーネントのキャリア周波数に関係しない、あるいは周波数特性に関係しない制御情報については、実施の形態3の第二の解決策、あるいは実施の形態4を用いるとしても良い。
【0263】
(3)頻繁に制御の内容が変更されない制御情報については実施の形態4を、頻繁に制御の内容が変更される制御情報については実施の形態3、実施の形態1を用いるとしても良い。
【0264】
これにより、RRCメッセージ中の制御情報、あるいは制御内容によって最適なRRCメッセージ通知方法を取ることが出来るという効果を有する。
【0265】
実施の形態4により実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0266】
スケジューリングコンポーネントがキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントから選択され、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報を事前に送信側から受信側へ通知しておくことにより、本実施の形態4ではコンポーネントスケジューリングに素早く追従可能となる効果を得ることができる。
【0267】
実施の形態3で必要であった、送信側から受信側へのコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の通知は不要となる。これにより、上記対応表の通知が完了するまでに、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージを送信側から受信側へ通知した場合などは、受信した制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージが間違ったコンポーネントに対する制御情報として認識されるという課題を解決することができる。
【0268】
また、上記対応表の通知が完了するまで、制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、MACメッセージの通知を保留する必要もなくなるので移動体通信システムとしての制御遅延増大という課題を解決することができる。
【0269】
非特許文献9に開示されているRRCメッセージに実施の形態4を用いた場合の具体的な効果を以下に示す。まず、下りリンクに対する制御情報について具体例を用いて説明する。
【0270】
実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPDSCHに関する設定情報、具体例としては「pdsch-configdedicated」、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「pdsch-configdedicated」に含まれるリファレンスシグナルの送信パワー情報、具体例としては「referenceSignalPower」などを事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0271】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる下りコンポーネント2801、2802、2803に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、下りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2801、2802から2802、2803に変更された場合であっても、移動端末は事前に2803の上記制御情報を把握している。
【0272】
よって、実施の形態4を用いることにより、2803がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、移動端末にて2803における、例えばPDSCHに関する設定情報、具体例としては「pdsch-configdedicated」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0273】
また、「referenceSignalPower」は、下り送信パワー制御の基準電力として用いられる。よって実施の形態4を用いることにより、2803がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、2803におけるリファレンスシグナルの送信パワー情報、具体例としては「referenceSignalPower」を用いて下り送信パワー制御が可能となるという効果を得ることが出来るという効果を得ることができる。
【0274】
次に、上りリンクに対する制御情報について具体例を用いて説明する。実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPUSCHに関する設定情報、具体例としては「pusch-configdedicated」、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「pusch-configdedicated」に含まれるホッピングに関する制御情報、具体例としては「hoppingMode」「pusch-hopping Offset」を事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0275】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる上りコンポーネント2808、2809、2810に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、上りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2808、2809から2809、2810に変更された場合であっても、移動端末は事前に2810の上記制御情報を把握している。
【0276】
よって、実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、移動端末にて2810におけるPUSCHに関する設定情報、具体例としては「pusch -configdedicated」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0277】
また、ホッピングに関する制御情報は、送信側である移動端末と、受信側である基地局にて共通の認識をもって送受信しなければ正確に受信することが出来ない。またホッピングは周波数フェージングの影響を軽減させるために導入されている。
【0278】
よって実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれてすぐに、2810におけるホッピングに関する制御情報を用いてホッピング制御が可能となる効果を得ることが出来る。これにともない、スケジューリングコンポーネントに含まれてすぐに、2810においてホッピングを用いたPUSCHの送信が可能となり、周波数フェージングに強いPUSCHの送信が可能となる効果を得ることができる。このことは、無線リソースの有効活用という効果につながる。
【0279】
実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるPUCCHに関する設定情報、具体例としては「pucch-configdedicated」を事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0280】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる上りコンポーネント2808、2809、2810に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、上りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2808、2809から2809、2810に変更された場合であっても、移動端末は事前に2810の上記制御情報を把握している。
【0281】
よって、実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに2810において、移動端末にて2810におけるPUCCHに関する設定情報、具体例としては「pucch -configdedicated」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。
【0282】
実施の形態4を用いてキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する無線リソースに関する設定情報、具体例としては「Radio resource Configuration」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる物理レイヤに対する設定情報、具体例としては「Physical config Dedicated」を、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれるスケジューリングリクエストに関する設定情報、具体例としては「schedulingRequestconfig」、または「Radio resource Configuration」に含まれる「Physical config Dedicated」に含まれる「schedulingRequestconfig」に含まれるスケジューリングリクエストに関するリソース情報、具体例としては「sr-PUCCH-ResourceIndex」を事前に基地局から移動端末へ通知する。
【0283】
図28を用いて説明すれば、キャンディデートコンポーネントキャリアセット2814に含まれる上りコンポーネント2808、2809、2810に対する上記制御情報を事前に通知する。これによって、上りスケジューリングコンポーネントが図28に示す2808、2809から2809、2810に変更された場合であっても、移動端末は事前に2810の上記制御情報を把握している。
【0284】
また、スケジューリングリクエストは、移動端末が基地局に対して上りリソース割当の要求を行う信号である。移動端末が上りリソース割当の要求を行う場合、当該移動端末に対して、スケジューリングリクエストに関する割当がされていない場合は、当該移動端末はRACHを用いて上りリソース割当要求を行う必要発生する。RACHを用いた上りリソース割当要求は、スケジューリングリクエストを用いた上りリソース割当要求と比較して制御遅延が大きくなる。
【0285】
よって、実施の形態4を用いることにより、2810がスケジューリングコンポーネントに含まれて直ちに、移動端末にて2810におけるスケジューリングリクエストに関する設定情報、具体例としては「schedulingRequestconfig」を用いて制御が可能となる効果を得ることが出来る。これにともない、スケジューリングコンポーネントに含まれてすぐに、移動端末は、2803においてスケジューリングリクエストを用いた上りリソース割当要求が可能となり、制御遅延増加を防ぐという効果を得ることが出来る。
【0286】
実施の形態4では、下りRRCメッセージを中心に説明したが、実施の形態4は同様に下りMACメッセージ、上りRRCメッセージ、上りMACメッセージにも適用可能である。
【0287】
トランスポートチャネルDL-SCHには、制御情報にてロジカルチャネルDCCH、CCCHの他に、ロジカルチャネルMCCH、ロジカルチャネルBCCHもマッピングされる。実施の形態4は同様にMCCH、BCCHにも適用可能である。
【0288】
実施の形態4 変形例1.
実施の形態4の変形例1にて解決する課題について説明する。実施の形態4の解決策を用いた場合、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを確保する必要が発生する場合がある。この場合、移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいても、当該移動端末用の無線リソースが確保される場合がある。これは、無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
【0289】
また、移動端末は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報を保管しておく必要が生じる。キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントが多くなると、移動端末にて制御情報の保管領域を多く確保する必要が生じ、移動端末のハードウェア、例えばメモリ、CPU等が大きくなる、あるいは移動端末のソフトウェアの負荷が増大するという課題が生じる。
【0290】
本実施の形態4の変形例1での解決策を以下に示す。キャリアアグリゲーション対応の基地局において、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含めることが出来るコンポーネントの数に上限値を設ける。
【0291】
図30に動作の一例を示す。図29と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0292】
ステップST3001にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットを変更する必要があるか否か判断する。変更する必要がある場合、ステップST3002へ移行する。変更する必要がない場合、ステップST2907へ移行する。
【0293】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットは上り、下り別々に設けても良い。別々に設けた場合、ステップST3001の判断も上り、下り別々に行っても良い。あるいは/かつ、ステップST3001にて基地局は、当該移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットを新規に作成するか否か判断する。新規に作成する場合は、ステップST3003へ移行する。新規に作成しない場合は、ステップ2907へ移行するとしてもよい。
【0294】
ステップST3002にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに追加するコンポーネントが存在するか否か判断する。追加するコンポーネントが存在する場合、ステップST3003へ移行する。追加するコンポーネントが存在しない場合、ステップST3006へ移行する。
【0295】
ステップST3003にて基地局は、現在のキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネント数が、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含めることが出来るコンポーネントの数の上限値以上であるか否かを判断する。上限値以上である場合、ステップST3004へ移行する。上限値以上でない場合、ステップST3005へ移行する。
【0296】
上限値は、移動体通信システムとして静的に決定されていても良いし、キャリアアグリゲーション対応の基地局毎に静的、あるいは順静的に決定されていても良いし、移動端末の能力によって決定されても良い。移動端末の能力によって決定される場合、移動端末から基地局に対してキャリアアグリゲーション可能なコンポーネント数を通知するようにしても良いし、あるいは、移動端末自身が移動端末の能力によって上限値を決定し、基地局に該上限値を通知するようにしても良い。上限値が移動体通信システムとして静的に決定された場合、及び移動端末の能力によって決定された場合、移動端末の設計時においてハードウェア、ソフトウェアに上限を設けることが可能となり、移動端末の複雑性回避が可能という効果を得ることができる。上限値がキャリアアグリゲーション対応の基地局毎に静的、あるいは順静的に決定された場合、基地局の無線リソースの負荷状況などに応じた制御が可能となり、柔軟な移動体通信システムの構築が可能となる効果を得ることが出来る。移動端末の能力の具体例としては、制御情報の保管領域(メモリなど)の大小、対応リリース番号、対応通信速度などが考えられる。
【0297】
ステップST3004にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに新たなコンポーネントを追加し、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントを削除する。つまり、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの更新を行う。
【0298】
ステップST3005にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに新たなコンポーネントの追加を行う。
【0299】
ステップST3006にて基地局は、ステップST2902にて受信した移動端末の測定結果、あるいはCQIを基に当該移動端末に対するキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントの削除を行う。
【0300】
ステップST3007にて基地局は、移動端末へキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントを通知する。変更後のキャンディデートコンポーネントに含まれる全てのコンポーネントに関する情報を通知しても良いし、変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知しても良い。全てのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、無線通信によるエラーに強くなるという効果を得ることが出来る。また変更前と変更後の差分のみのコンポーネントに関する情報を通知する場合は、通知する情報量を削減することができるので、無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。通知方法は、実施の形態3のコンポーネントインデックスとスケジューリングコンポーネントの対応付けの結果である、対応表の具体例を用いることが出来る。よって説明を省略する。
【0301】
ステップST3008にて移動端末は、基地局よりキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントを受信する。
【0302】
実施の形態4の変形例1は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。
【0303】
または、RRCメッセージ中、あるいはMACメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1、実施の形態2の解決策を用いるか、あるいは実施の形態3の解決策を用いるか、あるいは実施の形態4の変形例1を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例は実施の形態4と同様であるので、説明は省略する。
【0304】
実施の形態4の変形例1により実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0305】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの上限数が決まるため、移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいての当該移動端末用の無線リソースの確保に上限を設けることが可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0306】
また、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントの上限数が決まるため、移動端末において、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報を保管領域の上限を設けることが可能となる。これにより、移動端末の設計時においてハードウェア、ソフトウェアに上限を設けることが可能となり、移動端末の複雑性回避が可能という効果を得ることができる。
【0307】
実施の形態4 変形例2.
実施の形態4の変形例2にて解決する課題は、実施の形態4と同様であるため説明を省略する。本実施の形態4の変形例2での解決策を以下に示す。
【0308】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、ある移動端末キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージをキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対して共通とする。
【0309】
動作の一例は、実施の形態4と類似している。異なる部分のみを図29を用いて説明する。
【0310】
ステップST2904にて基地局は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用に、既にキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントと同様の無線リソースを確保する。確保が必要な無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0311】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対して制御情報が共通であるので、ステップST2905、ステップST2906は不要となる。当該移動端末に対してキャンディデートコンポーネントキャリアセットを新規に作成する場合に、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントへ追加するコンポーネントに関する制御情報、具体例としてはRRCメッセージ、あるいはMACメッセージを送信する。
【0312】
また、実施の形態4の変形例2と実施の形態4の変形例1は組み合わせて用いることが出来る。
【0313】
動作の一例は、実施の形態4の変形例1と類似している。異なる部分のみを図30を用いて説明する。
【0314】
ステップST2904にて基地局は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用に、既にキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれているコンポーネントと同様の無線リソースを確保する。またキャンディデートコンポーネントキャリアセットから削除するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを開放する。確保が必要な無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0315】
実施の形態4の変形例2は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3と組み合わせて用いることが出来る。
【0316】
または、RRCメッセージ中、あるいはMACメッセージ中の制御情報によって、あるいは制御内容によって実施の形態1、実施の形態2の解決策を用いるか、あるいは実施の形態3の解決策を用いるか、あるいは実施の形態4の変形例2を用いるか分けても良い。解決策を分ける具体例は実施の形態4と同様であるので、説明は省略する。
【0317】
実施の形態4の変形例1により実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4の効果に加えて、以下の効果を得ることが出来る。
【0318】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントにて、ある移動端末キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントに対する制御情報が共通となるので、移動端末にて制御情報を保管領域の削減が可能となる。これにより、移動端末の設計時においてハードウェア、ソフトウェアの削減が可能となり、移動端末の複雑性回避が可能という効果を得ることができる。
【0319】
実施の形態4 変形例3.
実施の形態4の変形例3にて解決する課題について説明する。実施の形態4、または実施の形態4の変形例3の解決策を用いた場合、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに追加するコンポーネントにて、当該移動端末用の無線リソースを確保する必要が発生する場合がある。この場合、移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいても、当該移動端末用の無線リソースが確保される場合がある。これは、無線リソースの無駄が発生するという課題が生じる。
【0320】
本実施の形態4の変形例3での解決策を以下に示す。
【0321】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末に対してする無線リソースの確保は、キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする、あるいはスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする。
【0322】
キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末に対して確保される無線リソースの具体例としては、スケジューリングリクエストのリソースなどがある。
【0323】
キャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネント、あるいはスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントの具体例としては、アンカーコンポーネントなどがある。
【0324】
言い換えると、キャリアアグリゲーション対応の基地局において、移動端末から基地局に対してスケジューリングリクエストを送信するコンポーネントをキャンディデートコンポーネントキャリアセットに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする、あるいはスケジューリングコンポーネントに含まれるコンポーネントのうち一部、あるいは一つのコンポーネントのみとする。
【0325】
実施の形態4の変形例3は、実施の形態1、変形例を含む実施の形態2、実施の形態3、変形例を含む実施の形態4と組み合わせて用いることが出来る。
【0326】
実施の形態4の変形例3により以下の効果を得ることが出来る。
【0327】
移動端末と基地局間にて実際にデータの送受信が行われていないコンポーネントにおいての当該移動端末用の無線リソースの確保が削減可能となる。これにより、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0328】
実施の形態5.
実施の形態5にて解決する課題について説明する。実施の形態1で説明した通り、LTE−Aシステムでは複数のコンポーネントキャリア上の受信と送信、あるいは受信のみ、あるいは送信のみのキャリアアグリゲーションがサポートされる。
【0329】
キャリアアグリゲーションを実現する上で、移動端末にて必要なメジャメント(Measurement)の具体例として、3GPP会合上で以下が話し合われている(非特許文献14)。
【0330】
異なるカバレッジをサポートするために、設定されたコンポーネントキャリアと同じ周波数上の測定対象を比較する必要がある。便宜上、該測定を第一の測定と称する。第一の測定は1つの与えられた周波数上で、移動端末におけるベストセルを知るために用いることができる。
【0331】
具体例を図31に示す。ある移動端末のサービング基地局3104にて、該移動端末に設定されたコンポーネントキャリアとして、設定コンポーネントキャリア1(設定CC_1)3101、設定コンポーネントキャリア2(設定CC_2)3102、設定コンポーネントキャリア3(設定CC_3)3103が存在する場合を考える。また該移動端末の周辺基地局3108にてコンポーネントキャリア1(周辺基地局_CC_1)3105、コンポーネントキャリア2(周辺基地局_CC_2)3106、コンポーネントキャリア3(周辺基地局_CC_3)3107が存在する場合を考える。設定CC_1と周辺基地局_CC_1は同じ周波数レイヤ3109(f1)上に存在する。設定CC_2と周辺基地局_CC_2は同じ周波数レイヤ3110(f2)上に存在する。設定CC_3と周辺基地局_CC_3は同じ周波数レイヤ3111(f3)上に存在する。上記第一の測定では、設定されたコンポーネントキャリアと同じ周波数上の測定対象を比較する。具体的に説明すれば、該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_1と同じ周波数f1上に存在する周辺基地局_CC_1を比較する測定を実行する。また、該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_2と同じ周波数f2上に存在する周辺基地局_CC_2を比較する測定を実行する。また、該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_3と同じ周波数f3上に存在する周辺基地局_CC_3を比較する測定を実行する。
【0332】
また、異基地局ハンドオーバ、異周波数ハンドオーバ、異システムハンドオーバをサポートするために、設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上のコンポーネントキャリアを比較する必要がある。便宜上、該測定を第二の測定と称する。具体例を図32に示す。
【0333】
具体例を図32に示す。ある移動端末のサービング基地局3203にて、該移動端末に設定されたコンポーネントキャリアとして、設定コンポーネントキャリア1(設定CC_1)3201、設定コンポーネントキャリア2(設定CC_2)3202が存在する場合を考える。また該移動端末の周辺基地局3207にてコンポーネントキャリア1(周辺基地局_CC_1)3204、コンポーネントキャリア2(周辺基地局_CC_2)3205、コンポーネントキャリア3(周辺基地局_CC_3)3206が存在する場合を考える。設定CC_1と周辺基地局_CC_1は同じ周波数レイヤ3208(f1)上に存在するとする。設定CC_2と周辺基地局_CC_2は同じ周波数レイヤ3209(f2)上に存在するとする。周辺基地局_CC_3は同じ周波数レイヤ3110(f3)上に存在するとする。上記第二の測定では、設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上の測定対象を比較する。具体的に説明すれば、該移動端末は、周波数f2上の設定されたコンポーネントキャリアである設定CC_2と異なる周波数f3上に存在する周辺基地局_CC_3を比較する測定を実行する。
【0334】
キャリアアグリゲーションにおいて、複数のコンポーネントキャリアが設定された場合、測定リファレンスコンポーネントキャリア(Measurement Reference Component Carrier)をどのように特定するか議論されている。具体的な方法として以下が挙げられている(非特許文献14)。
【0335】
第一の方法として、測定リファレンスコンポーネントキャリアは、ネットワークにより設定される。ネットワークの再設定無しでは変更されない。該コンポーネントキャリアは第一コンポーネントキャリア(Primary Component Carrier:PCC)とも称されている。
【0336】
第二の方法として、ネットワークによりメジャメントアイデンテティー(Measurement Identity)毎に設定される。メジャメントアイデンテティーの詳細は後述する。但し、具体的な設定方法についての開示は無い。
【0337】
第三の方法として、移動端末におけるベストコンポーネントキャリアとする。移動端末により自動的に更新され、ネットワークの再設定無しで変更可能である。
【0338】
現在の3GPPの規格(非特許文献15)では、メジャメントについて以下が決定している。
【0339】
ネットワーク側は、移動端末へ測定対象(Measurement Object)により、ただ一つのE−UTRAキャリア周波数を指定する。また、測定対象のリストが存在する。
【0340】
ネットワーク側は、移動端末へ報告設定(Reporting Configurations)により、移動端末が測定報告(Measurement Report)を送信する引き金(トリガ)となる評価基準、報告形式などを指定する。報告形式には、報告するセルの数などが含まれる。また、報告設定のリストが存在する。
【0341】
ネットワーク側は、移動端末へメジャメントアイデンテティー(Measurement identity)により、1個の測定対象と1個の報告設定を結びつけ指定する。また、メジャメントアイデンテティーのリストが存在する。
【0342】
移動端末はネットワーク側へ、測定報告(Measurement Report)を行う。測定報告には、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービング基地局の測定結果などが含まれる。
【0343】
また、移動端末は1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理する。
【0344】
また、同じ基地局のコンポーネントキャリアであれば、上りリンクと下りリンクにて異なったコンポーネント数をキャリアアグリゲーションすることがサポートされる(非特許文献16)。便宜上、上記キャリアアグリゲーションを非対称のキャリアアグリゲーションと称する。
【0345】
非対称のキャリアアグリゲーションが行われている場合を考える。例として図33の場合について説明する。図31と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0346】
ある移動端末のサービング基地局3308にて、該移動端末に設定された下りコンポーネントキャリアとして設定下りコンポーネントキャリア1(設定DL_CC_1)3301、設定下りコンポーネントキャリア2(設定DL_CC_2)3302が存在する場合を考える。また該移動端末に設定された上りコンポーネントキャリアとして設定上りコンポーネントキャリア2(設定UL_CC_2)3306が存在する場合を考える。
【0347】
また、設定DL_CC_1と周辺基地局_CC_1は同じ周波数レイヤ3303(f1_DL)上に存在する。設定DL_CC_2と周辺基地局_CC_2は同じ周波数レイヤ3304(f2_DL)上に存在する。設定DL_CC_3と周辺基地局_CC_3は同じ周波数レイヤ3305(f3_DL)上に存在する。設定UL_CC_2は周波数レイヤ3307(f2_UL)上に存在する。
【0348】
つまり、該移動端末は受信側にて2つのコンポーネントキャリアをアグリゲーションし、送信側にて1つの上りコンポーネントキャリアを用いることとなる。よって該移動端末では非対称のキャリアアグリゲーションが実行されている。
【0349】
実施の形態5にて解決する課題について図33を用いて説明する。図33にて、上記第二の測定を行った場合を検討する。該移動端末は、設定されたコンポーネントキャリアと異なる周波数上の測定対象を比較する。具体的に説明すれば、該移動端末は、設定された下りコンポーネントキャリアである設定DL_CC_1と異なる周波数f2_DL上に存在する周辺基地局_CC_2を比較する測定を実行する。便宜上、DL_CC_1比較測定と称する。また、該移動端末は、設定された下りコンポーネントキャリアである設定DL_CC_2と異なる周波数f3_DL上に存在する周辺基地局_CC_3を比較する測定を実行する。便宜上、DL_CC_2比較測定と称する。
【0350】
該移動端末がネットワーク側へ上記2つの測定、DL_CC_1比較測定、DL_CC_2比較測定に関する測定報告を、1つの上りコンポーネントキャリア上(設定UL_CC_2)で行う必要が生じる。つまり異なる2つの測定リファレンスコンポーネントキャリアである設定DL_CC_1、設定DL_CC_2に対する比較結果を1つの上りコンポーネントキャリアで移動端末からネットワーク側へ通知する必要がある。
【0351】
よって非対称のキャリアアグリゲーションが実行された場合、移動端末からネットワーク側へ測定報告が行われても、ネットワーク側は測定リファレンスコンポーネントキャリアを知る術がない。
【0352】
よって移動体通信システムとして、ハンドオーバなどのモビリティ管理、コンポーネントキャリアの追加、削除、入替えなどのコンポーネントキャリア管理などを適切に行うことが出来ないという課題が発生する。本課題については非特許文献14、非特許文献15、非特許文献16に示唆はない。
【0353】
また、非特許文献14の測定リファレンスコンポーネントキャリアをどのように特定するかの方法が適用された場合であっても、上記課題は発生する。
【0354】
またLTEシステムにおいては、キャリアアグリゲーションがサポートされない。つまり上りリンクと下りリンクが1対1の関係にあった。よって、移動端末からネットワーク側へ測定報告が行われた場合、測定リファレンスコンポーネントキャリアの周波数は測定報告が行われた上りキャリア周波数とペアの下りキャリア周波数であると、暗示的に示すことができた。一方、LTE−Aシステムにてサポートされる非対称のキャリアアグリゲーションにおいては、上りリンクと下りリンクが1対1の関係にないため、従来の測定リファレンスを暗示的に示す方法を用いることが出来ない。
【0355】
現在の規格において移動端末は、ネットワーク側へ行う測定報告にて、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含める。また移動端末は、1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理する。このように現在の規格では、非対称キャリアアグリゲーションにおいて測定報告を受けたネットワーク側が測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握する手段は無い。
【0356】
このように、本実施の形態5の課題はLTEシステムでは発生せず、キャリアアグリゲーションをサポートするシステム、具体例としてはLTE−Aシステムにて新たに発生する課題である。
【0357】
本実施の形態5での解決策を以下に示す。移動端末は、測定報告(Measurement Report)に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める。あわせて、移動端末は測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含めてもよい。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティ管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0358】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例として、以下5つ開示する。
【0359】
(1)移動端末における受信品質が最も良いセル(ベストセル)。最も良いセルは、設定されたコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も良いセルは、スケジューリングコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も良いセルは、キャンディデートコンポーネントキャリアセットから選択しても良い。
【0360】
(2)移動端末における受信品質が最も悪いセル(ワーストセル)。最も悪いセルは、設定されたコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も悪いセルは、スケジューリングコンポーネントキャリアから選択しても良い。また最も悪いセルは、キャンディデートコンポーネントキャリアセットから選択しても良い。
【0361】
(3)測定対象に対応する設定コンポーネントキャリア。測定対象で指定されたキャリア周波数上の設定コンポーネントキャリア。非特許文献17には、該コンポーネントキャリアをサービングセルと称することが提案されている。あるいは、測定対象で指定されたキャリア周波数上のスケジューリングコンポーネントキャリアとしても良い。また、測定対象で指定されたキャリア周波数上のキャンディデートコンポーネントキャリアとしても良い。
【0362】
(4)測定設定を行った下りコンポーネントキャリア。
【0363】
(5)ネットワーク側から移動端末へ設定された測定リファレンスコンポーネントキャリア。測定設定に対して1つの測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を新設する。測定対象内に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を新設してもよい。
【0364】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報の具体例とし、以下2つ開示する。(1)実施の形態1の「どのコンポーネントに対する制御情報かを示す情報」の具体例を用いることができる。(2)PCI。非特許文献18では、同じ基地局に属するコンポーネントキャリアであっても異なるPCIを割当てることが提案されている。
【0365】
測定設定毎、あるいは測定報告トリガ毎に、移動端末が測定報告に含める測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別を変更してもよい。該組合せは移動体通信システムにて準静的に決定しても良いし、静的に決定しても良い。
【0366】
準静的に決定する場合の設定方法の具体例を以下2つ開示する。(1)報知情報にて通知する。(2)測定設定にて通知する。測定設定中に測定報告トリガと測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の組合せを示す情報を新設する。報告設定中に測定報告トリガ毎に測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別を示す情報を新設しても良い。
【0367】
非特許文献15に開示されている、従来の測定報告トリガについて説明する。イベントA1とは、サービングセルの受信品質が閾値より良好となったことを示す。具体的には、以下式(A1−1)が満たされた場合にイベントA1を満足する状態となり、以下式(A1−2)が満たされた場合にイベントA1を満足する状態ではなくなる。
【0368】
式(A1―1)Ms-Hys>Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)(RSRP、RSRQなど)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良好となった場合は、イベントA1を満足する状態となる。
【0369】
式(A1−2)Ms+Hys<Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントA1を満足する状態ではなくなる。
【0370】
イベントA2とは、サービングセルの受信品質が閾値より悪くなったことを示す。具体的には、以下式(A2−1)が満たされた場合にイベントA2を満足する状態となり、以下式(A2−2)が満たされた場合にイベントA2を満足する状態ではなくなる。
【0371】
式(A2−1)Ms+Hys<Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントA2を満足する状態となる。
【0372】
式(A2−2)Ms-Hys>Thresh
サービングセルの受信品質(Ms)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良好となった場合は、イベントA2を満足する状態ではなくなる。
【0373】
イベントA3とは、周辺セルの受信品質がサービングセルの受信品質より良好になったことを示す。具体的には、以下式(A3−1)が満たされた場合にイベントA3を満足する状態となり、以下式(A3−2)が満たされた場合にイベントA3を満足する状態ではなくなる。
【0374】
式(A3−1)Mn+Ofn+Ocn-Hys>Ms+Ofs+Ocs+Off
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、サービングセルの受信品質(Ms)にサービングセルの周波数依存のオフセット値(Ofs)を加え、サービングセル固有のオフセット値(Ocs)を加え、本イベントのオフセット値(Off)を加えた値より良くなった場合は、イベントA3を満足する状態となる。
【0375】
式(A3−2)Mn+Ofn+Ocn+Hys<Ms+Ofs+Ocs+Off
あるいは、周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、サービングセルの受信品質(Ms)にサービングセルの周波数依存のオフセット値(Ofs)を加え、サービングセル固有のオフセット値(Ocs)を加え、本イベントのオフセット値(Off)を加えた値より悪くなった場合は、イベントA3を満足する状態ではなくなる。
【0376】
イベントA4とは、周辺セルの受信品質が閾値より良好となったことを示す。具体的には、以下式(A4−1)が満たされた場合にイベントA4を満足する状態となり、以下式(A4−2)が満たされた場合にイベントA4を満足する状態ではなくなる。
【0377】
式(A4−1)Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良くなった場合は、イベントA4を満足する状態となる。
【0378】
式(A4−2)Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh
あるいは、周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントA4を満足する状態ではなくなる。
【0379】
イベントA5とは、サービングセルの受信品質が閾値1より悪くなったことを示し、かつ、周辺セルの受信品質が閾値2より良くなったことを示す。具体的には、以下式(A5−1)かつ以下式(A5−2)が満たされた場合にイベントA5を満足する状態となり、以下式(A5−3)あるいは以下式(A5−4)が満たされた場合にイベントA5を満足する状態ではなくなる。
【0380】
式(A5−1)Ms+Hys<Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値1(Thresh1)より悪くなった場合は、式(A5−1)を満足する状態となる。
【0381】
式(A5−2)Mn+Ofn+Ocn-Hys>Thresh2
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値2(Thresh2)より良くなった場合は、式(A5−2)を満足する状態となる。
【0382】
式(A5−3)Ms-Hys>Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値1(Thresh1)より良くなった場合は、イベントA5を満足する状態ではなくなる。
【0383】
式(A5−4)Mn+Ofn+Ocn+Hys<Thresh2
周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、周辺セル固有のオフセット値(Ocn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値2(Thresh2)より悪くなった場合は、イベントA5を満足する状態ではなくなる。
【0384】
イベントB1とは、異システムの周辺セルの受信品質が閾値より良好となったことを示す。異システムとしてはUTRA、CDMA2000が考えられている。具体的には、以下式(B1−1)が満たされた場合にイベントB1を満足する状態となり、以下式(B1−2)が満たされた場合にイベントB1を満足する状態ではなくなる。
【0385】
式(B1−1)Mn+Ofn-Hys>Thresh
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値(Thresh)より良くなった場合は、イベントB1を満足する状態となる。
【0386】
式(B1−2)Mn+Ofn+Hys>Thresh
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値(Thresh)より悪くなった場合は、イベントB1を満足する状態ではなくなる。
【0387】
イベントB2とは、サービングセルの受信品質が閾値1より悪くなったことを示し、かつ、異システムの周辺セルの受信品質が閾値2より良くなったことを示す。異システムとしてはUTRA、CDMA2000が考えられている。具体的には、以下式(B2−1)かつ以下式(B2−2)が満たされた場合にイベントB2を満足する状態となり、以下式(B2−3)あるいは以下式(B2−4)が満たされた場合にイベントB2を満足する状態ではなくなる。
【0388】
式(B2−1)Ms+Hys<Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)にヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値1(Thresh1)より悪くなった場合は、式(B2−1)を満足する状態となる。
【0389】
式(B2―2)Mn+Ofn-Hys>Thresh2
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値2(Thresh2)より良くなった場合は、式(B2−2)を満足する状態となる。
【0390】
式(B2−3)Ms-Hys>Thresh1
サービングセルの受信品質(Ms)からヒステリシス値(Hys)を引いた値が、閾値1(Thresh1)より良くなった場合は、イベントB2を満足する状態ではなくなる。
【0391】
式(B2−4)Mn+Ofn+Hys<Thresh2
異システムであるUTRA、あるいはCDMA2000の周辺セルの受信品質(Mn)に周辺セルの周波数依存のオフセット値(Ofn)を加え、ヒステリシス値(Hys)を加えた値が、閾値2(Thresh2)より悪くなった場合は、イベントB2を満足する状態ではなくなる。
【0392】
非特許文献14に開示されているイベントA3−bisとは、サービングセルとは異なる周波数の周辺セルの受信品質がサービングセルの受信品質より良好になったことを示す。
【0393】
測定報告トリガと移動端末が測定報告に含める測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の組合せの具体例について以下に示す。
【0394】
(1)イベントA2について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。これによりネットワーク側が、測定リファレンスコンポーネントキャリアの該移動端末での受信品質が閾値より悪くなったことを把握することができる。よって該測定リファレンスコンポーネントキャリアを設定されたコンポーネントキャリアから削除するといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをスケジューリングコンポーネントキャリアから削除するといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをキャンディデートコンポーネントキャリアから削除するといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。
【0395】
(2)イベントA3について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。これによりネットワーク側が、測定リファレンスコンポーネントキャリアの該移動端末での受信品質より、良好な周辺セルが存在することを把握することができる。よって該測定リファレンスコンポーネントキャリアを設定されたコンポーネントキャリアから削除し、該周辺セルを設定されたコンポーネントキャリアへ追加する、つまりコンポーネントキャリアの入替えといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをスケジューリングコンポーネントキャリアから削除し、該周辺セルをスケジューリングコンポーネントキャリアへ追加する、つまりコンポーネントキャリアの入替えといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該測定リファレンスコンポーネントキャリアをキャンディデートコンポーネントキャリアから削除し、該周辺セルをキャンディデートコンポーネントキャリアへ追加する、つまりコンポーネントキャリアの入替えといった、適切なコンポーネントキャリア管理を行うことができる。あるいは、該周辺セルへハンドオーバするといった、適切なモビリティ管理を行うことができる。
【0396】
(3)イベントA5について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。具体的説明は上記(2)イベントA3と同様であるので説明を省略する。
【0397】
(4)イベントB2について、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。具体的説明は上記(2)イベントA3と同様であるので説明を省略する。
【0398】
(5)イベントA3−bisについて、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例(2)を用いる。具体的説明は上記(2)イベントA3と同様であるので説明を省略する。
【0399】
図34に動作の一例を示す。本動作例においては、測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別には、具体例(5)を用いる。また、測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報には、具体例(2)を用いる。
【0400】
また、サービング基地局と周辺基地局の状況を図35に示す。図33と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。
【0401】
また3301設定DL_CC_1の受信品質より、3105周辺基地局_CC_1の受信品質が良好となり、3302設定DL_CC_2の受信品質より、3107周辺基地局_CC_3の受信品質が良好になった場合を示す。
【0402】
本実施の形態に係る基地局(例えば図35の基地局3308)の構成例を示すブロック図を図38に示す。図9と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。下りコンポーネントA用制御部3801は、ある1つの下りコンポーネントの制御を行う。下りコンポーネントA用制御部3801には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−A、下りコンポーネントA用の送信データバッファ部904−A、下りコンポーネントA用のエンコーダー部905−A、下りコンポーネントA用の変調部906−A、下りコンポーネントA用の周波数変換部907−Aが存在する。あるいは、下りコンポーネントA用制御部3801には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−A、下りコンポーネントA用の周波数変換部907−Aが存在するとしても良い。あるいは、下りコンポーネントA用制御部3801には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−Aが存在するとしても良い。例えば、周波数変換部907−Aにて下りコンポーネントA用の周波数として3301設定DL_CC_1(f1_DL)が設定された場合、下りコンポーネントA用制御部3801は設定DL_CC_1用制御部となる。
【0403】
下りコンポーネントB用制御部3802は、ある1つの下りコンポーネントの制御を行う。下りコンポーネントB用制御部3802には、下りコンポーネントB用のプロトコル処理部903−B、下りコンポーネントB用の送信データバッファ部904−B、下りコンポーネントB用のエンコーダー部905−B、下りコンポーネントB用の変調部906−B、下りコンポーネントB用の周波数変換部907−Bが存在する。あるいは、下りコンポーネントB用制御部3802には、下りコンポーネントA用のプロトコル処理部903−B、下りコンポーネントB用の周波数変換部907−Bが存在するとしても良い。あるいは、下りコンポーネントB用制御部3802には、下りコンポーネントB用のプロトコル処理部903−Bが存在するとしても良い。例えば、周波数変換部907−Bにて下りコンポーネントB用の周波数として3302設定DL_CC_2(f2_DL)が設定された場合、下りコンポーネントB用制御部3802は設定DL_CC_2用制御部となる。
【0404】
本構成例では下りコンポーネント用制御部が2つの場合について示したが、1つ、あるいは3つ以上の場合も考えられる。
【0405】
上りコンポーネントC用制御部3803は、ある1つの上りコンポーネントの制御を行う。上りコンポーネントC用制御部3803には、上りコンポーネントC用のプロトコル処理部903−C、上りコンポーネントC用のデコーダー部910−C、上りコンポーネントC用の復調部909−C、上りコンポーネントC用の周波数変換部907−Cが存在する。あるいは、上りコンポーネントC用制御部3803には、上りコンポーネントC用のプロトコル処理部903−C、上りコンポーネントC用の周波数変換部907−Cが存在するとしても良い。あるいは、上りコンポーネントC用制御部3803には、上りコンポーネントC用のプロトコル処理部903−Cが存在するとしても良い。例えば、周波数変換部907−Cにて上りコンポーネントC用の周波数として3306設定UL_CC_2(f2_UL)が設定された場合、上りコンポーネントC用制御部3803は設定UL_CC_2用制御部となる。
【0406】
本構成例では上りコンポーネント用制御部が1つの場合について示したが、2つ以上の場合も考えられる。
【0407】
プロトコル処理部3804は、基地局全体のプロトコル処理を行う。例えば、各コンポーネント用制御部にまたがる、あるいは上りリンクと下りリンクにまたがる、あるいは各コンポーネントの調整を行うようなプロトコル処理を行う。
【0408】
ステップST3401にて設定DL_CC_1(3301)用制御部3801は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、測定対象としてf1_DLと測定リファレンスコンポーネントキャリアとして設定DL_CC_1(3301)のPCIが含まれる。報告設定として、イベントA3の閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティーとして、MeasurementID「1」が含まれる。MeasurementID「1」にて、測定対象f1_DLと報告設定イベントA3が結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3303(f1_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア1(設定DL_CC_1)3301を用いて通知してもよい。
【0409】
ステップST3402にて移動端末は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801からの測定設定を受信する。
【0410】
ステップST3403にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、測定対象としてf3_DLと測定リファレンスコンポーネントキャリアとして3302設定DL_CC_2のPCIが含まれる。報告設定として、イベントA3−bisの閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティとして、MeasurementID「1」が含まれる。MeasurementID「1」にて、測定対象f3_DLと報告設定イベントA3−bisを結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3304(f2_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア2(設定DL_CC_2)3302を用いて通知してもよい。
【0411】
ステップST3404にて移動端末は、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802からの測定設定を受信する。
【0412】
ステップST3405にて移動端末は、ステップST3402、ステップST3404にて受信した測定設定に応じて測定を行う。
【0413】
ステップST3406にて移動端末は、ステップST3402、ステップST3404にて受信した測定設定に基づき、測定報告イベント送信についてトリガが発生したか否かを判断する。本動作例では、設定DL_CC_1(3301)の受信品質より、周辺基地局_CC_1(3105)の受信品質が良好となった場合を示すため、移動端末は、イベントA3送信についてのトリガが発生したと判断する。また、設定DL_CC_2(3302)の受信品質より、周辺基地局_CC_3(3107)の受信品質が良好になった場合を示すため、移動端末は、イベントA3−bis送信についてトリガが発生したと判断する。
【0414】
ステップST3407にて移動端末は、基地局に対して、設定UL_CC_2(3306)を用いて、イベントA3、及びイベントA3−bisが発生したとの測定報告を行う。該測定報告は、設定UL_CC_2(3306)用制御部3803を通じて、プロトコル処理部3804へ通知される。測定報告には、測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報が含まれる。具体的には、イベントA3の測定報告には、設定DL_CC_1(3301)のPCI、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_1(3105)のPCIなどが含まれる。イベントA3−bisの測定報告には、設定DL_CC_2(3302)のPCI、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_3(3107)のPCIなどが含まれる。
【0415】
ステップST3408にてプロトコル処理部3804は、移動端末から測定報告を受信する。測定報告毎に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報が含まれることから、非対称のキャリアアグリゲーションが行われた場合であっても、基地局は測定毎の測定リファレンスコンポーネントキャリアを知ることができる。
【0416】
ステップST3409にて基地局3308(プロトコル処理部3804)は、ステップST3408にて受信した測定報告に基づき、ハンドオーバ処理を実行する。
【0417】
実施の形態5により以下の効果を得ることが出来る。非対称のキャリアアグリゲーションが実行された場合においてもネットワーク側は、測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握することが可能となる。これにより、移動体通信システムとして、ハンドオーバなどのモビリティ管理、またコンポーネントキャリアの追加、削除、入替えなどのコンポーネントキャリア管理などを適切に行うことが可能となる。よって、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。
【0418】
実施の形態5 変形例1.
実施の形態5の変形例1にて解決する課題は、実施の形態5と同様であるため説明を省略する。
【0419】
本実施の形態5の変形例1での解決策を以下に示す。実施の形態5と異なる部分を記載する。特に記載の無い部分については実施の形態5と同様とする。
【0420】
測定報告を行う場合移動端末は、実施の形態1の第三の解決策を用いて、測定報告を含むRRCメッセージが、どの下りコンポーネントキャリアに対応する制御情報かを示す情報を通知する。あわせて、移動端末は測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含めてもよい。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティー管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0421】
移動端末は、測定設定を行った下りコンポーネントキャリア毎に、1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理する。これにより、移動端末にて下りコンポーネントキャリア毎に測定を行い易くなり、測定報告を含むRRCメッセージが、どの下りコンポーネントキャリアに対応する制御情報かを示す情報を付加しやすくなるという効果を得ることができる。また、移動端末は、複数の測定対象リスト、複数の報告設定リスト、複数のメジャメントアイデンテティーリストを管理するとしても良い。前記複数は、設定されたコンポーネントキャリアの数、あるいはスケジューリングコンポーネントキャリアの数、あるいはキャンディデートコンポーネントキャリアの数としても良い。
【0422】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例は、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報の具体例は、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。動作の一例についても、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
【0423】
実施の形態5の変形例1により、実施の形態5と同様の効果を得ることが出来る。
【0424】
実施の形態5 変形例2.
実施の形態5の変形例2にて解決する課題は、実施の形態5と同様であるため説明を省略する。
【0425】
本実施の形態5の変形例2での解決策を以下に示す。実施の形態5と異なる部分を記載する。特に記載の無い部分については実施の形態5と同様とする。
【0426】
測定設定を1つの下りコンポーネントキャリアで行う。測定設定に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を新設する。測定リファレンスコンポーネントキャリアリストが存在しても良い。基地局内で各コンポーネントの調整を行うブロック(具体例としては図38のプロトコル処理部3804)、あるいは測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアは、メジャメントアイデンテティーにより、1個の測定リファレンスコンポーネントキャリアと1個の測定対象と1個の報告設定を結びつける。基地局内の1つのブロック、あるいは1つの下りコンポーネントキャリアが該結び付けを行うことから、メジャメントアイデンテティーを重複無く割当てることが容易となる。
【0427】
移動端末は、測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含める。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティ管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0428】
移動端末が、1つの測定対象リスト、1つの報告設定リスト、1つの測定リファレンスコンポーネントキャリアリスト、1つのメジャメントアイデンテティーリストを管理するとしても良い。
【0429】
移動端末は、測定報告を行う場合、測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアとペアの上りコンポーネントキャリアを用いて行っても良い。
【0430】
1つの下りコンポーネントキャリアの具体例を以下8つ開示する。(1)ページングメッセージを通知するキャリア。(2)キャリアアグリゲーション用、あるいはLTE−Aシステム用の報知情報を通知するキャリア。(3)PDCCHを用いてスケジューリング結果を該移動端末へ通知するキャリア。(4)マルチキャリアアンカーにおける下り周波数キャリア。(5)PCC。(6)アンカーコンポーネントキャリア。(7)スペシャルセルにおける下り周波数キャリア。(8)上記(1)から(7)の組合せ。
【0431】
測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報の具体例は、実施の形態5と同様であるので説明を省略する。
【0432】
図36に動作の一例を示す。図34と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。サービング基地局と周辺基地局の状況を図35に示す。また設定DL_CC_1(3301)の受信品質より、周辺基地局_CC_1(3105)の受信品質が良好となり、設定DL_CC_2(3302)の受信品質より、周辺基地局_CC_3(3107)の受信品質が良好になった場合を示す。基地局3308の測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアを設定DL_CC_2(3302)とする。本実施の形態に係る基地局(例えば図35の基地局3308)の構成例を示すブロック図を図38に示す。
【0433】
ステップST3601にてプロトコル処理部3804は、1個の測定リファレンスコンポーネントキャリアと1個の測定対象と1個の報告設定の結びつけを実施する。本動作例においては以下2つの結びつけを実行する。(1)MeasurementID「1」の測定リファレンスコンポーネントキャリアとしての設定DL_CC_1(3301)、測定対象としてのf1_DL(3303)、イベントA3の閾値が含まれる報告設定を結びつける。(2)MeasurementID「2」の測定リファレンスコンポーネントキャリアとしての設定DL_CC_2(3302)、測定対象としてのf3_DL(3305)、イベントA3−bisの閾値が含まれる報告設定を結びつける。
【0434】
ステップST3602にてプロトコル処理部3804は、ステップST3601にて実施した結び付けの結果(以降、「全CC測定設定」と称する。)を、測定設定を行う1つの下りコンポーネントキャリアである設定DL_CC_2(3302)用制御部3802へ通知する。全CC測定設定には、測定対象リスト、報告設定リスト、測定リファレンスコンポーネントキャリアリスト、メジャメントアイデンテティーリストが含まれても良い。
【0435】
ステップST3603にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、全CC測定設定を受信する。
【0436】
ステップST3604にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は移動端末へ、ステップST3603にて受信した全CC測定設定を通知する。ステップST3603にて受信した全CC測定設定のうち、該移動端末を対象とする測定設定を通知する。
【0437】
ステップST3605にて移動端末は、基地局3308に対して、設定UL_CC_2(3306)を用いて、イベントA3、及びイベントA3−bisが発生したとの測定報告を行う。該測定報告は、設定UL_CC_2(3306)用制御部3803を通じて、プロトコル処理部3804へ通知される。イベントA3の測定報告には、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_1(3105)のPCIなどが含まれる。イベントA3−bisの測定報告には、MeasurementID「2」、周辺基地局_CC_3(3107)のPCIなどが含まれる。測定報告に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【0438】
ステップST3606にてプロトコル処理部3804は、移動端末から測定報告を受信する。メジャメントアイデンテティーにより、1個の測定リファレンスコンポーネントキャリアと1個の測定対象と1個の報告設定を結びつけられていることにより、メジャメントアイデンテティーを含む測定報告を受信したネットワーク側で測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握できるという効果を得ることが出来る。
【0439】
実施の形態5の変形例2により、実施の形態5の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。
【0440】
実施の形態5と比較して、移動端末からネットワーク側への測定報告を行う際に、追加の情報が不要となる。これにより実施の形態5と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【0441】
実施の形態5 変形例3.
実施の形態5の変形例3にて解決する課題は、実施の形態5と同様であるため説明を省略する。
【0442】
本実施の形態5の変形例3での解決策を以下に示す。実施の形態5と異なる部分を記載する。特に記載の無い部分については実施の形態5と同様とする。
【0443】
各下りコンポーネントキャリアにて測定設定を行う。複数の下りコンポーネントキャリアを有する基地局内にて、下りコンポーネントキャリア間でメジャメントアイデンテティーに重複が無いように調整を行う。
【0444】
移動端末は、測定報告に従来の技術の通り、測定報告を送るトリガとなったメジャメントアイデンテティー、周辺セルのPCI、サービングセルの測定結果などを含める。該測定報告を基にネットワーク側は、モビリティ管理、コンポーネントキャリア管理などを行う。ネットワーク側のエンティティの具体例としては、基地局などがある。
【0445】
調整主体の具体例を以下9つ開示する。(1)ページングメッセージを通知するキャリア用制御部。(2)キャリアアグリゲーション用、あるいはLTE−Aシステム用の報知情報を通知するキャリア用制御部。(3)PDCCHを用いてスケジューリング結果を該移動端末へ通知するキャリア用制御部。(4)マルチキャリアアンカーにおける下り周波数キャリア用制御部。(5)PCC用制御部。(6)アンカーコンポーネントキャリア用制御部。(7)スペシャルセルにおける下り周波数キャリア用制御部。(8)1つの基地局内に存在する下りコンポーネントキャリア間を調整する新たなブロック。例えば図38のプロトコル処理部3804。(9)上記(1)から(8)の組合せ。
【0446】
調整内容の具体例を以下3つ開示する。(1)下りコンポーネントキャリアにて、新たなメジャメントアイデンテティーが必要となった場合、調整主体にメジャメントアイデンテティー割当を要求する。該要求を受信した調整主体が、複数の下りコンポーネントキャリア間で重複が発生しないようにメジャメントアイデンテティーを割当てる。調整主体が割当結果を該下りコンポーネントキャリアへ通知する。メジャメントアイデンテティーが必要な場合に要求されるために、マージンが不要となり、メジャメントアイデンテティーの総数が少なくなるという効果を得ることができる。(2)調整主体は、予め、複数の下りコンポーネントキャリアに、該下りコンポーネントキャリアにて使用可能なメジャメントアイデンテティーを割当てる。予め割当てられることから制御遅延が少ないという効果を得ることができる。(3)下りコンポーネントキャリアにて使用可能なメジャメントアイデンテティーを静的に決定する。
【0447】
図37に動作の一例を示す。図34と同じ参照符号は相当する部分であるので、説明は省略する。本動作例においては、調整主体としては、具体例(8)を用いる。本動作例としては、調整主体を図38のプロトコル処理部3804として記載する。また調整内容としては、具体例(1)を用いる。また、サービング基地局と周辺基地局の状況を図35に示す。また設定DL_CC_1(3301)の受信品質より、周辺基地局_CC_1(3105)の受信品質が良好となり、設定DL_CC_2(3302)の受信品質より、周辺基地局_CC_3(3107)の受信品質が良好になった場合を示す。本実施の形態に係る基地局(例えば図35の基地局3308)の構成例を示すブロック図を図38に示す。
【0448】
ステップST3701にて設定DL_CC_1(3301)用制御部3801は、プロトコル処理部3804へメジャメントアイデンテティー割当要求を通知する。
【0449】
ステップST3702にてプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801からメジャメントアイデンテティー割当要求を受信する。
【0450】
ステップST3703にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、プロトコル処理部3804へメジャメントアイデンテティー割当要求を通知する。
【0451】
ステップST3704にてプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802からメジャメントアイデンテティー割当要求を受信する。
【0452】
ステップST3705にてプロトコル処理部3804は、複数の下りコンポーネントキャリア間、本動作例においては設定DL_CC_1(3301)と設定DL_CC_2(3302)の間でメジャメントアイデンテティーの重複が発生しないように調整を実行する。例えば、調整の結果としてプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801からの要求に対してMeasurementID「1」を、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802からの要求に対してMeasurementID「2」を割当てたとする。
【0453】
ステップST3706にてプロトコル処理部3804は、メジャメントアイデンテティー割当要求を行った各下りコンポーネントキャリア用制御部へメジャメントアイデンテティーの割当を行う。本動作例ではプロトコル処理部3804は、設定DL_CC_1(3301)用制御部3801へMeasurementID「1」の割当を通知し、設定DL_CC_2(3302)用制御部3802へMeasurementID「2」の割当を通知する。
【0454】
ステップST3709にて設定DL_CC_1(3301)用制御部3801は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、報告設定として、イベントA3の閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティーとして、MeasurementID「1」が含まれる。MeasurementID「1」にて、測定対象f1_DLとイベントA3の報告設定が結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3303(f1_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア1(設定DL_CC_1)3301を用いて通知してもよい。
【0455】
ステップST3710にて設定DL_CC_2(3302)用制御部3802は、移動端末へ、測定設定を通知する。測定設定には、測定対象、報告設定、測定対象と報告設定を結びつけるメジャメントアイデンティティーが含まれる。本動作例においては、報告設定として、イベントA3−bisの閾値が含まれる。メジャメントアイデンティティとして、MeasurementID「2」が含まれる。MeasurementID「2」にて、測定対象f3_DLとイベントA3−bisの報告設定を結びつけられるとする。また該測定設定は、周波数レイヤ3304(f2_DL)を用いて通知してもよい。また該測定設定は、設定下りコンポーネントキャリア2(設定DL_CC_2)3302を用いて通知してもよい。
【0456】
ステップST3711にて移動端末は、ステップST3402、ステップST3404にて受信した測定設定に応じて測定を行う。測定リファレンスコンポーネントキャリアは、測定設定を行った下りコンポーネントキャリアとすれば良い。各下りコンポーネントキャリアにて測定設定を行うことから、本方法を実施することが可能となる。測定設定に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、測定設定に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。一方、測定リファレンスコンポーネントキャリアとして、実施の形態5の測定リファレンスコンポーネントキャリアの種別の具体例を用いることも可能である。
【0457】
ステップST3712にて移動端末は、基地局3308に対して、設定UL_CC_2(3306)を用いて、イベントA3、及びイベントA3−bisが発生したとの測定報告を行う。該測定報告は、設定UL_CC_2(3306)用制御部3803を通じて、プロトコル処理部3804へ通知される。イベントA3の測定報告には、MeasurementID「1」、周辺基地局_CC_1(3105)のPCIなどが含まれる。イベントA3−bisの測定報告には、MeasurementID「2」、周辺基地局_CC_3(3107)のPCIなどが含まれる。測定報告に測定リファレンスコンポーネントキャリアの情報を含める必要がないため、無線リソースの有効活用という効果を得ることができる。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【0458】
ステップST3713にてプロトコル処理部3804は、移動端末から測定報告を受信する。複数の下りコンポーネントキャリア間でメジャメントアイデンテティーに重複がないため、メジャメントアイデンテティーを含む測定報告を受信したネットワーク側で測定リファレンスコンポーネントキャリアを把握できるという効果を得ることが出来る。
【0459】
実施の形態5の変形例3により、実施の形態5の効果に加えて以下の効果を得ることが出来る。
【0460】
実施の形態5と比較して、ネットワーク側から移動端末への測定設定を行う際、及び移動端末からネットワーク側への測定報告を行う際に、追加の情報が不要となる。これにより実施の形態5と比較して無線リソースの有効活用という効果を得ることが出来る。また、測定報告に関して従来の技術を用いることができるため、後方互換性の高い移動体通信システムとすることが可能となる。
【符号の説明】
【0461】
1501〜1507 コンポーネント、f1〜f10 コンポーネントキャリア周波数。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部分キャリアを個別に使用するか又は前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアを使用して、前記部分キャリアに対応した移動端末又は前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する移動体通信システムであって、
前記集合キャリアを使用して前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する場合、前記集合キャリアを構成する前記複数の部分キャリア毎に、トランスポートチャネルを分割して生成された複数のトランスポートブロックをそれぞれ送信し、
前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、前記複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信することを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
前記制御情報は、RRC情報であることを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項3】
前記制御情報は、MAC情報であることを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項4】
前記制御情報は、RRC情報およびMAC情報であり、
前記RRC情報に、部分キャリアを識別する部分キャリア識別情報を含め、
前記MAC情報に、前記部分キャリア識別情報と前記部分キャリアの物理情報とを対応付ける情報を含めたことを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項5】
前記部分キャリアの候補を集めた候補集合から選択した部分キャリアを使用してデータを送信することを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項6】
前記候補集合に含まれる部分キャリアを使用して前記制御情報を送信することを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項7】
前記候補集合に含まれる部分キャリアの数に所定の上限値を設けたことを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項8】
前記制御情報の内容は、前記候補集合に含まれる部分キャリアに共通であることを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項9】
前記候補集合に含まれる一部の部分キャリアについてデータを送信するための無線資源を確保することを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項1】
複数の部分キャリアを個別に使用するか又は前記複数の部分キャリアを集めた集合キャリアを使用して、前記部分キャリアに対応した移動端末又は前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する移動体通信システムであって、
前記集合キャリアを使用して前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局とが無線通信する場合、前記集合キャリアを構成する前記複数の部分キャリア毎に、トランスポートチャネルを分割して生成された複数のトランスポートブロックをそれぞれ送信し、
前記集合キャリアに対応した移動端末と基地局との間の無線通信に関する制御情報を、前記複数のトランスポートブロックのうち単一のトランスポートブロックを使用して送信することを特徴とする移動体通信システム。
【請求項2】
前記制御情報は、RRC情報であることを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項3】
前記制御情報は、MAC情報であることを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項4】
前記制御情報は、RRC情報およびMAC情報であり、
前記RRC情報に、部分キャリアを識別する部分キャリア識別情報を含め、
前記MAC情報に、前記部分キャリア識別情報と前記部分キャリアの物理情報とを対応付ける情報を含めたことを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項5】
前記部分キャリアの候補を集めた候補集合から選択した部分キャリアを使用してデータを送信することを特徴とする請求項1記載の移動体通信システム。
【請求項6】
前記候補集合に含まれる部分キャリアを使用して前記制御情報を送信することを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項7】
前記候補集合に含まれる部分キャリアの数に所定の上限値を設けたことを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項8】
前記制御情報の内容は、前記候補集合に含まれる部分キャリアに共通であることを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【請求項9】
前記候補集合に含まれる一部の部分キャリアについてデータを送信するための無線資源を確保することを特徴とする請求項5記載の移動体通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【公開番号】特開2013−66243(P2013−66243A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−282830(P2012−282830)
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2011−519555(P2011−519555)の分割
【原出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年12月26日(2012.12.26)
【分割の表示】特願2011−519555(P2011−519555)の分割
【原出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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