説明

空気中の臭気を除去するための組成物およびエアロゾルスプレーディスペンサー

空気中に浮遊する悪臭の除去および/または空気の殺菌のための空気処理組成物が、組成物の最大限の分散を提供するスプレーバルブ(4)およびアクチュエーター(16)ならびにスプレー性能パラメーターと組み合わせて、開示される。組成物の粒子は小さく、そのため有効成分が微細な分散物として空気中に散布され、悪臭とのより多くの接触がもたらされ、悪臭および/または細菌の速やかな吸収がもたらされる。組成物の粒径は、バルブ(4)およびアクチュエーター(16)の寸法ならびに組成物の製剤要件により調節される。空気処理組成物は水と、低分子量ポリオールと、噴射剤とを含む。組成物は、例えば、乳化剤、共溶媒、香料、腐食防止剤、pH調整剤等の1以上の補助剤を含んでいてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
関連出願への相互参照
本出願は、2006年6月28日に出願された米国特許出願第11/476,243号からの一部継続出願であり、該米国特許出願は2005年6月28日に出願された米国特許仮出願第60/694,439号に関連し、かつその優先権の利益を主張するものである。
【0002】
本開示は、消臭および空気殺菌エアロゾルスプレー組成物を、周囲空気への該組成物の最適な分散を提供するためのスプレーバルブおよびスプレー性能パラメーターと組み合わせたものに関する。
【背景技術】
【0003】
空気中の悪臭をマスクするために種々の組成物が利用可能である。さらに、空気を殺菌し、そこから悪臭を除去するために種々の組成物が利用可能である。これらの組成物はエアロゾルディスペンサーを含む様々な噴霧装置により吐出(dispense)されうる。
【0004】
エアロゾルディスペンサーは、個人用の、家庭用の、工業用の、および医療用の製品を吐出させるために、また液体製品を吐出させる低コストの、取り扱いが簡単な方法を提供するために、一般的に用いられてきた。典型的には、エアロゾルディスペンサーは吐出すべき液体製品を含む容器を備える。容器から液体を放出するために噴射剤が用いられる。噴射剤は混合物であってよく、典型的には室温よりもわずかに低い沸点を有し、そのため圧力下においては該噴射剤は気相と液層との間の平衡状態として存在する。噴射剤の気相は、利用者が例えばアクチュエーターボタンを押すことにより吐出バルブを作動させた際に、容器から液体製品を放出するのに十分な力を提供する。バルブが閉じられ、容器が再び封じられると、容器内で気相と液層との間の平衡状態が回復するため、噴射剤の気相が液層により補充される。
【0005】
図3に示すように、従来のエアロゾルディスペンサーは、一般に、液体製品を保持するための容器(図示せず)および噴射剤、ならびに、容器からの液体製品を選択的に吐出させるためのバルブアセンブリ104を備える。バルブアセンブリ104はマウンティングカップ106、マウンティングガスケット108、バルブ本体110、バルブステム112、ステムガスケット114、アクチュエーターキャップ116、およびリターンスプリング118を備える。バルブステム112、ステムガスケット114、およびリターンスプリング118はバルブ本体110内に配置され、バルブ本体110に対して相対的に可動であって、選択的に液体製品の吐出を調節する。バルブ本体110はマウンティングカップ106の下側に、バルブステム112がマウンティングカップ106を通って延びており、そこから外向きに突出するように装着される。アクチュエーターキャップ116はバルブステム112の外向きに突出する部分上にはめ込まれ、アクチュエーター開口部132が備えられている。アクチュエーター開口部132は液体製品の噴霧を所望のスプレーパターンに誘導する。ディップチューブ120はバルブ本体110の下部に取り付けられ、液体製品をバルブアセンブリ104に供給して吐出させる。バルブアセンブリ104全体がマウンティングガスケット108により容器に密封される。
【0006】
使用時、ディスペンサーのアクチュエーターキャップ116が押し下げられると、噴射剤が液体製品をディップチューブ120内で押し上げ、本体開口部122経由でバルブ本体110へと押し上げる。バルブ本体110内で、液体製品は、バルブ本体110にベーパータップ(vapor tap)124を通って供給されたさらなる噴射剤と混合されてもよい。ベーパータップ124は、液体製品と噴射剤とのバルブ本体110内における混合を促進し、それによって製品を、吐出に適したより小さな粒子に破細する。バルブ本体110から、バルブステム112を抜けて、ステム開口部126を通り、アクチュエーターキャップ116内に形成されたアクチュエーター開口部132を通過して、前記製品が噴射される。
【0007】
図3のバルブアセンブリ104を用いてエアロゾル容器から液体製品を噴射するのに用いられる噴射剤の1つは、70oFにおいて40psig(B−40)(294.261Kにおいて2.722気圧)の噴射剤圧力を有するB−シリーズ噴射剤であってよい。「噴射剤圧力」とは、噴射剤の概算の(approximate)蒸気圧のことを指し、満たされたエアロゾル容器内の初期ゲージ圧力を表す「缶圧力(can pressure)」とは対照的である。効果的に液体製品を吐出するために、バルブアセンブリは、2×0.020”(2×0.508mm)のステム開口部径、すなわち0.020”径の2個の穴部と、0.020”(0.508mm)のベーパータップ径と、0.062”(1.575mm)の本体開口部径と、0.060”(1.524mm)のディップチューブ内径とを有していてもよい。現在公知であるエアロゾル空気殺菌剤の1つは、ディスペンサーアセンブリの内容物のおよそ29.5重量%の量の炭化水素噴射剤を、6〜8.8重量%のグリコールおよび水を含まない純粋なアルコール溶媒とともに有する。
【0008】
炭化水素噴射剤は揮発性有機化合物(VOC)とみなされる。エアロゾル空気殺菌剤中のVOCの含有量は、米国環境保護局(EPA)およびカリフォルニア大気資源委員会(CARB)等の連邦および/または州取締機関により規制される可能性がある。
【0009】
このようなエアロゾル空気殺菌剤中のVOC含有量を減少させる1つの方法は、液体製品を吐出するのに用いられる炭化水素噴射剤の含有量を減少させることである。しかし、噴射剤含有量の減少は、製品性能に悪影響を与えうる。具体的には、エアロゾル空気殺菌剤中の噴射剤含有量の減少は、ディスペンサーアセンブリの耐用期間(life)の終わりに容器内に過剰に製品が残存したり(製品残留)、吐出された製品の粒子のサイズが増大したり(粒径増大)する結果をもたらしうる。粒子の空気中での拡散を最大限にし、粒子が「レイニング(raining)」または空気から「フォールアウト(falling out)」するのを防止するため、吐出された製品の粒径は最小限にすることが望ましい。従って、エアロゾル製品を満足に吐出しうるエアロゾルディスペンサーアセンブリは、ディスペンサーアセンブリの耐用期間を通じて良質な製品性能を提供するのに望ましいレベルの噴射剤を含むべきである。
【0010】
「ディスペンサーアセンブリの耐用期間(life)」は、容器内の圧力(すなわち缶圧力)の観点から定義され、ディスペンサーアセンブリの耐用期間は、容器内の圧力がその初期圧力(典型的には最大)である時と、その容器内の圧力が実質的に減った、すなわち大気圧と等しくなった時との間の期間である。
【0011】
ここで、「殺菌(sanitizing)」および「消毒(disinfecting)」という語の使用は、米国環境保護局Disinfectant Technical Science Section(DIS−TSS)第01、08、11および13番(http://www.epa.gov/oppad001/sciencepolicy.htm)と矛盾しない。例えば硬質表面(hard surface)洗浄製品に関しては、DIS−TSS−01によると、「消毒剤(disinfectant)」と表示される製品は、1個が少なくとも60日経過したものである、3個の異なるバッチを代表する、3個の異なる試料をそれぞれ含んだ、60個のキャリア(carrier)(計180試料分)を用い、Salmonella choleraesuis(ATCC 10708−グラム陰性)またはStaphylococcus aureus(ATCC 6538−グラム陽性)に対して試験されることが必要である。DIS−TSS−01では、「消毒剤」とする製品のラベルクレーム(label claim)が支持されるには、製品は60個のキャリア中59個の完全な死滅(complete kill)を95%の信頼水準で提供する必要がある。このように、DIS−TSS−01では、「一般消毒剤(general disinfectant)」としての有効性のラベルクレームのためには、または製品がグラム陽性およびグラム陰性菌を含む広範な微生物に対して有効であると表示するためには、完全な死滅が基本的に必要である。
【0012】
試験(硬質)表面上の全細菌の完全な死滅を示す「消毒」およびDIS−TSS−01の要求とは対照的に、「殺菌」という語は空気中の細菌の完全な死滅は表していない。EPA規制は現在、空気中で用いられ、空中浮遊細菌を減少させはするが空気中の全ての細菌の完全な死滅まではもたらさない殺菌製品には、「消毒剤」というラベルクレームを禁じている。実際には、EPAは空気に対する「殺菌」という表示の使用に対して別の要求を課している(DIS−TSS−11)。
【0013】
DIS/TSS−11は空中浮遊微生物または細菌を減少させるというラベルクレームを有する製品に適用される。グリコール蒸気は密閉空間内で生存可能な空中浮遊細菌の数を有意に減少させることが示されている。グリコール類(トリエチレン、ジプロピレン、またはプロピレングリコール)を5%以上の濃度で含んだエアロゾル製剤は、室内で適切な量が吐出された場合、一時的に空中浮遊細菌の数を減少させる。DIS−TSS−01とは異なり、空気殺菌剤を評価するための具体的な基準または方法はDIS−TSS−11には導入および組み込まれていない。
【0014】
このように、悪臭の原因となることが多い空中浮遊細菌の存在を減少させることにより、室内の空気を殺菌するためのエアロゾル組成物内において、ある種のグリコール類を用いることは公知となっている。1つの具体的なグリコール、トリエチレングリコール(「TEG」)は、エアロゾルスプレーにより供給された場合、空気を殺菌するのに特に効果的であることが見出されている。商業的に成功したOUST(登録商標)空気殺菌剤製品は、約6重量%のTEGを含む混合物を利用している。TEGはタバコの煙に対する空気処理にも用いられてきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
エアロゾル組成物が効果的に空中浮遊微生物および悪臭を抑え、かつ低い総VOC含有量を有し、エアロゾルディスペンサーが該組成物を所望の粒径および噴霧速度(spray rate)で周囲空気に供給して空気殺菌性能を改善する、改善されたエアロゾル組成物およびエアロゾルディスペンサーに対する需要が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0016】
開示の要約
本開示は、悪臭低減および/または空気殺菌組成物を、該組成物の空気中への最適な拡散を提供するためのスプレーバルブ、アクチュエーターおよびスプレー性能パラメーターと組み合わせたものに関する。具体的には、該エアロゾル化組成物は、該組成物が微細なミストまたは分散物として散布され、悪臭および/または細菌との十分な接触がもたらされ、悪臭の速やかな吸収がもたらされるように、十分に小さい空中浮遊粒子を生ずる。該組成物の粒径はバルブおよびアクチュエーターの寸法の選択、ならびに約10〜約50重量%の範囲の噴射剤含有量等の具体的な組成要件により、調節される。
【0017】
開示されるエアロゾル組成物は少なくとも1種の低分子量ポリオール、すなわち約250以下の分子量を有するポリオールを含む。開示されるエアロゾル組成物中に加えてもよい特に有効な種類のポリオール類の1つは、グリコール類である。好ましい低分子量ポリオール類は、モノ−、ジ−、またはトリ−アルキレングリコール類またはグリセロールである。最も好ましいポリオールは、単独で、またはプロピレングリコールとともに用いられる、トリエチレングリコール(TEG)である。
【0018】
ポリオール類の水溶液はエアロゾル形態で効果的に吐出することが難しい場合がある。トリガースプレーも一般的に効果的でなく、これは混合物の均一性によりそこからのポリオールの分離が蒸発中に妨げられ、粒径が十分に調節できないためである。本開示は、ポリオール水溶液を微細なミストとして吐出するのに適した、加圧エアロゾルディスペンサー中の、2相オイルアウト(oil−out)エマルションを提供する。本開示の粒径はバルブおよびアクチュエーター寸法の選択ならびに製剤要件により調節される。
【0019】
一つの実施形態において、本開示の空気処理組成物、は水と、低分子量(MW)ポリオールと、乳化剤と、噴射剤とを、次のように含んでいてよい:
【0020】
【表1】

【0021】
成分の可溶化を促進するため、アルコール等の共溶媒をエアロゾル組成物内に加えてもよい。好ましくは、共溶媒は、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールまたはイソブタノール等の炭素数1〜4の低分子量1価アルコールである。他の共溶媒、例えばアセトンを該エアロゾル組成物中に加えてもよい。一般的実施形態においては、乳化剤は上に記載するように存在していてよい。共溶媒が乳化剤の存在無しではエマルションを形成するのに不十分である量で組成物中に存在する場合、乳化剤は約0.4〜約4重量%の範囲の量で存在しうる。さらなる補助剤、例えば香料、腐食防止剤、pH調整剤、抗菌剤、保存剤等も含められてよい。上に列挙した補助剤の好ましい個々の範囲は0〜約5重量%、より好ましくは0〜約2重量%である。組成物の好ましいpHは約8〜約10の範囲内である。
【0022】
上記空気処理組成物は、以下のバルブおよびアクチュエーターの寸法ならびにスプレー性能パラメーターと組み合わせて用いてもよい:
【0023】
【表2】

【0024】
上記のもの以外のバルブおよびアクチュエーターの寸法ならびにスプレー性能パラメーターも存在してよい。粒径に関しては、より好ましい粒径は約25〜約40μm、最も好ましくは約30〜約38μmの範囲内である。
【0025】
本開示のディスペンサーは望ましい小さな粒径と一貫性とをパッケージの耐用期間を通じて提供する。得られる残留率(retention rate)も好ましい。粒径、噴霧速度および残留を測定するための方法を以下に記す。
【0026】
本開示は好ましくは実質的に全ての水性空気処理組成物を(すなわち少ない製品残留で)、望ましい粒径および供給速度を示す噴霧物として吐出し、一方で同時に、容器から該水性製品を吐出するのに最適な量の噴射剤を用いる、エアロゾルディスペンサーアセンブリを提供する。
【0027】
一つのアスペクトにおいて、本開示のエアロゾルディスペンサーアセンブリは、水性空気処理製品と、容器から製品を噴射させるための噴射剤とを有する容器を備える。噴射剤は好ましくは炭化水素噴射剤であり、約10〜約50重量%の範囲の量で存在してよい。好ましくは該噴射剤は45重量%以下、さらに好ましくは40重量%以下、最も好ましくは約35重量%以下の量で存在する。容器の内容物は約55psig(3.743気圧)〜約120psig(8.166気圧)に加圧される。特に、容器の内容物は約55psig(3.743気圧)〜約80psig(5.444気圧)に加圧される。
【0028】
容器からミストとして液体製品を選択的に吐出させ、ディスペンサーアセンブリの耐用期間の最初の少なくとも75%の期間にわたり該ミストが45μm(0.0018”)以下の平均粒径を示すようにするため、前記容器にはバルブが取り付けられている。ここで用いられる平均粒径とは、吐出された製品の質量メジアン粒径(mass median particle size)(体積メジアン(volumetric median)としても知られる)D(V,0.5)を、Malvern(登録商標)Mastersizer 2600粒径アナライザーにより、A. Rawle, Malvern Instruments LimitedによるBasic Principles of Particle Size Analysisに記載のように、測定したものを意味する。さらに、前記ディスペンサーアセンブリは、好ましくは容器から95重量%超のポリオール水溶液を吐出することができ、すなわち5重量%未満の製品残留を示し、より好ましくは容器から98重量%の水性空気処理製品を吐出することができ、すなわち2重量%未満の製品残留を示す。
【0029】
ベーパータップはバルブ内に形成され、吐出前に噴射剤と液体製品との十分な混合を促進し、バルブステムはバルブ内に配置される。バルブステムは、吐出中の混合産物(すなわちベーパータップからの蒸気およびディップチューブからの液体)の流れのための、少なくとも1個のステム開口部を規定する。ベーパータップは、〜20から〜25重量%の噴射剤範囲で吐出するための約0.003”(0.076mm)〜約0.020”(0.508mm)の、より好ましくは約0.013”(0.330mm)〜約0.019”(0.483mm)の;および、〜15から〜20重量%の噴射剤範囲で吐出するための約0.003”(0.076mm)〜約0.013”(0.330mm)の範囲の;径を有する。
【0030】
ディスペンサーキャップはバルブを作動させて液体製品を吐出させるためにバルブステム上に取り付けられる。ディスペンサーキャップは、そこを通って液体製品が吐出されうる出口経路(exit path)を規定する。撹拌/混合部材(agitating/mixing component)は、液体製品を細破し、または混合して、該液体製品が吐出される前に粒子のサイズを低下させるために、ディスペンサーキャップの出口経路内に配置することができる。撹拌/混合部材はスピンチャンバー(spin chamber)、ブレークアップバー(breakup bar)、およびこれらの変形物または他の適した部材であってよい。
【0031】
バルブは、本出願の譲受人に譲渡された米国特許第6,824,079号および第7,014,127号に記載される仕様も有していてよく、これらは参照により本明細書に組み入れられたものとする。
【0032】
これらや本開示の他の局面、特徴および利点のさらなる理解は、いくつかの好ましい実施形態を例示および記載した添付の図面および詳細な説明を参照することにより得られる。
【0033】
本開示の方法および装置のより完全な理解のため、添付図面上により詳細に例示される実施形態への参照が為されるべきである。
【0034】
図面は必ずしも一定の縮尺ではないこと、および開示される実施形態は図式的にまたは部分図で例示される場合があることが理解されるべきである。ある例においては、開示される方法および装置の理解に必要でない、または他の詳細の理解を困難にする、詳細が省略されている場合がある。当然ながら、本開示がここに例示される特定の実施形態に限定されるものではないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】図1は本開示の概念を実施するのに有用なバルブの第1の実施形態の部分的断面図および斜視図である。
【図2】図2は図1のバルブの部分的前面平面図であり、該バルブは、部分的に示された容器内に設置されている。
【図3】図3は従来のエアロゾルバルブアセンブリとアクチュエーターキャップとの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
消臭および/または空気殺菌組成物を、該組成物の空気中への最適な拡散を提供するスプレーバルブ、アクチュエーターおよびスプレー性能パラメーターと組み合わせたものが、以下により詳細に記載される。好ましくは、前記組成物はエアロゾル噴霧物として供給される。組成物の粒子は、該組成物の成分が周囲空気に微細な分散物として供給されて悪臭および/または空中浮遊細菌との十分な接触がもたらされ、および/または悪臭の迅速な吸収がもたらされるように十分に小さい。組成物の粒径はバルブおよびアクチュエーターの寸法の選択、ならびに約10〜約50重量%の範囲の噴射剤含有量等の具体的な組成要件により、調節される。
【0037】
本開示の組成物は、好ましくは、水と、少なくとも1種の低分子量(MW)ポリオールと、噴射剤と、所望により溶媒および/または乳化剤とを含む、エアロゾル空気処理組成物に関する。
【0038】
本開示の空気処理組成物は、さらなる、所望により含まれていてもよい補助剤、例えば香料、腐食防止剤、pH調整剤、抗菌剤、保存剤およびこれらの混合物も含んでいてよい。1種以上のさらなる補助剤はそれぞれ約0〜約5重量%、より好ましくは約0〜約2重量%の範囲の量で存在していてよい。
【0039】
開示される一組成物の成分は次の通りである:
【0040】
【表3】

【0041】
ポリオール
開示される空気処理組成物中で用いるのに適した低MWポリオール類は、好ましくは約250グラム/モル以下のMWを有する。組成物内に含めるのに特に適したポリオール類の1つの群は、グリコール類である。用いられる低分子量ポリオールの好ましい例は、モノ−、ジ−、またはトリ−アルキレングリコール類またはグリセロールである。アルキレンは好ましくはエチレンまたはプロピレンである。用いられる最も好ましい低MWポリオールはトリエチレングリコール(TEG)である。1または複数種の低MWポリオール類を空気処理組成物中に用いてもよく、例えばトリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群より選択される低MWポリオール等が挙げられる。
【0042】
低MWポリオールは組成物中に該組成物の約5〜約25重量%の濃度で存在してもよい。好ましくは、組成物は約5〜約20重量%、より好ましくは約5〜約15重量%、さらに好ましくは約5〜約10重量%の低MWポリオールを含んでいてよい。一実施形態においては、組成物は約6−7重量%のTEGを含む。
【0043】

本開示の組成物は液体キャリアを含んでいてよい。好ましくは、液体キャリアは水を含み、および、所望により共溶媒を含んでいてもよい。開示される組成物は約20〜約90重量%の水を含んでいてもよい。一つの実施形態において、組成物は、40〜70重量%の水を含む。しかし、水は開示される組成物の重量バランスを補うものであり、従って上に開示される水含有量は本開示を限定すると考えられるべきではないこと注意すべきである。
【0044】
乳化剤
本開示の空気処理組成物は乳化剤も含んでいてよい。乳化剤は1種以上の界面活性剤を含みうる。組成物中に加えられうる界面活性剤には多くの種類が存在し、1種以上の陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、およびこれらの混合物等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0045】
陽イオン界面活性剤は第4級アンモニウム塩を含んでいてよい。好ましくは、第4級アンモニウム塩は、窒素原子に結合した1個以上のアルキル基という一般分子構造を有しており、ここでアルキル基は12〜20の炭素原子を有する。これらの第4級アンモニウム塩としては:ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、テトラデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ペンタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロマイド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムメチルサルフェート、タロートリメチルアンモニウムアセテート等が挙げられるがこれらに限定されない。他の有用な陽イオン界面活性剤としては:ジドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジテトラデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジペンタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジエチルアンモニウムクロライド、ジテトラデシルジプロピルアンモニウムクロライド、ジタロージエチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジエチルアンモニウムクロライド、ジドデシルジエチルアンモニウムアセテート、ジタロージプロピルアンモニウムホスフェート、およびタロージメチルベンジルアンモニウムクロライド等が挙げられる。
【0046】
陽イオン界面活性剤としては、置換イミダゾリウム塩、置換ピリジニウム塩、置換モルホリニウム塩、およびこれらの混合物等の、他の陽イオン性窒素含有化合物等も挙げられる。
【0047】
第4級アンモニウム塩および他の陽イオン性窒素含有化合物はさらに、エーテル基、エステル基、エポキシ基、アミド基、カルボニル基、カルボキシル基、芳香族基、アミノ基、シアノ基等の、しかし、これらに限定されない官能基を有していてもよい。
【0048】
陽イオン界面活性剤においては、ランドリーシートの他の組成物に対して適合性のある(compatible)どのような陰イオンでもよい陰イオンが、電気的中性を提供するために化合物内に含められる。ほとんどの場合、これらの塩で電気的中性を提供するために用いられる陰イオンは、強酸、特にハロゲン化物、例えば塩化物、臭化物、またはヨウ化物由来である。しかし、他の陰イオン、例えば硫酸メチル、硫酸エチル、アセテート、ホルメート、サルフェート、カーボネート等を用いることができる。それより好ましくないが、一部の場合では、陰イオンは、好ましさは低くなるものの、二重電荷(double charge)を有していてもよい。
【0049】
空気処理組成物中に存在する非イオン界面活性剤としては、ソルビトールエステル類、脂肪族アルコールエトキシレート類、アルキルフェノールエトキシレート類、アルカノールアミン類の脂肪酸類との縮合物、ポリオール脂肪酸エステル類、エトキシ化ポリオール脂肪酸エステル類、アルキルポリグルコシド類、およびN−アルキルピロリドン類等が挙げられるがこれらに限定されない。非イオン界面活性剤としては、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドブロックポリマー等の非イオンポリマーも挙げられる。さらには、具体的に上述されていない、さらなる非イオン界面活性剤を用いてもよい。一つの実施形態においては、空気処理組成物中に加えられる非イオン界面活性剤はソルビタンエステルである。ある改良においては、該ソルビタンエステルはソルビタンモノオレエートであってよい。
【0050】
本開示に用いられる陰イオン界面活性剤としては、カルボン酸塩類、第1級アルキルサルフェート類、アルキルエーテルサルフェート類、脂肪酸スルホネート類、アルキルベンゼンスルホネート類、スルホサクシネートエステル類、および有機リン酸エステル類等が挙げられるがこれらに限定されない。前述の陰イオン柔軟仕上げ化合物の塩に対する対イオンは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルカノールアンモニウム、およびアルキルアンモニウム型のものであってよい。
【0051】
用いられる両性界面活性剤としては、第3級アミンオキサイドおよび両性イオン性第4級アンモニウム化合物等が挙げられるがこれらに限定されない。好ましいアミンオキサイド類は窒素原子に結合した1個以上の長鎖アルキル基という一般分子構造を有する。このようなアミンオキサイド類としては、ジデシルアミンオキサイド、ジノニルアミンオキサイド、ジオクチルアミンオキサイド、ジドデシルアミンオキサイド等が挙げられるがこれらに限定されない。
【0052】
好ましくは、本開示の空気処理組成物中に加えられる乳化剤としては、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、およびこれらの混合物からなる群より選択される界面活性剤等が挙げられる。一実施形態において、陽イオン界面活性剤はトリメチルアルキルアンモニウムクロライドである。ある改良においては、陽イオン界面活性剤はトリメチルステアリルアンモニウムクロライドである。他の実施形態においては、非イオン界面活性剤はソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルである。さらに他の実施形態においては、乳化剤はトリメチルステアリルアンモニウムクロライドとソルビタンモノオレエートとの混合物である。
【0053】
噴射剤
本開示のエアロゾル組成物中に含めるのに適した噴射剤は、炭化水素噴射剤、エーテル噴射剤、CFC、可溶性または不溶性圧縮ガス類、およびこれらの混合物からなる群より選択されてよい。本開示の好ましい噴射剤は1または複数種の炭化水素噴射剤を含んでもよい。一実施形態において、噴射剤は、プロパンと、イソブタンと、n−ブタンとの混合物である。開示されるエアロゾル組成物中に加えられてもよい他の噴射剤は当業者とって明らかである。
【0054】
噴射剤は空気処理組成物中に広範な濃度で存在してもよい。本開示の1局面によると、組成物は、約10〜約50重量%、好ましくは約10〜約45重量%、より好ましくは約10〜約35重量%、さらに好ましくは約25〜約35重量%の噴射剤を含んでいてもよい。一実施形態においては、エアロゾル組成物は約30重量%の噴射剤を含む。
【0055】
下記実施例C1−C4およびC7−C11に示すように、広範な噴射剤濃度が本開示の範囲内に含まれうる。さらに、他の適切な濃度の噴射剤も包含されることは当業者にとって明白である。
【0056】
共溶媒
成分の組成物への可溶化を促進するために、または所望のエマルションの形成を促進するために、共溶媒をエアロゾル組成物に所望により加えてもよい。共溶媒は好ましくは低分子量1価アルコール、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール等の炭素数1〜4のアルコールである。さらに、共溶媒は、アセトン等の他の低分子量有機溶媒も含んでいてよい。一実施形態において、共溶媒はエタノールである。他の実施形態において、共溶媒はイソプロパノールである。
【0057】
共溶媒は組成物の総VOC含有量の一因となりうるため、エアロゾル組成物中の共溶媒の存在は任意であり、好ましくは約40重量%を越えない量であり、また好ましくは水含有率よりも低い濃度である。好ましい実施形態において、溶媒は存在せず、従って乳化剤が所望のエマルションの形成を確実にするために約0.4〜約4重量%の量で存在する必要がある。一方、乳化剤含有量は共溶媒が利用される場合に減少させてもよい。一実施形態において、空気処理組成物は乳化剤を含まない。
【0058】
香料
香料は通常、特定の香り(fragrant sense)をそれぞれが有する多数の芳香物質の混合物からなる。香料中の芳香物質の数は典型的には10種以上である。用いられる芳香物質の範囲は様々でありうる。該物質は多様な化学物質区分に由来するが、一般には水不溶性の油である。多くの場合、芳香物質の分子量は150超であるが300を超えない。
【0059】
開示される空気処理組成物中に、所望により加えてもよい香料は、消費者に知覚されうる好ましい匂いを供給するのに十分な量で存在してよい。悪臭の存在下、香料は空気中の悪臭の少なくとも実質的な部分をマスクする量で存在してよい。より好ましくは、香料は、空気中に浮遊する悪臭を完全にマスクするだけではなく、消費者によって知覚されるべき好ましい匂いを供給する量で存在することが好ましい。一実施形態において、香料は約0.01〜約1重量%、より好ましくは約0.01〜約0.5重量%、最も好ましくは約0.01〜約0.3重量%の範囲の量で存在する。
【0060】
香料は1種以上の芳香物質または化学的に活性な蒸気を提供する物質を含んでいてよい。一実施形態において、香料は天然植物抽出物、エッセンス、芳香油(fragrance oil)、合成芳香物質等の、しかしこれらに限定されない揮発性の芳香化合物を含む、および/または包含することができる。当該分野で公知のように、多くの精油および他の天然植物誘導体(plant derivative)は高度に揮発性の芳香を大きな割合で含む。これに関連して、多数の精油、エッセンス、および芳香濃縮物(scented concentrate)が香料および食品取引の企業から一般的に入手可能である。例示的な油および抽出物としては、次の植物:アーモンド、アミリス、アニス、アルモワーズ、ベルガモット、カブリューバ(cabreuva)、キンセンカ、イランイラン、シダー、カモミール、ココナッツ、ユーカリ、ウイキョウ、ジャスミン、ジュニパー、ラベンダー、レモン、オレンジ、ヤシ、ペパーミント、カシア、ローズマリー、タイム等から得られるものなどが挙げられるがこれらに限定されない。
【0061】
腐食防止剤
水性エアロゾル組成物を用いると、引火性が低く、原料コストが低い製品を製造することができる。しかし、このようなエアロゾル組成物に水を用いると、非常に広く用いられている錫メッキされたスチール缶の内面における腐食の問題も増加させ、そのためエアロゾル製品の汚染、および腐食が十分深刻なものであった場合には最終的に缶の漏れをもたらす。このため、好ましくは腐食防止剤がは水性エアロゾル組成物内に加えられる。
【0062】
腐食しやすい缶が水を含む組成物とともに用いられる場合、1種以上の、リン酸カリウム、亜硝酸カリウム、リン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、これらの混合物等の腐食防止剤、または1種以上の他の腐食防止剤が加えられてもよい。
【0063】
リン酸二カリウム(di−potassium phosphate)(K2HPO4)は、腐食防止剤およびバッファーの両者として有用である。リン酸二カリウムは単独でまたはリン酸一カリウム(mono−potassium phosphate)(KH2PO4)と組み合わせて用いられてもよい。リン酸二ナトリウム(di−sodium phosphate)(Na2HPO4)も腐食防止剤およびバッファーの両者として有用であり、リン酸二カリウムの代わりにしてもよい。リン酸一ナトリウム(mono−sodium phosphate)(NaH2PO4)もリン酸一カリウムの代わりに、またはそれに加えて、用いてよい。リン酸二−カリウムおよび/もしくはナトリウムのみ、またはリン酸二−および一−カリウムおよび/もしくはナトリウムという組み合わせは、亜硝酸カリウム(KNO2)および/または亜硝酸ナトリウム(NaNO2)の形態で他の腐食防止剤が存在することによって増強されることが見出されている。それに応じて、リン酸二カリウムまたはリン酸二ナトリウムの存在は約0.01〜約1.0重量%、より好ましくは約0.02〜約0.25重量%の範囲であってよい。これらの塩に適したpH範囲は約6〜約12、より好ましくは約7〜約11、さらに好ましくは約8〜約10である。
【0064】
リン酸二カリウムまたはリン酸二ナトリウムの量は、少量のリン酸一カリウムおよび/またはリン酸一ナトリウムが上記で実施例2および4において示されるように利用される場合、減らしてもよいが、二リン酸塩のみ、または一リン酸塩のみを用いることが可能である。用いられる場合、リン酸一カリウムおよび/またはリン酸一ナトリウムは少量存在すれば十分であるが、その存在は約0.01〜約1.0重量%、より好ましくは約0.02重量%程度の範囲であってよい。利用される場合、亜硝酸カリウムは、約0.01〜約1.0重量%、より好ましくは約0.07〜約0.15重量%の範囲の量で存在しうる。防止剤は水酸化カリウムおよびリン酸を用いて、または水酸化ナトリウムおよびリン酸を用いてin situで生成されてもよい。リン酸一カリウム/ナトリウムが添加される量は、バッファー系を約5〜約10、好ましくは約7〜約9の範囲の、酸性〜アルカリ性pHの範囲にするように、リン酸二カリウム/ナトリウムの量を超える量であってよい。
【0065】
リン酸アンモニウムおよび/または亜硝酸アンモニウムも上記で議論される腐食防止剤とともに用いてまたは組み合わせてもよい。しかし、亜硝酸アンモニウムは爆発性であって、そのため取り扱いの問題が存在する。リン酸三カリウム(tri−potassium phosphate)および三ナトリウム(tri−sodium phosphate)も用いることができ、リン酸等の酸により許容されるpHに中和されうる。トリエタノールアミンを安息香酸ナトリウムとともに、または上記で議論される1種以上の他の防止剤とともに用いるのは、腐食防止のための、好ましさが低い選択肢である。他の選択肢として、腐食防止は、ホウ砂(Na247/H2O)単独により、またはその亜硝酸ナトリウムもしくは上記で議論される1種以上の他の防止剤との組み合わせにおいて、提供されてもよい。
【0066】
一実施形態において、腐食防止剤は一リン酸カリウムおよび二リン酸ナトリウムを含む。好ましい一実施形態においては、腐食防止剤は一リン酸カリウムおよび二リン酸ナトリウムの50/50混合物を含む。組成物中に加えられる他の適した腐食防止剤は当業者にとって明白である。
【0067】
pH調整剤
適したpH調整剤としては、通常の酸、塩基、およびこれらの塩、例えばアンモニア、アルカリ金属水酸化物、ケイ酸塩、ホウ酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、クエン酸塩、クエン酸、またはこれらの混合物等が挙げられる。一実施形態において、pH調整剤は水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムである。他の実施形態においては、pH調整剤は水酸化アンモニウムである。
【0068】
組成物のpHは約6〜12、より好ましくは約7〜約11、最も好ましくは約8〜約10の範囲に含まれるべきである。所望のpHを得るために空気処理組成物中に加えられるpH調整剤の量は、当業者にとって明白である。好ましくは、pH調整剤の量は約0〜約5重量%、より好ましくは約0〜約2重量%の量で存在してもよい。
【0069】
図2に示すとおり、本開示のエアロゾルディスペンサーアセンブリは一般に容器2を備え、その上端に配置されたバルブアセンブリ4が液体製品を容器2から選択的に吐出する。
【0070】
図1を参照すると、バルブアセンブリ4はさらにマウンティングカップ6、マウンティングガスケット8、バルブ本体10、バルブステム12、ステムガスケット14、アクチュエーターキャップ16、およびリターンスプリング18を備える。アクチュエーターキャップ16は出口経路28およびアクチュエーター開口部32を規定する。バルブステム12、ステムガスケット14、およびリターンスプリング18はバルブ本体10内に配置され、バルブ本体10に対して相対的に可動である。バルブ本体10はマウンティングカップ6の下側に、バルブステム12がマウンティングカップ6を通って延びており、そこから外向きに突出するように付加される。アクチュエーターキャップ16はバルブステム12の外向きに突出する部分上にはめ込まれ、ディップチューブ20はバルブ本体10の下部に取り付けられる。バルブアセンブリ4全体がマウンティングガスケット8により容器2に密封される。
【0071】
図1に示すアクチュエーターキャップ16は単純な押しボタン式アクチュエーターであるが、例えば一体型オーバーキャップ(integral overcap)を備えたアクチュエーターボタン等の任意の適したアクチュエーターが用いられてもよいと理解される。使用時、ディスペンサー1のアクチュエーターキャップ16が押し下げられると、これがバルブステム12を下向きに動かし、ステムガスケットとステム開口部との間の密封を解いて、それにより容器の内容物から外部環境への流路が形成される。噴射剤は、液体製品をディップチューブ20を通じて本体開口部22経由でバルブ本体10へと押し上げる。バルブ本体10内で、液体製品は、バルブ本体10にベーパータップ24を通って供給されたさらなる噴射剤と混合される。ベーパータップ24は、液体製品と噴射剤とのバルブ本体10内における混合を促進し、それによって製品を、吐出に適したより小さな粒子破細する。バルブ本体10から、少なくとも1個のステム開口部26を通り、バルブステム12を抜けて、アクチュエーターキャップ16内に形成された出口経路28を通過して、液体製品が噴射される。
【0072】
図1に示すように、1対のステム開口部26を用いてもよい。しかし、1個のステム開口部のみが必須である。撹拌/混合部材が製品をさらに混合または撹拌するために出口経路内に提供されてよい。撹拌/混合部材は、例えばスピンチャンバー、ブレークアップバー、およびこれらの変形物、または他の同様な部材等の、任意の適した部材であってよいが、これらに限定されない。そして製品はアクチュエーターキャップ16からアクチュエーター開口部32を通って吐出され、これが製品を分散させ、所望のスプレーパターンを生成する。ディスペンサーアセンブリの一変形においては、図1に示すブレークアップバーの代わりに、ディスペンサーアセンブリが出口経路28の内部または下部に位置する1対のブレークアッププレートを備えてもよい。
【0073】
いくつかのバルブ部材は液体製品の噴射剤に対する吐出割合(dispensed ratio)に影響することが知られており、これらにはベーパータップ、ステム開口部、本体開口部、およびディップチューブの内径が含まれうる。一般に、ベーパータップのサイズを減少させると、より希薄な(leaner)混合物(低い噴射剤対液体比)が生成し、残留量が減少するが、粒径と吐出製品の噴霧速度とを増加させる効果を有する。逆に、ステム開口部、本体開口部、および/またはディップチューブ内径のサイズを減少させると、一般に噴霧速度と粒径との両者が減少し、潜在的に製品の残留量が増加する。
【0074】
前述の実験と分析とに基づくと、また以下に議論されるように、噴射剤の種類、缶圧力、およびバルブ開口部寸法のある組み合わせによって、空気中に高品質のエアロゾルスプレーを散布することができ、そのため空気処理組成物の性能を改善するディスペンサーを製造することができる。
【0075】
さらに、図1〜2のエアロゾル製品ディスペンサーアセンブリは、約10〜約50重量%の噴射剤と約5〜約25重量%の臭気除去活性を有する水溶性ポリオールとを含んだ水性2相オイルアウトエマルションを、ベーパータップ24の径が約0.003”(0.076mm)〜約0.020”(0.508mm)である場合に満足に吐出することができる。より好ましくは、ベーパータップ24の径は、噴射剤含有量が〜20ないし〜35重量%の範囲内である場合には約0.013”(0.330mm)〜約0.019”(0.483mm)の範囲であり、またベーパータップ24の径は、噴射剤含有量が〜15から〜20重量%の範囲内である場合には約0.003”(0.076mm)〜約0.013”(0.330mm)の範囲である。ステム開口部26の径は、単一のステム開口部が用いられる場合、約0.020”(0.508mm)〜約0.030”(0.762mm)(1対のステム開口部が用いられる場合、約0.014”(0.356mm)〜約0.025”(0.635mm))の範囲である。本体開口部22の径は、噴射剤含有量が〜20ないし〜25重量%の範囲内である場合、約0.008”(0.203mm)〜約0.062”(1.575mm)、より好ましくは約0.050”(1.270mm)〜約0.062”(1.575mm)の範囲である。本体開口部22の径は、噴射剤含有量が〜15ないし〜20重量%の範囲内である場合、およびディップチューブ20の内径が約0.040”(1.016mm)〜約0.060”(1.524mm)である場合、約0.008”(0.203mm)〜約0.050”(1.270mm)の範囲である。
【0076】
従って、上記のバルブ部材、噴射剤の種類、噴射剤圧力、およびバルブ開口部寸法のいずれも、本開示のディスペンサーアセンブリを提供するために組み合わせて用いてよい。
【0077】
本開示の1実施形態において、エアロゾルディスペンサーアセンブリ1は、約57psig(4.083気圧)の噴射剤圧力を有するAシリーズ噴射剤(すなわちA−57噴射剤)を用いて液体製品を容器2から吐出する。この実施形態では、容器は最初に約70psig(4.763気圧)〜約80psig(5.444気圧)の缶圧力まで加圧される。この実施形態におけるベーパータップ24の径は約0.016”(0.406mm)である。それぞれが約0.024”(0.610mm)の径を有する2個のステム開口部26を用いてもよい。本体開口部の径は約0.050”(1.270mm)であり、ディップチューブの内径は約0.060”(1.524mm)である。
【0078】
ディスペンサーアセンブリ1の他の実施形態では単一のステム開口部26を用いる。この実施形態においても、ディスペンサーアセンブリ1は、A−57噴射剤、および液体製品を容器2から吐出するための約70psig(4.763気圧)〜約80psig(5.444気圧)の缶圧力を用いる。ベーパータップの径は約0.016”(0.406mm)であり、単一のステム開口部の径は約0.025”(0.635mm)であり、本体開口部の径は約0.062”(1.575mm)であり、ディップチューブの内径は約0.060”(1.524mm)である。
【0079】
ディスペンサーアセンブリのこれらの実施形態は、該ディスペンサーアセンブリの耐用期間の少なくとも75%の期間中、容器内に含まれる液体製品を45μm(0.0018”)以下の平均粒径を有するミストとして吐出することができる。吐出されたミストはこのような小さな粒径を有するため、約10〜約50重量%の限られた噴射剤量を含む、より大きな粒径を生成するアセンブリを用いるよりも、粒子が空気中により容易に拡散し、降下(fallout)が起こりにくい。この降下量の減少は、ディスペンサーアセンブリの臭気除去(排除)効能を高め、調理台、テーブルまたは床等の平坦表面上に液体製品の望ましくない残留物が沈降(settling)することを防止するのに役立つ。さらに噴霧速度は、ディペンサーアセンブリの耐用期間の少なくとも75%において、好ましくは約0.5g/s〜約2.5g/sの範囲内である。
【0080】
好ましい粒径および噴霧速度は上記および以降の試験例において記載されているが、粒径および噴霧速度はディスペンサーごとに、ならびに、例えば温度および/または湿度等であるが限定されない各種条件のばらつきにより、異なりうる。
【0081】
200g/sの噴霧速度および200D(V,0.5)の粒径は、好ましくは製品の耐用期間の約50〜75%において収集された後期製品性能測定値(late in life product performance measurement)である。噴霧速度および粒径の測定値はその測定に製品を消費するため、2つの噴霧速度および2つの粒径の測定値を収集する過程は噴霧速度に依存して製品重量の減少をもたらす。従って、製品重量の値は初期製品重量の約45%で一定に維持される。この後期測定前の初期製品重量の選択は、2.5g/sまでの噴射速度で、80グラムのパッケージ中の260グラムの充填重量に対して、吐出可能な製品をこの工程において枯渇させることなく、適切に測定値を収集することを可能にする。
【0082】
さらに、ディスペンサーアセンブリのこれらの好ましい実施形態は、容器から95重量%超の液体製品を吐出すること、すなわち5重量%未満の製品残留物しか残さないこと、および、より好ましくは容器から98重量%超の液体製品を吐出すること、すなわち2重量%未満の製品残留物しか有しないこと、が可能である。1実施形態においては、実質的に全ての製品が空気中に吐出されうる。また、ディスペンサーアセンブリの耐用期間の終わりに容器内に残留する製品の量を最小限にすることにより、無駄になる液体製品がより少なくなる。消費者は実質的に全ての製品が吐出されるとディスペンサーアセンブリに対してより満足する傾向があるため、これは消費者満足の観点から重要である。
【0083】
組成物、バルブ、アクチュエーターオーバーキャップ、およびスプレー性能パラメーターのさらなる実施形態を以下の実施例に記載する。実施例は例証を意図するものであり、制限的なものではない。
【実施例】
【0084】
組成物
【表4】

【0085】
実施例C1、C2、C3およびC4は振とうされた際にオイルアウトエマルションを形成する。オイルアウトエマルションの形成は良好なスプレー性能を維持するために重要である。
【0086】
C1〜C4の実施例全ておよび比較例C7は、水性および任意で含まれるアルコール性部分を含む液体キャリアに対して約8.5〜約9.5のpH値を有する。
【0087】
比較例C7は単相系である。振とうは必要無く、2相エマルションは存在しない。
【0088】
C1〜C4およびC7〜C11の全ての実施例は約50重量%を超えない噴射剤濃度を有する。しかし、より高い噴射剤の値、例えば55重量%、60重量%、65重量%、70重量%、75重量%、または80重量%さえも適している場合があり、本開示の範囲内とみなされる。各種の他の濃度での噴射剤を組み込むことは当業者にとって明白である。
【0089】
実施例C1、C2、C3、およびC4におけるエタノール含有量の最大レベルは38.4重量%である。比較例C7においては、組成物の内容が互いに溶解し、単相の産物を形成する。どのような特定の理論にも制約されることなく、溶媒(エタノール)の存在は単相の液体の形成に貢献しうる。しかし、エタノールは総VOC含有量を増加させ、存在するエタノールの量に依存して、例えばエタノールを含み水を含まない組成物C7によって示されるように、高いVOC含有量を有する組成物をもたらしうる。組成物の総VOC含有量を減少させるため、組成物のエタノール含有量の一部または全部を、例えば組成物C1〜C4およびC8〜C11で示されるように、水で置き換えてもよい。水はVOCとして分類されないため、水が存在する場合に製品の総VOC含有量は減少する。一部の例(不掲載)においては、エタノール含有量は添加された水を完全に溶解するのに十分である。実施例C3およびC4においては、しかし、水含有量がエタノール含有量に匹敵し、そのため2相系が形成される。水アルコール混合物は振とうされた際に2相オイルアウトエマルションを形成し、そのように形成されたエマルションの安定性は乳化剤の存在により促進されうる(実施例C3において)。
【0090】
実施例C8〜C11には、約30重量%以上の量の噴射剤の添加を示す。しかし、上で議論される比較例C7と比べ、組成物C8−C11の総VOC含有量は、共溶媒の含有量の減少により、大きく減少している。好ましくは、エアロゾル組成物は60重量%を超えない総VOC含有量を有していてよい。
【0091】
次の2つの表に、適したバルブとオーバーキャップとをまとめる。これらは上に記載される各製剤とともに用いられた際に、次の3つ目の表に示されるスプレー性能パラメーターを示す。
【0092】
バルブ
【表5】

【0093】
アクチュエーターオーバーキャップ
【表6】

【0094】
スプレー性能パラメーター
【表7】

【0095】
V1およびAO1に示した標準的なパッケージためのバルブおよびアクチュエーターオーバーキャップの組み合わせは、または、実施例C1およびC2において同様な性能結果で用いることができる。組成物C7のためのバルブV7は、Summit Packaging Systemsからも入手可能である(本体開口部=0.062”、ステム開口部=1×0.025”、ディップチューブID=0.060”、およびベーパータップ=0.020”)。
【0096】
一実施形態において、エアロゾルディスペンサーアセンブリは、空気を処理する臭気除去組成物と、容器に取り付けられた、組成物を選択的に吐出するためのバルブとを含む容器を備えていてよく、ここで吐出される組成物は、ディスペンサーアセンブリの耐用期間の少なくとも75%の期間中、45μm以下の質量メジアン粒径を、および、前記ディスペンサーアセンブリの耐用期間の少なくとも75%の期間中、約0.5g/s〜約2.5g/sの範囲の噴霧速度を、有し;またここでバルブは約0.003”〜約0.20”の範囲の径を有するベーパータップと、少なくとも1個のステム開口部を規定するバルブステムとを備え、この少なくとも1個のステム開口部の径の合計は少なくとも0.010”である。
【0097】
空気処理組成物は次の利点のうち1以上を有していてよい:(1)臭気除去;(2)微細なミスト;(3)適切な噴霧速度;(4)少ない残留;(5)缶の腐食が無いこと;(6)低い製造コスト;および(7)毒性または他の有害効果が無いこと。
【0098】
上記実施例を所定の試験手順を用いて試験した。以下は噴霧速度、粒径および残留等の状態および結果を測定するために用いた試験手順の条件およびパラメーターの概要である。
【0099】
スプレー性能は周囲室内条件(ambient indoor condition)、すなわち70oF、および通常の湿度の下で評価された。試料は周囲室内条件下で、試験前の少なくとも24時間貯蔵された。
【0100】
噴霧速度を10秒間の噴霧の間の重量の変化により測定し、グラム/秒で記録し、試料の耐用期間(sample life)の最初の40秒間の間の2回の噴霧について平均する。測定中はアクチュエーターを完全に押し下げる。缶は噴霧前に適切に振とうし、振とうと噴霧との間で2〜4秒間まで放置される。
【0101】
噴霧率200は試料を200g(製剤+パッケージ)にまで噴霧した後に収集され、2回の測定について平均される。
【0102】
粒径は、300mmのレンズを備えたMalvern(登録商標)レーザー回折粒径アナライザーを用いて記録される質量メジアン径、D(V,0.5)(μm)である。エアロゾルをプローブビームから18”のスプレーチップを用いて噴霧した。カットオフを301.7μmで適用し、「ビームステアリング(beam steering)」により生ずるゴーストピークを排除した。粒径測定のための噴霧時間は、噴霧のオブスキュレーション(obscuration)に依存して5ないし10秒間の間であった。結果は、試料の耐用期間の最初の40秒間の間に収集した2回の測定について平均した。試料は測定を行う前に適切に振とうし、振とうと噴霧との間で2〜4秒間まで放置した。
【0103】
粒径200もMalvern(登録商標)アナライザーを用いて測定され、200g(製剤+パッケージ)にまで噴霧された試料に対して収集され、少なくとも2回の測定について平均された。エアロゾルをプローブビームから18"のスプレーチップを用いて噴霧した。典型的には、粒径200および噴霧率200の測定は各2回完了するまで交互に行った。
【0104】
スプレーダウン(spray-down)はスプレー缶を1時間に1回、10秒間、通常最大で1日あたり6回噴霧することにより達成された。この工程は缶圧力を減らすことになり、缶圧力はスプレーダウンの量に応じて24時間ほど放置することで回復した。他の重量な測定値、例えば粒径および噴霧速度は、実質的なスプレーダウン(3回以上の10秒間噴霧)の24時間以内には測定されなかった。
【0105】
製品残留はスプレーダウン手順による噴射剤の完全な排出後にエアロゾル中に残存する物質の重量である。残留した製品の重量は、完全に排出された(内部圧力が周囲圧力に等しくなった時の)パッケージの最終重量から、容器を開けて残存する含有物をアセトンを用いて洗い流し(て乾燥し)た後のパッケージの重量を差し引いた差によって測定した。製品残留は残留グラム数または残留パーセントで記録されてもよい。
【0106】
一部の実施形態のみが記載されたが、代替および改変は当業者にとって上の記載から明白である。これらや他の代替は同等のものとみなされ、本開示および添付の請求の範囲の趣旨および範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
約5〜約25重量%の、少なくとも1種の、約250グラム/モル以下の分子量を有するポリオールと;
0〜約4重量%の乳化剤と;
約10〜約50重量%の噴射剤と;
0〜約40重量%の共溶媒と;
水と;
所望により含まれていてもよい、香料、腐食防止剤、pH調整剤、抗菌剤、および保存剤からなる群より選択される1種以上の成分と、
を含む空気処理組成物であって、
ここで前記組成物が、吐出された際に、前記組成物の耐用期間の少なくとも75%の期間中、45μm以下の平均粒径を有し、かつ、前記組成物の耐用期間の少なくとも75%の期間中、約0.5g/s〜約2.5g/sの範囲の噴射速度を有する空気処理組成物。
【請求項2】
前記噴射剤が約10〜約40重量%の量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記噴射剤が約10〜約35重量%の量で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物の総VOC含有量が約60重量%以下である請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記噴射剤が炭化水素噴射剤を含む請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記乳化剤がソルビタンエステル類、第4級アンモニウム塩類、およびこれらの混合物からなる群より選択される界面活性剤を含む、請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記共溶媒がエタノールである請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記ポリオールがモノアルキレングリコール類、ジアルキレングリコール類、トリアルキレングリコール類、グリセロール類、およびこれらの混合物からなる群より選択される、請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記ポリオールがトリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項4記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が約8〜約10の範囲のpHを有する請求項1記載の組成物。
【請求項11】
約5〜約25重量%のトリエチレングリコールと;
0〜約4重量%の乳化剤と;
約10〜約50重量%の噴射剤と、
0〜約40重量%の共溶媒と;
水と;
所望により含まれていてもよい、香料、腐食防止剤、pH調整剤、抗菌剤、および保存剤から選択される1種以上の成分と、
を含む空気処理組成物であって、
ここで、前記組成物が、吐出された際に、前記組成物の耐用期間の少なくとも75%の期間中、45μm以下の平均粒径を有し、かつ、前記組成物の耐用期間の少なくとも75%の期間中、約0.5g/s〜約2.5g/sの範囲の噴射速度を有する空気処理組成物。
【請求項12】
前記噴射剤が約10〜約40重量%の量で存在する請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記噴射剤が約10〜約35重量%の量で存在する請求項11記載の組成物。
【請求項14】
空気を処理するための臭気除去組成物を含んだ容器と;
前記組成物を選択的に吐出させるための、前記容器に取り付けられたバルブと;
を含むエアロゾルディスペンサーアセンブリであって、
ここで、前記の吐出された組成物は、前記ディスペンサーアセンブリの耐用期間の少なくとも75%の期間中45μm以下の質量メジアン粒径を有し、かつ、前記ディスペンサーアセンブリの耐用期間の少なくとも75%の期間中約0.5g/s〜約2.5g/sの範囲の噴射速度を有し、
ここで、前記バルブは約0.003”〜約0.20”の範囲の径を有するベーパータップと、少なくとも1個のステム開口部を規定するバルブステムとを備え、前記の少なくとも1個のステム開口部は少なくとも0.010”の累積径を有し、
ここで、前記組成物は:
約5〜約25重量%の、少なくとも1種の、約250グラム/モル以下の分子量を有するポリオールと;
0〜約4重量%の乳化剤と;
約10〜約50重量%の噴射剤と;
0〜約40重量%の溶媒と;
水と、
を含む、
エアロゾルディスペンサーアセンブリ。
【請求項15】
前記ポリオールがモノアルキレングリコール類、ジアルキレングリコール類、トリアルキレングリコール類、グリセロール類、およびこれらの混合物からなる群より選択される請求項14記載のエアロゾルディスペンサーアセンブリ。
【請求項16】
前記噴射剤が炭化水素噴射剤である請求項14記載のエアロゾルディスペンサーアセンブリ。
【請求項17】
前記ディスペンサーアセンブリが5%未満の前記組成物の残留を示す、請求項14記載のエアロゾルディスペンサーアセンブリ。
【請求項18】
前記ディスペンサーアセンブリが:
約0.008”〜約0.062”の範囲の径を有する本体開口部と;
前記バルブから前記容器へ延びているディップチューブであって、ここで前記ディップチューブが約0.040”〜約0.060”の範囲の径を有するディップチューブと、
をさらに含む、請求項14記載のエアロゾルディスペンサーアセンブリ。
【請求項19】
前記ディスペンサーアセンブリが:
前記バルブステム上に取り付けられた、前記バルブを作動させて前記組成物を吐出させるためのスプレーアクチュエーターであって、前記組成物を吐出させるための出口経路を規定する、前記スプレーアクチュエーターと;
所望により含まれていてもよい、前記スプレーアクチュエーター内に位置し、前記組成物を破細し、前記組成物が吐出される前に前記組成物の粒径を低下させるための撹拌部材と、
をさらに含む、請求項14記載のエアロゾルディスペンサーアセンブリ。
【請求項20】
前記撹拌部材が、スピンチャンバーおよびブレークアップバーのうち少なくとも1つを含む、請求項19記載のエアロゾルディスペンサーアセンブリ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2009−542323(P2009−542323A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518161(P2009−518161)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【国際出願番号】PCT/US2007/014345
【国際公開番号】WO2008/002428
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(500106743)エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド (168)
【Fターム(参考)】