説明

空き容器の分別回収箱

【課題】安価かつ簡単な構成で、スチ−ル缶とアルミ缶とペットボトルとを正確に分別するとともに、小形軽量で狭隘な場所へ設置できる、空き容器の分別回収箱を提供する。
【解決手段】一端に空き容器を投入可能な投入口22を有して他端を斜め下向きに配置した投入筒19と、内部に設けた磁石24を介してスチ−ル製空き容器3の落下方向を変更可能にした誘導筒20を前記投入筒19の下端部の直下に配置し、前記投入筒19の内部を通過する金属製空き容器を検出可能なセンサ23と、前記センサ23の検出を介して空き容器の下流側の通路を変更可能な回動板21とを設け、前記誘導筒20の直下にスチ−ル製およびアルミニウム製空き容器の分別容器10,11を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安価かつ簡単な構成で、例えばスチ−ル缶とアルミ缶とペットボトルとを正確に分別できるとともに、その小形軽量化を図って狭隘な場所へ設置できるようにした、空き容器の分別回収箱に関する。
【背景技術】
【0002】
スチ−ル缶とアルミ缶を簡単な構成で分別できるものとして、投入口に連通する案内通路を傾斜して配置し、該案内通路の下端にガイド板を配置し、該ガイド板の円筒部の内側に磁石を配置し、投入口に投入したアルミ缶を案内通路に沿って滑落させ、下端に配置した分別箱に落下させる一方、投入口に投入したスチ−ル缶を案内通路に沿って滑落させ、下端に配置したガイド板の吸着部で吸着し、ガイド板上を周回させて、下端に配置した分別箱に落下させるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
しかし、上記構造のものは、投入口にペットボトルが投入された場合、ペットボトルを識別できず、アルミ缶と一緒の分別箱に収容されてしまう、という問題があった。
【0004】
前記問題を解決するものとして、空き容器が通過可能なパイプを傾斜して配置し、該パイプの対向位置に各一対の磁気センサと金属センサとを配置し、前記パイプの下部排出口側にアルミ分別板と鉄分別板とを離間して対向配置し、前記分別板の間に弾力を有する複数の分別条線を配置し、前記パイプ内をアルミ缶が通過したときは金属センサが感知し、アルミ分別板を所定角度回動させて斜状の滑落面を形成し、該滑落面に沿ってアルミ缶を滑落させ、直下に配置したアルミ缶収納箱に収容していた。
【0005】
そして、前記パイプをスチ−ル缶が通過したときは磁気センサが感知し、鉄分別板を所定角度回動させて斜状の滑落面を形成し、該滑落面に沿ってスチ−ル缶を滑落させ、直下に配置したアルミ缶収納箱に収容していた。
更に、前記パイプ内をペットボトルや瓶が通過したときは、磁気センサや金属センサが感知せず、アルミ分別板と鉄分別板が立設状態を維持し、それらの間の分別条線に沿って移動させて、軽量のペットボトルは直進して外側のペットボトル収納箱に収容し、重い瓶は分別条線を広げ、その間から落下させて、瓶収納箱に収容するようにしたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
しかし、前記構造のものは、種々の空き容器を分別し得る一方、パイプに磁気センサと金属センサの配置を要し、また前記センサの感知動作によって、アルミ分別板や鉄分別板の回動を要するため、構造が複雑で高価になり、しかもアルミ分別板や鉄分別板の周辺および機台の直下に各収納箱を配置するため、収納箱の設置スペ−スが広くなり、装置が大形重量化する等の問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平10−152206号公報
【特許文献2】特開2004−275939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明はこのような問題を解決し、安価かつ簡単な構成で、例えばスチ−ル缶とアルミ缶とペットボトルとを正確に分別できるとともに、その小形軽量化を図って狭隘な場所へ設置できるようにした、空き容器の分別回収箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1の発明は、一端に空き容器を投入可能な投入口を形成し、他端を斜め下向きに配置した投入筒と、該投入筒の下端部の直下に配置し、内部に設けた磁石を介してスチ−ル製空き容器の落下方向を変更可能にした誘導筒と、前記投入筒の内部を通過する金属製空き容器を検出可能なセンサと、該センサの検出を介して空き容器の下流側の通路を変更可能な回動板と、を備え、前記誘導筒の直下にスチ−ル製およびアルミニウム製空き容器の分別容器を配置した空き容器の分別回収箱において、前記回動板を空き容器の滑落域に沿って上下に回動可能に設け、該回動板を常時は空き容器の滑落域に沿って配置し、前記センサによる金属製空き容器の検出時に前記回動板を起立可能に設け、該起立した回動板にアルミニウム製空き容器を当接し、該アルミニウム製空き容器をその分別容器へ落下可能にして、アルミニウム製空き容器を回動板に当接させ、該アルミニウム製空き容器を強制的かつ確実に分別容器へ落下させるようにしている。
したがって、例えば前記センサをアルミニウム製空容器の検出専用にすれば、回動板の駆動頻度を低減し、駆動部の消費電力を低減して、アルミニウム製空容器の分別回収の正確性と経済性を向上し得る。
【0010】
請求項2の発明は、前記回動板を起立回動後、原位置へ復帰可能にし、金属製容器を除く空き容器の滑落路を形成し、例えばペットボトルの分別回収に対応し得るようにしている。
請求項3の発明は、前記回動板の下端部直下に空のペットボトルの分別容器を配置し、該空のペットボトルを投入筒から回動板上を滑落して、空のペットボトルの分別容器へ落下可能にし、スチ−ル製およびアルミニウム製空き容器と、空のペットボトルの分別回収を行えるとともに、各分別容器を一列に配置することで、分別回収箱の小形軽量化を図れ、これを狭隘な場所へ設置できるようにしている。
請求項4の発明は、前記センサを前記投入筒の上端部の略水平部に設置し、投入口に投入された空容器をセンサに正対させ、センサの検出精度を向上し得るようにしている。
【0011】
請求項5の発明は、前記回動板に偏向板を斜め下向きに立設し、該偏向板に空のペットボトルを当接可能に設け、前記偏向板の下端部に臨む側方位置に空のペットボトルの分別容器を設置し、空のペットボトルの分別容器をアルミニウム製空き容器の分別容器に隣接して設置する構造に比べ、分別回収箱の奥行き寸法を短縮し、そのコンパクト化を図れるとともに、空のペットボトルの分別容器の容積増を図れ、ペットボトルの回収量の増量を図れるようにしている。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明は、回動板を空き容器の滑落域に沿って上下に回動可能に設け、該回動板を常時は空き容器の滑落域に沿って配置し、前記センサによる金属製空き容器の検出時に前記回動板を起立可能に設け、該起立した回動板にアルミニウム製空き容器を当接し、該アルミニウム製空き容器をその分別容器へ落下可能にしたから、アルミニウム製空き容器を回動板に当接させ、該アルミニウム製空き容器を強制的かつ確実に分別容器へ落下させることができる。
したがって、例えば前記センサをアルミニウム製空容器の検出専用にすれば、回動板の駆動頻度を低減し、駆動部の消費電力を低減して、アルミニウム製空容器の分別回収の正確性と経済性を向上することができる。
【0013】
請求項2の発明は、前記回動板を起立回動後、原位置へ復帰可能にしたから、金属製容器を除く空き容器の滑落路を形成し、例えばペットボトルの分別回収に対応することができる。
請求項3の発明は、前記回動板の下端部直下に空のペットボトルの分別容器を配置し、該空のペットボトルを投入筒から回動板上を滑落し、空のペットボトルの分別容器へ落下可能にしたから、スチ−ル製およびアルミニウム製空き容器と、空のペットボトルの分別回収を合理的に行なえるとともに、各分別容器を一列に配置し得るから、分別回収箱の小形軽量化を図れ、これを狭隘な場所へ設置することができる。
請求項4の発明は、前記センサを前記投入筒の上端部の略水平部に設置したから、投入口に投入された空容器をセンサに正対させ、センサの検出精度を向上することができる。
【0014】
請求項5の発明は、前記回動板に偏向板を斜め下向きに立設し、該偏向板に空のペットボトルを当接可能に設け、前記偏向板の下端部に臨む側方位置に空のペットボトルの分別容器を設置したから、空のペットボトルの分別容器をアルミニウム製空き容器の分別容器に隣接して設置する構造に比べて、分別回収箱の奥行き寸法を短縮し、そのコンパクト化を図れるとともに、空のペットボトルの分別容器の容積増を図れ、ペットボトルの回収量の増量を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明を適用した空き容器の分別回収箱を自動販売機に隣接して設置した状況を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う拡大断面図である。
【図3】前記分別回収箱の筐体内部の横断面図である。
【図4】前記分別回収箱の前部のドアを開扉した状況を示す正面図である。
【図5】前記分別回収箱によるスチ−ル缶の分別回収状況を示す断面図である。
【0016】
【図6】前記分別回収箱によるアルミ缶の分別回収状況を示す断面図である。
【図7】前記分別回収箱によるペットボトルの分別回収状況を示す断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態を示す分別回収箱の断面図で、分別ボックスの代わりにビニ−ル袋を使用し、これを筐体内の所要スペ−スにセットし得るようにしている。
【図9】図8のB−B線に沿う断面図である。
【図10】図9のC−C線に沿う拡大断面図である。
【0017】
【図11】本発明の第3の実施形態を示す分別回収箱の断面図で、空のペットボトルの分別容器を他の分別容器の側方に設置し、前記ペットボトルの分別状況を図示している
【図12】前記第3の実施形態における分別回収箱の筐体内部の横断面図で、前記ペットボトルの分別状況を図示している。
【図13】前記第3の実施形態におけるアルミ缶の分別状況を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を図示の実施形態について説明すると、図1乃至図7において1は道路または通路に臨ませて設置した自動販売機で、その上半部に種々の飲料を収容したペットボトル2と、スチ−ル缶3およびアルミ缶4の飲料容器が陳列され、その直下にコイン投入口5と紙幣挿入口6とが設けられ、下部に取出口7が設けられている。
【0019】
前記自動販売機1に隣接して縦長の分別回収箱8が設置され、該分別回収箱8は自動販売機1よりも小高に形成され、その筐体内の略上半部に分別装置9が配置され、下半部に複数の分別容器10〜12が前後方向に配置され、該下半部の前部に設けたドア13を介して、前記分別容器10〜12を前部から出し入れ可能にしている。
【0020】
この実施形態では分別容器10〜12として、合成樹脂製の複数の分別ボックスを使用し、このうちペットボトル2の分別ボックス12を、他の分別ボックス11,12よりも若干大容積に形成し、スチ−ル缶3とアルミ缶4の分別ボックス10,11を同容積に形成している。
前記分別ボックス10〜12内に、軽量で柔軟な分別袋であるビニ−ル袋14〜16が配置され、その上端縁を分別ボックス10〜12に適宜掛止している。
図中、17は蝶番、18は把手である。
【0021】
前記分別装置9は、各種の飲料空き容器を投入され下方へ滑落可能な筒状の投入筒19と、該投入筒19の下端部直下でスチ−ル缶3を捕捉し分別ボックス10へ誘導可能な誘導筒20と、該誘導筒20の斜め下方で一定角度回動可能な回動板21とで構成されている。
【0022】
前記投入筒19は、非金属部材である合成樹脂製管を略ヘ字形状に折曲して成形され、その一端の開口部を分別回収箱8の前面上部に配置して投入口22とし、他端の開口部を斜切して斜め下向きに配置している。
前記投入筒19の一端部は水平または下向きに緩やかに傾斜して配置され、その長さを短小の飲料容器であるスチ−ル缶3、またはアルミ缶4の長さの略1/2に形成し、その一端側の外周面に前記空き容器2〜4の投入を検出可能なセンサ23を配置している。
【0023】
実施形態では空き容器2〜4のうち、金属製空容器3,4を検出可能な金属センサ23を配置している。
また、前記センサ23を、空き容器2〜4の移動速度が低速な投入筒19の水平または緩斜部に設置することによって、空き容器2〜4をセンサ23に正対させ、センサ23による検出を正確かつ精密に行なえるようにしている。
【0024】
前記誘導筒20は投入筒19の下端部直下で、スチ−ル缶3の分別ボックス10の直上にブラケット(図示略)を介して配置され、該誘導筒20は非金属部材である合成樹脂製管で構成され、該誘導筒19の内部に永久磁石24を収容し、その磁界を誘導筒20の周面に作用可能にしている。
【0025】
前記センサ23として、実施形態では前述のようにスチ−ル缶3またはアルミ缶4を検出可能な金属センサが使用され、スチ−ル缶3またはアルミ缶4の検出時に、その検出信号を後述のモ−タへ入力可能にしている。
この場合、前記センサ23として、高価になるがアルミ缶4のみを検出可能なセンサを用いることも可能であり、また金属センサの代わりに光電スイッチを使用し、スチ−ル缶3およびアルミ缶4、更にペットボトル2の投入を検出させることも可能である。
【0026】
前記回動板21は空容器の滑落路に臨ませて配置され、その位置は前記投入筒19の内面の延長線上で、その上端部が誘導筒20から離間し、かつ分別ボックス11の直上に配置されていて、その一辺が誘導筒20の長さと略同幅の矩形板に形成され、その中間部の端面に回動板21の駆動源である、モ−タ25の駆動軸26を固定している。この場合、前記駆動源として、モ−タ25の代わりに電磁弁を駆使したアクチュエ−タを用いることも可能である。
【0027】
前記モ−タ25はブラケット(図示略)を介して筐体内に設置され、空き容器の投入に伴なう前記金属センサ23からの信号入力時に駆動し、前記回動板21を起立回動させ、所定時間経過後に逆転して前記回動板21を原位置に復帰可能にしている。
【0028】
前記回動板21は、モ−タ25の駆動によって所定角度θ回動し、その起立位置を保持して滑落するアルミ缶4を待機し、該アルミ缶4を当接させ分別ボックス12へ落下後、原位置へ復帰回動可能にされている。
この場合、回動板21のリセット手段として、モ−タを逆転する代わりに、リセットバネを用いることも可能である。
【0029】
前記ペットボトル2の分別ボックス12は、投入筒19の内面下部と回動板21との延長線上で、前記分別回収箱8の最奥部に設置され、その開口側内面にペットボトル2を当接して落下させ、内部に収容可能にしている。
【0030】
このように構成した空き容器の分別回収箱は、筐体内の上半部に分別装置9を配置し、下半部に所定大の分別ボックス10〜12を前後に一列に配置している。
このうち、分別装置9は、構成する投入筒19と誘導筒20と回動板21とを、空き容器2〜4の斜状の移動路に臨ませて配置し、これらは何れも構成が簡単で小形軽量であるから、分別装置9の小形軽量化を図れる。
【0031】
また、空き容器2〜4の投入を検出するセンサ23を、空き容器2〜4の移動速度が低速な、投入筒19の一端部の水平または緩斜部に設置し、センサ23への正対化を促して、前記検出を正確かつ精密に行えるようにしている。
なお、実施形態のように前記センサ23として金属センサを採用する場合、検出コイルへの通電を要し、またモ−タ25へも給電を要するが、それらは何れも小形で駆動頻度も概して少ないから、消費電力の低減を図れ維持費を抑制し得る。
【0032】
また、前記分別ボックス10〜12は合成樹脂製で安価かつ軽量であり、これらを前後方向に一列に並べて設置する。
その際、スチ−ル缶3の分別ボックス10を筐体内の最前部に配置し、ペットボトル2の分別ボックス12を最奥部に配置し、それらの間にアルミ缶4の分別ボックス11を配置する。
【0033】
この状況は図2のようで、分別ボックス10の直上に誘導筒20と投入筒19が位置し、分別ボックス11の直上に回動板21が位置し、分別ボックス12の上方に空スペ−スが形成されている。
なお、前記分別ボックス10〜12を、後述のようにビニ−ル袋で代用すれば、分別ボックス10〜12を省略でき、その分低廉化と筐体内下部スペ−スの合理的な利用を図れる。
【0034】
そこで、前記分別回収箱8を使用する場合は、金属センサ23とモ−タ25に電源を投入し、空き容器の投入を待機させる。
前記待機状態では、前記金属センサ23とモ−タ25とがOFF状態に置かれ、回動板21が原位置に位置して、空き容器の滑落通路上に置かれている。
【0035】
このような状況の下で、例えば空のスチ−ル缶3が投入口22に投入されると、該缶3の先端部が投入筒19の一端部に移動し、その周面が金属センサ23に正対して、金属センサ23の検出コイル(図示略)の磁界内を移動し、該金属センサ23が鉄損の変化を基にスチ−ル缶3が金属製であることを検出する。
【0036】
このため、金属センサ23の検出信号がモ−タ25へ入力され、該モ−タ25が駆動して、該駆動軸25に固定した回動板21が起立回動し、起立後一定時間経過したところで、モ−タ25が逆転し、これに回動板21が同動して原位置に復帰する。
この場合、回動板21の回動は誘導筒20から離間して行われるから、スチ−ル缶3の分別回収に影響を及ぼさない。
【0037】
すなわち、スチ−ル缶3は金属センサ23の位置を通過後、自重によって下向きに回動し、投入筒19の内面を滑落して誘導筒20の直上に移動する。
前記誘導筒20の周面には内蔵した磁石24による磁界が形成され、該磁界にスチ−ル缶3が吸引され、かつこれに自重が作用して、誘導筒20の周面を周回動する。
そして、スチ−ル缶3が誘導筒20の周面を略半周周回したところで、自重が磁界に打ち勝って分別ボックス10に落下する。この状況は図5のようである。
【0038】
次に、例えば空のアルミ缶4が投入口22に投入されると、該アルミ缶4が前述のように金属センサ23によって検出され、その検出信号がモ−タ25へ入力されてモ−タ25が駆動し、その駆動軸25に固定した回動板21が起立回動し、滑落直前のアルミ缶4を待機する。
【0039】
前記アルミ缶4は金属センサ23の位置を通過後、自重によって下向きに回動し、投入筒19の内面を滑落して誘導筒20の直上へ移動する。
前記アルミ缶4は誘導筒20の直上では磁界の影響を受けずに通過し、誘導筒20と回動板21との間の空スペ−スを滑落方向と同方向へ落下し、起立回動下の回動板21に当接して分別ボックス11に落下する。この状況は図6のようである。
この後、モ−タ25が逆転し、これに回動板21が同動して原位置に復帰する。
【0040】
次に、例えば空のペットボトル2が投入口22に投入されると、該ペットボトル2は金属センサ23で検出されず、投入筒19の内面を滑落して誘導筒20の直上へ移動する。
前記モ−タ25は金属センサ23から信号入力がないから、駆動を停止し、回動板21を原状の傾斜状態に保持している。
【0041】
このため、前記ペットボトル2は誘導筒20の直上では磁界の影響を受けずに通過し、原位置に位置する回動板21上を滑落し、分別ボックス12の上部内面に当接して落下する。この状況は図7のようである。
【0042】
こうして投入口22に投入された空き容器2〜4は、それぞれ分別されて各分別ボックス10〜12に収容される。
そして、各分別ボックス10〜12に空き容器2〜4が所要量収容されたところで、ドア13を開放し、分別ボックス10〜12を順次前方へ引き出し、ビニ−ル袋14〜16を引き上げて、ペットボトル2とスチ−ル缶3とアルミ缶4を袋毎回収する。
【0043】
前記回収後、分別ボックス10〜12に新たなビニ−ル袋14〜16をセットし、分別ボックス10〜12を筐体内の定位置へ移動し、ドア13を閉扉すれば、分別回収箱8の利用が可能になる。
【0044】
図8乃至図13は本発明の他の実施形態を示し、前述の実施形態と対応する構成部分に同一の符号を用いている。このうち、図8乃至図10は本発明の第2の実施形態を示している。
この実施形態は、分別容器として、分別ボックス10〜12の代わりにビニ−ル袋14〜16のみを使用し、また分別回収箱8の筐体内の両側に、複数の掛止部27を形成した一対の支持杆28を固定し、該支持杆28,28の間に複数の掛止杆29を係脱可能に掛け渡している。
【0045】
そして、前記一対の支持杆28と掛止杆29とで区画した区画室に、所望大のビニ−ル袋14〜16を収容し、その開口端縁をクリップ30を介して支持杆28また掛止杆29に掛け止めている。
このようにすることで、分別容器10〜12の低廉化と取り扱いの利便性を向上でき、また所望の大きさの分別容器10〜12を容易かつ任意に得られ、その出し入れを簡便に行なえる。
【0046】
図11乃至図13は本発明の第3の実施形態を示し、この実施形態は分別回収箱8の筐体内に、三つの分別ボックス10〜12を一列に配置する代わりに、スチ−ル缶3とアルミ缶4の二つの分別ボックス10,11を分別装置9の直下に配置し、ペットボトル2の分別ボックス12を、前記分別ボックス10,11よりも大容積に形成し、これを分別ボックス10,11の側方に配置して、ペットボトル2の回収量を増量している。
【0047】
そして、回動板21の上面に偏向板31を斜状に立設し、該偏向板31の下端部側に分別ボックス12を配置している。このため、分別回収箱8の奥行き寸法は、分別ボックス12の移動分短かくなり、左右方向の幅は、分別ボックス12分、若干幅広に形成されている。
したがって、分別回収箱8の設置に十分な奥行きを得られないスペ−スでの設置に好適である。
【0048】
この実施形態におけるスチ−ル缶3とアルミ缶4の分別回収は、前述の実施形態と同様に行われる。
次に、ペットボトル2の分別回収に際しては、ペットボトル2は金属センサ23で検出されず、投入筒19から誘導筒20の直上へ滑落する。モ−タ25は金属センサ23から信号入力がなく駆動を停止しているから、回動板21は原状の傾斜状態に置かれている。
【0049】
このため、前記ペットボトル2は誘導筒20の直上で磁界の影響を受けずに通過し、回動板21上を滑落して偏向板31に当接し、該偏向板31に沿って回動板21の側方へ滑落し、分別ボックス12へ落下する。この状況は図11および図12のようである。
【0050】
このように上記実施形態は、ペットボトル2の進路を屈曲し側方直下の分別ボックス12に落下させる際、誘導筒19から回動板21上を滑落させ、偏向板31に当接して偏向させている。
したがって、従来のように誘導板に落下して屈曲させる場合に比べ、筐体の高さを抑制し、その小形化を図れるとともに、ペットボトル2の動揺を抑制し、安定して分別ボックス12へ収容し得る。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明の空き容器の分別回収箱は、安価かつ簡単な構成で小形軽量化を図って、狭隘な場所へ設置できるようにしたから、例えばスチ−ル缶とアルミ缶とペットボトルの分別回収箱に好適である。
【符号の説明】
【0052】
1 分別回収箱
2 空き容器(ペットボトル)
3 空き容器(スチ−ル缶)
4 空き容器(アルミニウム缶)
10 分別容器(スチ−ル缶分別容器)
11 分別容器(アルミニウム缶分別容器)
12 分別容器(ペットボトル分別容器)
【0053】
19 投入筒
20 誘導筒
21 回動板
22 投入口
23 センサ
24 磁石
31 偏向板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に空き容器を投入可能な投入口を形成し、他端を斜め下向きに配置した投入筒と、該投入筒の下端部の直下に配置し、内部に設けた磁石を介してスチ−ル製空き容器の落下方向を変更可能にした誘導筒と、前記投入筒の内部を通過する金属製空き容器を検出可能なセンサと、該センサの検出を介して空き容器の下流側の通路を変更可能な回動板と、を備え、前記誘導筒の直下にスチ−ル製およびアルミニウム製空き容器の分別容器を配置した空き容器の分別回収箱において、前記回動板を空き容器の滑落域に沿って上下に回動可能に設け、該回動板を常時は空き容器の滑落域に沿って配置し、前記センサによる金属製空き容器の検出時に前記回動板を起立可能に設け、該起立した回動板にアルミニウム製空き容器を当接し、該アルミニウム製空き容器をその分別容器へ落下可能にしたことを特徴とする空き容器の分別回収箱。
【請求項2】
前記回動板を起立回動後、原位置へ復帰可能にした請求項1記載の空き容器の分別回収箱。
【請求項3】
前記回動板の下端部直下に空のペットボトルの分別容器を配置し、該空のペットボトルを投入筒から回動板上を滑落し、空のペットボトルの分別容器へ落下可能にした請求項1または2記載の空き容器の分別回収箱。
【請求項4】
前記センサを前記投入筒の上端部の略水平部に設置した請求項1記載の空き容器の分別回収箱。
【請求項5】
前記回動板に偏向板を斜め下向きに立設し、該偏向板に空のペットボトルを当接可能に設け、前記偏向板の下端部に臨む側方位置に空のペットボトルの分別容器を設置した請求項1記載の空き容器の分別回収箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−247950(P2010−247950A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−98979(P2009−98979)
【出願日】平成21年4月15日(2009.4.15)
【出願人】(396010007)株式会社エコフレンド (1)
【Fターム(参考)】