説明

積層補強ホース

【課題】ホースの部分的な潰れ変形に伴ったコイルの食い込みによる外層の破れを防止する。
【解決手段】コイル3の外側に沿って第二補強層4の補強糸又は補強繊維を筒状にニット編みして一体的に積層させ、第二補強層4の外側に沿って外層5を一体的に積層することにより、コイル3と外層5の間に第二補強層4がコイル3の外周を覆うように配置されるため、ホースAの一部が部分的な径方向への潰れ変形に伴って、コイル3における軸方向の一部が部分的に径方向へ扁平状に潰れて断面略楕円形に圧縮変形しても、その略くの字型に折れ曲がって尖った部位が直接的に外層5の内面5aに突き当たって食い込むことがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば食品、飲料、医療機器、化学やその他の工業に用いられる耐圧性能に優れたシリコーン積層補強ホースや、その他の材料からなる耐圧性に優れた積層補強ホースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の積層補強ホースとして、内層と外層との間に、補強糸又は補強繊維が筒状にニット編みされた補強層を設け、その外側に前記補強層に沿ってコイルを螺旋状に巻き付けたもがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−183868号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし乍ら、このような従来の積層補強ホースでは、ホースにおける軸方向の一部を非常に大きな力で折り曲げたり、ホースにおける軸方向の一部に径方向へ非常に大きな圧縮荷重をかけたりすると、このような集中した荷重の作用箇所が部分的に径方向へ扁平状に潰れて断面略楕円形に圧縮変形し易く、それによりホースの一部における内部流路の面積が狭くなって、それを通る流体が詰まり易くなるとともに、ホース内の圧力(内圧)が上昇してホース抜けなどの事故が発生し易くなるおそれがあった。
さらに、このようなホースの部分的な扁平状の潰れに伴ってコイルも同様に、その軸方向の一部が径方向へ扁平状に潰れて断面略楕円形に圧縮変形し、コイルにおいて潰れ方向と直交する二つの部位が略くの字型に折れ曲がるとともに尖って、それぞれ外層に向けて径方向へ突出する。
その際、特に外層がシリコーンゴムのような非常に裂け易い材料で構成された場合には、コイルにおいて略くの字型に折れ曲がって尖った部位が外層に対し突き当たると、外層に食い込んで切れ目が発生し、それによりコイルが外層を突き破って飛び出してしまい、使用不能になってしまうという可能性もあった。
【0005】
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、ホースの部分的な径方向への潰れ変形に伴ったコイルの圧縮変形による外層の破れを防止することなどを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するために本発明は、可撓性材料で円筒状に形成される内層と、前記内層の外周面に沿って補強糸又は補強繊維が筒状にニット編みすることで積層される第一補強層と、前記第一補強層の外側に沿って線材を螺旋状に巻き付けることで形成されるコイルと、前記コイルの外側に沿って補強糸又は補強繊維を筒状にニット編みすることで積層される第二補強層と、前記第二補強層の外側に沿って可撓性材料で円筒状に積層される外層とを一体的に備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
前述した特徴を有する本発明は、コイルの外側に沿って第二補強層の補強糸又は補強繊維を筒状にニット編みして一体的に積層させ、第二補強層の外側に沿って外層を一体的に積層することにより、コイルと外層の間に第二補強層がコイルの外周を覆うように配置されるため、ホースの一部が部分的な径方向への潰れ変形に伴って、コイルにおける軸方向の一部が部分的に径方向へ扁平状に潰れて断面略楕円形に圧縮変形しても、その略くの字型に折れ曲がって尖った部位が直接的に外層の内面に突き当たって食い込むことがないので、ホースの部分的な径方向への潰れ変形に伴ったコイルの圧縮変形による外層の破れを防止することができる。
その結果、補強糸又は補強繊維が筒状にニット編みされる第二補強層を備えていない従来のものに比べ、外層を構成する可撓性材料がシリコーンゴムなどのような非常に裂け易い裂けものであっても、コイルにおいて略くの字型に折れ曲がって尖った部位が外層を突き破って飛び出すことがなくなり、長期間に亘って使用し続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施形態に係る積層補強ホースの説明図(一部切欠斜視図)である。
【図2】許容曲げ半径測定の試験方法を示す説明図である。
【図3】圧縮潰し試験の方法を示す説明図である。
【図4】圧縮曲げ試験の方法を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る積層補強ホースAは、図1に示すように、可撓性材料で円筒状に形成される内層1と、内層1の外周面1aに沿って補強糸又は補強繊維が筒状にニット編みすることで積層形成される第一補強層2と、第一補強層2の外側に沿って線材を螺旋状に巻き付けることで形成されるコイル3と、コイル3の外側に沿って補強糸又は補強繊維を筒状にニット編みすることで積層形成される第二補強層4と、第二補強層4の外側に沿って可撓性材料で円筒状に積層形成される外層5を、一体的に備えている。
【0010】
内層1と外層5は、その主成分がシリコーンゴムやその他のゴム又は軟質合成樹脂などの柔軟性に優れた可撓性材料で成形される。可撓性材料の色としては、積層補強ホースA内を通る流体が見られるように透明又は半透明なものを用いることが好ましい。
内層1及び外層5の製造方法としては、例えば特開平8−207110号公報に開示されるような押し出し成形装置を用いて、内層1と外層5をそれぞれ押出成形することが好ましい。
また、必要に応じて図示しないが、内層A1の内側には、積層補強ホースA内を通る流体に適した可撓性材料からなる最内層を積層形成したり、外層5の外側には、保護用に適した可撓性材料からなる最外層を積層形成したり、することなども可能である。
【0011】
第一補強層2と第二補強層4は、ポリエステルやナイロンやアラミド繊維などの補強糸又は補強繊維からなるブレードを、編み機(図示しない)により積層補強ホースAの軸方向へ筒状にニット編みすることで形成される。
詳しく説明すると、第一補強層2及び第二補強層4は、積層補強ホースAの軸方向へ延びる縦編み列2a,4aと、これに交差して積層補強ホースAの周方向へ延びる横編み列2b,4bとが伸縮自在に編み込まれている。
【0012】
第一補強層2の縦編み列2a及び横編み列2bと、第二補強層4の縦編み列4a及び横編み列4bの編み込み方向は、図示された例のように、積層補強ホースAのねじれに対して縦編み列2a,4aと横編み列2b,4bに作用する力が釣り合うように、積層補強ホースAの軸方向から所定角度に傾斜させて螺旋状に巻き付けることが好ましい。
さらに、図示された例では、縦編み列2a,4aを積層補強ホースAの軸方向に対し適宜角度で傾斜させて螺旋状に編み込むとともに、縦編み列2a,4aに対して横編み列2b,4bを略直交するように編み込んでいる。
また、その他の例として図示しないが、縦編み列2a,4aと横編み列2b,4bの交差角度を略直角以外の適宜角度に傾斜させることも可能である。
【0013】
コイル3は、例えばステンレスなどの錆難い金属か又はモノフィラメント(延伸モノフィラメント)などの硬質繊維や硬質合成樹脂からなる線材を螺旋状に巻き付けることで構成される。モノフィラメントを使用した場合には、金属線に比べて錆難く且つ積層補強ホースAの切断が容易で軽量化も図れる。
コイル3の製造方法としては、コイル成形機(図示しない)やコイル貯留部(図示しない)から導かれた静止状態の線材を、積層補強ホースAの軸方向へ設定速度で連続供給して、螺旋状に巻き付けることが好ましい。
また、コイル成形機としては、例えば特開昭61−144230号公報に開示されるような線材の巻き付け時に弾性反発力が残らない状態でコイルを連続して巻き成形するものを使用することが好ましい。
【0014】
さらに、第一補強層2とコイル3との間には、図1に示されるように、主成分がシリコーンゴムなどの内層1や外層5と同種の可撓性材料からなる第一中間層6を積層し、コイル3と前記第二補強層4との間には、主成分がシリコーンゴムなどの内層1や外層5と同種の可撓性材料からなる第二中間層7を積層することが好ましい。
【0015】
そして、このような本発明の実施形態に係る積層補強ホースAを生産するための製造方法の具体例としては、先ず、内層1を押出成形した後に、その平滑な外周面1aに沿って第一補強層2の補強糸又は補強繊維(縦編み列2aと横編み列2b)を巻き付け、第一補強層2の外側には必要に応じて、その外側に押出成形された溶融状態の第一中間層6を重ねることにより、第一補強層2の外周で硬化して積層形成される。
その次に、第一中間層6の平滑な外周面6aに沿ってコイル3に沿って螺旋状に巻き付け、コイル3の外側には必要に応じて、その外側に押出成形された溶融状態の第二中間層7を重ねることにより、コイル3の外周で硬化して積層形成される。
その後に、第二中間層7の平滑な外周面7aに沿って第二補強層4の補強糸又は補強繊維(縦編み列4aと横編み列4b)を巻き付け、第二補強層4の外側には、その外側に押出成形された溶融状態の外層5を重ねることにより、第二補強層4の外周で硬化して積層形成される。
【0016】
このような本発明の実施形態に係る積層補強ホースAによると、図1に示されるように、コイル3と外層5の間に第二補強層4がコイル3の外周を覆うように配置されるため、積層補強ホースAにおける軸方向の一部が強制的に折り曲げられるか又は積層補強ホースAにおける軸方向の一部に径方向へ圧縮荷重がかけられるなどに伴い、コイル3における軸方向の一部が部分的に径方向へ扁平状に潰れて断面略楕円形に圧縮変形しても、その略くの字型に折れ曲がって尖った部位が直接的に外層5の内面5aに突き当たって食い込むことがない。
それにより、積層補強ホースAの部分的な径方向への潰れ変形に伴ったコイル3の圧縮変形による外層5の破れを防止することができる。
したがって、外層5を構成する可撓性材料がシリコーンゴムなどのような非常に裂け易い裂けものであっても、コイル3において略くの字型に折れ曲がって尖った部位が外層5を突き破って飛び出すことがなくなり、長期間に亘って使用し続けることができる。
【0017】
特に、第一補強層2とコイル3との間に第一中間層6を積層し、コイル3と第二補強層4との間に第二中間層7を積層した場合には、第一中間層6の平滑な外周面6aに沿ってコイル3が螺旋状に巻き付けられ、第二中間層7の平滑な外周面7aに沿って第二補強層4の補強糸又は補強繊維が筒状にニット編みされる。
したがって、コイル3の接触による第一補強層2及び第二補強層4における補強糸又は補強繊維の損傷を防止するとともに、コイル3の巻き付けピッチ及び第二補強層4の編み込みピッチをそれぞれ均一にすることができる。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
【実施例】
【0018】
この実施例は、図1に示すように、内層1と第一中間層6と第二中間層7と外層5を総て、主成分が透明なシリコーンゴムで順次押出成形し、内層1と第一中間層6の間に、第一補強層2の補強糸又は補強繊維(縦編み列2aと横編み列2b)としてポリエステルやナイロンやアラミド繊維などを筒状にニット編みし、第一中間層6と第二中間層7の間にコイル3としてステンレスなどの錆難い金属線を螺旋状に巻き付け、第二中間層7の外層5との間に、第二補強層4の補強糸又は補強繊維(縦編み列4aと横編み列4b)としてポリエステルやナイロンやアラミド繊維などを筒状にニット編みしている。
【0019】
図1に示される例では、第一補強層2における補強糸又は補強繊維(縦編み列2aと横編み列2b)の編み込み方向と、第二補強層4における補強糸又は補強繊維(縦編み列4aと横編み列4b)の編み込み方向を逆にしている。
さらに、第一補強層2における補強糸又は補強繊維(縦編み列2aと横編み列2b)の編み目よりも、第二補強層4における補強糸又は補強繊維(縦編み列4aと横編み列4b)の編み目の方が細かくすることで、コイル3が第二補強層4を通り難くなるように設定している。
また、外層5の外面5bには、外層5の色と異なる色で且つ積層補強ホースAの軸方向へ延びる識別ライン8を設けて、他のホースと見分けが一目で行えるようにしている。
識別ライン8の製造方法としては、外層5の押出成形時に外層5の色と異なる色を帯状に押出成形するか、又は熱可塑性樹脂製テープを外層5の外面5bに加熱圧着して一体化することが好ましい。
【0020】
そして、この実施例では、内層1の内面1bから外層5の外面5bまでの厚みTに対するコイル3の巻き付けピッチPの比率を1.3〜1.5:1に設定することで、積層補強ホースAにおける許容曲げ半径の減少と局部的な圧縮荷重に対する潰れ変形の軽減を図っている。
つまり、積層補強ホースAの厚み(肉厚)Dが約6.5〜7.5mmである時に、コイル3の巻き付けピッチPを約5.0mmに設定している。
【0021】
このような本発明の実施例に係る積層補強ホースAにおける性能試験のため、前述した設定の実施例とは別に、第二中間層7及び第二補強層4が無くて、且つ厚みTに対するコイル3の巻き付けピッチPの比率が約0.75:1に設定された以外は前記実施例と同じ構造からなる比較例をそれぞれ複数本ずつ用意し、これら実施例及び比較例について同じ計測条件で、図2に示す許容曲げ半径測定の試験、図3に示す圧縮潰し試験、図4に示す圧縮曲げ試験、耐水圧試験をそれぞれ行った。
【0022】
なお、実施例の積層補強ホースA及び比較例の積層補強ホースとして、それぞれの内径が共に所定寸法(25mm)に設定されたものを準備した。
さらに、比較例の積層補強ホースは、実施例の積層補強ホースAと比べて、第二中間層7及び第二補強層4が無いため、その分だけ厚み(肉厚)が薄くなり、その実測値で、厚みTが約5.3mmであり、コイルの巻き付けピッチPが約7.0mmであった。
【0023】
許容曲げ半径測定の試験方法は、常温(23±3℃)中で、図2に示されるように、実施例及び比較例を湾曲状に屈曲して、ホースの外径Dが10%扁平になった時におけるホースの曲げ半径Rを測定した。
許容曲げ半径測定の結果は、実施例の曲げ半径Rが比較例の曲げ半径Rに比べて約70%小さくなった。
それにより、実施例の積層補強ホースAは比較例よりも小さく曲げることができるので、狭い箇所での配管が可能となり、ホースの配管長さを短くできてホースの品質が向上した。
【0024】
圧縮潰し試験の試験方法は、常温(23±3℃)中で、図3に示されるように、実施例及び比較例の軸方向一部に荷重Lをかけて径方向へ圧縮し、各扁平率毎の荷重及び各荷重毎の扁平率を調べた。
なお、各扁平率毎の荷重は、扁平率が10%,20%,30%,40%,50%の時における荷重(N)を測定した。さらに荷重が100N,200N,300N,400N,500Nの時における各荷重毎の扁平率(%)も調べた。荷重Lの圧縮速度を20mm/minに設定した。
圧縮潰し試験の結果は、実施例が比較例に比べ、各扁平率毎の荷重において、約1.3〜1.8倍程度潰れ難くなっており、各荷重毎の扁平率において、約1.2〜1.9倍程度潰れ難くなっていた。
【0025】
圧縮曲げ試験の試験方法は、常温(23±3℃)中で、図4に示されるように、実施例及び比較例を圧縮折り曲げし、設定スパンS毎の荷重及び最大荷重時の荷重スパンSを調べた。
なお、設定スパンS毎の荷重は、スパンSが320mm,280mm,240mm,2000mm,160mmの時における荷重(N)を測定した。試料ホース長さを400mmとし、圧縮速度を200mm/minに設定した。
圧縮曲げ試験の結果は、実施例が比較例に比べ、設定スパンS毎の荷重において、約59〜78%程度曲がり易く、実施例の最大荷重が約60Nの時の荷重スパンSが約127mmであるのに対し、比較例の最大荷重が約96Nの時の荷重スパンSが約151mmで且つキンク(湾曲時に潰れて内部閉塞する現象)が発生した。
それにより、実施例の積層補強ホースAは比較例よりも小さな荷重で曲がって、曲がりキンクが発生しないことが判明した。
【0026】
耐水圧試験の試験方法は、実施例及び比較例を水温23℃と90℃の水槽に沈め、常温使用時(23℃)と加熱使用時(90℃)において、ホース内にかける圧力を段階的に上昇させていき、それぞれの外径変化率(%)、軸方向への伸び率(%)、周方向への捻れ(回/m)を測定し、更にホースの内圧を上昇させて、第一補強層2や第二補強層4の補強糸又は補強繊維(縦編み列2a,4aと横編み列2b,4b)が切れて破壊した時の破壊圧も測定した。
なお、内圧は、0.5MPa、1.0MPa、1.5MPa、破裂圧(MPa)に設定した。
耐水圧試験の結果は、実施例が比較例に比べ、破壊圧が約1.4倍程度高くなる反面、外径変化率が約50%程度減少し、伸び率も約40%程度少なくなった。
それにより、実施例の積層補強ホースAは比較例よりも破壊圧が高くなるだけでなく、外径変化率や伸び率が小さいため、流体の定量供給に有利であることが判明した。
【0027】
このような本発明の実施例に係る積層補強ホースAによると、ホースの許容曲げ半径が減少すると同時に、局部的な圧縮荷重に対するホースの潰れ変形が軽減される。
したがって、ホースの部分的な潰れを改善することができる。
その結果、ホースの内部流路が広く保持されるので、流体の詰まりを軽減できるとともに、ホース内の圧力(内圧)が上昇し難くなるため、ホース抜けなどの事故を軽減でき、さらに、ホース外面からのコイルの突き破りをも軽減できるという利点がある。
【0028】
さらに、図示される例のように、第一補強層2における補強糸又は補強繊維の編み込み方向と、第二補強層4における補強糸又は補強繊維の編み込み方向を逆にした場合には、第一補強層2の補強糸又は補強繊維と第二補強層4の補強糸又は補強繊維が径方向へ変化し易い欠点が打ち消されて、ホースの内圧上昇によりホースが捻れ難くなる。
したがって、ホースの捻れを防止して保形性能の向上を図ることができるという利点もある。
【0029】
なお、図示される例では、第一補強層2における補強糸又は補強繊維の編み込み方向と、第二補強層4における補強糸又は補強繊維の編み込み方向を逆にしているが、これに限定されず、第一補強層2及び第二補強層4の編み込み方向を同じにしても良い。
さらに、第一補強層2における補強糸又は補強繊維の編み目よりも、第二補強層4における補強糸又は補強繊維の編み目の方が細かくなるように設定したが、これに限定されず、第一補強層2及び第二補強層4の編み目を同じにするか、又は第一補強層2の編み目が第二補強層4の編み目よりも細かくなるようにしても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 内層 1a 外周面
1b 内面 2 第一補強層
3 コイル 4 第二補強層
5 外層 5b 外面
6 第一中間層 7 第二中間層
T 厚み P ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性材料で円筒状に形成される内層と、
前記内層の外周面に沿って補強糸又は補強繊維が筒状にニット編みすることで積層される第一補強層と、
前記第一補強層の外側に沿って線材を螺旋状に巻き付けることで形成されるコイルと、
前記コイルの外側に沿って補強糸又は補強繊維を筒状にニット編みすることで積層される第二補強層と、
前記第二補強層の外側に沿って可撓性材料で円筒状に積層される外層とを一体的に備えたことを特徴とする積層補強ホース。
【請求項2】
前記第一補強層と前記コイルとの間に第一中間層を積層し、前記コイルと前記第二補強層との間に第二中間層を積層したことを特徴とする請求項1記載の積層補強ホース。
【請求項3】
前記内層の内面から前記外層の外面までの厚みに対する前記コイルの巻き付けピッチの比率を1.3〜1.5:1に設定したことを特徴とする請求項1又は2記載の積層補強ホース。
【請求項4】
前記第一補強層における前記補強糸又は前記補強繊維の編み込み方向と、前記第二補強層における前記補強糸又は前記補強繊維の編み込み方向を逆にしたことを特徴とする請求項1、2又は3記載の積層補強ホース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate