説明

穀粒ホッパ

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトラックの荷台等に搭載して穀物を搬送する穀粒ホッパの格納改善に関する。
【0002】
【従来の技術】穀粒ホッパはトラクタの荷台に搭載する際に、排出口を有する前面部をトラック荷台の後端に位置するように、キャスタ付きの補助脚を取り付けてトラックが後進して搭載し、圃場から穀粒を積み込んで乾燥場へ運搬し、そのまま排出口から排出する。用済の後、再度補助脚を取り付けて積み降ろしをして、そのままキャスタを利用して格納する方法が知られている。キャスタ付き補助脚の公知技術として実開昭60−167797号が知られている。又、同一出願人において、実願平6−64458号の穀粒ホッパを側面倒立させて移動自在に構成した技術が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記した実開昭60−167797号は、支脚を縮めたとしてもホッパ本体の平面積を必要として、倉庫の大面積を占めるという問題があり、上記した後者の実願平6−64458号は巾狭の側面倒立させて移動するものであるが、トラック等から積み降ろした穀粒ホッパを一旦、側面に反転させる作業を必要とする煩わしい問題があった。又、従来の穀粒ホッパをキャスタ付の補助脚に対して、単にホッパー側面の長辺側中心に設けて、水平保持及び垂直に倒立支持させたのでは、製作誤差のガタツキや、床面の凹凸によって穀粒ホッパは積み込み側が尻下がりになってトラックの荷台の後進時に衝突する問題があったり、側面倒立時は重心が高い位置にあって不安定で危険を感じることがあった。従って、スタンドの横軸支点の高さは極力低くすることが望まれている。
【0004】本発明は、上記の課題を解決するために、トラック等の荷台上に搭載可能とした平面形状が長方形の穀粒ホッパにおいて、ホッパ本体の排出口のある前面側に駆動モータを設けるとともに、穀粒ホッパ荷枠の長辺側中心に対して前面側に偏位させて排出口と駆動モータを設けた前面側が常に下方に傾斜するように、キャスタを有したスタンドの横軸を支承させ、且つ、この横軸を支点として前記穀粒ホッパを反転可能に構成するとともに側面倒立固定手段を具備させたことを特徴とする穀粒ホッパを提案する。
【0005】
【作用】穀粒ホッパは排出口のある前面側が常に下方に傾斜して尻上がりにキャスタ付スタンドによって支持されているので、トラックの荷台を後進したときスムーズに搭載される。又、下方に傾斜された排出口のある前面側に重量物である駆動モータを装備したのでスタンドに対して穀粒ホッパの重心は固定部支点より低い位置になって移動時は上下揺動振れが小さい。同時に荷枠の長辺側中心に対して、駆動モータを設けた前面側にキャスタ付スタンドの横軸を偏位させたので、前面側を下端に倒立させた時、全高に対して、支持支点が低く有利になるとともに重量物である駆動モータが最下端に位置し、重心が低くなるので移動時等の走行が安定である。
【0006】
【実施例】本発明を実施した図面に基づいて構成を説明する。図1は本発明を実施した側面図で、図2は反転側面倒立させた側面図、図3はスタンド取付要部説明断図、及び図4は要部の斜視図を示したものである。
【0007】図1において、ホッパ本体3を積み込み、積み降ろし用に水平方向にスタンド6によって支承した側面図である。3のホッパ体は前方に搬送駆動部2と排出口9を設けてなる。搬送駆動部2はモータを有し、図示してないが、ホッパ本体3のV字状内底部に配置したラセン状の搬送体を駆動している。4は延長パネルで、本実施例では収納時に内放に折り畳んでいる。スタンド6は逆T字状の支柱の下端に前後一対のキャスタ11を装備してなる。支柱19のの上端は受金具8に連結される。
【0008】10はスタンド6の支柱19の頂部に水平に設けた横軸を示す。この横軸10は平面形状が長方形状の穀粒ホッパ1の左右荷枠の長辺側で、且つ、排出口9の設けた前面側が常に下方に傾斜するように構成されている。本実施例では、傾斜角(a)は5度であるが、試験結果では、3度〜7度において良好であった。又、スタンド6の横軸10は穀粒ホッパ荷枠の長辺側中心に対して前方側に9%〜14%の距離を偏位させて支承した。本実施例では、荷枠長辺長さLに対して長辺側中心から、前方側に10分のL、すなわち荷枠後端から3:2の位置に偏位させた。
【0009】図2はスタンド6の横軸10を支点としてホッパ本体3の前面を下端に反転倒立させた側面図である。ホッパ本体3の前面には重量物である搬送駆動モータ2と排出口を設けており、反転倒立させた時、重心が低くなって安定するとともに格納時は側面部の最小面積となる。
【0010】図3はスタンド6を取り付けた部分の断面図で、ホッパ本体3は断面V字状を形成する一側部18と側枠5及び側枠5に固定されているボス体7を設けている。10は横軸で先端をボス体7に嵌合させ、基部は立設したU字状受金具8を形成してなる。スタンド6の支柱19の上部は前記した受金具8の溝に嵌合されて上ピン14及び下ピン15によって着脱自在に形成される。20はフック板でスタンド6の支柱19をトラックの荷台に搭載している穀粒ホッパの受金具8に上ピン14を取り付けて(仮想線)側面から押圧する時に脚を掛けるものである。ホッパが持ち上がったところで下ピン15を差し込む。
【0011】横軸10にはボス体7と固定とする係合孔13とボス体7からの抜け止め用止め孔12を穿設している。
【0012】図4はスタンド6の支承部の斜視図で、ボス体7には垂直方向と水平方向の固定孔17が設けられて、ストッパ16を前記した横軸10の係合孔13とに貫通されて固着する。21は止めピンで横軸10がボス体7に対する抜け止めで、止め孔12に貫通される。前記した水平方向の固定孔17は前面部が5度〜7度下方に傾斜させるように穿設されている。
【0013】
【発明の効果】上記したスタンドキャスタの構成によると、穀粒ホッパの後部が常に一定角度尻上がりに設定されているので、穀粒ホッパをトラックから積み降ろし、積み込みが、スムーズに容易にできる。倉庫への反転倒立収納時にはスタンドの支持支点が低く、重心も低いので移動による上下振動も少なく安定する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を実施した側面図
【図2】 反転側面倒立させた側面図
【図3】 要部説明断面図
【図4】 要部斜視図
【符号の説明】
1 穀粒ホッパ
2 搬送駆動モータ
3 ホッパ本体
4 延長パネル
5 側枠
6 スタンド
7 ボス体
8 受金具
9 排出口
10 横軸
11 キャスタ
12 止め孔
13 係合孔
14 上ピン
15 下ピン
16 ストッパ
17 固定孔
18 底板
19 支柱
20 フック板
21 止めピン
a 傾斜角

【特許請求の範囲】
【請求項1】 トラック等の荷台上に搭載可能とした平面形状が長方形の穀粒ホッパにおいて、ホッパ本体の排出口のある前面側に駆動モータを設けるとともに、穀粒ホッパ荷枠の長辺側中心に対して前面側に偏位させて排出口と駆動モータを設けた前面側が常に下方に傾斜するように、キャスタを有したスタンドの横軸を支承させ、且つ、この横軸を支点として前記穀粒ホッパを反転可能に構成するとともに側面倒立固定手段を具備させたことを特徴とする穀粒ホッパ。

【図4】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【特許番号】第2919785号
【登録日】平成11年(1999)4月23日
【発行日】平成11年(1999)7月19日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−195639
【出願日】平成8年(1996)7月4日
【公開番号】特開平10−17085
【公開日】平成10年(1998)1月20日
【審査請求日】平成8年(1996)7月4日
【出願人】(000171746)株式会社ササキコーポレーション (192)
【参考文献】
【文献】特開 平8−154477(JP,A)