説明

移載装置の送出し機構

【課題】ワークの移載装置で、ワークを円滑に送り出すことを可能にする。
【解決手段】ワークの流れ方向に沿ったガイド(リニアガイドレール20)に弾性体(コイルばね25)を介在させた2つの移動体(原位置戻り用スライダ21、遅延回復スライダ22)をガイド長方向に相互に離接移動可能に取り付け、一方の移動体(遅延回復スライダ22)にワークに係脱可能で、移載作動操作部の移載操作に従ってワークに係合または係合可能な状態になるワーク押出部28を設け、他方の移動体(原位置戻り用スライダ21)は、移載作動操作部の移載解除操作に従って下流側に移動しつつ弾性体(コイルばね25)の弾性力により前記一方の移動体を移動させ、前記一方の移動体は、前記移動によって押出部28がワークに係合した状態でワークを下流側に送り出し可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、移動台車などにワークを移載する移載装置のワーク送出し機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場内で無人搬送する自走式移動台車にワークを自動移載させる際に、斜行レールなどを用いた移載装置が用いられている(例えば特許文献1〜3参照)。
この移載装置の一例を図3に基づいて説明する。
移載装置30では、下流側が下方位置になるように斜行させた搬送レール31、31を有しており、該搬送レール31上に所定間隔で設けた複数のローラ31a…31aを介してワーク100、101…が順次滑り落ちて所望位置に積載される。ただし、ワークを一つずつ積載するため、最下流および2番目のワークに対するストッパが自動で規制・解除されるように設けられている。
【0003】
すなわち、上記した搬送レール31の伸張方向に沿って回転シャフト32が配置され、該回転シャフト32は、軸受け33a、33bで回転可能に保持されている。回転シャフト32の先端は、搬送レール31の先端を超えた位置にあり、該先端に移載を受ける移動台車が当接する移載作動レバー34が設けられている。該移載作動レバー34は移動台車の当接によって略八時方向(移載動作位置A’)にまで回転し、移動台車が離脱すると、回転シャフト32に設けられたカウンターウェイト35によって反対方向に略四時方向(移載解除位置A)にまで回転する。
【0004】
また、上記回転シャフト32には、最下流のワーク100を停止させるワーク搬出用ストッパ37と、2番目のワーク101を停止させる一個切り出しストッパ38とが所定の位置に設けられている。ワーク搬出用ストッパ37は、移載作動レバー34が移載解除位置Aにある回転位置では、板面が上方に突き出した状態になり、ワーク100の前面に位置してワーク100の下流側への移動を規制する形状を有している。一方、一個切り出しストッパ38は、該回転位置では、板面がワークの移動下面よりも下方に位置してワークの移動を規制しない形状を有している。さらに、ワーク搬出用ストッパ37は、移載作動レバー34が移載作動位置A’にある回転位置では、板面がワークの移動下面よりも下方に位置して、ワーク100の移動を許容する形状を有し、一個切り出しストッパ38は、該回転位置では、板面が上方に突き出してワーク101の移動を規制する形状を有している。
【0005】
上記移載装置30の動作について説明する。
常時には、移載作動レバー34は移載解除位置Aにあり、最下流のワーク100の移動がワーク搬出用ストッパ37で規制され、次順位のワーク101は、一個切り出しストッパ38で規制されることなく移動可能な状態にある。
移載の必要があって自走式移動台車等が移載位置に到着すると、移載作動レバー34に移動台車等が接触し、移動台車の押圧力F0により移載作動レバー34を移載解除位置Aから移載作動位置A’に回転させる。
上記移載作動レバー34の回転により、ワーク搬出用ストッパ37による規制が解除され、ワーク100が移載装置30から搬出されて移動台車等に移載される。また、このとき同時に一個切り出しストッパ38によって次順位のワーク101の移動が規制され、ワーク101は次順位の場所に停止したままになる。
【0006】
その後、移動台車等が離脱すると、移載作動レバー34に対する押圧力F0がなくなり、回転シャフト32はカウンターウェイト35の重さによる力F1によって移載解除位置Aに復帰する。その結果、一個切り出しストッパ38による規制が解除され、ワーク101が下流側に移動する。移動するワーク101は、上記回転によって一部が上方に突き出したワーク搬出用ストッパ37によって最下流位置で停止して移載に備えられる。なお、ワーク101に続くワークがある場合には、ワーク101の移動に伴って順次下流側へとスライド移動する。
【特許文献1】特開昭62−33010号公報
【特許文献2】特開昭63−106171号公報
【特許文献3】特開2002−66849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記したような移載装置では、ワークを移載する際にローラ上を自重落下により移載させるが、次順位以降のワークが必ずしもスムーズに流れないことがある。流れをスムーズにするためには、ローラを配した搬送レールの傾斜角度を大きくすることが考えられる。しかし、搬送レールの傾斜を大きくすると、次順位のワークが移載待機位置にまで移動する際に、勢いが付いてストッパに当たり、回転シャフトが回転して一個切り出しストッパに乗り上げるなどの不具合が生じやすくなる。一方、搬送レールの傾斜角度を小さくすると、上記のようにワークの流れが悪くて次順位以降の搬送レールの途中で停止してしまう問題が生じる。
【0008】
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、ワークを確実且つ円滑に移載できるようにワークを送り出す移載装置の送出し機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明の移載装置の送出し機構のうち、請求項1記載の発明は、ワークを移載作動操作部の作動に従って一方から他方側に自動移載させる移載装置において、前記ワークの流れ方向に沿ったガイドを有し、該ガイドに弾性体を介在させた2つの移動体がガイド長方向に相互に離接移動可能に取り付けられており、前記2つの移動体のうち、一方の移動体には前記ワークに係脱可能であって、前記移載作動操作部の移載操作に従ってワークに係合または係合可能な状態になるワーク押出部が設けられ、他方の移動体は、前記移載作動操作部の移載解除操作に従って下流側に移動しつつ前記弾性体の弾性力により前記一方の移動体を移動させ、前記一方の移動体は、前記移動によって押出部がワークに係合した状態でワークを下流側に送り出し可能に構成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項2記載の移載装置の送出し機構の発明は、請求項1記載の発明において、前記押出部は、ワークに係合しない状態でワークの相対的な移動を可能にするとともに、該押出部を元位置に復帰させてワークへの係合を可能にする押出部復帰手段を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の移載装置の送出し機構の発明は、請求項1または2に記載の発明において、前記弾性体が、コイルばねで構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項4記載の移載装置の送出し機構の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記移載作動操作部は、前記ワークの移載がなされる移動台車の接触により移動して移載作動操作をし、前記移動台車の離間時に、元位置に復帰して前記移載解除操作をするレバーであることを特徴とする。
【0013】
すなわち、本発明によれば、移載作動操作部の移載操作に従って、一方の移動体に設けられた押出部によって例えば次順位のワークに係合または係合可能な状態になる。なお、移動部を複数設けてさらに後順位のワークに対しても同様に係合または係合可能な状態にするものであってもよい。そして、移載解除操作に従って他方の移動体が移動するので、これに弾性体を介して連結されている前記一方の移動体は、弾性体の弾性力によって遅れて移動する。押出部が移載作動操作の段階でワークに係合している場合にはそのまま、係合可能な状態の場合には上記移動によって押出部がワークに係合して、ワークを前記他方の移動体の移動に遅延して弾性力を付加して下流側に送り出す。これにより、最下流のワークが移載された後、次の移載に備えて次順位以降のワークを移載待機位置に円滑に移動させることができ、仮に次順位のワークの移動が搬送レールなどの傾斜のみではスムーズに流れない状況においてもワークを確実に送り出すことができ、搬送レールなどの傾斜を特に大きくする必要がない。
【0014】
なお、移載解除操作に従って移動する移動体は、二つのうちの上流側、下流側のいずれのものであってもよい。例えば下流側の移動体が移載解除操作によって移動するように構成すれば、上流側の移動体は下流側の移動体の移動によって引き延ばされた弾性体の引き寄せによって遅延して下流側に移動する。また、上流側の移動体が移載解除操作によって移動するように構成すれば、下流側の移動体は上流側の移動体の移動によって圧縮された弾性体の伸張によって遅延して下流側に移動する。
【0015】
また、前記押出部は、ワークに係合しない状態で位置を変えてワークの相対的な移動を可能にするとともに、該押出部を元位置に復帰させてワークへの係合を可能にする押出部復帰手段を備えるものとすれば、係合を必要としないとき、例えばワークを一個切り出しストッパにまで少量移動させる場合には、押出部が回転やスライド移動などによって位置を変えてワークの移動を許容し、押出部を係合または係合可能にすることが必要な場合には、押出部を元の位置に復帰させて送り出しに備えることができる。該復帰は、前記移載作動操作部の移載操作に従って行われるものとすることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、本発明の移載装置の送出し機構によれば、ワークを移載作動操作部の作動に従って一方から他方側に自動移載させる移載装置において、前記ワークの流れ方向に沿ったガイドを有し、該ガイドに弾性体を介在させた2つの移動体がガイド長方向に相互に離接移動可能に取り付けられており、前記2つの移動体のうち、一方の移動体には前記ワークに係脱可能であって、前記移載作動操作部の移載操作に従ってワークに係合または係合可能な状態になるワーク押出部が設けられ、他方の移動体は、前記移載作動操作部の移載解除操作に従って下流側に移動しつつ前記弾性体の弾性力により前記一方の移動体を移動させ、前記一方の移動体は、前記移動によって押出部がワークに係合した状態でワークを下流側に送り出し可能に構成されているので、搬送レールなどの傾斜を大きくすることなく、簡易な構造によって次順位以降のワーク順次、確実に送り出すことができ、搬送途中でのワークの停止や急な傾斜によるワークの跳ね返りによるストッパーへの乗り上げなどの問題発生が回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明の一実施形態を図1、2により説明する。なお、従来と同様の構造については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化している。
移載装置1では、下流側が下方位置になるように斜行させた搬送レール310、311を有しており、該搬送レール310、311上には、それぞれ所定間隔で配置した複数のローラ31a…31aが回転可能に並設されている。
上記搬送レール310には、軸受け33a、33bで回転可能に保持された回転シャフト32が長手方向に沿って配置されている。回転シャフト32にはカウンターウェイト35が取り付けられており、また、先端側近傍に最下流のワーク100を停止させるワーク搬出用ストッパ37が設けられ、その後方側に2番目のワーク101を停止させる一個切り出しストッパ38が所定の位置に設けられており、先端には移載作動操作部に相当する移載作動レバー34が設けられている。
【0018】
また、回転シャフト32には、径方向に作動杆2が固定されており、該作動杆2の先端に搬送レール311に向けた横向きの方向変換用ターンバックル3が水平方向(レール長手方向)の軸によって軸止されている。搬送レール311側には、該搬送レール311に沿って固定用バー10が設けられており、該固定用バー10に方向変換用取付軸5が縦方向に沿って固定されている。該方向変換用取付軸5に径方向に沿った方向変換杆6が回転可能に取り付けられており、該方向変換杆6の先端と、前記方向変換用ターンバックル3の先端部との間には連結杆4がそれぞれに縦軸で回転可能に取り付けられている。また、方向変換杆6の先端には、固定用バー10に沿った連結杆7の前端が縦軸で回転可能に連結されている。連結杆7の後端には、方向変換ターンバックル8が縦軸によって回転可能に軸止されており、方向変換ターンバックル8は、前記固定用バー10に沿いつつ後方側やや下方に伸張している。上記した連結杆2、方向変換用ターンバックル3、連結杆4、方向変換用取付軸5、方向変換杆6、連結杆7、方向変換ターンバックル8によって方向変換リンク機構が構成されている。
【0019】
すなわち、回転シャフト32が移載作動レバー34によって移載解除側Aから移載作動位置A’側に回転すると、該回転が連結杆2、方向変換用ターンバックル3を介して横方向移動に変換され、さらに、方向変換杆6によって回転移動に変化され、この回転移動が連結杆7によって後方への移動に変換されて、方向変換ターンバックル8を後進させる。一方、移載作動レバー34が移載作動位置A’側から移載解除位置A側に回転すると、上記方向変換リンク機構によって方向変換ターンバックル8を前進させる。
【0020】
また、次順位のワーク101が待機するエリアの下方には、前記固定用バー10に沿って本発明のガイドに相当するリニアガイドレール20が配置されて固定用バー10に固定されている。該リニアガイドレール20には、下流側の移動体としての原位置戻り用スライダ21と、上流側の移動体としての遅延回復スライダ22とが互いに離接できるようにスライド可能に取り付けられており、前記方向変換ターンバックル8の後端に上記原位置戻り用スライダ21が連結されている。
【0021】
また、遅延回復スライダ22に前向きに設けたガイドシャフト23が原位置戻り用スライダ21を遊挿した状態で貫通しており、ガイドシャフト23の先端は大径にして、原位置戻り用スライダ21が抜けないようにされている。また、ガイドシャフト23には、原位置戻り用スライダ21と遅延回復スライダ22との間に介在するようにコイルばね25が弾性体として取り付けられており、該コイルばね25の両端は、それぞれ原位置戻り用スライダ21と遅延回復スライダ22とに固定されている。
【0022】
また、遅延回復スライダ22には、その後方位置にワーク押出部として押出部28が横水平軸によって回転可能に取り付けられている。該押出部28は、軸止部の下方側では後方側を重くしたカウンタウェイト28aが押出部復帰手段として設けられており、通常時は該カウンタウェイト28aの後方側下端がリニアガイドレール20の上面に当接することで押出部28の回転が規制されるようになっている。
押出部28の上面側は、上記回転が規制された通常時の状態で、前方側ほど上方に位置するテーパ形状を有しており、前記軸止部によって前方に所定量回転した状態では、上面が水平になってその上方をワークが通過移動できるように構成されている。
【0023】
また、リニアガイドレール20の後端には、ストッパ20aが設けられており、前記カウンタウェイト28aの後端面が当接することで押出部28すなわち遅延回復スライダ22の後方側への移動を規制するように構成されている。上記ストッパ20aによって遅延回復スライダ22の後方移動が規制された位置では、一個切り出しストッパ38で移動が規制されて停止しているワーク101の後端面の直後に押出部28が位置するように設定されている。
【0024】
次に、上記移載装置の送出し機構の動作について説明する。
移載待機状態では、移載作動レバー34は移載解除位置Aにあり、最下流のワーク100の移動がワーク搬出用ストッパ37で規制され、次順位のワーク101は、一個切り出しストッパ38で規制されることなく移動可能な状態にある。このとき、原位置戻り用スライダ21は、図2(a)に示すように方向変換リンク機構を介して待機位置にあり、遅延回復スライダ22は、負荷がかかっていないコイルばね25の長さの間隔をおいて原位置戻り用スライダ21の後方に位置している。なお、ワークが搬送レール310、311上に設置されている状態では、図2(b)に示すように、2番目のワーク101が上記原位置戻り用スライダ21、遅延回復スライダ22上に位置しており、遅延回復スライダ22に設けられた押出部28は、カウンタウェイト28aの重さに抗してワーク101によって上面側が抑えられ前方に回転して上面が水平な状態になっている。
【0025】
上記移載装置1に対し、図示しない移動台車が移載位置に到着すると、移動台車が移載作動レバー34に接触し、その押圧力F0によって移載作動レバー34を移載作動位置A’にまで回転させる。この回転に伴って回転シャフト32が回転し、ワーク搬出用ストッパ37によるワーク100の移動規制が解除され、搬送レール310、311上をワークがスライドして移動台車に移載される。一方、上記回転シャフト32の回転によって一個切り出しストッパ38が上方側に突出し、次順位のワーク101の移動を規制してそのまま停止させる。
【0026】
また、回転シャフト32の回転によって前記方向変換リンク機構を介して方向変換ターンバックル8が後進し、これに連結された原位置戻り用スライダ21が後退する。この原位置戻り用スライダ21の後退に連れてコイルばね25を介して遅延回復スライダ22が後退する。
この遅延回復スライダ22の後退によって、押出部28は、停止しているワーク101の後端よりも後方側に位置し、上方側からの押さえつけが解除されるため、カウンタウェイト28aの重みによって後方側に回転し、カウンタウェイト28aの後方下端がリニアガイドレール20に接触して待機状態になる。また、さらに遅延回復スライダ22の後退が進むと、図2(c)に示すように、遅延回復スライダ22は、最終的には押出部28のカウンタウェイト28aがストッパ20aに当接することで移動が規制されて停止し、コイルばね25は圧縮された状態になる。
【0027】
次いで、ワークの移載が終了した移動台車が出発して離れると、移載作動レバー34と移動台車との接触が解かれ、移載作動レバー34は、カウンタウェイト28aの重みによる力F1によって移載解除位置Aへと回転移動する。この回転によって回転シャフト32が回転し、ワーク搬出用ストッパ37が移動を規制する状態になり、一個切り出しストッパ38は規制を解除してワーク101を移動可能な状態にする。
【0028】
また、同時に、上記回転シャフト32の回転に伴って前記方向変換リンク機構を介して方向変換ターンバックル8が前進する。この前進に連れて原位置戻り用スライダ21が前進する。原位置戻り用スライダ21の前進初期では、コイルばね25の弾性力によって遅延回復スライダ22は後方位置に押しつけられた状態で停止している。原位置戻り用スライダ21がさらに前進すると、コイルばね25は圧縮状態から中立状態を過ぎて引っ張り状態になり、その弾性力によって遅延回復スライダ22を引き寄せる。移載作動レバー34の回転時点からこの状態になるまで、遅延回復スライダ22の移動が遅延することになる。
すなわち、遅延回復スライダ22の停止力よりコイルばね25の引張り力が勝った時点で時間的な経過を短縮する様にコイルばね25の弾性力により遅延回復スライダ22を一気に待機位置まで引張る。
【0029】
上記遅延回復スライダ22は、図2(d)に示すように、上記引き寄せによって前進し、その際に押出部28がワーク101の後端面に係合してワーク101を前方に送り出し可能にする。例えば、ワーク101が搬送レール310、311の傾斜のみでは円滑に下流側に移動しない場合でも、上記押出部28の押圧によって確実にワーク101が送り出される。
これによりワーク101は、搬送レール310、311に沿って円滑にスライド移動し、ワーク搬出用ストッパ37によって移動が規制され、次の移載に備えられる。このとき、押出部28は一時的に図2(a)の状態になるが、次順位のワークが搬送レール310、311の傾斜に従って前進し、その下面によって押出部28をカウンタウェイト28aの重みに抗して前方に回転させ、図2(b)の状態にして、移載待機状態になる。上記操作を繰り返すことでワークを次々と円滑に送り出して移載することが可能になる。
【0030】
以上、本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の説明に限定をされるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは適宜の変更が当然に可能である。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態の送り出し機構を含む移載装置を示す斜視図である。
【図2】同じく、送り出し機構を示す拡大正面図である。
【図3】従来の移載装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0032】
1 移載装置
20 リニアガイドレール
21 原位置戻り用スライダ
22 遅延回復スライダ
23 ガイドシャフト
25 コイルばね
28 押出部
28a カウンタウェイト
34 移載作動レバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークを移載作動操作部の作動に従って一方から他方側に自動移載させる移載装置において、前記ワークの流れ方向に沿ったガイドを有し、該ガイドに弾性体を介在させた2つの移動体がガイド長方向に相互に離接移動可能に取り付けられており、前記2つの移動体のうち、一方の移動体には前記ワークに係脱可能であって、前記移載作動操作部の移載操作に従ってワークに係合または係合可能な状態になるワーク押出部が設けられ、他方の移動体は、前記移載作動操作部の移載解除操作に従って下流側に移動しつつ前記弾性体の弾性力により前記一方の移動体を移動させ、前記一方の移動体は、前記移動によって押出部がワークに係合した状態でワークを下流側に送り出し可能に構成されていることを特徴とする移載装置の送出し機構。
【請求項2】
前記押出部は、ワークに係合しない状態で位置を変えてワークの相対的な移動を可能にするとともに、該押出部を元位置に復帰させてワークへの係合を可能にする押出部復帰手段を備えることを特徴とする請求項1記載の移載装置の送出し機構。
【請求項3】
前記弾性体が、コイルばねで構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の移載装置の送出し機構。
【請求項4】
前記移載作動操作部は、前記ワークの移載がなされる移動台車の接触により移動して移載作動操作をし、前記移動台車の離間時に、元位置に復帰して前記移載解除操作をするレバーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移載装置の送出し機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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