説明

穀物調製機におけるコードカバー装置

【課題】 穀物乾燥機などの穀物調製機がその容量や機種態様もまちまちであり、また装備される機器やその配置もまちまちであっても、一種類のコードカバーをもって適合させることができる穀物調製機におけるコードカバー装置を提供する。
【解決手段】 穀物乾燥機1の壁面4に沿わせて配線するコード3を穀物乾燥機の壁面4に取り付けるコードカバー装置である。2本の筒状体6,7を重合接続して伸縮調節自在のコードカバー5を構成する。コードカバー5の上端にはコード挿通孔を有する蓋体9を嵌装してある。穀物乾燥機1の壁面4にはコードカバー5を固定挟持する弾性挟持体15を複数段にわたって設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀物乾燥機など穀物調製機の壁面に沿わせて配線するコードを乾燥機の壁面に整然と取り付けるためのコードカバー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀物乾燥機においては、その装備機器間をつなぐコードを穀物調製機の壁面に沿って種々の態様で配線する場合が多く(実開平6−32990号公報参照)、また、各種電子機器においては種々のコードやケーブルが複雑に配線されるところから、それらを整然とまとめるためのコードカバーが紹介されている(特開2002−78139公報参照)。
【0003】
【特許文献1】実開平6−32990号公報
【特許文献2】特開2002−78139公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、穀物乾燥機は、その容量や機種態様もまちまちであり、また装備される機器やその配置もまちまちであるから、装備機器間をつなぐコードやケーブルの長さもそれらに応じて種々異なっている。
【0005】
従来、穀物乾燥機においてその壁面に沿って配線されるコードのカバーは、穀物乾燥機の容量や機種態様に応じたものが専用部品となっているので汎用性に乏しく、穀物乾燥機の製造者は多種類のコードカバーを部品として用意しなければならなかった。
【0006】
本発明は、複数の筒状体を重合接続して伸縮調節自在のコードカバーを構成することにより、穀物乾燥機などの穀物調製機がその容量や機種態様もまちまちであり、また装備される機器やその配置もまちまちであっても、一種類のコードカバーをもって適合させることができる穀物調製機におけるコードカバー装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明は請求項1ないし6に係る穀物調製機におけるコードカバー装置を提供する。すなわち、請求項1に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、穀物調製機の壁面に沿わせて配線する電気コードを穀物調製機の壁面に取り付けるコードカバー装置であって、複数の筒状体を重合接続して伸縮調節自在のコードカバーを構成し、コードカバーの少なくとも一端にはコード挿通孔を有する蓋体を嵌装してあり、穀物調製機の壁面には前記コードカバーを固定挟持する弾性挟持体を設けてあることを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、請求項1の構成において、コードカバーは、2本の筒状体で構成され、その一方の円筒状体に他方の円筒状体を密接状に重合させて伸縮調節自在に構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、請求項1の構成において、コードカバーは、弾性板を丸めて筒状にした複数の筒状部材からなり、これら複数の筒状部材を重合接続して伸縮調節自在に構成されていることを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、請求項3の構成において、複数の筒状部材は、全て同形状で同長の同一部材であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項5に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、請求項1の構成において、穀物調製機の壁面にコードカバーを固定挟持する弾性挟持体は、コードカバーを穀物調製機の壁面から一定間隔を保持する間隔保持部材を兼備した構成であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項6に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、請求項1の構成において、コードカバーの少なくとも一端に嵌装する蓋体は、互いに連なった2つ割れ開閉構造であることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係る穀物調製機におけるコードカバー装置によれば、複数の筒状体を重合接続して伸縮調節自在のコードカバーを構成することにより、穀物調製機がその容量や機種態様もまちまちであり、また装備される機器やその配置もまちまちであっても、一種類のコードカバーをもって適合させることができる効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図面には穀物調製機として穀物乾燥機についての実施の形態を例示する。図1および図2において、1は穀物乾燥機であり、その背面下部にはコネクタボックス2が備えられている。図示の実施の形態では、コネクタボックス2につなぐコード3を穀物乾燥機1の壁面4に沿って上端に向かって配線しており、そのコード3はコードカバー5により覆われ、かつ穀物乾燥機1の壁面4に取り付けられている。
【0015】
コードカバー5は、図3に詳細を示すように、2本の円筒状体6,7を密接状に重合接続して伸縮調節自在に構成したものであって、コードカバー5の一端、すなわち筒状体6の上端には、コード挿通孔8を有する蓋体9が嵌装されている。筒状体7には、それに重合接続した筒状体6の重合位置を示す複数のマーク10が付けられている。
【0016】
コードカバー5を構成する一方の筒状体6の上端に嵌装した蓋体9は、図3に示すように、互いに連なった2つ割れ開閉構造であり、11はその連なり部、12は開き部である。コード挿通孔8は、蓋体9を閉じた状態でコード3を緊締状態に挟持するものである。コード挿通孔8にはパッキンを介装してもよい(図示せず)。蓋体9は筒状体6に対するキャップ部13と嵌挿部14からなっている。
【0017】
穀物乾燥機1の壁面4には、図2および図4に示すように、コードカバー5を固定挟持する弾性挟持体15が上下複数段にわたって設けられており、この弾性挟持体15はその基端が壁面4に固着されていて、コードカバー5の挟持部16の開放側が一対の挿入案内部17,17となっている。穀物乾燥機1の壁面4に設けられた弾性挟持体15はそれに固定挟持されたコードカバー5を壁面4から一定間隔を保持する間隔保持部材を兼備した構成である。
【0018】
本発明に係るコードカバー5は、図5に示すように、弾性板を丸めて筒状にした2本の筒状部材18,19により構成することができる、すなわち、これら2本の筒状部材18,19を重合接続して伸縮調節自在のコードカバー5を構成するが、この実施の形態によれば、2本の筒状部材18,19を同一のものとすることができる。すなわち、2本の筒状部材18,19のうち一方の筒状部材18は他方の筒状部材19に対して径を拡縮自在であるから、両者を同一部材で構成しても密接状に重合接続して伸縮調節自在のコードカバー5を構成することができる。そして、2本の筒状部材18,19は同形状で同長の同一部材であってもよい。
【0019】
本発明に係るコードカバー5を用いて穀物乾燥機1の壁面4に沿わせてコード3を配線するにあたっては、コードカバー5をコネクタボックス2の上面から所要の高さまでの長さに調節し、次いでコードカバー5の上端から挿通したコード3がコードカバー5の下端から所要の長さ引き出されるコード3の部位を開いた蓋体9のコード挿通孔8に当てて蓋体9を閉じてコードカバー5の上端開口に嵌装する。このようにコードカバー5に挿通したコード3は蓋体9により固定されるので、コードカバー5を穀物乾燥機1の壁面4に沿わせて弾性挟持体15に挿入するだけで、穀物乾燥機1の壁面4に沿わせてコード3を配線することができ、その配線したコード3はコードカバー5によって覆われて保護される。なお、コードカバー5の長さ調節には複数のマーク10を指標とすれば的確かつ容易にその作業をすることができる。図3および図5において、Mはコードカバー5の最長の態様を、Lは最短の状態を示している。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明に係る穀物調製機におけるコードカバー装置は、図示した穀物乾燥機のほか、脱穀機、籾摺機、穀物選別機など種々の穀物調製機にそのまま実施することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施の形態に係る穀物乾燥機の斜視図である。
【図2】図1の一部詳細斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るコードカバーであって、最長状態、最短状態および蓋体の詳細を示す斜視図である。
【図4】コードカバーを弾性挟持体に固定挟持された状態および固定挟持される過程を示す断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るコードカバーであって、最長状態、最短状態およびP部を拡大して示す斜視図である。
【符号の説明】
【0022】
1 穀物乾燥機
2 コネクタボックス
3 コード
4 壁面
5 コードカバー
6,7 2本の円筒状体
8 コード挿通孔
9 蓋体
10 マーク
11 連なり部
12 開き部
13 キャップ部
14 嵌挿部
15 弾性挟持体
16 挟持部
17,17 一対の挿入案内部
18,19 2本の筒状部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穀物調製機の壁面に沿わせて配線するコードを穀物調製機の壁面に取り付けるコードカバー装置であって、複数の筒状体を重合接続して伸縮調節自在のコードカバーを構成し、コードカバーの少なくとも一端にはコード挿通孔を有する蓋体を嵌装してあり、穀物調製機の壁面には前記コードカバーを固定挟持する弾性挟持体を設けてあることを特徴とする穀物調製機におけるコードカバー装置。
【請求項2】
コードカバーは、2本の筒状体で構成され、その一方の円筒状体に他方の円筒状体を密接状に重合させて伸縮調節自在に構成されていることを特徴とする請求項1記載の穀物調製機におけるコードカバー装置。
【請求項3】
コードカバーは、弾性板を丸めて筒状にした複数の筒状部材からなり、これら複数の筒状部材を重合接続して伸縮調節自在に構成されていることを特徴とする請求項1記載の穀物調製機におけるコードカバー装置。
【請求項4】
複数の筒状部材は、全て同形状で同長の同一部材であることを特徴とする請求項3記載の穀物調製機におけるコードカバー装置。
【請求項5】
穀物調製機の壁面にコードカバーを固定挟持する弾性挟持体は、コードカバーを穀物調製機の壁面から一定間隔を保持する間隔保持部材を兼備した構成であることを特徴とする請求項1記載の穀物調製機におけるコードカバー装置。
【請求項6】
コードカバーの少なくとも一端に嵌装する蓋体は、互いに連なった2つ割れ開閉構造であることを特徴とする請求項1記載の穀物調製機におけるコードカバー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−125750(P2006−125750A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−315568(P2004−315568)
【出願日】平成16年10月29日(2004.10.29)
【出願人】(000001465)金子農機株式会社 (53)
【Fターム(参考)】