説明

積層構造を備えた装置

【課題】磁性粒子間の弱い均一な直接交換結合を用いた低結合型垂直記録媒体を提供する。
【解決手段】低結合型垂直磁気記録媒体10は、磁気記憶層17と、少なくとも1つの低飽和磁化層16とを備え、前記磁気記憶層は、約400から900emu/cm3の飽和磁化を有し、前記少なくとも1つの低飽和磁化層の飽和磁化は前記磁気記憶層の飽和磁化よりも低い。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
背景
磁化可能媒体を有する磁気ディスクはほとんどのコンピュータシステムにおいてデータ記憶のために用いられている。ドメイン理論により、磁気材は、ドメインと呼ばれるいくつかの極微小領域からなる。各ドメインは、平行な原子モーメントを含み、飽和状態に達するまで磁化されるが、異なるドメインの磁化方向は必ずしも平行ではない。磁場がかけられていない場合、隣接するドメインは容易磁化方向と呼ばれるいくつかの方向で任意に配向され、これは結晶のジオメトリに依存する。このようなさまざまな方向の磁化によってもたらされる効果は、磁化されていない例などの場合のように、ゼロであり得る。磁場がかけられると、与えられた磁場方向に対してほとんど平行であるドメインは、他のドメインを犠牲にして成長する。これはドメインの境界変位またはドメイン成長と呼ばれる。磁場をさらに増加させると、より多くのドメインが回転し、かけられた磁場に対して平行に配列される。材料が飽和磁化点に達すると、磁場の強度を上げてもドメイン成長はそれ以上起こらない。
【0002】
磁気材の磁化または消磁の容易性は、結晶構造、粒子配向、歪み状態、ならびに磁場の方向および強度に依存する。磁化は磁化の容易軸に沿って最も容易に得られ、磁化の困難軸に沿って磁化は最も困難である。磁気材は、容易軸および困難軸がある場合は、磁気異方性を有するといわれる。反対に、容易軸または困難軸がない場合には、磁気材は等方性であるといわれる。
【0003】
先行技術の磁気記録媒体の多くは、縦の構造で製造されている。すなわち、記録媒体は磁気層において面内(縦)異方性を有して製造された。縦の異方性は、磁気層面に対して平行な面の方向に形成される磁化をもたらす。
【0004】
しかし、より大きい容量の磁気記録媒体の要求により、垂直記録媒体に注目が集まっている。すなわち、磁気層に垂直異方性を有する記録媒体であって、磁気層の面に対して垂直な方向に形成される磁化をもたらす垂直記録媒体が注目されている。典型的に、垂直記録媒体は多結晶CoCr合金またはCoPt酸化物合金膜で製造される。多結晶膜のCoリッチな領域は強磁性であるのに対して、膜のCrまたは酸化物がリッチな領域は非磁性である。隣接する強磁性ドメイン間の磁気的相互作用は、間の非磁性領域によって減衰される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の概要
本発明の一実施形態は、低結合型垂直磁気記録媒体に関し、磁気記憶層および少なくとも1つの低飽和磁化層を含み、磁気記憶層は約400から900emu/cm3の飽和磁化を有し、少なくとも1つの低飽和磁化層の飽和磁化は、磁気記憶層の飽和磁化よりも低い。
【0006】
本発明は、添付の図面と併せて、発明の詳細な説明を参照することによって、よりよく理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の一実施形態に従う磁気記録媒体を示す図である。
【図2】本発明の別の実施形態に従う磁気記録媒体を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施形態に従う磁気記録媒体を示す図である。
【図4】本発明の第4の実施形態に従う磁気記録媒体を示す図である。
【図5】本発明の実施形態において向上した記録特性を示すモンテカルロシミュレーションを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の好ましい実施形態の詳細な説明
明細書およびクレームで用いられるように、a、an、およびtheの単数形は、そうではないと明確に示されない限り、複数形をも含む。
【0009】
発明者らは、垂直記録媒体において、磁性粒子間の弱い均一な直接交換結合は性能を向上させることを発見した。さらに、発明者らは磁性粒子間の弱い均一な直接交換結合は、垂直媒体構造に低飽和磁化層を加えることによって生成できることを発見した。さらに、発明者らは直接交換結合の強度は、磁気層の飽和磁化(MS)を変えることによって制御
できることを発見した。
【0010】
本発明の実施形態は、低結合型垂直磁気記録媒体に関し、少なくとも1つの低飽和磁化層を含み、この少なくとも1つの低飽和磁化層は、600emu/cm3未満の飽和磁化を有する。
【0011】
本発明の別の実施形態は、低結合型垂直磁気記録媒体を製造する方法に関し、基板上に接着層を形成するステップ、軟下地層を形成するステップ、非磁性中間層を形成するステップ、記憶層を形成するステップ、低飽和磁化層を形成するステップを含み、少なくとも1つの低飽和磁化層は、600emu/cm3未満の飽和磁化を有する。
【0012】
本発明の別の実施形態は、飽和磁化が600emu/cm3未満の少なくとも1つの層を有する記憶媒体を得ることを含む方法に関する。
【0013】
本発明のさらなる利点は、当業者にとって以下の詳細な説明により明らかとなる。ここでは本発明の好ましい実施形態の選択されたものだけが示されおよび記載され、本発明を実施するための最良のモードを示す。本発明は他の異なる実施形態を含むことができ、その詳細はさまざまな面において、本発明から逸脱することなく変更することができる。したがって、図面および説明は例示的なものであって限定するものではない。
【0014】
実施例
ここに記載されるすべてのサンプルは、炭素膜以外は、DCマグネトロンスパッタリングで製造された。反応性スパッタリングにより交換結合の減少を立証する例示的データがここに示される。
【0015】
図1は本発明の第1の好ましい実施形態を示す。本実施形態の低結合型垂直磁気記録媒体10は、基板11、接着層12、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、低結合型磁気層16、記憶層17、および炭素保護オーバーコートを含む。任意に、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、低結合型磁気層16、記憶層17および炭素保護オーバーコート18は多層であり得る。
【0016】
任意の接着層12の好ましい材料として、Cr、Ni、TaおよびTiを1つ以上含む合金を挙げることができる。この選択は、基板11と軟下地層13として選択された材料とに依存し、当業者が適宜成し得るものである。好ましくは、接着層の厚さは約1から400nmである。より好ましくは、その厚さは約2から20nmである。
【0017】
軟下地層13の好ましい材料は、FeおよびCoの少なくとも一方と、Ni、B、P、Si、C、Zr、Nb、Hf、Ta、Al、Si、Cu、AgおよびAuから選択された1つ以上の元素との合金を含む。好ましくは、軟下地層13の厚さは約10から400nmである。より好ましくは、その厚さは約20から100nmである。
【0018】
アモルファス層14は任意である。アモルファス層14の好ましい材料は、Ta、Ti、Ni、Cr、Zr、NbおよびPからなる元素および合金を含み、組成においてこれらの合金は非結晶質である。他の好ましい材料は、Feと、Co、B、P、Si、C、Zr、Nb、Hf、Ta、Al、Si、Cu、AgおよびAuから選択された1つ以上の元素とからなる、アモルファス強磁性材を含む。さらに他の好ましい材料は、TixCr100-xおよびTaxCr100-xを含み、ここで(30<x<60)である。好ましくは、アモルファス層14の厚さは約0から10nmである。より好ましくは、その厚さは約0.2から4nmである。
【0019】
非磁性中間層15の結晶構造は、記憶層17の結晶構造に依存する。たとえば、記憶層17がCoリッチ合金からなり、六方稠密(hcp)構造を有する場合、非磁性中間層15はCu、Ag、Au、Ir、Ni、Pt、Pdまたはその合金の面内立方(fcc)層を含み得る。好ましくは、この非磁性中間層15の厚さは、約0.2nmから約40nmの範囲にある。より好ましくは、その厚さは約1から20nmである。代替的に非磁性中間層15は、Ru、Re、 Hf、Ti 、Zrまたはその合金からなる六方稠密(hcp)層を含んでもよい。用いることができる他のhcp層は、CoおよびCoCr合金を含む。CoCrへの任意の添加物は、Ta、B、Pt、Nb、Ru、Zrおよび酸化物材を含む。CoCrを用いるために、Crおよび他の合金元素の濃度は、合金が非磁性であり、かつhcp結晶構造を有するよう、選択される。Co含有合金を用いるために、Crおよび他の合金元素の濃度は、その合金が非磁性であり、かつhcp結晶構造を有するよう、選択される。好ましくは、hcp層の厚さは、約0.2nmから40nmの範囲にある。より好ましくは、その厚さは約1から20nmである。
【0020】
記憶層17は、磁気材の層を1枚または任意の枚数含み得る。記憶層17の好ましい材料は、Coと、Pt、Cr、Ta、B、Cu、W、Mo、Ru、Ni、Nb、Zr、Hfから選択された1つ以上の元素とを含む。任意に、Si、Ti、Zr、Al、Cr、Co、Nb、Mg、Ta、W、またはZnのような元素の酸化物が一つ以上記憶層17に存在してもよい。好ましくは、記憶層17は制御された雰囲気で成長させられる。好ましくは、制御された雰囲気は、Ar、Kr、もしくはXe、またはこれらのガスの組合せと、O2のような反応性ガス成分とを含む。記憶層17は低い温度、すなわち400K未満で成長できる。典型的には、低い温度はAr、Kr、XeおよびO2の組合せを含む制御された雰囲気でスパッタリングされる磁気層を製造するために用いられる。代替的に、記憶層17は高い温度、すなわち400Kを超える温度で成長できる。好ましくは、高い温度は420Kよりも高く、かつ600Kよりも低い。
【0021】
本実施形態において、低結合型磁気層16は非磁性中間層15と記憶層17との間にある。本実施形態において、低結合型磁気層16の結晶構造は、記憶層17の結晶成長を向上させるために調整できる。たとえば、hcp結晶構造を有する記憶層17について、低結合型磁気層16はhcpまたはfcc結晶構造を有するように、または非結晶質であるように、選択できる。低結合型磁気層16の好ましい材料は、Fe、Co、およびNiの少なくとも1つと、Cr、Pt、Ta、B、Ru、Cu、Ag、Au、W、Mo、Nb、Zr、Hf、Ti、Zn、およびReから選択された1つ以上の元素とを含む。弱い直接交換結合を得るために、低結合型磁気層16のMSは好ましくは記憶層17のMSよりも低い。記憶層17は好ましくは約400から900emu/cm3のMSを有する。低結合型磁気層16は約600emu/cm3以下のMSを有する。より好ましくは、MSは約300emu/cm3以下である。さらにより好ましくは、MSは50emu/cm3以下である。可能な記憶層17/低結合型磁気層16の組合せとして、600/300、900/600、500/50、450/350、600/450および900/400を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0022】
本実施形態において低結合型垂直磁気記録媒体10を被覆する最上層は、炭素保護オーバーコート18である。炭素保護オーバーコート18の厚さは、低結合型垂直磁気記録媒体10の所望の寿命および耐久性に応じて変わり得る。
【0023】
図2は、本発明の第2の好ましい実施形態を示す。本実施形態の低結合型垂直磁気記録媒体20は、基板11、接着層12、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、記憶層17、低結合型磁気層16、および炭素保護オーバーコートを含む。すなわち、第1の実施形態と比較して、低結合型磁気層16は、記憶層17と炭素保護オーバーコートとの間にある。さらに、第1の実施形態と同様に、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、記憶層17、低結合型磁気層16、および炭素保護オーバーコート18は多層であってもよい。
【0024】
図3は本発明の第3の好ましい実施形態を示す。本実施形態の低結合型垂直磁気記録媒体30は、基板11、接着層12、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、第1の低結合型磁気層16a、記憶層17、第2の低結合型磁気層16b、および炭素保護オーバーコートを含む。第1の実施形態と比べて、低結合型磁気層16は、少なくとも1つの記憶層17によって分離される少なくとも2つの層を含む。さらに、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、第1の低結合型磁気層16a、記憶層17、第2の低結合型磁気層16bおよび炭素保護オーバーコート18は多層であってもよい。
【0025】
図4は本発明の第4の好ましい実施形態を示す。本実施形態の低結合型垂直磁気記録媒体30は、基板11、接着層12、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、低結合型磁気層16、第1の記憶層17a、第2の記憶層17b、および炭素保護オーバーコートを含む。第1の実施形態と比較して、記憶層17は、少なくとも1つの低結合型磁気層16によって分離される少なくとも2つの層を含む。さらに、軟下地層13、アモルファス層14、非磁性中間層15、第1の低結合型磁気層16、第1の記憶層17a、第2の記憶層17bおよび炭素保護オーバーコート18は多層であってもよい。
【0026】
図5は本発明のある実施形態の向上した記録特性を立証するモンテカルロシミュレーションを示し、この実施形態ではMS=50emu/cm3であるhcp結晶構造を有する厚い低結合型磁気層が非磁性中間層15と記憶層17との間にある。特に、図5に示されるモンテカルロシミュレーションは、非常に低くかつ均一な直接交換結合(A*)を有する垂直媒体について、媒体の最適記録特性が得られることを示し、ここでA*は以下の値を含む(図5)。
【0027】
【数1】

【0028】
このような低い直接交換結合の値は、約50emu/cc<Ms<300emu/ccの範囲で低飽和磁化を有するほとんどスパッタリングされたCo合金箔膜からもたらされる。シミュレーションの前提は以下を含む:粒径分散は
【0029】
【数2】

【0030】
であり、σD/Dは微細構造であって、平均粒子径(D)によって規定される粒径および標準偏差(σD)によって規定される粒径の変動を含み;異方性分散は
【0031】
【数3】

【0032】
であって、ここでHAは媒体をなす粒子の平均異方性磁界であり、σHAは異方性磁界の標準偏差であり;線密度は1270kfciである。σD/DおよびσHA/HAの近似値は、TEMやSEMのような顕微鏡検査技術によって、ならびにバーガー方法およびAC横帯磁率のような磁気測定技術それぞれによって実験的に得ることができる。線密度は、記録処理によって制御される各ビットの長さに関連する。
【0033】
特定のモデル計算パラメータに対して示される類似モデル結果傾向は、モデル計算パラメータのさまざまな値について得られる。シミュレーション結果に基づき、発明者らは垂直媒体構造におけるさらなる低磁化磁気層16により、垂直媒体における磁気層と粒子との間により低い交換結合をもたらし、性能を著しく向上させることを見つけ出した。低磁化磁気層16のMSを変えることにより、垂直記録媒体での直接交換結合の強度を制御することができる。シミュレーションにより、低磁化磁気層16の位置は、非磁性中間層15と記憶層17との間、または記憶層17と炭素保護オーバーコート18との間に在り得ることが立証された。代替的に、低磁化磁気層16は複数の記憶層17、たとえば図4に示される17aおよび17bの間に、または隣接して位置付けることができる。代替的に、低磁化磁気層16は図3に示される層16aおよび16bのような複数の低磁化層を含むことができ、これら低磁化層は中間層15と記憶層17との間、および記憶層17と炭素保護オーバーコート18との間に位置付けることができる。好ましくは、低磁化磁気層16のMSは、低交換結合を与えるために低い、すなわち約600emu/cm3未満である。より好ましくは、MSは約300emu/cm3未満である。もっと好ましくは、MSは約50emu/cm3未満である。上記の実施および他の実施は、添付の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低結合型垂直磁気記録媒体であって、
磁気記憶層と、
少なくとも1つの低飽和磁化層とを備え、
前記磁気記憶層は約400から900emu/cm3の飽和磁化を有し、前記少なくとも1つの低飽和磁化層の飽和磁化は前記磁気記憶層の飽和磁化よりも低い、低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
基板と、
少なくとも1つの軟下地層と、
少なくとも1つの非磁性中間層と、
少なくとも1つの記憶層と、
炭素保護オーバーコートとをさらに備える、請求項1に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
Cr、Ni、Ta、Tiおよびその合金を含む材料の群から選択された接着層をさらに備える、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
前記少なくとも1つの軟下地層は、FeおよびCoの少なくとも一方と、Ni、B、P、Si、C、Zr、Nb、Hf、Ta、Al、Si、Cu、AgおよびAuから選択された1つ以上の元素とを含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
少なくとも1つのアモルファス層をさらに備え、前記少なくとも1つのアモルファス層は、Ta、Ti、Ni、Cr、Zr、NbおよびPを含む元素および合金を含む、またはFeと、Co、B、P、Si、C、Zr、Nb、Hf、Ta、Al、Cu、AgおよびAuからなる群から選択された1つ以上の元素とを含む非結晶質の強磁性材を含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項6】
前記少なくとも1つの非磁性中間層は、Cu、Ag、Au、Ir、Ni、Pt、Pdおよびその合金からなる群から選択されたfcc層を含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項7】
前記少なくとも1つの非磁性中間層は、Co、Ru、Re、Hf、Ti、Zrおよびその合金からなる群から選択されたhcp層、またはCoCrと、Ta、B、Pt、Nb、RuおよびZrからなる群から選択された1つ以上の元素とからなるhcp層を含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項8】
前記少なくとも1つの記憶層は、Coと、Pt、Cr、Ta、B、Cu、W、Mo、Ru、Ni、Nb、ZrおよびHfからなる群から選択された1以上の元素とからなる群から選択された磁気層を含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項9】
前記少なくとも1つの記憶層は、Si、Ti、Zr、Al、Cr、Co、Nb、MgおよびZnの酸化物からなる群から選択された1つ以上の酸化物を含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項10】
前記少なくとも1つの低飽和磁化層は、Fe、CoまたはNiの少なくとも1つと、Cr、Pt、Ta、B、Ru、Cu、Ag、Au、W、Mo、Nb、Zr、Hf、Ti、ZnおよびReからなる群から選択された1つ以上の元素とを含む、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項11】
前記低飽和磁化層は、前記少なくとも1つの非磁性中間層と前記少なくとも1つの記憶層との間に位置付けられる、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項12】
前記低飽和磁化層は、前記少なくとも1つの記憶層と炭素保護オーバーコートとの間に位置付けられる、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項13】
前記少なくとも1つの非磁性中間層と前記少なくとも1つの低飽和磁化層との間に位置付けられる第1の記憶層、および前記少なくとも低飽和磁化層と前記炭素保護オーバーコートとの間に位置付けられる第2の記憶層を備える、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項14】
前記少なくとも1つの非磁性中間層と前記少なくとも1つの記憶層との間に位置付けられる第1の低飽和磁化層、および少なくとも前記記憶層と前記炭素保護オーバーコートとの間に位置付けられる第2の低飽和磁化層を備える、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項15】
前記低飽和磁化層は300emu/cm3以下の磁化を有する、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項16】
前記低飽和磁化層は50emu/cm3以下の磁化を有する、請求項2に記載の低結合型垂直磁気記録媒体。
【請求項17】
低結合型垂直磁気記録媒体を製造する方法であって、
軟下地層を形成するステップと、
非磁性中間層を形成するステップと、
磁気記憶層を形成するステップと、
低飽和磁化層を形成するステップとを備え、前記磁気記憶層は約400から900emu/cm3の間の飽和磁化を有し、前記低飽和磁化層の飽和磁化は前記磁気記憶層の飽和磁化よりも低い、方法。
【請求項18】
前記軟下地層上にアモルファス層を形成するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
第2の低飽和磁化層を形成するステップをさらに備える、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
方法であって、約400から900emu/cm3の間の飽和磁化を有する磁気記憶層と、前記磁気記憶層よりも低い飽和磁化を有する少なくとも1つの低飽和磁化層とを有する記憶媒体を得ることを備える、方法。
【請求項21】
前記磁気記憶層は、600emu/cm3以上の飽和磁化を有し、前記少なくとも1つの低飽和磁化層は300emu/cm3以下の飽和磁化を有する、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−58303(P2013−58303A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−248355(P2012−248355)
【出願日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【分割の表示】特願2011−536562(P2011−536562)の分割
【原出願日】平成21年11月16日(2009.11.16)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】