説明

種子吹き付け装置

【課題】小型で容易に持ち運び可能であると共に均一に種子を吹き付けることが可能な種子吹き付け装置を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る種子吹き付け装置20は、植物の種子が混ざった混合液を散布して種子を吹き付ける種子吹き付け装置20において、円筒軸が略水平になるように設置された円筒状の混合タンク30と、円筒軸と平行に設置されたパドル板43を円筒軸に平行な回転軸周りに回転させて混合タンク30内の混合液を掻き混ぜる撹拌装置40と、混合タンク30内の混合液を散布するための吹き付けポンプ60と、駆動エンジン51、複数の減速部材55,57、撹拌装置40へ断続的に動力伝達するための撹拌用クラッチ54及び吹き付けポンプ60へ断続的に動力伝達するための吹き付け用クラッチ53を有する駆動装置50と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緑化や雑草抑制を希望する場所に、有用な植物の種子を吹き付けるための種子吹き付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センチピードグラス等の植物による法面緑化によって、雑草の発生を抑制し、除草作業の軽減化を図ることが行われており、例えば、下記特許文献1及び2に開示されている。
【0003】
このような雑草抑制方法においては、例えば、種子を水、紙等の養生資材、肥料、糊と混ぜた粘性のある混合液を生成し、ポンプを備えた吹き付け装置を用いてこの混合液を畦畔に散布している。吹き付け装置としては、タンク内に入っている混合液をそのままポンプで吹き付ける装置や、下記特許文献2に開示された装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−198606号公報
【特許文献2】特開2009−41295号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、タンク内の混合液をそのまま吹き付ける装置では、時間と共に種子が底部に溜まってしまい、種子が均一に分布した状態を維持するのが困難である。したがって、種子の均一な吹き付けができなかったり、定期的にタンク内を撹拌させる等の手作業が必要になったりしていた。
【0006】
また、特許文献2に開示された吹き付け装置では、タンク内に撹拌翼が設置されているが、生育基盤材収容タンク、種子収容タンク及び水タンクが別々に設置された大掛かりな大型機械となっている。したがって、装置コストが高くなると共に、吹き付け現場に設置する際の輸送コストも大きくなってしまう。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、植物の種子を吹き付け施工するための種子吹き付け装置であって、小型で容易に持ち運び可能であると共に均一に種子を吹き付けることが可能な種子吹き付け装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る種子吹き付け装置は、植物の種子が混ざった混合液を散布して種子を吹き付ける種子吹き付け装置において、円筒軸が略水平になるように設置された円筒状の混合タンクと、前記円筒軸と平行に設置されたパドル板を前記円筒軸に平行な回転軸周りに回転させて前記混合タンク内の混合液を掻き混ぜる撹拌装置と、前記混合タンク内の混合液を散布するための吹き付けポンプと、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小型で容易に持ち運び可能であると共に均一に種子を吹き付けることが可能な種子吹き付け装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1実施形態に係る種子吹き付け装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】図2は、第2実施形態に係る種子吹き付け装置の正面図である。
【図3】図3は、第2実施形態に係る種子吹き付け装置の上面図である。
【図4】図4は、第2実施形態に係る駆動装置の構成を示す図である。
【図5】図5は、第2実施形態に係る撹拌装置の正面図である。
【図6】図6は、図5のA−A線による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第一実施形態)
上記の問題を、粉砕した綿糸と故紙とを混合した粘着性のある養成材と種子と水を、原料タンク内に投入し、パドル型回転式タンク内攪拌装置にて種子をタンク全体に均一に分布させ、吹き付けポンプにより吹き付けを行う種子吹き付け装置を開発したことで解決した。
【0012】
更に、吹き付け量を適量化するために、動力は吹付け用ポンプとパドル型回転式タンク内攪拌装置の両機構へ同一軸を持って供給されることにより、吹き付け時吹き付け量とパドル回転数は一定の比率で絶えず回転させることで解決した。吹き付け場所を水田畦畔など、狭小侵入地での使用と考え、小型化する。さらに吹き付け可能距離を150m以上とする。
【0013】
また、本実施形態に係る種子吹き付け装置は、粉砕した綿糸と故紙とを混合した粘着性のある養成材と種子と水を、原料タンク内に投入し、パドル型回転式タンク内攪拌装置にて種子をタンク全体に均一に分布させ、吹き付けポンプにより吹き付けを行う。
【0014】
また、本実施形態に係る種子吹き付け装置は、動力は吹付け用ポンプとパドル型回転式タンク内攪拌装置の両機構へ同一軸を持って供給されることにより、吹き付け時吹き付け量とパドル回転数は一定の比率で絶えず回転している。
【0015】
本実施形態によれば、狭い農道等に侵入できる2t〜3tトラックに積載出来るコンパクトな大きさの装置に出来た。吹き付け可能な範囲も、装置から200mまで吹付け可能である。
【0016】
図1を参照しながら、本実施形態に係る種子吹き付け装置について説明する。養成材を原料投入口2により、原料タンク1へ投入する。更に、原料タンクに水を加水しながらエンジン5を駆動し、種子も投入する。同時に、攪拌装置動力クラッチ8を接続し、パドル型回転式タンク内攪拌装置4を動かし、タンク内での種子の均一化を行う。
【0017】
その後、吹付け用巻取りホース3を伸ばし、吹付け用クラッチ7を入れ吹付けポンプ6を稼動し、ホース巻き取り装置9を働かせながら吹き付けを行う。最後に清水タンク10から清水を原料タンクに投入し、ホース内の残材を全て吹付け使い切る。この清水はホース内洗浄も兼ねる。
【0018】
(第二実施形態)
次に、図2乃至図6を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態に係る種子吹き付け装置の構成は、上記第一実施形態に係る種子吹き付け装置の構成と同様であり、より詳細な構成を示したものである。
【0019】
図2は、本実施形態に係る種子吹き付け装置の正面図、図3は、本実施形態に係る種子吹き付け装置の上面図である。図4は、本実施形態に係る駆動装置の構成を示す図である。また、図5は、本実施形態に係る撹拌装置40の正面図、図6は、図5のA−A線による断面図である。
【0020】
図2及び図3に示すように、本実施形態に係る種子吹き付け装置20は、混合タンク30、撹拌装置40、駆動装置50、吹き付けポンプ60、巻取ホース65を備え、載置台70の上に設置されている。
【0021】
本実施形態に係る種子吹き付け装置20では、種子が均一に分布するように混合タンク30内に設置された撹拌装置40がタンク内の混合液を撹拌し、この混合液を吹き付けポンプ60により吹き付け用の巻取ホース65に供給し、巻取ホース65の先端から混合液が畦畔へと吹き付けられる。また、種子の吹き付けにあたって、センチピードグラスの種子を養生資材の紙(パルプ)、綿繊維(糊でも良い)、水、肥料等と混合した混合液を散布する。
【0022】
混合タンク30は、円筒軸が略水平になるように設置された円筒状のタンク本体31から構成され、タンク本体31の上部には、混合液の材料を投入するための投入口32が形成され、タンク本体31の吹き付けポンプ60側(図中左側)下部には、混合液を吹き付けポンプ60へと送るために吸水路61へタンク内の混合液を排出する排出口33が形成されている。
【0023】
タンク本体31は、タンク内の混合液の残りが少なくなった場合にも排出口33から残液を良好に排出できるよう、円筒軸が水平よりも若干傾いて排出口33側が少し低くなるように配置されている。本実施形態では、水平方向2mの距離に対して、10cm傾けられている(約3°)であるが、傾き角度は2〜5°程度が望ましい。タンク本体31の上部には、水タンク35が設置されており、水タンク35内の水は、バルブ37の開閉により排出管36からタンク本体31内へと適宜供給可能である。
【0024】
図5及び図6に示すように、撹拌装置40は、回転軸41、パドル支持棒42、パドル板43を備える。撹拌装置40の回転軸41は、円筒状のタンク本体31の円筒軸と平行となるように、水平よりも図中左側が若干下がるように設置されており、タンク本体31の側面に回転自在に支持されている。
【0025】
図5に示すように、パドル支持棒42は、回転軸41の延在方向において四箇所に設置されており、図6に示すように、各箇所において回転軸41周りに90°毎に四方に伸びるように設置されている。
【0026】
パドル板43は、四つのパドル板43a〜43dからなり、90°毎に四方に伸びるパドル支持棒42の先端に支持される。各パドル板43は、回転軸41と略同じ長さで平行に延在する。すなわち、各パドル板43は、タンク本体31の左側面付近から右側面付近にかけて延在する。
【0027】
また、各パドル板43は、パドル板43の平面がパドル支持棒42と平行になるようにそれぞれ四本のパドル支持棒42によって支持されている。よって、撹拌装置40の作動により回転軸41が回転すると、パドル板43は、その平面が回転方向に垂直となった姿勢で回転軸41の周りを回転し、混合液を効率よく掻き混ぜることができる。
【0028】
ここで、本実施形態では、撹拌装置40の回転半径(パドル板43の外周端の回転軌跡)は25cmであるのに対して、パドル板43の板幅は10cmとなっており、回転軸41からパドル板43の内周端までの間(15cm)は隙間が形成されている。このような隙間は、パドル板43の回転に伴って押される流体の逃げ道となり、パドル板が回転軸41から外周端までの全体に設置されている場合よりも、効率よく掻き混ぜることができる。
【0029】
また、上述したように、撹拌装置40は、タンク本体31の底部に設置されており、撹拌装置40の回転外縁となるパドル板43の外周端とタンク本体31の底部の内壁面との間隔が3cmとなる位置に設置されている。なお、タンク本体31の半径と撹拌装置40の回転半径との長さの比は、3:1となっている。
【0030】
撹拌装置40の回転半径が大きくなれば、より強く掻き混ぜることができるが、トルクの大きな駆動手段が必要となり、装置の大型化、高コスト化につながってしまう。一方、撹拌装置40の回転半径が小さくなると、混合タンク30内を十分に掻き混ぜることができなくなり、種子を均一に分布させることができなくなる。
【0031】
そこで、本実施形態では、過度な駆動力を必要とすることなく、十分な撹拌機能を担保するために、撹拌装置40の回転半径をタンク本体31の半径の1/3としたが、1/4〜1/2であれば、このような要求を満たすことができる。
【0032】
次に、駆動装置50は、図4に示すように、撹拌装置40及び吹き付けポンプ60の双方の駆動手段として作用し、駆動エンジン51、吹き付け用クラッチ53、撹拌用クラッチ54、回転速度を減じる減速部材としての減速機55及び複数のプーリー57を備えている。本実施形態では、駆動エンジン51の回転速度が標準の2,500rpmであるときに、吹き付けポンプ60の回転速度が750rpm、撹拌装置40の回転速度が15rpmとなるように設定されている。
【0033】
駆動装置50では、駆動エンジン51と吹き付けポンプ60とを、動力伝達部材である複数のプーリー57及び吹き付け用クラッチ53により連結している。すなわち、複数のプーリー57により回転速度を2,500rpmから750rpmに落としながら、且つ、吹き付け用クラッチ53により断続的に、駆動エンジン51の駆動力が吹き付けポンプ60へと伝達される。
【0034】
また、駆動装置50では、駆動エンジン51と撹拌装置40とを、動力伝達部材である複数のプーリー57、減速機55及び撹拌用クラッチ54により連結している。すなわち、複数のプーリー57及び減速機により回転速度を2,500rpmから15rpmに落としながら、且つ、撹拌用クラッチ54により断続的に、駆動エンジン51の駆動力が撹拌装置40へと伝達される。このように、プーリー57だけでなく、減速機55を入れることで、トルクを上げながら大幅に回転速度を減じている。
【0035】
ここで、駆動エンジン51の出力は可変であり、適宜回転速度を変更することができる。しかし、駆動エンジン51と吹き付けポンプ60との間の減速比は10:3、駆動エンジン51と撹拌装置40との間の減速比は500:3で一定であるため、駆動エンジン51の回転速度が変わったとしても、吹き付けポンプ60と撹拌装置40の回転速度は常に比例して変化する、すなわち、常に一定の回転速度比で回転する。
【0036】
このように、単一の駆動装置50により吹き付けポンプ60と撹拌装置40を駆動して、回転速度比を一定に維持すること、すなわち、撹拌装置40の回転速度を吹き付けポンプ60の排出量に比例させることで、散布される混合液内の種子をより均一に分布させることができる。
【0037】
具体的には、吹き付けポンプ60の回転速度が上がり、混合タンク30からの排出量が大きくなるのに合わせて、撹拌装置40の回転速度も速くなり、吹き付けポンプ60の回転速度が下がり、混合タンク30からの排出量が小さくなるのに合わせて、撹拌装置40の回転速度も遅くなることで、混合液内の種子の均一度を一定に維持することができる。
【0038】
次に、吹き付けポンプ60は、容積ポンプであり、その吸水口は吸水路61を介して混合タンク30の排出口33と接続され、吐出口は巻取ホース65の根元側に接続されている。したがって、吹き付けポンプ60の駆動により、混合タンク30から吹き付けポンプ60に供給された混合液は、巻取ホース65へと送られ、巻取ホース65の先端から畦畔等に散布される。
【0039】
以上、第二実施形態に係る種子吹き付け装置20の構成について詳細に説明したが、続いて、種子吹き付け装置20により種子が混ざった混合液を吹き付ける場合の作用について説明する。なお、本実施形態では、種子吹き付け装置20はトラックの荷台に載置されている。
【0040】
まず、混合タンク30内に、混合液の水以外の材料である吹き付け種子、パルプ、綿繊維、肥料をそれぞれ所定量入れてから、トラックを現場に移動し、現場において所定量の水を加える。全ての材料を入れてから、撹拌装置40を作動させて、混合タンク内30の材料を混ぜて、混合液を生成する。水以外の材料も現場で混合タンク30内に入れても良いし、現場に行く前に水を入れておいても良い。
【0041】
撹拌装置40の作動にあたっては、駆動エンジン51を作動させると共に、撹拌用クラッチ54を繋いで駆動エンジンの51の駆動力を撹拌装置40の回転軸41に伝達させれば良い。このとき、まだ吹き付けは開始していないので、吹き付け用クラッチ53を離して、吹き付けポンプ60は停止させておく。
【0042】
この撹拌により混合タンク30内の材料が十分に掻き回されて、種子が均一に分布した混合液が生成される。続いて、この混合液の吹き付けを開始するために、巻取ホース65の先端を吹き付け場所近くまで引っ張り出し、吹き付けポンプ60を作動させる。
【0043】
吹き付けポンプ60の作動にあたっては、吹き付け用クラッチ53が繋げられ、駆動エンジン51の出力が撹拌装置40及び吹き付けポンプ60の双方へ伝達される。吹き付けポンプ60が作動し始めると、吸水路61を介して混合タンク30内の混合液が吹き付けポンプ60へと供給されて、巻取ホース65へと送られる。そして、巻取ホース65の先端から混合液が散布されることで、種子の吹き付けが行われる。
【0044】
本実施形態では、種子の吹き付け中(吹き付けポンプ60の作動中)には、常に撹拌装置40が作動され、混合液の撹拌が行われるように構成されている。回転軸41の回転に伴って四つのパドル板43が回転軸41周りに回転すると、パドル板43の回転に伴って混合液が掻き回される。
【0045】
特に、パドル板43がタンク本体31の底部を3cmの隙間をあけて通過するときに、他の材料よりも比重が大きく底部に落下してきた種子がパドル板43の回転に伴って上方に巻き上げられる。上方に巻き上げられた種子は、比重により他の材料よりも先に落下し始め、底部に到達すると再度パドル板43によって巻き上げられることになり、種子がタンク本体31に均一に分布することになる。
【0046】
このとき、パドル板43の回転により、タンク本体31内全体にもパドル板43の回転方向と同じ方向の円筒軸周りの環流が発生するが、この環流の回転速度は撹拌装置40の回転速度よりも遅くなる。また、タンク本体31が直方体形状であれば、円筒軸周りの環流が発生しても角部に滞留が生じてしまうが、円筒状のタンク本体31を採用する本実施形態では、タンク内に滞留を生じさせることなく、円筒軸周りの環流によって確実にタンク内全体を掻き混ぜることができる。
【0047】
このように、タンク本体31内では、パドル板43の回転によって常に種子が流動することで、均一に分布した状態を維持している。よって、常に種子が均一に分布した混合液を放出することが可能となり、吹き付け場所において種子を均一に吹き付けて、植物(センチピードグラス)を一様に生育させることができる。
【0048】
混合液の散布により、タンク本体31内の混合液の残量が少なくなってくると、本実施形態では、排出口33側(図中左側)が下がるように2〜5°傾いてタンク本体31が設置されているため、残りの混合液が排出口33に集まってくる。よって、タンク本体31内の混合液が空になるまで散布が可能である。
【0049】
なお、本実施形態では、タンク本体31内が空になって種子の吹き付けが終了した後に、そのまま種子吹き付け装置20を停止させるのではなく、混合材料が乾燥して巻取ホース65内等に張り付いてしまうのを防止する処理を行っている。すなわち、バルブ37を開いて水タンク35内の水を混合タンク31に投入したうえで、吹き付けポンプ60を作動さることで、タンク本体31の下部や巻取ホース65内に残っていた混合材料を全て散布する。
【0050】
以上、第二実施形態に係る種子吹き付け装置20について詳細に説明したが、本実施形態によれば、円筒状の混合タンク30内に、混合タンク30の円筒軸と平行に設置されたパドル板43を円筒軸に平行な回転軸周りに回転させる撹拌装置40を設置し、種子を含んだ混合液を撹拌装置40により撹拌しながら吹き付けを行うので、種子を均一に吹き付けることができる。
【0051】
また、本実施形態では、撹拌装置40と吹き付けポンプ60の駆動手段を単一の駆動装置50により作動させているので、種子吹き付け装置20を小型且つ安価に製造することができる。
【0052】
以上、本発明の第一及び第二実施形態について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、撹拌装置のパドル板を四本にしたが、五本以上でも三本以下でも良い。但し、種子が均一に分布するように掻き混ぜるためには、三本以上のパドル板を設置することが望ましい。
【0053】
また、駆動エンジン、撹拌装置、吹き付けポンプの回転速度や減速比等も適宜変更可能である。但し、撹拌装置の回転速度が速過ぎると、撹拌装置の周囲だけに環流が発生し、タンク内上部と下部とで環流が分断されてしまい、全体を掻き混ぜることができなくなってしまう。したがって、撹拌装置はある程度ゆっくり回す必要があり、撹拌装置の回転速度が60rpm以下であることが望ましい。
【符号の説明】
【0054】
1 原料タンク
2 原料投入口
3 吹付け用巻き取りホース
4 パドル型回転式タンク内攪拌装置
5 エンジン
6 吹付けポンプ
7 吹付け用クラッチ
8 攪拌装置動力クラッチ
9 ホース巻き取り装置
10 清水タンク
20 種子吹き付け装置
30 混合タンク
31 タンク本体
40 撹拌装置
41 回転軸
42 パドル支持棒
43 パドル板
50 駆動装置
51 駆動エンジン
53 吹き付け用クラッチ
54 撹拌用クラッチ
55 減速機
57 プーリー
60 吹き付け用ポンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物の種子が混ざった混合液を散布して種子を吹き付ける種子吹き付け装置において、
円筒軸が略水平になるように設置された円筒状の混合タンクと、
前記円筒軸と平行に設置されたパドル板を前記円筒軸に平行な回転軸周りに回転させて前記混合タンク内の混合液を掻き混ぜる撹拌装置と、
前記混合タンク内の混合液を散布するための吹き付けポンプと、
を備えることを特徴とする種子吹き付け装置。
【請求項2】
前記撹拌装置は、前記パドル板が前記混合タンクの底部を通過するように前記混合タンク内に設置されていることを特徴とする請求項1記載の種子吹き付け装置。
【請求項3】
前記撹拌装置及び前記吹き付けポンプを作動させるための駆動装置であって、駆動エンジンと、複数の減速部材と、前記撹拌装置へ断続的に動力伝達するための撹拌用クラッチと、前記吹き付けポンプへ断続的に動力伝達するための吹き付け用クラッチと、を有し、前記撹拌装置と前記吹き付けポンプとを一定の回転速度比で作動させるように構成された駆動装置をさらに備えることを特徴とする請求項1又は2記載の吹き付け装置。
【請求項4】
前記撹拌装置の回転半径が、前記円筒状の混合タンクの半径の1/4〜1/2であることを特徴とする請求項1乃至3何れか1項に記載の種子吹き付け装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate