説明

移動部固定機構

【課題】ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法よりも簡便に移動部と固定部との固定作業あるいは解離作業が可能で、かつ、摩擦クランプによる固定方法よりも強固に移動部と固定部とを固定可能とする。
【解決手段】所定の設置面に固定して設置される固定部Kに対して、設置面に沿って移動可能な移動部Bを固定する移動部固定機構1であって、上記移動部Bに形成される第1の溝部2と、上記固定部Kに形成される第2の溝部3と、上記移動部Bが所定の箇所に位置する場合に、上記第1の溝部2と上記第2の溝部3とに嵌合されることによって上記移動部Bの移動を規制する移動規制部4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の設置面に固定して設置される固定部に対して、上記設置面に沿って移動可能な移動部を固定する移動部固定機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ガイドレール上を移動可能なブロック(移動部)を備える直動ガイド機構において、ガイドレール上あるいはガイドレール近傍に別途設置された固定部に対してブロックを固定する場合がある。例えば、工作機械等を緊急時に容易に移動可能とするために、工作機械等を直動ガイド機構のブロックによって支持する場合があるが、このような場合には、通常時において工作機械が移動しないように直動ガイド機構を、上記固定部に対して固定しておく必要がある。
【0003】
このようにブロックを固定部に対して固定するための固定方法としては、ボルトによる締結方法、ピンによる固定方法、及び摩擦クランプによる固定方法(例えば特許文献1参照)が知られている。
ボルトによる締結方法は、ボルト孔をブロックと固定部との各々に形成し、2つのボルト孔が連通する位置にてボルトを挿入することによって、ブロックと固定部とを固定する方法である。
ピンによる固定方法は、ピンの挿入孔をブロックと固定部との各々に形成し、2つのボルト孔が連通する位置にてピンを挿入してブロックの移動を規制することによって、ブロックと固定部とを固定する方法である。
摩擦クランプによる固定方法は、ブロックあるいは固定部に設置されたシリンダ機構で摩擦クランプが設置されていない側にピストンを突っ張らせることによって、摩擦力を利用してブロックと固定部とを固定する方法である。
【特許文献1】特開2000−263358号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ボルトによる締結方法あるいはピンによる締結方法は、ブロックに形成されたボルト孔あるいはピン孔と、固定部に形成されたボルト孔あるいはピン孔とを正確に位置合わせする必要があり、ブロックと固定部との固定作業が煩雑化する。また、ボルト孔やピン孔等が経時変化した場合には、ボルトあるいはピンの取り外しが困難となり、例えば、上述のような緊急時の移動を迅速に行うことが困難となる。特に、ブロックに工作機械等の重量物が設置されている場合には、工作機械の重量等によってブロックが変位したりブロックが変形したりするため、位置合わせや取り外しの作業がより困難となる。
また、摩擦クランプによる固定方法は、摩擦力による固定であるため、ボルトによる締結方法やピンによる固定方法と比較して、ブロックの移動規制力が弱く、強固に固定することができない。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法よりも簡便に移動部と固定部との固定作業あるいは解離作業が可能で、かつ、摩擦クランプによる固定方法よりも強固に移動部と固定部とを固定可能とすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、所定の設置面に固定して設置される固定部に対して、上記設置面に沿って移動可能な移動部を固定する移動部固定機構であって、上記移動部に形成される第1の溝部と、上記固定部に形成される第2の溝部と、上記移動部が所定の箇所に位置する場合に、上記第1の溝部と上記第2の溝部とに嵌合されることによって上記移動部の移動を規制する移動規制部とを備えることを特徴とする。
【0007】
このような特徴を有する本発明によれば、移動部に第1の溝部が形成され、固定部に第2の溝部が形成され、移動規制部が、移動部に形成される第1の溝部と固定部に形成される第2の溝部とに嵌合されることによって移動部の移動が規制され、これによって移動部と固定部とが固定される。
【0008】
また、本発明においては、上記第1の溝部が、上記設置面に対して垂直方向に開口されて形成され、直線状に延在して形成され、延在方向の少なくとも一端が開口端とされ、かつ、所定の幅を有し、上記第2の溝部が、上記設置面に対して垂直方向に開口されて形成され、直線状に延在して形成され、延在方向の少なくとも一端が開口端とされ、かつ、所定の幅を有し、上記移動規制部が上記第1の溝部及び上記第2の溝部に応じた径を有する棒状部材であり、上記移動部が上記所定の箇所に位置する場合に、上記第1の溝部の開口端と上記第の溝部の開口端とが対向して配置されるという構成を採用する。
【0009】
また、本発明においては、上記移動規制部の長さが上記第1の溝部の長さ及び上記第2の溝部の長さの合計の長さよりも長いという構成を採用する。
【0010】
また、本発明においては、上記移動規制部を上記固定部に対して揺動可能に支持する支持部を備えるという構成を採用する。
【0011】
また、本発明においては、上記移動部は、直動ガイド機構の移動子であるという構成を採用する。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、移動部に第1の溝部が形成され、固定部に第2の溝部が形成され、移動規制部が、移動部に形成される第1の溝部と固定部に形成される第2の溝部とに嵌合されることによって移動部の移動が規制され、これによって移動部と固定部とが固定される。
溝部に物体を嵌合させる際には溝部の開口方向から溝部内に物体を進入させるが、この際、溝部の位置が上記開口方向に若干ずれた場合であっても、物体を溝部内に進入させることができる。
つまり、本発明によれば、第1の溝部及び第2の溝部に移動規制部を嵌合させる際に、第1の溝部の開口方向及び第2の溝部の開口方向に、移動部あるいは固定部の若干の位置ずれを許容することが可能となる。
一方、孔部に略同一径の物体を挿入させる際には、孔部が若干でもずれた場合には物体を挿入させることができない。
つまり、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法の場合には、移動部あるいは固定部の位置ずれは許容されない。
したがって、本発明によれば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法と比較して、固定作業が簡便化する。
【0013】
また、移動規制部は、第1の溝部及び第2の溝部に嵌合されている場合であっても、全ての領域がこれらの溝部と当接している状態ではなく、第1の溝部の開口方向及び第2の溝部の開口方向に応じた領域が開放されている。したがって、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法のように、全ての領域が移動部あるいは固定部と当接するボルトやピンを、ボルト孔あるいはピン孔から取り除く場合よりも、簡便に移動規制部を取り除くことが可能となる。
したがって、本発明によれば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法と比較して、解離作業が簡便化する。
【0014】
また、本発明によれば、第1の溝部と第2の溝部とに嵌合される移動部によって直接的に移動部の移動が規制されるため、摩擦力を用いて移動部の移動を規制する場合よりも、強固に移動部の移動を規制することができる。
【0015】
以上のように、本発明によれば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法よりも簡便に移動部と固定部との固定作業あるいは解離作業が可能で、かつ、摩擦クランプによる固定方法よりも強固に移動部と固定部とを固定可能とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る移動部固定機構の一実施形態について説明する。なお、以下の図面において、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0017】
本実施形態のブロック固定機構は、直動ガイド機構において、直動ガイド機構のブロック(移動部)と固定部とを固定するためのものである。
図1は、本実施形態のブロック固定機構が用いられる直動ガイド機構の概略構成を示す側面図である。なお、図1においては、後述するブロック固定機構が備えるレバー部の図示を省略している。
この図に示すように、直動ガイド機構は、設置面S上において所定の一方向に延在して敷設されるガイドレールRと、ガイドレールR上を摺動可能なブロックBと、ブロックBを固定するための固定部Kとを備えている。
【0018】
ブロックBは、直動ベアリングを介してガイドレールR上に配置されることによって、ガイドレールR上を摺動可能すなわち移動可能に設置されている。ブロックBには、工作機械Xが設置されており、ブロックBを介して工作機械XがガイドレールRに沿って移動可能とされている。また、ブロックBは、ガイドレールRの延在方向に突設された突設部B1を備えている。
固定部Kは、設置面S上に固定されており、ガイドレールRの近傍であってガイドレールRの延在方向に離間した位置に配置されている。図2のガイドレールRの延在方向から見た図から分かるように、固定部Kは、中央部が凹んだ凹形状を有しており、中央の凹部K1と該凹部K1を挟む端部K2によって構成されている。そして、図3に示すように、凹部K1には、ブロックBの突設部B1を招き入れることが可能とされている。
【0019】
図4は、固定部Kの凹部K1に、ブロックBの突設部B1が入り込んだ状態を示す平面図であり、本実施形態のブロック固定機構1を示している図面である。以下、図4を参照して、本実施形態のブロック固定機構1について説明する。
【0020】
ブロック固定機構1は、ブロックBの突設部B1に形成されるブロック溝部2(第1の溝部)と、固定部Kの端部K2の各々に形成される固定部溝部3と、ブロックBの突設部B1が固定部Kの凹部K1に入り込んだ場合(移動部が所定の箇所に位置する場合)に、ブロック溝部2及び固定部溝部3とに嵌合されることによってブロックBの移動を規制するレバー部4(移動規制部)と、レバー部4を固定部Kに対して揺動可能に支持するピン5(支持部)とを備えている。
【0021】
ブロック溝部2は、設置面Sに対して垂直方向に開口されて形成され、ガイドレールRの延在方向と直交する水平方向に延在する直線状に形成されている。また、ブロック溝部2の延在方向における両端が開口端21とされている。
固定部溝部3は、設置面Sに対して垂直方向に開口されて形成され、ガイドレールRの延在方向と直交する水平方向に延在する直線状に形成されている。また、固定部溝部3の延在方向における両端が開口端31とされている。
また、ブロック溝部2の幅と固定部溝部3の幅とは同一幅とされている。
そして、ブロックBの突設部B1が固定部Kの凹部K1に入り込むことによって、ブロック溝部2の開口端21と固定部溝部3の開口端31とが対向配置され、これによってブロック溝部2及び固定部溝部3とが一直線状に配列される。
【0022】
レバー部4は、ブロック溝部2の長さ及び固定部溝部3の長さの合計の長さよりも長い棒状部材であり、ブロック溝部2及び固定部溝部3の幅と僅かに小さな径を有している。このレバー部4は、例えば、剛性の高い金属材料によって形成されている。
そして、このようなレバー部4が、上述のように一直線状に配列されたブロック溝部2及び固定部溝部3とに嵌合することによって、ブロックBの移動が規制され、これによってブロックBが固定部Kに対して固定される。
【0023】
このようなレバー部4は、一端部41が一方の固定部溝部3aに入れ込まれた状態において、当該一端部41がピン5で固定部Kと接続されることによって、固定部Kに対して揺動可能に支持されている。なお、ピン5は、固定部溝部3の幅方向に水平に延在して設置されているため、当該ピン5を回転軸として揺動するレバー部4は、ガイドレールRの延在方向と直交する面内において図5及び図6に示すように揺動可能とされている。
【0024】
このような構成を有する本実施形態のブロック固定機構1においては、ブロックBを固定部Kに固定する場合には、レバー部4が解離状態(固定部Kの凹部K1と反対側に傾動した状態)とされ、かつ、ブロックBの突設部B1が固定部Kの凹部K1に入り込んだ状態とされ、このような状態において、レバー部4が揺動されることによってブロック溝部2及び固定部溝部3に嵌合される。これによって、レバー部4によりブロックBの移動が規制され、ブロックBが固定部Kに固定される。
また、ブロックBを固定部Kから解離する場合には、固定状態(固定部Kの凹部K1に嵌合された状態)とされたレバー部4を上記解離状態となるように揺動する。これによって、ブロック溝部2と固定部溝部3からレバー部4が取り外され、ブロックBが固定部Kから解離され、ブロックBが移動可能となる。
【0025】
このような本実施形態のブロック固定機構1によれば、ブロックBにブロック溝部2が形成され、固定部Kに固定部溝部3が形成され、レバー部4が、ブロック溝部2と固定部溝部3とに嵌合されることによってブロックBの移動が規制され、これによってブロックBと固定部Kとが固定される。
【0026】
周知のように、溝部にレバー部4のような棒状の物体を嵌合させる際には溝部の開口方向から溝部内に物体を進入させるが、この際、溝部の位置が上記開口方向に若干ずれた場合であっても、物体を溝部内に進入させることができる。
つまり、本実施形態のブロック固定機構1によれば、ブロック溝部2及び固定部溝部3にレバー部4を嵌合させる際に、ブロック溝部2の開口方向及び固定部溝部3の開口方向に、ブロックBあるいは固定部Kの若干の位置ずれを許容することが可能となる。
したがって、本実施形態のブロック固定機構1によれば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法と比較して、固定作業が簡便化する。また、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法と比較して、製作精度を低くすることが可能となる。
【0027】
また、レバー部4は、ブロック溝部2及び固定部溝部3に嵌合されている場合であっても、全ての領域がこれらの溝部と当接している状態ではなく、ブロック溝部2の開口方向及び固定部溝部3の開口方向に応じた領域が開放されている。したがって、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法のように、全ての領域が移動部あるいは固定部と当接するボルトやピンを、ボルト孔あるいはピン孔から取り除く場合よりも、簡便にレバー部4を取り除くことが可能となる。
したがって、本実施形態のブロック固定機構1によれば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法と比較して、解離作業が簡便化する。
【0028】
また、本実施形態のブロック固定機構1によれば、ブロック溝部2と固定部溝部3とに嵌合されるレバー部4によって直接的にブロックBの移動が規制されるため、摩擦力を用いてブロックの移動を規制する場合よりも、強固にブロックの移動を規制することができる。
【0029】
以上のように、本実施形態のブロック固定機構1によれば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法よりも簡便に移動部と固定部との固定作業あるいは解離作業が可能で、かつ、摩擦クランプによる固定方法よりも強固にブロックBと固定部Kとを固定可能とすることができる。
【0030】
また、本実施形態のブロック固定機構1においては、ブロック溝部2が、設置面Sに対して垂直方向に開口されて形成され、直線状に延在して形成され、延在方向の少なくとも一端が開口端21とされ、かつ、所定の幅を有し、固定部溝部3が、設置面Sに対して垂直方向に開口されて形成され、直線状に延在して形成され、延在方向の少なくとも一端が開口端31とされ、かつ、所定の幅を有し、レバー部4がブロック溝部2及び固定部溝部3に応じた径を有する棒状部材であり、ブロックBの突設部B1が固定部Kの凹部K1に入り込んだ場合に、ブロック溝部2の開口端21と固定部溝部3の開口端31とが対向して配置されるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、レバー部4の形状を直線状にすることができ、ブロック固定機構1の構造を簡略化することができる。
【0031】
また、本実施形態のブロック固定機構1においては、レバー部4の長さがブロック溝部2及び固定部溝部3の長さの合計の長さよりも長いという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、レバー部4を固定状態とした場合であっても、図6に示すように、レバー部4の先端部が固定部Kから突出した状態となる。このため、突出したレバー部4を把持することによって、容易にレバー部4を揺動させることが可能となる。したがって、レバー部4の取り外しをより容易に行うことが可能となる。
【0032】
また、本実施形態のブロック固定機構1においては、レバー部4を固定部Kに対して揺動可能に支持するピン5を備えるという構成を採用する。
このような構成を採用することによって、レバー部4を揺動することが可能となり、レバー部4の作業性が向上する。
また、例えば、ボルトによる締結方法及びピンによる固定方法において、ブロックが移動可能とされている状態においては、ボルトあるいはピンが完全に取り外された状態となるため、ボルトあるいはピンを紛失する虞がある。これに対してレバー部4は、ブロックが移動可能とされている状態であってもピン5によって支持されているため、紛失する虞がない。
【0033】
以上、図面を参照しながら本発明に係る移動部固定機構の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0034】
例えば、上記実施形態においては、本発明の移動部固定機構がブロック固定機構であり、本発明の移動子がブロックである例について説明した。つまり、本実施形態の移動部固定機構を直動ガイド機構に適用した例について説明した。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、所定の設置面に固定される固定部と、上記設置面に沿って移動可能な移動部を備える全ての機構に対して適用することが可能である。
【0035】
また、上記実施形態においては、ブロック溝部2及び固定部溝部3との形状及び形成位置も任意である。ただし、上記実施形態に対して、ブロック溝部2及び固定部溝部3の形状及び位置を変更した場合には、これに応じてレバー部4の形状も変更される。すなわち、レバー部4も直線状の棒状部材に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態であるブロック固定機構が用いられる直動ガイド機構の概略構成を示す側面図である。
【図2】本発明の一実施形態であるブロック固定機構が用いられる直動ガイド機構が備える固定部の正面図である。
【図3】本発明の一実施形態であるブロック固定機構が用いられる直動ガイド機構の動作を説明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態であるブロック固定機構を説明するための図であり、直動ガイド機構の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態であるブロック固定機構の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態であるブロック固定機構の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
【0037】
1……固定機構、2……ブロック溝部(第1の溝部)、21……開口端、3……固定部溝部(第2の溝部)、31……開口端、4……レバー部(移動規制部)、B……ブロック(移動子、移動部)、K……固定部、R……ガイドレール、S……設置面、X……工作機械

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の設置面に固定して設置される固定部に対して、前記設置面に沿って移動可能な移動部を固定する移動部固定機構であって、
前記移動部に形成される第1の溝部と、
前記固定部に形成される第2の溝部と、
前記移動部が所定の箇所に位置する場合に、前記第1の溝部と前記第2の溝部とに嵌合されることによって前記移動部の移動を規制する移動規制部と
を備えることを特徴とする移動部固定機構。
【請求項2】
前記第1の溝部が、前記設置面に対して垂直方向に開口されて形成され、直線状に延在して形成され、延在方向の少なくとも一端が開口端とされ、かつ、所定の幅を有し、
前記第2の溝部が、前記設置面に対して垂直方向に開口されて形成され、直線状に延在して形成され、延在方向の少なくとも一端が開口端とされ、かつ、所定の幅を有し、
前記移動規制部が前記第1の溝部及び前記第2の溝部に応じた径を有する棒状部材であり、
前記移動部が前記所定の箇所に位置する場合に、前記第1の溝部の開口端と前記第の溝部の開口端とが対向して配置される
ことを特徴とする請求項1記載の移動部固定機構。
【請求項3】
前記移動規制部の長さが前記第1の溝部の長さ及び前記第2の溝部の長さの合計の長さよりも長いことを特徴とする請求項2記載の移動固定機構。
【請求項4】
前記移動規制部を前記固定部に対して揺動可能に支持する支持部を備えることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の移動部固定機構。
【請求項5】
前記移動部は、直動ガイド機構の移動子であることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の移動部固定機構。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−6458(P2009−6458A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−171913(P2007−171913)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【出願人】(000000099)株式会社IHI (5,014)
【Fターム(参考)】