移植機
【課題】様々な圃場条件において空箱の回収もしくは放出が可能な移植機を提供する。
【解決手段】空箱戻し装置４０は苗搬送装置３０の一側方に機体後方から機体前方に傾斜して固定されており、外枠４１と、空箱搬送部４２と、板状部４４から構成される。ローラ支持部４２の前方において前方ストッパ４４が回動自在に連結され、前方ストッパ４４の上端部に上部ストッパ４５が回動自在に連結している。前方及び上部両ストッパ４４，４５が共に起立状態格納位置にあり、前方ストッパ４４が倒れた状態で延長位置となり、両ストッパ４４、４５が倒れた状態で開放位置となる。
【解決手段】空箱戻し装置４０は苗搬送装置３０の一側方に機体後方から機体前方に傾斜して固定されており、外枠４１と、空箱搬送部４２と、板状部４４から構成される。ローラ支持部４２の前方において前方ストッパ４４が回動自在に連結され、前方ストッパ４４の上端部に上部ストッパ４５が回動自在に連結している。前方及び上部両ストッパ４４，４５が共に起立状態格納位置にあり、前方ストッパ４４が倒れた状態で延長位置となり、両ストッパ４４、４５が倒れた状態で開放位置となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は予備苗を機体前方から植付装置に向けて搬送する苗搬送装置を備えた田植機等の移植機に係り、詳しくは空の苗箱もしくはスクレーパを機体後方から前方に搬送して、空の苗箱等を回収する載置部材搬送装置（空箱戻し装置）に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、走行機体の前方から植付装置に亘ってローラコンベヤ等からなる苗搬送装置を配設し、圃場際の畦道にあるトラクタから、苗箱のままの苗又はスクレーパで掬い取ってスクレーパに載せた状態の苗を、上記苗搬送装置により搬送して植付装置の苗のせ台に移載する移植機が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
該移植機の苗搬送装置は、作業中に邪魔にならないように折畳むことができると共に、該苗搬送装置に苗を載せて、作業中に減った苗のせ台に補給する予備苗台としても機能し得る。
【０００４】
また、苗を植付装置の苗のせ台に装填した空箱を縦にして収納可能な形状であり、前端部にストッパと解除レバーが配設されたシュータ（空箱戻し装置）が予備苗のせ台の側部に前側を低く傾斜させ取り付けてある移植機が提案されている（特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−１０９７７３号公報
【特許文献２】特開平７−５９４１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１のものは、移植機の作業開始時及び作業途中で苗のせ台に苗がなくなった場合、移植機をトラックがある畦際に移動して、苗搬送装置を利用して苗のせ台に苗を補給する。この際、苗のせ台に補給した後の空の苗箱又はスクレーパは、苗を補給している作業者が１個ずつ畦に向って放り投げるか、又は移植機上にまとめて置き、それを畦上の人に手渡す等により回収している。
【０００７】
また、特許文献２のものは、予備苗台の苗を苗のせ台に補給した後の空の苗箱をシュータに保管し、予備苗台等に苗を補給するためにトラックのある畦際に寄った際、解除レバーを開放して、シュータから空の苗箱を畦上に回収する。
【０００８】
しかし、上記シュータは、走行機体の前端部分までの長さしかなく、予備苗台の空箱を回収する程度の数であれば、畦上から手を伸ばしてまとめて回収することも可能であるが、苗搬送装置を有する移植機の場合、畦上の人が苗搬送装置に苗箱付の苗又はスクレーパで掬い取った状態の苗を載せ、それを移植機上で、苗箱からスクレーパで掬って又はスクレーパから直接苗のせ台に移載し、効率よく素早く苗補給ができるため、例え上記シュータを用いても、シュータ上に空箱等がすぐ満杯になり、それを解除レバーで放出するには、それを受取る専用の人が必要となり、効率的な作業の妨げ（ネック）となってしまう。
【０００９】
そこで、本発明は、苗搬送装置による効率的な苗補給作業に合せて、効率的に空箱又はスクレーパ等の載置部材を回収することができると共に、圃場条件及び作業条件により載置部材搬送装置の形状を変えることが出来る移植機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
請求項１に係る発明は、走行機体（１）と、該走行機体（１）の後方に昇降自在に支持された植付装置（２）と、走行機体の前方から後方に向けて載置部材に載せた状態の苗を搬送する苗搬送装置（３０）と、を備えた移植機において、
前記苗を植付装置（２）に移載した後の空の載置部材を前記走行機体の後方から前方に向けて搬送する載置部材搬送装置（４０）を備え、
該載置部材搬送装置（４０）は、その前方端部を前方に向けて延長し得るように構成した、
ことを特徴とした移植機にある。
【００１１】
請求項２に係る発明は、前記載置部材搬送装置（４０）の前方端部は、前方に延長した状態で前方端側が開放されてなる、
請求項１記載の移植機にある。
【００１２】
請求項３に係る発明は、前記載置部材搬送装置（４０）は、前記走行機体（１）の後方から前方に向けて下方に傾斜して配置され、前記載置部材を後方から前方に向けて移動する支持体（４２）と、前記載置部材の倒れを阻止するように案内する側枠（４１）と、前記支持体（４２）の前方端に回動自在に連結され、前記前方端部を構成する第１の板状部材（４４）と、該板状部材の先端に回動自在に連結された第２の板状部材（４５）と、を有し、
前記第１の板状部材（４４）を前記支持体に起立し、かつ前記第２の板状部材（４５）を前記第１の板状部材に対して略々垂直に起立した状態で、前記載置部材搬送装置（４０）は、格納位置となり、
前記第１板状部材（４４）を前記支持体（４２）に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材（４５）を前記第１の板状部材（４４）に対して起立した状態で、前記載置部材搬送装置（４０）は、前方に向けて延長した延長位置となり、
前記第１の板状部材（４４）を前記支持体（４２）に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材（４５）を前記第１の板状部材（４４）に対して延長するように倒した状態で、前記載置部材搬送装置（４０）は、前記載置部材を前方に向けて放出する開放位置となる、
請求項２記載の移植機にある。
【００１３】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【００１４】
請求項１に係る発明によると、空箱、スクレーパ等の載置部材を走行機体の後方から前方に向けて搬送する載置部材搬送装置を備え、該載置部材搬送装置は、その前方端部を前方に向けて延長し得るように構成したことにより、苗搬送装置による効率的な苗補給に合せて、載置部材の回収位置が畦側に延長して効率よく載置部材を回収することができる。また、畦が高い場合等にあっては、載置部材搬送装置を延長しない短い状態の格納位置として、畦との干渉を防止することが出来る。
【００１５】
請求項２に係る発明によると、載置部材搬送装置が延長状態において前方端側が開放可能なため、載置部材搬送装置は、連続して載置部材（苗箱、スクレーパ）を畦上に放出することができる。
【００１６】
請求項３に係る発明によると、載置部材搬送装置の前端部に第１の板状部材を回動自在に連結し、第２の板状部材を第１の板状部材の前端部に回動自在に連結することによって、載置部材搬送装置は、両板状部材と共に起立した格納位置と、第１に板状部材を倒して前方に向けて延長した延長位置と、第１及び第２の板状部材を共に倒して載置部材を前方に向けて放出する開放位置とに、切り換えることができ、簡単な構成でもって、圃場条件及び作業条件に合わせて容易に適正な載置部材の回収形態を選択することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図１は移植機の側面図、図２は移植機の平面図である。移植機は前輪３及び後輪４に支持される走行機体１を有している。走行機体１の前方中央部にはボンネット５に覆われたエンジンが搭載されており、その両側方にはフロントステップ６が形成されている。また、ボンネット５の後方にはステアリングハンドル９等を有する操作部８が配設されており、操作部８の床面はフロントステップ６から繋がるステップ１２によって覆われている。操作部８の後方には機体カバー１３によって支持される運転席１０が配設されており、該機体カバー１３後方には左右両側に前記ステップ１２よりも一段高く且つ平坦に構成した苗供給用ステップ１４が設けてある。また運転席１０の進行方向左側方には苗を載置しておく苗のせ台３０が配設されている。更に該苗のせ台３０の左側方には苗を収納していた苗箱の空箱又はスクレーパ（載置部材）を回収する空箱戻し装置４０が配設されている。
【００１８】
また、走行機体１後方には昇降リンク機構１６を介して作業機である植付装置２が昇降自在に取り付けられている。植付装置２は後方に向けて下降傾斜するように設けられたマット状の苗を載置する苗のせ台１５と、苗のせ台１５より一株ずつ苗を掻き取って植えつける複数のプランタ１８を備え、植付ケースの下方には植付け田面を整地すると共に植付け高さを一定にするための田面の高さを検知するフロート１９が配設されている。
【００１９】
図３は苗搬送装置及び空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、図４は苗搬送装置及び空箱戻し装置の平面図、図５は空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図である。苗搬送装置３０は走行機体より延設されている取付けブラケット２０によって走行機体に固定されている固定コンベア３１と固定コンベア３１の前方に連結され、固定コンベア３１の上部に折りたたみ可能な第１コンベア３４と、固定コンベア３１の後方に連結され固定コンベア３１の上部に折りたたみ可能な第２コンベア３８から構成される。苗搬送装置３０が伸展状態にある場合、固定コンベア３１が前高後低に走行機体１に対して固定されているため苗搬送装置３０全体として前高後低に傾斜しており、かつ前端は、走行機体１の前端より所定量突出するように伸び、後端は、苗のせ台１５上端の近傍まで伸びる。
【００２０】
第１コンベア３４は固定コンベア３１の前端部に取り付けられた固定コンベア前端取付けブラケット３１aと、第１コンベア後端部に取り付けられた第１コンベア後端取付けブラケット３４aが連結ピンによって連結することによって固定コンベア３１と連結される。また同様に第２コンベア３８は固定コンベア後端取付けブラケット３１ｂと、第２コンベア前端取付けブラケット３８aが連結することによって固定コンベア３１と連結している。
固定コンベア３１は左右一対の固定コンベアフレーム３１ｃと、フレームを連結する複数の連結部材３３と、フレーム間に配設された転動ローラ３５等から構成されており、予備苗を搬送するローラコンベアとなっている。
【００２１】
第１コンベア３４及び第２コンベア３８は、固定コンベア３１と同様に左右一対の第１コンベアフレーム３４ｂ及び第２コンベアフレーム３８ｂ、フレームを連結する連結部材３３と、フレーム間に配設された転動ローラ３５等により構成されている。また、左側方の固定コンベア前端取付けブラケット３１aの下端及び左側方の固定コンベアフレーム３１ｃ後端付近において空箱戻し装置４０を取り付ける為の取付けプレート２１がボルトによって締結されている。
【００２２】
空箱戻し装置４０は、側枠４１を構成する右側枠４１ｂのプレート取付け部５６により苗搬送装置３０の固定コンベア３１の外側に固定されており、苗搬送装置３０が後方向に下向き傾斜しているのに対し、空箱戻し装置４０は前方向に下向き傾斜するように配設されている。
【００２３】
右側枠４１ｂは空箱の投入部であるその後端から中央付近においては上段部の案内棒が走行機体方向に開いた状態で構成されている。また右側枠４１ｂは中央付近から前端部にかけて案内棒が一段低く構成されている。一方、右側枠４１ｂと共に側枠４１を構成する左側枠４１aは空箱の投入部である後端から中央付近において上段部の案内棒が機体左側方向に開いた状態で右側枠４１ｂよりも高く構成されている。また左側枠４１aは空箱を取り出しやすいよう中央付近から前端部にかけては案内棒が右側枠よりも更に低く構成されており、また外側に傾斜している。
【００２４】
空箱搬送部４２は側枠４１の下端部に設けられた空箱搬送部取付け部４６を介して側枠４１と一体に固定されている。空箱搬送部４２は左右一対のフレーム４２ｂと、その間に配設された転動ローラ４２aとにより構成され、空箱を搬送するローラコンベアとなっている。
【００２５】
空箱搬送部４２の前方には前方ストッパ（第１の板状部材）４４及び上部ストッパ（第２の板状部材）４５から構成されるストッパ部（前方端部を構成）４３が配設されている。側枠４１の前端部下方には前方ストッパが前方ストッパ部材取付けブラケット４８を介して支点越え構造で回動自在に連結されている。また、側枠４１前端部下方のコイルスプリング取付け取付けブラケット４９と前方ストッパ４４の下端部のコイルスプリング取付けブラケット５０によってコイルスプリング５１が前方ストッパ４４の両側方に配設されている。なお前方ストッパ４４は空箱が側方に落下するのを防ぐため、空箱の約半分から１箱分の長さで構成されている。また、前方ストッパは回動形式でなくスライド形式で構成することも可能である。
【００２６】
前方ストッパ４４の上端部には蝶番５２によって上部ストッパ４５の下端部が支点越え構造によって回動自在に連結されている。また、コイルスプリング５５が前方ストッパ４４の上端部の両側面に設けられたコイルスプリング取付けブラケット５３と、上部ストッパ下端部の両側面に設けられたコイルスプリング取付けブラケット５４によって取り付けられている。
【００２７】
ついで以上の構成による空箱戻し装置４０を備えた移植機の動作について説明する。
【００２８】
植付作業の開始時又は作業途中に畦際に寄って苗を補給する際、移植機は畦に略々直行するようにして畦際に接近する。そして、苗搬送装置３０を直線状態に展開すると共に、圃場条件及び作業形態に応じて空箱戻し装置４０を格納位置、延長位置、及び開放位置に切換えられる。畦上の作業者は、トラックから苗箱のままマット苗を苗搬送装置３０に載せるか、又は苗箱からスクレーパでマット苗を掬い取り、該スクレーパに載せた状態で苗搬送装置３０に載せる。移植機上の作業者は、苗搬送装置３０によって搬送される苗箱又はスクレーパとマット苗を順次取り出し、苗箱の状態の場合はスクレーパで掬い取り、スクレーパの場合はそのまま苗のせ台１５に運んで、マット苗を苗のせ台１５に移載する。
【００２９】
マット苗を取り外された空の苗箱又はスクレーパ（苗載置部材；以下空箱という）は、直ちに横置きの縦状態として順次空箱戻し装置４０の後方側に投入される。
【００３０】
畦が低くかつ畦上の作業者が１人の場合、空箱戻し装置４０は開放位置に保持される。即ち、前方ストッパ４４をスプリング５１の付勢力に抗して前方に倒し、空箱搬送部４２と直線状になるように安定保持し、更に上部ストッパ４５を前方ストッパ４４に対してスプリング５５の付勢力に抗して前方に倒し、上部ストッパ４５と直線状になるように安定保持する。この状態は、前方ストッパ４４が前方に延長し、更に上部ストッパ４５が前方に倒れた開放状態にあり、空箱戻し装置４０に投入された空箱は、前方へ向かって下方傾斜のローラコンベアからなる空箱搬送部４２により機体前方に搬送され、更に板状の前方ストッパ４４及び上部ストッパ４５上を滑って、畦上に放出される。
【００３１】
該空箱戻し装置４０の開放位置にあっては、畦上の放出された空箱は、苗搬送装置３０による苗補給作業が一旦終了した状態で、畦上の作業者により集められて回収される。是により、少ない作業者で連続して効率的な苗補給作業を行うことが出来る。なおこの際、前方ストッパ４４及び上部ストッパ４５は、ローラコンベアで構成されていないため、空箱の流下する速度は抑えられ空箱に生ずる衝撃が和らげられる。
【００３２】
畦上に２人の作業者がいる場合、空箱戻し装置４０は延長位置に保持される。即ち、前方ストッパ４４を前方に倒した位置に保持し、かつ上部ストッパ４５を前方ストッパ４４に対して略略垂直となる起立状態に安定保持する。この状態では、前方ストッパ４４が前方に延長し、かつ該前方ストッパ４４の前端が上部ストッパ４５が起立したストッパ状態となり、空箱戻し装置４０に投入された空箱は、空箱搬送部４２により機体前方に移送され、板状の前方ストッパ４４上に運ばれて空箱の先端が上部ストッパ４５に当接することにより、該上部ストッパ４５部分に、左側枠４1aが外側に傾斜していることにより、複数の空箱又はスクレーパが溜めることが出来る。この際、前方ストッパ４４の長さは、空箱及びスクレーパの長さより短いため、空箱等の後部分が側枠４１に支えられて、空箱等が落下することはない。
【００３３】
そして、畦上の作業者が前方ストッパ部分の空箱を取り出して回収する。この状態では、前方ストッパ４４部分には側枠４１がないので空箱は縦位置となるように移動することにより該前方ストッパ４４部分から容易に取り出すことが出来る。該延長位置は、畦上に２人の作業者がいる場合、１人が苗搬送装置３０に苗を供給し、他の１人が空箱を回収することにより効果的な作業が可能であるが、これに限らず、畦上の１人の作業者により、苗搬送装置３０からの苗補給と、空箱戻し装置４０からの空箱の回収を交互に行っても良い。
【００３４】
畦が高い場合、空箱戻し装置４０は、格納位置に保持される。即ち、前方ストッパ４４を空箱搬送部４２に対して略略垂直となる起立状態とし、かつ上部ストッパ４５を前方ストッパ４４に対して略略垂直となる起立状態とする。この状態では、空箱戻し装置４０は、その前端が走行機体１内に位置する短い状態にあり、移植機が高い畦に近接しても、空箱戻し装置４０が畦に当たることはない。
【００３５】
そして、前方ストッパ４４が空箱搬送部４２に対して略々垂直に起立した格納状態の場合、空箱搬送部４２を流下してきた空箱は、前方ストッパ４４と空箱搬送部４２の前端で当接し、停止することによって収納される。収納された空箱は、案内棒４１aが空箱取り出し用に低く、外側に傾斜して構成された左側枠前方部から容易に引き出される。
【００３６】
また、移植機の作業中にあっては、移植機より動力を受けて稼動する植付装置２により、苗のせ台１５に載置したマット苗から一株分の苗を田面に移植して作業が進行する。苗の移植作業に伴い、苗のせ台１５に載せた苗が田面に移植されていくと、苗のせ台１５に載置された苗が減少し、規定量以下となると苗搬送装置３０に載置されていた予備苗を取り出し、苗のせ台に補給する。
【００３７】
なお、上述した、実施の形態は、空箱搬送部４２をローラコンベアとしたが、これは滑り台状の滑り用部材でも良い。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】本発明を実施する移植機の側面図。
【図２】本発明を実施する移植機の平面図。
【図３】本発明を実施する苗搬送装置及び空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図。
【図４】本発明を実施する苗搬送装置及び空箱戻し装置の平面図。
【図５】本発明を実施する空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図。
【符号の説明】
【００３９】
１ 走行機体
２ 植付装置
３０ 苗搬送装置
４０ 空箱戻し装置（載置部材搬送装置）
４１ 側枠
４２ 空箱搬送部（支持体）
４４ 前方ストッパ（第１の板状部材）
４５ 上部ストッパ（第２の板状部材）
【技術分野】
【０００１】
本発明は予備苗を機体前方から植付装置に向けて搬送する苗搬送装置を備えた田植機等の移植機に係り、詳しくは空の苗箱もしくはスクレーパを機体後方から前方に搬送して、空の苗箱等を回収する載置部材搬送装置（空箱戻し装置）に関する。
【背景技術】
【０００２】
従来、走行機体の前方から植付装置に亘ってローラコンベヤ等からなる苗搬送装置を配設し、圃場際の畦道にあるトラクタから、苗箱のままの苗又はスクレーパで掬い取ってスクレーパに載せた状態の苗を、上記苗搬送装置により搬送して植付装置の苗のせ台に移載する移植機が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
該移植機の苗搬送装置は、作業中に邪魔にならないように折畳むことができると共に、該苗搬送装置に苗を載せて、作業中に減った苗のせ台に補給する予備苗台としても機能し得る。
【０００４】
また、苗を植付装置の苗のせ台に装填した空箱を縦にして収納可能な形状であり、前端部にストッパと解除レバーが配設されたシュータ（空箱戻し装置）が予備苗のせ台の側部に前側を低く傾斜させ取り付けてある移植機が提案されている（特許文献２参照）。
【０００５】
【特許文献１】特開２００６−１０９７７３号公報
【特許文献２】特開平７−５９４１９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
特許文献１のものは、移植機の作業開始時及び作業途中で苗のせ台に苗がなくなった場合、移植機をトラックがある畦際に移動して、苗搬送装置を利用して苗のせ台に苗を補給する。この際、苗のせ台に補給した後の空の苗箱又はスクレーパは、苗を補給している作業者が１個ずつ畦に向って放り投げるか、又は移植機上にまとめて置き、それを畦上の人に手渡す等により回収している。
【０００７】
また、特許文献２のものは、予備苗台の苗を苗のせ台に補給した後の空の苗箱をシュータに保管し、予備苗台等に苗を補給するためにトラックのある畦際に寄った際、解除レバーを開放して、シュータから空の苗箱を畦上に回収する。
【０００８】
しかし、上記シュータは、走行機体の前端部分までの長さしかなく、予備苗台の空箱を回収する程度の数であれば、畦上から手を伸ばしてまとめて回収することも可能であるが、苗搬送装置を有する移植機の場合、畦上の人が苗搬送装置に苗箱付の苗又はスクレーパで掬い取った状態の苗を載せ、それを移植機上で、苗箱からスクレーパで掬って又はスクレーパから直接苗のせ台に移載し、効率よく素早く苗補給ができるため、例え上記シュータを用いても、シュータ上に空箱等がすぐ満杯になり、それを解除レバーで放出するには、それを受取る専用の人が必要となり、効率的な作業の妨げ（ネック）となってしまう。
【０００９】
そこで、本発明は、苗搬送装置による効率的な苗補給作業に合せて、効率的に空箱又はスクレーパ等の載置部材を回収することができると共に、圃場条件及び作業条件により載置部材搬送装置の形状を変えることが出来る移植機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【００１０】
請求項１に係る発明は、走行機体（１）と、該走行機体（１）の後方に昇降自在に支持された植付装置（２）と、走行機体の前方から後方に向けて載置部材に載せた状態の苗を搬送する苗搬送装置（３０）と、を備えた移植機において、
前記苗を植付装置（２）に移載した後の空の載置部材を前記走行機体の後方から前方に向けて搬送する載置部材搬送装置（４０）を備え、
該載置部材搬送装置（４０）は、その前方端部を前方に向けて延長し得るように構成した、
ことを特徴とした移植機にある。
【００１１】
請求項２に係る発明は、前記載置部材搬送装置（４０）の前方端部は、前方に延長した状態で前方端側が開放されてなる、
請求項１記載の移植機にある。
【００１２】
請求項３に係る発明は、前記載置部材搬送装置（４０）は、前記走行機体（１）の後方から前方に向けて下方に傾斜して配置され、前記載置部材を後方から前方に向けて移動する支持体（４２）と、前記載置部材の倒れを阻止するように案内する側枠（４１）と、前記支持体（４２）の前方端に回動自在に連結され、前記前方端部を構成する第１の板状部材（４４）と、該板状部材の先端に回動自在に連結された第２の板状部材（４５）と、を有し、
前記第１の板状部材（４４）を前記支持体に起立し、かつ前記第２の板状部材（４５）を前記第１の板状部材に対して略々垂直に起立した状態で、前記載置部材搬送装置（４０）は、格納位置となり、
前記第１板状部材（４４）を前記支持体（４２）に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材（４５）を前記第１の板状部材（４４）に対して起立した状態で、前記載置部材搬送装置（４０）は、前方に向けて延長した延長位置となり、
前記第１の板状部材（４４）を前記支持体（４２）に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材（４５）を前記第１の板状部材（４４）に対して延長するように倒した状態で、前記載置部材搬送装置（４０）は、前記載置部材を前方に向けて放出する開放位置となる、
請求項２記載の移植機にある。
【００１３】
なお、括弧内の符号等は、図面と対照するためのものであるが、これにより特許請求の範囲に何等影響を及ぼすものではない。
【発明の効果】
【００１４】
請求項１に係る発明によると、空箱、スクレーパ等の載置部材を走行機体の後方から前方に向けて搬送する載置部材搬送装置を備え、該載置部材搬送装置は、その前方端部を前方に向けて延長し得るように構成したことにより、苗搬送装置による効率的な苗補給に合せて、載置部材の回収位置が畦側に延長して効率よく載置部材を回収することができる。また、畦が高い場合等にあっては、載置部材搬送装置を延長しない短い状態の格納位置として、畦との干渉を防止することが出来る。
【００１５】
請求項２に係る発明によると、載置部材搬送装置が延長状態において前方端側が開放可能なため、載置部材搬送装置は、連続して載置部材（苗箱、スクレーパ）を畦上に放出することができる。
【００１６】
請求項３に係る発明によると、載置部材搬送装置の前端部に第１の板状部材を回動自在に連結し、第２の板状部材を第１の板状部材の前端部に回動自在に連結することによって、載置部材搬送装置は、両板状部材と共に起立した格納位置と、第１に板状部材を倒して前方に向けて延長した延長位置と、第１及び第２の板状部材を共に倒して載置部材を前方に向けて放出する開放位置とに、切り換えることができ、簡単な構成でもって、圃場条件及び作業条件に合わせて容易に適正な載置部材の回収形態を選択することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１７】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図１は移植機の側面図、図２は移植機の平面図である。移植機は前輪３及び後輪４に支持される走行機体１を有している。走行機体１の前方中央部にはボンネット５に覆われたエンジンが搭載されており、その両側方にはフロントステップ６が形成されている。また、ボンネット５の後方にはステアリングハンドル９等を有する操作部８が配設されており、操作部８の床面はフロントステップ６から繋がるステップ１２によって覆われている。操作部８の後方には機体カバー１３によって支持される運転席１０が配設されており、該機体カバー１３後方には左右両側に前記ステップ１２よりも一段高く且つ平坦に構成した苗供給用ステップ１４が設けてある。また運転席１０の進行方向左側方には苗を載置しておく苗のせ台３０が配設されている。更に該苗のせ台３０の左側方には苗を収納していた苗箱の空箱又はスクレーパ（載置部材）を回収する空箱戻し装置４０が配設されている。
【００１８】
また、走行機体１後方には昇降リンク機構１６を介して作業機である植付装置２が昇降自在に取り付けられている。植付装置２は後方に向けて下降傾斜するように設けられたマット状の苗を載置する苗のせ台１５と、苗のせ台１５より一株ずつ苗を掻き取って植えつける複数のプランタ１８を備え、植付ケースの下方には植付け田面を整地すると共に植付け高さを一定にするための田面の高さを検知するフロート１９が配設されている。
【００１９】
図３は苗搬送装置及び空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図、図４は苗搬送装置及び空箱戻し装置の平面図、図５は空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図である。苗搬送装置３０は走行機体より延設されている取付けブラケット２０によって走行機体に固定されている固定コンベア３１と固定コンベア３１の前方に連結され、固定コンベア３１の上部に折りたたみ可能な第１コンベア３４と、固定コンベア３１の後方に連結され固定コンベア３１の上部に折りたたみ可能な第２コンベア３８から構成される。苗搬送装置３０が伸展状態にある場合、固定コンベア３１が前高後低に走行機体１に対して固定されているため苗搬送装置３０全体として前高後低に傾斜しており、かつ前端は、走行機体１の前端より所定量突出するように伸び、後端は、苗のせ台１５上端の近傍まで伸びる。
【００２０】
第１コンベア３４は固定コンベア３１の前端部に取り付けられた固定コンベア前端取付けブラケット３１aと、第１コンベア後端部に取り付けられた第１コンベア後端取付けブラケット３４aが連結ピンによって連結することによって固定コンベア３１と連結される。また同様に第２コンベア３８は固定コンベア後端取付けブラケット３１ｂと、第２コンベア前端取付けブラケット３８aが連結することによって固定コンベア３１と連結している。
固定コンベア３１は左右一対の固定コンベアフレーム３１ｃと、フレームを連結する複数の連結部材３３と、フレーム間に配設された転動ローラ３５等から構成されており、予備苗を搬送するローラコンベアとなっている。
【００２１】
第１コンベア３４及び第２コンベア３８は、固定コンベア３１と同様に左右一対の第１コンベアフレーム３４ｂ及び第２コンベアフレーム３８ｂ、フレームを連結する連結部材３３と、フレーム間に配設された転動ローラ３５等により構成されている。また、左側方の固定コンベア前端取付けブラケット３１aの下端及び左側方の固定コンベアフレーム３１ｃ後端付近において空箱戻し装置４０を取り付ける為の取付けプレート２１がボルトによって締結されている。
【００２２】
空箱戻し装置４０は、側枠４１を構成する右側枠４１ｂのプレート取付け部５６により苗搬送装置３０の固定コンベア３１の外側に固定されており、苗搬送装置３０が後方向に下向き傾斜しているのに対し、空箱戻し装置４０は前方向に下向き傾斜するように配設されている。
【００２３】
右側枠４１ｂは空箱の投入部であるその後端から中央付近においては上段部の案内棒が走行機体方向に開いた状態で構成されている。また右側枠４１ｂは中央付近から前端部にかけて案内棒が一段低く構成されている。一方、右側枠４１ｂと共に側枠４１を構成する左側枠４１aは空箱の投入部である後端から中央付近において上段部の案内棒が機体左側方向に開いた状態で右側枠４１ｂよりも高く構成されている。また左側枠４１aは空箱を取り出しやすいよう中央付近から前端部にかけては案内棒が右側枠よりも更に低く構成されており、また外側に傾斜している。
【００２４】
空箱搬送部４２は側枠４１の下端部に設けられた空箱搬送部取付け部４６を介して側枠４１と一体に固定されている。空箱搬送部４２は左右一対のフレーム４２ｂと、その間に配設された転動ローラ４２aとにより構成され、空箱を搬送するローラコンベアとなっている。
【００２５】
空箱搬送部４２の前方には前方ストッパ（第１の板状部材）４４及び上部ストッパ（第２の板状部材）４５から構成されるストッパ部（前方端部を構成）４３が配設されている。側枠４１の前端部下方には前方ストッパが前方ストッパ部材取付けブラケット４８を介して支点越え構造で回動自在に連結されている。また、側枠４１前端部下方のコイルスプリング取付け取付けブラケット４９と前方ストッパ４４の下端部のコイルスプリング取付けブラケット５０によってコイルスプリング５１が前方ストッパ４４の両側方に配設されている。なお前方ストッパ４４は空箱が側方に落下するのを防ぐため、空箱の約半分から１箱分の長さで構成されている。また、前方ストッパは回動形式でなくスライド形式で構成することも可能である。
【００２６】
前方ストッパ４４の上端部には蝶番５２によって上部ストッパ４５の下端部が支点越え構造によって回動自在に連結されている。また、コイルスプリング５５が前方ストッパ４４の上端部の両側面に設けられたコイルスプリング取付けブラケット５３と、上部ストッパ下端部の両側面に設けられたコイルスプリング取付けブラケット５４によって取り付けられている。
【００２７】
ついで以上の構成による空箱戻し装置４０を備えた移植機の動作について説明する。
【００２８】
植付作業の開始時又は作業途中に畦際に寄って苗を補給する際、移植機は畦に略々直行するようにして畦際に接近する。そして、苗搬送装置３０を直線状態に展開すると共に、圃場条件及び作業形態に応じて空箱戻し装置４０を格納位置、延長位置、及び開放位置に切換えられる。畦上の作業者は、トラックから苗箱のままマット苗を苗搬送装置３０に載せるか、又は苗箱からスクレーパでマット苗を掬い取り、該スクレーパに載せた状態で苗搬送装置３０に載せる。移植機上の作業者は、苗搬送装置３０によって搬送される苗箱又はスクレーパとマット苗を順次取り出し、苗箱の状態の場合はスクレーパで掬い取り、スクレーパの場合はそのまま苗のせ台１５に運んで、マット苗を苗のせ台１５に移載する。
【００２９】
マット苗を取り外された空の苗箱又はスクレーパ（苗載置部材；以下空箱という）は、直ちに横置きの縦状態として順次空箱戻し装置４０の後方側に投入される。
【００３０】
畦が低くかつ畦上の作業者が１人の場合、空箱戻し装置４０は開放位置に保持される。即ち、前方ストッパ４４をスプリング５１の付勢力に抗して前方に倒し、空箱搬送部４２と直線状になるように安定保持し、更に上部ストッパ４５を前方ストッパ４４に対してスプリング５５の付勢力に抗して前方に倒し、上部ストッパ４５と直線状になるように安定保持する。この状態は、前方ストッパ４４が前方に延長し、更に上部ストッパ４５が前方に倒れた開放状態にあり、空箱戻し装置４０に投入された空箱は、前方へ向かって下方傾斜のローラコンベアからなる空箱搬送部４２により機体前方に搬送され、更に板状の前方ストッパ４４及び上部ストッパ４５上を滑って、畦上に放出される。
【００３１】
該空箱戻し装置４０の開放位置にあっては、畦上の放出された空箱は、苗搬送装置３０による苗補給作業が一旦終了した状態で、畦上の作業者により集められて回収される。是により、少ない作業者で連続して効率的な苗補給作業を行うことが出来る。なおこの際、前方ストッパ４４及び上部ストッパ４５は、ローラコンベアで構成されていないため、空箱の流下する速度は抑えられ空箱に生ずる衝撃が和らげられる。
【００３２】
畦上に２人の作業者がいる場合、空箱戻し装置４０は延長位置に保持される。即ち、前方ストッパ４４を前方に倒した位置に保持し、かつ上部ストッパ４５を前方ストッパ４４に対して略略垂直となる起立状態に安定保持する。この状態では、前方ストッパ４４が前方に延長し、かつ該前方ストッパ４４の前端が上部ストッパ４５が起立したストッパ状態となり、空箱戻し装置４０に投入された空箱は、空箱搬送部４２により機体前方に移送され、板状の前方ストッパ４４上に運ばれて空箱の先端が上部ストッパ４５に当接することにより、該上部ストッパ４５部分に、左側枠４1aが外側に傾斜していることにより、複数の空箱又はスクレーパが溜めることが出来る。この際、前方ストッパ４４の長さは、空箱及びスクレーパの長さより短いため、空箱等の後部分が側枠４１に支えられて、空箱等が落下することはない。
【００３３】
そして、畦上の作業者が前方ストッパ部分の空箱を取り出して回収する。この状態では、前方ストッパ４４部分には側枠４１がないので空箱は縦位置となるように移動することにより該前方ストッパ４４部分から容易に取り出すことが出来る。該延長位置は、畦上に２人の作業者がいる場合、１人が苗搬送装置３０に苗を供給し、他の１人が空箱を回収することにより効果的な作業が可能であるが、これに限らず、畦上の１人の作業者により、苗搬送装置３０からの苗補給と、空箱戻し装置４０からの空箱の回収を交互に行っても良い。
【００３４】
畦が高い場合、空箱戻し装置４０は、格納位置に保持される。即ち、前方ストッパ４４を空箱搬送部４２に対して略略垂直となる起立状態とし、かつ上部ストッパ４５を前方ストッパ４４に対して略略垂直となる起立状態とする。この状態では、空箱戻し装置４０は、その前端が走行機体１内に位置する短い状態にあり、移植機が高い畦に近接しても、空箱戻し装置４０が畦に当たることはない。
【００３５】
そして、前方ストッパ４４が空箱搬送部４２に対して略々垂直に起立した格納状態の場合、空箱搬送部４２を流下してきた空箱は、前方ストッパ４４と空箱搬送部４２の前端で当接し、停止することによって収納される。収納された空箱は、案内棒４１aが空箱取り出し用に低く、外側に傾斜して構成された左側枠前方部から容易に引き出される。
【００３６】
また、移植機の作業中にあっては、移植機より動力を受けて稼動する植付装置２により、苗のせ台１５に載置したマット苗から一株分の苗を田面に移植して作業が進行する。苗の移植作業に伴い、苗のせ台１５に載せた苗が田面に移植されていくと、苗のせ台１５に載置された苗が減少し、規定量以下となると苗搬送装置３０に載置されていた予備苗を取り出し、苗のせ台に補給する。
【００３７】
なお、上述した、実施の形態は、空箱搬送部４２をローラコンベアとしたが、これは滑り台状の滑り用部材でも良い。
【図面の簡単な説明】
【００３８】
【図１】本発明を実施する移植機の側面図。
【図２】本発明を実施する移植機の平面図。
【図３】本発明を実施する苗搬送装置及び空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図。
【図４】本発明を実施する苗搬送装置及び空箱戻し装置の平面図。
【図５】本発明を実施する空箱戻し装置の（ａ）は側面図、（ｂ）は正面図。
【符号の説明】
【００３９】
１ 走行機体
２ 植付装置
３０ 苗搬送装置
４０ 空箱戻し装置（載置部材搬送装置）
４１ 側枠
４２ 空箱搬送部（支持体）
４４ 前方ストッパ（第１の板状部材）
４５ 上部ストッパ（第２の板状部材）
【特許請求の範囲】
【請求項１】
走行機体と、該走行機体の後方に昇降自在に支持された植付装置と、走行機体の前方から後方に向けて載置部材に載せた状態の苗を搬送する苗搬送装置と、を備えた移植機において、
前記苗を植付装置に移載した後の空の載置部材を前記走行機体の後方から前方に向けて搬送する載置部材搬送装置を備え、
該載置部材搬送装置は、その前方端部を前方に向けて延長し得るように構成した、
ことを特徴とした移植機。
【請求項２】
前記載置部材搬送装置の前方端部は、前方に延長した状態で前方端側が開放されてなる、
請求項１記載の移植機。
【請求項３】
前記載置部材搬送装置は、前記走行機体の後方から前方に向けて下方に傾斜して配置され、前記載置部材を後方から前方に向けて移動する支持体と、前記載置部材の倒れを阻止するように案内する側枠と、前記支持体の前方端に回動自在に連結され、前記前方端部を構成する第１の板状部材と、該板状部材の先端に回動自在に連結された第２の板状部材と、を有し、
前記第１の板状部材を前記支持体に起立し、かつ前記第２の板状部材を前記第１の板状部材に対して略々垂直に起立した状態で、前記載置部材搬送装置は、格納位置となり、
前記第１板状部材を前記支持体に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材を前記第１の板状部材に対して起立した状態で、前記載置部材搬送装置は、前方に向けて延長した延長位置となり、
前記第１の板状部材を前記支持体に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材を前記第１の板状部材に対して延長するように倒した状態で、前記載置部材搬送装置は、前記載置部材を前方に向けて放出する開放位置となる、
請求項２記載の移植機。
【請求項１】
走行機体と、該走行機体の後方に昇降自在に支持された植付装置と、走行機体の前方から後方に向けて載置部材に載せた状態の苗を搬送する苗搬送装置と、を備えた移植機において、
前記苗を植付装置に移載した後の空の載置部材を前記走行機体の後方から前方に向けて搬送する載置部材搬送装置を備え、
該載置部材搬送装置は、その前方端部を前方に向けて延長し得るように構成した、
ことを特徴とした移植機。
【請求項２】
前記載置部材搬送装置の前方端部は、前方に延長した状態で前方端側が開放されてなる、
請求項１記載の移植機。
【請求項３】
前記載置部材搬送装置は、前記走行機体の後方から前方に向けて下方に傾斜して配置され、前記載置部材を後方から前方に向けて移動する支持体と、前記載置部材の倒れを阻止するように案内する側枠と、前記支持体の前方端に回動自在に連結され、前記前方端部を構成する第１の板状部材と、該板状部材の先端に回動自在に連結された第２の板状部材と、を有し、
前記第１の板状部材を前記支持体に起立し、かつ前記第２の板状部材を前記第１の板状部材に対して略々垂直に起立した状態で、前記載置部材搬送装置は、格納位置となり、
前記第１板状部材を前記支持体に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材を前記第１の板状部材に対して起立した状態で、前記載置部材搬送装置は、前方に向けて延長した延長位置となり、
前記第１の板状部材を前記支持体に対して延長するように倒し、かつ前記第２の板状部材を前記第１の板状部材に対して延長するように倒した状態で、前記載置部材搬送装置は、前記載置部材を前方に向けて放出する開放位置となる、
請求項２記載の移植機。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【公開番号】特開２００８−１１３５６４（Ｐ２００８−１１３５６４Ａ）
【公開日】平成２０年５月２２日（２００８．５．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００６−２９７１０７（Ｐ２００６−２９７１０７）
【出願日】平成１８年１０月３１日（２００６．１０．３１）
【出願人】（０００００１８７８）三菱農機株式会社 (1,502)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２０年５月２２日（２００８．５．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成１８年１０月３１日（２００６．１０．３１）
【出願人】（０００００１８７８）三菱農機株式会社 (1,502)
【Ｆターム（参考）】
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