説明

移動通信方法、無線基地局及び移動局

【課題】複数のデュープレクサD1/D2の中から、使用すべきデュープレクサD1/D2を適切に選択する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、バンドF1で運用されている移動通信システム1における移動通信方法であって、移動通信システム1内の無線基地局eNBが、移動局UEに対して、バンドF1に隣接するバンド2で運用されているシステムXに係る情報と共に、バンド1に隣接するバンド3で運用されているシステムYに係る情報を通知する工程Aと、移動局UEが、システムXに係る情報及びシステムYに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択する工程Bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、無線基地局及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)方式の移動通信システムは、隣接する周波数帯域に対して、保護基準を満足するように運用されなければならない。
【0003】
なお、LTE方式の仕様では、図6に示すように、かかる保護基準を守ることが難しい場合、移動局UEにおける最大許容送信電力を低減することが許容されている。一般に、かかる低減量は、「A-MPR(Additional-Maximum Power Reduction)」と呼ばれている。
【0004】
無線基地局eNBは、「A-MPR」を適用可能な地域において、サポートしているバンドに対して定義されている「NS(Network Signaling)」或いは「additionalSpectrumEmission」と呼ばれるネットワークシグナリング値を報知することによって、かかる「A-MPR」 の適用方法について通知するように構成されている。
【0005】
図6の例では、地域Aでは、システムXが運用されている周波数帯域及びシステムYが運用されている周波数帯域が十分に離れているため、システムYにおいて、システムXからの干渉レベルが、許容干渉レベルまで減衰されている。
【0006】
これに対して、地域Bでは、システムYにおいて、システムXからの干渉レベルの十分な減衰が期待できないため、システムXの無線基地局eNBが、移動局UEに対して、NSを用いて、「A-MPR」を通知する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】3GPP TS36.101
【非特許文献2】3GPP TS36.104
【非特許文献3】3GPP TS36.331
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
広帯域であり、かつ、上りリンク用周波数帯域と下りリンク用周波数帯域との間のガードバンドが狭い周波数帯域において、異なるフィルタ特性を有する複数のデュープレクサD1/D2を利用して、かかるバンドをカバーする方法(Dual Duplexer)が検討されている。
【0009】
例えば、現在、図7(a)に示すようなバンド「APA700」が、LTE方式の仕様策定会議において議論されている。
【0010】
しかしながら、かかるバンド「APA700」のような性質を有するバンドにおいて、通過帯域における損失を小さくすることができる急峻なフィルタ特性を有するデュープレクサを作成するのは困難であり、したがって、LTE方式では、図7(b)に示すような「Dual Duplexer」が検討されている。
【0011】
また、地域によって、隣接する周波数帯域で運用されるシステムが異なる。現在のLTE方式の仕様によれば、NSを用いて、移動局UEに対して、最大送信電力で送信された場合に移動局UEによって干渉を与える可能性のある無線システム(保護対象のシステム)に係る情報や保護基準について通知することができる。また、かかる場合、NSを用いて、「最大送信電力を低減してもよいこと」を通知することができる。
【0012】
ここで、受信感度やブロッキング性能等のフィルタ特性(RF特性)の改善という観点から、移動局UEは、移動局UEに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システム(与干渉システム)の運用状況に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)選択した方が好ましいケースが存在する。
【0013】
例えば、図8の例では、移動局UEは、バンド「APA700」内の周波数帯域F700A/F700Bでは、複数のデュープレクサD1/D2のどちらも利用することができる。
【0014】
しかしながら、周波数帯域F700Bで行われる下り通信では、与干渉システムからの干渉に対してデュープレクサD2のフィルタ特性(ブロッキング性能)が急峻ではなく、与干渉システムの影響を受けてしまう。
【0015】
一方、周波数帯域F700Bで行われる下り通信では、デュープレクサD1のフィルタ特性(ブロッキング性能)によって与干渉システムからの干渉が十分に減衰されるため、移動局UEは、デュープレクサD1を用いた場合には、与干渉システムからの干渉の影響を受け難い。
【0016】
しかしながら、上述のように、現在のLTE方式の仕様では、移動局UEに対して、対象の移動通信システムに対して干渉の影響を与えるシステム(与干渉システム)に係る情報について通知することができないため、移動局UEは、適切なデュープレクサD1/D2の選択を行うことができないという問題点があった。
【0017】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、複数のデュープレクサD1/D2の中から、使用すべきデュープレクサD1/D2を適切に選択することができる移動通信方法、無線基地局及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の第1の特徴は、第1周波数帯域で運用されている第1移動通信システムにおける移動通信方法であって、前記第1移動通信システム内の無線基地局が、移動局に対して、前記第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報と共に、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を通知する工程Aと、前記移動局が、前記第2システムに係る情報及び前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択する工程Bとを有し、前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを要旨とする。
【0019】
本発明の第2の特徴は、第1移動通信システムにおいて、第1周波数帯域及び第4周波数帯域を用いたキャリアアグリゲーションによって下り通信を行い、前記第4周波数帯域で上り通信を行う移動通信方法であって、前記第1移動通信システム内の無線基地局が、移動局に対して、前記第1周波数帯域において、該第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報を通知することなく、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を通知する工程Aと、前記移動局が、前記第1周波数帯域において、通知された前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択する工程Bとを有し、前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを要旨とする。
【0020】
本発明の第3の特徴は、第1周波数帯域で運用されている第1移動通信システムで用いられる無線基地局であって、移動局に対して、前記第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報と共に、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を通知するように構成されている送信部を具備しており、前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを要旨とする。
【0021】
本発明の第4の特徴は、第1周波数帯域で運用されている第1移動通信システムで用いられる移動局であって、前記第1移動通信システム内の無線基地局から、前記第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報と共に、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を受信するように構成されている受信部と、前記第2システムに係る情報及び前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択するように構成されている選択部とを具備しており、前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを要旨とする。
【0022】
本発明の第5の特徴は、第1移動通信システムにおいて、第1周波数帯域及び第4周波数帯域を用いたキャリアアグリゲーションによって下り通信を行っており、前記第4周波数帯域で上り通信を行っている移動局であって、前記第1移動通信システム内の無線基地局から、前記第1周波数帯域において、該第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報を受信することなく、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を受信するように構成されている受信部と、前記第1周波数帯域において、前記受信部によって受信された前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択するように構成されている選択部とを具備しており、前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを要旨とする。
【発明の効果】
【0023】
以上説明したように、本発明によれば、複数のデュープレクサD1/D2の中から、使用すべきデュープレクサD1/D2を適切に選択することができる移動通信方法、無線基地局及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられるNSの一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動局の機能ブロック図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動局の動作を示すフローチャートである。
【図6】従来の移動通信システムについて説明するための図である。
【図7】従来の移動通信システムについて説明するための図である。
【図8】従来の移動通信システムについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図5を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム1について説明する。本実施形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を用い、繰り返しの説明は省略する。
【0026】
本実施形態に係る移動通信システム1は、LTE(Release-8/9/10、又は、それ以降のRelease)方式に対応しており、図1に示すように、無線基地局eNB及び移動局UEを具備している。
【0027】
また、移動通信システム1は、バンドF1で運用されるように構成されているものとする。なお、「バンド」という表現は、3GPPのTS36.101で規定されている「EUTRA band」に対応するものとする。
【0028】
また、移動通信システム1では、無線基地局eNBが、報知情報によって、かかるバンドを特定するバンド番号を通知するように構成されている。
【0029】
なお、LTE方式の仕様では、かかる移動通信システム1で用いられる移動局UEは、かかるバンド番号に対応するNSに対応する機能を具備するように規定されている。
【0030】
また、図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システム1の周辺には、バンドF2で運用されているシステムX及びバンドF3で運用されているシステムYが存在するものとする。
【0031】
ここで、システムX/Yは、移動通信システム1と同じ通信方式の移動通信システムであってもよいし、移動通信システム1と異なる通信方式の移動通信システムであってもよいし、テレビ放送システムであってもよいし、他の通信システム又は放送システムであってもよい。
【0032】
さらに、移動通信システム1では、バンドF1及びバンドF4(第4周波数帯域)を用いたキャリアアグリゲーション(Downlink Inter-band CA)によって下り通信を行い、バンドF4で上り通信を行うことができるように構成されていてもよい。
【0033】
図2に示すように、無線基地局eNBは、設定部11と、送信部12とを具備している。
【0034】
設定部11は、無線基地局eNB配下のセルにおいて報知すべきNSを設定するように構成されている。ここで、図3に示すように、各NSに対して、保護すべきシステムの保護基準情報及び当該保護基準を満足するための手法(例えば、A-MPR)と与干渉システムに係る情報とが対応付けられている。
【0035】
送信部12は、無線基地局eNB配下のセルにおいて、ネットワークシグナリングによって(例えば、NSを報知することによって)、移動局UEに対して、バンドF1において、保護すべきシステムに係る情報、保護基準情報及び与干渉システムに係る情報を通知するように構成されている。
【0036】
ここで、送信部12は、NSを用いる代わりに、個別シグナリング或いは共通シグナリングを用いて、無線基地局eNB配下のセルにおいて、移動局UEに対して、バンドF1において、保護すべきシステムに係る情報、保護基準情報及び与干渉システムに係る情報を通知するように構成されていてもよい。
【0037】
なお、バンドF1及びバンドF4を用いたキャリアアグリゲーション(Downlink Inter-band CA)によって下り通信が行われ、バンドF4で上り通信が行われているケースでは、送信部12は、バンドF1では、上述の保護すべきシステムに係る情報について通知しないように構成されていてもよい。
【0038】
図4に示すように、移動局UEは、記憶部21と、受信部21と、選択部23と、送信部24とを具備している。
【0039】
記憶部21は、NSと保護すべきシステムに係る情報と保護基準情報と与干渉システムに係る情報とを対応付けるテーブル、例えば、図3に示すテーブルを記憶するように構成されている。
【0040】
受信部22は、無線基地局eNBによって報知されたNSを受信するように構成されている。かかる場合、受信部22は、記憶部21から、受信したNSに対応する保護すべきシステムに係る情報と保護基準情報と与干渉システムに係る情報とを取得するように構成されている。
【0041】
或いは、受信部22は、無線基地局eNBから、保護すべきシステムに係る情報、保護基準情報及び与干渉システムに係る情報を通知するためのシグナリングを受信するように構成されていてもよい。
【0042】
なお、バンドF1及びバンドF4を用いたキャリアアグリゲーション(Downlink Inter-band CA)によって下り通信が行われ、バンドF4で上り通信が行われているケースでは、受信部22は、バンドF1において、上述の保護すべきシステムに係る情報を取得しないように構成されていてもよい。
【0043】
選択部23は、受信部22によって受信されたNSに対応する保護すべきシステムに係る情報及び与干渉システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択するように構成されている。
【0044】
なお、バンドF1及びバンドF4を用いたキャリアアグリゲーション(Downlink Inter-band CA)によって下り通信が行われ、バンドF4で上り通信が行われているケースでは、選択部23は、バンドF1において、保護すべきシステムに係る情報が受信された場合であっても、かかる保護すべきシステムに係る情報を用いることなく、与干渉システムに係る情報に基づいて、バンドF1向けのRF回路を構成する複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択するように構成されていてもよい。
【0045】
かかるケースでは、バンドF1において、上り通信が行われていないため、移動通信システム1からシステムX(保護すべきシステム)に対する干渉の影響は無視できるため、このような構成とすることができる。
【0046】
送信部24は、受信部22によって受信されたNSに対応する保護基準情報及び当該保護基準を満足するために必要な情報(例えば、A-MPR)に基づいて、送信電力を低減するように構成されている。
【0047】
以下、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システム1における移動局UEの動作の一例について説明する。
【0048】
なお、本実施実施形態においては、隣接する周波数帯域において、1つの保護すべき無線システム及び1つの与干渉システムが存在することを前提とするが、保護すべき無線システムの個数及び与干渉システムの個数に制限はなく、また、それらの個数がゼロで合ってもよい。
【0049】
図4に示すように、ステップS101において、移動通信システム1の下り通信において、移動局UEは、中心周波数を特定(サーチ)し、NSを含む報知情報を取得する。
【0050】
ステップS102において、移動局UEは、かかる中心周波数を含むバンド内で、複数のデュープレクサD1/D2を利用可能であると判断した場合には、受信したNSに対応する保護すべきシステムに係る情報及び与干渉システムに係る情報に基づいて、使用すべき複数のデュープレクサD1(又は、D2)を選択する。
【0051】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、無線基地局eNBが、移動局UEに対して、保護すべきシステムに係る情報及び保護基準情報に加えて、与干渉システムに係る情報を通知するように構成されているため、移動局UEは、かかる保護すべきシステムに係る情報及び与干渉システムに係る情報に基づいて、適切なデュープレクサD1(又は、D2)を選択することができる。
【0052】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0053】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、バンドF1(第1周波数帯域)で運用されている移動通信システム1(第1移動通信システム)における移動通信方法であって、移動通信システム1内の無線基地局eNBが、移動局UEに対して、バンドF1に隣接するバンド2(第2周波数帯域)で運用されているシステムX(第2システム)に係る情報と共に、バンド1に隣接するバンド3(第3周波数帯域)で運用されているシステムY(第3システム)に係る情報を通知する工程Aと、移動局UEが、システムXに係る情報及びシステムYに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択する工程Bとを有し、システムXは、移動通信システム1からの干渉の影響を受ける可能性のある無線システム(保護すべきシステム)であって、システムYは、移動通信システム1に対して干渉の影響を与える可能性のある無線システム(与干渉システム)であることを要旨とする。
【0054】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aにおいて、無線基地局eNBは、ネットワークシグナリングによって(例えば、NSを用いて)、バンドF1に隣接するバンドで運用されているシステムに係る情報として、システムXに係る情報及びシステムYに係る情報を通知してもよい。
【0055】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信システム1において、バンドF1及びバンドF4(第4周波数帯域)を用いたキャリアアグリゲーション(Downlink Inter-band CA)によって下り通信を行い、バンドF4で上り通信を行う移動通信方法であって、移動通信システム1内の無線基地局eNBが、移動局UEに対して、バンドF1において、バンドF1に隣接するバンドF2で運用されているシステムXに係る情報を通知することなく、バンドF1に隣接するバンドF3で運用されているシステムYに係る情報を通知する工程Aと、移動局UEが、バンドF1及びバンドF4において、通知されたシステムYに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択する工程Bとを有することを要旨とする。
【0056】
本実施形態の第3の特徴は、バンドF1で運用されている移動通信システム1で用いられる無線基地局eNBであって、移動局UEに対して、バンドF1に隣接するバンドF2で運用されているシステムXに係る情報と共に、バンドF1に隣接するバンドF3で運用されているシステムYに係る情報を通知するように構成されている送信部12を具備していることを要旨とする。
【0057】
本実施形態の第3の特徴において、送信部12は、ネットワークシグナリングによって(例えば、NSを用いて)、バンドF1に隣接するバンドで運用されているシステムに係る情報として、システムXに係る情報及びシステムYに係る情報を通知するように構成されていてもよい。
【0058】
本実施形態の第4の特徴は、バンドF1で運用されている移動通信システム1で用いられる移動局UEであって、移動通信システム1内の無線基地局eNBから、バンドF1に隣接するバンドF2で運用されているシステムXに係る情報と共に、バンドF1に隣接するバンドF3で運用されているシステムYに係る情報を受信するように構成されている受信部22と、2システムXに係る情報及びシステムYに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択するように構成されている選択部23とを具備することを要旨とする。
【0059】
本実施形態の第5の特徴は、移動通信システム1において、バンドF1及びバンドF4を用いたキャリアアグリゲーション(Downlink Inter-band CA)によって下り通信を行っており、バンドF4で上り通信を行っている移動局UEであって、移動通信システム1内の無線基地局eNBから、バンドF1において、バンドF1に隣接するバンドF2で運用されているシステムXに係る情報を受信することなく、バンドF1に隣接するバンドF3で運用されているシステムYに係る情報を受信するように構成されている受信部22と、バンドF1において、受信部22によって受信されたシステムYに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサD1/D2のうち、使用すべきデュープレクサD1(又は、D2)を選択するように構成されている選択部23とを具備することを要旨とする。
【0060】
なお、上述の無線基地局eNB及び移動局UEの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0061】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0062】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、無線基地局eNBや移動局UE内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして無線基地局eNBや移動局UE内に設けられていてもよい。
【0063】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0064】
UE…移動局
eNB…無線基地局
11…設定部
12、24…送信部
21…記憶部
22…受信部
23…選択部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1周波数帯域で運用されている第1移動通信システムにおける移動通信方法であって、
前記第1移動通信システム内の無線基地局が、移動局に対して、前記第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報と共に、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を通知する工程Aと、
前記移動局が、前記第2システムに係る情報及び前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択する工程Bとを有し、
前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受けるシステムであって、
前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与えるシステムであることを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程Aにおいて、前記無線基地局は、ネットワークシグナリングによって、前記第1周波数帯域に隣接する周波数帯域で運用されているシステムに係る情報として、前記第2システムに係る情報及び前記第3システムに係る情報を通知することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
第1移動通信システムにおいて、第1周波数帯域及び第4周波数帯域を用いたキャリアアグリゲーションによって下り通信を行い、前記第4周波数帯域で上り通信を行う移動通信方法であって、
前記第1移動通信システム内の無線基地局が、移動局に対して、前記第1周波数帯域において、該第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報を通知することなく、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を通知する工程Aと、
前記移動局が、前記第1周波数帯域において、通知された前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択する工程Bとを有し、
前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、
前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを特徴とする移動通信方法。
【請求項4】
第1周波数帯域で運用されている第1移動通信システムで用いられる無線基地局であって、
移動局に対して、前記第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報と共に、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を通知するように構成されている送信部を具備しており、
前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、
前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを特徴とする無線基地局。
【請求項5】
前記送信部は、ネットワークシグナリングによって、前記第1周波数帯域に隣接する周波数帯域で運用されているシステムに係る情報として、前記第2システムに係る情報及び前記第3システムに係る情報を通知するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の無線基地局。
【請求項6】
第1周波数帯域で運用されている第1移動通信システムで用いられる移動局であって、
前記第1移動通信システム内の無線基地局から、前記第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報と共に、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を受信するように構成されている受信部と、
前記第2システムに係る情報及び前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択するように構成されている選択部とを具備しており、
前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、
前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを特徴とする移動局。
【請求項7】
第1移動通信システムにおいて、第1周波数帯域及び第4周波数帯域を用いたキャリアアグリゲーションによって下り通信を行っており、前記第4周波数帯域で上り通信を行っている移動局であって、
前記第1移動通信システム内の無線基地局から、前記第1周波数帯域において、該第1周波数帯域に隣接する第2周波数帯域で運用されている第2システムに係る情報を受信することなく、前記第1周波数帯域に隣接する第3周波数帯域で運用されている第3システムに係る情報を受信するように構成されている受信部と、
前記第1周波数帯域において、前記受信部によって受信された前記第3システムに係る情報に基づいて、複数のデュープレクサのうち、使用すべきデュープレクサを選択するように構成されている選択部とを具備しており、
前記第2システムは、前記第1移動通信システムからの干渉の影響を受ける可能性のある無線システムであって、
前記第3システムは、前記第1移動通信システムに対して干渉の影響を与える可能性のある無線システムであることを特徴とする移動局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−106191(P2013−106191A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248774(P2011−248774)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】