説明

移動通信方法及び移動通信システム

【課題】上位ノードにおける処理負荷の無駄な増加を回避しつつ、効率的に、SCTPコネクションを確立する。
【解決手段】本発明に係る移動通信方法は、上位ノードが、マクロ無線基地局との間でSCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合、マクロ無線基地局に対して「INIT(SCTP)」を送信する工程と、ホーム無線基地局が、上位ノードとの間でSCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合、上位ノードに対して「INIT(SCTP)」を送信する工程とを有し、上位ノードが、ホーム無線基地局との間でSCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、ホーム無線基地局に対して「INIT(SCTP)」を送信しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上位ノードと無線基地局との間で制御信号用コネクションを確立する移動通信方法及び移動通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
3GPPでは、UTRAN(Universal Terrestrial Radio Access Network)方式の移動通信システムで用いられるホーム基地局(第2無線基地局)Home NodeBの仕様の仕様について検討されている(非特許文献1乃至5)。
【0003】
図5に、UTRAN方式の移動通信システムの構成について示す。図5に示すように、UTRAN方式の移動通信システムは、コアネットワーク装置CNと、無線制御装置RNCと、マクロ無線基地局(第1無線基地局)NodeBと、ホーム無線基地局(第2無線基地局)Home NodeBとを具備している。
【0004】
ここで、マクロ無線基地局NodeBは、通信事業者等によって設置されている通常の無線基地局であり、ホーム無線基地局Home NodeBは、一般ユーザや通信事業者等によって屋内等に設置されている小型の無線基地局(フェムト無線基地局ともいう)である。
【0005】
なお、UTRAN方式の移動通信システムでは、ユーザ信号は、マクロ無線基地局NodeB又はホーム無線基地局Home NodeBと無線制御装置RNCとの間のUプレーンインタフェース及び無線制御装置RNCとコアネットワーク装置CNとの間のUプレーンインターフェイスを介して送受信されるように構成されている。
【0006】
一方、UTRAN方式の移動通信システムでは、制御信号は、マクロ無線基地局NodeB又はホーム無線基地局Home NodeBと無線制御装置RNCとの間のCプレーンインターフェイス及び無線制御装置RNCとコアネットワーク装置CNとの間のCプレーンインターフェイスを介して送受信されるように構成されている。
【0007】
また、図6及び図7に、HSPA(High Speed Packet Access)が採用されている2種類のUTRAN方式の移動通信システムの構成について示す。
【0008】
図6に示すように、かかる第1種UTRAN方式の移動通信システムは、コアネットワーク装置CNと、無線制御装置RNCと、マクロ無線基地局(第1無線基地局)NodeBと、Home NodeB(第2無線基地局)とを具備している。
【0009】
また、図7に示すように、かかる第2種UTRAN方式の移動通信システムは、コアネットワーク装置CNと、マクロ無線基地局(第1無線基地局)NodeBと、ホーム無線基地局(第2無線基地局)Home NodeBとを具備している。
【0010】
すなわち、かかる第1種UTRAN方式の移動通信システムは、無線制御装置RNCの機能の一部(Uプレーン機能)が、マクロ無線基地局NodeB及びホーム無線基地局Home NodeBに移行するように構成されている。
【0011】
また、かかる第2種UTRAN方式の移動通信システムでは、無線制御装置RNCの全機能が、マクロ無線基地局NodeB及びホーム無線基地局Home NodeBに移行するように構成されている。
【0012】
なお、かかる第1種UTRAN方式の移動通信システムでは、ユーザ信号は、マクロ無線基地局NodeB又はホーム無線基地局Home NodeBとコアネットワーク装置CNとの間のUプレーンインターフェイスを介して送受信され、制御信号は、マクロ無線基地局NodeB又はホーム無線基地局Home NodeBと無線制御装置RNCとの間のCプレーンインターフェイス及び無線制御装置RNCとコアネットワーク装置CNとの間のCプレーンインターフェイスを介して送受信されるように構成されている。
【0013】
また、かかる第2種UTRAN方式の移動通信システムでは、ユーザ信号は、マクロ無線基地局NodeB又はホーム無線基地局Home NodeBとコアネットワーク装置CNとの間のUプレーンインターフェイスを介して送受信され、制御信号は、マクロ無線基地局NodeB又はホーム無線基地局Home NodeBとコアネットワーク装置CNとの間のCプレーンインターフェイスを介して送受信されるように構成されている。
【0014】
図8に、無線基地局Home NodeB/NodeBと上位ノード(無線制御装置RNC又はコアネットワーク装置CN)との間のCプレーンインターフェイスに係るプロトコルスタックを示す。
【0015】
図8に示すように、かかるCプレーンインターフェイスで用いられるプロトコルとして、TNL(Transport Network Layer)及びRNL(Radio Network Layer)が規定されている。
【0016】
ここで、UTRAN方式の移動通信システムでは、上位ノード(例えば、無線制御装置RNC)からの要求によって、SCTP(Stream Control Transmission Protocol)コネクション(制御信号用コネクション)が確立されるように構成されている。
【非特許文献1】3GPP TS36.412
【非特許文献2】3GPP TS36.422
【非特許文献3】3GPP TS25.412
【非特許文献4】3GPP TS25.422
【非特許文献5】3GPP TS25.432
【非特許文献6】RFC4960、「STREAM CONTROL TRANSMISSION PROTOCOL」
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
上位ノードは、図9に示すように、ホーム無線基地局Home NodeB或いはマクロ無線基地局NodeBとの間で、SCTPコネクション(制御信号用コネクション)が確立されていないことを検知した場合には、SCTPの「INIT(制御信号用コネクション確立要求)」を、ホーム無線基地局Home NodeB或いはマクロ無線基地局NodeBに送信するように構成されている。
【0018】
しかしながら、ホーム無線基地局Home NodeBは、屋内等に設置されている小型の無線基地局である。一般ユーザは、ホーム無線基地局Home NodeBを自身で設置することができ、また、自由に、ホーム無線基地局Home NodeBの電源をオンにしたりオフにしたりすることができる。
【0019】
したがって、一般ユーザによってホーム無線基地局Home NodeBが設置されている場合で、一般ユーザによってホーム無線基地局Home NodeBの電源がオフにされている場合には、無駄であるにも関らず、上位ノードは、SCTPの「INIT(制御信号用コネクション確立要求)」を繰り返し送信してしまい、処理負荷が増大してしまうという問題点があった。
【0020】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、ホーム無線基地局Home NodeBとマクロ無線基地局NodeBとで、SCTPコネクションの確立方法を切り替えることによって、上位ノードにおける処理負荷の無駄な増加を回避しつつ、効率的に、SCTPコネクションを確立することができる移動通信方法及び移動通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の第1の特徴は、上位ノードと無線基地局との間で制御信号用コネクションを確立する移動通信方法であって、前記上位ノードが、第1無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該第1無線基地局に対して第1制御信号用コネクション確立要求を送信する工程と、送信された前記第1制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第1無線基地局との間で第1制御信号用コネクションを確立する工程と、第2無線基地局が、上位ノードとの間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該上位ノードに対して第2制御信号用コネクション確立要求を送信する工程と、送信された前記第2制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第2無線基地局との間で第2制御信号用コネクションを確立する工程とを有し、前記上位ノードが、前記第2無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、該第2無線基地局に対して前記第2制御信号用コネクション確立要求を送信しないことを要旨とする。
【0022】
本発明の第1の特徴において、前記上位ノードが、前記第1制御信号コネクションを介して、前記第1無線基地局に対して、該第1無線基地局を監視するための第1監視信号を送信する工程と、前記上位ノードが、前記第2制御信号コネクションを介して、前記第2無線基地局に対して、該第2無線基地局を監視するための第2監視信号を送信する工程とを有し、所定期間において、前記第1監視信号が送信される回数は、前記第2監視信号が送信される回数よりも多くてもよい。
【0023】
本発明の第2の特徴は、上位ノードと無線基地局との間で制御信号用コネクションを確立するように構成されている移動通信システムであって、前記上位ノードは、第1無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該第1無線基地局に対して第1制御信号用コネクション確立要求を送信するように構成されており、送信された前記第1制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第1無線基地局との間で第1制御信号用コネクションを確立するように構成されており、第2無線基地局は、上位ノードとの間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該上位ノードに対して第2制御信号用コネクション確立要求を送信するように構成されており、送信された前記第2制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第2無線基地局との間で第2制御信号用コネクションを確立するように構成されており、前記上位ノードは、前記第2無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、該第2無線基地局に対して前記第2制御信号用コネクション確立要求を送信しないように構成されていることを要旨とする。
【0024】
本発明の第2の特徴において、前記上位ノードは、前記第1制御信号コネクションを介して、前記第1無線基地局に対して、該第1無線基地局を監視するための第1監視信号を送信するように構成されており、前記上位ノードは、前記第2制御信号コネクションを介して、前記第2無線基地局に対して、該第2無線基地局を監視するための第2監視信号を送信するように構成されており、所定期間において、前記第1監視信号が送信される回数は、前記第2監視信号が送信される回数よりも多いように構成されていてもよい。
【発明の効果】
【0025】
以上説明したように、本発明によれば、ホーム無線基地局Home NodeBとマクロ無線基地局NodeBとで、SCTPコネクションの確立方法を切り替えることによって、上位ノードにおける処理負荷の無駄な増加を回避しつつ、効率的に、SCTPコネクションを確立することができる移動通信方法及び移動通信システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0027】
なお、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムは、図5或いは図6に示す構成を具備するものとする。
【0028】
図1に示すように、本実施形態に係る上位ノード(無線制御装置RNC又はコアネットワーク装置CN)は、無線基地局情報管理部11と、SCTPコネクション監視部12と、SCTPコネクション確立部13とを具備している。
【0029】
無線基地局情報管理部11は、当該上位ノード配下の無線基地局に係る情報を管理するように構成されている。
【0030】
例えば、無線基地局情報管理部11は、各無線基地局が、「マクロ無線基地局NodeB」或いは「マクロ無線基地局NodeB」のいずれであるのかについて管理するように構成されている。
【0031】
SCTPコネクション監視部12は、SCTPコネクション(第1制御信号コネクション)を介して、マクロ無線基地局NodeBとの間のSCTPコネクションの状態を監視するように構成されている。
【0032】
具体的には、SCTPコネクション監視部12は、SCTPコネクション(第1制御信号コネクション)を介して、定期的に、マクロ無線基地局NodeBに対して、「(SCTP)HEARTBEAT(第1監視信号)」を送信し、かかる「(SCTP)HEARTBEAT」に対する「(SCTP)HEARTBEAT ACK」を受信するか否かによって、マクロ無線基地局NodeBとの間のSCTPコネクションが確立されているか否かについて判定する。
【0033】
同様に、SCTPコネクション監視部12は、SCTPコネクション(第2制御信号コネクション)を介して、ホーム無線基地局Home NodeBとの間のSCTPコネクションの状態を監視するように構成されている。
【0034】
具体的には、SCTPコネクション監視部12は、SCTPコネクション(第2制御信号コネクション)を介して、定期的に、ホーム無線基地局Home NodeBに対して、「(SCTP)HEARTBEAT(第2監視信号)」を送信し、かかる「(SCTP)HEARTBEAT」に対する「(SCTP)HEARTBEAT ACK」を受信するか否かによって、ホーム無線基地局Home NodeBとの間のSCTPコネクションが確立されているか否かについて判定する。
【0035】
ここで、所定期間において、マクロ無線基地局NodeBに対して「(SCTP)HEARTBEAT」が送信される回数は、ホーム無線基地局Home NodeBに対して「(SCTP)HEARTBEAT」が送信される回数よりも多いように構成されていてもよい。
【0036】
ホーム無線基地局Home NodeBに対する状態管理は、マクロ無線基地局Home NodeBに対する状態管理ほど、厳密に行わなくてもよいと判断される可能性が高いため、SCTPコネクション監視部12は、このように構成されていてもよい。
【0037】
なお、SCTPコネクション監視部12は、無線基地局情報管理部11によって管理されている当該上位ノード配下の無線基地局に係る情報を参照して、各SCTPコネクションが「マクロ無線基地局NodeB」或いは「ホーム無線基地局Home NodeB」のいずれとの間で確立されたものであるのか判断することができるように構成されている。
【0038】
SCTPコネクション確立部13は、マクロ無線基地局NodeBとの間で、SCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合、かかるマクロ無線基地局NodeBに対して、「(SCTP)INIT(第1制御信号用コネクション確立要求)」を送信するように構成されている。
【0039】
ただし、SCTPコネクション確立部13は、ホーム無線基地局Home NodeBとの間で、SCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合には、かかるホーム無線基地局Home NodeBに対して、「(SCTP)INIT(第2制御信号用コネクション確立要求)」を送信しないように構成されている。
【0040】
なお、SCTPコネクション確立部13は、ホーム無線基地局Home NodeBから送信された「(SCTP)INIT(第2制御信号用コネクション確立要求)」に応じて、「(SCTP)INIT ACK」を返信し、ホーム無線基地局Home NodeBから送信された「(SCTP)COOKIE ECHO」に対して、「(SCTP)COOKIE ACK」を送信することによって、ホーム無線基地局Home NodeBとの間で、SCTPコネクションを確立するように構成されている。
【0041】
図2に示すように、本実施形態に係るホーム無線基地局Home NodeBは、SCTPコネクション監視部21と、SCTPコネクション確立部22と、アクセス制御部23とを具備している。
【0042】
SCTPコネクション監視部21は、SCTPコネクション(第2制御信号コネクション)を介して、上位ノード(無線制御装置RNC又はコアネットワーク装置CN)との間のSCTPコネクションの状態を監視するように構成されている。
【0043】
具体的には、SCTPコネクション監視部21は、SCTPコネクション(第2制御信号コネクション)を介して、定期的に、上位ノードに対して、「(SCTP)HEARTBEAT」を送信し、かかる「(SCTP)HEARTBEAT」に対する「(SCTP)HEARTBEAT ACK」を受信するか否かによって、かかる上位ノードとの間のSCTPコネクションが確立されているか否かについて判定する。
【0044】
SCTPコネクション確立部22は、上位ノードとの間で、SCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合、かかる上位ノードに対して、「(SCTP)INIT(第2制御信号用コネクション確立要求)」を送信するように構成されている。
【0045】
アクセス制御部23は、ホーム無線基地局Home NodeBに対してアクセス可能な、すなわち、当該ホーム無線基地局Home NodeBを経由して無線通信を行うことができる移動局UEを管理するように構成されている。
【0046】
そして、アクセス制御部23は、ホーム無線基地局Home NodeBに対してアクセス可能な移動局UEに対してのみ、無線通信サービスを提供するように構成されている。
【0047】
図3に示すように、本実施形態に係るマクロ無線基地局NodeBは、SCTPコネクション監視部31と、SCTPコネクション確立部32とを具備している。
【0048】
SCTPコネクション監視部31は、SCTPコネクション(第1制御信号コネクション)を介して、上位ノード(無線制御装置RNC又はコアネットワーク装置CN)との間のSCTPコネクションの状態を監視するように構成されている。
【0049】
具体的には、SCTPコネクション監視部31は、SCTPコネクション(第1制御信号コネクション)を介して、定期的に、上位ノードに対して、「(SCTP)HEARTBEAT」を送信し、かかる「(SCTP)HEARTBEAT」に対する「(SCTP)HEARTBEAT ACK」を受信するか否かによって、かかる上位ノードとの間のSCTPコネクションが確立されているか否かについて判定する。
【0050】
SCTPコネクション確立部32は、上位ノードとの間で、SCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、かかる上位ノードに対して、「(SCTP)INIT(第1制御信号用コネクション確立要求)」を送信することなく、かかる上位ノードから送信された「(SCTP)INIT(第1制御信号用コネクション確立要求)」に応じて、「(SCTP)INIT ACK」を返信することによって、かかる上位ノードとの間で、SCTPコネクションを確立するように構成されている。
【0051】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作について説明する。
【0052】
図4に示すように、ステップS1001において、ホーム無線基地局Home NodeBは、「(SCTP)HEARTBEAT」によって、上位ノードとの間で、SCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合、当該上位ノードに対して、「(SCTP)INIT」を送信する。
【0053】
ここで、上位ノードは、ホーム無線基地局Home NodeBの間で、SCTPコネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、当該ホーム無線基地局Home NodeBに対して、「(SCTP)INIT」を送信しない。
【0054】
ステップS1002において、「(SCTP)INIT」を受信した上位ノードは、SCTPコネクションが確立することができると判断した場合には、ホーム無線基地局Home NodeBに対して、「(SCTP)INIT」を返送する。
【0055】
ステップS1003において、ホーム無線基地局Home NodeBは、上位ノードに対して、認証処理を行うための「(SCTP)COOKIE ECHO」を送信する。
【0056】
ステップS1004において、上位ノードは、ホーム無線基地局Home NodeBに対して、「(SCTP)COOKIE ACK」を送信する。
【0057】
ステップS1005において、上位ノードとホーム無線基地局Home NodeBとの間で、SCTPコネクションが確立される。
【0058】
ステップS1006Aにおいて、ホーム無線基地局Home NodeBは、上位ノードに対して、監視処理用の「(SCTP)HEARTBEAT」を送信し、ステップS1006Bにおいて、当該上位ノードが、ホーム無線基地局Home NodeBに対して、「(SCTP)HEARTBEAT ACK」を返送する。
【0059】
一方、ステップS1007Aにおいて、上位ノードは、ホーム無線基地局Home NodeBに対して、監視処理用の「(SCTP)HEARTBEAT」を送信し、ステップS1007Bにおいて、ホーム無線基地局Home NodeBが、当該上位ノードに対して、「(SCTP)HEARTBEAT ACK」を返送する。
【0060】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本実施形態に係る移動通信システムによれば、上位ノード(無線制御装置RNC又はコアネットワーク装置CN)が、ホーム無線基地局Home NodeBに対しては「(SCTP)INIT」しないように構成されているため、上位ノードにおける処理負荷の無駄な増加を回避しつつ、効率的に、SCTPコネクションを確立することができる。
【0061】
なお、上述の移動局UEや無線基地局NodeB、Home NodeBや無線制御装置RNCやコアネットワーク装置CNの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0062】
ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0063】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UEや無線基地局NodeBや無線制御装置RNC内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UEや無線基地局NodeB、Home NodeBや無線制御装置RNCやコアネットワーク装置CN内に設けられていてもよい。
【0064】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る上位ノードの機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局Home NodeBの機能ブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局NodeBの機能ブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作を示すシーケンス図である。
【図5】3GPPで規定されている移動通信システムの全体構成図である。
【図6】3GPPで規定されている移動通信システムの全体構成図である。
【図7】3GPPで規定されている移動通信システムの全体構成図である。
【図8】3GPPで規定されている移動通信システムにおける無線基地局と上位ノードとの間のプロトコルスタックを示す図である。
【図9】従来の移動通信システムの問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
【0066】
CN…コアネットワーク装置
RNC…無線制御装置
11…無線基地局情報管理部
12、21、31…SCTPコネクション監視部
13、22、32…SCTPコネクション確立部
NodeB…マクロ無線基地局
Home NodeB…ホーム無線基地局
23…アクセス制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上位ノードと無線基地局との間で制御信号用コネクションを確立する移動通信方法であって、
前記上位ノードが、第1無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該第1無線基地局に対して第1制御信号用コネクション確立要求を送信する工程と、
送信された前記第1制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第1無線基地局との間で第1制御信号用コネクションを確立する工程と、
第2無線基地局が、上位ノードとの間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該上位ノードに対して第2制御信号用コネクション確立要求を送信する工程と、
送信された前記第2制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第2無線基地局との間で第2制御信号用コネクションを確立する工程とを有し、
前記上位ノードが、前記第2無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、該第2無線基地局に対して前記第2制御信号用コネクション確立要求を送信しないことを特徴とする移動通信方法。
【請求項2】
前記上位ノードが、前記第1制御信号コネクションを介して、前記第1無線基地局に対して、該第1無線基地局を監視するための第1監視信号を送信する工程と、
前記上位ノードが、前記第2制御信号コネクションを介して、前記第2無線基地局に対して、該第2無線基地局を監視するための第2監視信号を送信する工程とを有し、
所定期間において、前記第1監視信号が送信される回数は、前記第2監視信号が送信される回数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の移動通信方法。
【請求項3】
上位ノードと無線基地局との間で制御信号用コネクションを確立するように構成されている移動通信システムであって、
前記上位ノードは、第1無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該第1無線基地局に対して第1制御信号用コネクション確立要求を送信するように構成されており、
送信された前記第1制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第1無線基地局との間で第1制御信号用コネクションを確立するように構成されており、
第2無線基地局は、上位ノードとの間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合、該上位ノードに対して第2制御信号用コネクション確立要求を送信するように構成されており、
送信された前記第2制御信号用コネクション確立要求によって、前記上位ノードと前記第2無線基地局との間で第2制御信号用コネクションを確立するように構成されており、
前記上位ノードは、前記第2無線基地局との間で制御信号用コネクションが確立されていないことを検知した場合であっても、該第2無線基地局に対して前記第2制御信号用コネクション確立要求を送信しないように構成されていることを特徴とする移動通信システム。
【請求項4】
前記上位ノードは、前記第1制御信号コネクションを介して、前記第1無線基地局に対して、該第1無線基地局を監視するための第1監視信号を送信するように構成されており、
前記上位ノードは、前記第2制御信号コネクションを介して、前記第2無線基地局に対して、該第2無線基地局を監視するための第2監視信号を送信するように構成されており、
所定期間において、前記第1監視信号が送信される回数は、前記第2監視信号が送信される回数よりも多いように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の移動通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−188767(P2009−188767A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−27021(P2008−27021)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】