説明

穀粒昇降装置

【課題】 穀粒選別装置その他各種穀粒調製装置本体の一部機能ないしはそれと渾然一体化できる穀粒昇降装置を提供する。
【解決手段】 穀粒昇降装置1は、駆動プーリ2と従動プーリ3とに搬送ベルト4を懸架して構成する。搬送ベルト4の外周面および側面を搬送ベルトの回転にともなって被調製穀粒を揚送する揚送面とする。搬送ベルト4の揚送面は、被調製穀粒を揚送する突起5をベルトの回転方向に形成して成る。駆動プーリ2と従動プーリ3とに懸架した搬送ベルト4を適度の緊張状態に保持するベルトテンション機構11を備えている。ベルトテンション機構11は、駆動プーリ2と従動プーリ3間の穀粒非搬送側に備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穀粒を粒状により選別する穀粒選別装置その他各種穀粒調製装置に備える穀粒昇降装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穀粒選別装置その他各種穀粒調製装置に備える穀粒昇降装置としては、特開2006−335491公報、特開2006−321619公報、特開2001−333430公報等に記載されているように種々のものが知られている。
【特許文献1】特開2006−335491公報
【特許文献2】特開2006−321619公報
【特許文献3】特開2001−333430公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のこの種の穀粒昇降装置は、いずれも穀粒昇降装置として穀粒調製装置本体とは独立した構成のものとなっており、穀粒調製装置本体に併設したり、あるいは穀粒調製装置本体に取り付けて一体化されるものであるから、穀粒調製装置本体の機能的な一部として穀粒昇降装置を一体化することができないものであった。
【0004】
そこで本発明は、駆動プーリと従動プーリとに搬送ベルトを懸架し、この搬送ベルトの外周面および側面を搬送ベルトの回転にともなって被調製穀粒を揚送する揚送面とすることをもって穀粒昇降装置を構成することにより、穀粒選別装置その他各種穀粒調製装置本体の一部機能ないしはそれと渾然一体化できる穀粒昇降装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は請求項1ないし5に係る穀粒昇降装置を提供する。ここに請求項1に係る穀粒昇降装置は、被調製穀粒を揚送する穀粒昇降装置であって、駆動プーリと従動プーリとに搬送ベルトを懸架し、この搬送ベルトの外周面および側面を搬送ベルトの回転にともなって被調製穀粒を揚送する揚送面としたことを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2に係る穀粒昇降装置は、請求項1の構成において、搬送ベルトの揚送面は、被調製穀粒を揚送する突起をベルトの回転方向に形成して成ることを特徴とするものである。
【0007】
請求項3に係る穀粒昇降装置は、請求項1または2の構成において、穀粒調製装置本体の平面壁に一体に構成されていることを特徴とするものである。
【0008】
請求項4に係る穀粒昇降装置は、請求項1、2または3の構成において、駆動プーリと従動プーリとに懸架した搬送ベルトを適度の緊張状態に保持するベルトテンション機構を備えていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項5に係る穀粒昇降装置は、請求項4の構成において、ベルトテンション機構は、駆動プーリと従動プーリ間の穀粒非搬送側に備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、駆動プーリと従動プーリとに搬送ベルトを懸架し、この搬送ベルトの外周面および側面を搬送ベルトの回転にともなって被調製穀粒を揚送する揚送面とすることをもって穀粒昇降装置を構成することにより、穀粒選別装置その他各種穀粒調製装置本体の一部機能ないしはそれと渾然一体化できる穀粒昇降装置が得られるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図面は本発明の一実施の形態に係る穀粒昇降装置を例示している。図1は穀粒昇降装置の要部を示す分解斜視図、図2は穀粒昇降装置の断面図、図3は穀粒昇降装置を穀粒調製装置に組み付けた態様を示す斜視図である。
【0012】
図1および図2に示すように、穀粒昇降装置1は、駆動プーリ2と従動プーリ3とに搬送ベルト4を懸架して構成され、この搬送ベルト4はその外周面を搬送ベルトの回転にともなって被調製穀粒を揚送する揚送面としたものである。図示の実施の形態では、搬送ベルト4の揚送面を、被調製穀粒を揚送する突起5をベルトの回転方向に適当な間隔をおいて多数設けて構成している。搬送ベルト4はその側面も外周面とともに揚送面として作用するものである。
【0013】
穀粒昇降装置1の外装体6は搬送ベルト4を囲む受け形状を成していて、搬送ベルト4の揚送側にはその内側に沿った案内壁7を設けて穀粒揚送路8を形成している。また、外装体6の下部には、穀粒揚送路8に通じるように従動プーリ3の外周下部を取り巻く円弧状の案内壁9を設けてあり、その穀粒揚送路8に通じる部分は搬送方向に細長い糠取りメッシュ面10となっている。外装体6の駆動プーリ2と従動プーリ3間の穀粒非搬送側には、搬送ベルト4を適度の緊張状態に保持するベルトテンション機構11を備えている。
【0014】
外装体6の前面は覆い蓋板12により閉蓋される。この覆い蓋板12の下部前面には穀粒の投入ホッパ13が備えられており、投入ホッパ13の穀粒落下口14は穀粒揚送路8に連通しているとともに、穀粒落下口14は投入ホッパ13に投入された穀粒が穀粒揚送路8に滞りなく流れる誘導形状を成している。
【0015】
本発明に係る穀粒昇降装置1は、図3に示すように穀粒調製装置15の平面壁16を利用して組み付けることができる。この構成においては昇降装置1の外装体8は穀粒調製装置15の平面壁16と一体に形成されるので、穀粒昇降装置1は穀粒調製装置15と渾然一体化が図られ、穀粒昇降装置1は穀粒調製装置15の機能的一部を成しているものとなる。17は搬入口、18は駆動モータである。
【0016】
搬送ベルト4の突起5により穀粒揚送路8を揚送される被調製穀粒は、突起5による押し送りと跳ね上げの両方作用を受けることになって、その相乗作用によって被調製穀粒の揚送効率が高く、また被調製穀粒は穀粒揚送路8内で跳ね上げ作用を受けながら押し送りされるので、穀粒揚送路8内において被調製穀粒の滞りが生ぜず、搬送ベルト4を止めた際の詰まりも生じない。
【0017】
なお、図示の実施の形態では、搬送ベルト4として突起5を有するものを用いているが、搬送ベルト4は突起に換えて被調製穀粒に揚送作用を与える抵抗体であってよく、また搬送ベルト4自体を抵抗を有する材質としたり、搬送ベルト4の搬送側となる外周面および側面を被調製穀粒に揚送作用を与える抵抗面とすることにより、揚送面を構成することもできる(図示せず)。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施の形態に係る穀粒昇降装置の要部を示す分解斜視図である。
【図2】同上穀粒昇降装置の断面図である。
【図3】穀粒昇降装置を穀粒調製装置に組み付けた態様を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0019】
1 穀粒昇降装置
2 駆動プーリ
3 従動プーリ
4 搬送ベルト
5 突起
6 外装体
7 案内壁
8 穀粒揚送路
9 円弧状の案内壁
10 糠取りメッシュ面
11 ベルトテンション機構
12 覆い蓋板
13 投入ホッパ
14 穀粒落下口
15 穀粒調製装置
16 平面壁
17 搬入口
18 駆動モータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被調製穀粒を揚送する穀粒昇降装置であって、
駆動プーリと従動プーリとに搬送ベルトを懸架し、この搬送ベルトの外周面および側面を搬送ベルトの回転にともなって被調製穀粒を揚送する揚送面としたこと
を特徴とする穀粒昇降装置。
【請求項2】
搬送ベルトの揚送面は、被調製穀粒を揚送する突起をベルトの回転方向に形成して成ることを特徴とする請求項1記載の穀粒昇降装置。
【請求項3】
穀粒調製装置本体の平面壁に一体に構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の穀粒昇降装置。
【請求項4】
駆動プーリと従動プーリとに懸架した搬送ベルトを適度の緊張状態に保持するベルトテンション機構を備えていることを特徴とする請求項1、2または3記載の穀粒昇降装置。
【請求項5】
ベルトテンション機構は、駆動プーリと従動プーリ間の穀粒非搬送側に備えていることを特徴とする請求項4記載の穀粒昇降装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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