移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局
【課題】多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、コアネットワーク装置において故障が発生した場合であっても、ネットワークの輻輳を回避する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、MMEが、S-GW/P-GW又はMMEにおける故障等の所定事由により該ベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request」を送信する工程と、UEが、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、MMEが、S-GW/P-GW又はMMEにおける故障等の所定事由により該ベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request」を送信する工程と、UEが、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)及びGPRS(General Packet Radio Service)のRel-10方式では、トラフィック量の膨大なUE(User Equipment、移動局)や短時間に何度も発信を繰り返すUEの発信を規制するための手順が規定されている。以下、図11を参照して、LTE方式を例に挙げて、かかる手順について簡単に説明する。
【0003】
具体的には、図11に示すように、ステップS3001において、UEが、MME(Mobility Management Entity、移動管理ノード)に対して、あるAPN(Access Point Name、接続先のパケットデータネットワークの識別情報)宛ての「PDN Connectivity Request」を送信する。
【0004】
MMEは、ステップS3002において、かかるUEの発信を規制することを決定すると、ステップS3003において、かかるUEに対して、規制時間を含む「PDN Connectivity Reject」を送信する。
【0005】
ステップS3004において、UEは、受信した「PDN Connectivity Reject」に含まれる規制時間の間、上述のAPN宛ての発信を規制する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS23.401
【非特許文献2】3GPP TS23.060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、P-GW(PDN Gateway、PDNゲートウェイ装置)やS-GW(Serving Gateway、サービングゲートウェイ装置)やMME等のコアネットワーク装置における故障等の所定事由によって、多くのベアラが一斉に切断され、その後、図5に示す手順が起動する前に、多くのUEからの発信が一斉に発生してしまい、ネットワークが輻輳してしまうという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、コアネットワーク装置において故障が発生した場合であっても、ネットワークの輻輳を回避することができる移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノードが、ゲートウェイ装置又は該移動管理ノードにおける所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、パケット交換機が、上位パケット交換機又は該パケット交換機における所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、移動管理ノードであって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、ゲートウェイ装置又は前記移動管理ノードにおける所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、パケット交換機であって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、上位パケット交換機又は前記パケット交換機における所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、移動局であって、パケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノード又はパケット交換機から、規制時間を含む切断要求信号を受信した場合に、該規制時間の間は、該パケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている発信規制部を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、コアネットワーク装置において故障が発生した場合であっても、ネットワークの輻輳を回避することができる移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るMMEの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るUEの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るSGSNの機能ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図11】従来の移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。本実施形態では、LTE方式の移動通信システムを例示して説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、P-GWと、S-GWと、MMEと、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)内のeNB(無線基地局)とを具備している。
【0018】
図2に示すように、MMEは、受信部11と、決定部12と、送信部13とを具備している。
【0019】
受信部11は、UEやeNBやS-GWから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部11は、S-GWからベアラ切断信号を受信するように構成されている。
【0020】
決定部12は、S-GW又はP-GWにおける故障等の所定事由又はMMEにおける故障等の所定事由を検出した場合、発信規制を発動することを決定し、その旨を送信部13に対して通知すると共に、特定のUEのベアラを切断するように構成されている。
【0021】
例えば、決定部12は、受信部11によって受信されたベアラ切断要求信号に基づいて、S-GW又はP-GWにおける故障等の所定事由を検出するように構成されていてもよい。
【0022】
また、決定部12は、受信部11によって受信されたベアラ切断要求信号によって指定されたUEのベアラを切断するように構成されていてもよいし、所定規則に基づいて、特定のUEのベアラを切断するように構成されていてもよい。
【0023】
送信部13は、UEやeNBやS-GWに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0024】
例えば、送信部13は、決定部12からの通知に応じて、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信するように構成されている。
【0025】
ここで、送信部13は、複数のベアラのうちの1つのベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」を送信するように構成されている。
【0026】
一方、送信部13は、残りの全てのベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「Detach Request」を送信するように構成されている。
【0027】
図3に示すように、UEは、受信部21と、発信規制部22とを具備している。
【0028】
受信部21は、eNBやMMEから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部21は、MMEから「PDN Disconnection Request」や「Detach Request」を受信するように構成されている。
【0029】
発信規制部22は、MMEからの指示に応じて、特定のAPN宛ての発信を規制するように構成されている。
【0030】
例えば、発信規制部22は、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、受信部21によって「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」が受信された場合に、かかる「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間は、かかる「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」に係るパケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている。
【0031】
以下、図4乃至図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0032】
第1に、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、P-GWにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0033】
図4に示すように、P-GWは、ステップS1001において、故障を検出すると、ステップS1002において、S-GWに対して、特定のベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0034】
ステップS1003において、S-GWは、かかるベアラを切断すると共に、MMEに対して、かかるベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0035】
ステップS1004において、MMEは、かかるベアラ切断要求信号に応じて、P-GWにおいて故障が発生したことを検出し、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0036】
MMEは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS1005A又はS1005Bにおいて、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信する。
【0037】
ステップS1006において、UEは、受信した「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0038】
第2に、図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、S-GWにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0039】
図5に示すように、S-GWは、ステップS1101において、故障を検出すると、ステップS1102において、P-GWとの間で、特定のベアラの切断手順を行うと共に、ステップS1103において、MMEに対して、かかるベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0040】
ステップS1104において、MMEは、かかるベアラ切断要求信号に応じて、S-GWにおいて故障が発生したことを検出し、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0041】
MMEは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS1105A又はS1105Bにおいて、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信する。
【0042】
ステップS1106において、UEは、受信した「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0043】
第3に、図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、MMEにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0044】
図6に示すように、MMEは、ステップS1201において、故障を検出すると、ステップS1202において、P-GWとの間で、特定のベアラの切断手順を行う。
【0045】
ステップS1203において、MMEは、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0046】
MMEは、ステップS1204A又はS1204Bにおいて、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信する。
【0047】
ステップS1205において、UEは、受信した「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0048】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、S-GWやP-GWやMMEにおいて故障が発生した場合に、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信することによって、特定のUEの特定のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制することができるため、ネットワークの輻輳を回避することができる。
【0049】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図7乃至図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。本実施形態では、WCDMA方式の移動通信システムを例示して説明する。
【0050】
図7に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、GGSNと、SGSN(Serving GPRS Support Node、パケット交換機)と、UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)内のRNC(Radio Network Controller、無線回線制御局)及びNodeB(無線基地局)とを具備している。
【0051】
図8に示すように、SGSNは、受信部31と、決定部32と、送信部33とを具備している。
【0052】
受信部31は、UEやRNCやGGSNから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部31は、GGSNからベアラ切断信号を受信するように構成されている。
【0053】
決定部32は、GGSNにおける故障等の所定事由又はSGSNにおける故障等の所定事由を検出した場合、発信規制を発動することを決定し、その旨を送信部33に対して通知すると共に、特定のUEのベアラを切断するように構成されている。
【0054】
例えば、決定部32は、受信部31によって受信されたベアラ切断要求信号に基づいて、GGSNにおける故障等の所定事由を検出するように構成されていてもよい。
【0055】
また、決定部32は、受信部31によって受信されたベアラ切断要求信号によって指定されたUEのベアラを切断するように構成されていてもよいし、所定規則に基づいて、特定のUEのベアラを切断するように構成されていてもよい。
【0056】
送信部33は、UEやRNCやGGSNに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0057】
例えば、送信部33は、決定部32からの通知に応じて、UEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信するように構成されている。
【0058】
また、UEの受信部21は、NodeBやRNCやSGSNから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部21は、SGSNから「Deactivate PDP Context Request」を受信するように構成されている。
【0059】
発信規制部22は、SGSNからの指示に応じて、特定のAPN宛ての発信を規制するように構成されている。
【0060】
例えば、発信規制部22は、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、受信部21によって「Deactivate PDP Context Request」が受信された場合に、かかる「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間は、かかる「Deactivate PDP Context Request」に係るパケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている。
【0061】
以下、図9及び図10を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0062】
第1に、図9を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、GGSNにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0063】
図9に示すように、GGSNは、ステップS2001において、故障を検出すると、ステップS2002において、SGSNに対して、特定のベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0064】
ステップS2003において、SGSNは、かかるベアラ切断要求信号に応じて、GGSNにおいて故障が発生したことを検出し、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0065】
SGSNは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS2004において、特定のUEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信する。
【0066】
ステップS2005において、UEは、受信した「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0067】
第2に、図10を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、SGSNにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0068】
図10に示すように、SGSNは、ステップS2101において、故障を検出すると、ステップS2102において、GGSNとの間で、特定のベアラの切断手順を行う。
【0069】
ステップS2103において、SGSNは、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0070】
SGSNは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS2104において、特定のUEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信する。
【0071】
ステップS2105において、UEは、受信した「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0072】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、GGSNやSGSNにおいて故障等の所定事由が発生した場合に、特定のUEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信することによって、特定のUEの特定のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制することができるため、ネットワークの輻輳を回避することができる。
【0073】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0074】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、UE(移動局)とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、MME(移動管理ノード)が、S-GW/P-GW(ゲートウェイ装置)又はMMEにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request(切断要求信号)」を送信する工程と、UEが、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0075】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、SGSN(パケット交換機)が、GGSN(上位パケット交換機)又はSGSNにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request(切断要求信号)」を送信する工程と、UEが、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0076】
本実施形態の第3の特徴は、MMEであって、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、S-GW/P-GW又はMMEにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request」を送信するように構成されている送信部13を具備することを要旨とする。
【0077】
本実施形態の第4の特徴は、SGSNであって、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、GGSN又はSGSNにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信するように構成されている送信部33を具備することを要旨とする。
【0078】
本実施形態の第5の特徴は、UEであって、パケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、MME又はSGSNから、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」を受信した場合に、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている発信規制部22を具備することを要旨とする。
【0079】
なお、上述のUEやeNBやNodeBやRNCやMMEやS-GWやSGSNやGGSNの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0080】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0081】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、UEやeNBやNodeBやRNCやMMEやS-GWやSGSNやGGSN内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてUEやeNBやNodeBやRNCやMMEやS-GWやSGSNやGGSN内に設けられていてもよい。
【0082】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0083】
P-GW…PDNゲートウェイ装置
S-GW…サービングゲートウェイ装置
MME…移動管理ノード
eNB、NodeB…無線基地局
GGSN…上位パケット交換機
SGSN…パケット交換機
RNC…無線回線制御局
UE…移動局
11、21、31…受信部
12、32…決定部
13、33…送信部
23…発信規制部
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)及びGPRS(General Packet Radio Service)のRel-10方式では、トラフィック量の膨大なUE(User Equipment、移動局)や短時間に何度も発信を繰り返すUEの発信を規制するための手順が規定されている。以下、図11を参照して、LTE方式を例に挙げて、かかる手順について簡単に説明する。
【0003】
具体的には、図11に示すように、ステップS3001において、UEが、MME(Mobility Management Entity、移動管理ノード)に対して、あるAPN(Access Point Name、接続先のパケットデータネットワークの識別情報)宛ての「PDN Connectivity Request」を送信する。
【0004】
MMEは、ステップS3002において、かかるUEの発信を規制することを決定すると、ステップS3003において、かかるUEに対して、規制時間を含む「PDN Connectivity Reject」を送信する。
【0005】
ステップS3004において、UEは、受信した「PDN Connectivity Reject」に含まれる規制時間の間、上述のAPN宛ての発信を規制する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】3GPP TS23.401
【非特許文献2】3GPP TS23.060
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、P-GW(PDN Gateway、PDNゲートウェイ装置)やS-GW(Serving Gateway、サービングゲートウェイ装置)やMME等のコアネットワーク装置における故障等の所定事由によって、多くのベアラが一斉に切断され、その後、図5に示す手順が起動する前に、多くのUEからの発信が一斉に発生してしまい、ネットワークが輻輳してしまうという問題点があった。
【0008】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、コアネットワーク装置において故障が発生した場合であっても、ネットワークの輻輳を回避することができる移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の特徴は、移動通信方法であって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノードが、ゲートウェイ装置又は該移動管理ノードにおける所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0010】
本発明の第2の特徴は、移動通信方法であって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、パケット交換機が、上位パケット交換機又は該パケット交換機における所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0011】
本発明の第3の特徴は、移動管理ノードであって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、ゲートウェイ装置又は前記移動管理ノードにおける所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0012】
本発明の第4の特徴は、パケット交換機であって、移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、上位パケット交換機又は前記パケット交換機における所定事由で該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを要旨とする。
【0013】
本発明の第5の特徴は、移動局であって、パケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノード又はパケット交換機から、規制時間を含む切断要求信号を受信した場合に、該規制時間の間は、該パケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている発信規制部を具備することを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、コアネットワーク装置において故障が発生した場合であっても、ネットワークの輻輳を回避することができる移動通信方法、移動管理ノード、パケット交換機及び移動局を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るMMEの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るUEの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの全体構成図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るSGSNの機能ブロック図である。
【図9】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図10】本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図11】従来の移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。本実施形態では、LTE方式の移動通信システムを例示して説明する。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、P-GWと、S-GWと、MMEと、E-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)内のeNB(無線基地局)とを具備している。
【0018】
図2に示すように、MMEは、受信部11と、決定部12と、送信部13とを具備している。
【0019】
受信部11は、UEやeNBやS-GWから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部11は、S-GWからベアラ切断信号を受信するように構成されている。
【0020】
決定部12は、S-GW又はP-GWにおける故障等の所定事由又はMMEにおける故障等の所定事由を検出した場合、発信規制を発動することを決定し、その旨を送信部13に対して通知すると共に、特定のUEのベアラを切断するように構成されている。
【0021】
例えば、決定部12は、受信部11によって受信されたベアラ切断要求信号に基づいて、S-GW又はP-GWにおける故障等の所定事由を検出するように構成されていてもよい。
【0022】
また、決定部12は、受信部11によって受信されたベアラ切断要求信号によって指定されたUEのベアラを切断するように構成されていてもよいし、所定規則に基づいて、特定のUEのベアラを切断するように構成されていてもよい。
【0023】
送信部13は、UEやeNBやS-GWに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0024】
例えば、送信部13は、決定部12からの通知に応じて、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信するように構成されている。
【0025】
ここで、送信部13は、複数のベアラのうちの1つのベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」を送信するように構成されている。
【0026】
一方、送信部13は、残りの全てのベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「Detach Request」を送信するように構成されている。
【0027】
図3に示すように、UEは、受信部21と、発信規制部22とを具備している。
【0028】
受信部21は、eNBやMMEから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部21は、MMEから「PDN Disconnection Request」や「Detach Request」を受信するように構成されている。
【0029】
発信規制部22は、MMEからの指示に応じて、特定のAPN宛ての発信を規制するように構成されている。
【0030】
例えば、発信規制部22は、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、受信部21によって「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」が受信された場合に、かかる「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間は、かかる「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」に係るパケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている。
【0031】
以下、図4乃至図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0032】
第1に、図4を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、P-GWにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0033】
図4に示すように、P-GWは、ステップS1001において、故障を検出すると、ステップS1002において、S-GWに対して、特定のベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0034】
ステップS1003において、S-GWは、かかるベアラを切断すると共に、MMEに対して、かかるベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0035】
ステップS1004において、MMEは、かかるベアラ切断要求信号に応じて、P-GWにおいて故障が発生したことを検出し、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0036】
MMEは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS1005A又はS1005Bにおいて、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信する。
【0037】
ステップS1006において、UEは、受信した「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0038】
第2に、図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、S-GWにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0039】
図5に示すように、S-GWは、ステップS1101において、故障を検出すると、ステップS1102において、P-GWとの間で、特定のベアラの切断手順を行うと共に、ステップS1103において、MMEに対して、かかるベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0040】
ステップS1104において、MMEは、かかるベアラ切断要求信号に応じて、S-GWにおいて故障が発生したことを検出し、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0041】
MMEは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS1105A又はS1105Bにおいて、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信する。
【0042】
ステップS1106において、UEは、受信した「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0043】
第3に、図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、MMEにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0044】
図6に示すように、MMEは、ステップS1201において、故障を検出すると、ステップS1202において、P-GWとの間で、特定のベアラの切断手順を行う。
【0045】
ステップS1203において、MMEは、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0046】
MMEは、ステップS1204A又はS1204Bにおいて、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信する。
【0047】
ステップS1205において、UEは、受信した「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0048】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、S-GWやP-GWやMMEにおいて故障が発生した場合に、特定のUEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request」又は「Detach Request」を送信することによって、特定のUEの特定のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制することができるため、ネットワークの輻輳を回避することができる。
【0049】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
以下、図7乃至図10を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点に着目して説明する。本実施形態では、WCDMA方式の移動通信システムを例示して説明する。
【0050】
図7に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、GGSNと、SGSN(Serving GPRS Support Node、パケット交換機)と、UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)内のRNC(Radio Network Controller、無線回線制御局)及びNodeB(無線基地局)とを具備している。
【0051】
図8に示すように、SGSNは、受信部31と、決定部32と、送信部33とを具備している。
【0052】
受信部31は、UEやRNCやGGSNから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部31は、GGSNからベアラ切断信号を受信するように構成されている。
【0053】
決定部32は、GGSNにおける故障等の所定事由又はSGSNにおける故障等の所定事由を検出した場合、発信規制を発動することを決定し、その旨を送信部33に対して通知すると共に、特定のUEのベアラを切断するように構成されている。
【0054】
例えば、決定部32は、受信部31によって受信されたベアラ切断要求信号に基づいて、GGSNにおける故障等の所定事由を検出するように構成されていてもよい。
【0055】
また、決定部32は、受信部31によって受信されたベアラ切断要求信号によって指定されたUEのベアラを切断するように構成されていてもよいし、所定規則に基づいて、特定のUEのベアラを切断するように構成されていてもよい。
【0056】
送信部33は、UEやRNCやGGSNに対して各種信号を送信するように構成されている。
【0057】
例えば、送信部33は、決定部32からの通知に応じて、UEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信するように構成されている。
【0058】
また、UEの受信部21は、NodeBやRNCやSGSNから各種信号を受信するように構成されている。例えば、受信部21は、SGSNから「Deactivate PDP Context Request」を受信するように構成されている。
【0059】
発信規制部22は、SGSNからの指示に応じて、特定のAPN宛ての発信を規制するように構成されている。
【0060】
例えば、発信規制部22は、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、受信部21によって「Deactivate PDP Context Request」が受信された場合に、かかる「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間は、かかる「Deactivate PDP Context Request」に係るパケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている。
【0061】
以下、図9及び図10を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0062】
第1に、図9を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、GGSNにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0063】
図9に示すように、GGSNは、ステップS2001において、故障を検出すると、ステップS2002において、SGSNに対して、特定のベアラの切断を要求するベアラ切断要求信号を送信する。
【0064】
ステップS2003において、SGSNは、かかるベアラ切断要求信号に応じて、GGSNにおいて故障が発生したことを検出し、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0065】
SGSNは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS2004において、特定のUEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信する。
【0066】
ステップS2005において、UEは、受信した「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0067】
第2に、図10を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、SGSNにおいて故障が発生した場合の動作について説明する。
【0068】
図10に示すように、SGSNは、ステップS2101において、故障を検出すると、ステップS2102において、GGSNとの間で、特定のベアラの切断手順を行う。
【0069】
ステップS2103において、SGSNは、特定のUEの特定のパケットネットワーク(APN)宛ての発信を規制すること決定する。
【0070】
SGSNは、かかるベアラを切断すると共に、ステップS2104において、特定のUEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信する。
【0071】
ステップS2105において、UEは、受信した「Deactivate PDP Context Request」に含まれる規制時間の間、上述のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制する。
【0072】
本実施形態に係る移動通信システムによれば、多くのUEとパケットデータネットワークとの間でベアラが確立されている状態で、GGSNやSGSNにおいて故障等の所定事由が発生した場合に、特定のUEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信することによって、特定のUEの特定のパケットデータネットワーク(APN)宛ての発信を規制することができるため、ネットワークの輻輳を回避することができる。
【0073】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0074】
本実施形態の第1の特徴は、移動通信方法であって、UE(移動局)とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、MME(移動管理ノード)が、S-GW/P-GW(ゲートウェイ装置)又はMMEにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request(切断要求信号)」を送信する工程と、UEが、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0075】
本実施形態の第2の特徴は、移動通信方法であって、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、SGSN(パケット交換機)が、GGSN(上位パケット交換機)又はSGSNにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request(切断要求信号)」を送信する工程と、UEが、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを要旨とする。
【0076】
本実施形態の第3の特徴は、MMEであって、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、S-GW/P-GW又はMMEにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request」を送信するように構成されている送信部13を具備することを要旨とする。
【0077】
本実施形態の第4の特徴は、SGSNであって、UEとパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、GGSN又はSGSNにおける故障等の所定事由により、かかるベアラを切断する場合、UEに対して、規制時間を含む「Deactivate PDP Context Request」を送信するように構成されている送信部33を具備することを要旨とする。
【0078】
本実施形態の第5の特徴は、UEであって、パケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、MME又はSGSNから、規制時間を含む「PDN Disconnection Request/Detach Request」又は「Deactivate PDP Context Request」を受信した場合に、かかる規制時間の間は、かかるパケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている発信規制部22を具備することを要旨とする。
【0079】
なお、上述のUEやeNBやNodeBやRNCやMMEやS-GWやSGSNやGGSNの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0080】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0081】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、UEやeNBやNodeBやRNCやMMEやS-GWやSGSNやGGSN内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてUEやeNBやNodeBやRNCやMMEやS-GWやSGSNやGGSN内に設けられていてもよい。
【0082】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0083】
P-GW…PDNゲートウェイ装置
S-GW…サービングゲートウェイ装置
MME…移動管理ノード
eNB、NodeB…無線基地局
GGSN…上位パケット交換機
SGSN…パケット交換機
RNC…無線回線制御局
UE…移動局
11、21、31…受信部
12、32…決定部
13、33…送信部
23…発信規制部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノードが、ゲートウェイ装置又は該移動管理ノードにおける所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、
前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、パケット交換機が、上位パケット交換機又は該パケット交換機における所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、
前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項3】
移動管理ノードであって、
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、ゲートウェイ装置又は前記移動管理ノードにおける所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを特徴とする移動管理ノード。
【請求項4】
パケット交換機であって、
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、上位パケット交換機又は前記パケット交換機における所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを特徴とするパケット交換機。
【請求項5】
移動局であって、
パケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノード又はパケット交換機から、規制時間を含む切断要求信号を受信した場合に、該規制時間の間は、該パケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている発信規制部を具備することを特徴とする移動局。
【請求項1】
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノードが、ゲートウェイ装置又は該移動管理ノードにおける所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、
前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、パケット交換機が、上位パケット交換機又は該パケット交換機における所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信する工程と、
前記移動局が、前記規制時間の間は、前記パケットデータネットワーク宛ての発信を規制する工程とを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項3】
移動管理ノードであって、
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、ゲートウェイ装置又は前記移動管理ノードにおける所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを特徴とする移動管理ノード。
【請求項4】
パケット交換機であって、
移動局とパケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、上位パケット交換機又は前記パケット交換機における所定事由により該ベアラを切断する場合、該移動局に対して、規制時間を含む切断要求信号を送信するように構成されている送信部を具備することを特徴とするパケット交換機。
【請求項5】
移動局であって、
パケットデータネットワークとの間のベアラが確立されている状態で、移動管理ノード又はパケット交換機から、規制時間を含む切断要求信号を受信した場合に、該規制時間の間は、該パケットデータネットワーク宛ての発信を規制するように構成されている発信規制部を具備することを特徴とする移動局。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−81024(P2013−81024A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219212(P2011−219212)
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月3日(2011.10.3)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】
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