説明

移動通信方法及びノード

【課題】HSSが、UEが在圏するRATに係る情報を正確に取得する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、MME及びSGSN/MSCの少なくとも一方が、HSSから在圏確認要求信号を受信した場合、eNB及びRNCの少なくとも一方に対して、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信する工程Aと、MME及びSGSN/MSCの少なくとも一方が、HSSに対して、UEが在圏するRATに係る情報を含む在圏確認結果を送信する工程Bとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信方法及びノードに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPにおいて規定されている「T-ADS(Terminating Access Domain Selection)」機能のように、HSS(Home Subscriber Server、加入者管理サーバ)が、MME(Mobility Management Entity、移動管理ノード)やSGSN(Serving GPRS Support Node、パケット交換機)に対して、UE(User Equipment)が在圏するRAT(Radio Access Technology、無線アクセスネットワーク)を問い合わせる技術が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】3GPP TS23.292
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる技術において、MMEやSGSNが、UEが在圏するRATを判断した後、HSSに対して応答している間に、UEが、ハンドオーバ等によって在圏するRATを切り替えてしまった場合には、HSSは、正確なUEが在圏するRATに係る情報を取得できなくなってしまうという問題点があった。
【0005】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、HSSが、UEが在圏するRATに係る情報を正確に取得することができる移動通信方法及びノードを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の特徴は、移動局が在圏する無線アクセスネットワークを判定する移動通信方法であって、前記第1通信方式のノード及び前記第2通信方式のノードの少なくとも一方が、加入者管理サーバから在圏確認要求信号を受信した場合、無線アクセスネットワーク装置に対して、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信する工程Aと、前記第1通信方式のノード及び前記第2通信方式のノードの少なくとも一方が、前記加入者管理サーバに対して、前記移動局が在圏する無線アクセスネットワークに係る情報を含む在圏確認結果を送信する工程Bとを有することを要旨とする。
【0007】
本発明の第2の特徴は、ノードであって、加入者管理サーバから在圏確認要求信号を受信した場合、無線アクセスネットワーク装置に対して、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信するように構成されており、前記加入者管理サーバに対して、前記移動局が在圏する無線アクセスネットワークに係る情報を含む在圏確認結果を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0008】
本発明の第3の特徴は、無線アクセスネットワーク装置であって、在圏ノードから、移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を受信した場合、該無線切り替え制限情報に基づいて、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように構成されていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、本発明によれば、HSSが、UEが在圏するRATに係る情報を正確に取得することができる移動通信方法及びノードを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について示すシーケンス図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「S1AP:Initial Context Setup Request」のフォーマット例について示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について示すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムで用いられる「S1AP:UE Context Modification Request」のフォーマット例について示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システム)
図1乃至図6を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係る移動通信システムは、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)/GERAN(GSM EDGE Radio Access Network)及びE-UTRAN(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)を具備している。
【0013】
なお、UTRAN/GERANには、無線アクセスネットワーク装置として、RNC(Radio Network Controller、無線回線制御局)及びNodeB/BSS(無線基地局)が設けられており、E-UTRANには、無線アクセスネットワーク装置として、eNB(無線基地局)が設けられている。
【0014】
また、本実施形態に係る移動通信システムは、HSSや、SGSNや、MSC(Mobile-service Switching Center、回線交換機)や、MMEや、S/P-GW(Serving/PDN-Gateway、ゲートウェイ装置)や、SCC-AS(Service Centralization and Continuity-Application Server)や、S-CSCF(Serving Call Session Control Function)や、MGCF(Media Gateway Control Function)や、P-CSCF(Proxy Call Session Control Function)等を具備している。
【0015】
なお、本実施形態に係る移動通信システムは、3GPPのTS23.292に規定されている「T-ADS」機能を用いて、音声呼の着信時に、PS(Packet Switch、パケット交換)ドメインに着信させて「VoIP(Voice over IP)サービスを提供すべきか、或いは、CS(Circuit Switch、回線交換)ドメインに着信させるべきかについて判断することができるように構成されていてもよい。
【0016】
以下、図2乃至図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0017】
第1に、図2及び図3を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEが「IDLE状態(アイドル状態)」である場合の動作について説明する。
【0018】
図1に示すように、ステップS1001において、HSSは、在圏解決要求信号を受信する。
【0019】
例えば、かかる在圏解決要求信号は、SCC-ASがS-CSCFを介してUE宛ての「Invite」を受信した場合に送信される信号であって、UEの在圏情報(例えば、在圏RAT種別や問い合わせ在圏装置に対するUEの最終アクセス時刻やUEの在圏セルの情報等)について問い合わせるための問い合わせ信号であってもよい。
【0020】
ステップS1002において、HSSは、MMEに対して、UEの在圏情報を確認することを要求する在圏確認要求信号を送信する。
【0021】
例えば、かかる在圏確認要求信号は、UEの在圏情報を確認することを要求する情報を含む「Insert Subscriber Data Request」であってもよい。UEの在圏情報を確認することを要求する情報は、例えば、UEが「IDLE状態」である場合に、UEを「接続状態(ACTIVE状態)」へ遷移させるように指示する情報を含んでいてもよい。
【0022】
或いは、HSSは、MMEに対して、在圏確認を要求するための従来の「Insert Subscriber Data Request(この信号には、例えば、「T-ADS Data Request」が設定される)」を送信し、MMEが、かかる「Insert Subscriber Data Request」の受信を契機に、自律的に、下記に述べる「Paging処理(ステップS1004からS1012)」を実施するよう構成されていてもよい。
【0023】
ここで、HSSは、SGSN及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよいし、MSC及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよいし、MSC及びSGSN及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよい。
【0024】
かかる場合、SGSN或いはMSCが、HSSから在圏確認要求信号を受信した場合、図2や図4や図6に述べるeNB及びMMEを、RNC及びSGSN(或いは、MSC)に置き換えた場合と同様、いずれかの処理を実施する。
【0025】
或いは、HSSは、かかるUEに対する位置登録要求信号を在圏装置から一度も受信していない場合や、在圏装置におけるUEのコンテキスト情報が有効でない(UEのコンテキスト情報が存在しないこと等を含む)ことを知っている場合に、かかる在圏装置への在圏確認要求信号の送信を実施しないように構成されていてもよい。
【0026】
ステップS1003において、MMEは、UEのコンテキスト情報の有無及びUEの状態を確認する。図2の例では、MMEは、UEのコンテキスト情報を保持しており、UEの状態が「IDLE状態」であることを確認する。
【0027】
ステップS1004及びS1005において、MMEは、eNBを介して、UEに対するPaging(呼び出し信号)を送信する。
【0028】
ステップS1006において、UEとeNBとの間で「RRC Connection Setup」手順を行う。
【0029】
ステップS1007において、UEは、MMEに対して、「Service Request」を送信する。
【0030】
MMEは、ステップS1008において、受信した「Service Request」を受信すると、ステップS1002により受信した在圏確認要求信号の所定情報やMMEの在圏確認処理に関わる設定情報や「IMS Voice over PS Session」の提供可否情報や加入者情報やオペレータポリシー等の少なくとも1つに基づいて、ステップS1009において、eNBに対して、UEの在圏RATから他のRATへの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を含む「S1AP:Initial Context Setup Request」を送信することを決定する。
【0031】
ここで、かかる無線切り替え制限情報は、UEのRAT切り替えを制限する期間を含んでいてもよいし、UEのRAT切り替え(Release with Redirectionやハンドオーバ等)を行うか否かについて判断する際に用いられる閾値(例えば、周辺セルの強度)を含んでいてもよい。
【0032】
また、かかる無線切り替え制限情報は、eNBが「Release with Redirection」或いは「ハンドオーバ」を実施することを制限する所定情報を含んでいてもよい。
【0033】
例えば、かかる無線切り替え制限情報は、図3に示すように、「S1AP:Initial Context Setup」内の情報要素「RAT change restriction」に設定されていてもよい。
【0034】
ステップS1010において、UEとeNBとの間に、無線ベアラ(Radio Bearer)が設定される。
【0035】
ステップS1011において、eNBは、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように設定する。
【0036】
例えば、eNBは、無線切り替え制限情報に期間が含まれている場合には、かかる期間の間、UEから「Measurement Report」を受信した場合であっても、かかるUEのRAT切り替え指示を行わない。
【0037】
或いは、eNBは、無線切り替え制限情報に閾値が含まれている場合には、UEから「Measurement Report」を受信した際に、かかる閾値を用いて、かかるUEのRAT切り替えを行うか否かについて判断する。
【0038】
また、eNBは、無線切り替え制限情報に所定情報が含まれている場合には、かかるUEに対して「Release with Redirection」処理を行わない。
【0039】
ステップS1012において、eNBは、MMEに対して、「S1AP:Initial Context Setup Response」を送信する。MMEは、かかる信号を受信すると、所定時間、S1信号を開放しないように設定されていてもよい。
【0040】
ステップS1013において、MMEは、HSSに対して、UEが在圏するRATに係る情報を含む在圏確認結果を含む在圏確認応答信号を送信する。
【0041】
なお、かかる情報は、従来規定されている在圏するRATに係る情報(例えば、RAT種別や最終アクセス時刻、等)のみで構成されていてもよいし、UEがACTIVE状態(在圏装置に接続したこと)であることを示す情報を含んでもよい。また、かかる情報は、無線切り替え制限が実施されたことを示す情報を含んでもよい。
【0042】
例えば、かかる在圏確認応答信号は、UEの在圏情報(UEの在圏RATに係る情報)を含む「Insert Subscriber Data Answer」であってもよい。
【0043】
ここで、MMEは、HSSに対して、セルID等のeNBに係るUEの在圏情報を通知してもよい。
【0044】
この後、HSSは、SCC-ASに対して、かかるUEの在圏情報を通知し、SCC-ASは、UEの在圏RATに係る情報に基づいて、着信方式を選択し、S-CSCFに対して、かかる着信方式によって、UTRAN/GERAN或いはE-UTRANにUE宛ての「Invite」を転送するように指示してもよい。
【0045】
ここで、S-CSCFは、UTRAN/GERANに転送するように指示された場合、MGCF及びMSCを介して、UTRAN/GERANにおいて接続状態にあるUEに対して、「IAM」を送信してもよい。なお、かかる信号は、「Invite」であってもよい。
【0046】
一方、S-CSCFは、E-UTRANに転送するように指示された場合、P-CSCF及びS/P-GWを介して、E-UTRANにおいて接続状態にあるUEに対して、「Invite」を送信してもよい。
【0047】
なお、図2及び図3の動作は、eNBがRNCであり、MMEがSGSN又はMSCであるケースにおいても、同様に行われる。
【0048】
第2に、図4及び図5を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、UEが「ACTIVE状態(アクティブ状態)」である場合の動作について、図2及び図3に示す動作との相違点に着目して説明する。
【0049】
図4に示すように、ステップS2001において、HSSは、在圏解決要求信号を受信する。
【0050】
例えば、かかる在圏解決要求信号は、SCC-ASがS-CSCFを介してUE宛ての「Invite」を受信した場合に送信される信号であって、UEの在圏情報(例えば、在圏RAT種別や問い合わせ在圏装置に対するUEの最終アクセス時刻やUEの在圏セルの情報等)について問い合わせるための問い合わせ信号であってもよい。
【0051】
ステップS2002において、HSSは、MMEに対して、UEの在圏情報を確認することを要求する在圏確認要求信号を送信する。
【0052】
例えば、かかる在圏確認要求信号は、UEの在圏情報を確認することを要求する情報を含む「Insert Subscriber Data Request」であってもよい。
【0053】
UEの在圏情報を確認することを要求する情報は、例えば、UEが「IDLE状態」である場合に、UEを「接続状態(ACTIVE状態)」へ遷移させるように指示する情報を含んでいてもよい。
【0054】
或いは、HSSは、MMEに対して、在圏確認を要求するための従来の「Insert Subscriber Data Request(この信号には、例えば、「T-ADS Data Request」が設定される)」を送信し、MMEが、かかる「Insert Subscriber Data Request」の受信を契機に、自律的に、下記に述べる「無線ベアラ変更処理(ステップS2003からS2007)」を実施するよう構成されていてもよい。
【0055】
ここで、HSSは、SGSN及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよいし、MSC及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよいし、MSC及びSGSN及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよい。
【0056】
かかる場合、SGSN或いはMSCが、HSSから在圏確認要求信号を受信した場合、図2や図4や図6に述べるeNB及びMMEを、RNC及びSGSN(或いは、MSC)に置き換えた場合と同様、いずれかの処理を実施する。
【0057】
或いは、HSSは、かかるUEに対する位置登録要求信号を在圏装置から一度も受信していない場合や、在圏装置におけるUEのコンテキスト情報が有効でないことを知っている場合、かかる在圏装置への在圏確認要求信号の送信を実施しないように構成されていてもよい。
【0058】
ステップS2003において、MMEは、UEのコンテキスト情報の有無及びUEの状態を確認する。図4の例では、MMEは、UEのコンテキスト情報を保持しており、UEの状態が「ACTIVE状態」であることを確認する。
【0059】
MMEは、ステップS2004において、ステップS2002により受信した在圏確認要求信号の所定情報やMMEの在圏確認処理に関わる設定情報や「IMS Voice over PS Session」の提供可否情報や加入者情報やオペレータポリシー等の少なくとも1つに基づいて、eNBに対して、UEの在圏RATから他のRATへの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を含む「S1AP:UE Context Modification Request」を送信することを決定する。
【0060】
ステップS2005において、MMEは、eNBに対して、UEの在圏RATから他のRATへの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を含む「S1AP:UE Context Modification Request」を送信する。
【0061】
例えば、かかる無線切り替え制限情報は、図5に示すように、「S1AP:UE Context Modification Request」内の情報要素「RAT change restriction」に設定されていてもよい。なお、かかる無線切り替え制限情報は、図2において説明した無線切り替え制限情報と同一である。
【0062】
ステップS2006において、eNBは、図2のステップS1011と同様に、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように設定する。
【0063】
ステップS2007において、eNBは、MMEに対して、「S1AP:UE Context Modification Response」を送信する。MMEは、かかる信号を受信すると、所定時間、S1信号を開放しないように設定されていてもよい。
【0064】
ステップS2008において、MMEは、HSSに対して、UEが在圏するRATに係る情報を含む在圏確認結果を含む在圏確認応答信号を送信する。
【0065】
なお、かかる情報は、従来規定されている在圏するRATに係る情報(例えば、RAT種別や最終アクセス時刻等)のみで構成されていてもよいし、UEがACTIVE状態(在圏装置に接続したこと)であることを示す情報を含んでもよい。また、かかる情報は、無線切り替え制限が実施されたことを示す情報を含んでもよい。
【0066】
例えば、かかる在圏確認応答信号は、UEの在圏情報(UEの在圏RATに係る情報)を含む「Insert Subscriber Data Answer」であってもよい。
【0067】
以下の動作は、図2に示す動作と同一である。
【0068】
なお、図4及び図5の動作は、eNBがRNCであり、MMEがSGSN又はMSCであるケースにおいても、同様に行われる。
【0069】
第3に、図6を参照して、本実施形態に係る移動通信システムにおいて、MMEが有効なUEのコンテキスト情報を保持していない場合の動作について、図2及び図3に示す動作との相違点に着目して説明する。
【0070】
図6に示すように、ステップS3001において、HSSは、在圏解決要求信号を受信する。
【0071】
例えば、かかる在圏解決要求信号は、SCC-ASがS-CSCFを介してUE宛ての「Invite」を受信した場合に送信される信号であって、UEの在圏情報(例えば、在圏RAT種別や問い合わせ在圏装置に対するUEの最終アクセス時刻やUEの在圏セルの情報等)について問い合わせるための問い合わせ信号であってもよい。
【0072】
ステップS3002において、HSSは、MMEに対して、UEの在圏情報を確認することを要求する在圏確認要求信号を送信する。
【0073】
例えば、かかる在圏確認要求信号は、UEの在圏情報を確認することを要求する情報を含む「Insert Subscriber Data Request」であってもよい。
【0074】
UEの在圏情報を確認することを要求する情報は、例えば、UEが「IDLE状態」である場合に、UEを「接続状態(ACTIVE状態)」へ遷移させるように指示する情報を含んでいてもよい。
【0075】
或いは、HSSは、MMEに対して、在圏確認を要求するための従来の「Insert Subscriber Data Request(この信号には、例えば、「T-ADS Data Request」が設定される)」を送信し、MMEが、かかる「Insert Subscriber Data Request」の受信を契機に、自律的に下記に述べるステップS3003を実施するよう構成されていてもよい。
【0076】
ここで、HSSは、SGSN及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよいし、MSC及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよいし、MSC及びSGSN及びMMEに対して、上述の在圏確認要求信号を送信してもよい。
【0077】
かかる場合、SGSN或いはMSCが、HSSから在圏確認要求信号を受信した場合、図2や図4や図6に述べるeNB及びMMEを、RNC及びSGSN(或いは、MSC)に置き換えた場合と同様、いずれかの処理を実施する。
【0078】
ステップS3003において、MMEは、UEのコンテキスト情報の有効性(コンテキストの有無判定等を含む)及びUEの状態を確認する。図6の例では、MMEは、有効なUEのコンテキスト情報を保持していないことを確認する。
【0079】
ステップS3004において、MMEは、HSSに対して、UEが在圏しないことを示す在圏確認結果を含む在圏確認応答信号を送信する。
【0080】
なお、かかる情報は、従来規定されている在圏するRATに係る情報(例えば、RAT種別や最終アクセス時刻等)のみで構成されていてもよいし、UEが在圏しないことを新たに示す情報を含んでもよい。
【0081】
なお、図6の動作は、eNBがRNCであり、MMEがSGSN又はMSCであるケースにおいても、同様に行われる。
【0082】
なお、本発明に係る移動通信システムは、「T-ADS」機能が用いられている場合に限定されず、MME/SGSN(MSC)がHSSから上述の在圏確認要求信号を受信した全てのケースに適用されるものである。
【0083】
本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムによれば、MMEやSGSNが、UEが在圏するRATを判断した後、HSSに対して応答している間に、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように構成されているため、HSSが、正確なUEが在圏するRATに係る情報を取得することができる。
【0084】
以上に述べた本実施形態の特徴は、以下のように表現されていてもよい。
【0085】
本実施形態の第1の特徴は、E-UTRAN(第1通信方式の無線アクセスネットワーク)及びUTRAN/GERAN(第2通信方式の無線アクセスネットワーク)を具備する移動通信システムにおいて、UE(移動局)が在圏するRAT(無線アクセスネットワーク)を判定する移動通信方法であって、MME(第1通信方式のノード)及びSGSN/MSC(第2通信方式のノード)の少なくとも一方が、HSS(加入者管理サーバ)から在圏確認要求信号を受信した場合、eNB又はRNCに対して、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信する工程Aと、MME及びSGSN/MSCの少なくとも一方が、HSSに対して、UEが在圏するRATに係る情報を含む在圏確認結果を送信する工程Bとを有することを要旨とする。
【0086】
本実施形態の第1の特徴において、工程Aは、MME及びSGSN/MSCの少なくとも一方が、接続するeNB及びRNCの少なくとも一方を介して、UEに対するPaging(呼び出し信号)を送信する工程と、MME及びSGSN/MSCの少なくとも一方が、UEのネットワークへの接続処理において、UEが在圏するRATに対して、RATの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信する工程とを有してもよい。
【0087】
本実施形態の第1の特徴において、無線切り替え制限情報は、UEが在圏するRATの切り替えを制限する期間を含んでいてもよい。
【0088】
本実施形態の第1の特徴において、UEのハンドオーバを行う否かについて判断する際に用いられる閾値を含んでいてもよい。
【0089】
本実施形態の第2の特徴は、MME、SGSN又はMSCであって、HSSから在圏確認要求信号を受信した場合、eNB又はRNCに対して、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信するように構成されており、HSSに対して、UEが在圏するRATに係る情報を含む在圏確認結果を送信するように構成されていることを要旨とする。
【0090】
本実施形態の第3の特徴は、eNB又はRNC(無線アクセスネットワーク装置)であって、在圏MME、在圏SGSN又は在圏MSCから、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を受信した場合、かかる無線切り替え制限情報に基づいて、UEが在圏するRATの切り替えを制限するように構成されていることを要旨とする。
【0091】
なお、上述のUEやRNCやeNBやSGSNやMSCやMMEやS/P-GWやHSSや等の動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0092】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0093】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、UEやRNCやeNBやSGSNやMSCやMMEやS/P-GWやHSS等内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとしてUEやRNCやeNBやSGSNやMSCやMMEやS/P-GWやHSS等内に設けられていてもよい。
【0094】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0095】
HSS…加入者管理サーバ
MME…移動管理ノード
SGSN…パケット交換機
MSC…回線交換機
eNB…無線基地局
RNC…無線回線制御局
UE…移動局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動局が在圏する無線アクセスネットワークを判定する移動通信方法であって、
第1通信方式のノード及び第2通信方式のノードの少なくとも一方が、加入者管理サーバから在圏確認要求信号を受信した場合、無線アクセスネットワーク装置に対して、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信する工程Aと、
前記第1通信方式のノード及び前記第2通信方式のノードの少なくとも一方が、前記加入者管理サーバに対して、前記移動局が在圏する無線アクセスネットワークに係る情報を含む在圏確認結果を送信する工程Bとを有することを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記工程Aは、
前記第1通信方式のノード及び前記第2通信方式のノードの少なくとも一方が、前記無線アクセスネットワーク装置を介して、前記移動局に対する呼び出し信号を送信する工程と、
前記第1通信方式のノード及び前記第2通信方式のノードの少なくとも一方が、前記移動局のネットワークへの接続処理において、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークに対して、無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信する工程とを有することを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
前記無線切り替え制限情報は、前記移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限する期間を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信方法。
【請求項4】
前記無線切り替え制限情報は、前記移動局のハンドオーバを行う否かについて判断する際に用いられる閾値を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の移動通信方法。
【請求項5】
加入者管理サーバから在圏確認要求信号を受信した場合、無線アクセスネットワーク装置に対して、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を送信するように構成されており、
前記加入者管理サーバに対して、前記移動局が在圏する無線アクセスネットワークに係る情報を含む在圏確認結果を送信するように構成されていることを特徴とするノード。
【請求項6】
在圏ノードから、移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように指示する無線切り替え制限情報を受信した場合、該無線切り替え制限情報に基づいて、該移動局が在圏する無線アクセスネットワークの切り替えを制限するように構成されていることを特徴とする無線アクセスネットワーク装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−147340(P2012−147340A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−5346(P2011−5346)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】