説明

移動通信方法、無線アクセスネットワーク装置及び移動局

【課題】優先移動局からの発信或いは着信等に係るCSFB手順において、パケットベアラを優先的に確保する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、Idle状態の移動局UEが、無線基地局eNodeBを介して移動管理用ノードMMEに対して「Extended Service Request」を送信する工程と、移動管理用ノードMMEが、無線基地局eNodeBに対して優先呼情報を含む「Initial UE Context Setup Request」を送信する工程と、無線基地局eNodeBが、受信した「Initial UE Context Setup Request」に含まれる優先呼情報に基づいて、移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当てる工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、無線アクセスネットワーク装置及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式の移動通信システムでは、回線交換通信に対応していないE-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)においてIdle状態である移動局UEが、回線交換通信を行うための「CS Fallback(CSFB)手順」が規定されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS23.272 V9.2.0
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のCSFB手順では、E-UTRAN上の無線ベアラである「E-RAB(Evolved Radio Access Bearer)」を設定した後、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)やGERAN(GSM EDGE Radio Access Network)上の無線ベアラである「RAB(Radio Access Bearer)」を設定する必要がある。
【0005】
しかしながら、上述のCSFB手順では、パケットベアラとしてのE-RABの設定処理やRABの設定処理において、優先的にリソースを割り当てることができないという問題点があった。
【0006】
同様に、上述のCSFB手順では、優先移動局UEからの回線交換通信の開始要求信号に係るRRC(Radio Resource Control)コネクションを優先的に設定することができないという問題点があった。
【0007】
かかる問題点について、図12乃至図14を参照して、具体的に説明する。
【0008】
第1に、図12に、上述の移動通信システムにおいて、優先移動局UEの発信処理に伴うCSFB手順の一部動作について示す。
【0009】
かかるCSFB手順では、図12のAに示すように、E-RABの設定処理において、E-RABの設定に必要なリソースが不足している場合、優先移動局UE用のパケットベアラとしてのE-RABを設定することができないという問題点があった。
【0010】
また、かかるCSFB手順では、図12のBに示すように、RABの設定処理において、RABの設定に必要なリソースが不足している場合、優先移動局UEに係るパケットアラとしてのRABを設定することができないという問題点があった。
【0011】
さらに、かかるCSFB手順では、図12のCに示すように、無線回線制御局RNC(Radio Network Controller)において、UTRAN側のRRC機能が輻輳している場合、優先移動局UEからのハンドオーバ制御信号の送信に係るRRCコネクションを設定することができないという問題点があった。
【0012】
第2に、図13に、上述の移動通信システムにおいて、Idle状態の優先移動局UEに対する着信処理に伴うCSFB手順の一部動作について示す。
【0013】
かかるCSFB手順では、図13のAに示すように、無線基地局eNodeBにおいて、E-UTRAN側のRRC機能が輻輳している場合、優先移動局UEからのハンドオーバ制御信号の送信に係るRRCコネクションを設定することができないという問題点があった。
【0014】
また、かかるCSFB手順では、図13のBに示すように、E-RABの設定処理において、E-RABの設定に必要なリソースが不足している場合、優先移動局UE用のパケットベアラとしてのE-RABを設定することができないという問題点があった。
【0015】
また、かかるCSFB手順では、図13のCに示すように、RABの設定処理において、RABの設定に必要なリソースが不足している場合、優先移動局UE用のパケットベアラとしてのRABを設定することができないという問題点があった。
【0016】
さらに、かかるCSFB手順では、図13のDに示すように、無線回線制御局RNCにおいて、UTRAN側のRRC機能が輻輳している場合、優先移動局UEからのハンドオーバ制御信号の送信に係るRRCコネクションを設定することができないという問題点があった。
【0017】
第3に、図14に、上述の移動通信システムにおいて、Active状態の優先移動局UEに対する着信処理に伴うCSFB手順の一部動作について示す。かかるCSFB手順では、優先移動局UE用のE-RABは、既に設定されている。
【0018】
かかるCSFB手順では、図14のAに示すように、無線基地局eNodeBが、「CSFB Indicator」を含む「Context Modification Request」を受信した場合に、UTRANにおけるRABの設定に必要なリソースが不足していることを検知した場合、以降のパケット通信についてのハンドオーバに係る制御を優先的に処理することができないという問題点があった。
【0019】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、優先移動局からの発信或いは着信といった優先すべき通信に係るCSFB手順において、パケットベアラとしてのE-RAB及びRABの優先的確保、並びに、かかるCSFB手順に係るRRC信号についての優先制御を可能とする移動通信方法、無線アクセスネットワーク装置及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、Idle状態の移動局が、回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置を介して、移動管理用ノードに対して、回線交換通信の開始要求信号を送信する工程と、前記移動管理用ノードが、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記移動局と該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で前記第1通信方式の無線ベアラを設定するように要求し、優先呼情報を含む無線ベアラ設定要求信号を送信する工程と、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、受信した前記無線ベアラ設定要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記第1通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てる工程とを有することを要旨とする。
【0021】
本発明の第2の特徴は、回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で該第1通信方式の無線ベアラが設定されている移動局が、該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置を介して、移動管理用ノードに対して、回線交換通信の開始要求信号を送信する工程と、前記移動管理用ノードが、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、優先呼情報を含む設定変更要求信号を送信する工程と、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、受信した前記設定変更要求信号に応じて、回線交換通信に対応する第2通信方式において使用可能なリソースが存在するか否かについて判定する工程と、前記第2通信方式において使用可能なリソースが存在しないと判定された場合であっても、前記設定変更要求信号に前記優先呼情報が含まれている場合には、前記第1通信方式の無線ベアラの解放手順を行う工程とを有することを要旨とする。
【0022】
本発明の第3の特徴は、回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置であって、Idle状態の移動局から受信した回線交換通信の開始要求信号を、移動管理用ノードに対して送信するように構成されており、前記移動管理用ノードから、前記移動局と該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で前記第1通信方式の無線ベアラを設定するように要求し、優先呼情報を含む無線ベアラ設定要求信号を受信するように構成されており、受信した前記無線ベアラ設定要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記第1通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てるように構成されていることを要旨とする。
【0023】
本発明の第4の特徴は、回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置であって、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で該第1通信方式の無線ベアラが設定されている移動局から受信した回線交換通信の開始要求信号を、移動管理用ノードに対して送信するように構成されており、前記移動管理用ノードから受信した設定変更要求信号に応じて、回線交換通信に対応する第2通信方式において使用可能なリソースが存在するか否かについて判定するように構成されており、前記第2通信方式において使用可能なリソースが存在しないと判定された場合であっても、前記設定変更要求信号に優先呼情報が含まれている場合には、前記第1通信方式の無線ベアラの解放手順を行うように構成されていることを要旨とする。
【0024】
本発明の第5の特徴は、回線交換通信に対応している第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置であって、移動局と回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間の該第1通信方式の無線ベアラが設定された後、該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置から、前記移動管理用ノード及び前記第2通信方式のパケット交換機を介して、優先呼情報を含む切替要求信号を受信するように構成されており、受信した前記切替要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記移動局と該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間における該第2通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てるように構成されていることを要旨とする。
【0025】
本発明の第6の特徴は、移動局であって、回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置を介して、移動管理用ノードに対して、回線交換通信の開始要求信号を送信するように構成されており、回線交換通信に対応している第2通信方式においてアクセス規制が行われている場合であっても、第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置から受信した切替要求信号に優先呼情報が含まれている場合には、該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記切替要求信号に対する応答信号を送信するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0026】
以上説明したように、本発明によれば、優先移動局からの発信或いは着信といった優先すべき通信に係るCSFB手順において、パケットベアラとしてのE-RAB及びRABの優先的確保、並びに、かかるCSFB手順に係るRRC信号についての優先制御を可能とする移動通信方法、無線アクセスネットワーク装置及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム内の無線基地局eNodeBの動作を示すフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNodeBの動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る無線回線制御局RNCの動作を示すフローチャートである。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る無線回線制御局RNCの動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の第1の実施形態に係る移動局UEの動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNodeBの動作を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局eNodeBの動作を示すフローチャートである。
【図12】従来の移動通信システムの問題点を説明するための図である。
【図13】従来の移動通信システムの問題点を説明するための図である。
【図14】従来の移動通信システムの問題点を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図11を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。本実施形態に係る移動通信システムは、E-UTRAN及びUTRANの双方を具備している。
【0029】
具体的には、図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、ゲートウェイ装置P-GW(PDN Gateway)と、サービングゲートウェイ装置S-GW(Serving Gateway)と、移動管理用ノードMME(Mobility Management Entity)と、無線基地局eNodeBと、回線交換機MSC(Mobile-service Switching Center)と、パケット交換機SGSN(Serving GPRS Support Node)と、無線回線制御局RNCと、無線基地局NodeB(不図示)とを具備する。
【0030】
第1に、図2を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、優先移動局UEの発信処理に伴うCSFB手順の一部動作について説明する。
【0031】
図2に示すように、E-UTRANにおいてIdle状態である優先移動局UEは、ステップS1001において、回線交換通信を開始するための発信操作が行われたことを検出すると、ステップS1002において、無線基地局eNodeBに対して、「CSFB Indicator」を含む「Extended Service Request」を送信する。
【0032】
ステップ1003において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「CSFB Indicator」を含む「Extended Service Request」を送信する。
【0033】
ステップS1004において、移動管理用ノードMMEは、ステップS1003において受信した信号に含まれる「接続理由情報(例えば、事由=優先接続)」や「接続種別情報(例えば、緊急呼発信)」や、「移動管理用ノードMMEが保持する加入者プロファイル情報(例えば、優先ユーザ)」等を参照して、CSFB手順を優先すべきであると判断すると、無線基地局eNodeBに対して、「CSFB Indicator」及び優先呼情報を含む「Initial UE Context Setup Request」を送信する。
【0034】
ステップS1005において、無線基地局eNodeBは、受信した「Initial UE Context Setup Request」に対する優先制御処理を実施する。
【0035】
ここで、図3及び図4を参照して、かかる「Initial UE Context Setup Request」に対する優先制御処理について説明する。
【0036】
第1に、図3を参照して、「Initial UE Context Setup Request」に対する優先制御処理の第1例について説明する。
【0037】
図3に示すように、無線基地局eNodeBは、ステップS101において、「Initial UE Context Setup Request」を受信すると、ステップS102において、E-RABを設定するために必要なリソースが存在するか否かについて判定する。
【0038】
かかるリソースが存在すると判定された場合、ステップS103において、無線基地局eNodeBは、E-RABに対する通常のリソース割り当て処理を行う。
【0039】
一方、かかるリソースが存在しないと判定された場合、ステップS104において、無線基地局eNodeBは、「Initial UE Context Setup Request」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0040】
優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS104において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、かかるリソースの割り当てができないことを示す「Negative Response」を送信する。
【0041】
一方、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS106において、無線基地局eNodeBは、移動先RAT(Radio Access Technology)、すなわち、UTRANにおいて、RABを設定するために必要なリソースが存在するか否かについて判定する。
【0042】
かかるリソースが存在すると判定された場合、ステップS107において、無線基地局eNodeBは、優先移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを確保しておき、E-RABを設定するために必要なリソースができた場合に、かかる優先移動局UE用のE-RABに対して当該リソースを割り当てる。
【0043】
一方、かかるリソースが存在しないと判定された場合、ステップS108において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を中断し、「Release with Redirection手順」に移行する。
【0044】
例えば、かかる「Release with Redirection手順」では、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「Release with Redirection手順」に移行することを示すエラー情報を含む「Initial UE Context Setup Response」を送信してもよい。
【0045】
ここで、ステップS106の処理を省略し、ステップS104において、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS107において、無線基地局eNodeBは、優先移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを確保しておき、E-RABを設定するために必要なリソースができた場合に、かかる優先移動局UE用のE-RABに対して当該リソースを割り当ててもよい。
【0046】
第2に、図4を参照して、「Initial UE Context Setup Request」に対する優先制御処理の第2例について説明する。
【0047】
図4に示すように、無線基地局eNodeBは、ステップS201において、「Initial UE Context Setup Request」を受信すると、ステップS202において、「Initial UEContext Setup Request」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0048】
優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS203において、無線基地局eNodeBは、E-RABに対する通常のリソースの割り当て処理を行う。
【0049】
ここで、無線基地局eNodeBは、E-RABに対してリソースを割り当てることができない場合には、移動管理用ノードMMEに対して、その旨を示す「Negative Response」を送信する。
【0050】
一方、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS204において、無線基地局eNodeBは、移動先RAT、すなわち、UTRANにおいて、RABを設定するために必要なリソースが存在するか否かについて判定する。
【0051】
かかるリソースが存在すると判定された場合、ステップS205において、無線基地局eNodeBは、優先移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当てる。
【0052】
ここで、E-UTRANにおいて、E-RABを設定するために必要なリソースが存在しない場合、無線基地局eNodeBは、非優先移動局UE用のリソースを解放して、優先移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当てる。
【0053】
一方、かかるリソースが存在しないと判定された場合、ステップS206において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を中断し、「Release with Redirection手順」に移行する。
【0054】
例えば、かかる「Release with Redirection手順」では、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「Release with Redirection手順」に移行することを示すエラー情報を含む「Initial UE Context Setup Response」を送信してもよい。
【0055】
ここで、ステップS204の処理を、図4のAの時点で行い、ステップS204において、上述のリソースが存在すると判定された場合、ステップS203において、無線基地局eNodeBは、E-RABに対する通常のリソースの割り当て処理を行い、上述のリソースが存在しないと判定された場合、ステップS206において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を中断し、「Release with Redirection手順」に移行してもよい。
【0056】
かかる場合、ステップS202において、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS205において、無線基地局eNodeBは、優先移動局UE用のE-RA
Bに対して優先的にリソースを割り当ててもよい。
【0057】
ここで、E-UTRANにおいて、E-RABを設定するために必要なリソースが存在しない場合、無線基地局eNodeBは、非優先移動局UE用のリソースを解放して、優先移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当ててもよい。
【0058】
図2に戻り、ステップS1006において、無線基地局eNodeBと優先移動局UEとの間にE-RABが設定されると、ステップS1007において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「Initial UE Context Setup Response」を送信する。
【0059】
ステップS1008において、移動管理用ノードMMEは、サービングゲートウェイ装置S-GWに対して、「GTPv2 Modify Bearer Request」を送信し、ステップS1009において、サービングゲートウェイ装置S-GWは、移動管理用ノードMMEに対して、「GTPv2 Modify Bearer Response」を送信する。
【0060】
ステップS1010において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに
対して、「Cause」や「Target RNC Indentifier」や「Source eNodeB Identifier」や「Source to Target Transparent Container」等を含む「Handover Required」を送信する。
【0061】
ここで、「Source to Target Transparent Container」には、上述の優先呼情報が含まれているものとする。
【0062】
ステップS1011において、移動管理用ノードMMEは、パケット交換機SGSNに対して、「Source to Target Transparent Container」を含む「Forward Relocation Request」を送信する。
【0063】
ここで、移動管理用ノードMMEは、受信した「Handover Required」内の「Source to Target Transparent Container」をそのまま含む「Forward Relocation Request」を生成して、パケット交換機SGSNに対して送信する。
【0064】
或いは、移動管理用ノードMMEは、ステップS1004で述べたような方法により、優先すべき呼であることを検出し、優先呼情報等を含む「Forward Relocation Request」を生成して、パケット交換機SGSNに対して送信してもよい。
【0065】
ステップS1012において、パケット交換機SGSNは、無線回線制御局RNCに対して、「Source to Target Transparent Container」を含む「Relocation Request」を送信する。
【0066】
ここで、パケット交換機SGSNは、受信した「Forward Relocation Request」内の「Source to Target Transparent Container」をそのまま含む「Relocation Request」を生成して、無線回線制御局RNCに対して送信する。
【0067】
或いは、パケット交換機SGSNは、受信した「Forward Relocation Request」に含まれる優先呼情報を検出して、当該優先呼情報等を含む「Relocation Request」を生成して、無線回線制御局RNCに対して送信してもよい。
【0068】
ステップS1013において、無線回線制御局RNCは、受信した「Relocation Request」に対する優先制御処理を実施する。
【0069】
ここで、図5及び図6を参照して、かかる「Relocation Request」に対する優先制御処理について説明する。
【0070】
第1に、図5を参照して、「Relocation Request」に対する優先制御処理の第1例について説明する。
【0071】
図5に示すように、無線回線制御局RNCは、ステップS301において、「Relocation Request」を受信すると、ステップS302において、RABを設定するために必要なリソースが存在するか否かについて判定する。
【0072】
かかるリソースが存在すると判定された場合、ステップS303において、無線回線制御局RNCは、RABに対する通常のリソース割り当て処理を行う。
【0073】
一方、かかるリソースが存在しないと判定された場合、ステップS304において、無線回線制御局RNCは、「Relocation Request」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0074】
優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS305において、無線回線制御局RNCは、事前に確保している優先移動局UE用のRABに対するリソースより、RABを設定するために必要なリソースができた場合に、かかる優先移動局UE用のRABに対して当該リソースを割り当てる。
【0075】
一方、優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS306において、無線回線制御局RNCは、パケット交換機SGSNに対して、その旨を示す「Negative Response」を送信する。
【0076】
第2に、図6を参照して、「Relocation Request」に対する優先制御処理の第2例について説明する。
【0077】
図6に示すように、無線回線制御局RNCは、ステップS401において、「Relocation Request」を受信すると、ステップS402において、「Relocation Request」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0078】
優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS403において、無線回線制御局RNCは、優先移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当てる。
【0079】
ここで、UTRANにおいて、RABを設定するために必要なリソースが存在しない場合、無線回線制御局RNCは、非優先移動局UE用のリソースを解放して、優先移動局UE用のRABに対して優先的にリソースを割り当てる。
【0080】
一方、優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS404において、無線回線制御局RNCは、RABに対する通常のリソースの割り当て処理を行う。
【0081】
ここで、無線回線制御局RNCは、RABに対してリソースを割り当てることができない場合には、パケット交換機SGSNに対して、その旨を示す「Negative Response」を送信する。
【0082】
図2に戻り、ステップS1014において、無線回線制御局RNCは、優先移動局UE用のRABに対するリソースの割り当てに成功すると、パケット交換機SGSNに対して、無線基地局eNodeB宛ての情報要素に当該優先呼情報を含む「Relocation Request Acknowledge」を送信する。
【0083】
ステップS1015において、パケット交換機SGSNは、移動管理用ノードMMEに対して、無線基地局eNodeB宛ての情報要素に当該優先呼情報を含む「Forward Relocation Response」を送信する。
【0084】
ステップS1016において、移動管理用ノードMMEは、無線基地局eNodeBに対して、無線基地局eNodeB宛ての情報要素に当該優先呼情報を含む「Handover Command」を送信する。
【0085】
ステップS1017において、無線基地局eNodeBは、優先移動局UEに対して、「CSFB Indicator」及び当該優先呼情報を含む「HO from E-UTRAN Command」を送信する。
【0086】
ステップS1018において、優先移動局UEは、受信した「HO from E-UTRAN Command」に対する優先制御処理を実施する。ここで、図7を参照して、かかる「HO from E-UTRAN Command」に対する優先制御処理について説明する。
【0087】
図7に示すように、移動局UE(例えば、優先移動局UE)は、ステップS501において、「HO from E-UTRAN Command」を受信すると、ステップS502において、UTRANにおいてアクセス規制が行われているか否かについて判定する。
【0088】
ここで、移動局UEは、「HO from E-UTRAN Command」内の情報要素に基づいて、UTRANにおいてアクセス規制が行われているか否かについて判定してもよいし、無線回線制御局RNC配下のセルにおける報知情報に基づいて、UTRANにおいてアクセス規制が行われているか否かについて判定してもよい。
【0089】
アクセス規制が行われていると判定された場合、移動局UEは、ステップS503において、「HO from E-UTRAN Command」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0090】
優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS504において、移動局UEは、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete」を送信することなく、CSFB手順を行うことができないと判断して、EUTRANへの再接続処理を行う。
【0091】
一方、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS505(図2に示すS1019に対応)において、移動局UEは、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete」を送信する。
【0092】
また、ステップS502において、アクセス規制が行われていないと判定された場合、ステップS505(図2に示すS1019に対応)において、移動局UEは、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete」を送信する。
【0093】
なお、ステップS1018の処理は、省略されてもよい。
【0094】
ステップS1020において、無線回線制御局RNCは、受信した「Handover to UTRAN Complete」に対する優先制御処理を実施する。
【0095】
例えば、無線回線制御局RNCは、UTRAN側のRRC機能等が輻輳している場合には、優先呼情報が含まれている「Handover to UTRAN Complete」のみを受け付けるように構成されていてもよい。
【0096】
無線回線制御局RNCは、受信した「Handover to UTRAN Complete」を受け付けた場合、ステップS1021において、パケット交換機SGSNに対して、「Relocation Complete」を送信する。
【0097】
ステップS1022において、パケット交換機SGSNは、移動管理用ノードMMEに対して、「Forward Relocation Complete」を送信し、ステップS1023において、移動管理用ノードMMEは、パケット交換機SGSNに対して、「Forward Relocation Complete Acknowlege」を送信する。
【0098】
ステップS1024において、パケット交換機SGSNは、サービングゲートウェイ装置S-GWに対して、「Modify Bearer Request」を送信し、ステップS1025において、サービングゲートウェイ装置S-GWは、パケット交換機SGSNに対して、「Modify Bearer Response」を送信する。
【0099】
第2に、図8を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、Idle状態の優先移動局UEに対する着信処理に伴うCSFB手順の一部動作について説明する。
【0100】
図8に示すように、ステップS2001において、E-UTRANにおいてIdle状態である移動局UE宛ての優先移動局からの着信が発生すると、回線交換機MSCは、ステップS2002において、優先呼情報を含む「IAM/Invite」を受信し、ステップS2003において、「SGs status」が「SGs-ASSOCIATE」であることを確認し、ステップS2004及びS2005において、SGsのAssociation先の移動管理用ノードMMEに対して、優先呼情報を含む「SGsAP-PAGING-REQUEST(Paging)」を送信する。
【0101】
ステップ2006において、移動管理用ノードMMEは、無線基地局eNodeBに対して、優先呼情報を含む「Paging」を送信し、ステップS2007において、無線基地局eNodeBは、移動局UEに対して、優先呼情報を含む「Paging」を送信する。
【0102】
ステップS2008において、移動局UEは、受信した「Paging」に基づいて、無線基地局eNodeBに対して、優先呼情報を含む「RRC Connection Request」を送信する。
【0103】
ステップS2009において、無線基地局eNodeBは、受信した「RRC Connection Request」に対する優先制御処理を実施する。
【0104】
例えば、無線基地局eNodeBは、E-UTRAN側のRRC機能等が輻輳している場合には、優先呼情報が含まれている「RRC Connection Request」のみを受け付けるように構成されていてもよい。
【0105】
なお、ステップS2007において、無線基地局eNodeBは、移動局UEに対して、優先呼情報を含まない「Paging」を送信してもよい。かかる場合、ステップS2009において、無線基地局eNodeBは、受信した「RRC Connection Request」に対する優先制御処理を実施しない。
【0106】
無線基地局eNodeBは、受信した「RRC Connection Request」を受け付けた場合、ステップS2010において、移動局UEに対して、「RRC Connection Setup」を送信する。
【0107】
ステップS2011において、移動局UEは、無線基地局eNodeBに対して、「CSFB Indicator」を含む「Extended Service Request」を含む「RRC Connection Complete」を送信する。
【0108】
ステップS2012において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「CSFB Indicator」を含む「Extended Service Request」を送信し、ステップS2013において、移動管理用ノードMMEは、回線交換機MSCに対して、「Service Request」を送信する。
【0109】
以下、ステップS2014乃至S2035の動作は、図2に示すステップS1004乃至S1025の動作と同一である。
【0110】
第3に、図9を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、Active状態の優先移動局UEに対する着信処理に伴うCSFB手順の一部動作について説明する。かかるCSFB手順では、優先移動局UE用のE-RABは、既に設定されている。
【0111】
ステップS3001乃至S3005の動作は、図8に示すステップS2001乃至S2005の動作と同一である。
【0112】
移動管理用ノードMMEは、ステップS3006において、移動局UEに対して、「CS Service Notification」を送信し、ステップS3007において、回線交換機MSCに対して、「Service Request」を送信する。
【0113】
ステップS3008において、移動局UEは、無線基地局eNodeBに対して、「C
SFB Indicator」を含む「Extended Service Request」を送信し、ステップS3009において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「CSFB Indicator」を含む「Extended Service Request」を送信する。
【0114】
移動管理用ノードMMEは、ステップS3009において、ステップS3006に対する応答信号である「Extended Service Request」を受信したことを契機に、ステップS3010において、無線基地局eNodeBに対して、「CSFB Indicator」及び優先呼情報を含む「UE Context Modification Request」を送信する。
【0115】
無線基地局eNodeBは、ステップS3011において、受信した「UE Context Modification Request」に「CSFB Indicator」が含まれていることを検出すると、ステップS3012において、受信した「UE Context Modification Request」に対する優先制御処理を行う。
【0116】
ここで、図10及び図11を参照して、かかる「UE Context Modification Request」に対する優先制御処理について説明する。
【0117】
第1に、図10を参照して、「UE Context Modification Request」に対する優先制御処理の第1例について説明する。
【0118】
図10に示すように、無線基地局eNodeBは、ステップS601において、「UE Context Modification Request」を受信すると、ステップS602において、無線基地局eNodeBは、移動先RAT、すなわち、UTRANにおいて、RABを設定するために必要なリソースが存在するか否かについて判定する。
【0119】
かかるリソースが存在すると判定された場合、ステップS603において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順を継続する。すなわち、図9に示すステップS3013において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「UE Context Modification Response」を送信する。
【0120】
一方、かかるリソースが存在しないと判定された場合、ステップS604において、無線基地局eNodeBは、「UE Context Modification Request」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0121】
優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS605において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を中断し、「Release with Redirection手順」に移行する。
【0122】
例えば、かかる「Release with Redirection手順」では、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「Release with Redirection手順」に移行することを示すエラー情報を含む「UE Context Modification Response」を送信してもよい。
【0123】
一方、優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS606において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)の失敗処理を行う。
【0124】
ここで、ステップS602の処理を省略し、無線基地局eNodeBは、「UE Context Modification Request」を受信した場合には、ステップS3013において、移動管理用ノードMMEに対して、「UE Context Modification Response」を送信するように構成されていてもよい。
【0125】
第2に、図11を参照して、「UE Context Modification Request」に対する優先制御処理の第2例について説明する。
【0126】
図11に示すように、無線基地局eNodeBは、ステップS701において、「UE Context Modification Request」を受信すると、ステップS702において、「UE Context Modification Request」に優先呼情報が含まれているか否かについて判定する。
【0127】
優先呼情報が含まれていないと判定された場合、ステップS703において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を継続する。すなわち、図9に示すステップS3013において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「UE Context Modification Response」を送信する。
【0128】
一方、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS704において、無線基地局eNodeBは、移動先RAT、すなわち、UTRANにおいて、RABを設定するために必要なリソースが存在するか否かについて判定する。
【0129】
かかるリソースが存在すると判定された場合、ステップS705において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を継続する。すなわち、ステップS3013において、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「UE Context Modification Response」を送信する。
【0130】
一方、かかるリソースが存在しないと判定された場合、ステップS706において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を中断し、「Release with Redirection手順」に移行してもよい。
【0131】
例えば、かかる「Release with Redirection手順」では、無線基地局eNodeBは、移動管理用ノードMMEに対して、「Release with Redirection手順」に移行することを示すエラー情報を含む「UE Context Modification Response」を送信してもよい。
【0132】
ここで、ステップS704の処理を、図11のBの時点で行い、ステップS704において、上述のリソースが存在すると判定された場合、ステップS703において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を継続し、上述のリソースが存在しないと判定された場合、ステップS706において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を中断し、「Release with Redirection手順」に移行してもよい。
【0133】
かかる場合、ステップS702において、優先呼情報が含まれていると判定された場合、ステップS705において、無線基地局eNodeBは、かかるCSFB手順(PS HO手順)を継続してもよい。
【0134】
図9に戻り、以降、図8に示す処理Xを実現する。
【0135】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、優先移動局UEからの発信或いは着信といった優先すべき通信に係るCSFB手順におけるE-RABの設定処理やRABの設定処理やRRCコネクションの設定処理を優先的に行うことができるので、優先移動局UEの発信処理や着信処理に伴うCSFB手順を優先的に行うことができる。
【0136】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0137】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、Idle状態の移動局UE(例えば、優先移動局UE又は非優先移動局UEに対する発信処理を行う優先移動局UEや、優先移動局UEからの着信処理を行う優先移動局UE又は非優先移動局UE)が、LTE方式の(回線交換通信に対応していない第1通信方式)の無線基地局eNodeB(無線アクセスネットワーク装置)を介して、移動管理用ノードMMEに対して、「Extended Service Request(回線交換通信の開始要求信号)」を送信する工程と、移動管理用ノードMMEが、無線基地局eNodeBに対して、移動局UEと無線基地局eNodeBとの間でE-RAB(第1通信方式の無線ベアラ)を設定するように要求し、優先呼情報を含む「Initial UE Context Setup Request(無線ベアラ設定要求信号)」を送信する工程と、無線基地局eNodeBが、受信した「Initial UE Context Setup Request」に含まれる優先呼情報に基づいて、移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当てる工程とを有することを要旨とする。
【0138】
本実施形態の第1の特徴において、移動局UE用のE-RABが設定された後、無線基地局eNodeBが、移動管理用ノードMMEを介して、2G/3G方式(回線交換通信に対応する第2通信方式)のパケット交換機SGSNに対して、優先呼情報を含む「Handover Required/Forward Relocation Request(切替要求信号)」を送信する工程と、パケット交換機SGSNが、無線回線制御局RNC(第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置)に対して、優先呼情報を含む「Relocation Request(切替要求信号)」を送信する工程と、無線回線制御局RNCが、受信した「Relocation Request」に含まれる優先呼情報に基づいて、移動局UEと無線回線制御局RNCとの間におけるRAB(第2通信方式の無線ベアラ)に対して優先的にリソースを割り当てる工程とを有してもよい。
【0139】
本実施形態の第1の特徴において、移動局UE用のRABに対してリソースが割り当てられた後、無線回線制御局RNCが、パケット交換機SGSNに対して、優先呼情報を含む「Relocation Request Acknowledge(切替要求応答信号)」を送信する工程と、パケット交換機SGSNが、移動管理用ノードMMEを介して、無線基地局eNodeBに対して、優先呼情報を含む「Foward Relocation Response/Handober Command(切替要求信号)」を送信する工程と、無線基地局eNodeBが、移動局UEに対して、優先呼情報を含む「HO from E-UTRAN Command(切替要求信号)」を送信する工程と、移動局UEが、2G/3G方式においてアクセス規制が行われている場合であっても、受信した「HO from E-UTRAN Command」に優先呼情報が含まれている場合には、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete(切替要求信号に対する応答信号)」を送信する工程とを有してもよい。
【0140】
本実施形態の第1の特徴において、移動局UE用のRABに対してリソースが割り当てられた後、無線回線制御局RNCが、パケット交換機SGSNに対して、優先呼情報を含む「Relocation Request Acknowledge」を送信する工程と、パケット交換機SGSNが、移動管理用ノードMMEを介して、無線基地局eNodeBに対して、優先呼情報を含む「Foward Relocation Response/Handober Command」を送信する工程と、無線基地局eNodeBが、移動局UEに対して、優先呼情報を含む「HO from E-UTRAN Command」を送信する工程と、移動局UEが、無線回線制御局RNCに対して、優先呼情報を含む「Handover to UTRAN Complete」を送信する工程と、無線回線制御局RNCが、受信した「Handover to UTRAN Complete」に含まれる優先呼情報に基づいて、かかる「Handover to UTR
AN Complete」を優先的に受け付ける工程とを有してもよい。
【0141】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、無線基地局eNodeBとの間でE-RABが設定されている移動局UE(すなわち、Active状態の移動局UE)が、無線基地局eNodeBを介して、移動管理用ノードMMEに対して、「Extended Service Request」を送信する工程と、移動管理用ノードMMEが、無線基地局eNodeBに対して、優先呼情報を含む「UE Context Modification Request(設定変更要求信号)」を送信する工程と、無線基地局eNodeBが、受信した「UE Context Modification Request」に応じて、2G/3G方式において使用可能なリソースが存在するか否かについて判定する工程と、2G/3G方式において使用可能なリソースが存在しないと判定された場合であっても、「UE Context Modification Request」に優先呼情報が含まれている場合には、E-RABの解放手順を行う工程とを有することを要旨とする。
【0142】
本実施形態の第3の特徴は、無線基地局eNodeBであって、Idle状態の移動局UEから受信した「Extended Service Request」を、移動管理用ノードMMEに対して送信するように構成されており、移動管理用ノードMMEから、移動局UEと無線基地局eNodeBとの間でE-RABを設定するように要求し、優先呼情報を含む「Initial UE Context Setup Request」を受信するように構成されており、受信した「Initial UE Context Setup Request」に含まれる優先呼情報に基づいて、移動局UE用のE-RABに対して優先的にリソースを割り当てるように構成されていることを要旨とする。
【0143】
本実施形態の第4の特徴は、無線基地局eNodeBであって、無線基地局eNodeBとの間でE-RABが設定されている移動局(すなわち、Active状態の移動局UE)から受信した「Extended Service Request」を、移動管理用ノードMMEに対して送信するように構成されており、移動管理用ノードMMEから受信した「UE Context Modification Request」に応じて、2G/3G方式において使用可能なリソースが存在するか否かについて判定するように構成されており、2G/3G方式において使用可能なリソースが存在しないと判定された場合であっても、「UE Context Modification Request」に優先呼情報が含まれている場合には、E-RABの解放手順を行うように構成されていることを要旨とする。
【0144】
本実施形態の第5の特徴は、無線回線制御局RNCであって、移動局UEと無線基地局eNodeBとの間のE-RABが設定された後、無線基地局eNodeBから、移動管理用ノードMME及びパケット交換機SGSNを介して、優先呼情報を含む「Forward Relocation Request」を受信するように構成されており、受信した「Relocation Request」に含まれる優先呼情報に基づいて、移動局UEと無線回線制御局RNCとの間におけるRABに対して優先的にリソースを割り当てるように構成されていることを要旨とする。
【0145】
本実施形態の第6の特徴は、移動局UEであって、無線基地局eNodeBを介して、移動管理用ノードMMEに対して、「Extended Service Request」を送信するように構成されており、2G/3G方式においてアクセス規制が行われている場合であっても、無線基地局eNodeBから受信した「HO from E-UTRAN Command」に優先呼情報が含まれている場合には、無線回線制御局RNCに対して、「Handover to UTRAN Complete」を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0146】
なお、上述の移動局UEや無線基地局eNodeBや無線回線制御局RNCや移動管理用ノードMMEやゲートウェイ装置P-GWやゲートウェイ装置S-GWや回線交換機MSCやパケット交換機SGSNの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0147】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0148】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局eNodeBや無線回線制御局RNCや移動管理用ノードMMEやゲートウェイ装置P-GWやゲートウェイ装置S-GWや回線交換機MSCやパケット交換機SGSN内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局eNodeBや無線回線制御局RNCや移動管理用ノードMMEやゲートウェイ装置P-GWやゲートウェイ装置S-GWや回線交換機MSCやパケット交換機SGSN内に設けられていてもよい。
【0149】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0150】
eNodeB…無線基地局
MME…移動管理用ノード
UE…移動局
P-GW、S-GW…ゲートウェイ装置
MSC…回線交換機
SGSN…パケット交換機
RNC…無線回線制御局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Idle状態の移動局が、回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置を介して、移動管理用ノードに対して、回線交換通信の開始要求信号を送信する工程と、
前記移動管理用ノードが、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記移動局と該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で前記第1通信方式の無線ベアラを設定するように要求し、優先呼情報を含む無線ベアラ設定要求信号を送信する工程と、
前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、受信した前記無線ベアラ設定要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記第1通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てる工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記第1通信方式の無線ベアラが設定された後、該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、前記移動管理用ノードを介して、回線交換通信に対応する第2通信方式のパケット交換機に対して、前記優先呼情報を含む切替要求信号を送信する工程と、
前記第2通信方式のパケット交換機が、該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記優先呼情報を含む切替要求信号を送信する工程と、
前記第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、受信した前記切替要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記移動局と該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間における該第2通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てる工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記第2通信方式の無線ベアラに対してリソースが割り当てられた後、該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、該第2通信方式のパケット交換機に対して、前記優先呼情報を含む切替要求応答信号を送信する工程と、
前記第2通信方式のパケット交換機が、前記移動管理用ノードを介して、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記優先呼情報を含む切替要求信号を送信する工程と、
前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、前記移動局に対して、前記優先呼情報を含む切替要求信号を送信する工程と、
前記移動局が、前記第2通信方式においてアクセス規制が行われている場合であっても、受信した前記切替要求信号に前記優先呼情報が含まれている場合には、前記第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記切替要求信号に対する応答信号を送信する工程とを有することを特徴とする請求項2に記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記第2通信方式の無線ベアラに対してリソースが割り当てられた後、該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、該第2通信方式のパケット交換機に対して、前記優先呼情報を含む切替要求応答信号を送信する工程と、
前記第2通信方式のパケット交換機が、前記移動管理用ノードを介して、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記優先呼情報を含む切替要求信号を送信する工程と、
前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、前記移動局に対して、前記優先呼情報を含む切替要求信号を送信する工程と、
前記移動局が、前記第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記優先呼情報を含む前記切替要求信号に対する応答信号を送信する工程と、
前記第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、受信した前記応答信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、該応答信号を優先的に受け付ける工程とを有することを特徴とする請求項2に記載の移動通信方法。
【請求項5】
回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で該第1通信方式の無線ベアラが設定されている移動局が、該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置を介して、移動管理用ノードに対して、回線交換通信の開始要求信号を送信する工程と、
前記移動管理用ノードが、前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、優先呼情報を含む設定変更要求信号を送信する工程と、
前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置が、受信した前記設定変更要求信号に応じて、回線交換通信に対応する第2通信方式において使用可能なリソースが存在するか否かについて判定する工程と、
前記第2通信方式において使用可能なリソースが存在しないと判定された場合であっても、前記設定変更要求信号に前記優先呼情報が含まれている場合には、前記第1通信方式の無線ベアラの解放手順を行う工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項6】
回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置であって、
Idle状態の移動局から受信した回線交換通信の開始要求信号を、移動管理用ノードに対して送信するように構成されており、
前記移動管理用ノードから、前記移動局と該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で前記第1通信方式の無線ベアラを設定するように要求し、優先呼情報を含む無線ベアラ設定要求信号を受信するように構成されており、
受信した前記無線ベアラ設定要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記第1通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てるように構成されていることを特徴とする無線アクセスネットワーク装置。
【請求項7】
回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置であって、
前記第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間で該第1通信方式の無線ベアラが設定されている移動局から受信した回線交換通信の開始要求信号を、移動管理用ノードに対して送信するように構成されており、
前記移動管理用ノードから受信した設定変更要求信号に応じて、回線交換通信に対応する第2通信方式において使用可能なリソースが存在するか否かについて判定するように構成されており、
前記第2通信方式において使用可能なリソースが存在しないと判定された場合であっても、前記設定変更要求信号に優先呼情報が含まれている場合には、前記第1通信方式の無線ベアラの解放手順を行うように構成されていることを特徴とする無線アクセスネットワーク装置。
【請求項8】
回線交換通信に対応している第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置であって、
移動局と回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間の該第1通信方式の無線ベアラが設定された後、該第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置から、前記移動管理用ノード及び前記第2通信方式のパケット交換機を介して、優先呼情報を含む切替要求信号を受信するように構成されており、
受信した前記切替要求信号に含まれる前記優先呼情報に基づいて、前記移動局と該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置との間における該第2通信方式の無線ベアラに対して優先的にリソースを割り当てるように構成されていることを特徴とする無線アクセスネットワーク装置。
【請求項9】
回線交換通信に対応していない第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置を介して、移動管理用ノードに対して、回線交換通信の開始要求信号を送信するように構成されており、
回線交換通信に対応している第2通信方式においてアクセス規制が行われている場合であっても、第1通信方式の無線アクセスネットワーク装置から受信した切替要求信号に優先呼情報が含まれている場合には、該第2通信方式の無線アクセスネットワーク装置に対して、前記切替要求信号に対する応答信号を送信するように構成されていることを特徴とする移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−166749(P2011−166749A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291160(P2010−291160)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【分割の表示】特願2010−27047(P2010−27047)の分割
【原出願日】平成22年2月9日(2010.2.9)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】