説明

移動機器用車載訓練モード

【課題】 車載訓練システムを備える移動車両を開示する。
【解決手段】 この移動車両は、シャーシ、地面に接触して、シャーシを推進させるように構成した牽引装置、少なくとも1つの機能を実行するために動作可能な生産装置、生産装置を制御するために作動可能な入力装置、入力装置の作動に呼応して生産装置を動作させる構成とした制御システム、及び制御システムに動作可能に結合されたコントローラで構成される。コントローラは、入力装置の作動に呼応して生産装置が第1のタスクを実行できるようにした少なくとも1つの運転モード及び生産装置が第1のタスクを実行できないようにした訓練モードに適合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、移動車両用訓練システムに係り、さらに詳細には、移動車両と共に提供される訓練システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オフ・ハイウェイ機器のような移動車両は、ますます高性能かつ複雑になっている。例えば、エレクトロニクスにより、車両の特定の機能に対して異なるモードの作動、や車両の新しい機能の付加が可能になる。機器の潜在能力をより完全に利用できるようにするためには、オペレータがこのような能力を使用する訓練を行うことが重要である。
【特許文献1】US2006/0113121A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
オペレータの訓練は、伝統的に、オペレータ・マニュアル、簡略な実演及び教室環境におけるシミュレータの使用によって行われてきた。これは、経験豊富なオペレータの有効性に基づいており、新しい従業員には訓練の欠如を引き起こすことになる。さらに、ディファレンシャル・スリップの調整又はクラッチ・カットオフのタイミングのような特定の機能については、必要とする状況にならなければ、オペレータはこれらの訓練を受けることはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態は、例えば、移動車両の運転操作の訓練を提供する。
【0005】
本発明の他の実施形態は、例えば、移動車両を提供する。この移動車両は、シャーシ、地面に接触して、シャーシを推進させるように構成した牽引装置、少なくとも1つの機能を実行するために動作可能な生産装置、生産装置を制御するために作動可能な入力装置、入力装置の作動に呼応して生産装置を動作させる構成とした制御システム、及び制御システムに動作可能に結合されたコントローラで構成される。コントローラは、入力装置の作動に呼応して生産装置が第1のタスクを実行できるようにした少なくとも1つの運転モード及び生産装置が第1のタスクを実行できないようにした訓練モードに適合する。
【0006】
本発明のさらなる実施形態では、移動車両を提供する。この移動車両は、シャーシ、地面に接触して、シャーシを推進させるように構成した牽引装置、牽引装置に動作可能に結合するための動力装置、少なくとも1つの入力装置を介して、少なくとも1つの機能を実行するために動作可能な少なくとも1つの生産装置、及びシャーシにより支持されたコンピュータ・システムで構成される。コンピュータ・システムは、ディスプレイ及び利用者入力装置を備えている。コンピュータ・システムは、対話型訓練セッションを提供するように構成されている。訓練セッション中は、少なくとも1つの生産装置が使用不能とされる。
【0007】
本発明のさらに他の実施形態では、移動車両のオペレータを訓練する方法を提供する。この訓練方法には、移動車両を提供するステップが含まれる。移動車両は、シャーシ、地面に接触して、シャーシを前進させるように構成した牽引装置、動力装置、並びに動力装置及び牽引装置に結合され、牽引装置に動力を提供する駆動装置、を備えている。さらに、移動車両は、少なくとも1つの入力装置を介して少なくとも第1のタスクを実行するために動作可能な少なくとも1つの生産装置を備えている。本訓練方法は、さらに、移動車両に結合され、オペレータを訓練するための訓練プログラムを備えた対話型コンピュータ・システムを提供するステップと、訓練プログラムを選択するステップと、訓練プログラムの間は、少なくとも1つの生産装置を使用不能とするステップと、から構成される。
【0008】
本発明のさらなる実施形態では、移動車両のオペレータを訓練する方法を提供する。本訓練方法は、移動車両を提供するステップ、訓練プログラムの完了の表示をリモート装置に無線で通信するステップ、及び訓練プログラムの完了の記録を保存するステップで構成される。移動車両は、少なくとも1つの生産装置及び移動車両のオペレータを訓練するための対話型訓練プログラムを備えている。
【0009】
本発明の付加的な特徴は、現在知られている本発明を実施するベストモードに関する次の詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1を参照すると、移動車両100の図が開示されている。移動車両100は、シャーシ102と、地面に係合し、地面に対して車両100を推進させる1つ以上の牽引装置104を備える。一つの実施形態においては、シャーシ102は、連結式ジョイントのまわりに可動に結合された第1の部分及び第2の部分から構成される。牽引装置104は、例えば、車輪及び無限軌道を有する軌道システムを備えている。移動車両には、例えば、バックホウ、クローラ・ローダ、及びクローラ・ドーザのような建設機器、収穫機のような営林機器、及び農業機器が含まれる。
【0011】
牽引装置104は、1つ以上の駆動装置108を介して動力装置106に結合される。動力装置106は、牽引装置104に動力を供給し、車両100を推進させる。動力装置106には、例えば、内燃機関のようなエンジンが含まれる。駆動装置108には、例えば、トランスミッション及び差動装置が含まれる。
【0012】
さらに、車両100は、1つ以上の生産装置110を備える。ここで用いられるように、生産装置という用語は、車両が置かれた環境内の物体と係合するために使用される装置を意味しており、このような物体としては、土、岩石、木、及びその他環境内の任意の物体があげられる。生産装置としては、例えば、ドーザのブレード、ローダの掘削用バケット、収穫機のブーム及びカッティング・ヘッド、並びにバックホウ・ローダのバックホウ及びバケットなどがある。
【0013】
生産装置110は、1又は2以上の制御システム112により制御される。制御システムには、例えば、油圧システム、空気圧システム、メカニカル・システム、電気システム、及び/又はその他の好適なシステムの1又は2以上が含まれる。車両100のオペレータは、1又は2以上の入力装置114を介して制御システム112の動作を制御する。入力装置114には、例えば、レバー、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、ペダル、及びその他の好適な入力装置が含まれる。
【0014】
一つの実施形態において、制御システム112の動作は、コンピュータ・システム120を介して制御される。図1に示したように、制御システム112及び入力装置114は、それぞれの接続124及び125で表したように、それぞれコンピュータ・システム120のコントローラ122に動作可能に結合されている。コントローラ122は、運転モード及び訓練モードにおいて動作するように構成されている。
【0015】
運転モードにおいては、メモリ128内に保存された運転ソフトウェア126がコントローラ122により実行される。一実施形態では、運転ソフトウェア126は、入力装置114の作動に基づいて生産装置110の使用を可能とするように、少なくともコントローラ122を設定する。一実施形態では、生産装置110の使用は、コントローラ122が制御システム112を使用可能とすることにより、可能となる。訓練モードでは、コントローラ122がメモリ128内に保存された訓練ソフトウェア130を実行する。一実施形態では、訓練ソフトウェア130は、少なくとも、生産装置110の使用を不能にするようにコントローラ122を構成する。一実施形態では、生産装置110は、オペレータによる入力装置114の作動に呼応して動くのではなく、それにより使用不能にされる。
【0016】
さらに、コンピュータ・システム120は、ディスプレイ140を備えている。一実施形態では、コントローラ122は、訓練モード中では少なくとも訓練情報を、運転モード中には少なくとも運転情報をディスプレイ140上に表示するための命令を提供する。オペレータは、1又は2以上の利用者入力装置142を介して訓練モード又は運転モードのどちらかを起動できる。利用者入力装置は、例えば、ボタン、タッチ・センシティブ領域、キーボード、マウス、及びその他の好適な利用者入力装置である。一実施形態では、入力装置142は入力装置114としても機能する。
【0017】
一実施形態では、運転ソフトウェア126又は訓練ソフトウェア130の最新情報は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)メモリ装置、フレキシブル・ディスク、コンパクト・ディスク、又はその他の好適なコンピュータ読み込み可能媒体のようなリムーバブル・メディア150から、メモリ128の中にロードされる。リムーバブル・メディア150は、コンピュータ・システム120のリムーバブル・メディア・ポート152に結合される。一実施形態では、リムーバブル・メディア・ポート152はUSBポートであり、リムーバブル・メディア150はUSBメモリ装置である。さらに、リムーバブル・メディア・ポート152は、メモリ128から、訓練ソフトウェア130を通して完了した訓練セッションの表示のような情報を取り出すためにも使用される。
【0018】
図2を参照すると、移動車両100のコンピュータ・システム120は、例えば、ネットワーク162上で1又は2以上のリモート装置160と通信する。ネットワーク162がワイヤレス・ネットワークである図の実施形態においては、移動車両100のコンピュータ・システム120は、ネットワーク162に対するコネクタ154、具体的にはアンテナ156を備えている。アンテナ156は、当該技術分野で知られているように、ネットワーク162上でデータを送受信する。ワイヤレス・ネットワークには、例えば、wi−fi及びブルートゥースのようなローカル・ワイヤレス・ネットワーク、又はセルラー・ネットワーク、衛星ネットワーク、及び他の好適なネットワークのような、より広域のネットワークがある。
【0019】
また、リモート装置160は、ネットワーク162に対するコネクタ164、具体的にはアンテナ166を備えている。アンテナ156と同様のアンテナ166は、ネットワーク162上でデータを送受信する。さらに、リモート装置160は、メモリ170にアクセスするコントローラ168を備えている。メモリ170は、少なくとも、運転ソフトウェア126の最新情報及び/又は訓練ソフトウェア130の最新情報を含むソフトウェア最新情報172、並びに訓練記録174を保存している。メモリ170は、リモート装置160の一部として示されている。しかしながら、メモリ170は、他の場所に位置しても良く、ローカル・エリア・ネットワーク、広域ネットワーク、又はインターネットを含む有線又は無線のネットワークを介して、コントローラ168がアクセスできる。
【0020】
一実施形態では、組織は、様々な離れた場所に車両100、及び/又は、多くの潜在的オペレータを有する。例えば、組織は、異なった技術レベルの複数のオペレータを有する。組織は、車両100の各オペレータが、車両100の適正な運転訓練を受けていることを確認したいと所望する。したがって、車両100が第1の場所にあるとき、車両100は、第1の場所から遠く離れた場所にあるリモート装置160と通信する必要性がある。車両100のオペレータは、様々な訓練セッションの無事完了の表示を提供する車両100の訓練ソフトウェア130とやりとりする。これらの表示は、車両100に対応する訓練記録の表示を保存するネットワーク162上のリモート装置160に提供される。一実施形態において、車両100の少なくとも1つの機能は、その少なくとも1つの機能について与えられた訓練セッションが完了するまで、使用不能とされる。一実施形態において、この組織は、例えば、車両100を貸与するレンタル会社である。
【0021】
一実施形態では、訓練ソフトウェア130は、リモート装置160に保存され、例えば、ネットワーク162がインターネットへのアクセスを可能にする場合の1又は2以上のウェブ・ページのアクセスのように、ネットワーク162を介してアクセスできる。
【0022】
図3を参照すると、移動車両300が例示されている。車両300は、前方部302、後方部304、前方部302と後方部304の間の従来の連結機構306、第1及び第2の軌道システム308、310(反対側)、並びに第3及び第4の軌道システム312、314(反対側)を有する4軌道連結式ドーザである。前方部302は、ブレード320及びブレード取り付けフレーム322を備えている。さらに、前方部302は運転室324を備えている。ブレード320の位置は、少なくとも、油圧アクチュエータ321、323(反対側)により制御される。
【0023】
後方部304は、エンジン326、エンジンに作動的に接続された第1の油圧ポンプ328、第1の油圧ポンプ328に作動的に接続された第2の油圧ポンプ330、及び第2の油圧ポンプ330に作動的に接続された第3の油圧ポンプ332を備える。車両300に関する付加的な詳細は、2005年11月23日出願の米国特許出願11/286,731、公開番号2006/0113121に示されており、その開示は、言及することにより明確に本明細書の一部となっている。
【0024】
一実施形態では、運転室324は、オペレータの座席、ジョイスティックのような1又は2以上の利用者入力、及びコンピュータ・システム120のようなコンピュータ・システムを備えている。運転室324の内装の一例が、図4に示されている。図4に示した配置は、営林業用途の収穫機車両に調和するものであるが、一般に車両300にも適用できる。図4を参照すると、オペレータの座席330が示されている。座席330にアーム・レスト332及びハンド・レスト334結合している。ハンド・レスト334に結合し、それから伸張するジョイスティック336が示されている。ジョイスティック336は、入力装置114の一例である。一実施形態では、ジョイスティック336により、ブレード320のような生産装置110を制御する入力が提供される。また、付加的な入力装置114が図4に例示されており、例えば、ハンド・レスト334上のボタン338、ハンド・レスト334上のスイッチ340、側部コンソール344上のスイッチ342、及びオペレータの座席330の下方のペダル346が含まれる。
【0025】
図5を参照すると、ディスプレイ360が例示されている。ディスプレイ360は、ハウジング362及びディスプレイ画面364を備えている。ディスプレイ画面364は、コントローラ122が運転ソフトウェア126を実行する運転モードにあるとき、少なくとも運転情報を伝達し、しかもコントローラ122が訓練ソフトウェア130を実行する訓練モードにあるときは、少なくとも訓練情報を伝達する。一実施形態では、運転ソフトウェア及び表示される運転情報は、例えば、イリノイ州モーリンにあるディーア・アンド・カンパニーの営林機器に使用可能なティンバーマティック・システムの一部として提供される。
【0026】
運転情報は、例えば、インジケータ・ライトの表示、ゲージの表示、及びエンジンのrpmのような文字情報を含む。インジケータ・ライトには、例えば、エンジン予熱指示器、チェック・サービス・コード指示器、ブレーキ圧指示器、冷媒レベル指示器、冷媒温度指示器、パーク・ブレーキ指示器、及びディファレンシャル・ロック指示器が含まれる。ゲージには、例えば、冷媒温度計、作動液温度計、エンジン油圧計、トランスミッション・オイル温度計及び燃料計が含まれる。さらに、ディスプレイ画面364は、運転情報の複数の異なった画面を表示できる。一実施形態では、ディスプレイ画面364は、車両300のブレード320のような生産装置110の情報を表示できる。この情報には、例えば、ブレード320の位置、横断勾配の割合、及び車両のピッチの割合が含まれる。
【0027】
訓練情報には、例えば、車両100の運転に関連する画像及び文字情報が含まれる。さらに、訓練情報には、例えば、ビデオ・セグメント及び/又はオーディオ・セグメントが含まれる。
【0028】
ディスプレイ360は、さらに、利用者入力装置368A〜Dを備えている。一例として、利用者入力装置368A〜Dは、ボタンとして示されている。利用者入力装置368A〜Dは、これの代わりに、ダイヤル、スライダ、タッチ領域、及び/又は、ディスプレイ画面364の選択可能領域でもよい。一実施形態において、利用者入力装置368Aはメニュー機能に対応し、これにより、選択肢のメニューがディスプレイ画面364上に表示され、利用者入力装置368Dは選択機能に対応し、これにより、現在強調されている選択肢を選択することができ、利用者入力装置368B及び368Cは、それぞれ、前の及び次の入力に対応し、これにより、現在強調されている選択肢を他の選択肢に変更できる。
【0029】
図6Aを参照すると、コントローラ122が運転ソフトウェア126を実行している運転モード400の一例が示されている。ブロック402で示したように、運転モード400が起動される。一実施形態では、訓練モード410の適切な訓練が完了したことを確認する検査に呼応して、運転モード400が起動される。運転モード400では、ブロック404で示したように、コントローラ122は生産装置110を使用可能にする。したがって、車両100のオペレータは、入力装置114及び/又は142の作動を介した生産装置110によって、車両300のブレード320の上方移動のような1又は2以上の機能の実行を要求できる。さらに、ブロック406で示したように、コントローラ122は、入力装置114及び/又は入力装置142を用いたオペレータの入力に基づいて、生産装置110の動作を制御する。
【0030】
図6Bを参照すると、訓練モード410の一例が示されている。ブロック412で示したように、コントローラ122が訓練モード410を起動する。一実施形態では、訓練モード410を起動するという利用者の要求に応じて、訓練モード410が起動される。一実施形態では、利用者は、キー溝382内に配置されたキー380を、オフ又は作動位置に対向するアクセサリ位置に回すことにより、訓練モード410の起動を要求する。一実施形態では、訓練モード410がそれまでに完了していないという表示に基づいて、訓練モード410が起動される。コントローラ122は、訓練モード410の間、訓練ソフトウェア130を実行する。ブロック414で示したように、訓練モード410の間、コントローラ122は生産装置110を使用不能とする。
【0031】
さらに、コントローラ122は、車両100の運転についての訓練情報を供給する訓練セッションをオペレータに提供する。訓練セッションには、例えば、ブロック416で示したような一般的訓練、ブロック418で示したような特定運転訓練、及びブロック420で示したような入力装置訓練が含まれる。一実施形態では、一般的訓練416は、車両100の一般的な運転操作についての訓練情報を含む。さらに、一般的訓練416には、車両100の始動前及び/又は車両100の始動中に実行される項目のリスト、及び/又は、車両100の停止中及び/又は車両100の停止後に実行される項目のリストが含まれる。例えば、始動情報は、オペレータに、車両100のまわりに配置されたデカル(decals)を参照させることができ、及び/又は、実行するステップを示すビデオ・セグメントを提供することができる。一実施形態では、特定運転訓練418は、生産装置110を使って実行される特定のタスクについての情報を提供する。一実施形態では、入力装置訓練は、与えられた入力装置114及び/又は142についての情報を提供する。例えば、入力装置により制御される1又は複数の機能が説明され、そして任意の利用可能な調整が説明される。訓練ソフトウェア130には、複数の、一般的訓練セッション、特定訓練セッション、及び/又は利用者入力訓練セッションを含ませることができる。
【0032】
一実施形態では、提供される1又2以上の訓練セッションは、厳密に教育用の訓練セッションであり、訓練セッションの間は利用者入力を要求しない。一例では、訓練セッションには、ビデオ・セグメント、及び/又は、オーディオ・セグメントが含まれる。
【0033】
図7を参照すると、一般的訓練セッション430が例示されている。ブロック432で示したように、一般的訓練セッションが起動される。一実施形態では、入力368A〜Dの1又は2以上を用いて選択するように、オペレータの要求に基づいて、一般的訓練セッションが起動される。一実施形態では、訓練情報は、複数の言語で提供される。ブロック434で示したように、言語選択が受信される。一実施形態では、所望の言語を利用者入力142を用いて選択する。まだロードされていないとき、コントローラ122は、ブロック436で示したように、訓練セッションに必要な訓練ソフトウェア130の一般的訓練ソフトウェアをロードする。その後、ブロック438で示したように、コントローラ122は、ディスプレイ140に命令を与え、オペレータに訓練情報を提供する。一実施形態では、訓練情報用のビデオ・セグメントが提供される。必要であれば、付加的なビデオ・セグメントを含め、ビデオ・セグメントは、車両100の一般的運転操作、及び一般的運転操作の実行にどの利用者入力114を作動させればよいかを説明する。
【0034】
ブロック440で示したように、提供された訓練情報に関連する利用者入力を受信する。利用者入力は、たとえは、単に次の画面に進むようにとの要求であったり、又は特定の入力装置114の作動のような、特定の入力を要求する場合もある。
【0035】
ブロック442で示したように、受信された利用者入力が正確であるか、または不正確であるかについての判断が行われる。受信された利用者入力が不正確であるとき、ブロック444で示したように、メッセージがディスプレイ140上に表示され、受信された入力が不正確であり、訓練セッションの一部が繰り返されることをオペレータに知らせる。その後、ブロック438で示したように、利用者に再び訓練情報を提供する。一実施形態では、利用者は、受信された入力が不正確であっても前に進むことが許される。一例では、利用者は、不正確な利用者入力についての通知を受ける。
【0036】
受信された利用者入力が正確であるとき、ブロック446で示したように、一般的訓練セッション430の一部として付加的な訓練を提供するかどうかが判断される。付加的な訓練を提供するとき、ブロック448で示したように、コントローラ122は、次にどのような訓練情報を提供すべきかを判断する。その後、ブロック438で示したように、次の訓練情報がオペレータに提供される。このサイクルは、付加的な訓練情報が提供されなくなるまで、かつオペレータが首尾よく訓練を完了するまで繰り返される。付加的な訓練情報が提供されなくなると、ブロック450で示したように、一般的訓練セッションが完了する。
【0037】
図8を参照すると、特定訓練セッション460が例示されている。ブロック462で示したように、特定訓練セッションが起動される。一実施形態では、入力368A〜Dの1又2以上を用いて選択するように、オペレータの要求に基づいて、特定訓練セッションが起動される。一実施形態では、訓練情報は、複数の言語で提供される。ブロック464で示したように、言語選択が受信される。一実施形態では、所望の言語を利用者入力142により選択する。まだロードされていないとき、コントローラ122は、ブロック466で示したように、訓練セッションに必要な訓練ソフトウェア130の特定の訓練ソフトウェアをロードする。その後、ブロック468で示したように、コントローラ122は、ディスプレイ140に命令を与え、オペレータに訓練情報を提供する。一実施形態では、訓練情報用のビデオ・セグメントが提供される。必要であれば、付加的なビデオ・セグメントとともに、ビデオ・セグメントは、所望の特定の運転操作を実行する方法、及び所望の特定の運転操作を実行するのにどの利用者入力114を作動させればよいかを説明する。
【0038】
ブロック470で示したように、提供された訓練情報に関連する利用者入力が受信される。利用者入力は、たとえば、単に次の画面に進むようにとの要求であったり、又は、特定の入力装置114の作動のような、特定の入力を要求する場合もある。
【0039】
ブロック472で示したように、受信された利用者入力が正確であるか、又は不正確であるかについての判断が行われる。受信された利用者入力が不正確であるとき、ブロック474で示したように、メッセージがディスプレイ140上に表示され、受信された入力が不正確であり、訓練セッションの一部が繰り返されることをオペレータに知らせる。その後、ブロック468で示したように、利用者に再び訓練情報を提供する。
【0040】
受信された利用者入力が正確であるとき、ブロック476で示したように、特定の訓練セッション460の一部として付加的な訓練を提供するかどうかが判断される。付加的な訓練を提供するとき、ブロック478で示したように、コントローラ122は、次にどのような訓練情報を提供すべきかを判断する。その後、ブロック468で示したように、次の訓練情報がオペレータに提供される。このサイクルは、付加的な訓練情報が提供されなくなるまで、かつオペレータが首尾よく訓練を完了するまで繰り返される。付加的な訓練情報が提供されなくなると、ブロック480で示したように、特定訓練セッションが完了する。
【0041】
図9を参照すると、入力装置訓練セッション490が例示されている。ブロック492で示したように、入力装置訓練セッションが起動される。一実施形態では、入力368A〜Dの1又は2以上を用いて選択するように、オペレータの要求に基づいて、入力装置訓練セッションが起動される。一実施形態では、訓練情報は、複数の言語で提供される。ブロック494で示したように、言語選択が受信される。一実施形態では、利用者入力142により所望の言語を選択する。一例では、利用者入力訓練セッションは、文字、画像、ビデオ・セグメント、及び/又は、オーディオ・セグメントの1又は2以上を用いて入力装置により実行される機能の使用方法について説明する。情報は、入力装置の作動に呼応して提供される。
【0042】
さらに、ブロック495で示したように、オペレータは、利用者入力114を選択し、利用者入力を作動させることにより訓練を起動する。まだロードされていないとき、コントローラ122は、ブロック496で示したように、訓練セッションに必要な訓練ソフトウェア130の入力装置訓練ソフトウェアをロードする。その後、ブロック498で示したように、コントローラ122は、ディスプレイ140に命令を与え、オペレータに訓練情報を提供する。一実施形態では、選択された利用者入力114の機能及び利用可能な調整について説明する訓練情報用のビデオ・セグメントが提供される。
【0043】
ブロック500で示したように、提供された訓練情報に対して利用者入力が受信される。利用者入力は、たとえあるとしても、単に次の画面に進むようにとの要求であったり、または特定の入力装置114の作動のような、特定の入力を要求する場合もある。
【0044】
ブロック502で示したように、受信された利用者入力が正確であるか、又は不正確であるかについての判断が行われる。受信された利用者入力が不正確であるとき、ブロック504で示したように、メッセージがディスプレイ140上に表示され、受信された入力が不正確であり、訓練セッションの一部が繰り返されることをオペレータに知らせる。その後、ブロック498で示したように、利用者に再び訓練情報を提供する。
【0045】
受信された利用者入力が正確であるとき、ブロック506で示したように、入力装置訓練セッション490の一部として付加的な訓練を提供するかどうかが判断される。付加的な訓練を提供するとき、ブロック508で示したように、コントローラ122は、次にどのような訓練情報を提供すべきかを判断する。その後、ブロック498で示したように、次の訓練情報がオペレータに提供される。このサイクルは、付加的な訓練情報が提供されなくなるまで、かつオペレータが首尾よく訓練を完了するまで繰り返される。付加的な訓練情報が提供されなくなると、ブロック510で示したように、入力装置訓練セッションが完了する。
【0046】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関して詳述してきたが、特許請求の範囲において記述しかつ定義したような本発明の要旨及び範囲内で、変形及び変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】訓練ソフトウェアおよび運転ソフトウェアを備えた移動車両の一例につき、その一部を示す図である。
【図2】ネットワーク上でリモート装置と通信する図1の移動車両の実施形態を示す図である。
【図3】移動車両の一例である連結式無限軌道車両を示す側面図である。
【図4】移動車両の中のオペレータ・ステーションの一部の等角図である。
【図5】図4のオペレータ・ステーション用ディスプレイの一例を示す正面図である。
【図6A】運転モードの一例を示す図面である。
【図6B】訓練モードの一例を示す図面である。
【図7】一般的訓練セッションの一例を示すフローチャートである。
【図8】特定の訓練セッションの一例を示すフローチャートである。
【図9】入力装置訓練セッションの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0048】
100、300 移動車両、
120 コンピュータ・システム、
160 リモート装置、
300 移動車両、
302 前方部、
304 後方部、
306 連結機構、
308、310、312、314 軌道システム、
320 ブレード、
322 フレーム、
321,323 油圧アクチュエータ、
326 エンジン、
328、330、332 油圧ポンプ、
324 運転室、
330 オペレータ座席、
332 アーム・レスト、
334 ハンド・レスト、
336 ジョイスティック、
340,342 スイッチ、
344 側部コンソール、
346 ペダル、
360 ディスプレイ、
362 ハウジング、
364 ディスプレイ画面、
368A〜D 利用者入力装置、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シャーシと、
地面に接触して、前記シャーシを推進させるように構成した牽引装置と、
少なくとも1つの機能を実行するために動作可能な生産装置と、
前記生産装置を制御するために作動可能な入力装置と、
前記入力装置の作動に呼応して前記生産装置を動作させる構成とした制御システムと、
前記制御システムに動作可能に結合されたコントローラであって、少なくとも、前記入力装置の前記作動に呼応して前記生産装置が第1のタスクを実行できるようにした運転モードと、前記生産装置が前記第1のタスクを実行できないようにした訓練モードと、に適合するコントローラと、
からなることとを特徴とする移動車両。
【請求項2】
前記コントローラが、ディスプレイ及び利用者入力に動作可能に結合され、該ディスプレイは、前記コントローラが前記訓練モードに適合しているときは訓練情報を提供し、かつ前記コントローラが前記運転モードに適合しているときは運転情報を提供することを特徴とする請求項1に記載の移動車両。
【請求項3】
前記訓練モードが、一般的訓練部分、特定運転訓練部分及び入力装置訓練部分のうちの少なくとも1つを含み、前記一般的訓練部分は前記移動車両の一般的な運転操作についての訓練情報を含み、前記特定運転訓練部分は前記生産装置を用いて実行される特定のタスクについての情報を含み、そして入力装置訓練部分は前記入力装置についての訓練情報を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の移動車両。
【請求項4】
前記訓練モードが、前記一般的訓練部分、前記特定運転訓練部分、及び前記入力装置訓練部分を含むことを特徴とする請求項3に記載の移動車両。
【請求項5】
前記一般的訓練部分における前記コントローラは、前記コントローラに動作可能に結合されたディスプレイ上に訓練情報の第1のセグメントを提供し、前記入力装置の作動を要求し、かつ受信された作動の表示が前記要求された作動と一致するかどうかを判断するものであり、前記受信された作動が前記要求された作動と一致するときに、前記一般的訓練部分における前記コントローラが前記ディスプレイ上に訓練情報の第2のセグメントを提供し、前記受信された作動が前記要求された作動と一致しないときには、前記ディスプレイ上に訓練情報の前記第1のセグメントを提供する、ことを特徴とする請求項3に記載の移動車両。
【請求項6】
前記特定運転訓練部分における前記コントローラは、前記コントローラに動作可能に結合されたディスプレイ上に前記特定の運転操作に対応する訓練情報の第1のセグメントを提供し、前記入力装置の作動を要求し、かつ受信された作動の表示が前記要求された作動と一致するかどうかを判断するものであり、前記受信された作動が前記要求された作動と一致するとき、前記コントローラは前記ディスプレイ上に前記特定の運転操作に対応する訓練情報の第2のセグメントを提供し、前記受信された作動が前記要求された作動と一致しないとき、前記特定の運転操作に対応する訓練情報の前記第1のセグメントを提供することを特徴とする請求項3に記載の移動車両。
【請求項7】
前記入力装置訓練部分における前記コントローラが、前記入力装置の作動の表示を受信し、それに呼応して、前記コントローラに動作可能に結合されたディスプレイ上に前記入力装置に関する訓練情報を提供する、ことを特徴とする請求項3に記載の移動車両。
【請求項8】
前記一般的訓練部分、特定運転訓練部分、及び入力装置訓練部分の少なくとも1つは、前記コントローラがアクセス可能なコンピュータ読込み可能媒体内に保存された命令に従って提供されることを特徴とする請求項3に記載の移動車両。
【請求項9】
ワイヤレス・ネットワークに対するコネクタをさらに備え、前記コントローラは、前記ワイヤレス・ネットワークを介して、リモート装置へ情報を送出し、かつ情報を受信するように構成され、しかも前記コントローラが、前記ワイヤレス・ネットワークを介して、前記一般的訓練部分、特定運転訓練部分、及び入力装置訓練部分のうちの少なくとも1つの最新情報を少なくとも受信する、ことを特徴とする請求項8に記載の移動車両。
【請求項10】
ワイヤレス・ネットワークに対するコネクタをさらに備え、前記コントローラが、前記ワイヤレス・ネットワークを介して、リモート装置へ情報を送出し、かつ情報を受信するように構成され、しかも前記コントローラが、前記ワイヤレス・ネットワークを介して、前記一般的訓練部分、特定運転訓練部分、及び入力装置訓練部分のうちの少なくとも1つの完了の表示を少なくとも提供する、ことを特徴とする請求項8に記載の移動車両。
【請求項11】
シャーシと、
地面に接触して、前記シャーシを推進させるように構成した牽引装置と、
前記牽引装置に動作可能に結合された動力装置と、
少なくとも1つの入力装置を介して、少なくとも1つの機能を実行するために動作可能な少なくとも1つの生産装置と、
前記シャーシにより支持され、ディスプレイ及び利用者入力装置を有し、対話型訓練セッションを提供するように構成されたコンピュータ・システムと、
を備え、前記訓練セッション中は、前記少なくとも1つの生産装置が使用不能とされることを特徴とする移動車両。
【請求項12】
前記対話型訓練セッションは、複数の言語で提供されることを特徴とする請求項11に記載の移動車両。
【請求項13】
前記対話型訓練セッションは、前記移動車両のキーをアクセサリ位置とすることにより起動されることを特徴とする請求項11に記載の移動車両。
【請求項14】
前記牽引装置が無限軌道を有する軌道システムを備え、前記少なくとも1つの生産部材がブレードに対応し、前記訓練セッションが前記移動車両の一般的運転操作に関する少なくとも1つの訓練セッションを含み、前記シャーシが連結式ジョイントのまわりに可動に結合された第1の部分及び第2の部分からなる、ことを特徴とする請求項11に記載の移動車両。
【請求項15】
3つの付加的な牽引装置をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の移動車両。
【請求項16】
シャーシと、地面に接触して前記シャーシを推進させるように構成した牽引装置と、動力装置と、前記動力装置及び前記牽引装置に結合され、前記牽引装置に動力を提供する駆動装置と、を備え、さらに、少なくとも1つの入力装置を介して、少なくとも第1のタスクを実行するために動作可能な少なくとも1つの生産装置を備えた移動車両を提供するステップと、
前記移動車両に結合され、前記オペレータを訓練するための訓練プログラムを含む対話型コンピュータ・システムを提供するステップと、
前記訓練プログラムを選択するステップと、
前記訓練プログラムの間は、前記少なくとも1つの生産装置を使用不能とするステップと、
からなることを特徴とする移動車両のオペレータ訓練方法。
【請求項17】
前記第1のタスクについての訓練の要求に呼応して、前記訓練プログラムが前記第1のタスクについての訓練を提供することを特徴とする請求項16に記載の訓練方法。
【請求項18】
オペレータが前記少なくとも1つの入力装置を作動すると、この作動に応じて前記訓練プログラムが前記第1のタスクについての前記訓練を提供することを特徴とする請求項17に記載の訓練方法。
【請求項19】
前記訓練プログラムは、キーを前記移動車両のキー溝に挿入し、前記キーをアクセサリ位置に回すことにより起動することを特徴とする請求項16に記載の訓練方法。
【請求項20】
前記訓練プログラムが、一般的訓練モード、特定運転訓練モード及び入力装置訓練モードのうちの少なくとも1つを含み、一般的訓練モードは前記移動車両の一般的な運転操作についての訓練情報を提供し、特定運転訓練モードは前記少なくとも1つの生産装置を使って実行される特定のタスクについての情報を提供し、入力装置訓練モードは前記少なくとも1つの入力装置のうちの第1の入力装置についての訓練情報を提供する、ことを特徴とする請求項16に記載の訓練方法。
【請求項21】
前記訓練プログラムが、前記一般的訓練モード、前記特定運転訓練モード及び前記入力装置訓練モードを含むことを特徴とする請求項20に記載の訓練方法。
【請求項22】
前記訓練プログラムの完了の表示をリモート装置に無線で伝達するステップと、前記訓練プログラムの完了の記録を保存するステップと、をさらに含むことを特徴とする請求項16に記載の訓練方法。
【請求項23】
少なくとも1つの生産装置及び前記移動車両のオペレータを訓練する対話型訓練プログラムを備えた移動車両を提供するステップと、
前記訓練プログラムの完了の表示をリモート装置に無線で伝達するステップと、
前記訓練プログラムの完了の記録を保存するステップと、
からなることを特徴とする移動車両のオペレータを訓練する訓練方法。
【請求項24】
前記訓練プログラムの最新情報を前記移動車両に無線で送出するステップを含むことを特徴とする請求項23に記載の訓練方法。
【請求項25】
前記訓練プログラムが、一般的訓練モード、特定運転訓練モード及び入力装置訓練モードの少なくとも1つを含み、前記一般的訓練モードは前記移動車両の一般的な運転操作についての訓練情報を提供し、前記特定運転訓練モードは前記移動車両の前記少なくとも1つの生産装置を用いて実行される特定のタスクについての情報を提供し、前記入力装置訓練モードは前記移動車両の少なくとも1つの入力装置についての訓練情報を提供する、ことを特徴とする請求項23に記載の訓練方法。
【請求項26】
前記訓練プログラムを起動するステップと、
前記訓練プログラムの間は、前記移動車両の少なくとも1つの機能を使用不能とするステップと、を含むことを特徴とする請求項23に記載の訓練方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−52275(P2008−52275A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−211997(P2007−211997)
【出願日】平成19年8月15日(2007.8.15)
【出願人】(591005165)ディーア・アンド・カンパニー (109)
【氏名又は名称原語表記】DEERE AND COMPANY