説明

積層体の製造方法、及び画像表示装置

【課題】基材と光学層が積層された積層体であって、光学層が基材に良好に接着した積層体の製造方法を提供する。
【解決手段】積層体の製造方法は、表面が極性を有する基材に、陽イオンを含む処理液を接触させる前処理工程と、前記基材の表面に、陰イオン性基を有する有機化合物を含むコーティング液を塗工し、基材の表面に光学膜を形成する製膜工程と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材と光学膜を有する積層体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、有機EL装置、太陽電池などの電気・電子装置類には、光学素子が組み込まれている。
このような光学素子として、例えば、有機化合物を含む光学膜と基材とが積層された積層体が用いられている。
この積層体の光学膜は、SOH基などの極性基を有する有機化合物と水を含むコーティング液を、親水化処理が施された基材の表面に塗工し、この塗膜を乾燥することによって形成される(特許文献1)。
【0003】
このようにコーティング液を基材に塗工して光学膜を形成する溶液塗工法は、有機化合物を基材に染色する又は蒸着する方法に比して、製造プロセスが簡易である。従って、溶液塗工法によれば、光学膜を有する積層体を比較的安価に製造できる。
しかしながら、上記溶液塗工法によって形成された光学膜は、基材に対して接着性が低いという問題点がある。そのため、得られた積層体は、その光学膜が基材から部分的に剥離するおそれがあるので、その改善が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−107591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光学膜が基材に良好に接着された積層体の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の積層体の製造方法は、表面が極性を有する基材に、陽イオンを含む処理液を接触させる前処理工程と、前記基材の表面に、陰イオン性基を有する有機化合物を含むコーティング液を塗工し、基材の表面に光学膜を形成する製膜工程と、を有する。
【0007】
本発明の好ましい積層体の製造方法は、前記前処理工程における基材が、その表面にOH基を有する。
本発明の他の好ましい積層体の製造方法は、前記前処理工程における基材が、その表面に親水化処理を行うことにより、極性が付与されたものである。
本発明の他の好ましい積層体の製造方法は、前記陽イオンが、多価金属イオンである。 本発明の他の好ましい積層体の製造方法は、前記前処理工程と製膜工程の間に、基材を洗浄する洗浄工程をさらに有する。
本発明の他の好ましい積層体の製造方法は、前記基材が、ガラス板又はポリマーフィルムである。
本発明の他の好ましい積層体の製造方法は、前記ガラス板又はポリマーフィルムの表面に金属酸化物が被覆されている。
【0008】
本発明の別の局面によれば、画像表示装置を提供する。
この画像表示装置は、上記いずれかの製造方法によって得られた積層体を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の製造方法によれば、光学膜が基材に良好に接着した積層体を得ることができる。かかる積層体は、その使用時に光学膜が基材から部分的に剥離するおそれがなく、機械的強度に優れている。そのため、本発明の積層体は、長期間に渡って光学特性を維持できる。本発明の積層体を、例えば、画像表示装置に組み込むことにより、長期間に渡って表示性能が変わらない画像表示装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】前処理装置を示す参考側面図。
【図2】前処理後の基材を洗浄するための洗浄装置の参考側面図。
【図3】積層体の断面図。
【図4】光学膜と基材の接着メカニズムを説明するための概念図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[積層体の製造方法の概要]
本発明の製造方法は、表面が極性を有する基材に、陽イオンを含む処理液を接触させる前処理工程と、前記基材の表面に、陰イオン性基を有する有機化合物を含むコーティング液を塗工し、基材の表面に光学膜を形成する製膜工程と、を有する。
本発明の積層体の製造方法においては、上記前処理工程と製膜工程以外に、他の工程を有していてもよい。
【0012】
本発明の製造方法では、表面が極性を有する基材に、直接、陰イオン性基を有する有機化合物を含むコーティング液を塗工せず、前処理として、前記基材に陽イオンを含む処理液を接触させる。この前処理を行うことによって、光学膜が基材に良好に接着された積層体が得られる。
以下、各工程毎に具体的に説明する。
なお、本明細書において、「X〜Y」の記載は、「X以上Y以下」を意味する。
【0013】
[前処理工程]
前処理工程は、表面が極性を有する基材の該表面に、陽イオンを吸着させる工程である。
【0014】
(基材について)
通常、基材は、シート態様のものが用いられる。基材は、所定の平面形状の枚葉体でもよい。通常の機械的生産では、好ましくは長尺状の基材が用いられる。長尺状の基材は、幅方向の長さに対して、その方向に直交する方向(長手方向)の長さが十分に長い基材である。長尺状の基材の長手方向の長さは、10m以上、好ましくは300m以上である。
長尺状の基材が用いられる場合、好ましくは、その基材を長手方向に送り出ながら、その途中で本発明の特徴的な処理及び必要に応じた任意な処理が実施される。
【0015】
前記基材の材質は特に限定されず、例えば、ガラス基板、石英基板、ポリマーフィルム、液晶フィルム、シリコン基板などが挙げられる。好ましくは、ガラス基板またはポリマーフィルムである。
【0016】
前記ガラス基板としては、任意の適切なものが選択され得る。前記ガラス基板は、液晶セルに用いられているものが好ましい。前記ガラス基板としては、例えば、アルカリ成分を含むソーダ石灰(青板)ガラス、低アルカリ硼砂酸ガラスなどが挙げられる。
【0017】
前記ポリマーフィルムの形成材料としては、任意の適切なものが選択され得る。好ましくは、熱可塑性ポリマーを含むフィルムが挙げられる。前記熱可塑性ポリマーとしては、例えば、ポリオレフィン系、ポリノルボルネン系、シクロオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、セルロース系、スチレン系、ポリメタクリル酸メチル、ポリ酢酸ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、ポリアミド系、ポリアセタール系、ポリカーボネート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリエチレンテレフタレート系、ポリスルホン系、ポリエーテルスルホン系、ポリアリレート系、ポリイミド系などが挙げられる。これらの熱可塑性ポリマーは、1種単独で、又は2種類以上を併用してもよい。また、透明性に優れたポリマーフィルム(例えば、ヘイズ値5%以下のフィルム)を用いることが好ましい。
基材の厚みは、特に限定されない。薄型軽量化の観点から、基材の厚みは、好ましくは300μm以下、さらに好ましくは5μm〜200μm、より好ましくは10μm〜100μmである。
【0018】
また、必要に応じて、基材の表面には、部分的に又はその全体に金属酸化物が被覆されていてもよい。金属酸化物としては、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズなどが挙げられる。これらの金属酸化物は、1種単独で又は2種以上を併用してもよい。金属酸化物の基材に対する被覆する方法としては、蒸着、スパッタリングなどが挙げられる。
【0019】
また、表面が配向規制力を有する基材を用いてもよい。このような基材は、例えば、その表面にラビング処理を行うことによって得られ得る。配向規制力を有する基材は、その表面にコーティング液を塗工したときに、有機化合物を良好に配向させることを可能とする。
【0020】
上述のように、本発明では、表面が極性を有する基材が用いられる。なお、表面に金属酸化物が部分的又は全体に被覆されている基材については、その金属酸化物被覆面が極性を有する。
表面が極性を有する基材は、代表的には、少なくとも表面に存在する形成材料が極性基を有する基材が挙げられる。「少なくとも表面に存在する形成材料が極性基を有する」とは、形成材料の殆どが極性基を有する場合、及び、形成材料のうち基材表面に存在する形成材料が極性基を有する場合、を含む。
前記極性基は、極性を持つ官能基を意味する。極性基としては、比較的電気陰性度の大きい酸素及び/又は窒素を含む官能基が挙げられる。極性基の具体例としては、OH基、アミノ基、アミド基、イミノ基、イミド基、ニトロ基、シアノ基、イソシアネート基、カルボキシル基、エステル基、スルホン酸基などが挙げられる。好ましくは、前記極性基は、OH基である。
【0021】
例えば、極性基を有しない又は極性基を僅かに有する形成材料を用いて形成された基材のように、表面が極性を有しない又は殆ど有しない基材については、極性を付与するための処理を行ってもよい。
一般的には、基材の表面に親水化処理を行うことによって、表面に極性が付与された基材が得られ得る。親水化処理を行うと、基材の表面にOH基が多数生じるからである。また、極性基を有する形成材料を用いて形成された基材についても、同様に親水化処理を行ってもよい。
【0022】
親水化処理を行う前には、基材の表面を十分に洗浄しておくことが好ましい。十分に洗浄された基材に対して親水化処理を行うことにより、基材の表面に略均一に多数のOH基を生じさせることができる。洗浄液としては、特に限定されず、水、親水性溶剤、水と親水性溶剤の混合液、有機溶剤などが挙げられる。
【0023】
親水化処理は、例えば、乾式処理でもよく、又は、湿式処理でもよい。乾式処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理及びグロー放電処理などの放電処理;火炎処理;オゾン処理;UVオゾン処理;紫外線処理などの電離活性線処理などが挙げられる。湿式処理としては、例えば、水やアセトンなどの溶媒を用いた超音波処理;アルカリ処理;アンカーコート処理などが挙げられる。これらの処理は、1種単独で、又は2種類以上を併用してもよい。
前記親水化処理としては、好ましくは、コロナ処理、プラズマ処理、UVオゾン処理から選ばれる少なくとも1つを採用できる。かかる親水化処理を行えば、基材の表面に極性を確実に付与できる。
【0024】
(処理液について)
処理液は、陽イオンを含んでいれば特に限定されない。
陽イオンは、1価の陽イオン、又は2価以上の陽イオンでもよい。好ましくは2価以上の電荷を有する多価金属イオンが用いられる。多価金属イオンは、基材と光学膜の界面に介在して両者を結合する作用に優れると考えられる。
多価金属イオンとしては、例えば、アルカリ土類金属イオン、その他の金属イオン、錯イオンなどが挙げられる。具体的には、多価金属イオンとしては、Ba2+、Ca2+、Sr2+、Pb2+、Ni2+、Fe3+、Cu2+、Zn2+、Al3+、Pd2+、Cd2+、Sn2+、Co2+、Mn2+、Ce3+などが挙げられる。
【0025】
処理液は、上記陽イオンを生じる電解質を溶媒に溶解させることによって得られる。前記電解質としては、一般的には金属塩が用いられ、好ましくは多価金属塩である。
前記金属塩の対陰イオンとしては、Cl、Br、I、OH、CN、NO、ClO、CO2−、HCO、SO2−、PO3−などが挙げられる。
【0026】
前記処理液の溶媒としては、水、親水性溶媒、水と親水性溶媒の混合溶媒などが挙げられる。親水性溶媒としては、例えば、エタノールなどのアルコール類;メチルセロソルブなどのセロソルブ類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチルなどのエステル類などが挙げられる。
【0027】
処理液中における電解質は、固形分濃度で0.0001質量%以上含んでいればよい。好ましくは、電解質が0.001質量%〜1質量%含まれている処理液を用いることが好ましい。
【0028】
(基材への処理について)
前記処理液を基材に接触させると、処理液中の陽イオンが基材の表面のOH基などの極性基に吸着する。
処理液を基材の表面に接触させる方法は、特に限定されない。前記接触方法としては、(a)基材の表面に処理液を塗布する方法、(b)基材を処理液中に浸漬する方法、などが挙げられる。処理液の塗布は、適宜なコータ、又は、スプレーなどを用いて実施できる。これらの中では、基材を処理液中に浸漬する方法が好ましい。この方法によれば、基材全体に処理液を確実に接触させることができる。
【0029】
基材を処理液中に浸漬する方法としては、体表的には、基材を処理液に浸けること、又は、基材を処理液が満たされた浴中に通過させることが挙げられる。
長尺状の基材が用いられている場合には、製造ラインにおいて送出される基材を、処理液が満たされた浴中に通過させることが好ましい。
図1は、製造ラインの途中に設けられた前処理装置の参考側面図である。図1において、1は、長尺状の基材を示し、2は、処理液が満たされた浴を示し、3は、処理液を示し、41、42、43、44は、それぞれ基材搬送用ローラを示し、矢印は、基材の送出方向を示す。
なお、図1の例では、処理液の浴は1つであるが、独立した浴を複数並設し、この複数の浴中に基材を順に通過させてもよい。
【0030】
処理液の温度は、特に限定されないが、余りに高温であると基材が変形する場合もあるので、10℃〜60℃程度が好ましい。基材を処理液に接触させる時間は、特に限定されないが、通常、1分以上、好ましくは1分〜20分であり、さらに好ましくは1分〜10分である。
【0031】
[洗浄工程]
処理液を基材に接触させた後、基材の表面に残存する処理液を除去するため、基材を洗浄する。
洗浄工程を行うことにより、前記基材の表面に処理液中の金属塩が析出することを防止できる。
【0032】
洗浄工程において用いられる洗浄液は、水であり、好ましくは脱イオン水である。脱イオン水を用いることにより、電解質である金属塩を良好に除去できる。
洗浄方法は、特に限定されず、例えば、(a)基材の表面に洗浄液を吹き付ける、(b)洗浄液が所定方向に流れている浴中に基材を浸漬する、(c)基材を洗浄液が満たされた洗浄浴中に通過させる、などの方法が挙げられる。
長尺状の基材が用いられている場合には、上記前処理工程と同様に、洗浄液が満たされた洗浄浴中に基材を通過させることが好ましい。
【0033】
洗浄液が満たされた洗浄浴は、1つでもよいが、独立した洗浄浴を複数並設し、この複数の洗浄浴中に基材を順次通過させることが好ましい。
図2は、製造ラインにおいて、上記前処理装置の下流側に設けられた洗浄装置の参考側面図である。図2において、11は、前処理後の基材を示し、21,22,23は、洗浄液が満たされた第1、第2及び第3の洗浄浴を示し、5は、各洗浄浴に入れられた洗浄液を示し、45、46、47、48は、それぞれ基材搬送用ローラを示し、矢印は、基材の送出方向を示す。
図2では、3台の洗浄浴が表されているが、洗浄浴は3台に限定されない。
【0034】
洗浄液の温度は、特に限定されないが、通常、10℃〜60℃である。洗浄時間(複数の洗浄浴を用いて洗浄する場合には、その合計時間)は、特に限定されないが、通常、1〜20分間程度である。
洗浄後、基材を乾燥する。乾燥方法は、自然乾燥、強制的な乾燥の何れでもよい。乾燥温度は、特に限定されないが、通常、20℃〜60℃である。乾燥時間は、基材の表面が乾くまで行えばよい。
【0035】
[製膜工程]
製膜工程は、基材の表面に光学膜を形成して、積層体を得る工程である。
前記前処理工程後の基材の表面に、陰イオン性基を有する有機化合物を含むコーティング液を塗工して塗膜を形成する。この塗膜を固化させたものが光学膜である。
【0036】
(陰イオン性基を有する有機化合物について)
有機化合物は、その分子中に陰イオン性基を有していれば特に限定されない。好ましくは、陰イオン性基を2個以上有する有機化合物が用いられる。有機化合物としては、例えば、アゾ系、シアニン系、メロシアニン系、ペリレン系、ナフトキノン系などの低分子化合物が挙げられる。また、有機化合物は、低分子化合物に限られず、高分子化合物でもよい。好ましくは、有機化合物として、リオトロピック液晶性化合物を示す低分子化合物が用いられる。良好なリオトロピック液晶性を示すことから、アゾ系有機色素を用いることが好ましい。
なお、アゾ系有機色素は、その分子中にアゾ基を1個以上有する有機化合物である。中でも、アゾ基を2個以上有するアゾ系有機色素を用いることが好ましい。
【0037】
前記陰イオン性基は、有機化合物の骨格に結合した固定アニオン基を有し、通常、前記固定アニオン基に対イオンが結合している。
前記陰イオン性基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、ホスホン酸基、OH基及びこれらの塩基などが挙げられる。陰イオン性基は、好ましくはスルホン酸基又はスルホン酸塩基(−SOM基)であり、さらに好ましくはスルホン酸塩基である。ただし、Mは対イオンを表す。Mで表される対イオンの具体例は、下記一般式(1)の記載を参照されたい。
【0038】
前記有機化合物の陰イオン性基の数は、特に限定されないが、好ましくは2個以上であり、さらに好ましくは2個〜5個であり、より好ましくは2個〜4個である。
陰イオン性基を2個以上有する有機化合物は、水系溶媒に対する親和性が高い。そのため、前記有機化合物を水系溶媒に溶解させることができ、良好なコーティング液を容易に調製できる。また、陰イオン性基を2個以上有する有機化合物は、基材の表面に吸着した陽イオンと静電的に結合し易く、そのため、前記有機化合物の使用は、基材に対する接着性に優れた光学膜の形成を可能とする。
【0039】
前記アゾ系有機色素としては、例えば、下記一般式(1)又は(2)で表される化合物が好ましい。
【0040】
【化1】

【0041】
前記一般式(1)及び(2)において、Qは、置換若しくは無置換のアリール基を表し、Qは、置換若しくは無置換のアリーレン基を表し、Aは、陰イオン性基を表し、Mは、前記陰イオン性基の対イオンを表し、Rは、水素原子、置換若しくは無置換のアルキル基、置換若しくは無置換のアセチル基、置換若しくは無置換のベンゾイル基、又は置換若しくは無置換のフェニル基を表し、kは、0〜4の整数を表し、lは、0〜4の整数を表し、mは、1〜6の整数を表す。ただし、k+l+m≦7である。なお、本明細書において、「置換若しくは無置換」とは、「置換基で置換されている、又は、置換基で置換されていない」ことを意味する。
【0042】
前記Q又はQで表されるアリール基又はアリーレン基は、置換基を有していても、或いは、置換基を有していなくてもよい。Q又はQで表されるアリール基又はアリーレン基が、置換若しくは無置換のいずれの場合でも、前記各一般式で表されるアゾ系有機色素は、リオトロピック液晶性を示し、又、それを含む光学膜は、光学異方性を示し得る。
【0043】
前記アリール基又はアリーレン基が置換基を有する場合、その置換基としては、例えば、ハロゲノ基、ニトロ基、シアノ基、ジヒドロキシプロピル基、フェニルアミノ基、−OM、−COOM、−SOM、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のアルキルアミノ基、炭素数1〜6のアシルアミノ基などが挙げられる。好ましくは、前記置換基としては、ニトロ基や−SOM基などの陰イオン性基である。なお、Mは、対イオンを表す。
【0044】
前記アリール基としては、フェニル基の他、ナフチル基などのようなベンゼン環が縮合した縮合環基が挙げられる。
前記アリーレン基としては、フェニレン基の他、ナフチレン基などのようなベンゼン環が縮合した縮合環基が挙げられる。
前記一般式(1)及び(2)のQは、好ましくは置換若しくは無置換のフェニル基であり、さらに好ましくは置換基を有するフェニル基であり、より好ましくは少なくともパラ位に置換基を有するフェニル基である。
前記一般式(2)のQは、好ましくは置換若しくは無置換のナフチレン基であり、さらに好ましくは置換若しくは無置換の1,4−ナフチレン基である。
【0045】
また、一般式(1)及び(2)のAは、例えば、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、又はこれらの塩基などである。前記Aは、好ましくは、スルホン酸基又はスルホン酸塩基である。一般式(1)及び(2)のRのアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基又はフェニル基が置換基を有する場合、その置換基としては、上記アリール基又はアリーレン基の説明欄で例示した置換基と同様のものが挙げられる。前記Rのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。前記Rは、好ましくは、水素原子、又は、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは水素原子である。
【0046】
前記一般式(1)及び(2)のMは、水素イオン、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、その他の金属イオン、アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムイオン、有機アミンの塩などが挙げられる。なお、前記各一般式で表されるアゾ系有機色素を含む光学膜に耐水化処理を行った後には、前記各一般式のMの一部又は全部は、耐水化液中の多価金属塩又は2個以上の窒素原子を有する化合物由来のカチオン種となる。
【0047】
前記一般式(1)及び(2)のkは、好ましくは0〜2の整数であり、さらに好ましくは1〜2の整数である。一般式(1)及び(2)のlは、好ましくは0〜2の整数であり、さらに好ましくは0〜1の整数である。前記一般式(1)及び(2)のmは、好ましくは1〜4の整数であり、さらに好ましくは2〜4の整数である。
【0048】
より好ましくは下記一般式(3)又は(4)で表されるアゾ系有機色素が用いられる。
【0049】
【化2】

【0050】
前記一般式(3)及び(4)において、Xは、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルキル基、置換若しくは無置換の炭素数1〜4のアルコキシ基、又は−SOM基を表す。
一般式一般式(3)及び(4)のR及びMは、前記一般式(1)のR及びMと同様である。
なお、一般式(3)及び(4)のXの炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシ基が置換基を有する場合、その置換基としては、前記アリール基の説明欄で例示した置換基と同様のものが挙げられる。
前記一般式(3)及び(4)のXは、好ましくは、水素原子、ニトロ基、又はシアノ基であり、さらに好ましくはニトロ基である。
【0051】
上記有機化合物は、溶媒に溶解した状態で液晶性(リオトロピック液晶性)を示す。具体的には、前記有機化合物は、溶媒に溶解したとき、超分子を形成している。この有機化合物を含む液を所定方向に流延すると、前記超分子に剪断応力が加わる。その結果、前記超分子の長軸が流延方向に配向した塗膜を形成することができる。得られた塗膜は、有機化合物が所定方向に配向しているため、光学異方性を示す。
【0052】
上記各一般式で表されるアゾ系有機色素は、例えば、次の方法で得ることができる。アニリン誘導体とナフタレンスルホン酸誘導体とを、常法によりジアゾ化及びカップリング反応させることにより、モノアゾ系有機色素が得られる。さらに、このモノアゾ系有機色素をジアゾ化した後、これをアミノナフトールジスルホン酸誘導体とカップリング反応させることにより、ジスアゾ系有機色素が得られる。
【0053】
(コーティング液について)
コーティング液は、上記有機化合物を、適当な溶媒に溶解又は分散させることによって得られる。有機化合物は、1種類でもよいし、2種類以上を併用してもよい。
前記コーティング液は、有機化合物が液中で超分子を形成し、その結果、液晶相を示す。液晶相は、特に限定されず、ネマチック液晶相、ミドル相、スメクチック液晶相、コレステリック液晶相、又はヘキサゴナル液晶相などが挙げられる。前記液晶相は、偏光顕微鏡で観察される光学模様によって、確認、識別できる。
【0054】
前記溶媒は、特に限定されず、従来公知の溶媒を用いることができる。好ましくは、前記有機化合物が良好に溶解し得る溶媒が用いられる。前記有機化合物が良好に溶解されたコーティング液を用いることによって、製膜したときに有機化合物が析出し難くなる。
【0055】
前記有機化合物が良好に溶解し得る溶媒は、例えば水系溶媒である。
水系溶媒は、水、親水性溶媒、水と親水性溶媒の混合溶媒などが挙げられる。親水性溶媒の具体例は、上記の記載を参照されたい。
前記コーティング液中における有機化合物の濃度は、液晶相を示す濃度に調製することが好ましい。具体的には、前記有機化合物の濃度は、好ましくは0.5質量%〜50質量%である。このような濃度範囲の一部で、前記コーティング液は、液晶相を示し得る。
また、コーティング液のpHは、好ましくはpH4〜10程度、さらに好ましくはpH6〜8程度に調製される。
【0056】
さらに、前記コーティング液には、添加剤が添加されていてもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、熱安定剤、光安定剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着色剤、帯電防止剤、抗菌剤、相溶化剤、架橋剤、増粘剤、各種ポリマーなどが挙げられる。コーティング液中における添加剤の濃度は、好ましくは0を超え10質量%以下である。また、コーティング液には、界面活性剤が添加されていてもよい。
【0057】
(光学膜の形成について)
前記コーティング液を、前処理後の基材の表面に塗工することによって、塗膜を形成する。
【0058】
コーティング液を基材に塗工する方法としては、特に限定されず、例えば、適切なコータを用いた塗工方法が採用され得る。コータとしては、バーコータ、ロールコータ、スピンコータ、コンマコータ、グラビアコータ、エアーナイフコータ、ダイコータなどが挙げられる。
液晶相状態のコーティング液を基材に塗工すると、その過程で有機化合物の超分子会合体に剪断力が加わる。よって、その超分子会合体が所定方向に配向した塗膜を基材上に形成できる。
【0059】
次に、上記塗膜を固化させる。溶媒として水系溶媒が用いられている場合には、前記塗膜を乾燥する。塗膜を乾燥する方法は、自然乾燥、強制的な乾燥の何れでもよい。乾燥温度は、コーティング液の等方相転移温度以下であり、低温から高温へ徐々に昇温させることが好ましい。具体的には、前記乾燥温度は、好ましくは10℃〜80℃であり、さらに好ましくは20℃〜60℃である。かかる温度範囲であれば厚みバラツキの小さい乾燥塗膜を得ることができる。
乾燥時間は、乾燥温度や溶媒の種類によって、適宜、選択され得る。自然乾燥の場合には、乾燥時間は、好ましくは1秒〜120分であり、さらに好ましくは10秒〜5分である。
【0060】
塗膜の乾燥過程で、配向した有機化合物が固定される。乾燥後の塗膜が光学膜である。
得られた光学膜(乾燥塗膜)の厚みは、好ましくは0.1μm〜10μmである。
【0061】
製膜工程を行うことによって、図3に示すように、基材と光学膜が積層された積層体が得られる。図3において、7は、積層体を示し、8は、光学膜を示し、9は、基材を示す。
この積層体においては、その光学膜が基材に良好に接着しており、光学膜が基材から部分的に剥離し難い。このような積層体は、機械的強度に優れ、長期間に渡って光学特性を維持できる。
【0062】
本発明の製造方法によって、光学膜と基材との接着性が優れた積層体が得られる作用は、次の通りである。
上述のように前処理として、表面が極性を有する基材に陽イオンを含む処理液を接触させる。この前処理を行うことによって、基材の表面に陽イオンが吸着する。この陽イオンが吸着した基材の表面に、コーティング液を塗工して光学膜を形成することにより、光学膜を構成する有機化合物の陰イオン性基が陽イオンに静電的に結合する(図4参照)。基材と光学膜の界面に陽イオンが介在するので、基材と光学膜の界面にイオン相互作用が働く。従って、光学膜が基材に対して十分に接着した積層体が得られる。
【0063】
[耐水化処理工程]
耐水化処理工程は、上記製膜工程によって得られた積層体に耐水性を付与する工程である。耐水化処理工程は、必要に応じて実施される。光学膜は、陰イオン性基を有する有機化合物を含むので、水の浸入によって劣化するおそれがある。耐水化処理を行うことによって、耐水性に優れた積層体を得ることができる。耐水化処理としては、従来公知の方法を採用できる。例えば、耐水化処理としては、特開平11−21538号に開示された方法などが挙げられる。
【0064】
簡単に説明すると、上記積層体の少なくとも光学膜の一面(光学膜の一面とは、基材に積層された面とは反対側の面を指す)に、耐水化液を接触させる。
耐水化液は、多価金属塩又は分子中に2個以上の窒素原子を有する化合物を含む。
前記多価金属塩としては、例えば、塩化塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、シュウ酸塩、酢酸塩などが挙げられる。多価金属塩の対金属としては、バリウム、アルミニウム、鉛、クロム、ストロンチウム、セリウム、ランタン、サマリウム、イットリウム、銅、鉄などが挙げられる。前記分子中に2個以上の窒素原子を有する化合物としては、アルキレンジアミンなどの脂肪族ジアミン又はその塩;アルキレントリアミンなどの脂肪族トリアミン又はその塩;アルキレンテトラアミンなどの脂肪族テトラアミン又はその塩;アルキレンペンタアミンなどの脂肪族ペンタアミン又はその塩;アルキレンエーテルジアミンなどの脂肪族エーテルジアミン又はその塩などが挙げられる。
【0065】
前記多価金属塩などを、適当な溶媒に溶解又は分散させることによって、耐水化液を得ることができる。前記溶媒は、好ましくは水系溶媒が用いられる。前記水系溶媒は、前記コーティング液の説明欄で例示したものを用いることができる。前記耐水化液中における多価金属塩などの濃度は、好ましくは1質量%〜50質量%であり、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
【0066】
耐水化液を光学膜に接触させる方法としては、光学膜の一面に耐水化液を塗布する方法、積層体を耐水化液中に浸漬する方法などが挙げられる。
耐水化液に接触させた後の積層体には、耐水化液が残存している。この液を除去するため、積層体を水又は洗浄液で洗浄することが好ましい。
【0067】
[光学膜の組成及び諸特性]
本発明の光学膜中における上記有機化合物の含有量は、特に限定されないが、その総質量に対し、好ましくは80質量%以上100質量%未満であり、さらに好ましくは90質量%以上100質量%未満である。
また、本発明の光学膜には、前記有機化合物以外に、他の成分が含まれていてもよい。
前記他の成分としては、他の有機化合物(陰イオン性基を有する有機化合物以外の有機化合物)、各種添加剤、任意の液晶性化合物、ポリマーなどが挙げられる。これらの他の成分をコーティング液に添加することにより、上記各工程を経て、これらの他の成分を含む光学膜が得られる。
【0068】
可視光領域において吸収能を有する有機化合物を用いた場合には、その有機化合物を含む光学膜は偏光フィルムとして利用できる。可視光領域において実質的に吸収能を有しない又は吸収能が小さい有機化合物を用いた場合には、その有機化合物を含む光学膜は位相差フィルムとして利用できる。
本発明の光学膜が偏光フィルムである場合、可視光領域(波長380nm〜780nm)の少なくとも一部の波長において吸収二色性を示す。この光学膜の透過率は、35%以上であり、好ましくは36%以上であり、さらに好ましくは37%以上であり、その偏光度は、95%以上であり、好ましくは98%以上である。
【0069】
[積層体の用途]
本発明の積層体は、適宜な形状に裁断することにより、そのまま光学素子として使用できる。なお、基材は、光学膜を保護する保護フィルムとして機能する。よって、上記光学膜の一面に、他の保護フィルムを積層することにより、光学膜が2枚の保護フィルムで挟まれた積層フィルムが得られる。
さらに、本発明の積層体に、光学膜と同種又は異種の光学特性を有するフィルムを1枚又は2枚以上積層してもよい。
【0070】
本発明の積層体は、好ましくは、画像表示装置内に組み込まれる。
本発明の積層体を有する画像表示装置は、液晶表示装置、有機EL装置、及びプラズマディスプレイなどを含む。前記画像表示装置の好ましい用途はテレビである。
【実施例】
【0071】
本発明について、実施例及び比較例を示して詳細に説明する。なお、本発明は、下記の実施例のみに限定されるものではない。
【0072】
[アゾ系有機色素の合成及びコーティング液の調製]
4−ニトロアニリンと8−アミノ−2−ナフタレンスルホン酸とを、常法(細田豊著「理論製造 染料化学 第5版」昭和43年7月15日技法堂発行、135ページ〜152ページに記載の方法)により、ジアゾ化及びカップリング反応させて、モノアゾ化合物を得た。得られたモノアゾ化合物を、前記常法によりジアゾ化し、さらに、1−アミノ−8−ナフトール−2,4−ジスルホン酸リチウム塩とカップリング反応させて粗生成物を得た。これを塩化リチウムで塩析することによって、下記構造式(5)のジスアゾ系有機色素を得た。
【0073】
【化3】

【0074】
構造式(5)のジスアゾ系有機色素を水に溶解することにより、固形分濃度で2質量%のコーティング液を調製した。
【0075】
[実施例1]
酸化インジウムスズ(ITO)が部分的に被覆されたガラス基板(三容真空工業(株)製、製品名「有機EL用ITO膜」)を、脱イオン水を用いて超音波洗浄した。その後、前記ガラス基板の表面(ITOの部分被覆面)に、ベルベット布を用いてラビング処理を行った。さらに、この基板の表面に極性を付与するため、DUV照射装置((株)GSユアサ製、製品名「DUV25×4」)を用いて、前記ガラス基板の表面にUVオゾン処理を20分間行った。
【0076】
次に、処理液として固形分濃度で0.1質量%の塩化バリウム水溶液を準備し、室温下で、この塩化バリウム水溶液中に、前記基板全体を10分間浸漬した。前記水溶液から基板を取り出した後、それを洗浄するため、その基板全体を、室温下で、脱イオン水へ1分間浸漬し且つ取り出す工程を3回繰り返した。次に、この基板を室温下に静置して、十分に乾燥した。
次に、この基板の表面に、上記コーティング液をスピンコートを用いて塗工した後、その塗膜を、室温下で、十分に乾燥した。このようにしてガラス基板の表面に光学膜が積層された積層体を作製した。得られた積層体の光学膜の厚みは、約0.3μmであった。
【0077】
この光学膜に耐水性を付与するため、耐水化処理を行った。
耐水化液として固形分濃度で10質量%の塩化バリウム水溶液を準備し、この塩化バリウム水溶液に、上記積層体を1分間浸漬した後、それを取り出して水を用いて十分に洗浄した。この耐水化液の浸漬によって、構造式(5)のジスアゾ系有機色素中のリチウムイオンがバリウムイオンにイオン交換される。このようにイオン交換された有機色素を含む光学膜には、耐水性が付与される。
実施例1の積層体は、耐水化処理中及び耐水化処理後に、光学膜がガラス基板から剥離しなかった。光学膜がガラス基板に強固に接着している理由は、UVオゾン処理されたガラス基板の表面と光学膜の間に、バリウムイオンが介在していることに起因すると推定される。
【0078】
[実施例2]
処理液として、固形分濃度で0.1質量%の塩化カルシウム水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製し、更に、それを耐水化処理した。
実施例2の積層体は、耐水化処理中及び耐水化処理後に、光学膜がガラス基板から剥離しなかった。
【0079】
[比較例]
処理液による前処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、積層体を作製し、それを耐水化処理した。
比較例の積層体は、耐水化処理中に、光学膜がガラス基板から剥離してしまった。
【0080】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の製造方法によって得られた積層体は、液晶表示装置などの画像表示装置、電子精密機器のような電気・電子装置類に組み込まれる光学素子として利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が極性を有する基材に、陽イオンを含む処理液を接触させる前処理工程と、
前記基材の表面に、陰イオン性基を有する有機化合物を含むコーティング液を塗工し、基材の表面に光学膜を形成する製膜工程と、
を有する積層体の製造方法。
【請求項2】
前記前処理工程における基材が、その表面にOH基を有する請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項3】
前記前処理工程における基材が、その表面に親水化処理を行うことにより、極性が付与されたものである請求項1に記載の積層体の製造方法。
【請求項4】
前記陽イオンが、多価金属イオンである請求項1乃至3のいずれかに記載の積層体の製造方法。
【請求項5】
前記前処理工程と製膜工程の間に、基材を洗浄する工程をさらに有する請求項1乃至4のいずれかに記載の積層体の製造方法。
【請求項6】
前記基材が、ガラス板又はポリマーフィルムである請求項1乃至5のいずれかに記載の積層体の製造方法。
【請求項7】
前記ガラス板又はポリマーフィルムの表面に金属酸化物が被覆されている請求項6記載の積層体の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の製造方法によって得られた積層体を備える画像表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−51339(P2012−51339A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−197737(P2010−197737)
【出願日】平成22年9月3日(2010.9.3)
【出願人】(000003964)日東電工株式会社 (5,557)
【Fターム(参考)】