移植機
【課題】本発明は、移植具の収容容量を変更可能にして、種々の移植物を移植できるようにすることを課題とする。
【解決手段】供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとすると共に、該開閉植付体88F,88Rをさらに二分割して一部を重ねた断面が円弧状の分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbで構成し、この分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を調整可能にして開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更可能にしたことを特徴とする移植機とする。
【解決手段】供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとすると共に、該開閉植付体88F,88Rをさらに二分割して一部を重ねた断面が円弧状の分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbで構成し、この分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を調整可能にして開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更可能にしたことを特徴とする移植機とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
種芋等の球根類や鉢苗等の移植物を圃場に植付ける移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者によって供給部へ供給された移植物を走行しながら圃場に植付ける移植機が知られている。例えば、特許文献1に示されるように、種芋を貯留する種芋載せ台と、該種芋載せ台から種芋が移動して収容される収容部と、該収容部の下方に配置された複数の供給カップを設けた供給部と、該供給部から受け取った種芋を植付具が昇降植付動作をして圃場に植付ける植付装置を装備した球根類の移植機がある。この球根類の移植機は、作業者が供給部の中央上方に配置された収容部から種芋を取出して供給部の各供給カップに入れる作業を行うだけで移植物の植付が行われて、作業性が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−51613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の移植機は、植付具が一定の容量を有し、有る程度決まった大きさの種芋や鉢苗しか移植できない。
そこで、本発明は、移植具の収容容量を変更可能にして、種々の移植物を移植できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとすると共に、該開閉植付体88F,88Rをさらに二分割して一部を重ねた断面が円弧状の分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbで構成し、この分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を調整可能にして開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更可能にしたことを特徴とする移植機とする。
【0006】
この構成で、分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を変更して開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更することで、移植物の大小に応じた最適の収容容量に出来る。
【0007】
請求項2に記載の発明は、供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとし、該開閉植付体88F,88Rを上部の取付フレーム102に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする移植機とする。
【0008】
この構成で、移植物の長さが異なる場合に、取付フレーム102に対する開閉植付体88F,88Rの位置を上下調整して移植物の長短の応じた開閉植付体88F,88Rの収容長さにして移植物の全体を納めて、開閉植付体88F,88Rが昇降する際に移植物を損傷しない。
【0009】
請求項3に記載の発明は、開閉植付体(88F,88R)を上部の取付フレーム(102)に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載の移植機とする。
この構成で、分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を変更して開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更することで、移植物の大小に応じた最適の収容容量に出来ると共に、移植物の長さが異なる場合に、取付フレーム102に対する開閉植付体88F,88Rの位置を上下調整して移植物の長短の応じた開閉植付体88F,88Rの収容長さにして移植物の全体を納めて、開閉植付体88F,88Rが昇降する際に移植物を損傷しない。
【0010】
請求項4に記載の発明は、供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとし、該開閉植付体88F,88Rの内部に移植物を受ける移植物支持体107を下方に向かって間隔を狭めて設け、該移植物支持体107が移植物を保持する程度まで開閉植付体88F,88Rを閉じた後に開閉植付体88F,88Rの先端が地表に達する前に閉じるようにしたことを特徴とする移植機とする。
【0011】
この構成で、開閉植付体88F,88R内に供給される移植物が移植物支持体107で受け止められことで、開閉植付体88F,88Rの内部に土や異物が溜まらず下方に落下した後に、開閉植付体88F,88Rの先端が地表に達する前に閉じて土中に侵入し、移植物を圃場に植付ける。
【0012】
請求項5に記載の発明は、移植物支持体107を弾性を有する杆体で構成したことを特徴とする請求項4記載の移植機とする。
この構成で、開閉植付体88F,88R内に供給される移植物が移植物支持体107で受け止められ際に、移植物の大きさに応じて移植物支持体107が変形して受け止め、開閉植付体88F,88Rの先端が地表に達する前に閉じて土中に侵入し、移植物を圃場に植付ける。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明で、移植物の大小に応じた開閉植付体88F,88Rの収容容量とすることが出来る。
また、請求項2に記載の発明で、移植物の長短に応じた開閉植付体88F,88Rの収容容量とすることが出来る。
【0014】
また、請求項3に記載の発明で、移植物の大小及び移植物の長短に応じた開閉植付体88F,88Rの収容容量とすることが出来る。
また、請求項4に記載の発明で、開閉植付体88F,88R内に供給される移植物が移植物支持体107で受け止められことで、開閉植付体88F,88Rの内部に土や異物が溜まらず下方に落下し、長時間に亘り移植作業が良好に行える。
【0015】
また、請求項5に記載の発明で、大小の移植物を弾性を有する杆体で構成した移植物支持体107で安定良く受け止めて、移植を良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】移植機の平面図である。
【図3】植付ホッパの拡大側面図である。
【図4】開閉植付体の側面図である。
【図5】開閉植付体の側面図である。
【図6】機体の油圧昇降機構の概略説明図である。
【図7】ロート状上部筒部の斜視図である。
【図8】植付体の分解斜視図である。
【図9】前植付体の斜視図である、
【図10】前植付体の断面図である。
【図11】要部の作用説明用拡大平面図である。
【図12】植付け例を示す作用説明用平面図である。
【図13】要部の拡大斜視図である。
【図14】鎮圧具の装着構成を説明する一部断面背面図である。
【図15】要部の拡大斜視図である。
【図16】要部の側面図である。
【図17】ロータリスプール軸部の拡大断面側面図である。
【図18】別実施例の平面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の一実施形態である2条植え苗植機を以下に説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル8を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン6を配置した側を前とする。そして、機体後部において機体前方に向って立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
【0018】
車体2は、主フレーム2aの前部にエンジン6、及びミッションケース7を配置して、主フレーム2aの後端部に操縦ハンドル8を設け、このミッションケース7の両側に張出する左右アクスルハウジング9周りに回動する回動筒部9aに各々上下揺動する左右車輪ケース1を設け、この車輪ケース1の後端部に設けた車軸11に車輪としての後輪10を軸装して、これら左右の後輪10と、車体2前端部に設けた前輪軸12に軸装した左右の前輪13とによって走行する構成にしている。尚、エンジン6の左側面部には該エンジン6の動力で駆動する油圧ポンプ6aが設けられている。また、エンジン6の上側には燃料タンク6bが設けられ、その上部をボンネット6cが覆っている。また、7aは、ミッションケース7の左右両側に基部が固定された左右回動筒部9aを車体2へ回動自在に支持する左右支持フレームである。
【0019】
図6に示す如く、車体2には機体に対し左右の後輪10を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニットBUから後方に向けて昇降アクチュエータとしての昇降油圧シリンダ15が設けられ、該昇降油圧シリンダ15のピストンロッドの先端部に機体左右方向に長いアームとしての連動アーム16が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。連動アーム16の左右両端部と、回動筒部9aに固着した左右ハウジングアーム14とが、連結体としての左右ロッド18を介して連結されている。左側の左ロッド18は、ローリングアクチュエータとしてのローリングシリンダ17が組み込まれており、該ローリングシリンダ17を伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
【0020】
昇降油圧シリンダ15及びローリングシリンダ17は、各々前記油圧ポンプ6aから供給される作動油を油圧バルブユニットBU内の昇降制御バルブ49とローリング制御バルブ48とで制御して作動させられる。昇降油圧シリンダ15を伸縮作動させると、左右後輪10が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ17を伸縮作動させると、左後輪10が機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0021】
5は畝Aの上面を検出する昇降センサであって、該昇降センサ5が上下回動すると、その回動を連結ロッド5dにて昇降制御バルブ49に伝え、昇降センサ5の角度が元に戻る方向に昇降油圧シリンダ15を作動させる(昇降制御)。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御し、畝の高さ変更に係わらず常に苗の植付深さが一定になるように制御され、植付後の苗の成育が良い。
【0022】
なお、油圧バルブユニットBU内のローリング制御バルブ48は後述の左右鎮圧具4の相対高さの変動による畝A上面の左右傾斜検出に連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ17が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。
【0023】
即ち、一方のハウジングアーム14と連動アーム16の側端部との間を連結する一側部の前記ローリングシリンダ17の伸縮によって、この側の後輪10を、他側部の前記ロッド18によって連結された側の後輪10に対して昇降させて、車体2をローリングさせて、車体2の左右傾斜を水平にしたり、土壌面に対して平行状にしたりすることができ、車体2の左右傾斜姿勢を制御することができる。そして、このような昇降制御は、後述の昇降センサ5の検出により行い、ローリング制御は、苗植位置の植付けた苗に対して左右側部から鎮圧作用を行なう鎮圧具4によって左右傾斜状態を検出して行うものである。
【0024】
ここにおいて、左右車輪ケース1を、車体2に対して上下揺動可能に設けた苗植機において、機体左右方向に2つ並列して配置した左右苗植付具としての左右植付ホッパ3による左右各苗植付位置を鎮圧する左右鎮圧具4の上下揺動によってローリング制御する構成である。植付ホッパ3の昇降によって圃場に植付けた苗の左右側方を鎮圧具4によって鎮圧し、苗植付姿勢を安定した状態とする。このとき、左右の苗植付位置を各々鎮圧する左右鎮圧具4を、苗植付土壌面の左右傾斜を検出するセンサとして機能する構成にしている。左右の各鎮圧具4は、左右の苗植位置毎に独立的に上下揺動して、この揺動位置の高さの差異によって植付土壌面の左右傾斜を検出して、これらの土壌面の傾斜検出によって前記一方の車輪ケース1を上下に揺動させて、車体2を土壌面と左右平行状に維持するようにローリング制御する。
【0025】
また、前記左右車輪ケース1の非苗植位置への揺動(左右後輪10を最下動させて機体を最も上昇させた状態)によって、左右両鎮圧具4を非接地高さへ上昇するように連動構成している。即ち、機体を高く上昇させるときは、左右車輪ケース1を最下動させて車体2を非苗植姿勢に上昇させ、左右鎮圧具4が非作用姿勢位置へ連動して上昇され、車体2の走行旋回の邪魔にならない状態となり、容易に機体の旋回が行える。
【0026】
また、操縦ハンドル8の基部には操作パネル8aが設けられ、該操作パネル8aに、昇降制御バルブ49を手動操作して機体を手動にて上下動させると共に植付部の駆動を止める植付昇降レバー8bとメインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー8cが設けられている。また、操作パネル8aの前側に左右のハンドル杆を繋ぐガードパイプ109を設けて、前から苗箱等が操作パネル8aに当たるのを防いでいる。ガードパイプ109の左右両端はループ状の屈曲部109aに形成し、機体を吊るしたり運搬用ロープを掛けたりするようにしている。
【0027】
前記植付ホッパ3は、左右一定間隔位置に配置の2条植え構成として、左右後輪10間の後側幅内に配置している。車体2の後部には、ターンテーブル構成に複数のカップ19を連接して回転搬送する供給装置20を設け、この供給装置20の機体後側の下側に植付ホッパ3を左右に2つ配置している。このカップ19を左右方向へ回転することによって、車体2上部の補助苗受台21に予め搭載されている苗トレイから苗を取出しながら各カップ19へ供給する。この各カップ19が回転して植付ホッパ3の上側に位置したときは、カップ底部のシャッタが開かれて、収容していた苗を下側の植付ホッパ3に落下供給する構成である。
【0028】
ここで、植付ホッパ3の駆動構成を図3乃至図5で詳細に説明する。
植付ホッパ3は、供給装置20の供給カップ19のシャッタが開いて落下供給された苗を受けるロート状上部筒部87aと該上部筒部87aの下方に位置して閉じた状態で内部に苗を保持し、圃場の土中に突入した時に前後に開いて保持した苗を開放し植付ける植付ホッパ部88を装備している。
【0029】
なお、芋等の球根類を移植物として植え付ける場合には、図7に示す如く、上部筒部87aの入口に、小径孔から放射状に切り込みを入れたゴム製の入口カバー108を設けて、球根類が跳ね出すのを防ぐ。
【0030】
そして、植付ホッパ3は、前部が植付伝動ケース86に回動自在に上下前部支持軸90F,103Fに支持されて植付伝動ケース86内の駆動機構にてその後部が上下方向に作動するリンク機構89の上下後部支持軸90B,103Bに装着支持されており、植付ホッパ3の上部筒部87aの上部開口部が供給装置20の供給カップ19の下方位置近くに位置する状態(供給カップ19のシャッタが開いて植付ホッパ3内に苗が落下供給される状態)から、植付ホッパ3の植付ホッパ部88の下端が圃場の土中に突入して前後に開いて保持した苗を開放し植付ける状態にするように上下動する構成となっている。
【0031】
植付ホッパ部88は、嘴状の前植付体88Fと後植付体88Rで内部に苗を収納できる構成となっている。そして、前植付体88Fと後植付体88Rは、共にその上部が植付ホッパ3の取付フレーム102に設けた前支持軸91Fと後支持軸91Bに前後方向に回動自在に各々枢支されている。そして、前植付体88Fと後植付体88Rには、各々、回動作動用前アーム92Fと回動作動用後アーム92Bが一体回動するように装着されている。また、回動作動用前アーム92Fには係止ピン94の基部が溶接固着され、係止ピン94の先端部は回動作動用後アーム92Bに設けた係合孔95に係合し、回動作動用前アーム92Fによる前植付体88Fの前方開放回動に連動して、回動作動用後アーム92Bが回動して後植付体88Rが後方開放回動する構成となっている。
【0032】
一方、回動作動用前アーム92Fの前部に上方に向けて設けた連係アーム部93の上部が、リンク機構89の上後部支持軸90Bに自由回動自在に装着されたL字状の中継アーム96の前端部に連結されている。そして、リンク機構89の上前部支持軸90Fに矢印イ方向に付勢された従動アーム97の先端に従動ローラ98を回転自在に設け、従動アーム97の先端部と中継アーム96の下端部を連結ロッド99で連結している。リンク機構89の下前部支持軸90Fには、植付ホッパ3の上下作動に連動して回転する駆動カム100が設けられており、該駆動カム100の外周面には上記の従動ローラ98が接当している。
【0033】
従って、植付ホッパ部88が圃場面から供給カップ19の下方位置近くに上動移動して最上動位置に来る手前で、従動ローラ98は駆動カム100のカム形状によって半開状態となって、前植付体88Fと後植付体88Rで植付ホッパ部88内部に苗を保持できる状態となる。
【0034】
そして、最上動位置で供給カップ19のシャッタが開いて植付ホッパ部88内に苗が落下供給された後、植付ホッパ部88が圃場の土中に突入するまで下動した時に、従動ローラ98は駆動カム100の最小径を経て最大径に接当する状態となって、従動アーム97が矢印ロ方向に揺動して連結ロッド99を引き、中継アーム96及び回動作動用前アーム92Fを介して、一旦全閉して土中に侵入した後に前植付体88Fの前方開放回動に連動して、回動作動用後アーム92Bが回動して後植付体88Rが後方開放回動し、前後に開いて保持した苗を開放して圃場中に植付ける。
【0035】
以上のように、前植付体88Fと後植付体88Rの開閉動作は、駆動カム100のカム形状によって決まり、図3のカム形状では、前植付体88Fと後植付体88Rが降下して畝Aの上面に突き刺さる直前まで半開き状態を保ち、閉じた状態で畝Aに突き刺さり、最下位置で最大に開いて苗を土壌内に残して上昇するようになる。この前植付体88Fと後植付体88Rの開閉動作は、閉じる間隔が短く、閉じる際に発せする騒音を少なくする効果が有る。
【0036】
この前植付体88Fと後植付体88Rの内部には、図8に示す如く、それぞれ二本の弾性を有するピアノ線等の杆体からなる苗支持体107を下方に向かって間隔を狭めた状態で設けていて、苗の根鉢を保持して前植付体88Fと後植付体88Rが最大に開いた時に苗を放して土壌中に落下する。
【0037】
前植付体88Fと後植付体88Rは、二枚の分割植付体を重ねた構成としていて、重ね代を変更することで前植付体88Fと後植付体88Rの内部収容容量を変更出来るようにしている。例えば、図9と図10に前植付体88Fを示す如く、内分割植付体88Fbに外に向けて突出させたスタッドボルト82を外分割植付体88Faに上下二か所の横方向長孔81に嵌合してナットで止めることで、内分割植付体88Fbと外分割植付体88Faの重ね代を変更出来るようにしている。
【0038】
また、内分割植付体88Fbの上方に向けて設けた取付片83にスタッドボルト84を外に向けて突設し、取付フレーム102に設ける上下方向の長孔85に嵌合し、ナットで締め付けることで、前植付体88Fと後植付体88Rを上下に位置変更して内部に茎の長い苗を収容できるようにする。
【0039】
回動作動用前アーム92Fと回動作動用後アーム92Bの各上部には各々把持部101が設けられており、両把持部101を握り締めることにより、前植付体88Fを前方開放回動させ、後植付体88Rを後方開放回動させることができる。即ち、機体を止めた状態で、両把持部101を握り締め操作することにより、手動で植付ホッパ部88の前植付体88F及び後植付体88Rを開放回動させて、植付ホッパ部88内部に溜まった泥土やゴミ等を容易に掃除することができる。
【0040】
尚、上例では前後の前植付体88F及び後植付体88Rが機体進行方向に沿って前後に開く例を示したが、左右の植付体が機体進行方向に対して左右に開く構成とした場合にも、上記と同様の機能構成を応用できる。
【0041】
次に、図11と図12で、左右後輪10の左右位置調節(トレッド調節)の構成について説明する。
ミッションケース7の両側に張出する左右アクスルハウジング9周りに回動する左右回動筒部9aに各々上下揺動する左右車輪ケース1を設け、この左右車輪ケース1の後端部に各々設けた左右車軸11に後輪10を設けているが、左右回動筒部9aの左右両端部側の内部には各々左右車輪ケース1の基部に各々固定した左右移動筒体9cが嵌入支持されており、左右取手付きボルト9dにて左右移動を固定している。左右後輪10の左右位置調節(トレッド調節)を行う場合には、左右取手付きボルト9dを緩めて、左右回動筒部9aに対して左右移動筒体9cを機体左右方向に移動させて左右後輪10の位置調節を行い、再び左右取手付きボルト9dを締めて左右回動筒部9aに左右移動筒体9cを固定する。このようにして、左右後輪10は、自由にその左右位置調節(トレッド調節)を行うことができる。図に示すように、後輪10を車輪ケース1の内側に付ければトレッドは最短となる。
【0042】
ここで、1畝に往復4条植えを行う例を説明すると、左後輪10は左車輪ケース1の内側に装着して機体中心からの距離を450mmとし(このとき、左後輪10は左植付ホッパ3の平行リンクアーム25、26前方の空間部Kに位置させて、左苗植付位置のすぐ近傍に左後輪10は配置される)、右後輪10は機体中心からの距離を725mmに設定する。そして、左右植付ホッパ3の植付位置及び左右鎮圧具4の苗鎮圧位置は、機体中心から250mmに設定する。そして、左右後輪10で畝Aを跨がして各々畝溝を走行するようにして、各部を駆動し往路行程で1条目と3条目を植付け、復路行程で2条目と4条目を植付けて、往復で1畝に4条を植付けることができる。
【0043】
左右植付ホッパ3の後方には、各々、これら左右植付ホッパ3によって土壌面(畝)Aに植付けられた苗の左右側方を鎮圧及び覆土する左右鎮圧具4を設ける。この鎮圧具4は、各苗植付位置に対して左右一対の、左右対称状構成とし、支軸32の周りに回転自在に構成して、前側及び上側を左右に開くように傾斜させた構成としている。前記車体2には座席33や、ステップ34等を配置して、作業者が搭乗して補助苗受台21の苗を供給装置20のカップ19へ補給することができる構成としている。尚、鎮圧具4の前側の開き角度がボルト4aを緩めて調節できる構成としており、圃場条件や苗条件に応じて、鎮圧具4の圃場に植付けた苗に対する土寄せ量を変更できるようにして、圃場の条件や色々な苗に対応できるようにしている。
【0044】
次に、主として図13と図14に基づいて、左右鎮圧具4の装着構成及び作用について説明する。
前記車体2の後部に左右取付ブラケット38によって取付ける鎮圧フレーム39に、横方向に沿って外周面が正六角軸で内部に円形状の貫通孔を形成した左右一対の左右鎮圧アーム軸40L・40Rを、内側端を向かい合わせた状態で断面が円形状の回動軸40aに回動自在に設けている。そして、左右鎮圧具4は、この左右鎮圧アーム軸40L・40Rに各々正六角穴で嵌合した左右アームボス42に前端を溶接固定した左右鎮圧アーム41の後端に設けている。この左右アームボス42は、左右ロック部材43によって、横軸方向へ移動固定可能に設け、左右鎮圧具4の鎮圧位置を左右に移動調節することができる。
【0045】
ここで、左右ロック部材43は同様の構成なので、左ロック部材43について構成を説明すると、左アームボス42に基部を溶接固定した左ロックアームステー42aの先端部に左ロックアーム43aの基部を回動自在に支持しており、左ロックアーム43aの基部には左カム43bを一体に構成している。そして、左カム43bの下方位置で左アームボス42に設けた左貫通孔42bに円柱状の左ロックピン43cを挿入しており、左ロックアーム43aを上方に回動した開放位置から下方に回動したロック位置にすると、左カム43bが左ロックピン43cの上端面を押圧して、左ロックピン43cが左アームボス42の左貫通孔42bに嵌ったままで、その下端面が左鎮圧アーム軸40Lの外周面に強い圧で押付けられて、左鎮圧アーム軸40Lに対して左アームボス42が固定される。
【0046】
同様に、右ロックアーム43aを上方に回動した開放位置から下方に回動したロック位置にすると、右カム43bが右ロックピン43cの上端面を押圧して、右ロックピン43cが右アームボス42の右貫通孔42bに嵌ったままで、その下端面が右鎮圧アーム軸40Rの外周面に強い圧で押付けられて、右鎮圧アーム軸40Rに対して右アームボス42が固定される。よって、左右ロックアーム43aを操作して、容易に左右鎮圧具4を各々独立して左右位置調節することができる。
【0047】
尚、左右鎮圧アーム軸40L・40Rの内側端を向かい合わせた位置には座金40bを回動軸40aに回動自在に設け、左右鎮圧アーム軸40L・40Rが互いに干渉しないで回動できる構成としている。また、回動軸40aは、鎮圧フレーム39の左右両端部に設けた前記左右取付ブラケット38を下方に延設した左右支持アーム38aにて支持架設して固定している。
【0048】
左右鎮圧アーム41の後端部を各々背面視で門形状のリヤフレーム44に形成して、このリヤフレーム44の左右両側部に左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4を配置して、支軸32で回転自在に支持している。このリヤフレーム44は、畝Aに植付けた苗の上部を左右にまたいで前進方向へ移動することができる構成となっている。
【0049】
また、このリヤフレーム44の上部左右方向中央部にロッド貫通孔44aを設けて、上端部を主フレーム2aに回動自在に支持させた縦方向のロッド46aの下部を該ロッド貫通孔44aに貫通した状態で設けている。そして、リヤフレーム44のロッド貫通孔44aを貫通したロッド46aの下端部に設けた座金46bとリヤフレーム44の下面との間にバネ係数の小さい弱い圧縮バネ46cを装着し、ロッド46aの中途部に設けたバネストッパー部材Tとリヤフレーム44の上面との間にバネ係数の大きい強い圧縮バネ46dを装着しており、強い圧縮バネ46dと弱い圧縮バネ46cの付勢力の差分だけ、左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4を下方に付勢する構成としている。
【0050】
そして、バネストッパー部材Tは、ロッド46aが貫通する第1貫通孔T1を設けた強い圧縮バネ46dの上端を受ける受け板T2と、該受け板T2と円筒状のカラーT3を介在させてボルトT4にて一体にしたストッパー板T5及びバネ板T6にて構成されている。
【0051】
そして、ストッパー板T5及びバネ板T6はボルトT4にて共に固定された位置から先端側が離れたV字状に装着されており、且つ、ストッパー板T5に第2貫通孔T7を設け、バネ板T6に第3貫通孔T8を設けて、第2貫通孔T7及び第3貫通孔T8を共にロッド46aが貫通する状態とした構成になっている。また、バネ板T6は、Z方向に付勢力を持つ状態で装着されており、このバネ板T6のZ方向の付勢力でストッパー板T5の第2貫通孔T7部とロッド46aが強い力で接当した状態となっており、バネストッパー部材Tはロッド46aの一定位置で固定された状態となって強い圧縮バネ46dの上端を受け止める。
【0052】
従って、作業者がストッパー板T5及びバネ板T6の先端部を2つの指で摘まんでV字状になっている状態から両者を近づける方向に変形させると、前記バネ板T6のZ方向の付勢力でストッパー板T5の第2貫通孔T7部とロッド46aが強い力で接当した状態が開放されて、バネストッパー部材Tをロッド46aに沿って移動位置調節することができ、自由に且つ容易に強い圧縮バネ46dのバネ圧を調節することができて、左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4の鎮圧圧力を調整できる。
【0053】
また、強い圧縮バネ46dと弱い圧縮バネ46cを入れ替えると、更に、バネ圧の調節幅がひろくなって、圃場に対する左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4の鎮圧圧力の調節が広い範囲で行なえ、左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4の圃場適応性が向上する。
【0054】
また、鎮圧アーム41は、前側の基端側アーム41aと後側の主アーム41bとで構成されており、基端側アーム41aの後端部に溶接固着した前支持フランジ41a’と後側の主アーム41bの前端部に溶接固着した後支持フランジ41b’に各々設けた縦長の長孔41cを貫通して設けた固定用ボルト及びナット41dで、前支持フランジ41a’と後支持フランジ41b’を固定して、基端側アーム41aと主アーム41bが一体で作動する構成となっている。
【0055】
従って、固定用ボルト及びナット41dを緩めて、基端側アーム41aに対して主アーム41bの上下位置を調節できる構成となっている。
即ち、前支持フランジ41a’に対して後支持フランジ41b’を下げた位置で固定用ボルト及びナット41dを締付ければ、基端側アーム41aに対して主アーム41bは下がった位置となり、鎮圧アーム41後部に設けた鎮圧具4は下降した位置で畝A上面に接地する状態となる。逆に、前支持フランジ41a’に対して後支持フランジ41b’を上げた位置で固定用ボルト及びナット41dを締付ければ、基端側アーム41aに対して主アーム41bは上がった位置となり、鎮圧アーム41後部に設けた鎮圧具4は上動した位置で畝A上面に接地する状態となる。
【0056】
従って、昇降センサ5の基準位置を変更して苗の植付け深さを変えた場合に、その植付け深さ変更に応じて左右の鎮圧具4を上下に位置調節することができて、適切な鎮圧作用が行えて苗の植付け姿勢が良くなり、適正な苗の移植作業が行える。
【0057】
また、左右後輪10及び左右前輪13が2つの畝Aを跨いで走行して、各畝Aに1条ずつ苗の植付けを行なう場合に、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合、各々の畝A高さに合わせて左右の鎮圧具4を上下に位置調節すると、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合でも、各畝Aに植付けた苗に対して各々適切な鎮圧作用が行えて苗の植付け姿勢が良くなり、適正な苗の移植作業が行える。
【0058】
更に、この実施例では左右鎮圧輪4の接地高さの差で機体をローリング制御する構成であるが、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合、各々の畝A高さに合わせて左右の鎮圧具4を上下に位置調節すると、ローリング制御のローリング基準を同時に変更して跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる状態の基準に変更されることとなり、圃場全体が機体左右方向で傾斜している時に、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる状態の基準で機体のローリング制御が行われて、高さが各々異なる2つの畝Aの両方に適切な苗の植付け深さで適正に苗を移植することができる。
【0059】
上記のようにして左右鎮圧輪4の左右上下支持装置Sが構成されている。
前記左右各鎮圧アーム軸40L・40Rの外端部(左右支持アーム38aの外側に延設した部位)には各々一体回動する左右センサアーム47を設け、各センサアーム47の上端部は各々が平行状になるように構成されており、一方のセンサアーム47にローリング制御バルブ48を切替え作動させるセンサワイヤ50のアウターワイヤ受け50aを装着し、他方のセンサアーム47にセンサワイヤ50のインナーワイヤ受け50bを装着している。
【0060】
従って、左右鎮圧具4が同方向に上下動する時は、各センサアーム47の上端部間隔が変化しないので、センサワイヤ50はローリング制御バルブ48を切替え作動しない。また、左右の畝A上面の高さが異なって左右鎮圧具40の上下移動量が異なる場合には、各センサアーム47の上端部間隔が変化するので、センサワイヤ50はローリング制御バルブ48を切替え作動する。
【0061】
例えば、右鎮圧具4が左鎮圧具4の位置よりも上動した場合(畝Aは機体左右方向で右側が高い場合)には、各センサアーム47の上端部間隔が狭まり、センサワイヤ50のインナーワイヤIN−Wが押されてローリング制御バルブ48を切替え作動して、ローリングシリンダ17を縮小作動させ、左後輪10を下動させて機体が畝に機体左右方向で平行になるようにローリング制御する。逆に、左鎮圧具4が右鎮圧具4の位置よりも上動した場合(畝Aは機体左右方向で左側が高い場合)には、各センサアーム47の上端部間隔が広がり、センサワイヤ50のインナーワイヤIN−Wが引かれてローリング制御バルブ48を切替え作動して、ローリングシリンダ17を伸ばす方向に作動させ、左後輪10を上動させて機体が畝に機体左右方向で平行になるようにローリング制御する。
【0062】
また、各センサアーム47の平行状に設けられた上端部には、各々上下方向の長穴47aが各々設けられており、該各長穴47aに各々上記のアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bが上下方向に移動調節自在且つ締め付けボルト50cにて位置固定自在に設けられている。
【0063】
従って、締め付けボルト50cを緩めて、各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47の下方向に移動させて固定すると、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化に対して、インナーワイヤIN−Wの押し引き量が少なくなるので(各センサアーム47の回動支点とアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bとの距離KLが短くなり、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が大きくてもインナーワイヤIN−Wの押し引き量は小さくなるので)、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が大きくないとローリング制御が作動しないような鈍感なローリング制御状態となる。
【0064】
逆に、締め付けボルト50cを緩めて、各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47の上方向に移動させて固定すると、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化に対して、インナーワイヤIN−Wの押し引き量が多くなるので(各センサアーム47の回動支点とアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bとの距離KLが長くなり、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が小さくてもインナーワイヤIN−Wの押し引き量は大きくなるので)、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が小さくてもローリング制御が作動するような敏感なローリング制御状態となる。
【0065】
よって、センサワイヤ50を各センサアーム47から外すことなく、単に各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47上をスライド移動させるだけで簡単にローリング制御の感度調節を行うことができる。尚、各センサアーム47には、感度調節位置を示すマークMが刻印されている。
【0066】
尚、アウターワイヤ受け50aにはインナーワイヤIN−Wの張り方向に沿って凹み部50a’が設けてあり、該凹み部50a’にインナーワイヤ受け50bの係合片部50b’が嵌り込んだ状態となっており、左右鎮圧輪4の上下作動量が大きく変動しても、インナーワイヤ受け50bの係合片部50b’がアウターワイヤ受け50aの凹み部50a’の前後端に接当して、各センサアーム47の平行状に設けられた上端部の開き量は規制された構成となっている。即ち、各センサアーム47は、ローリング制御検出に必要な量だけ作動する構成となっている(各センサアーム47が大きく開いて、インナーワイヤIN−Wを切ってしまうような事態を回避できる)。
【0067】
上記のように鎮圧フレーム39の左右外側に設けた左右支持アーム38aの内側に左右鎮圧アーム軸40L・40Rを設けて、この左右鎮圧アーム軸40L・40Rに各々嵌合した左右アームボス42に前端を溶接固定した左右鎮圧アーム41の後端に左右鎮圧具4を設け、この左右アームボス42を左右ロック部材43の左右ロックアーム43aを操作することによって、横軸方向へ移動固定可能に設けて、左右鎮圧具4の鎮圧位置を左右に移動調節することができる構成とし、且つ、左右センサアーム47を左右鎮圧アーム軸40L・40Rの外側端に配置させた構成としたので、左右鎮圧輪4を鎮圧フレーム39の幅内で大きく左右移動調節することができ、条間調節の領域が広がり、色々な畝や色々な苗に対応して苗植付作業が行える。即ち、多様な圃場条件や苗条件に応じた苗植付作業が行える。
【0068】
また、左右センサアーム47を上方に向けて設けその上端部は各々が平行状になるように構成し、一方のセンサアーム47にローリング制御バルブ48を切替え作動させるセンサワイヤ50のアウターワイヤ受け50aを装着し、他方のセンサアーム47にセンサワイヤ50のインナーワイヤ受け50bを装着してローリング制御バルブ48を切替え作動する構成とし、この左右センサアーム47とセンサワイヤ50の連結部を鎮圧フレーム39の左右中央位置で主フレーム2aの上方位置としたので、左右傾斜を検出する部位の前後長さを短く構成できて機体をコンパクトで簡潔な構成とすることができ、且つ、主フレーム2aが左右センサアーム47とセンサワイヤ50の連結部を保護する作用をし、機体の左右ローリング制御が適切に行える。
【0069】
また、センサワイヤ50の中途部には、インナーワイヤ50dに対するアウターワイヤ50eの位置を変更して、左右鎮圧具4の相対上下高さ変動によってローリング制御バルブ48を切替えてローリング制御するローリング制御基準を変更するローリング制御変更操作具50fを設けている。
【0070】
よって、ローリング制御変更操作具50fを機体の左右方向である矢印チ−リ方向に操作してガイド50gにて係止すると、操作した側にローリング制御の基準が移動し(ローリング制御バルブ48の中立位置が移動し)、即ち、左矢印チ方向に操作すると機体の左傾斜を補正するローリング制御が敏感となり、逆に、左矢印リ方向に操作すると機体の右傾斜を補正するローリング制御が敏感となる。
【0071】
そして、このローリング制御変更操作具50fは、作業者が着座する座席33の後方で供給装置20前側の座席側に設けられているので、作業者は供給装置20に苗供給作業をしながら容易に圃場条件に応じてローリング制御変更操作具50fを操作してローリング制御基準を変更することができ、適正な苗の移植作業が行えると共に作業性及び作業効率が良い。
【0072】
ここで、ローリング制御バルブ48を切替え作動させる構成について詳細に説明する。
ローリング制御バルブ48にはその油路を切替えるロータリスプール軸48aを外側方に突出させて設けてあり、該ロータリスプール軸48aに外側端から先ずカラー65を回転自在に遊嵌し、その外側に手動操作アーム66と自動作動アーム67を回動自在に遊嵌し、更にその外側にレバーステー68の基部に形成した小判状孔68aをロータリスプール軸48a先端部に小判状に切削加工した嵌合部48bに嵌合し、その外側に座金69を介在させてボルト70にて各部材(カラー65・手動操作アーム66・自動作動アーム67・レバーステー68)が外側方に抜けないように止めている。従って、レバーステー68が回動操作されると、該レバーステー68と一体にロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられる構成となっている。
【0073】
そして、自動作動アーム67の下端部に前記センサワイヤ50のローリング制御バルブ48側端部が固定されており、自動作動アーム67の上端部には下方に向けて開放した形状の上係合溝67aが設けてあり、該上係合溝67aにローリング操作レバー71の一端部71aが係合する構成となっている。尚、72は引張スプリングであって、油圧バルブユニットBUに固定したスプリング係止アーム73と自動作動アーム67の下端部との間に張られており、前記センサワイヤ50を張った状態に付勢するものである。また、ローリング操作レバー71の把持部71bは、座席33の側部近傍位置になるように配置している。
【0074】
また、手動操作アーム66の上端部には上方に向けて開放した形状の下係合溝66aが設けてあり、該下係合溝66aにローリング操作レバー71の一端部71aが係合する構成となっている。尚、74は引張スプリングであって、油圧バルブユニットBUに固定したスプリング係止アーム73と手動操作アーム66の下端部との間に張られており、手動操作アーム66にてローリング制御バルブ48の油路を切替えるロータリスプール軸48aを作動させる際に、該手動操作アーム66をローリング制御バルブ48が中立位置になるように付勢するものである。
【0075】
また、レバーステー68は、前記のように、その基部がロータリスプール軸48a先端部に嵌合した状態で支持され、機体後方側に直角に折れ曲がった形状になっており、その機体後方側に直角に折れ曲がった部位に基部が溶接され機体左右方向に向けて設けた支持ピン75に前記ローリング操作レバー71が回動自在に支持されている。そして、レバーステー68の支持ピン75よりも先端側に板バネ76の基部を固着し、該板バネ76の先端76aは機体側面視で先端側が尖った三角状に構成し、ローリング操作レバー71に接当する位置まで延設されている。
【0076】
従って、ローリング操作レバー71の把持部71bを作業者が握って下方に押すと、ローリング操作レバー71は支持ピン75まわりに回動して図のように板バネ76の先端76aを乗越えた位置に固定され、リング操作レバー71の一端部71aが自動作動アーム67上端部の上係合溝67aに係合する。すると、前述したように畝A上面の高さの差による左右鎮圧具40の位相差によってセンサワイヤ50が作動して自動作動アーム67が回動し、該自動作動アーム67の回動は上係合溝67aに係合しているローリング操作レバー71に伝わって、該ローリング操作レバー71と一体のレバーステー68を回動させ、該レバーステー68の基部と連結しているロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられて、左右植付ホッパ3が共に適正な植付け深さになるように車体2がローリング制御されて適正な苗の移植作業が行える。
【0077】
このとき、左右鎮圧具40の位相差によってセンサワイヤ50が作動してロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられてローリング制御される様子が、ローリング操作レバー71の把持部71bの回動にて作業者は認知できるので、即ち、ローリング操作レバー71がローリング制御のインジケータの役をなすので、作業者は車体2のローリング制御の状態が即座に分かり安全な作業が効率良く行える。
【0078】
一方、ローリング操作レバー71の把持部71bを作業者が握って上方に引き上げると、ローリング操作レバー71は支持ピン75まわりに回動して板バネ76の先端76aを上方に乗越えた位置に固定され、リング操作レバー71の一端部71aが手動操作アーム66上端部の下係合溝66aに係合する。
【0079】
すると、畝A上面の高さの差による左右鎮圧具40の位相差によってセンサワイヤ50が作動して自動作動アーム67が回動してロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられるローリング制御は中止され、作業者がローリング操作レバー71の把持部71bを握って左右方向に回動させると、その回動操作に応じてレバーステー68の基部と連結しているロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられて、車体2の傾斜角度を手動にて自由な所定の角度に設定することができる。
【0080】
これは、例えば、山地の斜面を横切るように形成された畝Aに苗を植付ける作業を行なう場合、車体2は苗移植作業前進時に谷側に下ろうとする方向に向いて進行しようとする為に、畝Aに沿った苗移植作業が困難になる場合がある。この時、作業者はローリング操作レバー71を操作して手動にて車体2の谷側が高くなるように(即ち、谷側の後輪10が山頂側の後輪10よりも下動した状態になるように)調節すると、車体2が苗移植作業前進時に谷側に下ろうとするのを防止できて、車体2は畝Aに沿って進行し適正な苗移植作業が行なえる。
【0081】
尚、作業者がローリング操作レバー71の把持部71bを握って回動操作して手動にて車体2の傾斜姿勢を定めた後に、作業者が把持部71bから手を離すと、引張スプリング74にて手動操作アーム66はローリング制御バルブ48が中立位置になるように戻されて、その手動による車体2の傾斜姿勢を維持できる。
【0082】
よって、座席33の近傍に設けたローリング操作レバー71によって、車体2のローリング制御状態と手動による車体2の姿勢変更が容易に行なえて作業能率及び作業操作性が非常に良い。
【0083】
一方、昇降油圧シリンダ15を伸縮することによって左右両後輪10を車体2に対して同時に昇降させる昇降制御は、機体と圃場面(畝A上面)との間隔を検出する昇降センサ5の検出により、昇降制御バルブ49を切替えて行う。
【0084】
即ち、鎮圧フレーム39の前部に溶接固定した支持アーム39aの先端に昇降センサ支持板5aを機体左右方向に設けた支持軸5bにて回動自在に支持し、該昇降センサ支持板5aの右側に昇降センサ5をボルト5cにて左右位置調節自在に設けている。そして、昇降センサ5の圃場面(畝A面)の高さ変動検出にて、支持軸5b回りに昇降センサ支持板5aが回動すると、その回動を連結ロッド5dを介して昇降制御バルブ49が切替え作動する構成となっている。
【0085】
即ち、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が圃場面(畝A面)と接地しており、圃場面(畝A面)が高くなると、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が上動して、昇降センサ支持板5aを支持軸5b回りにイ方向へ回動させ、連結ロッド5dを押して昇降制御バルブ49を切替え作動し、昇降油圧シリンダ15を伸びる方向に作動させて左右後輪10を下動させて、機体と圃場面(畝A面)との間隔が適切な位置になるように昇降制御する。
【0086】
逆に、圃場面(畝A面)が低くなると、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が下動して、昇降センサ支持板5aを支持軸5b回りに反イ方向に回動させ、連結ロッド5dを引いて昇降制御バルブ49を切替え作動し、昇降油圧シリンダ15を縮小する方向に作動させて左右後輪10を上動させて、機体と圃場面(畝A面)との間隔が適切な位置になるように昇降制御する。
【0087】
そして、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’は、右鎮圧具4の前方に位置するように左右位置調節して設け、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が接地する圃場面(畝A面)に右植付ホッパ3が苗を植付け、その後を右鎮圧具4が鎮圧作用する。
【0088】
また、昇降センサ5を機体の左右方向で右側(右植付ホッパ3が苗を植付ける位置の前方及び右鎮圧具4の前方)に位置させた理由は、前記ローリングシリンダ17を機体の左側に配置して左後輪10を上下動させて機体のローリング制御を行う構成としたので、該ローリングシリンダ17を配置した側と機体左右方向で反対側の右側(機体のローリング制御で上下動する左後輪10と機体左右方向で反対側の右側)に昇降センサ5を配置することにより、ローリング制御時に機体の右側は大きく上下動しないので、昇降センサ5にて正確な圃場面(畝A面)の検出が行えて、ローリング制御にあまり影響を受けずに適正な機体の昇降制御が行えて、適切な苗植付け深さで適切に苗の植付け作業が行える。
【0089】
また、支持軸5bと昇降センサ5下端の圃場接地部5’(右鎮圧具4の鎮圧位置)との距離L1よりも、支持軸5bと左鎮圧具4の鎮圧位置との距離L2の方が長くなるように、支持軸5bを配置している。これは、ローリングシリンダ17が機体左側に設けられているので、機体左側はローリング制御の影響による上下動の変化量が大きいが、機体右側はローリング制御による影響が少ないことから、支持軸5bを機体左右中央位置から右側に変位して配置することにより、昇降センサ5がローリング制御の影響を受け難くし、適正な機体の昇降制御が行えるようにしたものである。
【0090】
一方、前記各左右センサアーム47の基端部には、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a後端を連結して、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a前端を機体に固定し、アウタワイヤ51b前端を左右回動筒部9aに基部を固定した左右ハウジングアーム14の中途部に位置調節自在に連結している。尚、各リフトワイヤ51の各アウターワイヤ51bの後端は、各々左右支持アーム38aに位置調節自在に固定されている。
【0091】
従って、この各リフトワイヤ51の連結によって、前記左右車輪ケース1の下動(左右後輪10の下動)により、左右回動筒部9aが回動して左右ハウジングアーム14が後方に回動するので左右インナーワイヤ51aを引き、左右のセンサアーム47がロ方向に回動し、左右各鎮圧アーム41を上方に向けて強制回動することができ、機体旋回時に左右後輪10を最下動させて機体を上昇させた時、自動的に左右鎮圧具4が上方に収納回動されて機体の旋回が容易に行える。尚、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a後端と左右センサアーム47の連結部には、長穴51cで構成した融通機構が設けられており、通常の左右後輪10の昇降制御及びローリング制御による下動では左右鎮圧具4が上方に収納回動されず、機体旋回時の左右後輪10を大きく下動させた時にのみ自動的に左右鎮圧具4が上方に収納回動される構成となっている。
【0092】
そして、各リフトワイヤ51は鎮圧フレーム39の左右外側に配置した左右センサアーム47に連結しているので、各リフトワイヤ51の調節部が鎮圧フレーム39の左右外側に位置し、左右鎮圧輪4の上動作用位置調節が容易に行えて、作業性が良い。
【0093】
また、右鎮圧具4に連結された右センサアーム47を引く右リフトワイヤ51は、左後輪10を上下動させる左回動筒部9a側に連結されており、左鎮圧具4に連結された左センサアーム47を引く左リフトワイヤ51は、右後輪10を上下動させる右回動筒部9a側に連結されている。即ち、左後輪10の下動で右センサアーム47(右鎮圧具10)を上動させ、右後輪10の下動で左センサアーム47(左鎮圧具10)を上動させる構成としている。これは、前記のように左右鎮圧具10の相対上下高さ変動による左右センサアーム47の相対位置変動にてローリング制御バルブ48を切替えてローリングシリンダ17を作動させてローリング制御を行なう構成としたから、もし、左後輪10の下動で左センサアーム47(左鎮圧具10)を上動させ、右後輪10の下動で右センサアーム47(右鎮圧具10)を上動させる構成にすると、右鎮圧具4が上動して右センサアーム47が変位した状態でローリング制御が作動して機体が水平状態になっている時に、機体旋回の為に左右後輪10を下動させると前記ローリング制御でローリングシリンダ17が作動したままで左右後輪10は下動し、機体最上昇時に機体が傾斜した状態となってしまう。そこで、左後輪10の下動で右センサアーム47(右鎮圧具10)を上動させ、右後輪10の下動で左センサアーム47(左鎮圧具10)を上動させる構成とすることにより、機体旋回又は機体移動の為に左右後輪10を下動させると、左右リフトワイヤ51にて左右センサアーム47がローリングシリンダ17を中立位置に戻すようにローリング制御バルブ48を切替えて、機体は水平状態で上昇する。
【0094】
従って、旋回時に機体は水平状態となり良好に且つ容易に旋回作業が行える。また、機体をリフトして圃場間を移動する場合(路上走行の場合)も機体は水平状態となり良好に且つ容易に機体を走行させることができる。
【0095】
前記鎮圧アーム41を左右に移動調節する時は、この調節操作を容易にするために、鎮圧アーム軸40の周りに切欠目印55を形成しておき、この目印55の位置にアームボス42の位置をあわせることによって的確な植付条位置への鎮圧位置決めを行うことができる。
【0096】
60は左右植付ホッパ3の各々の内側に供給する灌水用の水を蓄える左右灌水タンクであって、左右車輪ケース1に各々固着した左右タンク支持フレーム61内に載置されている。即ち、左右灌水タンク60は、左右車輪ケース1に各々固着した左右タンク支持フレーム61に各々支持されて左右車輪ケース1上面に載置された状態となっている。従って、左右灌水タンク60の重量が各々左右車輪ケース1にて支えられた状態で機体は走行して苗植付け作業を行なうので、灌水タンク60内の水量の変動により重量変化が激しい灌水タンク60の重量が機体本体部に掛からず左右車輪ケース1に軸架した左右後輪10にて支えられた構造となり、灌水タンク60の重量変動が機体側に影響を与えることが極力防止されて、良好な走行性能を発揮し適切な苗の植付け作業が行える。
【0097】
更に、灌水タンク60の前後方向中央位置は車軸11よりも若干前方で、苗植付け作業時には車輪ケース1は緩やかに後傾斜した状態なので、灌水タンク60の重心は車軸11よりも前方にあり、左右灌水タンク60の重量が機体側面視で前輪13と後輪10との間に掛かることになるので、機体の走行性能が安定し適切な苗の植付け作業が行える。そして、機体を旋回する際には、車輪ケース1を急傾斜にして左右後輪10を最下動させた状態(機体を上昇させた状態)で旋回走行するので、灌水タンク60の重心は車軸11よりも後方になり、左右灌水タンク60の重量が機体側面視で後輪10よりも後ろに掛かることになり、操縦ハンドル8を作業者が押し下げて機体の後部を下げる操作が容易に行えて、旋回操作が容易で効率良く行える。
【0098】
62は左右灌水タンク60内の水を灌水パイプ63を介して吸い上げて左右植付ホッパ3の内側に灌水パイプ63で供給する灌水用のプランジャポンプであって、基部を主フレーム2aに枢支し、プランジャポンプ62のピストンロッド62aの先端部をクランクアーム軸27に設けた灌水用駆動クランク27aに係合させている。従って、プランジャポンプ62は左右灌水タンク60から水を吸い上げて左右植付ホッパ3の内側に灌水する。その灌水タイミングは、左右植付ホッパ3が苗の植付けを終えた上昇初期に左右植付ホッパ3の内側に灌水されるようになっており、左右植付ホッパ3の内側に付着した泥土を洗い流すと共に、洗い流した水が植付けた苗の上方から灌水できるようになっている。なお、プランジャポンプ62基部を主フレーム2aに枢支する位置を調節可能に構成して、枢支位置とクランクアーム軸27との距離を変更できる構成にすれば、プランジャポンプ62の水の吐出量を変更して苗や圃場条件に応じた適切な灌水が行える。
【0099】
左右の前輪13の間となる機体の前端部には畝Aの上面に接地して該畝Aの終端を検出する畝終端センサ80を設け、該畝終端センサ80は下方に向けてバネで付勢した状態となっており、機体の前進により畝Aのないところに到達して畝終端センサ80がバネの付勢力で下動して、畝Aの終端に到達したことを検出する構成となっている。この畝終端センサ80による畝Aの終端の検出に基づいて、主クラッチを自動的に切って左右の後輪10の駆動と左右植付ホッパ3並びに供給装置20の駆動を停止し、機体を停止させると共に、警報(例えばブザー等の警音)を出して作業者に告知する。これにより、座席33に座る作業者は、機体の進行方向に対して後ろ向きとなり、苗補給作業に集中しているため機体の前方を確認しにくく、機体が畝の終端に達したことに気づかず、周囲の構造物への衝突等の事故を発生させるおそれがあるが、前記畝終端センサ80により畝の終端で機体を自動停止すると共に警報で畝の終端に達したことを告知するため、安全に作業が行え、また機体の前方の状況及び畝の終端の位置を気にせずに供給装置20への苗補給作業を集中して行え、植付作業能率が向上する。
【0100】
この畝終端センサ80は、機体の左右方向右側位置で昇降センサ5下端の圃場接地部5’及び右植付ホッパ3が苗を植付ける位置及び右鎮圧具4の前方に配置されている。即ち、畝終端センサ80及び昇降センサ5下端の圃場接地部5’及び右植付ホッパ3が苗を植付ける位置及び右鎮圧具4は、機体左側に配置されたローリングシリンダ17とは機体左右方向で反対側の機体右側に機体前後方向で一直線上に配置された構成となっている。
【0101】
従って、ローリングシリンダ17を配置した側と機体左右方向で反対側の右側(機体のローリング制御で上下動する左後輪10と機体左右方向で反対側の右側)に畝終端センサ80及び昇降センサ5下端の圃場接地部5’及び右植付ホッパ3が苗を植付ける位置及び右鎮圧具4を機体前後方向で一直線上に配置することにより、ローリング制御時に機体の右側は大きく上下動しないので、畝終端センサ80にて正確な畝Aの終端を検出でき、昇降センサ5にて正確な圃場面(畝A面)の検出が行えて、ローリング制御にあまり影響を受けずに正確な畝Aの終端を検出による各部停止や報知が行え、また、適正な機体の昇降制御が行えて、適切な苗植付け深さで適切に苗の植付け作業が行える。尚、畝終端センサ80も他の部材と同様に、ボルト80aを緩めて畝終端センサ80の基部を機体左右方向に移動調節して再びボルト80aにて固定することにより、機体左右方向に位置調節をすることができる。
【0102】
図18は、機体の左右側部に格子状の刈置き台87を設けた実施例で、車体2に立設した支持枠110に内外水平に保持するようにして、外側に張り出すと苗箱を搭載出来るようにしていて、不使用時には内側へ畳み込んで座席33への乗降に支障のないようにする。
【符号の説明】
【0103】
3 植付ホッパ
20 供給装置
107 移植物支持体
88F,88R 開閉植付体
88Fa,88Fb,88Ra,88Rb 分割植付体
102 取付フレーム
【技術分野】
【0001】
種芋等の球根類や鉢苗等の移植物を圃場に植付ける移植機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
作業者によって供給部へ供給された移植物を走行しながら圃場に植付ける移植機が知られている。例えば、特許文献1に示されるように、種芋を貯留する種芋載せ台と、該種芋載せ台から種芋が移動して収容される収容部と、該収容部の下方に配置された複数の供給カップを設けた供給部と、該供給部から受け取った種芋を植付具が昇降植付動作をして圃場に植付ける植付装置を装備した球根類の移植機がある。この球根類の移植機は、作業者が供給部の中央上方に配置された収容部から種芋を取出して供給部の各供給カップに入れる作業を行うだけで移植物の植付が行われて、作業性が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−51613号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の移植機は、植付具が一定の容量を有し、有る程度決まった大きさの種芋や鉢苗しか移植できない。
そこで、本発明は、移植具の収容容量を変更可能にして、種々の移植物を移植できるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記本発明の課題は、次の技術手段により解決される。
請求項1に記載の発明は、供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとすると共に、該開閉植付体88F,88Rをさらに二分割して一部を重ねた断面が円弧状の分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbで構成し、この分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を調整可能にして開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更可能にしたことを特徴とする移植機とする。
【0006】
この構成で、分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を変更して開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更することで、移植物の大小に応じた最適の収容容量に出来る。
【0007】
請求項2に記載の発明は、供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとし、該開閉植付体88F,88Rを上部の取付フレーム102に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする移植機とする。
【0008】
この構成で、移植物の長さが異なる場合に、取付フレーム102に対する開閉植付体88F,88Rの位置を上下調整して移植物の長短の応じた開閉植付体88F,88Rの収容長さにして移植物の全体を納めて、開閉植付体88F,88Rが昇降する際に移植物を損傷しない。
【0009】
請求項3に記載の発明は、開閉植付体(88F,88R)を上部の取付フレーム(102)に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載の移植機とする。
この構成で、分割植付体88Fa,88Fb,88Ra,88Rbの重ね代を変更して開閉植付体88F,88Rの収容容量を変更することで、移植物の大小に応じた最適の収容容量に出来ると共に、移植物の長さが異なる場合に、取付フレーム102に対する開閉植付体88F,88Rの位置を上下調整して移植物の長短の応じた開閉植付体88F,88Rの収容長さにして移植物の全体を納めて、開閉植付体88F,88Rが昇降する際に移植物を損傷しない。
【0010】
請求項4に記載の発明は、供給装置20から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ3を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体88F,88Rとし、該開閉植付体88F,88Rの内部に移植物を受ける移植物支持体107を下方に向かって間隔を狭めて設け、該移植物支持体107が移植物を保持する程度まで開閉植付体88F,88Rを閉じた後に開閉植付体88F,88Rの先端が地表に達する前に閉じるようにしたことを特徴とする移植機とする。
【0011】
この構成で、開閉植付体88F,88R内に供給される移植物が移植物支持体107で受け止められことで、開閉植付体88F,88Rの内部に土や異物が溜まらず下方に落下した後に、開閉植付体88F,88Rの先端が地表に達する前に閉じて土中に侵入し、移植物を圃場に植付ける。
【0012】
請求項5に記載の発明は、移植物支持体107を弾性を有する杆体で構成したことを特徴とする請求項4記載の移植機とする。
この構成で、開閉植付体88F,88R内に供給される移植物が移植物支持体107で受け止められ際に、移植物の大きさに応じて移植物支持体107が変形して受け止め、開閉植付体88F,88Rの先端が地表に達する前に閉じて土中に侵入し、移植物を圃場に植付ける。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明で、移植物の大小に応じた開閉植付体88F,88Rの収容容量とすることが出来る。
また、請求項2に記載の発明で、移植物の長短に応じた開閉植付体88F,88Rの収容容量とすることが出来る。
【0014】
また、請求項3に記載の発明で、移植物の大小及び移植物の長短に応じた開閉植付体88F,88Rの収容容量とすることが出来る。
また、請求項4に記載の発明で、開閉植付体88F,88R内に供給される移植物が移植物支持体107で受け止められことで、開閉植付体88F,88Rの内部に土や異物が溜まらず下方に落下し、長時間に亘り移植作業が良好に行える。
【0015】
また、請求項5に記載の発明で、大小の移植物を弾性を有する杆体で構成した移植物支持体107で安定良く受け止めて、移植を良好に行える。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】移植機の平面図である。
【図3】植付ホッパの拡大側面図である。
【図4】開閉植付体の側面図である。
【図5】開閉植付体の側面図である。
【図6】機体の油圧昇降機構の概略説明図である。
【図7】ロート状上部筒部の斜視図である。
【図8】植付体の分解斜視図である。
【図9】前植付体の斜視図である、
【図10】前植付体の断面図である。
【図11】要部の作用説明用拡大平面図である。
【図12】植付け例を示す作用説明用平面図である。
【図13】要部の拡大斜視図である。
【図14】鎮圧具の装着構成を説明する一部断面背面図である。
【図15】要部の拡大斜視図である。
【図16】要部の側面図である。
【図17】ロータリスプール軸部の拡大断面側面図である。
【図18】別実施例の平面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
この発明の一実施形態である2条植え苗植機を以下に説明する。尚、以下の説明では、操縦ハンドル8を配置した側を後とし、その反対側、即ちエンジン6を配置した側を前とする。そして、機体後部において機体前方に向って立つ作業者の右手側を右とし、左手側を左とする。
【0018】
車体2は、主フレーム2aの前部にエンジン6、及びミッションケース7を配置して、主フレーム2aの後端部に操縦ハンドル8を設け、このミッションケース7の両側に張出する左右アクスルハウジング9周りに回動する回動筒部9aに各々上下揺動する左右車輪ケース1を設け、この車輪ケース1の後端部に設けた車軸11に車輪としての後輪10を軸装して、これら左右の後輪10と、車体2前端部に設けた前輪軸12に軸装した左右の前輪13とによって走行する構成にしている。尚、エンジン6の左側面部には該エンジン6の動力で駆動する油圧ポンプ6aが設けられている。また、エンジン6の上側には燃料タンク6bが設けられ、その上部をボンネット6cが覆っている。また、7aは、ミッションケース7の左右両側に基部が固定された左右回動筒部9aを車体2へ回動自在に支持する左右支持フレームである。
【0019】
図6に示す如く、車体2には機体に対し左右の後輪10を上下動させて機体位置を制御する機体制御機構が設けられている。この機体制御機構は、ミッションケース7の上に配置した油圧バルブユニットBUから後方に向けて昇降アクチュエータとしての昇降油圧シリンダ15が設けられ、該昇降油圧シリンダ15のピストンロッドの先端部に機体左右方向に長いアームとしての連動アーム16が上下方向の軸まわりに回動自在に取り付けられている。連動アーム16の左右両端部と、回動筒部9aに固着した左右ハウジングアーム14とが、連結体としての左右ロッド18を介して連結されている。左側の左ロッド18は、ローリングアクチュエータとしてのローリングシリンダ17が組み込まれており、該ローリングシリンダ17を伸縮作動させることにより長さを変えられるようになっている。
【0020】
昇降油圧シリンダ15及びローリングシリンダ17は、各々前記油圧ポンプ6aから供給される作動油を油圧バルブユニットBU内の昇降制御バルブ49とローリング制御バルブ48とで制御して作動させられる。昇降油圧シリンダ15を伸縮作動させると、左右後輪10が同方向に同量だけ機体に対し上下動し、機体が昇降する。また、ローリングシリンダ17を伸縮作動させると、左後輪10が機体に対し上下動し、機体が左右に傾斜する。
【0021】
5は畝Aの上面を検出する昇降センサであって、該昇降センサ5が上下回動すると、その回動を連結ロッド5dにて昇降制御バルブ49に伝え、昇降センサ5の角度が元に戻る方向に昇降油圧シリンダ15を作動させる(昇降制御)。これにより、畝の上面から機体までの高さを一定に維持するように機体を昇降制御し、畝の高さ変更に係わらず常に苗の植付深さが一定になるように制御され、植付後の苗の成育が良い。
【0022】
なお、油圧バルブユニットBU内のローリング制御バルブ48は後述の左右鎮圧具4の相対高さの変動による畝A上面の左右傾斜検出に連動して切り替わるようになっており、機体が左右に傾斜するとローリングシリンダ17が適宜作動し、機体を左右水平に戻すように制御する。
【0023】
即ち、一方のハウジングアーム14と連動アーム16の側端部との間を連結する一側部の前記ローリングシリンダ17の伸縮によって、この側の後輪10を、他側部の前記ロッド18によって連結された側の後輪10に対して昇降させて、車体2をローリングさせて、車体2の左右傾斜を水平にしたり、土壌面に対して平行状にしたりすることができ、車体2の左右傾斜姿勢を制御することができる。そして、このような昇降制御は、後述の昇降センサ5の検出により行い、ローリング制御は、苗植位置の植付けた苗に対して左右側部から鎮圧作用を行なう鎮圧具4によって左右傾斜状態を検出して行うものである。
【0024】
ここにおいて、左右車輪ケース1を、車体2に対して上下揺動可能に設けた苗植機において、機体左右方向に2つ並列して配置した左右苗植付具としての左右植付ホッパ3による左右各苗植付位置を鎮圧する左右鎮圧具4の上下揺動によってローリング制御する構成である。植付ホッパ3の昇降によって圃場に植付けた苗の左右側方を鎮圧具4によって鎮圧し、苗植付姿勢を安定した状態とする。このとき、左右の苗植付位置を各々鎮圧する左右鎮圧具4を、苗植付土壌面の左右傾斜を検出するセンサとして機能する構成にしている。左右の各鎮圧具4は、左右の苗植位置毎に独立的に上下揺動して、この揺動位置の高さの差異によって植付土壌面の左右傾斜を検出して、これらの土壌面の傾斜検出によって前記一方の車輪ケース1を上下に揺動させて、車体2を土壌面と左右平行状に維持するようにローリング制御する。
【0025】
また、前記左右車輪ケース1の非苗植位置への揺動(左右後輪10を最下動させて機体を最も上昇させた状態)によって、左右両鎮圧具4を非接地高さへ上昇するように連動構成している。即ち、機体を高く上昇させるときは、左右車輪ケース1を最下動させて車体2を非苗植姿勢に上昇させ、左右鎮圧具4が非作用姿勢位置へ連動して上昇され、車体2の走行旋回の邪魔にならない状態となり、容易に機体の旋回が行える。
【0026】
また、操縦ハンドル8の基部には操作パネル8aが設けられ、該操作パネル8aに、昇降制御バルブ49を手動操作して機体を手動にて上下動させると共に植付部の駆動を止める植付昇降レバー8bとメインクラッチの入・切操作をするメインクラッチレバー8cが設けられている。また、操作パネル8aの前側に左右のハンドル杆を繋ぐガードパイプ109を設けて、前から苗箱等が操作パネル8aに当たるのを防いでいる。ガードパイプ109の左右両端はループ状の屈曲部109aに形成し、機体を吊るしたり運搬用ロープを掛けたりするようにしている。
【0027】
前記植付ホッパ3は、左右一定間隔位置に配置の2条植え構成として、左右後輪10間の後側幅内に配置している。車体2の後部には、ターンテーブル構成に複数のカップ19を連接して回転搬送する供給装置20を設け、この供給装置20の機体後側の下側に植付ホッパ3を左右に2つ配置している。このカップ19を左右方向へ回転することによって、車体2上部の補助苗受台21に予め搭載されている苗トレイから苗を取出しながら各カップ19へ供給する。この各カップ19が回転して植付ホッパ3の上側に位置したときは、カップ底部のシャッタが開かれて、収容していた苗を下側の植付ホッパ3に落下供給する構成である。
【0028】
ここで、植付ホッパ3の駆動構成を図3乃至図5で詳細に説明する。
植付ホッパ3は、供給装置20の供給カップ19のシャッタが開いて落下供給された苗を受けるロート状上部筒部87aと該上部筒部87aの下方に位置して閉じた状態で内部に苗を保持し、圃場の土中に突入した時に前後に開いて保持した苗を開放し植付ける植付ホッパ部88を装備している。
【0029】
なお、芋等の球根類を移植物として植え付ける場合には、図7に示す如く、上部筒部87aの入口に、小径孔から放射状に切り込みを入れたゴム製の入口カバー108を設けて、球根類が跳ね出すのを防ぐ。
【0030】
そして、植付ホッパ3は、前部が植付伝動ケース86に回動自在に上下前部支持軸90F,103Fに支持されて植付伝動ケース86内の駆動機構にてその後部が上下方向に作動するリンク機構89の上下後部支持軸90B,103Bに装着支持されており、植付ホッパ3の上部筒部87aの上部開口部が供給装置20の供給カップ19の下方位置近くに位置する状態(供給カップ19のシャッタが開いて植付ホッパ3内に苗が落下供給される状態)から、植付ホッパ3の植付ホッパ部88の下端が圃場の土中に突入して前後に開いて保持した苗を開放し植付ける状態にするように上下動する構成となっている。
【0031】
植付ホッパ部88は、嘴状の前植付体88Fと後植付体88Rで内部に苗を収納できる構成となっている。そして、前植付体88Fと後植付体88Rは、共にその上部が植付ホッパ3の取付フレーム102に設けた前支持軸91Fと後支持軸91Bに前後方向に回動自在に各々枢支されている。そして、前植付体88Fと後植付体88Rには、各々、回動作動用前アーム92Fと回動作動用後アーム92Bが一体回動するように装着されている。また、回動作動用前アーム92Fには係止ピン94の基部が溶接固着され、係止ピン94の先端部は回動作動用後アーム92Bに設けた係合孔95に係合し、回動作動用前アーム92Fによる前植付体88Fの前方開放回動に連動して、回動作動用後アーム92Bが回動して後植付体88Rが後方開放回動する構成となっている。
【0032】
一方、回動作動用前アーム92Fの前部に上方に向けて設けた連係アーム部93の上部が、リンク機構89の上後部支持軸90Bに自由回動自在に装着されたL字状の中継アーム96の前端部に連結されている。そして、リンク機構89の上前部支持軸90Fに矢印イ方向に付勢された従動アーム97の先端に従動ローラ98を回転自在に設け、従動アーム97の先端部と中継アーム96の下端部を連結ロッド99で連結している。リンク機構89の下前部支持軸90Fには、植付ホッパ3の上下作動に連動して回転する駆動カム100が設けられており、該駆動カム100の外周面には上記の従動ローラ98が接当している。
【0033】
従って、植付ホッパ部88が圃場面から供給カップ19の下方位置近くに上動移動して最上動位置に来る手前で、従動ローラ98は駆動カム100のカム形状によって半開状態となって、前植付体88Fと後植付体88Rで植付ホッパ部88内部に苗を保持できる状態となる。
【0034】
そして、最上動位置で供給カップ19のシャッタが開いて植付ホッパ部88内に苗が落下供給された後、植付ホッパ部88が圃場の土中に突入するまで下動した時に、従動ローラ98は駆動カム100の最小径を経て最大径に接当する状態となって、従動アーム97が矢印ロ方向に揺動して連結ロッド99を引き、中継アーム96及び回動作動用前アーム92Fを介して、一旦全閉して土中に侵入した後に前植付体88Fの前方開放回動に連動して、回動作動用後アーム92Bが回動して後植付体88Rが後方開放回動し、前後に開いて保持した苗を開放して圃場中に植付ける。
【0035】
以上のように、前植付体88Fと後植付体88Rの開閉動作は、駆動カム100のカム形状によって決まり、図3のカム形状では、前植付体88Fと後植付体88Rが降下して畝Aの上面に突き刺さる直前まで半開き状態を保ち、閉じた状態で畝Aに突き刺さり、最下位置で最大に開いて苗を土壌内に残して上昇するようになる。この前植付体88Fと後植付体88Rの開閉動作は、閉じる間隔が短く、閉じる際に発せする騒音を少なくする効果が有る。
【0036】
この前植付体88Fと後植付体88Rの内部には、図8に示す如く、それぞれ二本の弾性を有するピアノ線等の杆体からなる苗支持体107を下方に向かって間隔を狭めた状態で設けていて、苗の根鉢を保持して前植付体88Fと後植付体88Rが最大に開いた時に苗を放して土壌中に落下する。
【0037】
前植付体88Fと後植付体88Rは、二枚の分割植付体を重ねた構成としていて、重ね代を変更することで前植付体88Fと後植付体88Rの内部収容容量を変更出来るようにしている。例えば、図9と図10に前植付体88Fを示す如く、内分割植付体88Fbに外に向けて突出させたスタッドボルト82を外分割植付体88Faに上下二か所の横方向長孔81に嵌合してナットで止めることで、内分割植付体88Fbと外分割植付体88Faの重ね代を変更出来るようにしている。
【0038】
また、内分割植付体88Fbの上方に向けて設けた取付片83にスタッドボルト84を外に向けて突設し、取付フレーム102に設ける上下方向の長孔85に嵌合し、ナットで締め付けることで、前植付体88Fと後植付体88Rを上下に位置変更して内部に茎の長い苗を収容できるようにする。
【0039】
回動作動用前アーム92Fと回動作動用後アーム92Bの各上部には各々把持部101が設けられており、両把持部101を握り締めることにより、前植付体88Fを前方開放回動させ、後植付体88Rを後方開放回動させることができる。即ち、機体を止めた状態で、両把持部101を握り締め操作することにより、手動で植付ホッパ部88の前植付体88F及び後植付体88Rを開放回動させて、植付ホッパ部88内部に溜まった泥土やゴミ等を容易に掃除することができる。
【0040】
尚、上例では前後の前植付体88F及び後植付体88Rが機体進行方向に沿って前後に開く例を示したが、左右の植付体が機体進行方向に対して左右に開く構成とした場合にも、上記と同様の機能構成を応用できる。
【0041】
次に、図11と図12で、左右後輪10の左右位置調節(トレッド調節)の構成について説明する。
ミッションケース7の両側に張出する左右アクスルハウジング9周りに回動する左右回動筒部9aに各々上下揺動する左右車輪ケース1を設け、この左右車輪ケース1の後端部に各々設けた左右車軸11に後輪10を設けているが、左右回動筒部9aの左右両端部側の内部には各々左右車輪ケース1の基部に各々固定した左右移動筒体9cが嵌入支持されており、左右取手付きボルト9dにて左右移動を固定している。左右後輪10の左右位置調節(トレッド調節)を行う場合には、左右取手付きボルト9dを緩めて、左右回動筒部9aに対して左右移動筒体9cを機体左右方向に移動させて左右後輪10の位置調節を行い、再び左右取手付きボルト9dを締めて左右回動筒部9aに左右移動筒体9cを固定する。このようにして、左右後輪10は、自由にその左右位置調節(トレッド調節)を行うことができる。図に示すように、後輪10を車輪ケース1の内側に付ければトレッドは最短となる。
【0042】
ここで、1畝に往復4条植えを行う例を説明すると、左後輪10は左車輪ケース1の内側に装着して機体中心からの距離を450mmとし(このとき、左後輪10は左植付ホッパ3の平行リンクアーム25、26前方の空間部Kに位置させて、左苗植付位置のすぐ近傍に左後輪10は配置される)、右後輪10は機体中心からの距離を725mmに設定する。そして、左右植付ホッパ3の植付位置及び左右鎮圧具4の苗鎮圧位置は、機体中心から250mmに設定する。そして、左右後輪10で畝Aを跨がして各々畝溝を走行するようにして、各部を駆動し往路行程で1条目と3条目を植付け、復路行程で2条目と4条目を植付けて、往復で1畝に4条を植付けることができる。
【0043】
左右植付ホッパ3の後方には、各々、これら左右植付ホッパ3によって土壌面(畝)Aに植付けられた苗の左右側方を鎮圧及び覆土する左右鎮圧具4を設ける。この鎮圧具4は、各苗植付位置に対して左右一対の、左右対称状構成とし、支軸32の周りに回転自在に構成して、前側及び上側を左右に開くように傾斜させた構成としている。前記車体2には座席33や、ステップ34等を配置して、作業者が搭乗して補助苗受台21の苗を供給装置20のカップ19へ補給することができる構成としている。尚、鎮圧具4の前側の開き角度がボルト4aを緩めて調節できる構成としており、圃場条件や苗条件に応じて、鎮圧具4の圃場に植付けた苗に対する土寄せ量を変更できるようにして、圃場の条件や色々な苗に対応できるようにしている。
【0044】
次に、主として図13と図14に基づいて、左右鎮圧具4の装着構成及び作用について説明する。
前記車体2の後部に左右取付ブラケット38によって取付ける鎮圧フレーム39に、横方向に沿って外周面が正六角軸で内部に円形状の貫通孔を形成した左右一対の左右鎮圧アーム軸40L・40Rを、内側端を向かい合わせた状態で断面が円形状の回動軸40aに回動自在に設けている。そして、左右鎮圧具4は、この左右鎮圧アーム軸40L・40Rに各々正六角穴で嵌合した左右アームボス42に前端を溶接固定した左右鎮圧アーム41の後端に設けている。この左右アームボス42は、左右ロック部材43によって、横軸方向へ移動固定可能に設け、左右鎮圧具4の鎮圧位置を左右に移動調節することができる。
【0045】
ここで、左右ロック部材43は同様の構成なので、左ロック部材43について構成を説明すると、左アームボス42に基部を溶接固定した左ロックアームステー42aの先端部に左ロックアーム43aの基部を回動自在に支持しており、左ロックアーム43aの基部には左カム43bを一体に構成している。そして、左カム43bの下方位置で左アームボス42に設けた左貫通孔42bに円柱状の左ロックピン43cを挿入しており、左ロックアーム43aを上方に回動した開放位置から下方に回動したロック位置にすると、左カム43bが左ロックピン43cの上端面を押圧して、左ロックピン43cが左アームボス42の左貫通孔42bに嵌ったままで、その下端面が左鎮圧アーム軸40Lの外周面に強い圧で押付けられて、左鎮圧アーム軸40Lに対して左アームボス42が固定される。
【0046】
同様に、右ロックアーム43aを上方に回動した開放位置から下方に回動したロック位置にすると、右カム43bが右ロックピン43cの上端面を押圧して、右ロックピン43cが右アームボス42の右貫通孔42bに嵌ったままで、その下端面が右鎮圧アーム軸40Rの外周面に強い圧で押付けられて、右鎮圧アーム軸40Rに対して右アームボス42が固定される。よって、左右ロックアーム43aを操作して、容易に左右鎮圧具4を各々独立して左右位置調節することができる。
【0047】
尚、左右鎮圧アーム軸40L・40Rの内側端を向かい合わせた位置には座金40bを回動軸40aに回動自在に設け、左右鎮圧アーム軸40L・40Rが互いに干渉しないで回動できる構成としている。また、回動軸40aは、鎮圧フレーム39の左右両端部に設けた前記左右取付ブラケット38を下方に延設した左右支持アーム38aにて支持架設して固定している。
【0048】
左右鎮圧アーム41の後端部を各々背面視で門形状のリヤフレーム44に形成して、このリヤフレーム44の左右両側部に左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4を配置して、支軸32で回転自在に支持している。このリヤフレーム44は、畝Aに植付けた苗の上部を左右にまたいで前進方向へ移動することができる構成となっている。
【0049】
また、このリヤフレーム44の上部左右方向中央部にロッド貫通孔44aを設けて、上端部を主フレーム2aに回動自在に支持させた縦方向のロッド46aの下部を該ロッド貫通孔44aに貫通した状態で設けている。そして、リヤフレーム44のロッド貫通孔44aを貫通したロッド46aの下端部に設けた座金46bとリヤフレーム44の下面との間にバネ係数の小さい弱い圧縮バネ46cを装着し、ロッド46aの中途部に設けたバネストッパー部材Tとリヤフレーム44の上面との間にバネ係数の大きい強い圧縮バネ46dを装着しており、強い圧縮バネ46dと弱い圧縮バネ46cの付勢力の差分だけ、左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4を下方に付勢する構成としている。
【0050】
そして、バネストッパー部材Tは、ロッド46aが貫通する第1貫通孔T1を設けた強い圧縮バネ46dの上端を受ける受け板T2と、該受け板T2と円筒状のカラーT3を介在させてボルトT4にて一体にしたストッパー板T5及びバネ板T6にて構成されている。
【0051】
そして、ストッパー板T5及びバネ板T6はボルトT4にて共に固定された位置から先端側が離れたV字状に装着されており、且つ、ストッパー板T5に第2貫通孔T7を設け、バネ板T6に第3貫通孔T8を設けて、第2貫通孔T7及び第3貫通孔T8を共にロッド46aが貫通する状態とした構成になっている。また、バネ板T6は、Z方向に付勢力を持つ状態で装着されており、このバネ板T6のZ方向の付勢力でストッパー板T5の第2貫通孔T7部とロッド46aが強い力で接当した状態となっており、バネストッパー部材Tはロッド46aの一定位置で固定された状態となって強い圧縮バネ46dの上端を受け止める。
【0052】
従って、作業者がストッパー板T5及びバネ板T6の先端部を2つの指で摘まんでV字状になっている状態から両者を近づける方向に変形させると、前記バネ板T6のZ方向の付勢力でストッパー板T5の第2貫通孔T7部とロッド46aが強い力で接当した状態が開放されて、バネストッパー部材Tをロッド46aに沿って移動位置調節することができ、自由に且つ容易に強い圧縮バネ46dのバネ圧を調節することができて、左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4の鎮圧圧力を調整できる。
【0053】
また、強い圧縮バネ46dと弱い圧縮バネ46cを入れ替えると、更に、バネ圧の調節幅がひろくなって、圃場に対する左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4の鎮圧圧力の調節が広い範囲で行なえ、左右一対の鎮圧具(鎮圧輪)4の圃場適応性が向上する。
【0054】
また、鎮圧アーム41は、前側の基端側アーム41aと後側の主アーム41bとで構成されており、基端側アーム41aの後端部に溶接固着した前支持フランジ41a’と後側の主アーム41bの前端部に溶接固着した後支持フランジ41b’に各々設けた縦長の長孔41cを貫通して設けた固定用ボルト及びナット41dで、前支持フランジ41a’と後支持フランジ41b’を固定して、基端側アーム41aと主アーム41bが一体で作動する構成となっている。
【0055】
従って、固定用ボルト及びナット41dを緩めて、基端側アーム41aに対して主アーム41bの上下位置を調節できる構成となっている。
即ち、前支持フランジ41a’に対して後支持フランジ41b’を下げた位置で固定用ボルト及びナット41dを締付ければ、基端側アーム41aに対して主アーム41bは下がった位置となり、鎮圧アーム41後部に設けた鎮圧具4は下降した位置で畝A上面に接地する状態となる。逆に、前支持フランジ41a’に対して後支持フランジ41b’を上げた位置で固定用ボルト及びナット41dを締付ければ、基端側アーム41aに対して主アーム41bは上がった位置となり、鎮圧アーム41後部に設けた鎮圧具4は上動した位置で畝A上面に接地する状態となる。
【0056】
従って、昇降センサ5の基準位置を変更して苗の植付け深さを変えた場合に、その植付け深さ変更に応じて左右の鎮圧具4を上下に位置調節することができて、適切な鎮圧作用が行えて苗の植付け姿勢が良くなり、適正な苗の移植作業が行える。
【0057】
また、左右後輪10及び左右前輪13が2つの畝Aを跨いで走行して、各畝Aに1条ずつ苗の植付けを行なう場合に、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合、各々の畝A高さに合わせて左右の鎮圧具4を上下に位置調節すると、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合でも、各畝Aに植付けた苗に対して各々適切な鎮圧作用が行えて苗の植付け姿勢が良くなり、適正な苗の移植作業が行える。
【0058】
更に、この実施例では左右鎮圧輪4の接地高さの差で機体をローリング制御する構成であるが、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる場合、各々の畝A高さに合わせて左右の鎮圧具4を上下に位置調節すると、ローリング制御のローリング基準を同時に変更して跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる状態の基準に変更されることとなり、圃場全体が機体左右方向で傾斜している時に、跨いだ2つの畝Aの高さが各々異なる状態の基準で機体のローリング制御が行われて、高さが各々異なる2つの畝Aの両方に適切な苗の植付け深さで適正に苗を移植することができる。
【0059】
上記のようにして左右鎮圧輪4の左右上下支持装置Sが構成されている。
前記左右各鎮圧アーム軸40L・40Rの外端部(左右支持アーム38aの外側に延設した部位)には各々一体回動する左右センサアーム47を設け、各センサアーム47の上端部は各々が平行状になるように構成されており、一方のセンサアーム47にローリング制御バルブ48を切替え作動させるセンサワイヤ50のアウターワイヤ受け50aを装着し、他方のセンサアーム47にセンサワイヤ50のインナーワイヤ受け50bを装着している。
【0060】
従って、左右鎮圧具4が同方向に上下動する時は、各センサアーム47の上端部間隔が変化しないので、センサワイヤ50はローリング制御バルブ48を切替え作動しない。また、左右の畝A上面の高さが異なって左右鎮圧具40の上下移動量が異なる場合には、各センサアーム47の上端部間隔が変化するので、センサワイヤ50はローリング制御バルブ48を切替え作動する。
【0061】
例えば、右鎮圧具4が左鎮圧具4の位置よりも上動した場合(畝Aは機体左右方向で右側が高い場合)には、各センサアーム47の上端部間隔が狭まり、センサワイヤ50のインナーワイヤIN−Wが押されてローリング制御バルブ48を切替え作動して、ローリングシリンダ17を縮小作動させ、左後輪10を下動させて機体が畝に機体左右方向で平行になるようにローリング制御する。逆に、左鎮圧具4が右鎮圧具4の位置よりも上動した場合(畝Aは機体左右方向で左側が高い場合)には、各センサアーム47の上端部間隔が広がり、センサワイヤ50のインナーワイヤIN−Wが引かれてローリング制御バルブ48を切替え作動して、ローリングシリンダ17を伸ばす方向に作動させ、左後輪10を上動させて機体が畝に機体左右方向で平行になるようにローリング制御する。
【0062】
また、各センサアーム47の平行状に設けられた上端部には、各々上下方向の長穴47aが各々設けられており、該各長穴47aに各々上記のアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bが上下方向に移動調節自在且つ締め付けボルト50cにて位置固定自在に設けられている。
【0063】
従って、締め付けボルト50cを緩めて、各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47の下方向に移動させて固定すると、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化に対して、インナーワイヤIN−Wの押し引き量が少なくなるので(各センサアーム47の回動支点とアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bとの距離KLが短くなり、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が大きくてもインナーワイヤIN−Wの押し引き量は小さくなるので)、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が大きくないとローリング制御が作動しないような鈍感なローリング制御状態となる。
【0064】
逆に、締め付けボルト50cを緩めて、各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47の上方向に移動させて固定すると、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化に対して、インナーワイヤIN−Wの押し引き量が多くなるので(各センサアーム47の回動支点とアウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bとの距離KLが長くなり、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が小さくてもインナーワイヤIN−Wの押し引き量は大きくなるので)、左右鎮圧輪4の上下作動量の変化が小さくてもローリング制御が作動するような敏感なローリング制御状態となる。
【0065】
よって、センサワイヤ50を各センサアーム47から外すことなく、単に各アウターワイヤ受け50a及びインナーワイヤ受け50bを各センサアーム47上をスライド移動させるだけで簡単にローリング制御の感度調節を行うことができる。尚、各センサアーム47には、感度調節位置を示すマークMが刻印されている。
【0066】
尚、アウターワイヤ受け50aにはインナーワイヤIN−Wの張り方向に沿って凹み部50a’が設けてあり、該凹み部50a’にインナーワイヤ受け50bの係合片部50b’が嵌り込んだ状態となっており、左右鎮圧輪4の上下作動量が大きく変動しても、インナーワイヤ受け50bの係合片部50b’がアウターワイヤ受け50aの凹み部50a’の前後端に接当して、各センサアーム47の平行状に設けられた上端部の開き量は規制された構成となっている。即ち、各センサアーム47は、ローリング制御検出に必要な量だけ作動する構成となっている(各センサアーム47が大きく開いて、インナーワイヤIN−Wを切ってしまうような事態を回避できる)。
【0067】
上記のように鎮圧フレーム39の左右外側に設けた左右支持アーム38aの内側に左右鎮圧アーム軸40L・40Rを設けて、この左右鎮圧アーム軸40L・40Rに各々嵌合した左右アームボス42に前端を溶接固定した左右鎮圧アーム41の後端に左右鎮圧具4を設け、この左右アームボス42を左右ロック部材43の左右ロックアーム43aを操作することによって、横軸方向へ移動固定可能に設けて、左右鎮圧具4の鎮圧位置を左右に移動調節することができる構成とし、且つ、左右センサアーム47を左右鎮圧アーム軸40L・40Rの外側端に配置させた構成としたので、左右鎮圧輪4を鎮圧フレーム39の幅内で大きく左右移動調節することができ、条間調節の領域が広がり、色々な畝や色々な苗に対応して苗植付作業が行える。即ち、多様な圃場条件や苗条件に応じた苗植付作業が行える。
【0068】
また、左右センサアーム47を上方に向けて設けその上端部は各々が平行状になるように構成し、一方のセンサアーム47にローリング制御バルブ48を切替え作動させるセンサワイヤ50のアウターワイヤ受け50aを装着し、他方のセンサアーム47にセンサワイヤ50のインナーワイヤ受け50bを装着してローリング制御バルブ48を切替え作動する構成とし、この左右センサアーム47とセンサワイヤ50の連結部を鎮圧フレーム39の左右中央位置で主フレーム2aの上方位置としたので、左右傾斜を検出する部位の前後長さを短く構成できて機体をコンパクトで簡潔な構成とすることができ、且つ、主フレーム2aが左右センサアーム47とセンサワイヤ50の連結部を保護する作用をし、機体の左右ローリング制御が適切に行える。
【0069】
また、センサワイヤ50の中途部には、インナーワイヤ50dに対するアウターワイヤ50eの位置を変更して、左右鎮圧具4の相対上下高さ変動によってローリング制御バルブ48を切替えてローリング制御するローリング制御基準を変更するローリング制御変更操作具50fを設けている。
【0070】
よって、ローリング制御変更操作具50fを機体の左右方向である矢印チ−リ方向に操作してガイド50gにて係止すると、操作した側にローリング制御の基準が移動し(ローリング制御バルブ48の中立位置が移動し)、即ち、左矢印チ方向に操作すると機体の左傾斜を補正するローリング制御が敏感となり、逆に、左矢印リ方向に操作すると機体の右傾斜を補正するローリング制御が敏感となる。
【0071】
そして、このローリング制御変更操作具50fは、作業者が着座する座席33の後方で供給装置20前側の座席側に設けられているので、作業者は供給装置20に苗供給作業をしながら容易に圃場条件に応じてローリング制御変更操作具50fを操作してローリング制御基準を変更することができ、適正な苗の移植作業が行えると共に作業性及び作業効率が良い。
【0072】
ここで、ローリング制御バルブ48を切替え作動させる構成について詳細に説明する。
ローリング制御バルブ48にはその油路を切替えるロータリスプール軸48aを外側方に突出させて設けてあり、該ロータリスプール軸48aに外側端から先ずカラー65を回転自在に遊嵌し、その外側に手動操作アーム66と自動作動アーム67を回動自在に遊嵌し、更にその外側にレバーステー68の基部に形成した小判状孔68aをロータリスプール軸48a先端部に小判状に切削加工した嵌合部48bに嵌合し、その外側に座金69を介在させてボルト70にて各部材(カラー65・手動操作アーム66・自動作動アーム67・レバーステー68)が外側方に抜けないように止めている。従って、レバーステー68が回動操作されると、該レバーステー68と一体にロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられる構成となっている。
【0073】
そして、自動作動アーム67の下端部に前記センサワイヤ50のローリング制御バルブ48側端部が固定されており、自動作動アーム67の上端部には下方に向けて開放した形状の上係合溝67aが設けてあり、該上係合溝67aにローリング操作レバー71の一端部71aが係合する構成となっている。尚、72は引張スプリングであって、油圧バルブユニットBUに固定したスプリング係止アーム73と自動作動アーム67の下端部との間に張られており、前記センサワイヤ50を張った状態に付勢するものである。また、ローリング操作レバー71の把持部71bは、座席33の側部近傍位置になるように配置している。
【0074】
また、手動操作アーム66の上端部には上方に向けて開放した形状の下係合溝66aが設けてあり、該下係合溝66aにローリング操作レバー71の一端部71aが係合する構成となっている。尚、74は引張スプリングであって、油圧バルブユニットBUに固定したスプリング係止アーム73と手動操作アーム66の下端部との間に張られており、手動操作アーム66にてローリング制御バルブ48の油路を切替えるロータリスプール軸48aを作動させる際に、該手動操作アーム66をローリング制御バルブ48が中立位置になるように付勢するものである。
【0075】
また、レバーステー68は、前記のように、その基部がロータリスプール軸48a先端部に嵌合した状態で支持され、機体後方側に直角に折れ曲がった形状になっており、その機体後方側に直角に折れ曲がった部位に基部が溶接され機体左右方向に向けて設けた支持ピン75に前記ローリング操作レバー71が回動自在に支持されている。そして、レバーステー68の支持ピン75よりも先端側に板バネ76の基部を固着し、該板バネ76の先端76aは機体側面視で先端側が尖った三角状に構成し、ローリング操作レバー71に接当する位置まで延設されている。
【0076】
従って、ローリング操作レバー71の把持部71bを作業者が握って下方に押すと、ローリング操作レバー71は支持ピン75まわりに回動して図のように板バネ76の先端76aを乗越えた位置に固定され、リング操作レバー71の一端部71aが自動作動アーム67上端部の上係合溝67aに係合する。すると、前述したように畝A上面の高さの差による左右鎮圧具40の位相差によってセンサワイヤ50が作動して自動作動アーム67が回動し、該自動作動アーム67の回動は上係合溝67aに係合しているローリング操作レバー71に伝わって、該ローリング操作レバー71と一体のレバーステー68を回動させ、該レバーステー68の基部と連結しているロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられて、左右植付ホッパ3が共に適正な植付け深さになるように車体2がローリング制御されて適正な苗の移植作業が行える。
【0077】
このとき、左右鎮圧具40の位相差によってセンサワイヤ50が作動してロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられてローリング制御される様子が、ローリング操作レバー71の把持部71bの回動にて作業者は認知できるので、即ち、ローリング操作レバー71がローリング制御のインジケータの役をなすので、作業者は車体2のローリング制御の状態が即座に分かり安全な作業が効率良く行える。
【0078】
一方、ローリング操作レバー71の把持部71bを作業者が握って上方に引き上げると、ローリング操作レバー71は支持ピン75まわりに回動して板バネ76の先端76aを上方に乗越えた位置に固定され、リング操作レバー71の一端部71aが手動操作アーム66上端部の下係合溝66aに係合する。
【0079】
すると、畝A上面の高さの差による左右鎮圧具40の位相差によってセンサワイヤ50が作動して自動作動アーム67が回動してロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられるローリング制御は中止され、作業者がローリング操作レバー71の把持部71bを握って左右方向に回動させると、その回動操作に応じてレバーステー68の基部と連結しているロータリスプール軸48aが回動してローリング制御バルブ48の油路が切替えられて、車体2の傾斜角度を手動にて自由な所定の角度に設定することができる。
【0080】
これは、例えば、山地の斜面を横切るように形成された畝Aに苗を植付ける作業を行なう場合、車体2は苗移植作業前進時に谷側に下ろうとする方向に向いて進行しようとする為に、畝Aに沿った苗移植作業が困難になる場合がある。この時、作業者はローリング操作レバー71を操作して手動にて車体2の谷側が高くなるように(即ち、谷側の後輪10が山頂側の後輪10よりも下動した状態になるように)調節すると、車体2が苗移植作業前進時に谷側に下ろうとするのを防止できて、車体2は畝Aに沿って進行し適正な苗移植作業が行なえる。
【0081】
尚、作業者がローリング操作レバー71の把持部71bを握って回動操作して手動にて車体2の傾斜姿勢を定めた後に、作業者が把持部71bから手を離すと、引張スプリング74にて手動操作アーム66はローリング制御バルブ48が中立位置になるように戻されて、その手動による車体2の傾斜姿勢を維持できる。
【0082】
よって、座席33の近傍に設けたローリング操作レバー71によって、車体2のローリング制御状態と手動による車体2の姿勢変更が容易に行なえて作業能率及び作業操作性が非常に良い。
【0083】
一方、昇降油圧シリンダ15を伸縮することによって左右両後輪10を車体2に対して同時に昇降させる昇降制御は、機体と圃場面(畝A上面)との間隔を検出する昇降センサ5の検出により、昇降制御バルブ49を切替えて行う。
【0084】
即ち、鎮圧フレーム39の前部に溶接固定した支持アーム39aの先端に昇降センサ支持板5aを機体左右方向に設けた支持軸5bにて回動自在に支持し、該昇降センサ支持板5aの右側に昇降センサ5をボルト5cにて左右位置調節自在に設けている。そして、昇降センサ5の圃場面(畝A面)の高さ変動検出にて、支持軸5b回りに昇降センサ支持板5aが回動すると、その回動を連結ロッド5dを介して昇降制御バルブ49が切替え作動する構成となっている。
【0085】
即ち、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が圃場面(畝A面)と接地しており、圃場面(畝A面)が高くなると、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が上動して、昇降センサ支持板5aを支持軸5b回りにイ方向へ回動させ、連結ロッド5dを押して昇降制御バルブ49を切替え作動し、昇降油圧シリンダ15を伸びる方向に作動させて左右後輪10を下動させて、機体と圃場面(畝A面)との間隔が適切な位置になるように昇降制御する。
【0086】
逆に、圃場面(畝A面)が低くなると、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が下動して、昇降センサ支持板5aを支持軸5b回りに反イ方向に回動させ、連結ロッド5dを引いて昇降制御バルブ49を切替え作動し、昇降油圧シリンダ15を縮小する方向に作動させて左右後輪10を上動させて、機体と圃場面(畝A面)との間隔が適切な位置になるように昇降制御する。
【0087】
そして、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’は、右鎮圧具4の前方に位置するように左右位置調節して設け、昇降センサ5の下端の圃場接地部5’が接地する圃場面(畝A面)に右植付ホッパ3が苗を植付け、その後を右鎮圧具4が鎮圧作用する。
【0088】
また、昇降センサ5を機体の左右方向で右側(右植付ホッパ3が苗を植付ける位置の前方及び右鎮圧具4の前方)に位置させた理由は、前記ローリングシリンダ17を機体の左側に配置して左後輪10を上下動させて機体のローリング制御を行う構成としたので、該ローリングシリンダ17を配置した側と機体左右方向で反対側の右側(機体のローリング制御で上下動する左後輪10と機体左右方向で反対側の右側)に昇降センサ5を配置することにより、ローリング制御時に機体の右側は大きく上下動しないので、昇降センサ5にて正確な圃場面(畝A面)の検出が行えて、ローリング制御にあまり影響を受けずに適正な機体の昇降制御が行えて、適切な苗植付け深さで適切に苗の植付け作業が行える。
【0089】
また、支持軸5bと昇降センサ5下端の圃場接地部5’(右鎮圧具4の鎮圧位置)との距離L1よりも、支持軸5bと左鎮圧具4の鎮圧位置との距離L2の方が長くなるように、支持軸5bを配置している。これは、ローリングシリンダ17が機体左側に設けられているので、機体左側はローリング制御の影響による上下動の変化量が大きいが、機体右側はローリング制御による影響が少ないことから、支持軸5bを機体左右中央位置から右側に変位して配置することにより、昇降センサ5がローリング制御の影響を受け難くし、適正な機体の昇降制御が行えるようにしたものである。
【0090】
一方、前記各左右センサアーム47の基端部には、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a後端を連結して、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a前端を機体に固定し、アウタワイヤ51b前端を左右回動筒部9aに基部を固定した左右ハウジングアーム14の中途部に位置調節自在に連結している。尚、各リフトワイヤ51の各アウターワイヤ51bの後端は、各々左右支持アーム38aに位置調節自在に固定されている。
【0091】
従って、この各リフトワイヤ51の連結によって、前記左右車輪ケース1の下動(左右後輪10の下動)により、左右回動筒部9aが回動して左右ハウジングアーム14が後方に回動するので左右インナーワイヤ51aを引き、左右のセンサアーム47がロ方向に回動し、左右各鎮圧アーム41を上方に向けて強制回動することができ、機体旋回時に左右後輪10を最下動させて機体を上昇させた時、自動的に左右鎮圧具4が上方に収納回動されて機体の旋回が容易に行える。尚、各リフトワイヤ51のインナーワイヤ51a後端と左右センサアーム47の連結部には、長穴51cで構成した融通機構が設けられており、通常の左右後輪10の昇降制御及びローリング制御による下動では左右鎮圧具4が上方に収納回動されず、機体旋回時の左右後輪10を大きく下動させた時にのみ自動的に左右鎮圧具4が上方に収納回動される構成となっている。
【0092】
そして、各リフトワイヤ51は鎮圧フレーム39の左右外側に配置した左右センサアーム47に連結しているので、各リフトワイヤ51の調節部が鎮圧フレーム39の左右外側に位置し、左右鎮圧輪4の上動作用位置調節が容易に行えて、作業性が良い。
【0093】
また、右鎮圧具4に連結された右センサアーム47を引く右リフトワイヤ51は、左後輪10を上下動させる左回動筒部9a側に連結されており、左鎮圧具4に連結された左センサアーム47を引く左リフトワイヤ51は、右後輪10を上下動させる右回動筒部9a側に連結されている。即ち、左後輪10の下動で右センサアーム47(右鎮圧具10)を上動させ、右後輪10の下動で左センサアーム47(左鎮圧具10)を上動させる構成としている。これは、前記のように左右鎮圧具10の相対上下高さ変動による左右センサアーム47の相対位置変動にてローリング制御バルブ48を切替えてローリングシリンダ17を作動させてローリング制御を行なう構成としたから、もし、左後輪10の下動で左センサアーム47(左鎮圧具10)を上動させ、右後輪10の下動で右センサアーム47(右鎮圧具10)を上動させる構成にすると、右鎮圧具4が上動して右センサアーム47が変位した状態でローリング制御が作動して機体が水平状態になっている時に、機体旋回の為に左右後輪10を下動させると前記ローリング制御でローリングシリンダ17が作動したままで左右後輪10は下動し、機体最上昇時に機体が傾斜した状態となってしまう。そこで、左後輪10の下動で右センサアーム47(右鎮圧具10)を上動させ、右後輪10の下動で左センサアーム47(左鎮圧具10)を上動させる構成とすることにより、機体旋回又は機体移動の為に左右後輪10を下動させると、左右リフトワイヤ51にて左右センサアーム47がローリングシリンダ17を中立位置に戻すようにローリング制御バルブ48を切替えて、機体は水平状態で上昇する。
【0094】
従って、旋回時に機体は水平状態となり良好に且つ容易に旋回作業が行える。また、機体をリフトして圃場間を移動する場合(路上走行の場合)も機体は水平状態となり良好に且つ容易に機体を走行させることができる。
【0095】
前記鎮圧アーム41を左右に移動調節する時は、この調節操作を容易にするために、鎮圧アーム軸40の周りに切欠目印55を形成しておき、この目印55の位置にアームボス42の位置をあわせることによって的確な植付条位置への鎮圧位置決めを行うことができる。
【0096】
60は左右植付ホッパ3の各々の内側に供給する灌水用の水を蓄える左右灌水タンクであって、左右車輪ケース1に各々固着した左右タンク支持フレーム61内に載置されている。即ち、左右灌水タンク60は、左右車輪ケース1に各々固着した左右タンク支持フレーム61に各々支持されて左右車輪ケース1上面に載置された状態となっている。従って、左右灌水タンク60の重量が各々左右車輪ケース1にて支えられた状態で機体は走行して苗植付け作業を行なうので、灌水タンク60内の水量の変動により重量変化が激しい灌水タンク60の重量が機体本体部に掛からず左右車輪ケース1に軸架した左右後輪10にて支えられた構造となり、灌水タンク60の重量変動が機体側に影響を与えることが極力防止されて、良好な走行性能を発揮し適切な苗の植付け作業が行える。
【0097】
更に、灌水タンク60の前後方向中央位置は車軸11よりも若干前方で、苗植付け作業時には車輪ケース1は緩やかに後傾斜した状態なので、灌水タンク60の重心は車軸11よりも前方にあり、左右灌水タンク60の重量が機体側面視で前輪13と後輪10との間に掛かることになるので、機体の走行性能が安定し適切な苗の植付け作業が行える。そして、機体を旋回する際には、車輪ケース1を急傾斜にして左右後輪10を最下動させた状態(機体を上昇させた状態)で旋回走行するので、灌水タンク60の重心は車軸11よりも後方になり、左右灌水タンク60の重量が機体側面視で後輪10よりも後ろに掛かることになり、操縦ハンドル8を作業者が押し下げて機体の後部を下げる操作が容易に行えて、旋回操作が容易で効率良く行える。
【0098】
62は左右灌水タンク60内の水を灌水パイプ63を介して吸い上げて左右植付ホッパ3の内側に灌水パイプ63で供給する灌水用のプランジャポンプであって、基部を主フレーム2aに枢支し、プランジャポンプ62のピストンロッド62aの先端部をクランクアーム軸27に設けた灌水用駆動クランク27aに係合させている。従って、プランジャポンプ62は左右灌水タンク60から水を吸い上げて左右植付ホッパ3の内側に灌水する。その灌水タイミングは、左右植付ホッパ3が苗の植付けを終えた上昇初期に左右植付ホッパ3の内側に灌水されるようになっており、左右植付ホッパ3の内側に付着した泥土を洗い流すと共に、洗い流した水が植付けた苗の上方から灌水できるようになっている。なお、プランジャポンプ62基部を主フレーム2aに枢支する位置を調節可能に構成して、枢支位置とクランクアーム軸27との距離を変更できる構成にすれば、プランジャポンプ62の水の吐出量を変更して苗や圃場条件に応じた適切な灌水が行える。
【0099】
左右の前輪13の間となる機体の前端部には畝Aの上面に接地して該畝Aの終端を検出する畝終端センサ80を設け、該畝終端センサ80は下方に向けてバネで付勢した状態となっており、機体の前進により畝Aのないところに到達して畝終端センサ80がバネの付勢力で下動して、畝Aの終端に到達したことを検出する構成となっている。この畝終端センサ80による畝Aの終端の検出に基づいて、主クラッチを自動的に切って左右の後輪10の駆動と左右植付ホッパ3並びに供給装置20の駆動を停止し、機体を停止させると共に、警報(例えばブザー等の警音)を出して作業者に告知する。これにより、座席33に座る作業者は、機体の進行方向に対して後ろ向きとなり、苗補給作業に集中しているため機体の前方を確認しにくく、機体が畝の終端に達したことに気づかず、周囲の構造物への衝突等の事故を発生させるおそれがあるが、前記畝終端センサ80により畝の終端で機体を自動停止すると共に警報で畝の終端に達したことを告知するため、安全に作業が行え、また機体の前方の状況及び畝の終端の位置を気にせずに供給装置20への苗補給作業を集中して行え、植付作業能率が向上する。
【0100】
この畝終端センサ80は、機体の左右方向右側位置で昇降センサ5下端の圃場接地部5’及び右植付ホッパ3が苗を植付ける位置及び右鎮圧具4の前方に配置されている。即ち、畝終端センサ80及び昇降センサ5下端の圃場接地部5’及び右植付ホッパ3が苗を植付ける位置及び右鎮圧具4は、機体左側に配置されたローリングシリンダ17とは機体左右方向で反対側の機体右側に機体前後方向で一直線上に配置された構成となっている。
【0101】
従って、ローリングシリンダ17を配置した側と機体左右方向で反対側の右側(機体のローリング制御で上下動する左後輪10と機体左右方向で反対側の右側)に畝終端センサ80及び昇降センサ5下端の圃場接地部5’及び右植付ホッパ3が苗を植付ける位置及び右鎮圧具4を機体前後方向で一直線上に配置することにより、ローリング制御時に機体の右側は大きく上下動しないので、畝終端センサ80にて正確な畝Aの終端を検出でき、昇降センサ5にて正確な圃場面(畝A面)の検出が行えて、ローリング制御にあまり影響を受けずに正確な畝Aの終端を検出による各部停止や報知が行え、また、適正な機体の昇降制御が行えて、適切な苗植付け深さで適切に苗の植付け作業が行える。尚、畝終端センサ80も他の部材と同様に、ボルト80aを緩めて畝終端センサ80の基部を機体左右方向に移動調節して再びボルト80aにて固定することにより、機体左右方向に位置調節をすることができる。
【0102】
図18は、機体の左右側部に格子状の刈置き台87を設けた実施例で、車体2に立設した支持枠110に内外水平に保持するようにして、外側に張り出すと苗箱を搭載出来るようにしていて、不使用時には内側へ畳み込んで座席33への乗降に支障のないようにする。
【符号の説明】
【0103】
3 植付ホッパ
20 供給装置
107 移植物支持体
88F,88R 開閉植付体
88Fa,88Fb,88Ra,88Rb 分割植付体
102 取付フレーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給装置(20)から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ(3)を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体(88F,88R)とすると共に、該開閉植付体(88F,88R)をさらに二分割して一部を重ねた断面が円弧状の分割植付体(88Fa,88Fb,88Ra,88Rb)で構成し、この分割植付体(88Fa,88Fb,88Ra,88Rb)の重ね代を調整可能にして開閉植付体(88F,88R)の収容容量を変更可能にしたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
供給装置(20)から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ(3)を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体(88F,88R)とし、該開閉植付体(88F,88R)を上部の取付フレーム(102)に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする移植機。
【請求項3】
開閉植付体(88F,88R)を上部の取付フレーム(102)に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項4】
供給装置(20)から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ(3)を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体(88F,88R)とし、該開閉植付体(88F,88R)の内部に移植物を受ける移植物支持体(107)を下方に向かって間隔を狭めて設け、該移植物支持体(107)が移植物を保持する程度まで開閉植付体(88F,88R)を閉じた後に開閉植付体(88F,88R)の先端が地表に達する前に閉じるようにしたことを特徴とする移植機。
【請求項5】
移植物支持体(107)を弾性を有する杆体で構成したことを特徴とする請求項4記載の移植機。
【請求項1】
供給装置(20)から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ(3)を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体(88F,88R)とすると共に、該開閉植付体(88F,88R)をさらに二分割して一部を重ねた断面が円弧状の分割植付体(88Fa,88Fb,88Ra,88Rb)で構成し、この分割植付体(88Fa,88Fb,88Ra,88Rb)の重ね代を調整可能にして開閉植付体(88F,88R)の収容容量を変更可能にしたことを特徴とする移植機。
【請求項2】
供給装置(20)から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ(3)を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体(88F,88R)とし、該開閉植付体(88F,88R)を上部の取付フレーム(102)に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする移植機。
【請求項3】
開閉植付体(88F,88R)を上部の取付フレーム(102)に対して上下位置変更可能にしたことを特徴とする請求項1記載の移植機。
【請求項4】
供給装置(20)から受け取る移植物を受け入れて昇降移植動作をする植付ホッパ(3)を下方へ向けて開口可能に縦に二分割した開閉植付体(88F,88R)とし、該開閉植付体(88F,88R)の内部に移植物を受ける移植物支持体(107)を下方に向かって間隔を狭めて設け、該移植物支持体(107)が移植物を保持する程度まで開閉植付体(88F,88R)を閉じた後に開閉植付体(88F,88R)の先端が地表に達する前に閉じるようにしたことを特徴とする移植機。
【請求項5】
移植物支持体(107)を弾性を有する杆体で構成したことを特徴とする請求項4記載の移植機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−223112(P2012−223112A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−92213(P2011−92213)
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月18日(2011.4.18)
【出願人】(000000125)井関農機株式会社 (3,813)
【Fターム(参考)】
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