説明

移植片のために複数の椎骨部材に前処理を施す装置

【解決手段】移植片を挿入するために椎骨部材に前処理を施すための器具と技法が開示されている。基礎装置(110、150)は椎骨部材に対する基準を提供する。基礎装置は、椎骨に前処理を施す1つ又は複数の器具の配置を案内する。器具(230、530)を基礎器具と特定の配置に作動的に整列させて、椎骨部材に対して確実に正しく配置されるようにする。椎骨部材から骨を更に除去するため、予備的な器具を使用することもできる。予備的な器具の使用は、他の器具の使用前でも後でもよい。骨が除去された後、椎骨部材には挿入片600が挿入され取り付けられる。移植片を保持し椎骨部材に対して配置するために、ホルダを使用することもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎骨部材を前処理する装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在の外科処置では、しばしば外科医の技量に大幅に依存している。そのような処置には、高速機器を使用しながら、手を使って巧妙に器具を操ることが含まれる。一例としては、グラフト又は椎体間融合装置を挿入するために隣接する椎骨の終板を前処理するなどのように、介在する装置を挿入するために椎骨部材の相対する面に前処理を施す場合が挙げられる。各終板は、外科医が保持し操作する切削器具を使用して、輪郭が付けられ形状が整えられる。外科医は、手を使って切削器具を誘導するが、終板を確実に正しく輪郭付けるのは経験と訓練に依存している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
外科医が、各椎骨部材毎に、どの程度の輪郭付けと成形が必要なのかを判断することは難しい。一般には試行錯誤で行われており、外科医は、一方又は両方の面から第1の量だけ取り除き、間隔が介在する装置を入れるのに適切か否かを判断する。間隔が適切でない場合、外科医は、一方又は両方の面から追加の量を除去する。この手順は、適量が除去されるまで継続され、面に適切な前処理が施される。外科医は、何れの椎骨面からも除去し過ぎないように注意せねばならず、そのため量を少しずつ取り除くことになる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、椎骨部材に前処理を施し、移植片を取り付けるための装置と方法に着眼している。本発明は、椎骨部材と整列配置する1つ又はそれ以上の基礎装置を含んでいる。基礎装置は、その後の骨除去段階で使用される椎骨部材に対する基準となる。外科医は、その基準に対して1つ又はそれ以上の器具を整列させ、椎骨部材から骨を除去する。器具を基準と整列させることにより、適量適所の骨を確実に除去できるようになる。椎骨部材から骨を更に取り除くために予備器具を使用してもよい。予備器具の使用は、他の器具を使用する前でも後でもよい。骨が除去された後、挿入片が挿入され、椎骨部材に取り付けられる。移植片を椎骨部材に保持し取り付けるために、ホルダを使用することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
図1は、本発明の或る実施形態の概略図である。基礎装置100は、椎骨部材300に対して配置され、器具200に対する基準として用いられる。或る実施形態では、基礎装置100は、1つ又は複数の椎骨部材300に直接取り付けられる。或る実施形態では、基礎装置100は、椎骨部材の外にあって接していない。基礎装置100は、単一装置であってもよいし、又は作動的に接続された複数の装置を含んでいていてもよい。1つ又は複数の器具200は、移植片600を受け入れるため椎骨部材300に前処理を施す。器具200は、基礎装置100と相互作用して、椎骨部材300に精密な前処理が確実に施せるようにする。移植片600は、椎骨部材400に対して配置される。或る実施形態では、移植片600は、ホルダ400を経て配置される。別の実施形態では、移植片600は、ホルダ400を使用せず、椎骨部材300に直接取り付けられる。予備器具500は、移植片600の受け入れに備えて椎骨部材300に更に前処理を施す。或る実施形態では、予備器具500は、基礎装置100を使用せず、椎骨部材300に直接適用される。予備器具500は、どの処理段階で使用してもよい。
【0006】
予備器具500の1つは、試行用テンプレート510である。或る実施形態を図2に示しているが、この実施形態は、隣接する椎骨部材300の間の円板空間に挿入される幅Wを有する寸法測定器512を備えている。寸法測定器512は、椎骨部材300の間へ挿入し易くするための傾斜した先端部514を含んでいる。図3に示すように、寸法測定器510の第1面は第1椎骨部材300に接し、第2面は第2椎骨部材300に接する。寸法測定器512の近位端には部材520が取り付けられている。或る実施形態では、部材520は、寸法測定器512の長さを越えて伸張し、各側部に沿って窓522が設けられている。窓522は、医師が、寸法測定器512の椎骨部材に対する横方向の配置を視認できるようにしている。深さ止め突起524が、部材520の両側に沿って伸張している。或る実施形態では、深さ止め突起524は、略直線状の縁部を有している。各深さ止め突起524は、部材520の全長に亘って、又はその一部に亘って伸張している。寸法測定器512からロッド530が伸びている。ロッド530の近位端には、頭部540がある。或る実施形態では、頭部540は、試行用テンプレート510に力を加えるための衝撃面を提供している。
【0007】
図3と図4は、窓522を側方整列に使用して椎骨部材300の間に配置された試行用テンプレート510を示している。試行用テンプレート510は、深さ止め突起524が椎骨部材300の表面に係合する点に挿入されている。或る実施形態では、部材520上の1つ又は複数の切削縁529が、椎骨部材300に、基礎装置100及び/又は移植片600を収容するために除去すべき前方の骨の量を示す印を付ける。試行用テンプレート510は取り出され、テンプレートで型取りされた骨が側方及び後方向に除去される。或る実施形態では、骨を取り除くために高速穴ぐり器が使用される。
【0008】
1つ又は複数の基礎装置100は、椎骨部材300と整列して、器具200に基準を提供する。或る基礎装置100は、図5に示す結合リング(docking ring)110を含んでいる。結合リング110は、窓114を形成する本体112を備えている。或る実施形態では、窓114は略矩形の形状をしている。結合リング110を椎骨部材330に対して取り付けるため、複数のスパイク116が、本体112の遠位側から外向きに伸張している。或る実施形態では、スパイク116は、スパイクの先端が結合リング110の中心を向き、傾斜の付いた部分が外側になるように研削されている。このような構成にすれば、スパイク116は、スパイク116が反対方向から研削されていて、スパイク116が外開きになりかねない場合に比べ、挿入時に椎骨部材300に係合させ易くなる。或る実施形態では、合計4本のスパイク116が外向きに伸張しており、結合リング110は、2本のスパイク116が第1椎骨部材300に、別の2本が第2椎骨部材300に配置され、窓114が椎骨部材300の終板と円板空間310の上を伸張するように配置されている。
【0009】
結合リング110の互いに反対側の側部には一対のチャネル120が設けられている。チャネルは、本体112の側方の側に開口しており、或る距離だけ内側に伸長している。チャネル120は、用途によって幅と深さが変わる。或る実施形態では、溝部122が、チャネル120の遠位端と本体112の遠位側の間を伸張している。或る実施形態では、溝部122は、本体112がチャネル120で狭い幅を有する結果になっている。或る実施形態では、溝部122は、本体122の内側を切り落として形成されている。溝部122は、用途次第で深さと幅が様々である。或る実施形態では、溝部は、チャネル120と幅が同じである。
【0010】
図5に示す或る実施形態では、本体112に孔125が設けられている。孔125は、本体112の様々な位置に設けられている。或る実施形態では、孔125は、一方のチャネル120の両側に間隔を空けて設けられている。孔125は、試行用椎体間装置頭部152を捕らえて、試行用椎体間装置150に対する一時的な係止結合を作り出す。或る実施形態では、幅が狭く細長いスロット127が本体112に沿って伸張している。スロット127は、大きさと向きが様々である。図5に示す実施形態では、スロット127は、一方のチャネル120の下縁部と本体112の遠位側縁部の間に設けられており、長さはチャネル120よりも長い。
【0011】
もう1つの基礎装置100は、結合リング110を取り付ける試行用椎体間装置150である。図6は、椎骨部材300の間に挿入できる大きさに作られた頭部152を有する椎体間装置150の或る実施形態を示している。頭部152は、伸延(distraction)を引き起こすこと無く椎骨部材300の間に嵌る大きさに作られた幅Q(図7参照)を有している。或る実施形態では、頭部152は、先端部153まで先細に作られている。或る実施形態では、頭部152の互いに反対の第1及び第2の側に陥凹部156が形成されている。頭部152の幅は、陥凹部156の位置では非陥凹部よりも狭くなっている。或る実施形態では、陥凹部156は、頭部152の長さに沿って中央に配置されている。陥凹部は、様々な幅と深さを有している。
【0012】
翼部157は、頭部152から伸張しており、結合リング110の溝部122に対応する大きさを有している。或る実施形態では、翼部157は頭部152の側方端に設けられ、互いに反対側から外向きに伸張している。タブ158は、翼部157から外向きに伸張しており、様々な形状と大きさを有している。或る実施形態では、タブ158は、翼部158の遠位端に設けられており、翼部157の幅よりも大きな幅を有している。或る実施形態では、タブ158はチャネル120内へと伸張する大きさに作られ、翼部157は溝部122に嵌る大きさに作られている。
【0013】
シャフト160は、頭部152に接続されており、試行用椎体間装置150を結合リング110に係止するための係止機構170を含んでいる。或る実施形態では、ピボット151がタブ158を貫通して伸びている。シャフト160は、頭部152に対して軸回転可能な係止解除位置と、頭部152に対して固定された係止位置との間で調整可能である。伸張部162は、シャフト160から、ピボット151の遠位側の箇所で外向きに伸張している。シャフト160は、様々な長さと形状を有している。或る実施形態では、ハンドル164は把持面を提供している。
【0014】
図7は、結合リング110に取り付けられた試行用椎体間装置150の或る実施形態を示している。取り付ける際に、試行用椎体間装置150の翼部157は、結合リング110の溝部122に嵌り、その中を滑動する。試行用椎体間装置150のタブ158がチャネル120の縁に接触して、翼部157が溝部122に底付きすると、完全に挿入された状態になる。試行用椎体間装置150のシャフト160が、伸張部162が結合リング110のスロット127に挿入されるように、軸回転される。次いで、係止機構170が、結合リング110に固定的に取り付けられた試行用椎体間装置150に係止される。
【0015】
図8と図9は、係止機構170を示している。図8は、係止機構170が係止位置にある状態を示している。付勢部材182は、伸張部184をシャフト160の近位端に押し付ける。伸張部184とシャフト160は、係止位置では嵌り合って一体となる造形を有している。この状態で、伸張部162は、結合リング110のスロット内に組み付けられる。図9は、係止解除位置にある係止機構170を示している。伸張部184は、付勢部材182の力に逆らって動かされ、シャフト160がピボット151の周りに動けるようになっている。シャフト160を動かすと、伸張部162は結合リング110から解放される。或る実施形態では、内側シャフト185が、シャフト160の中に配置されている。シャフト160は、内側シャフト185に対して、係止位置と係止解除位置の間で動かせるようになっている。
【0016】
或る実施形態では、結合リング110と試行用椎体間装置150は、椎骨部材300に取り付けられる前に、一体に組み付けられる。結合リング/試行用装置という用語は、ここでは、結合リング110を試行用椎体間装置150に組み付けた状態を定義するのに使用する。或る実施形態では、頭部152は、椎骨部材300の間の円板空間310の正中線内に配置される。
【0017】
或る実施形態では、椎骨部材300に叩き込まれるスパイク116の深さを制御するために、結合リング/試行用装置にゲージ90が接続されている。図10は、結合リング/試行用装置に取り付けられたゲージ90を示している。ゲージ90は、遠位端が椎骨部材300の前方面に接触する細長いスタイレット80を含んでいる。第2シャフト86は、結合リング/試行用装置に接触している。或る実施形態では、第2シャフト86は、結合リング/試行用装置に取り付けられている。別の実施形態では、第2シャフト86は、結合リング/試行用装置に、接触するように配置されてはいるが、組み付けられてはいない。第2シャフト86の近位端には、頭部92がある。或る実施形態では、頭部92はスタイレット80を配置するための切り取り箇所がある。結合リング/試行用装置は、窓114が椎骨部材300の終板と円板空間310の上にくるように配置される。頭部92に加えられた衝撃力は、第2シャフト86を通して結合リング/試行用装置に伝わり、スパイク116が椎骨部材300に取り付けられれる。深さは、スタイレット80の近位端が頭部92と略面一になるように調整される。或る実施形態では、頭部92は、スタイレット80が配置される切り取り箇所を含んでいる。結合リング/試行用装置が椎骨部材300に叩き込まれると、ゲージ90は取り外される。
【0018】
一旦、結合リング/試行用装置が椎骨部材300に取り付けられると、試行用椎体間装置150は結合リング110から取り外され、必要に応じて再度取り付けられる。或る実施形態では、試行用椎体間装置150の取り外しには、係止機構170を係止解除し、頭部152に対してシャフト160を軸回転させ、試行用椎体間装置伸張部162を結合リングのスロット127から外して、試行用椎体間装置を持ち上げて結合リング110から取り外す、という手順が含まれる。試行用椎体間装置150を再度取り付ける場合は、この逆の順序で行う。
【0019】
或る実施形態では、移植片600を骨にしっかりと取り付けるには、椎骨部材300の前面を除去する必要がある。しかしながら、前面の骨を沢山除去するほど、移植片の後端が脊髄のより近くに配置されることになるので、前面の骨はあまり多量に除去すべきではない。小さな患者では、この距離が更に短いので状況はより深刻である。平削り案内部材210は、椎骨部材300の削り深さと面積を制御する。1つの実施形態を図11に示しているが、これは、フランジ214と伸張部212で形成された複数の孔215を有している。フランジ214は、平削り案内部材210の一部又は全周を取り巻くように配置されており、伸張部212はフランジ214の上方に一定の高さだけ突き出している。
【0020】
或る実施形態では、平削り案内部材210は、逆方向にオフセットしている第1側と第2側を備えている。「逆方向にオフセットしている」という用語は、孔215が椎骨部材300の第1の前面部分の上に配置されるように、第1側を上に向けた第1位置に、平削り案内部材210を配置可能であることを定義している。平削り案内部材210は、第2位置では、孔が椎骨部材300の第2の前面部分の上に配置された状態で第2側が上に向くように(即ち第1側が下を向くように)反転する。第1及び第2の前面部分はその面積の一部を共有しているのがよい。
【0021】
図12は、結合リング110内に取り付けられた平削り案内部材210を示している。伸張部212は本体112内に嵌まり込み、フランジ214は本体112の近位縁に接触している。穴ぐり錐(reamer)(図示せず)が孔215内に嵌り、椎骨部材300の露出された前面を削る。完了すると、平削り案内部材210は反転され(即ち、前は上向きだった第1側が今度は下向きに椎骨部材300の方を向いて)、孔215を通してアクセス可能な前面部を削る。図12に示す実施形態では、試行用椎体間装置150は、削る間、結合リング110に取り付けられたままである。或る実施形態では、第1及び第2側には、平削り案内部材210の正しい整列を表示するインジケータ218が配置されている。或る実施形態では、インジケータ218は矢印である。或る実施形態では、平削り案内部材210は、インジケータが頭方向を指せば正しく配置されたことになる。
【0022】
或る実施形態では、結合リング/試行用装置には、鋸案内部材(saw guide)220が取り付けられており、鋸ブレード(saw blade)230を制御する。或る実施形態を図13に示しているが、本例は、幅xと高さyを有する本体222を含んでいる。或る実施形態では、幅xは正常な円板の高さに略等しい。陥凹部156に取り付けるため、本体222から外向きに、一定の間隔を空けて複数の指部224が伸張している。完全に着座すると、本体222の下側が頭部152の上側に接触して、指部224が頭部152を跨いだ状態になる。本体の幅xは、椎骨部材300の終板から除去される骨の量を制御する。本体の深さyは、骨が椎骨部材300から後方向に除去される深さを制御する。
【0023】
鋸ブレード230は、椎骨部材300から骨を除去する。鋸ブレードの或る実施形態を図14に示すが、本例では、一対のアーム232が所定の距離だけ離して設けられている。アーム232は、鋸案内部材220を跨いで、第1アームが本体222の第1側の上に、第2アームが本体222の第2側の上にくるように分離されている。第1及び第2椎骨部材300を同時に切削するため、各アームの遠位端に切削面234が配置されている。或る実施形態では、移植片600を受け入れるために椎骨部材300を平行に切削する場合には、切削面234は平行に設けられている。或る実施形態では、各アーム232のスロット237の間にピン236が渡されている。ピン236は、深さゲージとして機能し、一杯に挿入されると鋸案内部材本体222の近位縁に接触する。別の実施形態では、アーム232の間の二股部分238が深さゲージとして働く。或る実施形態では、切削エッジと深さゲージ(ピン236又は二股部)の間の距離は、最大切削深さを制御して脊髄への切込みを防ぐために、高さyに指部224の長さを足したものに等しくなっている。鋸ブレード230の近位端に配置されている取付部231は、電源239に取り付けるために設けられている。後で説明するが、縁部235はレールガイド221に嵌って、鋸ブレード230を正しい角度に配置する。
【0024】
図14は、椎骨部材300を切削する鋸ブレード230の或る実施形態を示している。鋸ブレード230は、鋸案内部材本体22を跨ぎ、ピン230は切削の深さを制御する。或る実施形態では、鋸ブレード230は幅が結合リング110の幅よりも小さい。椎骨部材300の全幅を切削するには、横方向の異なる位置で一連の上下のパスが必要になる。例えば、第1の切削は椎骨部材300の左部分に行われ、第2の切削は中央部分に、そして第3の切削は右部分に行われる。各切削は前の切削と整列、又は重複させて行うので、椎骨部材300を完全に切削することができる。或る実施形態では、切削面234は、所望の切削幅に略等しい幅を有している。本実施形態では、切削は一回しか必要ではない。或る実施形態では、シャフト160は、電源239を椎骨部材300に対して整列させるためのガイドとして働く。電源239の実施形態には、充電式バッテリ、ガスタービン機構、及び、必要に応じて電圧を下げる変圧器を備えていてもいなくてもよいが、110ボルト60サイクル電源のような他の電源が含まれる。
【0025】
本発明には鋸ブレード230の様々な実施形態が含まれる。或る実施形態では、鋸ブレード230は、切削面234を1つだけ備えた1本のアーム232を含んでいる。2002年6月16日出願の米国特許出願第10/174,923号「椎体を輪郭付けるためのガイドとブレード」は、本出願の所有者が所有しており、その内容全体を参考文献としてここに援用する。同参考文献には数多くの鋸ブレードの実施形態が開示されている。
【0026】
鋸案内部材の別の実施形態を図16に示している。鋸案内部材220は、本体222から伸張するレールガイド221を含んでいる。各レールガイド221内のスロット229は、鋸ブレード230の縁部235が入る大きさに作られている。レールガイド221の近位端は、鋸ブレード230を受け入れるため開いている。スロット229は、レールガイド221の全長に亘って伸張していてもよいし、その一部に伸張していてもよい。指部224は、レールガイド221を正しい角度に配置するため、試行用椎体間装置150付近に取り付けられている。図17は、鋸案内部材220内に配置された鋸ブレード230を示している。レールガイド221は、椎骨部材300が確実に正しい角度で切削されるようにするため、鋸ブレード230の角度を制御する。
【0027】
或る実施形態では、椎骨部300には面取りが施される。図18は、面取り工具530の一例を示しているが、この面取り工具には、試行用椎体間装置陥凹部156に嵌るように間隔を空けて配置された指部534が含まれている。歯536は、椎骨部材300の上下両方の角部を面取りして、移植片600側の半径に良く合う面取りを施せるように配置されている。シャフト532を使って、面取り工具530の操作と位置決めを行う。
【0028】
椎骨部材300に前処理が施された後、結合リング/試行用装置は取り外される。各種移植片600が、椎骨部材300の間の円板空間310内に配置される。或る実施形態では、移植片600は、動作維持装置である。或る具体的な実施形態を図19に示しており、この実施形態は、第1部材と第2部材を含んでいる。各部材は、椎骨部材300の前面に取り付けられる取付部630を含んでいる。取付部630には、ファスナ640を受け入れるための1つ又は複数の孔615が設けられている。或る実施形態では、取付部630には係止ねじ及びワッシャ627が取り付けられ、ファスナ640が不用意に外れるのを防ぐため、その頭部を覆って配置されている。椎間部650は、取付部630から外向きに、椎骨部材300の間の円板空間310の中へ伸張している。或る実施形態では、各椎間部650は、それぞれ対応するボール部620と樋部621を含んでいる。椎骨部材300の所定の位置に取り付けられると、ボール部620は樋部621に嵌って関節運動可能な関節を形成する。移植片600の1つの実施形態は、テネシー州メンフィスのMedtronic Sofamor Danek社から市販されているPRESTIGE DISCである。詳しくは、2002年1月9日出願の米国特許出願第10/042,589号「人工円板移植片」、2002年4月25日出願の米国仮特許出願第60/375,354号「人工関節円板器官とその移植法」、2002年10月2日出願の米国特許出願第10/263,115号「モジュール式人工椎間器官システム」、及び米国特許第6,113,637号「並進及び回転運動を可能にする人工椎間関節」を参照頂きたく、関節運動可能な関節の設計に関する更なる詳細事項の参考とするため、上記文献全てを本願に援用する。
【0029】
或る実施形態では、ホルダ400は、移植片600を椎骨部材300に対して保持し整列させる。図20は、移植片600が入る大きさに作られた本体402を有する或る実施形態を示している。移植片取付部630は、孔404が孔615に整列した状態で本体402の遠位端に当接する。ピン408は、ハンドル409を有する近位端と、先端部410に向けて先細になった遠位端を含んでいる。ピンは、本体402内に可動的に配置されており、先端部410が本体402の遠位端を越えて伸張する程度を調整できるように軸方向に可動になっている。或る実施形態では、ピン408の外表面は、本体402内部の対応する溝に係合するらせん状の溝を有している。ピン408を回転させると軸方向の動きが生じ、先端部410の位置を調節することができる。或る実施形態では、移植片取付部630の孔616を先端部410と整列させる。本体402の遠位端から、1つ又はそれ以上の舌状部415が外向きに伸張している。或る実施形態では、舌状部415は、本体402の中心点付近に配置されている。
【0030】
図21は、椎骨部材300に対して位置決めされたホルダ400と移植片600を示している。使用時、移植片600は、孔615を孔404と整列させ、取付部630が本体402の遠位端に当接した状態に配置される。また、先端部410は孔616と整列している。舌状部415は第1及び第2移植片部材を分離する。或る実施形態では、ピン408は、先端部410が孔616を通って伸張し、移植片部材をホルダ400に取り付けるように軸方向に動かされる。ホルダ400を操作して、移植片600が椎骨部材300の間に配置される。椎骨部材300に骨ねじ穴を穿孔するためドリルが使用される。或る実施形態では、13mmのドリルが使用される。本体402は、ドリルを正確な角度に配置し、孔を正しい位置に設けるためのガイドの役目を果たす。孔が穿孔されると、ファスナ640が挿入され、移植片600を固定的に取り付ける位置まで締め込まれる。ピン408は、先端部410が椎骨部材300を抜け出てホルダ400を取り外せるように軸方向に動かされる。或る実施形態では、ホルダ取り外し時にはホルダ400を頭側/尾側に傾ける必要がある。次いで、係止ねじ627とワッシャ637が取り付けられ、ファスナ640を正しい位置に係止する。
【0031】
図22は、移植片600が椎骨部材300内に取り付けられている或る実施形態を示している。この実施形態では、取付部630は椎骨部材300の前面に配置されている。
【0032】
図23は、椎骨部材300を前処理し移植片600を挿入する或る実施形態の段階を示している。外科処置開始(ステップ41)に先立ち、椎骨部材の間の正常な円板の高さが求められる。正常な円板の高さは、円板疾患以前の終板間の距離と定義される。或る実施形態では、X線テンプレートを使用して正常な円板の高さが求められる。円板空間310又は椎骨部材300の何れかに損傷がある別の実施形態では、隣接する円板空間及び/又は椎骨部材の寸法を測り、正常な円板の高さを求めるためのガイドとして使用する。正常な円板の高さが分かったら、解剖学的に適切な大きさの移植片600が選択される。或る実施形態では、移植片600は大きさを判定するためにX線撮影される。更に、結合リング110と試行用テンプレート150が、患者の解剖学的構造と確実に適合するように選択される。或る実施形態では、結合リング110の大きさは、スパイク116が、第1及び第2椎骨部材300に所定距離離間して取り付けられる大きさに作られる。下側又は上側のスパイクが円板空間310又は隣接する椎骨部材の円板空間に侵入する場合は、結合リング110は大きさが正しくないということになる。試行用テンプレート150は、正常な円板空間を超えて伸延させること無く、椎骨部材300の間に正しく嵌る幅Qを定める大きさに作られている。
【0033】
次の段階は、椎間板切除術と減圧術を含んでいる(ステップ42)。或る実施形態では、処置全体を通してX線透視法が使用されている。患者は、頸部を中立位置にして位置決めされ、こうすると、円板空間310を、過度の伸延を発生させること無く正常な円板空間に保つことができる。椎骨部材300にアクセスするために切開が施される。或る実施形態では、切開は最小55mmである。或る実施形態では、Smith-Robinson減圧術が使用される。
【0034】
大きさ測定と試行の段階(ステップ43)では、正常な円板の高さを超えた伸延を生じさせない幅wを有する試行用テンプレート510を使用する。テンプレートが切られ、高速穴ぐり器を使用して、テンプレートで型取りされた骨が側方及び後方向に除去される。次に、結合リング110が椎骨部材300に取り付けられる。或る実施形態では、試行用椎体間装置150は、結合リング110が椎骨部材300に取り付けられる前に、結合リング110に取り付けられる。
【0035】
前方平削り段階(ステップ44)では、平削り案内部材210を結合リング110内に取り付け、平削り盤を使用して骨を除去する。開口部215を二箇所設けた平削り用ガイド210を有する或る実施形態では、第1の前面部分が平坦になると、平削り案内部材210を反転させ、第2の相補的前面部分を平坦に削る。
【0036】
終板前処理段階(ステップ45)では、鋸案内部材220と鋸ブレード230を使用する。面取り工具530を更に使用して、椎骨部材300に面取りを施してもよい。終板の前処理が済むと、結合リング110と試行用椎体間装置150は椎骨部材300から取り外される。或る実施形態では、取り外しにスラップハンマーが使用される。鋸ブレード230又は面取り工具530が取り残した骨片は、移植片600の挿入に干渉する虞のある障害物と共に、穴ぐり器を使って除去される。
【0037】
移植片挿入段階(ステップ46)は、移植片600を把持し配置するホルダ400を使用して実行される。移植片は、配置されると、椎骨部材300に取り付けられる。或る実施形態では、移植片600は、ホルダ400を使用せずに挿入される。或る実施形態では、移植片600は、椎骨部材300の間に挿入された動作維持移植片である。移植片を組み込んだ後の合計の円板の高さは、正常な円板の高さに略等しい。
【0038】
本願で使用する場合、「伸延(distraction)」という用語は、隣接する椎骨部材300の間の円板空間を正常な円板空間の量を超えて伸張させること、と定義する。
【0039】
本発明は、頸部、胸部、脊椎の腰部領域に含まれる椎骨部材の輪郭付けと成形のために使用される。或る実施形態では、本発明は、椎骨部材の前方部分の成形と輪郭付けに使用される。別の実施形態では、本発明は、椎骨部材の後方部分の成形と輪郭付けに使用される。また別の実施形態では、本発明は、椎骨部材の側方部分の成形と輪郭付けに使用される。椎骨部材300という用語は、一般的には、椎体、椎弓根、椎弓板、及び突起部を含んでいる椎骨構造体を指すのに用いられる。
【0040】
或る実施形態では、鋸案内部材として頭部152が使用されており、頭部の互いに反対側の第1側と第2側によって、椎骨部材300から除去される骨の量が制御される。
【0041】
本発明は、発明の範囲と本質的な特徴を逸脱すること無く、ここに説明したやり方以外の特定のやり方で実施することができる。或る実施形態では、椎骨部材の輪郭付けのプロセスは、段階的に長さが長くなる複数の異なるブレード20を使用する段階を含んでいる。従って、上記実施形態は、全て、限定ではなく説明を目的としたものと捉えられるべきであり、また、特許請求の範囲に述べる内容の意味及び等価な範囲に含まれる全ての変更は、本願に包含されるものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】移植片を受け入れるために椎骨部材に前処理を施すための本発明の構成要素の或る実施形態の概略図である。
【図2】本発明に従って構築された試行用テンプレートの或る実施形態を示す斜視図である。
【図3】隣接する椎骨部材の間に配置された試行用テンプレートの或る実施形態の試用を示す部分斜視図である。
【図4】隣接する椎骨部材の間に配置された試行用テンプレートを示している、図3の実施形態の側面図である。
【図5】本発明に従って構築された結合リングの或る実施形態の斜視図である。
【図6】本発明に従って構築された試行用椎体間装置の或る実施形態の斜視図である。
【図7】本発明に従って構築された試行用椎体間装置に取り付けられた結合リングの或る実施形態の部分斜視図である。
【図8】本発明による、係止位置にある係止機構の部分側面図である。
【図9】本発明による、係止解除位置にある係止機構の部分側面図である。
【図10】本発明による、椎骨部材に対して配置された結合リング、試行用椎体間装置、スタイレット、及び衝撃装置を示す斜視図である。
【図11】本発明に従って構築された平削り案内部材の或る実施形態の斜視図である。
【図12】本発明に従って構築された結合リングと試行用椎体間装置の中に取り付けられた平削り案内部材の部分前面図である。
【図13】本発明に従って構築された鋸案内部材の或る実施形態の斜視図である。
【図14】本発明に従って構築された鋸ブレードの或る実施形態の斜視図である。
【図15】本発明の或る実施形態に従って構築された、鋸ブレード、鋸案内部材、試行用椎体間装置、及び結合リングの部分斜視図である。
【図16】本発明に従って構築された、鋸案内部材とレールガイドの或る実施形態の斜視図である。
【図17】本発明による、電源に取り付けられレールガイド内部で整列している鋸ブレードの或る実施形態の部分斜視図である。
【図18】本発明に従って構築された面取り工具の或る実施形態の部分斜視図である。
【図19】本発明に従って構築された移植片とファスナの或る実施形態の分解斜視図である。
【図20】本発明に従って構築されたホルダの或る実施形態の斜視図である。
【図21】本発明による、椎骨部材同士の間に移植片を配置するホルダの或る実施形態の側面図である。
【図22】本発明による、隣接する椎骨部材の間に取り付けられた移植片の或る実施形態の部分斜視図である。
【図23】本発明に従って椎骨部材を前処理して移植片を取り付ける段階の或る実施形態の概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移植片のために複数の椎骨部材に前処理を施す装置において、
椎骨部材の一部と、前記椎骨部材及び前記椎骨部材の間の円板空間とを覆うことができる大きさに作られた窓を形成している結合リングであって、前記椎骨部材及び前記椎骨部材の中に伸張するように外向きに伸張している複数のスパイクを備えた遠位側を有している結合リングと、
前記結合リングに取り付けられ、前記窓を横断して伸張する大きさに作られた取付部材であって、受け入れ部分と第2部分とを備えており、前記受け入れ部分は前記第2部分とは異なる幅を有している、取付部材と、
前記受け入れ部分に嵌合し、前記椎骨部材と整列するように、所定距離離間して設けられた一対の指部をそれぞれ有している複数の器具と、を備えている装置。
【請求項2】
前記結合リングは、前記窓の互いに反対側の側部に配置され前記円板空間と整列している一対のチャネルを備えた近位側を含んでいる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記取付部材は、前記一対のチャネル内に取り付けられる大きさに作られた、一対の外向きに伸張する翼部を含んでいる、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記窓は、実質的に長方形の形状を有している、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のスパイクは、それぞれ、前記椎骨部材に取り付けられる際に広がるのを防ぐために、内向きに勾配が付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記取付部材内に取り付けられており、前記取付部材が前記結合リングに固定的に取り付けられる第1位置と前記取付部材が前記ロッキングリングから取り外される第2位置との間に選択的に配置可能な付勢部材を有している係止機構を更に備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記取付部材は、前記窓の中心線に沿って配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
移植片を受け入れるために第1及び第2椎骨部材に前処理を施すためのシステムにおいて、
本体及びスペーサを有する基礎器具であって、前記本体は、前記第1及び第2椎骨部材の一部と、第1及び第2椎骨部材の間の円板空間とを覆うことができる大きさに作られた窓を形成しており、前記スペーサは、前記窓を横断して伸張しており、且つ前記本体の下方に伸張して、前記本体が前記第1及び第2椎骨部材の前面上に配置されたとき、前記第1及び第2椎骨部材の間に配置される、基礎器具と、
それぞれの複数の器具が第1部分及び第2部分を有する複数の器具であって、前記第1部分は、前記第2部分を前記第1及び第2椎骨部材に対して配置するのと共通の整列状態で前記スペーサに取り付けられる大きさに作られている、複数の器具と、を備えているシステム。
【請求項9】
前記第1部分は、前記スペーサを跨ぐように所定距離離間して配置された一対の指部を備えており、前記一対の指部の間の距離は前記スペーサの幅に実質的に等しい、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記スペーサは、前記一対の指部を受け入れ、前記第2部分を前記第1及び第2椎骨部材に対して整列させるために、前記スペーサに沿う中心位置に陥凹部を有している、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第2部分は、前記第1及び第2椎骨部材の少なくとも一方を切削するための切削面を備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項12】
前記第2部分は、前記第1椎骨部材と整列する第1縁部と、前記第2椎骨部材と整列する第2縁とを備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項13】
前記スペーサに軸回転可能に取り付けられたシャフトを更に備えており、前記シャフトは、ピボットの遠位側に位置し且つ前記本体内の開口部に接続される伸張部を有している、請求項8に記載のシステム。
【請求項14】
前記シャフト内に配置され、前記スペーサを前記本体に係止するための付勢機構を有している係止機構を更に備えている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の器具の1つは、所定の高さと幅を備えた本体を有しており、一対の指部が、前記本体の遠位端から外向きに伸張し且つ前記スペーサに嵌る距離だけ間隔を空けて配置されている、鋸案内部材を備えている、請求項8に記載のシステム。
【請求項16】
前記本体から外向きに且つ前記本体に実質的に垂直に伸張している前記第1及び第2レールガイドを更に備えており、前記第1及び第2レールガイドは、それぞれ、スロットを有する内面を備えている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
切削縁を有する遠位端を有している鋸ブレードを更に備えており、前記鋸ブレードは、前記第1レールガイド内に配置可能な第1縁と前記第2レールガイド内に配置可能な第2縁とを備えた全幅を有している、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記窓よりも幅が広いフランジと、前記窓よりも幅が狭い第1側から外に伸張する伸張部とを有する平削り案内部材を更に備えており、前記平削り案内部材は、前記フランジを近位縁に着座させ前記伸張部を前記窓の中に配置した状態で前記本体に取り付けることができる、請求項8に記載のシステム。
【請求項19】
前記スペーサは正常な円板の高さ以下の幅を有している、請求項8に記載のシステム。
【請求項20】
移植片を受け入れるために第1及び第2椎骨部材に前処理を施すための装置において、
近位縁と遠位縁を有し、前記第1及び第2椎骨部材の一部と、前記第1及び第2椎骨部材の間の円板空間とを覆うことができる大きさに作られた窓を形成している本体と、
前記本体に取り付けられ、前記遠位縁の下方に前記窓の中央部と整列して配置されたスペーサであって、正常な円板の高さ以下の幅を有しているスペーサと、を備えており、
前記遠位縁が前記第1及び第2椎骨部材の表面上に配置され、前記スペーサが伸延されていない前記第1及び第2椎骨部材の間の円板空間内に配置されている、装置。
【請求項21】
前記スペーサは、前記本体に取り付けられ前記スペーサを前記窓の中央部内に位置決めする、複数の外向きに伸張する翼部を更に備えている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
第1及び第2椎骨部材に前処理を施すための装置において、
窓を形成している外壁を有するリングであって、前記第1及び第2椎骨部材の中に取り付けるために外向きに伸張する複数のスパイクを有する第1縁を有し、第2縁には前記窓の互いに反対側の両側部の上に整列している受け入れ部分が設けられているリングと、
前記窓を横断して伸張する大きさに作られている頭部と、前記受け入れ部分の中に取り付けられるように前記頭部の上方に所定距離だけ外向きに伸張している翼部と、を有している試行装置と、を備えており、
前記翼部を前記受け入れ部分に配置して、前記頭部が前記窓の中央部分を横断し且つ前記第1面の下方に整列した状態で、前記試行装置を前記リングに取り付けることができる、装置。
【請求項23】
前記頭部と前記第1縁は、前記試行装置が前記リング内に取り付けられたときは、実質的に平行である、請求項22に記載の装置。
【請求項24】
前記受け入れ部分は、前記第2縁から内向きに伸張しているチャネルと、前記チャネルに整列している溝と、を備えており、前記受け入れ部分は、前記チャネルの幅が前記リングよりも狭くなっている、請求項22に記載の装置。
【請求項25】
前記翼部は、前記翼部の近位端に配置された外向きに伸張するタブを更に含んでおり、前記試行装置が前記リング内に取り付けられたとき、前記タブは前記チャネル内に着座し前記翼部は前記溝内に着座できる大きさにそれぞれ作られている、請求項24に記載の装置。
【請求項26】
前記頭部に軸回転可能に接続されたシャフトと、前記シャフト内に配置されたばねを備えている係止機構と、を更に備えており、前記係止機構は、前記シャフトの遠位端が前記リングに接続されている係止位置と、前記遠位端が前記リングから離れている係止解除位置との間に配置可能である、請求項22に記載の装置。
【請求項27】
移植片を受け入れるために第1及び第2椎骨部材に前処理を施す方法において、
前記第1及び第2椎骨部材の間の正常な円板の高さを求める段階と、
基礎装置を前記第1及び第2椎骨部材に取り付けて、前記第1及び第2椎骨部材に対する基準を作成する段階であって、前記基礎装置は、前記第1及び第2椎骨部材の間に配置される頭部を含んでいる、基礎装置を取り付けて基準を作成する段階と、
前記基準を用いて第1器具を前記第1及び第2椎骨部材に対して整列させ、前記第1及び第2椎骨部材上で第1の処置を実行する段階と、
前記基準を用いて第2器具を前記第1及び第2椎骨部材に対して整列させ、前記第1及び第2椎骨部材上で第2の処置を実行する段階と、
前記第1及び第2椎骨部材の間に動作維持移植片を挿入する段階と、から成る方法。
【請求項28】
前記頭部を、その幅が前記正常な円板の高さ以下になるように作ることにより、前記第1及び第2椎骨部材の伸延を防ぐ段階を更に含んでいる、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の処置と前記第2の処置は、それぞれ、前記第1及び第2椎骨部材から等しい量の骨を除去する、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記第1及び第2椎骨部材に対する基準を作成する前記段階は、前記頭部を前記第1及び第2椎骨部材の間の中間点に配置する段階を含んでいる、請求項31に記載の方法。
【請求項31】
第1及び第2椎骨部材に前処理を施す方法において、
前記第1及び第2椎骨部材の間の正常な円板の高さを判定する段階と、
基礎装置の椎間部分を、前記第1及び第2椎骨部材の間に挿入する段階であって、前記椎間部分は、正常な円板の高さ以下の幅を有しており、前記第1及び第2椎骨部材の終板部が露出するように配置される、挿入する段階と、
前記基礎装置を前記第1及び第2椎骨部材に取り付けて基準を作成する段階と、
器具を前記基準に対して整列させ、骨を前記終板部から除去する段階と、
前記基礎装置を前記第1及び第2椎骨部材から取り外す段階と、から成る方法。
【請求項32】
前記第1及び第2椎骨部材の間に前記基礎装置の前記椎間部分を挿入する段階の前に、第1部材と第2部材を取り付けて一体化した前記基礎装置を製作する段階を更に備えている、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記第1及び第2椎骨部材の前記終板部分を覆うように前記基礎装置の窓を整列させる段階を更に含んでいる、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
第2の器具を前記基準に対して整列させ、前記第1及び第2椎骨部材の前面に第2の骨除去処理を実行する段階を更に含んでいる、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
第1及び第2椎骨部材に前処理を施す方法において、
前記第1及び第2椎骨部材の終板を覆うことができる大きさに作られた窓を有する結合リングを選択する段階と、
試行用椎体間装置の部材が前記窓を横断して伸張するように、前記試行用椎体間装置を前記結合リングに取り付ける段階と、
前記部材を前記第1及び第2椎骨部材の間に配置し、前記結合リングを前記第1及び第2椎骨部材の前面に配置する段階と、
前記試行用椎体間装置を取り付けた前記結合リングを前記第1及び第2椎骨部材に固定的に取り付ける段階と、
器具を前記部材と整列させて、前記第1及び第2椎骨部材の前記終板の一部分を除去する段階と、から成る方法。
【請求項36】
前記試行用椎体間装置のシャフトを前記結合リングに対して軸回転させて、前記試行用椎体間装置を前記結合リングから取り外す段階を更に備えている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記試行用椎体間装置の前記部材が前記窓を横断して伸張するように、前記試行用椎体間装置を前記結合リングに取り付ける前記段階は、前記試行用椎体間装置を前記結合リングに付勢機構で係止する段階を含んでいる、請求項35に記載の方法。
【請求項38】
前記試行用椎体間装置を取り付けた前記結合リングを前記第1及び第2椎骨部材に固定的に取り付ける前記段階は、前記第1及び第2椎骨部材の一方に対して深さゲージを設置する段階と、前記結合リングに力を加えて、スパイクを、前記第1及び第2椎骨部材の中に前記深さゲージで定めた深さまで打ち込む段階と、を含んでいる、請求項35に記載の方法。
【請求項39】
移植片を受け入れるために第1椎骨部材と第2椎骨部材に前処理を施すための方法において、
結合リングを、前記第1及び第2椎骨部材に、窓が円板空間の上に配置され、頭部が前記窓を横断して前記第1及び第2椎骨部材の間に伸張するように、取り付ける段階であって、前記頭部は前記円板空間と整列した嵌合部を備えている、取り付ける段階と、
第1の器具を前記嵌合部に前記第1及び第2椎骨部材と整列させて取り付ける段階と、
第1の処置を実行し、前記第1及び第2椎骨部材から第1の量だけ除去する段階と、
前記結合リングが前記第1及び第2椎骨部材に取り付けられた状態のまま、前記第1の器具を前記嵌合部から取り外す段階と、
第2の器具を前記嵌合部に前記第1及び第2椎骨部材と整列させて取り付ける段階と、
第2の処置を実行し、前記第1及び第2椎骨部材から第2の量だけ除去する段階と、から成る方法。
【請求項40】
前記第1及び第2椎骨部材から終板の一部分を前記第1の器具で除去する段階と、前記第1及び第2椎骨部材の前方部分を前記第2の器具で除去する段階と、を更に含んでいる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
第1及び第2椎骨部材に前処理を施す方法において、
窓を有する結合リングと部材とを、前記第1及び第2椎骨部材の終板を覆うように、且つ前記部材が前記第1及び第2椎骨部材の間に形成された円板空間と整列するように配置する段階と、
第1の器具を前記部材に取り付けて、前記第1及び第2椎骨部材の一部分を機械加工する段階と、
第1レールガイドと第2レールガイドを有する鋸案内部材を、前記第1レールガイドを前記第1椎骨部材に対して整列させ、前記第2レールガイドを前記第2椎骨部材に対して整列させて、前記部材に取り付ける段階と、
鋸ブレードの縁部を前記第1及び第2レールガイド内に挿入することにより、前記鋸ブレードを前記第1及び第2椎骨部材内に配置する段階と、
前記鋸ブレードを前記第1及び第2レールガイド内で滑動させ、前記第1及び第2椎骨部材を切削する段階と、から成る方法。
【請求項42】
前記第1及び第2椎骨部材を切削する段階は、ダブルブレードを使用して前記第1及び第2椎骨部材を同時に切削する段階を含んでいる、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記鋸ブレードを、前記部材を跨がせて配置する段階を更に備えている、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
深さステップを前記部材に接触させることにより、前記第1及び第2椎骨部材の切削深さを制御する段階を更に含んでいる、請求項45に記載の方法。
【請求項45】
前記第1及び第2椎骨部材を切削する際に、前記第1及び第2レールガイドの間に動力機構を配置する段階を更に含んでいる、請求項41に記載の方法。
【請求項46】
移植片のために第1及び第2椎骨部材に前処理を施す方法において、
前記第1及び第2椎骨部材の終板を覆うことができる大きさに作られた窓を有する結合リングを選択する段階と、
試行用椎体間装置を前記結合リングに取り付け、頭部を、前記第1及び第2椎骨部材の間に配置されるように、前記窓を横断して伸張するように配置する段階と、
平削り案内部材を前記結合リングに取り付ける段階であって、前記平削り案内部材は、前記ウインドウの上に取り付けられるフランジと、前記第1及び第2椎骨部材の一部分と整列する複数の孔を有している、平削り案内部材を取り付ける段階と、
前記複数の孔を通してリーマを挿入し、前記第1及び第2椎骨部材の前面の一部を除去する段階と、
鋸案内部材を前記頭部に取り付け、前記鋸案内部材を前記第1及び第2椎骨部材に対して整列させる段階と、
鋸ブレードを前記鋸案内部材と整列させ、前記第1及び第2椎骨部材の一部を切削する段階と、
移植片を前記第1及び第2椎骨部材の間に配置する段階と、から成る方法。
【請求項47】
前記頭部と前記移植片を正常な円板の高さ以下の大きさに作ることにより、前記第1及び第2椎骨部材の伸延を防ぐ段階を更に含んでいる、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記移植片を前記第1及び第2椎骨部材の間に配置する前記段階は、前記移植片をホルダに取り付ける段階と、前記移植片と前記ホルダを前記第1及び第2椎骨部材に対して整列させる段階と、を含んでいる、請求項46に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate


【公表番号】特表2007−502651(P2007−502651A)
【公表日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523832(P2006−523832)
【出願日】平成16年6月15日(2004.6.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/019203
【国際公開番号】WO2005/018465
【国際公開日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(506298792)ウォーソー・オーソペディック・インコーポレーテッド (366)
【Fターム(参考)】