説明

移設検出装置、及びこの移設検出装置を備える測定機

【課題】改造されたか否かを検出することができる移設検出装置の提供。
【解決手段】移設検出装置2は、筐体21と、筐体21の内部に配設される移設検出手段3、圧力検出手段4、通信手段5、及び制御手段6とを備える。筐体21は、密閉されるとともに、筐体21の内部圧力は、大気圧とは異なる所定の圧力とされている。制御手段6は、筐体21の内部圧力の初期値を記憶する記憶部61と、圧力検出手段4にて検出される筐体21の内部圧力を取得する圧力取得部62と、記憶部61に記憶された筐体21の内部圧力の初期値と、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力とに基づいて、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する判定部63と、判定部63による判定結果を、筐体21の外部に通信手段5を介して送信する送信部64とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移設検出装置、及びこの移設検出装置を備える測定機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、測定機などの設置型機器に取り付けられ、この設置型機器の移設を検出する移設検出装置が考案されている(例えば、特許文献1,2参照)。このような移設検出装置は、筐体と、この筐体の内部に配設され、筐体の移設を検出する移設検出手段とを備えている。
特許文献1に記載の移設検出装置では、移設検出手段は、球と、この球を着座させるための孔からなる球着座部と、球着座部に球が着座しているか否かを検出するためのフォトセンサとを備えている。そして、設置型機器が移設された場合には、振動によって球着座部から球が離脱することとなるので、移設検出装置は、フォトセンサにて球着座部に球が着座していないことを検出することで設置型機器の移設を検出することができる。
特許文献2に記載の移設検出装置では、移設検出手段は、回動軸を中心として回動自在に構成される回動体と、回動体の回転を検出する検出部とを備えている。そして、設置型機器が移設された場合には、回動体は回転することとなるので、移設検出装置は、検出部にて回動体の回転を検出することで設置型機器の移設を検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−157853号公報
【特許文献2】特開2008−176443号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、特許文献1に記載の移設検出装置では、硬化性樹脂などを筐体の内部に充填することで振動によって球着座部から球が離脱することがないように改造されると、設置型機器の移設を検出することができなくなるという問題がある。
また、例えば、特許文献2に記載の移設検出装置では、回動軸を固定することで回動体が回転することがないように改造されると、設置型機器の移設を検出することができなくなるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、改造されたか否かを検出することができる移設検出装置、及びこの移設検出装置を備える測定機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の移設検出装置は、筐体と、前記筐体の内部に配設され、前記筐体の移設を検出する移設検出手段とを備える移設検出装置であって、前記筐体は、密閉されるとともに、前記筐体の内部圧力は、大気圧とは異なる所定の圧力とされ、前記移設検出装置は、前記筐体の内部に配設され、前記筐体の内部圧力を検出する圧力検出手段と、前記移設検出手段、及び前記圧力検出手段を制御する制御手段と、前記制御手段で用いられる情報を前記筐体の外部に通信するための通信手段とを備え、前記制御手段は、前記所定の圧力を記憶する記憶部と、前記圧力検出手段にて検出される前記筐体の内部圧力を取得する圧力取得部と、前記記憶部に記憶された所定の圧力と、前記圧力取得部にて取得される前記筐体の内部圧力とに基づいて、前記筐体の内部圧力が変化したか否かを判定する判定部と、前記判定部による判定結果を前記筐体の外部に前記通信手段を介して送信する送信部とを備えることを特徴とする。
【0007】
ここで、硬化性樹脂などを筐体の内部に充填したり、回動軸を固定したりするなどして移設検出装置を改造する場合には、筐体を分解したり、筐体に穴を開けたりする必要がある。
本発明によれば、移設検出装置の筐体は、密閉されるとともに、筐体の内部圧力は、大気圧とは異なる所定の圧力とされているので、筐体を分解したり、筐体に穴を開けたりして移設検出装置を改造すると、筐体の内部圧力は変化することとなる。
したがって、本発明によれば、制御手段は、筐体の内部圧力が変化したか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果を筐体の外部に通信手段を介して送信する送信部とを備えるので、移設検出装置は、改造されたか否かを検出することができる。
【0008】
本発明では、前記筐体の内部に配設され、前記筐体の内部温度を検出する温度検出手段を備え、前記制御手段は、前記温度検出手段にて検出される前記筐体の内部温度を取得する温度取得部と、前記温度取得部にて取得される前記筐体の内部温度に基づいて、前記圧力取得部にて取得される前記筐体の内部圧力を補正する補正部とを備え、前記判定部は、前記記憶部に記憶された所定の圧力と、前記補正部にて補正された前記筐体の内部圧力とに基づいて、前記筐体の内部圧力が変化したか否かを判定することが好ましい。
【0009】
ここで、筐体の内部圧力は、筐体の内部温度によっても変化するので、記憶部に所定の圧力を記憶したときの筐体の内部温度と、圧力取得部にて筐体の内部圧力を取得したときの筐体の内部温度とが異なる場合には、判定部は、筐体の内部圧力が変化したか否かを誤って判定してしまう場合があるという問題がある。
本発明によれば、制御手段は、温度検出手段にて検出される筐体の内部温度を取得する温度取得部と、温度取得部にて取得される筐体の内部温度に基づいて、圧力取得部にて取得される筐体の内部圧力を補正する補正部とを備えるので、判定部による判定の精度を向上させることができる。
【0010】
本発明では、前記制御手段、及び前記通信手段は、前記筐体の内部に配設されることが好ましい。
このような構成によれば、制御手段、及び通信手段は、密閉された筐体の内部に配設されているので、制御手段、及び通信手段で用いられる情報をモニタしたり、制御手段、及び通信手段を改造したりすることを防止することができる。したがって、移設検出装置は、改造されたか否かを確実に検出することができる。
【0011】
本発明では、前記記憶部に記憶される前記所定の圧力、及び前記送信部にて送信される判定結果は、暗号化されていることが好ましい。
このような構成によれば、記憶部に記憶される所定の圧力、及び送信部にて送信される判定結果は、暗号化されているので、これらの情報の書き換えなどを防止することができる。したがって、移設検出装置は、改造されたか否かを確実に検出することができる。
【0012】
本発明の測定機は、前述した移設検出装置を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、測定機は、前述した移設検出装置を備えるので、前述した移設検出装置と同様の作用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1実施形態に係る測定機を示す模式図。
【図2】前記実施形態における制御手段の改造検出処理を示すフローチャート。
【図3】本発明の第2実施形態に係る測定機を示す模式図。
【図4】前記実施形態における制御手段の改造検出処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る測定機1を示す模式図である。
測定機1は、例えば、被測定物の形状を測定する形状測定機などの設置型機器であり、図1に示すように、移設検出装置2を備える。
移設検出装置2は、測定機1の移設を検出するものであり、筐体21と、筐体21の内部に配設される移設検出手段3、圧力検出手段4、通信手段5、及び制御手段6とを備える。
筐体21は、密閉されるとともに、筐体21の内部圧力は、大気圧とは異なる所定の圧力とされている。
【0015】
移設検出手段3は、筐体21の移設を検出するものであり、例えば、前述した特許文献1に記載の移設検出装置と同様に、球と、球着座部と、フォトセンサとで筐体21の移設を検出するように構成してもよく、前述した特許文献2に記載の移設検出装置と同様に、回動体と、検出部とで筐体21の移設を検出するように構成してもよい。
圧力検出手段4は、筐体21の内部圧力を検出する。なお、本実施形態では、圧力検出手段4は、絶対気圧を検出するセンサで構成されている。
通信手段5は、制御手段6で用いられる情報を外部に通信する。なお、本実施形態では、通信手段5は、制御手段6で用いられる情報を測定機1の処理装置(図示略)に無線で通信する。
【0016】
制御手段6は、MPU(Micro Processing Unit)や、書き換え可能な不揮発性のメモリ等を備えて構成され、移設検出装置2の全体を制御する。なお、本実施形態では、制御手段6の機能のうち、移設検出装置2が改造されたか否かを検出するための改造検出処理を実行する機能について主に説明し、その他の機能の説明を省略する。
制御手段6は、記憶部61と、圧力取得部62と、判定部63と、送信部64とを備える。
記憶部61は、筐体21の内部圧力の初期値、すなわち前述した大気圧とは異なる所定の圧力を記憶する。具体的に、制御手段6は、通信手段5を介して前述した測定機1の処理装置による指令を受信することによって、圧力検出手段4にて検出される圧力を取得して記憶部61に記憶させる。なお、記憶部61に記憶される内部圧力の初期値は、暗号化されている。
【0017】
圧力取得部62は、圧力検出手段4にて検出される筐体21の内部圧力を取得する。
判定部63は、記憶部61に記憶された筐体21の内部圧力の初期値と、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力とに基づいて、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する。
送信部64は、判定部63による判定結果を、前述した測定機1の処理装置、すなわち筐体21の外部に通信手段5を介して送信する。なお、送信部64にて送信される判定結果は、暗号化されている。
【0018】
図2は、制御手段6の改造検出処理を示すフローチャートである。
改造検出処理を実行すると、図2に示すように、制御手段6は、以下のステップS1〜S3を実行する。なお、制御手段6は、改造検出処理を所定の間隔で繰り返し実行する。
まず、圧力取得部62は、圧力検出手段4にて検出される筐体21の内部圧力を取得する(S1:圧力取得ステップ)。
【0019】
圧力取得ステップS1にて筐体21の内部圧力が取得されると、判定部63は、記憶部61に記憶された筐体21の内部圧力の初期値と、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力とに基づいて、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する(S2:判定ステップ)。
具体的に、判定部63は、記憶部61に記憶された筐体21の内部圧力の初期値P0と、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力Pcとの差を算出することで筐体21の内部圧力の変化量Pdを算出する(S21:変化量算出ステップ)。
変化量算出ステップS21にて筐体21の内部圧力の変化量Pdが算出されると、判定部63は、変化量Pdが下限閾値、及び上限閾値で定められる一定の範囲内であるか否かを判定することで、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する(S22:変化量判定ステップ)。
そして、変化量判定ステップS22にて筐体21の内部圧力が変化したか否かが判定されると、送信部64は、判定部63による判定結果を、前述した測定機1の処理装置に通信手段5を介して送信する(S3:送信ステップ)。具体的に、変化量判定ステップS22にて筐体21の内部圧力が変化したと判定されると、送信部64は、移設検出装置2の改造を検出したことを示す検出情報を送信し(S31:検出情報送信ステップ)、筐体21の内部圧力が変化していないと判定されると、送信部64は、移設検出装置2の改造を検出していないことを示す未検出情報を送信する(S32:未検出情報送信ステップ)。
【0020】
このような本実施形態によれば以下の効果がある。
(1)制御手段6は、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する判定部63と、判定部63による判定結果を筐体21の外部に通信手段5を介して送信する送信部64とを備えるので、移設検出装置2は、改造されたか否かを検出することができる。
(2)制御手段6、及び通信手段5は、密閉された筐体21の内部に配設されているので、制御手段6、及び通信手段5で用いられる情報をモニタしたり、制御手段6、及び通信手段5を改造したりすることを防止することができる。したがって、移設検出装置2は、改造されたか否かを確実に検出することができる。
【0021】
(3)記憶部61に記憶される所定の圧力、及び送信部64にて送信される判定結果は、暗号化されているので、これらの情報の書き換えなどを防止することができる。したがって、移設検出装置2は、改造されたか否かを確実に検出することができる。
(4)送信部64は、未検出情報送信ステップS32にて移設検出装置2の改造を検出していないことを示す未検出情報を送信するので、移設検出装置2は、圧力検出手段4、通信手段5、及び制御手段6が正常に動作しているか否かを検出することができる。
【0022】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係る測定機1Aを示す模式図である。
本実施形態では、測定機1Aは、図3に示すように、移設検出装置2Aを備え、移設検出装置2Aは、制御手段6Aと、筐体21の内部に配設され、筐体21の内部温度を検出する温度検出手段7とを備えている点で前記第1実施形態と異なる。なお、以下の説明では、既に説明した部分については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0023】
制御手段6Aは、記憶部61Aと、圧力取得部62と、判定部63Aと、送信部64と、温度取得部65と、補正部66とを備える。
記憶部61Aは、筐体21の内部圧力の初期値を記憶するとともに、筐体21の内部温度の初期値を記憶する。具体的に、制御手段6Aは、通信手段5を介して前述した測定機1Aの処理装置による指令を受信することによって、圧力検出手段4にて検出される圧力と、温度検出手段7にて検出される温度とを取得して記憶部61Aに記憶させる。なお、記憶部61Aに記憶される内部圧力の初期値、及び内部温度の初期値は、暗号化されている。
【0024】
温度取得部65は、温度検出手段7にて検出される筐体21の内部温度を取得する。
補正部66は、温度取得部65にて取得される筐体21の内部温度に基づいて、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力を補正する。
そして、判定部63Aは、記憶部61Aに記憶された筐体21の内部圧力の初期値と、補正部66にて補正された筐体21の内部圧力とに基づいて、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する。
【0025】
図4は、制御手段6Aの改造検出処理を示すフローチャートである。
改造検出処理を実行すると、図4に示すように、制御手段6Aは、以下のステップS1〜S3を実行する。なお、制御手段6Aは、改造検出処理を所定の間隔で繰り返し実行する。
まず、圧力取得部62は、前記第1実施形態と同様に、圧力検出手段4にて検出される筐体21の内部圧力を取得する(S1:圧力取得ステップ)。
【0026】
圧力取得ステップS1にて筐体21の内部圧力が取得されると、温度取得部65は、温度検出手段7にて検出される筐体21の内部温度を取得する(S10:温度取得ステップ)。
温度取得ステップS10にて筐体21の内部温度が取得されると、補正部66は、温度取得部65にて取得される筐体21の内部温度に基づいて、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力を補正する(S11:補正ステップ)。
【0027】
ここで、気体の体積Vは、圧力Pに反比例し、絶対温度Tに比例する関係にあるとするボイル・シャルルの法則(PV/T=一定)と、筐体21は、密閉されているので、筐体21の内部における気体の体積Vは、筐体21の内部温度が変化した場合であっても一定であるという条件に基づいて、以下の式(1)が成立する。
【0028】
P0/T0=Pc/Tc ・・・・・(1)
【0029】
なお、前述した式(1)において、P0は、記憶部61Aに記憶された筐体21の内部圧力の初期値であり、Pcは、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力であり、T0は、記憶部61Aに記憶された筐体21の内部温度の初期値であり、Tcは、温度取得部65にて取得される筐体21の内部温度である。
したがって、補正部66は、以下の式(2)に基づいて、筐体21の内部圧力の補正値Pxを算出する。
【0030】
Px=T0・Pc/Tc ・・・・・(2)
【0031】
補正ステップS11にて筐体21の内部圧力の補正値Pxが算出されると、判定部63Aは、記憶部61に記憶された筐体21の内部圧力の初期値P0と、補正部66にて算出された補正値Pxとに基づいて、筐体21の内部圧力が変化したか否かを判定する(S2:判定ステップ)。
具体的に、判定部63Aは、記憶部61に記憶された筐体21の内部圧力の初期値P0と、補正部66にて算出された補正値Pxとの差を算出することで筐体21の内部圧力の変化量Pdを算出する(S211:変化量算出ステップ)。
そして、制御手段6Aは、前記第1実施形態と同様に、変化量判定ステップS22、及び送信ステップS3を実行する。
【0032】
このような本実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用、効果を奏することができる他、以下の作用、効果を奏することができる。
(5)制御手段6Aは、温度検出手段7にて検出される筐体21の内部温度を取得する温度取得部65と、温度取得部65にて取得される筐体21の内部温度に基づいて、圧力取得部62にて取得される筐体21の内部圧力を補正する補正部66とを備えるので、判定部63Aによる判定の精度を向上させることができる。
【0033】
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、前記各実施形態では、制御手段6,6A、及び通信手段5は、筐体21の内部に配設されていたが、筐体21の外部に配設されていてもよい。
前記各実施形態では、記憶部61,61Aに記憶される内部圧力の初期値、及び送信部64にて送信される判定結果は、暗号化されていたが、暗号化されていなくてもよい。
前記各実施形態では、移設検出装置2,2Aは、測定機1,1Aに取り付けられていたが、工作機械などの他の設置型機器に取り付けられていてもよい。
前記各実施形態では、送信部64は、移設検出装置2の改造を検出していないことを示す未検出情報を送信していたが、移設検出装置2の改造を検出したことを示す検出情報のみを送信してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、移設検出装置、及びこの移設検出装置を備える測定機に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1,1A…測定機
2,2A…移設検出装置
3…移設検出手段
4…圧力検出手段
5…通信手段
6,6A…制御手段
7…温度検出手段
21…筐体
61,61A…記憶部
62…圧力取得部
63,63A…判定部
64…送信部
65…温度取得部
66…補正部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、前記筐体の内部に配設され、前記筐体の移設を検出する移設検出手段とを備える移設検出装置であって、
前記筐体は、密閉されるとともに、前記筐体の内部圧力は、大気圧とは異なる所定の圧力とされ、
前記移設検出装置は、
前記筐体の内部に配設され、前記筐体の内部圧力を検出する圧力検出手段と、
前記移設検出手段、及び前記圧力検出手段を制御する制御手段と、
前記制御手段で用いられる情報を前記筐体の外部に通信するための通信手段とを備え、
前記制御手段は、
前記所定の圧力を記憶する記憶部と、
前記圧力検出手段にて検出される前記筐体の内部圧力を取得する圧力取得部と、
前記記憶部に記憶された所定の圧力と、前記圧力取得部にて取得される前記筐体の内部圧力とに基づいて、前記筐体の内部圧力が変化したか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果を前記筐体の外部に前記通信手段を介して送信する送信部とを備えることを特徴とする移設検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の移設検出装置において、
前記筐体の内部に配設され、前記筐体の内部温度を検出する温度検出手段を備え、
前記制御手段は、
前記温度検出手段にて検出される前記筐体の内部温度を取得する温度取得部と、
前記温度取得部にて取得される前記筐体の内部温度に基づいて、前記圧力取得部にて取得される前記筐体の内部圧力を補正する補正部とを備え、
前記判定部は、前記記憶部に記憶された所定の圧力と、前記補正部にて補正された前記筐体の内部圧力とに基づいて、前記筐体の内部圧力が変化したか否かを判定することを特徴とする移設検出装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の移設検出装置において、
前記制御手段、及び前記通信手段は、前記筐体の内部に配設されることを特徴とする移設検出装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の移設検出装置において、
前記記憶部に記憶される前記所定の圧力、及び前記送信部にて送信される判定結果は、暗号化されていることを特徴とする移設検出装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の移設検出装置を備えることを特徴とする測定機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−53917(P2011−53917A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−202287(P2009−202287)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】